JP2011065596A - Rfidインレット、rfid、及びrfidインレットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐静電性を有するRFIDインレット、RFID、及びRFIDインレットの製造方法を提供する。
【解決手段】RFIDインレット10は、基板2及びアンテナパターン4と、基板2の上面2aに形成され、アンテナパターン4に接続されたTFT回路3と、アンテナパターン4及びTFT回路3と接触しないよう、少なくとも基板2の上面に配置された導電性の柱状部材6とを備え、柱状部材6の基板2の上面2a側に位置する部分の基板法線方向の長さは、TFT回路3の基板法線方向の長さに比べて長い。
【選択図】図1
【解決手段】RFIDインレット10は、基板2及びアンテナパターン4と、基板2の上面2aに形成され、アンテナパターン4に接続されたTFT回路3と、アンテナパターン4及びTFT回路3と接触しないよう、少なくとも基板2の上面に配置された導電性の柱状部材6とを備え、柱状部材6の基板2の上面2a側に位置する部分の基板法線方向の長さは、TFT回路3の基板法線方向の長さに比べて長い。
【選択図】図1
Description
本発明は、RFIDインレット、RFID、及びRFIDインレットの製造方法に関する。
近年、RFIDインレットを挟み込んだRFIDの需要が増している。需要の増加に伴い、挿入されるRFIDインレットの種類も増し、近年ではゴマ粒大のICタグからクレジットカード大のICカードまで多岐にわたるRFIDインレットがRFIDの中に挟み込まれている。特許文献1には、ICカードの例が開示されている。
RFIDインレットを挟み込むための材料としては紙や布、樹脂、フィルムなど種々の材料が用いられるが、例えば紙を用いる場合、RFIDインレットは、抄紙工程で2枚の湿紙の間に挿入されることになる。抄紙工程には乾燥処理やカレンダ処理が含まれるが、これらの処理はRFIDインレットが挟み込まれた状態で行われる。
ところで、RFIDインレットの周囲では、様々な場面で静電気による放電(静電気放電)が発生し、この放電によってRFIDインレットが破壊されてしまう場合がある。例えば、上述したカレンダ処理ではローラー間に比較的強力な静電気放電が発生するが、この静電気放電によりRFIDインレット内のIC(集積回路)に大電流が流れ、破壊されてしまう場合がある。また、ICカードの使用中にも、衣服のこすれやドアノブとの接触など通常の生活の中で発生する静電気放電により、RFIDインレット内の集積回路が破壊されてしまうおそれがある。したがって、これらの静電気放電に対する耐性(耐静電性)を有するRFIDインレットが求められる。
特許文献1には、ICカード作成装置内で発生する帯電によるICチップの破損を防止するための技術が開示されている。この技術では、ICカードの表面付近に帯電防止層が設けられる。しかしながら、このように表面付近に帯電防止層を設けるだけでは静電気を十分に逃がすことができず、十分な耐静電性を得ることは困難である。
したがって、本発明の目的の一つは、高い耐静電性を有するRFIDインレット、RFID、及びRFIDインレットの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるRFIDインレットは、基板及びアンテナパターンと、前記基板の表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、前記アンテナパターン及び前記集積回路と接触しないよう配置された導電性の柱状部材とを備え、前記集積回路及び前記アンテナパターンは、前記基板表面の接線方向から見て、前記柱状部材の上面と下面に挟まれる領域内に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、RFIDインレットの上面側から到来した静電気は、柱状部材を通って下面側に放電される。これにより、高い耐静電性が実現される。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記柱状部材は前記基板を貫通していることとしてもよい。これによれば、RFIDインレットの上面側から到来した静電気を、より確実に下面側に放電することが可能になる。また、静電気放電による基板へのダメージを軽減することが可能になる。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記柱状部材は、前記基板の上面と下面にそれぞれ配置されることとしてもよい。これによれば、RFIDインレットの上面側から到来した静電気を、より確実に下面側に放電することが可能になる。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記基板、前記アンテナパターン、及び前記集積回路を封止する樹脂層をさらに備え、前記柱状部材は、前記樹脂層を貫通していることとしてもよい。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記アンテナパターンは平面スパイラル構造を有し、前記柱状部材は、前記アンテナパターンの最外周の外側及び最内周の内側に設けられることとしてもよい。
また、本発明によるRFIDは、上記各RFIDインレットのいずれかを挟み込んだRFIDであることを特徴とする。
また、本発明の一側面によるRFIDインレットの製造方法は、基板及びアンテナパターンと、前記基板の一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、導電性の柱状部材とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、前記アンテナパターン及び前記集積回路を形成し、樹脂層で封止する工程と、前記アンテナパターン及び前記集積回路と接触しないよう、少なくとも前記基板の前記一方側表面側に位置する前記樹脂層を貫通する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔を導電材料で埋めることにより、前記柱状部材を形成する工程とを備えることを特徴とする。なお、前記貫通孔は、前記樹脂層及び前記基板を貫通することとしてもよい。
また、本発明の他の一側面によるRFIDインレットの製造方法は、基板及びアンテナパターンと、前記基板の一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、導電性の柱状部材とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、前記基板の前記一方側表面のうち、前記基板の法線方向から見て互いに重複しない位置に、前記集積回路及び前記アンテナパターンと前記柱状部材の一部となる導電材料とを形成する工程と、前記導電材料の上面が前記集積回路の上面より高くなるよう、前記導電材料の膜厚を増加させることにより、前記柱状部材を形成する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の一側面によるRFIDインレットの製造方法は、基板及びアンテナパターンと、前記基板の一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、導電性の柱状部材とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、前記アンテナパターン及び前記集積回路を形成し、樹脂層で封止する工程と、前記アンテナパターン及び前記集積回路と接触しないよう、少なくとも前記基板の前記一方側表面側の前記樹脂層を貫通する導電性のピンを刺し込む工程とを備えることを特徴とする。なお、前記ピンは、前記樹脂層及び前記基板を貫通することとしてもよい。
本発明によれば、RFIDインレットの一方表面側から到来した静電気は、柱状部材を通って他方表面側に放電される。これにより、高い耐静電性が実現される。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態によるRFIDインレット10の構成を示す図である。図1(a)はRFIDインレット10の上面透視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図である。また、図1(c)は図1(b)に示した領域Bの拡大図である。なお、図1(b)(c)は、断面に現れる構成を分かりやすく示すために、図面縦方向に大幅に引き伸ばして描いている。また、図1(a)は断面図ではないが、分かりやすくするためにTFT回路3、アンテナパターン4、及び柱状部材6にハッチングを施している。後掲する各図でも同様である。
図1(a)〜(c)に示すように、RFIDインレット10は、基板2と、基板2の上面2aに形成されたTFT回路3及びアンテナパターン4と、これらを封止する保護層5と、保護層5及び基板2を貫通する柱状部材6とを備えている。
RFIDインレット10は紙の中に挿入されて用いられるものであり、抄紙工程で2枚の湿紙の間に挟む形で挿入される。紙とRFIDインレット10との接着には、必要に応じて糊が利用される。RFIDインレット10が挿入された紙は、乾燥処理などが施された後、RFIDとして出荷されることになる。
抄紙工程で行われる処理のひとつにカレンダ処理がある。図2はカレンダ処理の説明図である。同図に示すように、カレンダ処理では、RFIDインレット10を含む紙PをローラーRに挟む。ローラーRは、図示したC方向に回転することで紙Pを図面N1方向に送るとともに、紙Pに図面D方向(紙送り方向N1と垂直な方向)の圧力を加える。このとき、ローラーR間に激しい静電気放電が発生することがある。本実施の形態では、この静電気放電に耐え得る構造を有するRFIDインレット10を提供する。
基板2は、各種のプラスチックフィルム等によって構成される平板状の材料である。具体的には、基板2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル系、耐水紙などの単独フィルム若しくはこれらの複合フィルムを用いることができる。基板2の厚みは規格によって決められており、具体的には1μm〜100μm程度である。また、本実施の形態では、縦幅45mmと横幅75mmの基板2を用いているが、基板2の大きさはこれに限られるものではない。
TFT回路3は、基板2上にTFT(Thin Film Transistor)を使って形成した集積回路である。本実施の形態ではTFT回路を用いているが、本発明は、集積回路として半導体基板を用いて作製されたICチップを用いる場合にも適用できる。
TFT回路3及びアンテナパターン4は所謂パッシブタグを構成する。すなわち、TFT回路3は、主として基板上面2aに形成されたTFT、ダイオードなどの能動素子と、キャパシタ、抵抗などの受動素子と、これら素子を相互接続する配線とから構成され、これによって整流回路、メモリ、通信回路などが構成される。アンテナパターン4は図1(a)に示すような平面スパイラル構造を有し、その端部4a,4bはそれぞれ、TFT回路3の両端に設けられたアンテナ接続端子3a,3bに接続している。なお、図1ではTFT回路3とアンテナパターン4とを同じ基板上面2aに形成しているが、異なる表面に形成してもよい。この場合、端部4a,4bとアンテナ接続端子3a,3bとは、基板2に設けられたスルーホール導体を介して接続する。以下、TFT回路3とアンテナパターン4によって構成されるパッシブタグの動作について、簡単に説明する。
まず、リーダ(不図示)が、読み出し命令を含むデータによって変調した電波(変調波)を送出し、その後、無変調の電波(無変調波)を所定時間にわたって送出する。TFT回路3の整流回路は、アンテナパターン4を介してこれらの電波を受信し、整流して直流化する。通信回路は、この直流を電源として動作するものであり、まず変調波を解釈し、解釈結果に応じてメモリ内からデータを読み出す。そして、読み出したデータによって無変調波の反射波を変調する。リーダはこの反射波を受信することで、TFT回路3内のメモリに記憶されているデータを取得する。
保護層5は、樹脂素材によって構成される。具体的な材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。保護層5を形成する際には、基板2の上側と下側からフィルム状の材料を貼り付け、熱プレス成形によって、基板2、TFT回路3、及びアンテナパターン4に密着させる。これにより、保護層5による封止が完成する。保護層5の厚みは片側(基板2の一方側)のみで1μm〜100μm程度であり、したがって、RFIDインレット10全体としての厚みは3μm〜300μm程度となっている。
柱状部材6は導電材料からなり、少なくとも基板2の上面2aに配置される。図1の例では、保護層5及び基板2を上面から下面まで貫通する貫通孔内に設けられた導電材料からなり、図1(a)に示すように、平面スパイラル構造を有するアンテナパターン4の最外周の外側及び最内周の内側にそれぞれ複数ずつ設けられる。なお、柱状部材6は、TFT回路3及びアンテナパターン4と接触しないよう、基板2の法線方向から見てこれらと重複しない位置に配置される。
図3(a)(b)は、柱状部材6の平面的な配置の好ましいバリエーションを示す図である。これらの図に示すように、柱状部材6は、基板2の表面をTFT回路3又はアンテナパターン4と交差しつつ横断する任意の横断直線(図3中の破線E1〜E5はそれぞれこの横断直線の例である。)が、それぞれ少なくとも1つの柱状部材6と交差するように配置してもよい。こうすることにより、抄紙工程での紙の進行方向に対してRFIDインレット10の向きが傾いたとしても、TFT回路3及びアンテナパターン4を静電気放電から保護することが可能になる。
なお、図1や図3(b)に示した例ではアンテナパターン4の最外周の外側及び最内周の内側にそれぞれ柱状部材6を設けたが、最内周の内側に導体を配置することはアンテナパターン4が発生する磁界をかく乱する要因となることから、最内周の内側に配置する柱状部材6の数及び総断面積はできるだけ小さくすることが好ましい。図3(a)に示したように、最外周の外側のみに柱状部材6を配置することとしてもよい。
図1(c)に戻る。RFIDインレット10では、TFT回路3及びアンテナパターン4は、基板上面2aの接線方向(図1(c)では横方向)から見て、柱状部材6の上面6aと下面6bに挟まれる領域内に配置されている。言い換えれば、柱状部材6の基板2の上面2a側に位置する部分の基板法線方向の長さL1が、TFT回路3及びアンテナパターン4の基板法線方向の長さL2に比べて長くなっている。そして、柱状部材6の上面6aは、TFT回路3の上面3a及びアンテナパターン4の上面4aに比べて基板上面2aから遠い位置にある。また、柱状部材6の下面6bから基板上面2aまでの距離L3は、TFT回路3の下面3b及びアンテナパターン4の下面4bから基板上面2aまでの距離(=ゼロ)に比べて長くなっている。RFIDインレット10がこのような構成を有することにより、RFIDインレット10の上面側から到来した静電気は、TFT回路3やアンテナパターン4ではなく柱状部材6に落ち、柱状部材6を通ってRFIDインレット10の下面側に放電される。したがって、直接の静電気放電や、静電気放電に伴う大電流がアンテナパターン4を通じてTFT回路3に流れ込むことによるTFT回路3の破壊が、柱状部材6を設けない場合に比べて防止されており、RFIDインレット10は高い耐静電性を有していると言える。
また、RFIDインレット10では柱状部材6が基板2を貫通している。これにより、基板2についても、静電気によって破壊されるおそれが減少している。
次に、RFIDインレット10の製造方法を説明する。
図4〜図6は、RFIDインレット10の製造方法を示す図である。この製造方法は、複数のRFIDインレット10を同時に1つのウェハ上に形成するものであり、各図(a)はウェハの上面図、(b)はウェハの断面図を示している。図4(b)は図4(a)のF−F’線断面図であり、図5(b)は図5(a)のG−G’線断面図であり、図6(b)は図6(a)のH−H’線断面図である。
まず初めに、ウェハ上の所定位置にTFT回路3及びアンテナパターン4を形成し、保護層5で封止する。ここまでの工程には、従来と同様のプロセスを用いることが可能である。封止が完了したら、図4(a)(b)に示すように、TFT回路3及びアンテナパターン4と接触しないよう、保護層5及び基板2を貫通する貫通孔6aを形成する。
次に、図5(a)(b)に示すように、貫通孔6aを導電材料で埋め、柱状部材6を形成する。なお、図5(b)では、柱状部材6が保護層5の表面から突出しているが、このように突出させてもよいし、図1(b)に示したように、柱状部材6の上下面を保護層5の表面と面一としてもよい。突出させた場合には、突出部分が紙とRFIDインレット10との引っかかりとなり、紙の中でRFIDインレット10が移動してしまうことが防止される。
最後に、図6(a)(b)に示すように、ダイシングにより個々のRFIDインレット10を切り出し、各RFIDインレット10が完成する。
以上説明したように、この製造方法によれば、貫通孔6aを空けて導電材料で埋めるという簡易な工程により、耐静電性を高めるための柱状部材6を有するRFIDインレット10を一度に複数個製造することが可能になる。
なお、上記製造方法では保護層5及び基板2を貫通する貫通孔6aを形成したが、基板2の上面2a側に位置する保護層5のみを貫通する貫通孔を用いてもよい。この場合、柱状部材6は基板2の上面2a側のみに配置されることになるが、図1(c)に示したL1とL2の関係は保たれる。したがって、このようにしても、耐静電性を高めるための柱状部材6を有するRFIDインレット10を製造することが可能になる。
以下、RFIDインレット10のその他の製造方法を示しながら、RFIDインレット10の構成のバリエーションについても説明する。
図7(a)〜(c)は、RFIDインレット10の他の製造方法を示す図である。図7に示したRFIDインレット10では、柱状部材6の平面的な配置は図1に示した例と同様であり、図1(b)に示した領域Bに相当する部分を示している。
この製造方法では、まず初めに、基板2の上面2aのうち、基板2の法線方向から見て互いに重複しない位置に、TFT回路3、アンテナパターン4、及び柱状部材6の一部となる導電材料7を同時に形成する(図7(a))。この過程で形成される導電材料7の膜厚は、図7(a)に示すように、TFT回路3の膜厚と同程度になる。
次に、スパッタやスクリーン印刷などの方法により、導電材料7の上面がTFT回路3及びアンテナパターン4の上面より高くなるよう、導電材料7の膜厚を増加させる(図7(b)(c))。この際、図1(c)のように積層する各導電材料7の間に、糊などの薄い非導電層が形成されても構わない。以上の工程により柱状部材6を形成し、最後に、図7(c)に示すように、全体を保護層5で封止することにより、RFIDインレット10が完成する。
図7(c)に示す柱状部材6では、図1で説明した柱状部材6と同様、柱状部材6の基板2の上面2a側に位置する部分の基板法線方向の長さL1が、TFT回路3及びアンテナパターン4の基板法線方向の長さL2に比べて長くなっている。言い換えると、柱状部材6の上面6aは、TFT回路3の上面3a及びアンテナパターン4の上面4aに比べて基板上面2aから遠い位置にある。また、柱状部材6の下面6bから基板上面2aまでの距離(=ゼロ)は、TFT回路3の下面3b及びアンテナパターン4の下面4bから基板上面2aまでの距離(=ゼロ)と等しくなっている。したがって、本製造方法によっても、耐静電性を高めるための柱状部材6を有するRFIDインレット10を製造することが可能になる。
なお、図7(c)の例における保護層5は、図1(b)の例とは異なり、柱状部材6の上面も覆っている。このようにしても、RFIDインレット10の耐静電性は確保される。
また、図7(d)に示すように、基板2の下面2bにも柱状部材6を配置してよいのはもちろんである。こうすることで、RFIDインレット10の上面側から到来した静電気を、より確実に下面側に放電することが可能になる。
図8(a)〜(c)は、RFIDインレット10のさらに他の製造方法を示す図である。この製造方法では、導電性のピンによって柱状部材6を構成する。以下、詳しく説明する。
この製造方法では、まず初めに、基板2上の所定位置にTFT回路3及びアンテナパターン4を形成し、保護層5で封止する。ここまでの工程には、従来と同様のプロセスを用いることが可能である。封止が完了したら、一方表面側から、治具9a,9bを用いて、保護層5及び基板2を貫通する導電性ピン8を刺し込む(図8(a)(b))。このとき、導電性ピン8がTFT回路3及びアンテナパターン4と接触しないようにする。
図9(a)(b)は、導電性ピン8を刺し込む平面的な位置を示している。図9(a)は、図1(a)などと同様に集積回路としてTFT回路3を用いる例を示し、図9(b)は、集積回路としてICチップ20を用いる例を示している。これらの図に示すように、導電性ピン8は、集積回路及びアンテナパターン4を取り囲むように配置することが好ましい。また、集積回路としてICチップ20を用いる場合には、図9(b)に示すように、ICチップ20の周囲に重点的に配置することが好ましい。
最後に、治具9a,9bを取り去れば、図8(c)に示すように、静電気放電からRFIDインレット10を保護する柱状部材6としての導電性ピン8を有するRFIDインレット10が完成する。
なお、導電性ピン8は、図8(c)に示すように、保護層5の表面から少し突出させることが好ましい。こうすることにより、突出部分が紙とRFIDインレット10との引っかかりとなり、紙の中でRFIDインレット10が移動してしまうことが防止される。
導電性ピン8を用いてRFIDインレット10を構成する場合のバリエーションについて説明する。
図10(a)(b)は、導電性ピン8を基板2に対して斜めに刺し込んだ例である。この場合、図10(b)に示すように、互いに交差する複数の導電性ピン8が含まれていても構わない。このように傾けて刺し込むことにより紙とRFIDインレット10との引っかかりがよくなり、紙の中でRFIDインレット10が移動してしまうことが、より効果的に防止される。
図10(c)は、RFIDインレット10の上下面から導電性ピン8を刺し込むようにした例である。この例のように、導電性ピン8は必ずしもRFIDインレット10の上面のみから刺し込まなくてはいけないわけではない。また、導電性ピン8は、RFIDインレット10を上面から下面まで貫通していなくてもよく、少なくとも基板2の一方側に位置する樹脂層5を貫通していればよい。
図11(a)は、導電性ピン8の一方端に、裁縫で用いる待ち針の飾りと同様の球形物8aを取り付けた例である。また、図11(b)の例では、さらに導電性ピン8の他方端に釣り針の返しと同様の返し部8bを取り付けている。また、図11(c)では、導電性ピン8の両端に返し部8bを設けた例を示している。これらのように、導電性ピン8の端部に球形物8aや返し部8bを設けることにより、導電性ピン8の抜けを防止できる。
図11(d)は、導電性ピン8としてステープラーの針を用いた例である。同図に示すように、導電性ピン8としてステープラーの針を用いてもよく、その場合にはステープラーを用いて柱状部材6を形成することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
2 基板
3 集積回路
3 TFT回路
3a,3b アンテナ接続端子
4 アンテナパターン
4a,4b 端部
5 保護層
6 柱状部材
6a 貫通孔
7 導電材料
8 導電性ピン
8a 球形物
8b 返し部
9a,9b 治具
10 RFIDインレット
20 ICチップ
3 集積回路
3 TFT回路
3a,3b アンテナ接続端子
4 アンテナパターン
4a,4b 端部
5 保護層
6 柱状部材
6a 貫通孔
7 導電材料
8 導電性ピン
8a 球形物
8b 返し部
9a,9b 治具
10 RFIDインレット
20 ICチップ
Claims (10)
- 基板及びアンテナパターンと、
前記基板の表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、
前記アンテナパターン及び前記集積回路と接触しないよう配置された導電性の柱状部材とを備え、
前記集積回路及び前記アンテナパターンは、前記基板表面の接線方向から見て、前記柱状部材の上面と下面に挟まれる領域内に配置されることを特徴とするRFIDインレット。 - 前記柱状部材は前記基板を貫通していることを特徴とする請求項1に記載のRFIDインレット。
- 前記基板、前記アンテナパターン、及び前記集積回路を封止する樹脂層をさらに備え、
前記柱状部材は、前記樹脂層を貫通していることを特徴とする請求項1又は2に記載のRFIDインレット。 - 前記アンテナパターンは平面スパイラル構造を有し、
前記柱状部材は、前記アンテナパターンの最外周の外側及び最内周の内側に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のRFIDインレット。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のRFIDインレットを挟み込んだRFID。
- 基板及びアンテナパターンと、
前記基板の一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、
導電性の柱状部材とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、
前記アンテナパターン及び前記集積回路を形成し、樹脂層で封止する工程と、
前記アンテナパターン及び前記集積回路と接触しないよう、少なくとも前記基板の前記一方側表面側に位置する前記樹脂層を貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔を導電材料で埋めることにより、前記柱状部材を形成する工程とを備えることを特徴とするRFIDインレットの製造方法。 - 前記貫通孔は、前記樹脂層及び前記基板を貫通することを特徴とする請求項6に記載のRFIDインレットの製造方法。
- 基板及びアンテナパターンと、
前記基板の一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、
導電性の柱状部材とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、
前記基板の前記一方側表面のうち、前記基板の法線方向から見て互いに重複しない位置に、前記集積回路及び前記アンテナパターンと前記柱状部材の一部となる導電材料とを形成する工程と、
前記導電材料の上面が前記集積回路の上面より高くなるよう、前記導電材料の膜厚を増加させることにより、前記柱状部材を形成する工程とを備えることを特徴とするRFIDインレットの製造方法。 - 基板及びアンテナパターンと、
前記基板の一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続された集積回路と、
導電性の柱状部材とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、
前記アンテナパターン及び前記集積回路を形成し、樹脂層で封止する工程と、
前記アンテナパターン及び前記集積回路と接触しないよう、少なくとも前記基板の前記一方側表面側の前記樹脂層を貫通する導電性のピンを刺し込む工程とを備えることを特徴とするRFIDインレットの製造方法。 - 前記ピンは、前記樹脂層及び前記基板を貫通することを特徴とする請求項9に記載のRFIDインレットの製造方法。
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2009
- 2009-09-18 JP JP2009218007A patent/JP2011065596A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20121204 |