(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図10を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の無線アクセスシステムと、2G/3G方式の無線アクセスシステムと、移動伝達ネットワークと、2G/3G方式のコアネットワークと、サービス制御ネットワークと、パケット通信ネットワークとを具備している。
LTE方式の無線アクセスシステムには、無線基地局eNodeB(不図示)が配置されており、2G/3G方式の無線アクセスシステムには、無線基地局NodeB(BSS)(不図示)及び無線回線制御局RNC(不図示)が配置されている。
移動伝達ネットワークには、ノードMMEと、ノードS-GW(サービングゲートウェイ装置)と、ノードP-GWとが配置されている。ここで、ノードMME及びノードS-GWは、移動局UE#1の在圏ネットワークに配置されており、ノードP-GWは、移動局UE#1のホームネットワークに配置されている。
2G/3G方式のコアネットワークには、ノードMSC(回線交換局)やノードSGSN(パケット交換局)や拡張MSC/MGW(ゲートウェイノード)が配置されている。
ここで、ノードMSC、ノードSGSN及び拡張MSC/MGWは、移動局UE#1の在圏ネットワークに配置されている。
IMSには、ノードP-CSCF(Proxy-Call Session Control Function)と、ノードS-CSCF(Serving-Call Session Control Function)と、ノードS/P-CSCFと、ノードSCC ASとが配置されている。
本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UE#1に係るUプレーンデータとして、VoIPメディア信号とVoIP制御信号とパケット信号とが送受信されている。
本実施形態に係る移動通信システムは、移動局UE#1が移動局UE#2との間でLTE方式の無線アクセスシステムを介して音声通信(VoIP通信)を行う状態(第1通信状態)と、移動局UE#1が移動局UE#2との間で2G/3G方式の無線アクセスシステム及び拡張MSC/MGWを介して音声通信(回線交換通信)を行う状態(第2通信状態)との間で切り替えることができる、すなわち、SRVCCを実現できるように構成されている。
第1通信状態では、移動局UE#1(第1移動局)は、LTE方式の無線アクセスシス
テムに在圏しており、移動局UE#2(第2移動局)との間で音声通信を行うように構成
されている。
また、第1通信状態では、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、VoIPメディア信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとノードP-GWとを介して送受信され、VoIP制御信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとノードP-GWとIMSとを介して送受信されるように構成されている。
さらに、第1通信状態では、パケット信号が、移動局UE#1とパケット通信ネットワークとの間で、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとノードP-GWとを介して送受信されるように構成されている。
一方、第2通信状態では、移動局UE#1は、2G/3G方式の無線アクセスシステムに在圏しており、移動局UE#2との間で音声通信を行うように構成されている。
また、第2通信状態では、2G/3G方式の回線交換信号が、2G/3G方式の無線アクセスシステムを介して移動局UE#1と拡張MSC/MGWとの間で送受信され、VoIPメディア信号が、ノードS-GWとノードP-GWとを介して拡張MSC/MGWと移動局UE#2との間で送受信され、VoIP制御信号が、ノードS-GWとノードP-GWとIMSとを介して拡張MSC/MGWと移動局UE#2との間で送受信されるように構成されている。
さらに、第2通信状態では、パケット信号が、移動局UE#1とパケット通信ネットワークとの間で、2G/3G方式の無線アクセスシステムとノードSGSNとノードS-GWとノードP-GWとを介して送受信されるように構成されている。
なお、拡張MSC/MGWは、2G/3G方式の回線交換信号(音声フォーマット及び制御信号の組み合わせ)と、VoIPメディア信号及びVoIP制御信号の組み合わせとを変換するように構成されている。
図2及び図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について、具体的には、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて、第1通信状態から第2通信状態に切り替わる場合の動作について説明する。
図2に示すように、ステップS1000において、第1通信状態であるため、VoIPメディア信号とVoIP制御信号とパケット信号とを含むUプレーンデータは、無線基地局eNodeB及びノードS-GWを介して移動局UE#1とノードP-GWとの間で送受信されている。
ステップS1001において、移動局UE#1と無線基地局eNodeBとの間で、移動局UE#1のLTE方式の無線アクセスシステムから2G/3G方式の無線アクセスシステムへのハンドオーバ処理が開始されると、ステップS1002において、無線基地局eNodeBは、ノードMMEに対して、「Handover Required」を送信する。
ステップS1003において、ノードMMEは、移動局UEが、SRVCC対応能力を具備しているか否かについて、及び、ノードS-GWが、所定能力(本発明対応能力)を具備しているか否かについて判定する。
ここで、所定能力とは、「所定トリガを検出した際に、後述するBi-castingを開始する能力」や、「切り替え先の無線アクセスシステムを介して上りUプレーンデータを受信した際に、Bi-castingを開始する能力」等が含まれる。
ノードMMEは、移動局UEがSRVCC対応能力を具備しており、ノードS-GWが所定能力を具備していると判定した場合、ステップS1004において、ノードSGSNに対して、ノードS-GWのIPアドレス及びTEID(Tunnel EndpointIdentifier)を含む「Forward Relocation Request」を送信する。
ステップS1005において、ノードSGSNは、無線回線制御局RNCに対して、ノードS-GWのIPアドレス及びTEIDを含む「Relocation Request」を送信し、ステップS1006において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Request Acknowledge」を送信する。
ステップS1007において、ノードSGSNは、ノードMMEに対して、ノードSGW宛ての「Forward Relocation Response」を送信する。
かかるステップS1004乃至S1007の動作は、パケット信号についてのハンドオーバ処理に係る動作である。すなわち、移動局UE#1に係るパケット信号についてのハンドオーバ処理(切り替え処理)は、ノードSGSN経由で実施される。
ステップS1008において、ノードMMEは、拡張MSC/MGWに対して、ノードS-GWのIPアドレス及びTEIDを含む「PS to CS Request」を送信し、ステップS1009において、拡張MSC/MGWは、無線回線制御局RNCに対して、拡張MSC/MGWのIPアドレス及びTEIDを含む「Rel/HO Request」を送信し、ステップS1010において、無線回線制御局RNCは、拡張MSC/MGWに対して、「Rel/HO Ack」を送信する。
拡張MSC/MGWは、ステップS1011において、移動局UE#1用のVoIPメディア信号及びVoIP制御信号の転送に用いられるベアラ(VoIP通信用ベアラ)を特定するための拡張MSC/MGW側のIPアドレス及びTEIDを割り当て、ステップS1012において、ノードMMEに対して、割り当てた拡張MSC/MGW側のIPアドレス及びTEIDを含むベアラ情報を含む「PS to CS Response」を送信する。
ステップS1013において、ノードMMEは、ノードS-GWに対して、上述のベアラ情報を設定するための「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS1014において、ノードS-GWは、ノードMMEに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
なお、ステップS1013において、「Modify Bearer Request」は、拡張MSC/MGWからノードS-GWに送信され、ステップS1014において、「Modify Bearer Response」は、ノードS-GWから拡張MSC/MGWに送信されてもよい。
ステップS1015において、ノードS-GWは、下り方向のVoIPメディア信号及びVoIP制御信号について、無線基地局eNodeB宛てに送信すると共に、拡張MSC/MGW及びノードMSCを介して無線回線制御局RNC宛てに送信すること(すなわち、「Bi-casting」)を開始する。
ノードMMEは、ステップS1021において、VoIPベアラ信号及びVoIP制御信号については、ノードSGSNへの転送の対象外とし、ステップS1022において、無線基地局eNodeBに対して、「Handover Command」を送信する。
無線基地局eNodeBは、ステップS1024において、移動局UE#1に対して、「HO from E-UTRAN Command」を送信する。
ステップS1025において、移動局UE#1と無線回線制御局RNCとの間で無線アクセスリンクを確立する手順が行われ、ステップS1026において、移動局UE#1は、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete」を送信し、ステップS1027において、移動局UE#1において無線回線制御局RNCに対する上り方向のUプレーンデータの送信が可能となる。
図3に示すように、無線基地局eNodeBは、ステップS1028において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Direct Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、無線回線制御局RNCに対して転送する。
一方、無線基地局eNodeBは、ステップS1028において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Indirect Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、ノードS-GWを経由して無線回線制御局RNCに対して転送する。ここで、「Direct Tunnel」が用いられていない場合には、無線基地局eNodeBは、ノードS-GWからノードSGSNを介して無線回線制御局RNCに対して転送する。
ステップS10281において、無線回線制御局RNCは、拡張MSC/MGWに対して、「Reloc/HO Complete」を送信し、ステップS10282において、ノードMMEと拡張MSC/MGWとの間で「PS to CS Complete/Ack」が送受信される。
ステップS10283において、VoIPメディア信号及びVoIP制御信号が、ノードS-GWを介してノードP-GWと拡張MSC/MGWとの間で送受信され、回線交換信号が、無線回線制御局RNCを介して移動局UE#1と拡張MSC/MGWとの間で送受信されるように切り替えられる。ここで、拡張MSC/MGWが、回線交換信号とVoIPメディア信号及びVoIP制御信号との組み合わせとの間でコーデック変換(RTP/AMR-lu-UP/AMR)を行う。
なお、ノードS-GWは、上り方向のVoIPメディア信号又はVoIP制御信号を受信した場合に、上述のBi-castingを停止する、すなわち、無線基地局eNB向けのVoIPメディア信号又はVoIP制御信号の転送を停止する。
ステップS1029において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Complete」を送信する。
ステップS1030において、ノードSGSNは、ノードMMEに対して、「Forward Relocation Complete」を送信し、ステップS1031において、ノードMMEは、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Complete Acknowledge」を送信する。
ステップS1032において、ノードMMEは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。ここで、ノードS-GWは、受信した「Modify Bearer Request」に応じて、ベアラ情報を変更して、VoIPメディア信号及びVoIP制御信号と、パケット信号とを分離して転送先を変更する。
ステップS1033において、ノードS-GWは、ノードP-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS1034において、ノードP-GWは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS1035において、ノードS-GWは、ノードMMEに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS1036において、パケット信号が、ノードP-GWと移動局UE#1との間で、ノードS-GWとノードSGSNと無線回線制御局RNCとを介して送受信されるように切り替えられる。
ステップS1037において、移動局UE#1とノードMMEとの間で、第1通信状態で用いられていたパケット通信用ベアラの開放制御が行われる。
次に、図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおけるAttach時又は位置登録時の動作について説明する。
図4に示すように、ステップS101において、移動局UE#1が、ノードMMEに対して、SRVCC対応能力の有無を示す情報を含む「Attach Request」又は「Tracking Area Update Request」を送信すると、ステップS102において、ノードMMEが、受信した「Attach Request」又は「Tracking Area Update Request」に基づいて、移動局UE#1がSRVCC対応能力を具備しているか否かについて判定する。
ノードMMEは、移動局UE#1がSRVCC対応能力を具備していると判定した場合、ステップS103において、上述の所定能力を具備するノードS-GWを選択し、かかるノードS-GWに対して、移動局UE用のベアラを設定するように指示する。
ステップS104において、ノードMMEは、移動局UE#1に対して、「Attach Accept」又は「Tracking Area Update Accept」を送信する。
次に、図5を参照して、本実施形態に係るノードMMEの動作について説明する。
図5に示すように、ノードMMEは、ステップS111において、E-UTRANから「Handover Required」を受信すると、ステップS112において、QCI(QoS Class Identifier)等を参照して、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されているか否かについて判定する。
ノードMMEは、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されていないと判定した場合、ステップS113において、SRVCC処理とは関係ない通常のパケット通信に係るハンドオーバ処理を行う。
ノードMMEは、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されていると判定した場合、ステップS114において、ノードS-GWが、本発明に対応しているか否かについて、すなわち、所定能力(本発明対応能力)を具備しているか否かについて判定する。
ノードMMEは、ノードS-GWが本発明に対応していないと判定した場合、ステップS115において、従来のSRVCC処理を行う。
ノードMMEは、ノードS-GWが本発明に対応していると判定した場合、ステップS116において、拡張MSC/MGWに対して、本発明に係るSRVCCを行うことを示す所定フラグが設定されたベアラコンテキストを含む「PS to CS Request」を送信する。
次に、図6を参照して、本実施形態に係る拡張MSC/MGWの動作について説明する。
図6に示すように、拡張MSC/MGWEは、ステップS121において、ノードMMEから「PS to CS Request」を受信すると、ステップS122において、「PS to CS Request」に含まれるベアラコンテキストに対する処理を開始し、ステップS123において、従来のSRVCC処理を行う。
拡張MSC/MGWEは、ステップ124において、「PS to CS Request」に含まれるベアラコンテキストに、所定フラグが設定されているか否かについて判定する。
所定フラグが設定されていると判定された場合、本動作は、ステップS125に進み、所定フラグが設定されていないと判定された場合、本動作は、終了する。
ステップS125において、拡張MSC/MGWEは、ノードS-GWとの間の通信用のベアラ情報(IPアドレス及びTEID)を割り当て、かかるベアラ情報を「PS to
CS Response」によってノードMMEに通知する。
次に、図7を参照して、本実施形に係るノードS-GWの動作1について説明する。
図7に示すように、ノードS-GWは、ステップS131において、ノードMMEから「Modify Bearer Request」を受信し、ステップS132において、拡張MSC/MGWEのIPアドレス及びTEIDを受領する。
ノードS-GWは、ステップS133において、拡張MSC/MGWEとの間の通信用のベアラ情報(IPアドレス及びTEID)を割り当て、かかるベアラ情報を「Modify Bearer Response」によってノードMMEに通知する。
ステップS134において、ノードS-GWは、拡張MSC/MGW及び無線基地局eNodeB向けのVoIPメディア信号のBi-castingを開始する。
次に、図8を参照して、本実施形に係るノードS-GWの動作2について説明する。
図8に示すように、ノードS-GWは、ステップS141において、上り方向のUプレーンデータを受信すると、ステップS142において、かかるUプレーンデータが拡張MSC/MGWからのUプレーンデータであるか否かについて判定する。
ノードS-GWは、拡張MSC/MGWからのUプレーンデータでないと判定した場合、ステップS143において、拡張MSC/MGW及び無線基地局eNodeB向けのVoIPメディア信号のBi-castingを継続する。
一方、ノードS-GWは、拡張MSC/MGWからのUプレーンデータであると判定した場合、ステップS144において、かかるUプレーンデータに対応するVoIPメディア信号の無線基地局eNodeB向けの転送を停止する、すなわち、拡張MSC/MGW及び無線基地局eNodeB向けのVoIPメディア信号のBi-castingを中止する。
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について、具体的には、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて、第2通信状態から第1通信状態に切り替わる場合の動作について説明する。
図9に示すように、ステップS2000において、第2通信状態であるため、Uプレーンデータは、無線回線制御局RNCとノードS-GWとを介して移動局UE#1とノードP-GWとの間で送受信されている。
ステップS2001において、移動局UE#1と無線回線制御局RNCとの間で、移動局UE#1の2G/3G方式の無線アクセスシステムからLTE方式の無線アクセスシステムへのハンドオーバ処理が開始されると、ステップS2002において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「CS/PS HOビット」を含む「Relocation Required」を送信する。
ステップS2003において、ノードSGSNは、移動局UE及びノードMMEが、本発明に対応しているか否かについて判定する。
ノードSGSNは、移動局UE及びノードMMEが本発明に対応していると判定した場合、ステップS2004において、VoIPメディア信号用のベアラコンテキストを追加する。
ステップS2005において、無線回線制御局RNCは、ノードMSCに対して、「Relocation Required」を送信し、ステップS2006において、ノードMSCは、拡張MSC/MGWに対して、「MAP Prepare HO req」を送信し、ステップS2007において、拡張MSC/MGWは、ノードSGSNに対して、「CS to PS Request」を送信し、ステップS2008において、ノードSGSNは、移動局UE#1に係るVoIPメディア信号用のEPSベアラの作成を
開始する。
ステップS2009において、ノードSGSNが、ノードMMEに対して、VoIPメディア追加識別子を含む「Forward Relocation Request」を送信する。
上述のように、ノードSGSNは、ステップS2002において受信された「Relocation Required」に「CS/PS HOビット」が含まれていた場合、或いは、所定の判断ロジックに合致した場合、拡張MSC/MGWから「CS to PS Request」を受信した後に、ノードMMEに対して、「Forward Relocation Request」を送信する。
なお、ノードSGSNは、所定期間、拡張MSC/MGWから「CS to PS Request」を受信しない場合には、従来のパケット通信に係るハンドオーバ処理のみを行ってもよい。
ノードMMEは、ステップS2010において、受信した「Forward Relocation Request」に含まれるVoIPメディア追加識別子に基づいて、VoIPメディア信号用のベアラコンテキストを追加し、ステップS2011において、無線基地局eNodeBに対して、「Relocation Request」を送信する。
ステップS2012において、無線基地局eNodeBは、ノードMMEに対して、「Relocation Request Acknowledge」を送信し、ステップS2013において、ノードMMEは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。
ノードS-GWは、ステップS2014において、VoIPメディア信号用ベアラに対して、IPアドレス及びTEIDを割り当て、ステップS2015において、かかるIPアドレス及びTEIDを含む「Modify Bearer Response」を、ノードMMEに対して送信する。
ステップS2016において、ノードMMEは、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Response」を送信し、ステップS2017において、ノードSGSNは、拡張MSC/MGWに対して、「CS to PS Response」を送信する。
かかるステップS2009乃至S2017の動作は、パケット信号についてのハンドオーバ処理に係る動作である。
ステップS2018において、拡張MSC/MGWは、ノードMSCに対して、「MAP Prepare HO ack」を送信する。
ステップS2019において、ノードS-GWは、拡張MSC/MGW及び無線基地局eNodeB(VoIPメディア信号用ベアラ)向けのVoIPメディア信号のBi-castingを開始する。
ステップS2111において、ノードMSCは、無線回線制御局RNCに対して、「Handover Command」を送信し、ノードSGSNは、ステップS2112において、VoIPベアラ信号については、ノードMMEへの転送の対象外とし、ステップS2113において、無線回線制御局RNCに対して、「Handover Command」を送信する。
無線回線制御局RNCは、ステップS2114において、移動局UE#1に対して、「HO from UTRAN Command」を送信する。
ステップS2115において、移動局UE#1と無線基地局eNodeBとの間で無線アクセスリンクを確立する手順が行われ、ステップS2116において、移動局UE#1は、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to E-UTRAN Complete」を送信する。
図10に示すように、ステップS2117において、移動局UE#1において無線基地局eNodeBに対する上り方向のUプレーンデータの送信が可能となる。
無線回線制御局RNCは、ステップS2118において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Direct Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、無線基地局eNodeBに対して転送する。
一方、無線回線制御局RNCは、ステップS2118において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Indirect Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、ノードS-GWを経由して無線基地局eNodeBに対して転送する。ここで、「Direct Tunnel」が用いられていない場合には、無線回線制御局RNCは、ノードS-GWからノードSGSNを介して無線基地局eNodeBに対して転送する。
ステップS2119において、Uプレーンデータは、無線基地局eNodeBとノードS-GWとを介して移動局UE#1とノードP-GWとの間で送受信されるようになる。
ここで、ノードS-GWは、上り方向のVoIPメディア信号を受信すると、上述のBi-castingを停止し、拡張MSC/MGW向けのVoIPメディア信号用ベアラを開放する。
ステップS2120において、無線基地局eNodeBは、ノードMMEに対して、「Relocation Complete」を送信する。
ステップS2121において、ノードMMEは、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Complete」を送信し、ステップS2122において、ノードSGSNは、ノードMMEに対して、「Forward Relocation Complete Acknowledge」を送信する。
ステップS2123において、ノードSGSNは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。
ステップS2124において、ノードS-GWは、ノードP-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS2125において、ノードP-GWは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS2126において、ノードS-GWは、ノードSGSNに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS2127において、パケット信号が、ノードP-GWと移動局UE#1との間で、ノードS-GWと無線基地局eNodeBとを介して送受信されるように切り替えられる。
ステップS2128において、移動局UE#1とノードSGSNとの間で、第2通信状態で用いられていたパケット通信用ベアラの開放制御が行われ、ステップS2129において、移動局UE#1と拡張MSC/MGWとの間で、第2通信状態で用いられていた回線交換通信用ベアラの開放制御が行われる。
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、第1通信状態と第2通信状態との切り替え処理を、移動局UE#1の在圏ネットワーク内に閉じて実現することができ、通信不可となる切り替え時間を短縮すると共に、IMSによる制御を必要とすることなく、かかる切り替え処理を行うことができる。
この結果、上述の切り替え処理を、移動局UE#1のホームネットワーク及び移動局UE#2に対して完全に隠蔽することが可能となるため、移動局UE#1のホームネットワークに配置されているIMSにSRVCC対応能力が要求されず、移動局UE#1のホームネットワーク及び在圏ネットワークとの間で複雑な手続きが不要となる。
また、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、第2通信状態から第1通信状態への切り替えも可能となり、LTE方式の無線アクセスシステムを用いたパケット通信と音声通信とを同時に利用する機会を増やすことで、サービス性の向上が可能となる。
(変更例1)
図11乃至図21を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて説明する。以下、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
図11に示すように、本変更例1に係る移動通信システムには、拡張MSC/MGWが設けられていない。
第1通信状態では、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、VoIPメディア信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとを介して送受信されるように構成されている。
また、第1通信状態では、VoIP制御信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとIMSとを介して送受信されるように構成されている。
第2通信状態では、回線交換信号が、2G/3G方式の無線アクセスシステムを介して移動局UE#1とノードS-GWとの間で送受信され、VoIPメディア信号が、ノードS-GWと移動局UE#2との間で送受信され、VoIP制御信号が、2G/3G方式の無線アクセスシステムと該ノードS-GWとIMSとを介して移動局UE#1と移動局UE#2との間で送受信されるように構成されている。
また、第2通信状態では、ノードS-GWは、回線交換信号とVoIPメディア信号とを変換するように構成されている。
以下、図12及び図13を参照して、本変更例1に係る移動通信システムの動作について、具体的には、本変更例1に係る移動通信システムにおいて、第1通信状態から第2通信状態に切り替わる場合の動作について説明する。
図12に示すように、ステップS3000において、第1通信状態であるため、VoIPメディア信号とVoIP制御信号とパケット信号とを含むUプレーンデータは、無線基地局eNodeB及びノードS-GWを介して移動局UE#1とノードP-GWとの間で送受信されている。
ステップS3001において、移動局UE#1と無線基地局eNodeBとの間で、移動局UE#1のLTE方式の無線アクセスシステムから2G/3G方式の無線アクセスシステムへのハンドオーバ処理が開始されると、ステップS3002において、無線基地局eNodeBは、ノードMMEに対して、「Handover Required」を送信する。
ステップS3003において、ノードMMEは、移動局UEが、SRVCC対応能力を具備しているか否かについて、及び、ノードS-GWが、所定能力(本発明対応能力)を具備しているか否かについて判定する。
ノードMMEは、移動局UE及びノードS-GWがSRVCC対応能力を具備していると判定した場合、ステップS3004において、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Request」を送信する。
ノードSGSNは、ステップS3005において、MMコンテキストにVoIPメディア信号用ベアラが存在すると判定した場合に、ステップS3006において、無線回線制御局RNCに対して、「Relocation Request」を送信し、ステップS3007において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Request Acknowledge」を送信する。
ステップS3008において、ノードSGSNは、無線回線制御局RNCに対して、VoIPメディア信号用ベアラ識別子を含む「Relocation Request for lu-UP」を送信し、ステップS3009において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、VoIPメディア信号用ベアラ識別子を含む「Bearer Establish」を送信する。
ノードS-GWは、ステップS3010において、lu-UPベアラに対してノードSGW側のIPアドレス及びポート番号を割り当て、ステップS3011において、無線回線制御局RNCに対して、「Bearer Confirm」を送信する。
ステップS3012において、ノードS-GWと無線回線制御局RNCとの間でlu-UPベアラの初期化処理が行われ、ステップS3013において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Request Acknowledgement for lu-UP」を送信する。
この結果、ステップS3014Aにおいて、無線回線制御局RNCにおけるlu-UPベアラの設定が完了し、ステップS3014Bにおいて、ノードS-GWにおけるlu-UPベアラの設定が完了する。
ステップS3015において、ノードSGSNは、ノードMMEに対して、ノードSGW宛ての「Forward Relocation Response」を送信する。
ステップS3016において、ノードS-GWは、無線回線制御局RNC(lu-UPベアラ)及び無線基地局eNodeB(VoIPメディア信号用ベアラ)向けのVoIPメディア信号のBi-castingを開始する。ここで、ノードS-GWが、回線交換信号とVoIPメディア信号との間でコーデック変換(RTP/AMR-lu-UP/AMR)を行う。
ノードMMEは、ステップS3021において、VoIPベアラ信号については、ノードSGSNへの転送の対象外とし、ステップS3022において、無線基地局eNodeBに対して、「Handover Command」を送信する。
無線基地局eNodeBは、ステップS3024において、移動局UE#1に対して、「HO from E-UTRAN Command」を送信する。
ステップS3025において、移動局UE#1と無線回線制御局RNCとの間で無線アクセスリンクを確立する手順が行われ、ステップS3026において、移動局UE#1は、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete」を送信し、ステップS3027において、移動局UE#1において無線回線制御局RNCに対する上り方向のUプレーンデータの送信が可能となる。
図13に示すように、ステップS3028において、移動局UE#1は、回線交換信号を、無線回線制御局RNC(lu-UPベアラ)を介してノードS-GWに送信し、ノードS-GWは、ステップS3029において、受信した回線交換信号に対してコーデック変換処理を行ってVoIPメディア信号を取得し、ステップS3030において、かかるVoIPメディア信号をノードP-GWに対して送信する。
ノードS-GWは、ステップS3031において、上り方向のUプレーンデータを受信したため、上述のBi-castingを停止し、ステップS3032において、回線交換信号を、無線回線制御局RNC(lu-UPベアラ)を介して移動局UE#1に送信する。
無線基地局eNodeBは、ステップS3033において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Direct Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、無線回線制御局RNCに対して転送する。
一方、無線基地局eNodeBは、ステップS3033において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Indirect Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、ノードS-GWを経由して無線回線制御局RNCに対して転送する。ここで、「Direct Tunnel」が用いられていない場合には、無線基地局eNodeBは、ノードS-GWからノードSGSNを介して無線回線制御局RNCに対して転送する。
ステップS3034において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Complete」を送信する。
ステップS3035において、ノードSGSNは、ノードMMEに対して、「Forward Relocation Complete」を送信し、ステップS3036において、ノードMMEは、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Complete Acknowledge」を送信する。
ステップS3037において、ノードMMEは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。
ステップS3038において、ノードS-GWは、ノードP-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS3039において、ノードP-GWは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS3040において、ノードS-GWは、ノードMMEに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS3041において、VoIP制御信号及びパケット信号が、ノードP-GWと移動局UE#1との間で、ノードS-GWとノードSGSNと無線回線制御局RNCとを介して送受信されるように切り替えられる。
ここで、VoIPメディア信号は、ノードS-GWとノードP-GWとの間で送受信され、回線交換信号が、無線回線制御局RNCを介して移動局UE#1とノードS-GWとの間で送受信されるように切り替えられる。ここで、ノードS-GWが、回線交換信号とVoIPメディア信号との間でコーデック変換(RTP/AMR-lu-UP/AMR)を行う。
ステップS3042において、移動局UE#1とノードMMEとの間で、第1通信状態で用いられていたパケット通信用ベアラの開放制御が行われる。
次に、図14を参照して、本変更例1に係るノードMMEの動作1について説明する。
図14に示すように、ノードMMEは、ステップS201において、E-UTRANから「Handover Required」を受信すると、ステップS202において、QCI等を参照して、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されているか否かについて判定する。
ノードMMEは、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されていないと判定した場合、ステップS203において、SRVCC処理とは関係ない通常のパケット通信に係るハンドオーバ処理を行う。
ノードMMEは、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されていると判定した場合、ステップS204において、移動局UE#1及びノードS-GWが、本発明に対応しているか否かについて、すなわち、所定機能(本発明に係る機能)を具備しているか否かについて判定する。
ノードMMEは、移動局UE#1及びノードS-GWが本発明に対応していないと判定した場合、ステップS205において、従来のSRVCC処理を行う。
ノードMMEは、移動局UE#1及びノードS-GWが本発明に対応していると判定した場合、ステップS206において、ノードSGSNに対して、本発明に係るSRVCCを行うことを示す所定識別子が設定されたベアラコンテキストを含む「Forward Relocation Request」を送信する。
次に、図15を参照して、本変更例1に係るノードMMEの動作2について説明する。
図15に示すように、ノードMMEは、ステップS211において、ノードSGSNから「Forward Relocation Response」を受信すると、ステップS212において、QCI等を参照して、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されているか否かについて判定する。
ノードMMEは、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されていないと判定した場合、ステップS213において、SRVCC処理とは関係ない通常のパケット通信に係るハンドオーバ処理を行う。
ノードMMEは、VoIPベアラ信号用ベアラが設定されていると判定した場合、ステップS214において、E-UTRANに対して送信する「Handover Command」内の「Bearers Subject to Data Forwarding List」に、VoIPメディア信号用のベアラ情報を設定しない。
次に、図16を参照して、本変更例1に係るノードSGSNの動作について説明する。
図16に示すように、ノードSGSNは、ステップS221において、ノードMMEから「Forward Relocation Request」を受信すると、ステップS222において、「Forward Relocation Request」に含まれるベアラコンテキストに対する処理を開始し、ステップS223において、「Forward Relocation Request」に含まれるベアラコンテキストに、所定識別子が設定されているか否かについて判定する。
所定識別子が設定されていると判定された場合、本動作は、ステップS224に進み、所定フラグが設定されていないと判定された場合、本動作は、ステップS225に進む。
ステップS224において、ノードSGSNは、無線回線制御局RNCに対して、回線交換通信用ベアラの設定を指示すると共に、SRVCC処理とは関係ない通常のパケット通信に係るハンドオーバ処理を行う。
ステップS225において、ノードSGSNは、SRVCC処理とは関係ない通常のパケット通信に係るハンドオーバ処理を行う。
次に、図17を参照して、本変更例1に係るノードS-GWの動作1について説明する。
図17に示すように、ノードS-GWは、ステップS231において、無線回線制御局RNCから「Bearer Establish」を受信すると、ステップS232において、lu-UPベアラに対して、ノードS-GW側のIPアドレス及びポート番号を割り当て、コーデックの変換対象のVoIPメディア信号用ベアラを記憶する。
ステップS233において、ノードS-GWは、かかるIPアドレス及びポート番号を含む「Bearer Confirm」を送信する。
次に、図18を参照して、本変更例1に係るノードS-GWの動作2について説明する。
図18に示すように、ノードS-GWは、ステップS241において、無線回線制御局RNCとの間のlu-UPベアラの設定を完了すると、ステップS242において、対象のVoIPメディア信号を、無線回線制御局RNC及び無線基地局eNodeB向けへのBi-castingを開始する。
次に、図19を参照して、本変更例1に係るノードS-GWの動作3について説明する。
図19に示すように、ノードS-GWは、ステップS251において、上り方向のUプレーンデータを受信すると、ステップS252において、かかるUプレーンデータがlu-UPを介して受信したUプレーンデータであるか否かについて判定する。
ノードS-GWは、lu-UPを介して受信したUプレーンデータでないと判定した場合、ステップS253において、無線回線制御局RNC及び無線基地局eNodeB向けのVoIPメディア信号のBi-castingを継続する。
一方、ノードS-GWは、lu-UPを介して受信したUプレーンデータであると判定した場合、ステップS254において、かかるUプレーンデータに対応するVoIPメディア信号の無線基地局eNodeB向けの転送を停止する、すなわち、無線回線制御局RNC及び無線基地局eNodeB向けのVoIPメディア信号のBi-castingを中止する。
次に、図20及び図21を参照して、本変更例1に係る移動通信システムの動作について、具体的には、本変更例1に係る移動通信システムにおいて、第2通信状態から第1通信状態に切り替わる場合の動作について説明する。
図20に示すように、ステップS4000において、第2通信状態であるため、Uプレーンデータは、無線回線制御局RNCとノードS-GWとを介して移動局UE#1とノードP-GWとの間で送受信されている。
ステップS4001において、移動局UE#1と無線回線制御局RNCとの間で、移動局UE#1の2G/3G方式の無線アクセスシステムからLTE方式の無線アクセスシステムへのハンドオーバ処理が開始されると、ステップS4002において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Required」を送信する。
ステップS4003において、ノードSGSNは、移動局UE及びノードMMEが本発明に対応していると判定した場合で、VoIPメディア信号用のEPSベアラの作成を開始する。
ステップS4004において、ノードSGSNは、ノードMMEに対して、VoIPメディア信号用ベアラ識別子を含む「Forward Relocation Request」を送信する。
ノードMMEは、ステップS4005において、受信した「Forward Relocation Request」に含まれるVoIPメディア信号用ベアラ識別子に基づいて、VoIPメディア信号用のベアラコンテキストを追加し、ステップS4006において、無線基地局eNodeBに対して、「Handover Request」を送信する。
ステップS4007において、無線基地局eNodeBは、ノードMMEに対して、「Handover Request Acknowledge」を送信し、ステップS4008において、ノードMMEは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。
ノードS-GWは、ステップS4009において、VoIPメディア信号用ベアラに対して、IPアドレス及びTEIDを割り当て、ステップS4010において、かかるIPアドレス及びTEIDを含む「Modify Bearer Response」を、ノードMMEに対して送信する。
ステップS4011において、ノードMMEは、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Response」を送信する。
ステップS4012において、ノードS-GWは、拡張MSC/MGW及び無線基地局eNodeB(VoIPメディア信号用ベアラ)向けのVoIPメディア信号のBi-castingを開始する。
ノードSGSNは、ステップS4021において、VoIPベアラ信号については、ノードMMEへの転送の対象外とし、ステップS4022において、無線回線制御局RNCに対して、「Handover Command」を送信する。
無線回線制御局RNCは、ステップS4023において、移動局UE#1に対して、「HO from UTRAN Command」を送信する。
ステップS4024において、移動局UE#1と無線基地局eNodeBとの間で無線アクセスリンクを確立する手順が行われ、ステップS4025において、移動局UE#1は、無線基地局eNodeBに対して、「Handover to E-UTRAN Complete」を送信する。
ステップS4026において、移動局UE#1において無線基地局eNodeBに対する上り方向のUプレーンデータの送信が可能となる。
図21に示すように、ステップS4028において、移動局UE#1は、VoIPメディア信用及びVoIP制御信号を、無線基地局eNodeB(VoIPメディア信号用ベアラ)を介してノードS-GWに送信し、ノードS-GWは、ステップS4029において、受信した回線交換信号に対してコーデック変換処理を行うことなく、かかるVoIPメディア信号をノードP-GWに対して送信する。
ノードS-GWは、ステップS4030において、上り方向のUプレーンデータを受信したため、上述のBi-castingを停止し、無線回線制御局RNC向けのVoIPメディア信号用ベアラを開放し、ステップS4031において、回線交換信号を、無線基地局eNodeB(lu-UPベアラ)を介して移動局UE#1に送信する。
無線回線制御局RNCは、ステップS4032において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Direct Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、無線基地局eNodeBに対して転送する。
一方、無線回線制御局RNCは、ステップS4032において、下り方向のUプレーンデータを受信すると、「Indirect Forwarding」が適用されていると、かかる下り方向のUプレーンデータを、ノードS-GWを経由して無線基地局eNodeBに対して転送する。ここで、「Direct Tunnel」が用いられていない場合には、無線回線制御局RNCは、ノードS-GWからノードSGSNを介して無線基地局eNodeBに対して転送する。
ステップS4033において、無線回線制御局RNCは、ノードSGSNに対して、「Relocation Complete」を送信する。
ステップS4034において、ノードSGSNは、無線基地局eNodeBに対して、「Forward Relocation Complete」を送信し、ステップS4035において、無線基地局eNodeBは、ノードSGSNに対して、「Forward Relocation Complete Acknowledge」を送信する。
ステップS4036において、ノードSGSNは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信する。
ステップS4037において、ノードS-GWは、ノードP-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS4038において、ノードP-GWは、ノードS-GWに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS4039において、ノードS-GWは、ノードSGSNに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
ステップS4040において、パケット信号が、ノードP-GWと移動局UE#1との間で、ノードS-GWと無線基地局eNodeBとを介して送受信されるように切り替えられる。
ステップS4041において、移動局UE#1とノードSGSNとの間で、第2通信状態で用いられていたパケット通信用ベアラの開放制御が行われ、ステップS4042において、移動局UE#1とノードS-GWとの間で、第2通信状態で用いられていた回線交換通信用ベアラの開放制御が行われる。
(変更例2)
図22を参照して、本発明の変更例2に係る移動通信システムについて説明する。以下、本発明の変更例2に係る移動通信システムについて、上述の変更例1に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
図22に示すように、本変更例2に係る移動通信システムでは、VoIP制御信号及びパケット信号は、ノードSGSNを経由して送受信されるように構成されている。
一方、回線交換信号は、ノードSGSNを経由することなく送受信されるように構成されている。
(変更例3)
図23及び図24を参照して、本発明の変更例3に係る移動通信システムについて説明する。以下、本発明の変更例3に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
図23に示すように、本変更例3に係る移動通信システムでは、第2通信状態において、拡張MSC/MGWと、移動局UE#1のホームネットワークに配置されているノードSCC ASとの間で、移動局UE#1の在圏ネットワークに設けられているノードPCSCF及び移動局UE#1のホームネットワークに配置されているノードS-CSCFを介して、IMSに係る情報を含むVoIP制御信号が送受信されるように構成されていてもよい。
例えば、拡張MSC/MGWは、第1通信状態から第2通信状態に切り替わる場合に、移動局UE#1のホームネットワークに配置されているノードSCC ASに対して、IMSに係る情報(例えば、MS-ISDNの情報等)を通知することによって、かかるノードSCC ASによって保持されているIMSに係る情報を更新するように構成されていてもよい。
具体的には、図24に示すように、第1通信状態から第2通信状態に切り替わる場合に、ステップS5001において、拡張MSC/MGWは、移動局UE#1の在圏ネットワークに設けられているノードP-CSCFを介して、移動局UE#1のホームネットワークに配置されているノードS-CSCFに対して、「STN-SR」及び「SDP-MGW」を含む「情報更新用SIPメッセージ」を送信する。情報更新用SIPメッセージは、例えば、「UPDATE」或いは「RE-INVITE」等である。
ここで、「STN-SR」は、第1通信状態から第2通信状態へ切り替え処理であることを示し、「SDP-MGW」は、VoIPメディア情報を示す。
ステップS5002において、ノードS-CSCFは、移動局UE#1のホームネットワークに配置されているノードSCC ASに対して、「STN-SR」及び「SDP-MGW」を含む「情報更新用SIPメッセージ」を送信する。
ステップS5003において、ノードSCC ASは、受信した「情報更新用SIPメッセージ」に応じて、自身の保持しているIMSに係る情報を更新する。
また、かかる場合、かかるノードSCC ASは、第1通信状態から第2通信状態に切り替わる前に自身が保持していたIMSに係る情報を、拡張MSC/MGWに対して通知するように構成されていてもよい。
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
本実施形態の第1の特徴は、回線交換通信をサポートしていないLTE方式(第1通信方式)の無線アクセスシステムと、LTE方式の無線アクセスシステムを収容する移動伝達ネットワークと、回線交換通信をサポートしている2G/3G方式(第2通信方式)の無線アクセスシステムと、2G/3G方式の無線アクセスシステムを収容する2G/3G方式のコアネットワークと、IMS(サービス制御ネットワーク)とを具備しており、第1通信状態と第2通信状態とを切り替えることができるように構成されている移動通信システムであって、第1通信状態では、移動局UE#1(第1移動局)は、LTE方式の無線アクセスシステムに在圏しており、移動局UE#2(第2移動局)との間で音声通信を行うように構成されており、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、VoIPメディア信号が、LTE方式の無線アクセスシステム及び移動伝達ネットワーク内の移動局UE#1の在圏ネットワークに配置されているノードS-GW(サービングゲートウェイ装置)を介して送受信され、VoIP制御信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとIMSとを介して送受信されるように構成されており、第2通信状態では、移動局UE#1は、2G/3G方式の無線アクセスシステムに在圏しており、移動局UE#2との間で音声通信を行うように構成されており、回線交換信号が、2G/3G方式の無線アクセスシステムを介して移動局UE#1と2G/3G方式のコアネットワークに配置されている拡張MSC/MGWとの間で送受信され、VoIPメディア信号が、ノードSGWを介して拡張MSC/MGWと移動局UE#2との間で送受信され、VoIP制御信号が、ノードS-GW及びIMSを介して拡張MSC/MGWと移動局UE#2との間で送受信されるように構成されており、拡張MSC/MGWは、回線交換信号と、VoIPメディア信号及びVoIP制御信号の組み合わせとを変換するように構成されていることを要旨とする。
本実施形態の第1の特徴において、第2通信状態において、拡張MSC/MGWと、移動局UE#1のホームネットワークに配置されているノードSCC ASとの間で、IMSに係る情報を含むVoIP制御信号が送受信されるように構成されていてもよい。
また、本実施形態の第2の特徴は、LTE方式の無線アクセスシステムと、移動伝達ネットワークと、2G/3G方式の無線アクセスシステムと、2G/3G方式方式のコアネットワークと、IMSとを具備しており、第1通信状態と第2通信状態とを切り替えることができるように構成されている移動通信システムであって、第1通信状態では、移動局UE#1は、LTE方式の無線アクセスシステムに在圏しており、移動局UE#2との間で音声通信を行うように構成されており、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、VoIPメディア信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとを介して送受信され、VoIP制御信号が、LTE方式の無線アクセスシステムとノードS-GWとIMSとを介して送受信されるように構成されており、第2通信状態では、移動局UE#1は、2G/3G方式の無線アクセスシステムに在圏しており、移動局UE#2との間で音声通信を行うように構成されており、回線交換信号が、2G/3G方式方式の無線アクセスシステムを介して移動局UE#1とノードS-GWとの間で送受信され、VoIPメディア信号が、ノードS-GWと移動局UE#2との間で送受信され、VoIP制御信号が、2G/3G方式の無線アクセスシステムと該ノードS-GWとIMSとを介して移動局UE#1と移動局UE#2との間で送受信されるように構成されており、ノードS-GWは、回線交換信号とVoIPメディア信号とを変換するように構成されていることを要旨とする。
本実施形態の第2の特徴において、第2通信状態において、VoIP制御信号は、2G/3G方式の無線アクセスシステムと2G/3G方式のコアネットワークに配置されているノードSGSN(パケット交換局)とノードS-GWとIMSとを介して移動局UE#1と移動局UE#2との間で送受信されるように構成されていてもよい。
なお、上述のMME、SGW、PGW、P-CSCF、S-CSCF、SCC AS、S/P-CSCF、eNodeB、SGSN、MSC、UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、MME、SGW、PGW、P-CSCF、S-CSCF、SCC AS、S/P-CSCF、eNodeB、SGSN、MSC、UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてMME、SGW、PGW、P-CSCF、S-CSCF、SCC AS、S/P-CSCF、eNodeB、SGSN、MSC、UE内に設けられていてもよい。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。