JP2011060564A - 蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケースが可撓性を有する材料からなる蓄電デバイスの製造方法において、セパレータを介在して正極と負極とが積層または巻回されることにより形成された電極構造体の間隙に電解液を含浸させる時間を短くすることが可能な方法を提供する。
【解決手段】可撓性を有する外包材20を用いて電池要素としての電極構造体10を収容するラミネート型リチウムイオン二次電池1の製造方法において、外包材20で囲まれた内側空間に電極構造体10を収容し、電極構造体10が外包材20で押圧されるように電極構造体10と外包材20が固定された状態で外包材20の内側空間と外側空間の圧力を大気圧から真空状態になるように減少させ、その状態で外包材20の内側空間に外包材20の開口を通じて電解液50を注入した後、外包材20の外側空間の圧力を真空状態から大気圧になるように増加させて、電極構造体10の間隙に電解液50を含浸させる。
【選択図】図8

Description

この発明は、一般的には蓄電デバイスの製造方法に関し、特定的には、リチウムイオン二次電池、リチウム二次電池、ポリマー二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電要素を可撓性を有する外包材を用いて収容する蓄電デバイスの製造方法に関するものである。
従来から、たとえば、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに関しては、多様な用途の拡大に伴って、小型化、軽量化、薄型化、形状の自由度等の要求が高まっている。
そこで、このような要求に応えることができるように、蓄電要素を収容する可撓性の外包材を形成するために多層構造のラミネートフィルム(積層シートともいう)が従来から用いられている。ラミネートフィルムは、蓄電要素に面する内面層と、中間層と、外部に面する外面層とから構成される。内面層は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の耐電解液性とヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂からなる。中間層は、たとえば、アルミニウム箔等の可撓性と強度に優れた金属箔からなる。外面層は、たとえば、ポリアミド系樹脂等の電気絶縁性に優れた絶縁樹脂からなる。
このようなラミネートフィルムからなる外包材を用いて、蓄電デバイスの一例としてリチウムイオン二次電池を製造するためには、まず、外包材で囲まれた内部に、セパレータを介在して正極と負極とが積層または巻回されることにより形成された電極構造体を収容し、開口を外包材の縁部で形成する。そして、外包材の内部に非水電解液を充填するために、外包材の開口を通じて、非水電解液を外包材の内部に注入し、さらに電極構造体の間隙に非水電解液を含浸させる必要がある。このように非水電解液を注入・含浸させる方法として、従来から、大気圧下で外包材の内部に非水電解液を注入した後、電極構造体の間隙に非水電解液を含浸させるために、真空状態で放置する真空含浸法、大気圧状態で放置する大気含浸法などがある。しかしながら、従来の方法では、非水電解液を含浸させるための放置時間が長いという問題がある。
そこで、たとえば、特許第3467135号公報(以下、特許文献1という)には、短時間に定量の電解液を充填できる電解液の充填方法が開示されている。この電解液の充填方法では、セパレータを介して積層された電極群を、電解液を充填した後に閉塞するケースに入れ、このケースに所定量の電解液を充填して電極群の隙間に電解液を含浸させる電解液の充填方法において、まず、ケースの開口部を気密に閉塞して減圧する。そして、減圧したケースに、ケースの開口部に位置する注液管から電解液を充填して電極群の隙間に電解液を含浸する。その後、ケース内の圧力を上昇させて電解液をさらに電極群の隙間に含浸させるとともに、電解液を充填しながら、ケース内の圧力を次第に上昇させる。
特許第3467135号公報
ケースが容易に変形し難い硬い材料からなる缶タイプの電池の場合には、ケースの内部に電極群が高い密度で収容されている。このような缶タイプの電池では、ケースと電極群の間の隙間や電極群内の隙間が小さい。このため、これらの隙間に電解液を含浸させることが困難である。しかし、特許文献1に開示された電解液の充填方法を採用すれば、その小さな隙間に電解液を効果的に通過させることができ、缶タイプの電池において電極群内の隙間に電解液を効率よく含浸させることができる。
一方、ケースが容易に変形しやすい材料、たとえば、可撓性のラミネートフィルムからなるラミネート型の電池の場合には、缶タイプの電池に比べて低い密度で電極群がケースの内部に収容されている。このようなラミネート型の電池では、ケースと電極群の隙間や電極群内の隙間が大きい。このため、ケースの開口を通じて電解液をケースの内部に注入すると、電解液が隙間を速やかに通過してケースの底部に溜ってしまう。この溜った電解液を、電極群内の隙間に含浸させるためには、さらに時間を必要とする。また、特許文献1に開示された電解液の充填方法を採用しても、ケースが容易に変形しやすい材料からなるので、電極群内の隙間に電解液を含浸させるのに時間がかかるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、ケースが可撓性を有する材料からなる蓄電デバイスの製造方法において、セパレータを介在して正極と負極とが積層または巻回されることにより形成された電極構造体の間隙に電解液を含浸させる時間を短くすることが可能な方法を提供することである。
この発明に従った蓄電デバイスの製造方法は、可撓性を有する外包材を用いて蓄電要素を収容する蓄電デバイスの製造方法において以下のステップを備えることを特徴とする。
(a)可撓性を有する外包材で囲まれた内側空間に、セパレータを介在して正極と負極とが積層または巻回されることにより形成された電極構造体を収容し、外包材の内側空間から外側空間に通じる開口を外包材の縁部で形成し、電極構造体が外包材で押圧されるように電極構造体と外包材を固定する固定ステップ。
(b)電極構造体と外包材が固定された状態で、外包材の内側空間と外側空間の圧力を、第1の圧力から第2の圧力になるように減少させる減圧ステップ。
(c)電極構造体と外包材が固定され、かつ、外包材の内側空間と外側空間の圧力が減少させられた状態で、外包材の内側空間に、外包材の開口を通じて電解液を注入する注入ステップ。
(d)外包材の内側空間に、外包材の開口を通じて電解液を注入した後、電極構造体と外包材が固定された状態で、外包材の外側空間の圧力を、第2の圧力から第1の圧力になるように増加させることにより、電極構造体の間隙に電解液を含浸させる含浸ステップ。
この発明の蓄電デバイスの製造方法の固定ステップにおいては、電極構造体と外包材が固定されているので、開口を通じて注入される電解液が電極構造体の間隙に通過し難くなっている。このため、注入ステップにおいて、電極構造体と外包材が固定され、かつ、外包材の内側空間と外側空間の圧力が減少させられた状態で、外包材の内側空間に、外包材の開口を通じて電解液を注入すると、注入された電解液は、電極構造体の上方に溜まる。その後、含浸ステップにおいて、外包材の外側空間の圧力を、第2の圧力から第1の圧力になるように増加させると、電極構造体の上方に溜まった電解液を介在して、外包材の内側空間と外側空間との間で圧力差が生じる。これにより、負圧である外包材の内側空間に電解液が強制的に浸入していくので、電極構造体の間隙に電解液が速やかに含浸する。したがって、電極構造体の間隙に電解液を含浸させる時間を短くすることが可能になる。
この発明の蓄電デバイスの製造方法において、固定ステップでは、複数の板部材の間に間隔部材を配置して複数の板部材で外包材を挟むようにして電極構造体と外包材を固定することが好ましい。
また、この発明の蓄電デバイスの製造方法において、第1の圧力が大気圧で、第2の圧力が大気圧よりも低い圧力であることが好ましい。
さらに、この発明の蓄電デバイスの製造方法において、減圧ステップと注入ステップと含浸ステップが、外包材を圧力容器内に配置した状態で行われることが好ましい。
この発明によれば、セパレータを介在して正極と負極とが積層または巻回されることにより形成された電極構造体の間隙に電解液を含浸させる時間を短くすることが可能になる。
この発明の蓄電デバイスの一つの実施の形態であるラミネート型リチウムイオン二次電池に用いられる外包材を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿った方向から見た断面を拡大して示す断面図である。 図1の外包材の内側空間に収容される電極構造体を模式的に示す断面図である。 本発明の一つの実施の形態としてラミネート型リチウムイオン二次電池の製造方法の第1工程を模式的に示す断面図である。 本発明の一つの実施の形態としてラミネート型リチウムイオン二次電池の製造方法の第2工程を模式的に示す断面図である。 本発明の一つの実施の形態としてラミネート型リチウムイオン二次電池の製造方法の第3工程を模式的に示す断面図である。 本発明の一つの実施の形態としてラミネート型リチウムイオン二次電池の製造方法の第4工程を模式的に示す断面図である。 本発明の一つの実施の形態としてラミネート型リチウムイオン二次電池の製造方法の第5工程を模式的に示す断面図である。 本発明例と比較例にて電極構造体の内部における電解液の含浸状態を説明するための平面図である。
以下、この発明の一つの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1と図2に示すように、蓄電デバイスの一例であるラミネート型リチウムイオン二次電池1は、蓄電要素としての電池要素を構成する電極構造体10と、電極構造体10を収容して封止する外包材20と、複数の集電部を介して電極構造体10に接続されて外包材20の外周縁から互いに対向する方向に導出された正極端子30および負極端子40とから構成される。図では、電解液を外包材20の内部に注入する前の状態が示されており、外包材20の一方端部(図の上部)には電解液を注入するための開口が形成されている。正極端子30と負極端子40は、外包材20の外周縁から同一方向に導出されていてもよい。
外包材20は、電極構造体10に面する内面側に位置づけられ、合成樹脂からなる内面層と、ラミネート型リチウムイオン二次電池1の外側に位置づけられた合成樹脂からなる外面層と、内面層と外面層との間に介在し、金属からなる中間層とから構成される単一のフィルム、すなわち、三層構造のラミネートフィルムで形成されている。内面層は、一例として、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂であるポリプロピレンからなり、厚みが30〜120μmである。中間層は、一例として、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔からなり、厚みが30〜50μmである。外面層は、一例として、ナイロン(登録商標)からなり、厚みが20〜40μmである。このように構成された外包材20は、容易に変形しやすい材料であり、可撓性を有する。図1に示すように、外包材20は、たとえば、2枚のラミネートフィルムの縁部を重ね合わせて熱溶着(ヒートシール)することによって、封止部が三方に形成され、一方端部が封止されずに開口が形成されている。
図3の(A)に示すように、外包材20に収容される電極構造体10は、複数の正極11と、複数の負極12と、複数の正極11の各々と複数の負極12の各々との間に介在するように配置された一つの長尺状のセパレータ13とを含む。複数の正極11の各々と複数の負極12の各々が一つのセパレータ13を間に介在して交互に積層されている。このように構成された電極構造体10が外包材20(図1)に収容された後に、後述するように電解液が外包材20の開口を通じて注入されるが、電極構造体10に対する電解液の注入方向は、矢印E1で示す方向でもよく、矢印E2で示す方向(紙面に直交する方向)でもよい。以下の実施形態や実施例では、矢印E1で示す方向に電解液を注入する場合について説明する。
なお、図3の(A)では、電極構造体10が、一つの長尺状のセパレータ13を九十九折りして、短冊状の正極11と短冊状の負極12とを交互に介在させることによって構成された積層体であるが、短冊状の正極と、短冊状の負極と、短冊状のセパレータとが積層されることにより形成された積層体、いわゆる枚葉構造の積層体でもよい。すなわち、複数のセパレータの各々が複数の正極の各々と複数の負極の各々との間に介在するように配置されてもよい。また、図3の(B)に示すように、電極構造体10が、長尺状のセパレータ13を介在して、長尺状の正極11と長尺状の負極12とが扁平状に巻回されることにより形成された巻回体でもよい。
正極11は、正極端子30に接続される側の端部を除いて、正極活物質を含む正極合材層が集電体の両面上に形成されることによって構成される。負極12は、負極端子40に接続される側の端部を除いて、負極活物質を含む負極合材層が集電体の両面上に形成されることによって構成される。
たとえば、正極11は、正極活物質と結着剤と必要に応じて導電助剤とを有機溶媒中で混錬してなる正極スラリーを、アルミニウム箔からなる集電体の両面上に均一に塗布し、乾燥して、正極合材層を集電体の両面上に形成することにより作製される。
一般的に正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子を用いることができる。
リチウムイオン二次電池を構成する場合、正極活物質としては、TiS、MoS、NbSe、V等の金属硫化物または酸化物を使用することができる。また、リチウムイオン二次電池の正極活物質としてLiM(化学式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.10以下である)を主体とするリチウム複合酸化物等を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としてはLiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(化学式中、0<y<1である)、Li1+a(NiCoMn)O2−b(化学式中、−0.1<a<0.2、x+y+z=1、−0.1<b<0.1)、LiMn等を挙げることができる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れた正極活物質となる。正極11を作製するために、これらの正極活物質の複数種をあわせて使用してもよい。
また、上記の正極合材に含有される結着剤としては、通常、リチウムイオン二次電池の正極合材に用いられている公知の結着剤を用いることができ、上記の正極合材には、導電助剤や酸化物等、公知の添加剤を添加することができる。
たとえば、負極12は、負極活物質と結着剤と必要に応じて導電助剤とを有機溶媒中で混錬してなる負極スラリーを、銅箔からなる集電体の両面上に均一に塗布し、乾燥して、負極合材層を集電体の両面上に形成することにより作製される。
リチウムイオン二次電池を構成する場合、負極活物質としては、難黒鉛化炭素系材料やグラファイト系材料等の炭素材料を使用することができる。具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。上記のコークス類には、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等がある。また、上記の有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。上述した炭素材料のほか、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子や、SnO等のSn酸化物系や、SnCu等のSn合金系や、SiMg等のSi合金系や、LiTi12(チタン酸リチウム)等の酸化物を使用することもできる。
また、上記の負極合材に含有される結着剤としては、通常、リチウムイオン二次電池の負極合材に用いられている公知の結着剤を用いることができ、上記の負極合材には、導電助剤や酸化物等、公知の添加剤を添加することができる。
非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解して調製される。電解質としては、たとえば、非水溶媒中にLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解したものが使用される。LiPF以外の電解質としては、LiBF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiAlCl、LiSiF等のリチウム塩を挙げることができる。これらの中でも、電解質として特にLiPF、LiBFを用いることが酸化安定性の点から望ましい。このような電解質は、非水溶媒中に、0.1mol/L〜3.0mol/Lの濃度で溶解されて用いられることが好ましく、0.5mol/L〜2.0mol/Lの濃度で溶解されて用いられることがさらに好ましい。非水溶媒としては、たとえば、炭酸プロピレンと炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを体積比で5〜20:20〜30:60〜70の割合で混合したものが使用される。その他の非水溶媒としては、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環状炭酸エステル;炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖状炭酸エステル;プロピオン酸メチル、酪酸メチル等のカルボン酸エステル;γ−ブチルラクトン、スルホラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類等を使用することができる。これらの非水溶媒は単独で使用してもよく、複数種を混合して使用してもよい。これらの中でも、非水溶媒として特に炭酸エステルを用いることが酸化安定性の点から好ましい。
なお、上記の二次電池の例では、正極と負極との間に一枚のセパレータを介在させているが、複数枚のセパレータを介在させてもよい。複数枚のセパレータの材質は同種でも異種でもよい。セパレータの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂の単独またはその組み合わせや、ポリオレフィン系樹脂にシリカやアルミナなどのセラミックを添加したものや、セルロース等が用いられる。
次に、上述のように構成されるラミネート型リチウムイオン二次電池の製造方法、特に電解液の充填方法について説明する。
まず、図2に示すように、可撓性を有する外包材20で囲まれた内側空間に、電極構造体10を収容し、外包材20の内側空間から外側空間に通じる開口を外包材20の縁部で形成する。そして、図4に示すように、電極構造体10が外包材20で押圧されるように電極構造体10と外包材20を固定する(固定ステップ)。この場合、二枚の板部材110と120の間に間隔部材130と140を配置して二枚の板部材110と120で外包材20を挟むようにして電極構造体10と外包材20を固定する。すなわち、電極構造体10が外包材20に密着して、電極構造体10と外包材20が動かないように拘束された状態にする。間隔部材130と140は、ボルト等で板部材110と120に固着される。二枚の板部材110と120の各々と外包材20の表面との間にはゴム材が配置される。間隔部材130と140のそれぞれの厚み、すなわち、二枚の板部材110と120の間で保持される間隔は、電池の厚みに近い寸法に設定される。なお、電極構造体10が外包材20に密着して、電極構造体10と外包材20が動かないように拘束された状態にするために、二枚の板部材110と120の外側から加圧するようにバネ等を用いてもよい。
次に、図5に示すように、電極構造体10と外包材20が固定された状態で、外包材20を圧力容器150内に配置する。
さらに、図6に示すように、圧力容器150内の空間から矢印Vで示すように空気を排出して真空引きすることにより、外包材20の内側空間と外側空間の圧力を、第1の圧力、たとえば、大気圧から、第2の圧力、たとえば、大気圧よりも低い圧力、いわゆる真空状態になるように減少させる(減圧ステップ)。
その後、図7に示すように、電極構造体10と外包材20が固定され、かつ、外包材20の内側空間と外側空間の圧力が減少させられた状態で、すなわち真空状態で、外包材20の内側空間に、外包材20の開口を通じて電解液50を矢印Eで示すように注入する(注入ステップ)。このとき、電極構造体10と外包材20が密着するように固定されているので、開口を通じて注入される電解液50が電極構造体10の間隙に通過し難くなっている。このため、注入された電解液50は、電極構造体10の上方に溜まる。
最後に、図8に示すように、外包材20の内側空間に、外包材20の開口を通じて電解液50を注入した後、電極構造体10と外包材20が固定された状態で、圧力容器150内に空気を導入することにより、外包材20の外側空間の圧力を、第2の圧力、すなわち真空状態から、第1の圧力、すなわち大気圧になるように増加させることにより、電極構造体10の間隙に電解液50を矢印Dで示す方向に落下させて含浸させる(含浸ステップ)。このとき、外包材20の外側空間の圧力を、真空状態から大気圧になるように増加させると、電極構造体10の上方に溜まった電解液50を介在して、外包材20の内側空間と外側空間との間で圧力差が生じる。これにより、負圧である外包材20の内側空間に電解液50が強制的に浸入していくので、電極構造体10の間隙に電解液50が速やかに含浸する。したがって、電極構造体10の間隙に電解液50を含浸させる時間を短くすることが可能になる。
なお、電解液50を注入した後、外包材20の内側空間と外側空間の圧力が減少させられた状態を一定時間保持した後で、外包材20の外側空間の圧力が真空状態から大気圧になるように、圧力容器150内に空気を導入してもよい。
以下、本発明の蓄電デバイスの製造方法の一つの実施例として電解液を充填した一例について説明する。
図4〜図8に示すようにして電解液50を外包材20の内側空間に注入し、電極構造体10の間隙に含浸させた(本発明例)。比較のため、板部材110と120、間隔部材130と140を用いて電極構造体10と外包材20が動かないように拘束された状態にしないで、電解液50を外包材20の内側空間に注入し、電極構造体10の間隙に含浸させた(比較例)。電極構造体10に対する電解液50の注入方向は、図3の(A)に示される矢印E1の方向とした。
外包材20としては、内面層がポリプロピレン(厚み:40μm)、中間層がアルミニウム箔(厚み:40μm)、外面層がナイロン(登録商標)(厚み:25μm)で構成されるラミネートフィルムを用いた。図1に示される形態にて外包材20の外形寸法は160mm×160mm、ラミネート型リチウムイオン二次電池1の厚みは約5mmとした。図3の(A)に示される形態の電極構造体10において、20枚の正極11の各々と21枚の負極12の各々が一つのセパレータ13を間に介在して交互に積層されるように構成した。正極11と負極12の大きさは約140mm×75mmであった。図4に示される板部材110と120のそれぞれは厚みが5mmのSUS304を用い、間隔部材130と140のそれぞれは厚みが5.5mmのSUS304を用いた。図6に示される工程にて、第2の圧力としての到達真空度は−85kPaとした。この真空度での保持時間は30秒間とした。図7に示されるように注入された電解液50の量は20gであった。
正極11は、正極活物質としてリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンと、導電助剤としてアセチレンブラックを含有する正極合材を、厚みが25μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面上に塗布し、乾燥して、正極合材層を集電体の両面上に形成することにより作製した。負極12は、負極活物質として難黒鉛化炭素系材料と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンとを含有する負極合材を、厚みが20μmの銅箔からなる集電体の両面上に均一に塗布し、乾燥して、負極合材層を集電体の両面上に形成することにより作製した。セパレータ13は、厚みが25μmのポリオレフィン系セパレータを用いた。電解液50は、非水溶媒中にLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解したものを使用した。非水溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸プロピレンと炭酸ジエチルとを体積比で20:20:60の割合で混合したものを使用した。
本発明例と比較例にて電解液が電極構造体の間隙に含浸された状態を確認した。図9に示すように、電池を解体して、以下の2箇所にて観察した。箇所(1)では、最外層のセパレータ13を(図9において上方に)めくったときのセパレータ13の表面における電解液の濡れ具合と、最外層のセパレータ13に隣接する負極12の表面における電解液の濡れ具合を観察し、箇所(2)では、電極構造体の中間層にて外側から数えて11枚目の負極12に隣接するセパレータ13を(図9において上方に)めくったときのセパレータ13の表面における電解液の濡れ具合と、そのセパレータ13に隣接する11枚目の負極12の表面における電解液の濡れ具合とを観察した。図9において、電解液で濡れている部分はPで示され、電解液で濡れていない部分はQで示されている。
その結果、本発明例では、最外層である箇所(1)では、電解液で濡れている部分Pの占める割合が100%であるのに対して、中間層である箇所(2)では、電解液で濡れている部分Pの占める割合が約54%であった。これに対して、比較例では、最外層である箇所(1)では、電解液で濡れている部分Pの占める割合が100%であるのに対して、中間層である箇所(2)では、電解液で濡れている部分Pの占める割合が約19%であった。この結果から、本発明の方法を用いることにより、短時間で効率よく電解液を含浸させることが可能になることがわかる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものであることが意図される。
本発明の蓄電デバイスの製造方法は、短時間で効率よく電解液を含浸させることが可能になるので、たとえば、リチウムイオン二次電池の生産性向上に寄与することができる。
1:ラミネート型リチウムイオン二次電池、10:電極構造体、11:正極、12:負極、13:セパレータ、20:外包材、50:電解液、110,120:板部材、130,140:間隔部材、150:圧力容器。

Claims (4)

  1. 可撓性を有する外包材を用いて蓄電要素を収容する蓄電デバイスの製造方法であって、
    可撓性を有する外包材で囲まれた内側空間に、セパレータを介在して正極と負極とが積層または巻回されることにより形成された電極構造体を収容し、前記外包材の内側空間から外側空間に通じる開口を前記外包材の縁部で形成し、前記電極構造体が前記外包材で押圧されるように前記電極構造体と前記外包材を固定する固定ステップと、
    前記電極構造体と前記外包材が固定された状態で、前記外包材の内側空間と外側空間の圧力を、第1の圧力から第2の圧力になるように減少させる減圧ステップと、
    前記電極構造体と前記外包材が固定され、かつ、前記外包材の内側空間と外側空間の圧力が減少させられた状態で、前記外包材の内側空間に、前記外包材の開口を通じて電解液を注入する注入ステップと、
    前記外包材の内側空間に、前記外包材の開口を通じて電解液を注入した後、前記電極構造体と前記外包材が固定された状態で、前記外包材の外側空間の圧力を、第2の圧力から第1の圧力になるように増加させることにより、前記電極構造体の間隙に前記電解液を含浸させる含浸ステップとを備えた、蓄電デバイスの製造方法。
  2. 前記固定ステップは、複数の板部材の間に間隔部材を配置して前記複数の板部材で前記外包材を挟むようにして前記電極構造体と前記外包材を固定することを含む、請求項1に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  3. 前記第1の圧力が大気圧で、前記第2の圧力が大気圧よりも低い圧力である、請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  4. 前記減圧ステップと前記注入ステップと前記含浸ステップが、前記外包材を圧力容器内に配置した状態で行われる、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
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