JP2011062335A - 血糖値モニタリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非侵襲的手法及び侵襲的手法の欠点を解消した血糖値モニタリング装置を提供する。
【解決手段】本発明の血糖値モニタリング装置は、侵襲的に基準血糖値を測定する基準血糖値測定手段と、非侵襲的に血糖値を推定する血糖値推定手段と、上記基準血糖値を用いて、上記血糖値推定手段により推定された推定血糖値の校正を自動的に行う校正手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体の皮膚組織に近赤外光を照射すると共に、皮膚組織からの拡散反射又は透過光を受光し、得られた皮膚組織からの信号の測定を行うことで、生体成分や性状の定性・定量分析を行う生体成分センシング装置に関する。特に、本発明は、皮膚組織中のグルコース濃度変化により血中の血糖値を測定する血糖値モニタリング装置に関する。
近年、糖尿病患者の血糖値を管理するため、血糖値測定及び血糖値モニタリングに対するニーズが高まっている。さらに、集中治療室(ICU)において血糖値を適切な範囲に管理することで、死亡率の低下及び合併症の発生率の低下等の効果が医学的に実証されている。
血糖値の測定手法としては、次の二つに大別できる。一つは、採血した血液を用い、グルコースオキシダーゼ等の酵素反応を利用して定量する侵襲的手法がある。侵襲的手法としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)法やグルコース脱水素酵素(GDH)法などの酵素電極法や、ヘキソキナーゼ(HX)法などの酵素比色法がある。そして、もう一つは、採血のような体を傷つける操作を行わないで、生体から得られる何らかの情報をもとに血糖値を推定する非侵襲的手法がある。
ここで、血糖値の測定装置として、臨床検査用の大型装置のみならず、侵襲的手法による携帯型血糖計が、糖尿病患者の自己血糖値測定(SMBG)に広く利用されている。自己血糖値測定は、患者の指等の身体部位を針(ランセット)で穿刺し、1滴程度の血液を採取して血糖値測定を行う。このような採血による血糖値測定の信頼性は高く、携帯型血糖計に関し、市販されているほとんどの機種において測定誤差は10%以下である。
そして、従来より、非侵襲的に血糖値を推定する手法としては様々なものが提案されており、その中でも近赤外光を用いる手法が最も知られている(例えば、特許文献1参照)。近赤外光により非侵襲的に血糖値を測定する手法は、生体組織に近赤外光を照射し、生体組織内を拡散反射した光を測定し、得られる信号やスペクトルから血糖値の定性・定量分析を行う手法である。
特開2006−087913号公報
非侵襲的に血糖値を推定する手法は、患者に負担をかけず血糖値を測定できるため、そのニーズは高く、測定手法としても様々なものが提案されている。しかし、推定精度や信頼性に課題を残しており、今の時点で日本国の薬事承認や米国のFDA認可を得た製品は無い。つまり、非侵襲的に血糖値を推定する手法は、上記近赤外分光法に限らず、どの手法においても測定した信号中に含まれる血糖値の代用特性となる信号が外乱信号と比較して非常に小さいため、外乱の影響を強く受ける。そのため、本質的に誤差が大きくなる要因を測定手法に内在している。したがって、非侵襲的手法は、侵襲的手法に比べ推定精度や信頼性に劣ることはある程度仕方がない。しかしながら、非侵襲的手法は生体を傷付けずに測定できるため、頻回測定や連続測定が可能である。血糖値管理を行う上でこの頻回測定や連続測定は非常に重要な特徴であり、特定の用途では推定精度や信頼性に劣るという欠点を補い得る可能性を有する。
一方、侵襲的手法は推定精度や信頼性について十分な性能を有するが、生体を傷付けて測定するため、頻回測定や連続測定が難しく、非測定者によっては測定不可能な場合がある。例えば、乳幼児や重篤な症状の患者の場合、血液を採取すること自体が難しく、血糖値の頻回測定が難しい例として知られている。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、上記非侵襲的手法及び侵襲的手法の双方の欠点を解消した血糖値モニタリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、非侵襲的及び侵襲的な血糖値測定手段を組み合わせ、採血による侵襲的な血糖値測定手段を可能な限り少なくし、さらに侵襲的な血糖値測定手段を校正に利用することで上記課題が解決することを見出した。
本発明の態様に係る血糖値モニタリング装置は、侵襲的に基準血糖値を測定する基準血糖値測定手段と、非侵襲的に血糖値を推定する血糖値推定手段と、上記基準血糖値を用いて、上記血糖値推定手段により推定された推定血糖値の校正を自動的に行う校正手段と、を備える。
本発明の血糖値モニタリング装置によれば、推定血糖値の補正を基準血糖値を用い自動的に行うため、利用者は煩雑な操作を行うことなく、従来では不可能であった推定精度や信頼性の高い血糖値の頻回測定及び連続測定を可能にしている。
図1は、本発明の実施形態に係る血糖値モニタリング装置を示す概略図である。 図2は、血糖値推定手段の構成を示す概略図であり、(a)は血糖値推定手段に係る光学式血糖値測定システムの構成を示し、(b)は測定用プローブの先端の構成を示す。 図3は、実施例1の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を示すグラフである。 図4は、実施例2の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を示すグラフである。 図5は、実施例3の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を示すグラフである。 図6は、実施例4の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を示すグラフである。 図7は、実施例5の血糖値モニタリング装置を示す概略図である。 図8は、実施例6において、測定開始時から30分後までの5分毎の近赤外スペクトルの安定性を示すグラフである。 図9は、実施例6の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を示すグラフである。 図10は、実施例7の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を示すグラフである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
非侵襲的に推定される血糖値の推定精度や信頼性を向上させるためには、推定精度や信頼性に勝る侵襲的な手法で測定した基準血糖値を用いて、推定血糖値に適切な校正を行うことが有効である。また、上記校正を自動的に行うことで、利用者は煩雑な操作を行うことなく、容易に血糖値モニタリングを行うことができるようになる。
そのため、本実施形態に係る血糖値モニタリング装置1は、図1に示すように、侵襲的に基準血糖値を測定する基準血糖値測定手段2と、非侵襲的に血糖値を推定する血糖値推定手段3と、上記基準血糖値を用いて、上記血糖値推定手段により推定された推定血糖値の校正を自動的に行う校正手段4と、を備える。つまり、本実施形態に係る血糖値モニタリング装置は、採血等による侵襲的な血糖値測定手段と、近赤外分光法のように非侵襲的な血糖値推定手段とを組み合わせ、非侵襲的に推定される血糖値の補正を、侵襲的な血糖値測定手段で得られた基準血糖値を用い、自動的に行うことを特徴とする。これにより、侵襲的手法と非侵襲的手法のそれぞれの欠点を補うようにした装置である。また、従来では不可能であった、推定精度や信頼性の高い血糖値の頻回測定及び連続測定を可能にしている。
上記基準血糖値を測定する基準血糖値測定手段2としては、基準血糖値とする血糖値を測定するのに十分な測定精度と信頼性を持つものであれば良い。具体的には、グルコースオキシダーゼ(GOD)法やグルコース脱水素酵素(GDH)法などの酵素電極法や、ヘキソキナーゼ(HX)法などの酵素比色法により血糖値を測定する基準血糖値測定手段を用いることができる。また、図1に示すように、上記基準血糖値測定手段2は、血糖値信号を伝達する信号線及び駆動電圧を供給する電気コード8で血糖値モニタリング装置本体7と接続されていても良い。さらに、後述するように、上記基準血糖値測定手段2と血糖値モニタリング装置本体7との間で、無線通信により血糖値信号等を伝達するようにしても良い。
ここで、基準血糖値の測定は、血糖値モニタリング装置の用途に応じて行われる。たとえば糖尿病患者が日常生活内で血糖値の頻回測定又は連続測定を行う場合は、指等の身体部位をランセットにより穿刺し、採取した血液を用いて測定される。また、集中治療室(ICU)における重篤な症状の患者の血糖値管理を行う場合は、通常、患者に留置されている動脈ラインから採取した血液を用いて測定される。
非侵襲的に血糖値を推定する上記血糖値推定手段3としては、血糖値に相関する生理状態変化から非侵襲的に測定される信号を用いて、血糖値を推定する手段であれば良い。具体的には、図1に示すように、測定プローブ5を先端に持つ光ファイババンドル6や、血糖値モニタリング装置本体7に内蔵される分光器10、受光素子25及び演算装置27等を持つ血糖値推定手段3を用いることができる。
上記校正手段4としては、基準血糖値測定手段2より伝達された基準血糖値を用いて、血糖値推定手段3により推定された推定血糖値の校正を自動的に行う手段であればいかなるものも使用できるが、例えば中央演算装置(CPU)を使用することができる。
ここで、上記血糖値推定手段について、さらに詳述する。上記血糖値推定手段としては、上記特許文献1に記載の光学式血糖値測定システムを用いることができる。この光学式血糖値測定システムでは、図2(a)に示すように、まずハロゲンランプ11から発光された近赤外光が熱遮蔽板12、ピンホール13、レンズ14及び測定用光ファイバ15Aを介して生体組織16に入射される。測定用光ファイバ15Aには、測定用光ファイバ15Bの一端とリファレンス用光ファイバ17Aの一端が接続されている。なお、測定用光ファイバ15Bの一端は、測定用プローブ19を介して測定用光ファイバ15Aに接続されている。そして、リファレンス用光ファイバ17Aの他端はリファレンス用プローブ20に接続されている。さらに、測定用プローブ19及びリファレンス用プローブ20は、測定用光ファイバ15B及びリファレンス用光ファイバ17Bを介して測定側出射体21及びリファレンス側出射体22にそれぞれ接続されている。
人体の前腕部など生体組織16の表面に測定用プローブ19の先端面を接触させて近赤外スペクトル測定を行う時、光源11から測定用光ファイバ15Aに入射した近赤外光は、測定用光ファイバ15A内を伝達し、図2(b)に示すような測定用プローブ19の先端に配置されている発光ファイバ30より生体組織16の表面に照射される。生体組織16に照射された近赤外光は生体組織内で拡散反射した後に、拡散反射光の一部が測定用プローブ19の先端に配置されている受光ファイバ29に受光される。受光された光は、測定用光ファイバ15Bを介して測定側出射体21から出射される。測定側出射体21から出射された光は、レンズ23を通して回折格子24に入射し、分光された後、受光素子25において検出される。
受光素子25で検出された光信号はA/Dコンバータ26でアナログ−デジタル変換(AD変換)された後、パーソナルコンピュータなどの演算装置27に入力される。血糖値はこのスペクトルデータを解析することによって算出される。リファレンス測定はセラミック板など基準板28を反射した光を測定し、これを基準光として行う。すなわち、光源11からリファレンス用光ファイバ17Aに入射した近赤外光はリファレンス用光ファイバ17Aを通して、リファレンス用プローブ20の先端から基準板28の表面に照射される。基準板に照射された光の反射光はリファレンス用プローブ20の先端に配置された受光ファイバに受光される。受光された光は、リファレンス用光ファイバ17Bを介してリファンレス側出射体22から出射される。上記測定側出射体21とレンズ23の間、及びリファンレス側出射体22とレンズ23の間にはそれぞれシャッタ32が配置してあり、シャッタ32の開閉によって測定側出射体21からの光とリファンレス側出射体22からの光のいずれか一方が選択的に通過するようになっている。
測定用プローブ19とリファレンス用プローブ20の端面は、図2(b)に示すように、円上に配置された12本の発光ファイバ30と中心に配置された1本の受光ファイバ29で構成されている。発光ファイバ30と受光ファイバ29の中心間距離Lは、例えば0.65mmである。
本光学式血糖値測定システムは、波長が1300nm以上2500nm以下の近赤外光により皮膚組織の拡散反射スペクトルを測定するものが最も望ましい。近赤外光の波長領域は800〜2500nmの範囲をさすが、皮膚組織の測定には波長1300〜2500nmが適切である。それは、近赤外領域の波長によって、生体を伝播する際の特性の違いがあるためである。つまり、1300nmより短い波長では吸収強度が小さく、さらにこの波長領域の光の伝播距離は数cmであるため、厚さがせいぜい1mm程度である皮膚組織の測定には適さない。1300nmより長い波長では吸収強度が大きい上、この波長領域の光の伝播距離が数mmであるため、厚さが1mm程度の生体の皮膚組織の測定には適している。
ここで、身体組織の中で推定血糖値を測定しやすい組織は、皮膚組織である。特に、皮膚組織中の真皮組織には血管が発達しており、血中グルコースが素早く皮膚組織中に拡散するため、皮膚組織中のグルコース濃度を血管中のグルコース濃度(すなわち血糖値)の代用特性として使用することができる。より詳細に説明すると、生体の皮膚組織は、大きく表皮組織、真皮組織及び皮下組織の三層の組織で構成される。表皮組織は角質層を含む組織で、組織内に毛細血管はあまり発達していない。また、皮下組織は主に脂肪組織で構成されている。したがって、この二つの組織内に含まれる水溶性の生体成分濃度、特に、グルコース濃度と血中グルコース濃度(血糖値)との相関性は低いと考えられる。一方、真皮組織については毛細血管が発達していることと、水溶性の高い生体成分、特にグルコースが組織内で高い浸透性を有することから、生体成分濃度、特にグルコース濃度は間質液(ISF:Interstitial Fluid)と同様に血糖値に追随して変化すると考えられる。したがって、真皮組織を標的としたスペクトル測定を行えば、血糖値変動と相関するスペクトル信号を得ることができる。
また、上述のように、波長が1300nm以上2500nm以下の近赤外光を用いる場合、発光部(発光ファイバ30)と受光部(受光ファイバ29)の中心間距離を0.65mmにした測定プローブを皮膚に接触させて近赤外スペクトル測定を行うことが好ましい。この場合、発光部から照射された近赤外光は、照射面より皮膚組織に照射され、皮膚組織内を拡散反射し、その一部が受光部に到達する。この際の光の伝播経路は、真皮層を中心として、皮膚組織内を伝播し、「バナナ・シェイプ」と呼ばれる形状をとるので、皮膚組織の深さ方向の選択的測定を可能とし、精度の良い測定ができる。
次に、上記血糖値モニタリング装置を用いた推定血糖値の校正について、実施例により詳細に説明する。
本実施例における血糖値モニタリング装置は、図1及び図2に示すように、基準血糖値を測定する基準血糖値測定手段2と、真皮組織中のグルコース濃度変化を代用特性として血糖値を非侵襲的に推定する血糖値推定手段3と、測定した基準血糖値を用いて推定血糖値の校正を自動的に行う校正手段4としてのCPUを内蔵した血糖値モニタリング装置本体7と、を備えている。さらに、血糖値モニタリング装置本体7には、基準血糖値、推定血糖値及び校正後の推定血糖値等を表示する表示手段9としてのディスプレイが接続されている。測定プローブ5を先端に持つ光ファイババンドル6や、血糖値モニタリング装置本体7に内蔵される分光器10及び受光素子25等で構成される非侵襲的な血糖値推定手段3は、上記光学式血糖値測定システムと同じ構成である。なお、侵襲的な基準血糖値及び測定精度検証のための実測血糖値は、指先を穿刺することで得た血液から、基準血糖値測定手段としての市販の簡易血糖計(アークレイ株式会社製グルコカード(登録商標))を改良して測定血糖値がデジタル信号として出力されるものを用いて測定した。
また、血糖値推定手段3で用いた近赤外光の波長範囲は1430〜1850nmで、近赤外スペクトルは被験者の前腕内側部分に両面テープで固定された測定プローブで5分毎に連続測定される。非侵襲的手法による推定血糖値は、この近赤外スペクトルの吸光度を検量モデルに代入することで算出される。
この非侵襲的手法による推定血糖値の校正は、まず、上記基準血糖値測定手段を用いて基準血糖値の測定を行う。次に、基準血糖値の測定を行った時から概ね5分後に、血糖値推定手段3によって皮膚組織の近赤外スペクトルを測定し、推定血糖値を推定する。つまり、本実施例では、基準血糖値に対する非侵襲的手法による推定血糖値の時間遅れが5分程度に設定されている。その後、校正手段4において、上記基準血糖値と上記推定血糖値が一致するように推定血糖値が自動的に校正され、測定血糖値として表示される。
校正時以降の推定血糖値は、校正血糖値からの相対変動値として5分毎に表示される。本表示は血糖値を数字で表示しても良く、また、グラフとして経時的に表示し血糖値変化を把握しやすくしても良く、極端な場合、色表示で概略の血糖値が把握できるレベルの表示でもかまわない。被験者あるいは被験者を管理する医療従事者は、表示された血糖値を用いて必要最小限の侵襲的な測定を行うだけで、容易に正確で信頼性の高い血糖値の連続測定が可能となる。
本実施例の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を図3に示す。本実験は、健常人である被験者の左腕前腕部分の表面に測定プローブを両面テープにより固定し、近赤外スペクトルを測定した。被験者は座位安静状態におかれ、実験中に2回の糖負荷を行うことで血糖値を人為的に変化させている。つまり、図3中の符号Aの時点で糖負荷を行い、血糖値を意図的に変化させた。なお、糖負荷には液体状の栄養補助食品(大塚製薬株式会社製カロリーメイト(登録商標))を用いた。
そして、上記血糖値モニタリング装置における最初の推定血糖値の校正は、測定開始時(11時50分)に行われた。つまり、基準血糖値測定手段により基準血糖値測定が行われた5分後(11時55分)に測定した近赤外スペクトルから求められた推定血糖値と、測定開始時(11時50分)の基準血糖値とが一致するように、自動的に校正される。この5分の時間遅れは任意に設定でき、通常20分以内の適切な値が選択される。本実施例では、最初の校正後、5分毎に近赤外スペクトルを測定し、検量モデルを用いて血糖値の推定を行った。
本実施例においては、実験開始時に自動的に校正を行うようにしたので、利用者は煩雑な操作を行うことなく、相関係数が0.86、実測血糖値に対する誤差20%以内の推定が全体の41.8%に入る精度良い推定が行えるようになった。
このように、本発明の血糖値モニタリング装置は、侵襲的な血糖値測定手段と、非侵襲的な血糖値推定手段とを組み合わせ、非侵襲的に推定される推定血糖値の補正を、侵襲的な血糖値測定手段で得られた基準血糖値を用い、自動的に行うことを特徴とする。さらに、本実施例において、上記校正手段は、上記基準血糖値と、上記基準血糖値に対応する推定血糖値とが一致するように校正を行い、さらに校正時以降の上記推定血糖値を、校正値からの相対変動値として推定するようにしている。これにより、従来では不可能であった、推定精度や信頼性の高い血糖値の頻回測定及び連続測定を可能にしている。
なお、上述のように、本実施例では、基準血糖値に対する推定血糖値の時間遅れが5分程度に設定されている。しかし、この時間遅れは20分以内であれば良い。つまり、本発明では、基準血糖値に対応する推定血糖値として、上記基準血糖値の測定時より20分以内に定めた一定時間後において上記血糖値推定手段により推定した値を用いることが好ましい。グルコースが血管中より皮膚組織に十分に拡散するために必要な時間は20分以内とされているため、基準血糖値に対応する推定血糖値には20分以内の時間遅れを考慮することが望ましい。なお、図3において、推定血糖値は、実測血糖値に対して5分早めてプロットしている。また、血糖値の表示は推定精度がわかるようにグラフ表示しているが、実際の測定においては推定血糖値をグラフで表示する必要はなく、5分毎の血糖値を数字で表示してもかまわない。なお、図中の符号Bは、実測血糖値の20%エラーバーを示している。
本実施例の血糖値モニタリング装置のハード構成及び血糖値測定の手順は実施例1と同じであり、また同一データを用いて別の校正手法を行った例である。実施例1との相違点は、推定血糖値の校正を、実験期間中、測定開始時と、予め設定した閾値(140mg/dl以上70mg/dl以下)を越えた時点の2回行い、その時点毎に基準血糖値と推定血糖値が一致するように校正手段4によって自動的に校正される。
本実施例の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を図4に示す。近赤外スペクトルによる血糖値の推定は5分毎に、検量モデルを用いて行われている。推定血糖値の校正は、測定開始時(11時50分)と推定血糖値が閾値を越えた時点の2回(13時40分及び13時50分)の計3回行われた。つまり、基準血糖値測定手段により被験者の血糖値測定が行われた5分後(それぞれ11時55分、13時45分及び13時55分)に測定した近赤外スペクトルを用いた推定血糖値と基準血糖値とが一致するように、自動的に校正された。なお、近赤外スペクトルによる血糖値の推定は、5分毎に検量モデルを用いて行われている。
本実施例では、基準血糖値測定に対応する3回の校正を自動的に行うようにしたので、利用者は煩雑な操作を行うことなく、相関係数0.86、実測血糖値に対する誤差20%以内の推定が全体の70.9%に入る精度良い推定が行えるようになった。なお、図4において、推定血糖値は、実測血糖値に対して5分早めてプロットしている。
このように、推定血糖値に閾値、たとえば高血糖状態や低血糖状態を判断する閾値(たとえば、それぞれ140mg/dl以上、70mg/dl以下)を設け、その閾値を越える血糖値が推定された場合、何らかの方法で利用者(患者自身あるいは医療従事者)にその旨を伝え、基準血糖値測定手段による血糖値の測定を促すための報知手段を有することで、血糖値の管理が容易にできるようになる。つまり、報知手段による報知時には、利用者はより精度や信頼性の高い侵襲的手法により血糖値の再確認を行い、医療処置の判断を行うことが望ましく、その際、侵襲的手法により得られた血糖値を用いて非侵襲的手法の再校正及び再補正を行うことで、その後の非侵襲的手法による血糖値推定の精度や信頼性を向上させることが可能となる。なお、再校正及び再補正のための侵襲的手法による血糖値測定は、可能な限り多く行う方が望ましい。
本実施例における血糖値の表示は推定精度がわかるようにグラフ表示しているが、実施例1と同様に、5分毎の血糖値を数字で表示してもかまわない。また、閾値設定を行っている場合は、閾値を越えた血糖値を推定した場合、何らかの報知手段により利用者に注意を促すことが望ましい。具体的には、表示した血糖値(数字)の色を、通常時は黒色のバックに白色文字とし、閾値を越えた場合は黒色のバックに赤色文字として報知することができる。また、報知手段は警報のような音を利用しても良く、点滅やパトライトのような光を用いても良い。
本実施例の血糖値モニタリング装置のハード構成及び血糖値測定の手順は実施例1と同じであり、また同一データを用いて別の校正手法を行った例である。実施例1との相違点は、3点目の基準血糖値を測定以降は、基準血糖値と推定血糖値が一致するように校正するのではなく、3回の基準血糖値測定によって得られた基準血糖値とそれ対する推定血糖値の組み合わせからなるデータセットを多変量解析して得られる関係式から校正を行うことである。用いる多変量解析手法は特に限定するものではないが、本実施例においては3組のデータセットのみであることから、複雑な手法を用いる必要はないため、最小二乗法を用いた。
実施例3の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を図5に示す。近赤外スペクトルによる血糖値の推定は5分毎に、検量モデルを用いて血糖値推定が行われている。推定血糖値の校正は、測定開始時(11時50分)と推定血糖値が閾値を最初に越えた時点(13時40分)までは実施例2と同様の操作で行った。そして、次に閾値を越えた時点(13時50分)の時点で基準血糖値測定手段により被験者の血糖値測定が行われた後、これまでの3回のデータセットを用いて最小2乗法による関係式を作成する。そして、3回目の基準血糖値測定以降は、この関係式を用いて推定値の補正が行われる。
本実施例では11時50分、13時40分及び13時50分の基準血糖値に対して、5分の時間遅れを考慮した11時55分、13時45分及び13時55分に測定した近赤外スペクトルから推定した推定血糖値を用いている。ただし、最小二乗法に用いる推定血糖値には校正を行っていない値を用いている。本実施例では(推定血糖値,基準血糖値)の組み合わせとして(92,92)(160.2,136)(184,163)から、以下の関係式を得た。
[数1]
測定値 = 推定血糖値×0.7435+22.2
この関係式を用いて、過去のデータを含む全部の推定血糖値に対して補正を行ったグラフが図5である。上記のような基準血糖値の測定に対応する3回の校正を自動的に行うようにしたので、利用者は煩雑な操作を行うことなく、相関係数0.86、実測血糖値に対する誤差20%以内の推定が全体の78.2%に入る精度良い推定が行えるようになった。なお、図5において、推定血糖値は、実測血糖値に対して5分早めてプロットしている。
このように、本実施例では、上記基準血糖値測定手段により上記基準血糖値の測定を複数回行い、さらに、上記測定により得られた複数の基準血糖値と、それに対応する推定血糖値との組み合わせからなるデータセットを多変量解析して得られる関係式から上記校正を行うようにしている。これにより、実施例2と比べて実測血糖値に対する誤差を更に小さくすることができる。なお、本実施例のように経時的な変化をグラフで表示する場合、校正式を過去に遡って適用させた場合には、校正時の前後で過去の推定値が変わることが生じる。推定血糖値は校正に用いる基準血糖値の数が多い校正式の方が、測定精度が向上していると考えられるが、推定血糖値の表示については利用現場の実情に合わせて表示するようにすれば良く、誤解を与えるような場合は過去の推定値を書き換える必要はない。
本実施例の血糖値モニタリング装置のハード構成及び血糖値測定の手順は、実施例1と同じである。実施例1との相違点は、基準血糖値の測定を1時間毎に行った点にある。推定血糖値の校正は、測定開始時(11時50分)から1時間毎の計5回行われた。なお、校正は、基準血糖値測定手段により被験者の血糖値測定が行われた5分後に測定した近赤外スペクトルより推定された推定血糖値と基準血糖値とが一致するように、校正手段4によって自動的に行われる。
実施例4の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を図6に示す。本実施例では、基準血糖値測定に対応する1時間毎の校正を自動的に行うようにしたので、利用者は煩雑な操作を行うことなく、相関係数0.93、実測血糖値に対する誤差20%以内の推定が全体の94.4%に入る精度良い推定が行えるようになった。なお、図6において、推定血糖値は、実測血糖値に対して5分早めてプロットしている。
このように、本実施例では、上記校正手段による校正を、基準血糖値測定手段により基準血糖値を測定する毎に行うようにしている。これにより、推定精度や信頼性が極めて高い血糖値の頻回測定及び連続測定が可能となる。
本実施例における血糖値モニタリング装置は、図7に示すように、一台の上記基準血糖値測定手段2と、複数の血糖値推定手段(3A,3B)、校正手段(4A,4B)を内蔵した血糖値モニタリング装置本体(7A,7B)及び表示手段(9A,9B)とを備えている。そして、本実施例では、血糖値推定手段(3A,3B)、校正手段(4A,4B)を内蔵した血糖値モニタリング装置本体(7A,7B)及び表示手段(9A,9B)を、複数の被験者に対して、一台ずつ配置し、血糖値推定手段(3A,3B)を被験者の前腕部(16A,16B)など生体組織16の表面に接触させている。なお、本実施例では、血糖値推定手段、校正手段を内蔵した血糖値モニタリング装置本体及び表示手段を「血糖値推定手段等」ともいう。
本実施例では、基準血糖値測定手段2を、複数の被験者に対して一台ずつ配置するわけではなく、複数の血糖値推定手段等に対して一台の基準血糖値測定手段2を配置するようにする。そして、上記基準血糖値測定手段により測定した基準血糖値の血糖値信号を複数の上記校正手段のいずれか一つに伝達し、さらに基準血糖値測定手段2と校正手段(4A,4B)を内蔵した血糖値モニタリング装置本体(7A,7B)との間の情報伝達を、無線伝達手段により行うことを特徴とする。このように、複数の血糖値推定手段等に対して一台の基準血糖値測定手段2を配置することにより、基準血糖値測定手段2を減らすことできるため、コストを削減し、さらに血糖値モニタリング装置周りのスペースを確保することができる。特に、本発明の血糖値モニタリング装置を集中治療室で用いる場合、被験者の周りには血糖値モニタリング装置以外の様々な機器が設置してあるため、血糖値モニタリング装置を小型化することは、医師の治療スペースを確保するためにも重要である。なお、本実施例では、基準血糖値測定手段2と、複数の血糖値モニタリング装置本体(7A,7B)との間の情報伝達を、無線伝達手段により行うことが好ましいが、一部を有線により伝達するようにしても良い。
基準血糖値測定手段2と血糖値モニタリング装置本体(7A,7B)との間の情報伝達を無線伝達手段で行う際、基準血糖値測定手段2により測定された基準血糖値のみを血糖値信号として伝達しても良いが、基準血糖値のみならず、被験者識別信号(認識情報)及び測定時間等を一緒に装置本体に無線伝達することが好ましい。そして、装置本体(7A,7B)は、血糖値推定手段等により血糖値モニタリングを行っている被験者と被験者識別信号が一致すれば自動的に推定血糖値の校正を行い、被験者識別信号が一致しない場合は無視するようにするのが望ましい。これにより、被験者を取り違える虞や測定時間を間違える虞が無くなり、推定血糖値を正しく校正することができる。なお、本実施形態の校正手法は、上記実施例1〜4で説明した手法を用いることができる。
本実施例の血糖値モニタリング装置のハード構成及び血糖値測定の手順は、実施例1と同じである。実施例1との相違点は、表示する推定血糖値の信頼性が高い場合と低い場合とを区別する報知を行うことにある。具体的には、一定時間毎に測定した近赤外スペクトルのそれぞれの安定性を判断し、不安定と判断した場合の推定血糖値は、信頼性が低いことを表示するか、推定血糖値そのものを表示しないようにする。そして、近赤外スペクトルが安定した時点で、改めて推定血糖値の信頼性が高い旨を報知し、利用者に基準血糖値測定を促すようにするものである。
本実施例の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を図9に示す。近赤外スペクトルによる血糖値の推定は5分毎に、検量モデルを用いて血糖値推定が行われている。
ここで、本実施例において、近赤外スペクトルの安定性は、特定の近赤外スペクトルと、その特定の近赤外スペクトルの測定時の15分前に測定した別の近赤外スペクトルとの差分スペクトルを取り、その差分スペクトルから特定の近赤外スペクトルの安定性を判断している。図8は、測定開始時(11時50分)から30分後までの5分毎の近赤外スペクトルの安定性を示す。つまり、図8において、「測定開始後0分」のグラフは、11時50分に測定した近赤外スペクトルと、その15分前の11時35分に測定した近赤外スペクトルの差分スペクトルを示す。同様に、「測定開始後5分」のグラフは、11時55分に測定した近赤外スペクトルと、その15分前の11時40分に測定した近赤外スペクトルの差分スペクトルを示す。その他のグラフも同様である。
そして、近赤外スペクトルの安定性は、上記差分スペクトルの1450nm(水の吸収ピーク)の差分吸光度で判断した。本実施例では15分間の変化として0.005AU(1時間あたり0.02AU)を閾値として、差分吸光度の変化が閾値以上の時は信頼性が劣り、閾値未満の時は信頼性が高いと判断している。図8に示すように、測定開始後20分までは、1450nmにおける差分吸光度が0.005AUであるため、信頼性が低い。しかし、測定開始後25分以降は、1450nmにおける差分吸光度が閾値未満であるため、信頼性が高い。
本実施例では、測定開始時の推定血糖値の信頼性は劣るが、仮校正のために基準血糖値を測定した。しかし、信頼性の劣る推定であるので、表示される推定血糖値に「?」マークを付け、信頼性の高い推定血糖値と区別する。しかし、1450nm(水の吸収ピーク)の差分吸光度が閾値未満となった25分経過時(12時15分)には基準血糖値の再測定を促す報知を行い、再び基準血糖値測定が行われた。なお、校正は、基準血糖値測定手段により被験者の血糖値測定が行われた5分後に測定した近赤外スペクトルより推定された推定血糖値と基準血糖値が一致するように、校正手段によって自動的に行われた。
本実施例では、基準血糖値測定に対応する2回の校正を自動的に行うようにし、かつ、2回目の校正を信頼性の高い時間に行うようにしたので、利用者は煩雑な操作を行うことなく、相関係数0.89、実測血糖値に対する誤差20%以内の推定が全体の72.2%に入る精度良い推定が行えるようになった。なお、図9において、推定血糖値は、実測血糖値に対して5分早めてプロットしている。
このように、本実施例では、推定血糖値を求めた近赤外スペクトルを基準スペクトルとし、上記基準スペクトルからのスペクトル変化から推定血糖値の信頼性を判断するようにしている。皮膚組織を測定して得られる近赤外スペクトルは、測定プローブと皮膚との接触状態や皮膚自身の経時的な変化の影響を受ける。そのため、非侵襲的手法により推定精度や信頼性が高い血糖値推定を行うためには、測定する近赤外スペクトルの安定が不可欠である。したがって、本実施例のように、測定する近赤外スペクトルの変化からその安定性を判断して、血糖値の推定に反映させることで、推定血糖値の推定精度や信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施例おいて、近赤外スペクトル安定性は、水の吸収ピークに対応する1450nm近傍の波長を基に判断した。しかし、これに限らず、近赤外スペクトルのベースラインを示す1650nm近傍の波長や、脂肪の吸収ピークに対応する波長1720nm近傍の波長の少なくとも一つの吸光度変化で判断することで、安定性判断を正確に行うことができる。
また、本実施例では、上記信頼性の判断を、一定時間毎に変化する差分吸光度の大きさに閾値を設けて行い、上記差分吸光度の大きさが閾値以下の場合には信頼性が高いと判断し、上記基準血糖値測定手段による基準血糖値の測定を促す報知を行うようにしている。そのため、信頼性が高い推定血糖値と基準血糖値が一致するように校正を行うため、上記実施例に対して、より推定精度や信頼性の高い血糖値の頻回測定及び連続測定を可能にしている。
なお、吸光度の安定性が確保されていないと判断した場合、本実施例のように仮校正を行っても良いが、校正を行わず、その間は推定血糖値を表示しないようにしても良い。また、本実施例では、差分スペクトルの時間を15分間としているが、この時間に限らず、近赤外スペクトルの安定性を判断できる任意の時間とすることができる。
本実施例の血糖値モニタリング装置のハード構成及び血糖値測定の手順は、実施例6と同じである。実施例6との相違点は、表示する推定血糖値に信頼性の高い場合と低い場合とを区別する報知を行い、さらに予め設定した閾値(例えば、140mg/dl以上70mg/dl以下)を越えた時点にもその旨を報知し、利用者に基準血糖値測定を促すようにしている。そして、基準血糖値が測定された場合、校正手段において、上記基準血糖値と上記推定血糖値が一致するように推定血糖値が自動的に校正され、測定血糖値として表示される。
本実施例の血糖値モニタリング装置を用いて血糖値の連続測定を行った結果を図10に示す。推定血糖値の校正は、測定開始時(11時50分)と、推定血糖値が閾値を越えた時点(13時40分)の計2回行われ、基準血糖値測定手段により、被験者の血糖値測定が行われた5分後(それぞれ11時55分及び13時45分)に測定した近赤外スペクトルにより推定した推定血糖値と基準血糖値とが一致するように、校正手段4によって自動的に校正される。
本実施例では、基準血糖値測定に対応する3回の校正を自動的に行うようにしたので、利用者は煩雑な操作を行うことなく、相関係数0.91、実測血糖値に対する誤差20%以内の推定が全体の94.4%に入る精度良い推定が行えるようになった。なお、図10においては、推定血糖値は、実測血糖値に対して5分早めてプロットしている。
本実施例のように、実施例2の校正方法と実施例6の校正方法を組み合わせることにより、極めて精度の高い推定血糖値を得ることができる。なお、本発明では、本実施例のように、実施例2及び実施例6を組み合わせるだけでなく、上述した実施例の校正方法を任意に組み合わせて、推定精度の極めて高い血糖値モニタリング装置を得ることができる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 血糖値モニタリング装置
2 基準血糖値測定手段
3 血糖値推定手段
4 校正手段
9 表示手段

Claims (12)

  1. 侵襲的に基準血糖値を測定する基準血糖値測定手段と、
    非侵襲的に血糖値を推定する血糖値推定手段と、
    前記基準血糖値を用いて、前記血糖値推定手段により推定された推定血糖値の校正を自動的に行う校正手段と、
    を備えることを特徴とする血糖値モニタリング装置。
  2. 前記校正手段は、前記基準血糖値と、前記基準血糖値に対応する推定血糖値とが一致するように校正を行い、
    さらに校正時以降の前記推定血糖値を、校正値からの相対変動値として推定すること特徴とする請求項1記載の血糖値モニタリング装置。
  3. 前記基準血糖値測定手段により前記基準血糖値の測定を複数回行い、
    さらに、前記測定により得られた複数の基準血糖値と、それに対応する推定血糖値との組み合わせからなるデータセットを多変量解析して得られる関係式から前記校正を行うこと特徴とする請求項1又は2記載の血糖値モニタリング装置。
  4. 前記校正手段による校正を、前記基準血糖値測定手段により基準血糖値を測定する毎に行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の血糖値モニタリング装置。
  5. 前記基準血糖値に対応する前記推定血糖値として、前記基準血糖値の測定時より20分以内に定めた一定時間後において前記血糖値推定手段により推定した値を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の血糖値モニタリング装置。
  6. 前記推定血糖値の閾値を設定し、
    前記推定血糖値が前記閾値を越えた場合、前記基準血糖値測定手段による血糖値の測定を促すための報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の血糖値モニタリング装置。
  7. 一つの前記基準血糖値測定手段に対して、複数の前記血糖値推定手段及び校正手段を設け、
    前記基準血糖値測定手段により測定した基準血糖値の血糖値信号を、複数の前記校正手段のいずれか一つに伝達することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の血糖値モニタリング装置。
  8. 前記基準血糖値測定手段は、前記血糖値信号と共に、前記基準血糖値を測定した被験者の認識情報も前記校正手段のいずれか一つに伝達することを特徴とする請求項7記載の血糖値モニタリング装置。
  9. 前記基準血糖値測定手段は、採血により前記基準血糖値を測定し、
    前記血糖値推定手段は、波長が1300〜2500nmの近赤外光を用い、生体の皮膚組織を測定した近赤外スペクトルより血糖値を推定し、
    前記推定血糖値を求めた近赤外スペクトルを基準スペクトルとし、前記基準スペクトルからのスペクトル変化から推定血糖値の信頼性を判断することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の血糖値モニタリング装置。
  10. 前記推定血糖値の信頼性が高い場合と低い場合を区別する報知を行うことを特徴とする請求項9記載の血糖値モニタリング装置。
  11. 前記基準スペクトルからのスペクトル変化を、水の吸収ピークに対応する1450nm近傍、近赤外スペクトルのベースラインを示す1650nm近傍及び脂肪の吸収ピークに対応する1720nm近傍からなる群から選ばれる少なくとも一つの波長の吸光度変化で判断することを特徴とする請求項9又は10に記載の血糖値モニタリング装置。
  12. 前記信頼性の判断を、一定時間毎に変化する差分吸光度の大きさに閾値を設けて行い、
    前記差分吸光度の大きさが閾値以下の場合には信頼性が高いと判断し、前記基準血糖値測定手段による基準血糖値の測定を促す報知を行うことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の血糖値モニタリング装置。
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