JP2011060983A - 導電パターンの作製方法 - Google Patents

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裕二 豊田
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Abstract

【課題】サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、光架橋性樹脂層の厚みが大きい場合や光溶解速度が遅い場合にも、より短時間で光架橋性樹脂層を均一に薄膜化できる方法を提供する。
【解決手段】アルカリ水溶液による光架橋性樹脂層の薄膜化処理が、(1)アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を5〜20質量%含む水溶液で処理する工程、(2)アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含むpH5〜10の水溶液で処理する工程、(3)処理後の光架橋性樹脂層表面を水洗後、水滴を除去する工程をこの順に含み、工程(3)の前に工程(1)と工程(2)を少なくとも2回以上繰り返し連続して行うことを特徴とする導電パターンの作製方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法に関する。
プリント配線板やリードフレームの製造方法として、表面に導電層を設けた絶縁性基板あるいは導電性基板の回路部にエッチングレジスト層を設け、露出している非回路部の導電層をエッチング除去して導電パターンを形成するサブトラクティブ法がある。また、絶縁性基板の回路部にメッキ法で導電層を設けていくアディティブ法やセミアディティブ法がある。
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、機器内部に使用されるプリント配線板やリードフレームも高密度化や導電パターンの微細化が進められており、サブトラクティブ法により、現在では導体幅が50〜80μm未満、導体間隙が50〜80μmの導電パターンが製造されている。また、さらなる高密度化、微細配線化が進み、導体幅あるいは導体間隙50μm未満の超微細な導電パターンが求められるようになってきている。それに伴って、導電パターンの精度やインピーダンスの要求も高くなっている。このような微細な導電パターンを形成するため、従来から、サブトラクティブ法に代わり、セミアディティブ法が検討されているが、製造工程が大幅に増加するという問題や電解メッキ銅の接着強度不足等の問題があった。そのため、サブトラクティブ法でプリント配線板やリードフレームを製造するのが主流となっている。
サブトラクティブ法において、エッチングレジスト層は、感光性材料を用いた露光現像工程を有するフォトファブリケーション法、スクリーン印刷法、インクジェット法等によって形成される。この中でも、フォトファブリケーション法におけるネガ型のドライフィルムレジストと呼ばれるシート状の光架橋性樹脂層を用いた方法は、取り扱い性に優れ、テンティングによるスルーホールの保護が可能なことから好適に用いられている。
光架橋性樹脂層を用いた方法では、基板上に光架橋性樹脂層を形成し、露光現像工程を経てエッチングレジスト層が形成される。微細な導電パターンを形成するためには、微細なエッチングレジスト層を形成させることが必要不可欠である。このために、できる限りレジスト膜厚を薄くする必要がある。光架橋性樹脂層として一般的なドライフィルムレジストでは、例えば、10μm以下の膜厚にすると、ゴミを核とした気泡の混入や凹凸追従性の低下が原因となり、レジスト層の剥がれや断線が発生するという問題があり、微細なエッチングレジスト層を形成させることは困難であった。
このような問題を解決すべく、あらかじめ基板上に厚い光架橋性樹脂層を形成し、次に、高濃度の無機アルカリ性化合物を含むアルカリ水溶液を用いて光架橋性樹脂層を薄膜化した後、回路パターンの露光、現像を行ってエッチングレジスト層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1において、薄膜化させる光架橋性樹脂層の厚みが大きい場合、例えば、40μm以上の厚い光架橋性樹脂層を10μm程度まで薄膜化する場合や、または、光架橋性樹脂層のアルカリ溶解速度が遅い場合は、1回あたりの薄膜化処理時間を長くするため、処理速度を遅くしたり、長い処理槽を準備する必要がある。このため、生産性が著しく低下する、処理装置が大きくなり余計な設置スペースが必要になるといった問題があった。
国際公開第2009/096438号パンフレット
本発明の課題は、サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、表面に導電層を設けた基板上に光架橋性樹脂層を形成し、アルカリ水溶液によって光架橋性樹脂層の薄膜化処理を行った後、回路パターンの露光、現像、エッチング処理を行う導電パターンの作製方法において、薄膜化させる光架橋性樹脂層の厚みが大きい場合や光架橋性樹脂層の溶解速度が遅い場合にも、より短時間で光架橋性樹脂層を均一に薄膜化することができる方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、
工程(a);表面に導電層が設けられている基板上に光架橋性樹脂層を形成する工程、
工程(b1);アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を5〜20質量%含む水溶液で処理する工程、
工程(b2);アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含むpH5〜10の水溶液で処理する工程、
工程(b3);処理後の光架橋性樹脂層表面を水洗した後、水滴を除去する工程、
工程(c);回路パターンの露光工程、
工程(d);現像工程、
工程(e);エッチング工程
をこの順に含み、工程(b3)の前に、工程(b1)と工程(b2)を少なくとも2回以上繰り返し連続して行うことを特徴とする導電パターンの作製方法を見出した。
本発明の導電パターンの作製方法においては、光架橋性樹脂層の薄膜化処理が、(b1)アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を5〜20質量%含む水溶液で処理する工程、(b2)アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含むpH5〜10の水溶液で処理する工程からなり、(b3)処理後の光架橋性樹脂層表面を水洗した後、水滴を除去する工程の前に、工程(b1)と工程(b2)を少なくとも2回以上繰り返し連続して行うことによって、より短時間で光架橋性樹脂層を薄膜化することができる。
工程(b1)では光架橋性樹脂層成分のミセルを一旦不溶化させ、溶解拡散を抑制し、工程(b2)で、このミセルを再分散させて、溶解除去する。つまり、薄膜化の量は、工程(b1)において、溶解拡散を抑制されたミセル化した光架橋性樹脂層の割合、すなわち、光架橋性樹脂層への無機アルカリ性化合物の浸透量で決まる。ここで、図1は、工程(b1)における処理時間と光架橋性樹脂層への無機アルカリ性化合物の浸透量の関係の一例を示す図である。X軸は工程(b1)における処理時間、Y軸は光架橋性樹脂層への無機アルカリ性化合物の浸透量を表す。図1において、浸透量は工程(b1)における処理初期(網部;領域(A))に特異的に大きく、その後は処理時間とともに徐々に増加する傾向がある。本発明は、この工程(b1)の処理初期の速い浸透を積極的に利用したものであり、光架橋性樹脂層のミセル化と再分散を繰り返し連続して行うことによって、通常1回だけの処理に比べ、短時間で効率よく薄膜化させることができる。
工程(b1)における処理時間と光架橋性樹脂層への無機アルカリ性化合物の浸透量の関係の一例を示す図である。 光架橋性樹脂層を薄膜化する工程を含む導電パターンの作製方法の一例を示す断面工程図である。 本発明の導電パターンの作製方法の一例を示す断面工程図である。 実施例において、合計処理時間と平均膜厚の関係を表したグラフである。
以下、本発明の導電パターンの作製方法について詳細に説明する。
図2は、光架橋性樹脂層を薄膜化する工程を含む導電パターンの作製方法の一例を示す断面工程図である。基板2は、絶縁性基板5の片表面に導電層4を設けてなる。工程(a)では、基板2の導電層4上に光架橋性樹脂層1を形成する。工程(b1)では、光架橋性樹脂層1の上層部にアルカリ水溶液を浸透させ、ミセル化した光架橋性樹脂層6を形成する。工程(b2)では、ミセル化した光架橋性樹脂層6を溶解除去し、光架橋性樹脂層1を薄膜化させる。工程(b3)では、薄膜化後の光架橋性樹脂層1を水洗した後、水滴を除去する。工程(c)では、回路パターンに相当する部分の光架橋性樹脂層1を露光し、架橋部3を形成する。工程(d)では、光架橋性樹脂層(未架橋部)1を現像により除去する。工程(e)では、光架橋性樹脂の架橋部3で覆われていない導電層4をエッチングし、導電パターンを得る。
図3は、本発明の導電パターンの作製方法における繰り返し連続処理による光架橋性樹脂層の薄膜化処理の一例を示す断面工程図である。図3では、基板2の導電層4上に光架橋性樹脂層1を形成する工程(a)に続いて、工程(b1)と工程(b2)を3回繰り返し連続処理することにより、1回あたりの薄膜化量ずつ段階的に光架橋性樹脂層1が薄膜化される。
光架橋性樹脂層の形成には、例えば、加熱したゴムロールを加圧して押し当てる熱圧着方式のラミネータ装置を用いることができる。加熱温度は100℃以上であることが好ましい。基板には、アルカリ脱脂、酸洗等の前処理を施してもよい。
表面に導電層を設けた基板としては、プリント配線板またはリードフレーム用基板が挙げられる。プリント配線板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。フレキシブル基板の絶縁性基板の厚さは5〜125μmで、その両面もしくは片面に1〜35μmの金属箔層が導電層として設けられており、可撓性が大きい。絶縁性基板の材料には、通常、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が用いられる。絶縁性基板上に金属箔層を有する材料は、接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に絶縁性基板材料である樹脂の液を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法で絶縁性基板である樹脂フィルム上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属箔層を形成するスパッタ/メッキ法、熱プレスで貼り付けるラミネート法等のいかなる方法で製造したものを用いてもよい。金属箔層の金属としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、あるいはそれらの合金等のいかなる金属を用いることができるが、銅が一般的である。
リジッド基板としては、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を浸漬させた紙基材またはガラス基材を重ねて絶縁性基板とし、その片面もしくは両面に金属箔を導電層として載置し、加熱及び加圧により積層して、金属箔層が設けられたものが挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント基板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属箔層の材料としては、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント基板の例は、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、(株)日刊工業新聞社刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、1992年刊行、(株)近代化学社刊)に記載されている。リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
光架橋性樹脂層とは露光部が架橋して現像液に不溶化する樹脂層であり、回路形成用として、ネガ型のドライフィルムレジストが一般的に使用されている。市販のドライフィルムレジストは、少なくとも光架橋性樹脂層を有していて、ポリエステル等の支持層フィルム上に光架橋性樹脂層を設け、場合によってはポリエチレン等の保護フィルムで光架橋性樹脂上を挟んだ構成となっているものが多い。本発明において、光架橋性樹脂層として使用できる市販のドライフィルムレジストとしては、例えば、サンフォートシリーズ(商品名、旭化成イーマテリアルズ社製)、フォテックシリーズ(商品名、日立化成工業社製)、リストンシリーズ(商品名、デュポンMRCドライフィルム社製)、ALPHOシリーズ(商品名、ニチゴー・モートン社製)等を挙げることができる。
光架橋性樹脂層の厚みは、15〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。この厚みが15μm未満では、ゴミを核とした気泡の混入や凹凸追従性不良によって、レジスト剥がれや断線が発生する場合がある。一方、100μmを超えると、光架橋性樹脂層の製造コストが高くなるだけでなく、製造した光架橋性樹脂層のエッジフュージョンが顕著で保存性が悪くなる場合がある。
本発明における光架橋性樹脂層の薄膜化処理は、3つの工程(b1)〜(b3)よりなる。まず、工程(b1)において、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を5〜20質量%、より好ましくは、10〜15質量%含む水溶液を供給することにより、溶解途中でミセル化された光架橋性樹脂層成分を一旦不溶化し、処理液中への溶解拡散を抑制する。5質量%未満では、ミセルが不溶化し難く、溶解除去途中で可溶化されたミセルが溶解拡散して、薄膜化処理で面内ムラが発生する。また、20質量%を超えると、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る。溶液のpHは9〜12の範囲とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜少量添加することもできる。
次いで、工程(b2)では、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むpH5〜10、より好ましくは、pH6〜8の水溶液を供給し、工程(b1)で不溶化された光架橋性樹脂層成分を再分散させて溶解除去する。このように、工程(b1)と工程(b2)を分けることで、工程(b1)では光架橋性樹脂層は処理液中にほとんど溶け込まないため、処理液の溶解性変化が少なく、安定した連続薄膜化処理ができるという利点がある。また、工程(b2)において、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩はいずれもアルカリ領域に優れた緩衝能力を有するため、工程(b1)から高濃度のアルカリ水溶液の一部が混入した場合においても、急激なpHの上昇を防止することができ、局所的な処理液の攪拌ムラ及びスプレームラ、光架橋性樹脂層の溶解ムラに起因するpH変化を最小限まで抑制することができる。さらに、pH5〜10の水溶液を使用することにより、(b2)における光架橋性樹脂層成分の再分散性を一定に保つことができ、安定した連続薄膜化処理ができる。
工程(b2)において、水溶液のpHが5未満では、再分散により溶け込んだ光架橋性樹脂成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって薄膜化した光架橋性樹脂層表面に付着する。一方、水溶液のpHが10を超えると、光架橋性樹脂層の溶解拡散が促進され、面内で膜厚ムラが発生するため好ましくない。また、工程(b2)の処理液は、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて、液のpHを調整した後に使用してもよい。工程(b2)において、水溶液の供給流量は多い方が好ましく、光架橋性樹脂層1cmあたり0.030〜1.0L/minであることが好ましい。工程(b2)において、供給流量が不足すると、不溶化された光架橋性樹脂層成分の再分散性が悪くなり、溶解不良が起こりやすくなる。その結果、薄膜化後の光架橋性樹脂層表面に不溶解成分の析出が見られ、タック性が問題になる場合がある。
工程(b2)に続き、工程(b3)で処理後の光架橋性樹脂層表面を水洗した後、水滴を除去することにより、光架橋性樹脂層の薄膜化処理が完了する。水洗水としては、工業用水、水道水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。樹脂層表面の水滴の除去方法としては、エアーナイフ、吸液性ロール、温風乾燥等が挙げられるが、物理的な接触がなく、除去効率がよいことから、エアーナイフが特に好ましい。
工程(b3)の前に、工程(b1)と工程(b2)を少なくとも2回以上繰り返し連続して行うことによって、より短時間で効率よく光架橋性樹脂層を薄膜化させることができる。工程(b1)と工程(b2)を繰り返し行う場合、各処理槽は連続的に配置されていればよい。
光架橋性樹脂層上に支持層フィルムが設けられている場合には、剥がしてから薄膜化処理を実施する。薄膜化処理とは、光架橋性樹脂層の厚みを略均一に薄くする処理のことであり、詳しくは、薄膜化処理を施す前の厚みの0.05〜0.9倍の厚みまで薄くすることを言う。
薄膜化処理の方法として、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スクレーピング等があり、スプレー方式が光架橋性樹脂層の溶解速度の点からは最も適している。スプレー方式の場合、処理条件(温度、時間、スプレー圧)は、使用する光架橋性樹脂層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜40℃、さらに好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.3MPaである。
工程(c)では、回路パターンの露光を行う。回路パターンの露光方法としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトツールを用いた片面あるいは両面密着露光方式、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザー走査露光方式等が挙げられるが、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とし、フォトツールを用いた片面、両面密着露光が好適に用いられる。
工程(d)では、光架橋していない光架橋性樹脂層を現像液で除去して、エッチングレジスト層を形成する。現像方法としては、使用する光架橋性樹脂層に見合った現像液を用い、基板の上下方向から基板表面に向かってスプレーを噴射して、エッチングレジストパターンとして不要な部分を除去し、回路パターンに相当するエッチングレジスト層を形成する。一般的には、0.3〜2質量%の炭酸ナトリウム水溶液が使用される。
工程(e)では、エッチングレジスト層以外の露出した導電層をエッチングすることにより、微細な導電パターンを作製する。エッチング工程では、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、(株)日刊工業新聞社刊)記載の方法等を使用することができる。エッチング液は金属箔層を溶解除去できるもので、また、少なくともエッチングレジスト層が耐性を有しているものであればよい。一般に導電層に銅を使用する場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を使用することができる。
以下実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<工程(a)>
ガラス基材エポキシ樹脂銅張積層板(面積170mm×255mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.1mm、商品名:CCL−E170、三菱ガス化学社製)上に、耐熱シリコンゴムライニング表面処理されたラミネートロールを備えたドライフィルム用ラミネータを用いて、保護フィルムを剥がしながら、ロール温度100℃、エアー圧力0.30MPa、ラミネート速度0.50m/minにて、ドライフィルムレジスト(商品名:サンフォートAQ4038、厚み40μm、旭化成イーマテリアルズ社製)をラミネートした。
<工程(b1)〜(b3)>
水平搬送方式の連続処理装置を用いて、ドライフィルムレジストの薄膜化処理を行った。連続処理装置は、工程(b1)の処理槽と工程(b2)の処理槽が連続して2回または3回繰り返し配置されており、液温25℃、スプレー圧0.05MPaの条件下処理を行った。支持層フィルムを剥離した後、表1に示すアルカリ水溶液(b1)A及び処理液(b2)Aで、表2に記載の時間繰り返し処理し、その後、エアーナイフによって薄膜化後の樹脂層表面の水滴を除去した。尚、処理液(b2)のpHは、硫酸を添加することによって調整した。薄膜化処理後、光架橋性樹脂層の膜厚を10点で測定し、平均値と膜厚のばらつき(標準偏差σ)で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2011060983
Figure 2011060983
<工程(c)>
ライン/スペース=25/25μmのパターンが描画されたフォトツールを用い、出力3kwの超高圧水銀灯(商品名:URM−300、ウシオライティング社製)を光源に備えた真空密着露光装置で密着露光を行った。
<工程(d)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて現像処理を行い、エッチングレジスト層を形成した。得られたエッチングレジスト層を光学顕微鏡で観察した結果、ライン/スペース=25/25μmのパターンにおいて、線細りや断線あるいは線太りやショート等の欠陥は見られなかった。
<工程(e)>
エッチングレジスト層を形成した基板を塩化第二鉄溶液(液温度40℃、スプレー圧0.20MPa)で処理し、エッチングレジスト層以外の銅箔を除去することでエッチングを実施した。続いて、40℃の3質量%水酸化ナトリウム溶液で残存するエッチングレジスト層を除去し、導電パターンを得た。得られた導電パターンには、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
(実施例2〜8)
光架橋性樹脂層の薄膜化処理において、工程(b1)及び工程(b2)の処理時間を表2に記載の処理時間とした以外は実施例1と全く同じ方法で導電パターンの作製を行った。薄膜化処理後、光架橋性樹脂層の膜厚を10点で測定し、平均値と膜厚のばらつき(標準偏差σ)で評価した。結果を表2及び図4に示す。図4において、黒三角(▲)印は3回繰り返し処理、黒四角(■)印は2回繰り返し処理を表す。同程度の合計処理時間においても、工程(b1)と工程(b2)を複数回繰り返し行う方がより短時間で光架橋性樹脂層を薄膜化できることが分かった。また、膜厚のばらつきを示す標準偏差は、薄膜化後の膜厚が薄いほど大きくなる傾向があったが、繰り返し連続処理によって悪化することはなく、良好な面内均一性が得られた。また、得られた導電パターンに、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
(比較例1〜5)
光架橋性樹脂層の薄膜化処理において、工程(b1)及び工程(b2)の処理時間を表3に記載の処理時間とした以外は実施例1と全く同じ方法で導電パターンの作製を行った。薄膜化処理後、光架橋性樹脂層の膜厚を10点で測定し、平均値と膜厚のばらつき(標準偏差σ)で評価した。結果を表3及び図4(黒丸(●)印、1回処理)に示す。実施例1〜8と同様に、標準偏差は薄膜化後の膜厚が薄いほど大きくなる傾向があったが、その値は小さく良好な面内均一性が得られた。また、得られた導電パターンに、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。しかし、工程(b1)及び工程(b2)を2回または3回繰り返し処理した実施例1〜8に比べ、1回処理では光架橋性樹脂層の薄膜化の割合が遅く、薄膜化量が大きい場合には長時間の処理を要することが分かった。
Figure 2011060983
(実施例9〜22)
光架橋性樹脂層の薄膜化処理において、表1に示すアルカリ水溶液(b1)B〜O及び処理液(b2)B〜Oを用いて薄膜化処理を行った以外は実施例1と全く同じ方法で導電パターンの作製を行った。尚、処理液(b2)のpHは硫酸を添加することによって調整した。薄膜化処理後、光架橋性樹脂層の膜厚を10点で測定し、平均値と膜厚のばらつき(標準偏差σ)で評価した。結果を表4に示す。処理液(b2)のpHが大きい実施例12で標準偏差がやや大きかったが、その他の実施例においては、良好な面内均一性が得られた。さらに、得られた導電パターンに、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
Figure 2011060983
(比較例6、8及び9)
光架橋性樹脂層の薄膜化処理において、表5に示すアルカリ水溶液(b1)AA、AC〜AD及び処理液(b2)AA、AC〜ADを用いて薄膜化処理を行った以外は実施例1と全く同じ方法で導電パターンの作製を行った。尚、処理液(b2)のpHは硫酸を添加することによって調整した。薄膜化処理後、光架橋性樹脂層の膜厚を10点で測定し、平均値と膜厚のばらつき(標準偏差σ)で評価した。結果を表6に示す。処理液(b2)のpHが5より小さい比較例8では、標準偏差は小さかったが、処理液(b2)中に光架橋性樹脂層が凝集した不溶性のスラッジが発生することがあり、薄膜化処理後にスラッジが再付着した。一方、処理液(b2)のpHが10より大きい比較例9において、不溶化した光架橋性樹脂層成分の再分散と同時に処理液(b2)が光架橋性樹脂層を溶解させるため、標準偏差が大きくなった。比較例6においては、アルカリ水溶液(b1)の無機アルカリ性化合物濃度が低いため、面内の膜厚のばらつきが顕著だった。さらに、得られた導電パターンを光学顕微鏡で観察した結果、ライン&スペース25μmの部分において、一部でショート欠陥が発生しており、面内略均一な導電パターンを作製することはできなかった。
Figure 2011060983
Figure 2011060983
(比較例7)
表5に示すアルカリ水溶液(b1)ABを調製したが、25℃において10日以上放置すると、析出物が発生した。さらに、薄膜化処理の際、この析出物がポンプ内の詰まりを引き起こす等の問題が発生した。
(実施例23〜25、比較例10〜11)
連続薄膜化処理の安定性を調べるため、光架橋性樹脂層の薄膜化処理において、表1に示すアルカリ水溶液(b1)P〜R及び処理液(b2)P〜R、及び、表5に示すアルカリ水溶液(b1)AE〜AF及び処理液(b2)AE〜AFを各々用いて薄膜化処理を行った以外は実施例1と全く同じ方法で導電パターンの作製を行った。尚、1枚目薄膜化処理前の処理液(b2)のpHは、硫酸を添加することによって調整した。連続薄膜化処理中、1枚処理ごとに処理液(b2)のpHは調整せず、薄膜化処理1枚目及び10枚目において、薄膜化処理後の光架橋性樹脂層の膜厚を10点で測定し、平均値と膜厚のばらつき(標準偏差σ)で評価した。結果を表7に示す。
Figure 2011060983
アルカリ水溶液(b1)の無機アルカリ性化合物濃度が本発明の範囲外である比較例10では、連続薄膜化処理10枚目においても、処理液(b2)のpHの上昇は小さかったが、1枚目処理後から標準偏差が大きく、薄膜化処理枚数によらず膜厚のばらつきが顕著だった。また、10枚処理後、アルカリ水溶液(b1)中への光架橋性樹脂層の溶け込みによる濁りが観察され、処理枚数の増加によるアルカリ水溶液の溶解性の悪化が懸念された。さらに、薄膜化1枚処理後及び10枚処理後の基板で得られた導電パターンを光学顕微鏡で観察した結果、ライン&スペース25μmの部分において、一部でショート欠陥が発生しており、面内略均一な導電パターンを作製することはできなかった。
処理液(b2)に水を用いた比較例11では、薄膜化処理枚数が増えるにつれ処理液(b2)のpHに上昇傾向が認められ、10枚処理後において、標準偏差が大きく顕著な膜厚のばらつきが見られた。さらに、得られた導電パターンを光学顕微鏡で観察した結果、1枚処理後の基板では、ライン&スペース25μmの部分において、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかったが、10枚処理後の基板では、ライン&スペース25μmの部分において、一部でショート欠陥が発生しており、面内略均一な導電パターンを作製することはできなかった。
処理液(b2)に緩衝能力を有する水溶液を用いた実施例23〜25では、薄膜化10枚処理後においても、処理液(b2)のpHの上昇は小さく、膜厚のばらつきは良好だった。さらに、10枚処理後の基板で得られた導電パターンに、実用上問題となる断線またはショート欠陥は見られなかった。
本発明は、サブトラクティブ法を用いた微細な導電パターンの作製に広く利用され、実施例で説明したプリント配線板のほか、リードフレームの製造方法にも利用することができる。
1 光架橋性樹脂層(未架橋部)
2 基板
3 光架橋性樹脂層の架橋部
4 導電層
5 絶縁性基板
6 ミセル化した光架橋性樹脂層

Claims (1)

  1. サブトラクティブ法による導電パターンの作製方法において、
    工程(a);表面に導電層が設けられている基板上に光架橋性樹脂層を形成する工程、
    工程(b1);アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を5〜20質量%含む水溶液で処理する工程、
    工程(b2);アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含むpH5〜10の水溶液で処理する工程、
    工程(b3);処理後の光架橋性樹脂層表面を水洗した後、水滴を除去する工程、工程(c);回路パターンの露光工程、
    工程(d);現像工程、
    工程(e);エッチング工程
    をこの順に含み、工程(b3)の前に、工程(b1)と工程(b2)を少なくとも2回以上繰り返し連続して行うことを特徴とする導電パターンの作製方法。
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