JP2011060406A - 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2011060406A
JP2011060406A JP2009212146A JP2009212146A JP2011060406A JP 2011060406 A JP2011060406 A JP 2011060406A JP 2009212146 A JP2009212146 A JP 2009212146A JP 2009212146 A JP2009212146 A JP 2009212146A JP 2011060406 A JP2011060406 A JP 2011060406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
information
speed
laser power
opc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009212146A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Fuse
正次 布施
Junichi Furukawa
淳一 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
Priority to JP2009212146A priority Critical patent/JP2011060406A/ja
Publication of JP2011060406A publication Critical patent/JP2011060406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】記録速度が高速である場合であっても、適切なレーザ光のキャリブレーション処理を実現する。
【解決手段】
本発明の情報記録装置1は、特に、第1記録速度にて、記録ストラテジを用いて該第1記録速度で情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段351と、第2記録速度にて、特別OPCストラテジを用いて目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段354、355、356と、第2記録速度にて、特別OPCストラテジを用いて記録条件に基づく、第1記録速度で情報の記録を行うためのレーザ光の最適レーザパワーを算出する第2算出手段352と、算出された最適レーザパワーを用いて、第1記録速度にて情報の記録を行なうようにレーザ光LBのレーザパワーを制御する制御手段321とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に対しレーザ光を照射することで情報の記録を行う情報記録装置の技術分野に関する。
一般的に、光ディスクなどの情報記録媒体に対してレーザ光を照射することでデータの記録を行う情報記録再生装置においては、OPC(Optimum Power Calibration)処理により、光ディスクの種類、情報記録再生装置の種類及び記録速度等に応じて、例えば記録動作などに用いられるレーザ光の最適レーザパワーが設定される。言い換えれば、レーザパワーのキャリブレーション(較正)が実施される。このため、適切なレーザパワーでのレーザ光の照射を行うことが可能となり、好適な記録動作を実現できる。典型的には、光ディスクが装填されてデータ記録のためのコマンドが入力されると、光ディスクに設けられるPCA(Power Calibration Area)に対し、試し書き用のデータが順次段階的に光強度が切り換わりつつ記録されることで、所謂試し書きの処理が実行される。その後、このようにして記録された試し書き用のデータが再生され、この再生結果が所定の評価基準により判定されて、最適レーザパワーが設定される。
また、情報記録再生装置の技術分野では、光ディスクの回転速度を高くすることで、情報の記録速度(または、再生速度)を増加させる技術が開発されている。例えば光ディスクの一例たるCD−ROMでは、光ディスクの回転速度が高くなるに従って、データの記録速度が24倍速や48倍速となるなどの高速化が図られている。
尚、このように光ディスクの回転速度を速めた場合、一般的には、OPC処理は、実際にデータが記録される際に用いられる線速度と同じ線速度(つまり、実倍速)で行なわれることが好ましい。しかしながら、OPC処理は、概ね光ディスクの最内周側に設けられるPCAにおいて行われるため、光ディスク上において同一の回転速度に対して最も線速度が低くなる。このため、比較的高倍速での記録を実行する際のOPC処理では、当該回転を制御するモータの規格的な制約、物理的な制約またはその他なんらかの制約により、最内周側のPCAにおいては実際の記録時の実倍速線速度を実現することが出来ないという技術的な問題点を有している。
このような背景を受けて、高倍速でのOPC処理を安定的に行うために、光ディスクの外周のPCAエリアにおいてOPC処理を実施する手法について多くの研究が為されている。しかしながら、一般的に、光ディスクの最外周部では、内周部から中周部までの領域と比較して、基板成型の段階において記録層の品質の均一化が技術的に困難であり、製造段階である程度の記録感度の不均一性が発生している。また、光ディスクの外周部では、ユーザの使用による傷や指紋の付着が発生し易く、これらの要因によって更に記録感度の均一性が損なわれることがある。例えば特許文献1には、外周側PCAにて複数回のOPC処理を実施し、傷や指紋などによる影響に起因する異常値を排除することで、好適な記録パワーを設定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、内周部分のPCAにおいて許容し得、且つ実際の記録速度とは異なる回転速度で、特別なライトストラテジを用いるOPC処理を実行することで最適レーザパワーを求める技術が開示されている。
特開2001−331940号公報 国際公開WO2005/043515
上述したように、光ディスクの外周部を用いたOPC処理において、記録感度の不均一性を考慮せずに記録レーザパワーを決定する場合、本来の最適レーザパワーとは異なる記録レーザパワーが最適レーザパワーとして設定されてしまう虞がある。例えば、特許文献1に開示される構成においては、複数回のOPC処理により取得された結果から異常値を除外することで好適な記録レーザパワーを求める構成であるが、このような構成であっても記録感度の不均一さに起因する記録レーザパワーの精度低下は完全に避けられるものではない。
また、特許文献2に記載の構成では、記録時の光ディスクの実倍速線速度と、OPC処理を行う際の線速度との比率が大きくなるに従って、OPCによる記録レーザパワーの取得精度が低下してしまう技術的な問題点がある。
このようなOPC精度の低下に起因して、データの記録品質が低下することとなり、再生時には記録されたデータの読み出しが不安定になるため、可能な限りOPCの精度が向上されることが好ましい。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば高速回転時におけるレーザ光のキャリブレーション処理を、光ディスクの記録感度による影響を排除した上で好適に実行可能な情報記録装置及び方法、並びにこのような情報記録装置を実現するコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の情報記録装置は、レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録手段と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段と、前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出手段と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する制御手段とを備える。
上記課題を解決するために、本発明の情報記録方法は、レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録工程と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出工程と、前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定工程と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出工程と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録工程における前記レーザ光のレーザパワーを制御する制御工程とを備える。
上記課題を解決するために、本発明のコンピュータプログラムは、レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録手段と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段と、前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出手段と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する制御手段とを備える情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、前記第1算出手段、前記測定手段、前記第2算出手段及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
本発明の情報記録装置に係る実施例がデータを記録する光ディスクの各部の構成を概略的に示す模式図である。 光ディスクの径方向における記録感度と記録パワーとの関係を示すグラフである。 従来型の特別OPC処理において問題とされる最適レーザパワーとβ値との揺らぎを概念的に示すグラフである。 本実施例の情報記録装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本実施例の情報記録装置によるOPC処理動作における最適レーザパワーの設定方法の一例を示すフローチャートである。 16パワーステップのOPC処理を示した模式的タイミングチャートである。 記録速度毎の記録パルスにおける、平常OPCストラテジと特別OPCストラテジとの波形を示す概略図である。 本実施例に係る情報記録装置の変形動作例の流れを示すフローチャートである。 本実施例の変形動作例によって演算された記録速度と最適レーザパワーとの関係を概略的に示すグラフである。
本発明の情報記録装置に係る実施形態は、レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録手段と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段と、
前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出手段と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報記録装置に係る実施形態によれば、記録手段の動作により、例えば映像情報、音楽情報、コンピュータ用のデータなど、各種データを含んでなる情報を、例えは螺旋状又は同心円状のトラックを有する光ディスクなどの情報記録媒体に記録することが出来る。このとき、情報記録装置にマウントされる情報記録媒体は、情報記録装置が備えるスピンドルモータなどの動作により回転され、該回転の回転速度(典型的には、線速度)に応じた記録速度(例えば、後に詳述する第1記録速度及び第2記録速度)にて情報の記録が行われる。
本実施形態では特に、実際に情報の記録を実施する際の情報記録媒体の回転速度に応じた第1記録速度とは異なる第2記録速度を用いて、該第1記録速度にて情報を記録するための最適レーザパワーを算出することが可能となる。具体的には、第2記録速度にて情報記録媒体に試し書きを行うことでレーザパワーの調整を実施する、所謂OPC処理によって、第1記録速度で情報の記録を行うための最適レーザパワーが算出される。尚、このときのOPC処理においては、実際の情報の記録に用いられる記録ストラテジとは異なる記録波形を規定する特別OPCストラテジが用いられる。
ここに、記録ストラテジとは、第1記録速度で情報を記録する際に用いるレーザ光の波形(例えば、後述のパルス幅や振幅など)を規定する制御情報であって、例えば、後述の8x用記録ストラテジなどである。このような記録ストラテジは、一般的には、情報記録媒体の管理情報が記録される領域に予め記録されているもの、または予め記録されている何らかの情報により比較的容易に生成可能なものである。例えば、BD(Blu-Ray Disc)である情報記録媒体では、ディスクインフォメーションファイル(Disc Information File)に格納されているストラテジーデータに基づくことで、比較的容易に記録ストラテジを作成することが出来る。
また、特別OPCストラテジとは、第1記録速度におけるレーザ光の最適レーザパワーを求める際に用いられるレーザ光の波形を規定する制御情報であって、例えば、後述の4x用特別OPCストラテジまたは、6x用特別OPCストラテジである。即ち、特別OPCストラテジは、第2記録速度で例えばOPCパターンなどの情報を記録(言い換えれば、試し書き)することで、第1記録速度における最適レーザパワーを算出可能なレーザ光の波形を規定している。ここに、本発明における「最適レーザパワー」とは、文字通り情報の記録に最も適したレーザパワーを示すことに限らず、記録時においてより適切に情報を記録することが出来る程度のレーザパワーをも含んだ広い趣旨である。より具体的には、最適レーザパワーは、例えばアシンメトリの影響が記録動作に影響を与えない程度であったり、或いはエラーレートが0または概ね記録動作に影響を与えない程度に低い状態を実現出来る程度のレーザパワーであることが好ましい。
尚、一般的なOPC処理においては、該OPC処理を実施する記録速度に対応する最適レーザパワーの算出が行われる。他方、本実施形態における特別OPCストラテジを用いるOPC処理においては、OPC処理を実施する記録速度とは異なる記録速度における最適レーザパワーの算出が行われることから、該特別OPCストラテジを用いるOPC処理を適宜特別OPC処理と記載する。
本実施形態においては、第1算出手段の動作によって、第1記録速度にて記録ストラテジを用いるOPC処理が実行され、該第1記録速度で情報を記録するための仮の最適レーザパワー(つまり、本実施形態における目標レーザパワー)が算出される。
このように算出された目標レーザパワーは、例えば以下に示す理由によって、必ずしも適切な情報の記録を可能とするものではない場合がある。例えば、第1記録速度が比較的高速であって、情報記録媒体の最内周側に設けられるPCAでのOPC処理が実施出来ない場合、代わりに最外周側のPCAにおいてOPC処理を実施することが考えられる。しかしながら、最外周側PCAにおける記録感度は、その他のエリア部分(例えば、際内周側PCAや、内周側ないしは中周側のエリア部分)における記録感度と比較して悪化している可能性がある。この場合、最外周側PCAにおける記録感度の悪化により、最外周側PCAにおけるOPC処理によって算出されるレーザパワーは、その精度に問題が生じ易い。従って、このような場合に第1記録速度にて(典型的には、外周側PCAにおける)OPC処理を実施することで算出される目標レーザパワーを用いて情報の記録を行った場合、本来の最適レーザパワーとは異なるレーザパワーを基準とするレーザ光の照射により、記録品質に劣化が生じかねないという技術的な問題がある。
このため、本発明の情報記録装置の実施形態は、典型的には、このように外周側PCAにおいて第1記録速度にて実行されるOPC処理によって算出された目標レーザパワーを、情報の記録を行うための最適レーザパワーとして採用していない。
一方、第1記録速度における最適レーザパワーを算出するためには、実際に第1記録速度でOPC処理を行なう必要はなく、第1記録速度と異なる第2記録速度で例えばOPCパターンなどの情報を記録することでも実現可能である。
本発明の情報記録装置の実施形態は、このような情報の記録に用いられる記録速度(即ち、第1記録速度)とは異なる記録速度(即ち、第2記録速度)での特別OPC処理を実現するものである。具体的には、第1記録速度における最適レーザパワーを算出するためのレーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いている。
また、このような特別OPC処理による高精度な最適レーザパワーの算出を実現するために、第1記録速度でのOPC処理によって算出された仮の最適レーザパワー(即ち、目標レーザパワー)に基づいて、特別OPC処理が実施される。
具体的には、上述した第1算出手段でのOPC処理の後、測定手段の動作によって第2記録速度での特別OPC処理を実施し、該OPC処理によって算出された目標レーザパワーを出力する際の記録条件の測定を行う。ここに、記録条件とは、第2記録速度での特別OPC処理において、OPCパターンの記録時に上述の目標レーザパワーを出力する際の種々のパラメータを示す趣旨であって、典型的には、後に詳述するように記録信号におけるβ値、アシンメトリ、ジッタ値及び変調度などである。
そして、第2算出手段の動作により、第2記録速度での特別OPC処理が実行され、測定された記録条件に対応するレーザパワーが最適レーザパワーとして算出される。つまり、第1算出手段の動作による第1記録速度でのOPC処理において、目標レーザパワーが出力される際の記録条件と同一の記録条件を元に、第2記録速度での特別OPC処理が実施され、第1記録速度で情報を記録するための好適な最適レーザパワーが算出される。
そして、制御手段の動作により、算出された最適レーザパワーにて情報を記録するように記録手段(特に、出力するレーザ光のレーザパワー)が制御される。
以上、説明したように、本発明の情報記録装置の実施形態によれば、第1記録速度での目標レーザパワーを出力する際の記録条件に基づく特別OPC処理を行うことで、第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、第1記録速度のための最適レーザパワーを算出することが可能となる。このため、例えば内周側PCAで第1記録速度を実現出来ないような構成であっても、外周側PCAでのOPC処理結果のみに基づくことなく、例えば第1記録速度より低速の第2記録速度で内周側PCAでの特別OPCを実施することで、最適レーザパワーを算出出来る。従って、比較的記録感度が不均一である外周側PCAでのOPC処理とは異なり、記録感度が比較的安定している内周側PCAにおける特別OPC処理によって最適レーザパワーを算出することが可能となる。また、ZCLV(Zone Constant Linear Velocity)での記録のように、情報記録媒体の記録領域の半径に応じて回転速度が変化する記録の態様であっても、該回転速度の切り替わるタイミングにおいて安定した記録品質を維持することが可能となる。
また、例えば、記録ストラテジに対して記録補償を実施することで記録波形の調整を行った場合でも、参照する記録条件のみを適切に再測定することで、予め設定されている特別OPCストラテジを用いた特別OPC処理による最適レーザパワーを求めることが可能となる。
尚、本実施形態においては、目標レーザパワーを出力する際の記録信号におけるβ値、アシンメトリ、ジッタ値及び変調度などの記録条件を目標値として最適レーザパワーの算出が行われる。このため、第1記録速度でのOPC処理の結果に基づく、特別OPC処理の目標値を決定、或いは補正可能となり、より高精度に最適レーザパワーを算出することが可能となる。
尚、本実施形態の測定手段の動作による第2記録速度での特別OPC処理においては、上述した第1算出手段の動作によるOPC処理において目標レーザパワーが出力された際の記録条件と可能な限り情報記録媒体における記録感度差の影響が小さいことが好ましい。然るに、第1算出手段の動作によるOPC処理と、測定手段の動作による特別OPC処理とは、互いに近傍で実施されることが好ましい。このため、後述するように、第1算出手段の動作によるOPC処理と測定手段の動作による特別OPC処理とは、例えば、情報記録媒体における同一のトラック、互いに隣接するRUB(Recording Unit Block)或いは同一のセクタにおいて夫々実行されることが好ましい。尚、その他、互いの周内感度差の影響を比較的低く抑えることが出来る領域において夫々のOPC処理が実施されても良い。
尚、本実施形態に係る情報記録装置は、上述の如く第1記録速度が第2記録速度と比較して高速な場合において、より高精度な最適レーザパワーを算出することが出来る。一方で、第1記録速度が第2記録速度と比較して低速な場合であっても同様の利益を享受することは当然ながら可能である。即ち、実際に情報を記録する第1記録速度よりも高速な第2記録速度で例えばOPC処理を行なうことで、第1記録速度における最適レーザパワーを求めることが出来る。加えて、この場合、相対的に高速な第2記録速度で例えばOPCパターンを記録出来ることから、最適レーザパワーの算出に要する時間を低減出来るという利点をも有する。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の一の態様は、前記記録ストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する、前記情報の記録を行なうための複数の記録ストラテジを含み、前記特別OPCストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記第2記録速度の夫々にて、複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出するための複数の特別OPCストラテジを含み、前記第1算出手段は、複数の前記記録ストラテジを用いて、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記目標レーザパワーを算出し、前記測定手段は、複数の前記特別OPCストラテジを用いて、複数の前記第2記録速度の夫々にて、対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行うための複数の前記目標レーザパワーを出力するための複数の前記記録条件を測定し、前記第2算出手段は、複数の前記記録条件に基づく、複数の前記第2記録速度の夫々に対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出し、前記制御手段は、複数の前記第1記録速度のうち一の第1記録速度にて、該選択された一の第1記録速度に対応する前記最適レーザパワーを用いて、前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する。
この態様によれば、上述した記録条件を参考とする特別OPC処理によって、複数の異なる第1記録速度における最適レーザパワーが個別に算出されると共に、該複数の第1記録速度と夫々に対応する最適レーザパワーを算出することが可能となる
このため、例えば、ZCLV(Zone Constant Linear Velocity)記録などのように、情報の記録中に、情報記録媒体における記録領域の半径に応じて記録速度(つまり、第1記録速度)を適宜選択して(言い換えれば、切り替えて)情報の記録を行う態様においても、上述した各種効果を享受しつつ、夫々の記録速度に応じた最適レーザパワーを適宜決定することが可能となる。
前記第1記録速度と前記最適レーザパワーとの関係を演算する演算手段を更に備え、前記記録ストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する、前記情報の記録を行なうための複数の記録ストラテジを含み、前記特別OPCストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記第2記録速度の夫々にて、複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出するための複数の特別OPCストラテジを含み、前記第1算出手段は、複数の前記記録ストラテジを用いて、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記目標レーザパワーを算出し、前記測定手段は、複数の前記特別OPCストラテジを用いて、複数の前記第2記録速度の夫々にて、対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行うための複数の前記目標レーザパワーを出力するための複数の前記記録条件を測定し、前記第2算出手段は、複数の前記記録条件に基づく、複数の前記第2記録速度の夫々に対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出し、前記演算手段は、複数の前記第1記録速度と、該複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記最適レーザパワーとに基づいて、前記第1記録速度と前記最適レーザパワーとの関係を演算し、前記制御手段は、前記演算結果に基づいて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する。
この態様によれば、上述した記録条件を参考とする特別OPC処理によって、複数の異なる第1記録速度における最適レーザパワーが個別に算出されると共に、該複数の第1記録速度と夫々に対応する最適レーザパワーとの関係を演算することが可能となる。具体的には、複数の第1記録速度と最適レーザパワーとの組み合わせに基づく補間を実施することで、第1記録速度と最適レーザパワーとの組み合わせのマップを作成することが出来る。
このため、CAV(Constant Angular Velocity)記録などのように、情報の記録中に、情報記録媒体における記録領域の半径に応じて記録速度(つまり、第1記録速度)が適宜変化する態様であっても、上述した各種効果を享受しつつ、該第1記録速度の変化に応じた最適レーザパワーを適宜用いて情報の記録を行うことが可能となる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記記録条件は、前記情報の記録信号におけるβ値、アシンメトリ、ジッタ値及び変調度の少なくとも一つを含む。
この態様によれば、第1記録速度でのOPC処理において、仮の最適レーザパワー足る目標レーザパワーが出力されているときの記録信号におけるβ値、アシンメトリ、ジッタ値及び変調度などの記録条件を測定し、最適レーザパワーを算出するための参考値とすることが出来る。このため、比較的容易且つ高精度に第2記録速度にて最適レーザパワーを算出する特別OPC処理を実行することが出来る。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1算出手段は、前記OPC処理において、前記目標レーザパワーを算出するための試し書きパターンを、前記情報記録媒体における前記第1記録速度での記録を実現可能な第1エリアに記録し、前記測定手段は、前記OPC処理において、前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを、前記第1エリアとは異なり、且つ前記情報記録媒体における前記第2記録速度での記録を実現可能な第2エリアに記録し、前記第2算出手段は、前記OPC処理において、前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを、前記第1エリア及び前記第2エリアとは異なり、且つ前記情報記録媒体における前記第2記録速度での記録を実現可能な第3エリアに記録し、前記第1エリアと前記第2エリアとの間の記録感度差は、少なくとも前記第1エリアと前記第3エリアとの間の記録感度差よりも小さい。
この態様によれば、第1算出手段は、第1記録速度にて、例えばOPCパターン等の試し書きパターンを第1エリアに記録し、該試し書きパターンの読取結果に基づいて、目標レーザパワーの算出を行なう。測定手段は、第2記録速度にて、例えばOPCパターン等の試し書きパターンを第2エリアに記録し、該試し書きパターンの読取結果に基づいて、例えばβ値などの記録条件の測定を行なう。第2算出手段は、第2記録速度にて、例えばOPCパターン等の試し書きパターンを第3エリアに記録し、該試し書きパターンの読取結果に基づいて、最適レーザパワーの算出を行なう。
ここに、第1記録速度を実現可能な第1エリアとは、情報記録媒体の記録領域において、情報の記録時に第1記録速度を実現し得る回転線速度で回転可能な領域であり、且つ一般的には、OPCが実施されるPCAである。一般的に、PCAはBDやDVDなどの光ディスク式情報記録媒体の記録領域の最内周近傍及び最外周近傍に設けられていることは多い。このため、第1記録速度が比較的高速度である場合、内周側のPCAにおいては第1記録速度を実現することが不可能であることが多く、このような場合第1エリアとは外周側PCA内部の一領域を示す。
また、測定手段が試し書きパターンを記録する第2エリアは、少なくとも後述する第3エリアと比較して、第1エリアとの間の記録感度差が小さい記録領域である。このような第2エリアは、好適には第1エリアと同様に外周側PCAにおける一領域である。尚、上述したとおり、第2エリアと第1エリアとの記録感度差は可能な限り小さいことが好ましく、後に例示するように第2エリアと第1エリアとは、情報記録媒体における同一のトラック、隣接するRUB(Recording Unit Block)或いは同一のセクタなどの関係であることが好ましい。尚、互いのエリアにおける記録感度差の影響を可能な限り排除出来るのであれば、情報記録媒体上の物理的或いは論理的な位置関係に限定されることなく、第1エリアに対する任意の第2エリアが設定されて良いものである。
また、第3エリアとは、少なくとも第2記録速度での情報の記録が可能であって、第2エリアと比較して第1エリアとの記録感度差が大きい記録領域であり、典型的には、外周側のPCAに対して、内周側のPCAに設けられる記録領域である。
このように構成すれば、比較的高速であり、一部の記録領域において情報の記録が実現不可能な第1記録速度であっても、第2記録速度での特別OPC処理によって、第1記録速度で情報の記録を行うための最適レーザパワーを算出することが可能となる。
また、第1記録速度でのOPC処理が実施される第1エリアと比較的記録感度差による影響が小さい第2エリアにおいて測定された記録条件をもとに、第3エリアでの特別OPC処理の記録条件が決定或いは補正されるため、より高精度に第1記録速度における最適レーザパワーを算出することが可能となる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第2エリアは、前記第1エリアと隣接するトラックである。
この態様によれば、情報記録媒体における、第1記録速度での目標レーザパワーを算出するためのOPC処理が実施される記録領域と概ね同様の記録感度を有する記録領域において、最適レーザパワーを算出するための記録条件を測定することが可能となる。このため、より高精度の最適レーザパワーを算出することが可能となる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第2エリアは、前記第1エリアの前後のRUB(Recording Unit Block)である。
この態様によれば、情報記録媒体における、第1記録速度での目標レーザパワーを算出するためのOPC処理が実施される記録領域と概ね同様の記録感度を有する記録領域において、最適レーザパワーを算出するための記録条件を測定することが可能となる。このため、より高精度の最適レーザパワーを算出することが可能となる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第2エリアは、前記第1エリアと同一のセクタ内の領域である。
この態様によれば、情報記録媒体における、第1記録速度での目標レーザパワーを算出するためのOPC処理が実施される記録領域と概ね同様の記録感度を有する記録領域において、最適レーザパワーを算出するための記録条件を測定することが可能となる。このため、より高精度の最適レーザパワーを算出することが可能となる。
上述したように、OPC処理において各種試し書きパターンを記録する態様では、 前記第1算出手段は、前記OPC処理において、記録された前記目標レーザパワーを算出するための試し書きパターンを所定の再生速度にて再生した読取結果に基づいて前記目標レーザパワーの算出を行い、前記測定手段は、前記OPC処理において、記録された前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを前記所定の再生速度にて再生した読取結果に基づいて前記記録条件を測定し、前記第2算出手段は、前記OPC処理において、記録された前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを前記所定の再生速度にて再生した読取結果に基づいて前記最適レーザパワーの算出を行うよう構成されていても良い。
このように構成すれば、第1試し書きパターン及び第2試し書きパターンの夫々は、記録された時の記録速度に関わらず、同一の回転速度により実現される再生速度にて読み取られる。このようにOPC処理及び特別OPC処理における読取結果の測定を同一の再生条件で実施することで、より精度の高い最適レーザパワーの算出に結びつくという利点がある。
上述したように、OPC処理における試し書きパターンの再生速度が所定の速度である態様では、前記所定の再生速度は、前記第2記録速度と同一の再生速度であっても良い。
このように構成すれば、第1試し書きパターン及び第2試し書きパターンの夫々の再生が、第2記録速度と同一の回転速度により実現される再生速度にて実施される。このようにOPC処理及び特別OPC処理における読取結果の測定を同一の再生条件で実施することで、より精度の高い最適レーザパワーの算出に結びつくという利点がある。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1記録速度は、前記第2記録速度と比較して高速である。
この態様によれば、実際に情報記録媒体を動作させることでは得ることのできない記録速度にて情報を記録する際の最適レーザパワーを適切に算出することが出来る。特に、DVDやBDなどの光ディスクを回転させて情報の記録を行う情報記録媒体において、例えば、CLVでの記録動作のための回転では、ディスクの最外周側と比較して最内周側における回転の線速度が高くなる傾向にある。このため、比較的高い回転速度(例えば、第1記録速度を実現する回転速度)で情報の記録を行う際の最適レーザパワーを算出するOPC処理を実施するにあたり、典型的にはディスク最内周側に設けられるPCAでの適切な情報の記録を実現することが出来ない場合がある。しかしながら、ディスク最外周側のPCAを用いるOPC処理では上述した理由により最適レーザパワーの算出精度が低く、可能であれば最内周側のPCAでOPC処理を実施したいという技術的な要請がある。
然るに、本実施形態によれば、相対的に第1記録速度より遅い第2記録速度を実現する回転速度にて情報記録媒体を回転させることで、第2記録速度にてOPC処理を実施することで、第1記録速度で情報の記録を行なう際の最適レーザパワーを適切に算出することが可能となるという大きな利点を有している。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記情報記録媒体を特定する媒体情報を取得すると共に、該情報記録媒体に係る前記媒体情報と前記記録条件とを格納するための格納手段を更に備え、前記測定手段は、前記情報記録媒体から取得される前記媒体情報が前記格納手段に格納されている前記媒体情報と一致する場合、該媒体情報に対応して格納される記録条件を測定結果として取得する。
この態様によれば、一度記録条件を取得された情報記録媒体に関しては、該情報記録媒体を特定するための媒体情報ともに、該情報記録媒体における目標レーザパワーを実現する記録条件が格納される。
このように構成すれば、一度記録条件を取得された情報記録媒体と、物理的、論理的或いは規格的に同様の情報記録媒体(すなわち、既知の情報記録媒体)に関しては、測定手段は、格納手段から記録条件を比較的容易に取得することが出来る。このため、既知の情報記録媒体への情報の記録に際しては、OPC処理及び記録条件の測定のための特別OPC処理のための記録領域を用いる必要がなくなり、また記録時間の短縮をも図ることが可能となる。
本発明の情報記録方法に係る実施形態は、レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録工程と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出工程と、前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定工程と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出工程と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録工程における前記レーザ光のレーザパワーを制御する制御工程とを備える。
本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、上述した本発明に係る情報記録装置に係る実施形態と同様に、第1算出工程及び測定工程において取得された目標レーザパワーを出力する際の記録条件に基づき、特別OPCストラテジを用いて、第2算出工程において最適レーザパワーを算出することが出来る。そして、制御工程においてレーザ光のパワーを制御し、記録工程において最適レーザパワーで情報を記録することが出来る。特に、上述したように、例えばOPCパターン等を第2記録速度で記録することにより、第1記録速度における最適レーザパワーを求めることが出来る。このため、高速記録動作時においても(即ち、高速回転時においても)レーザ光のキャリブレーション処理を適切に行なうことが可能となる。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る各実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報記録方法の各実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録手段と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段と、前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出手段と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する制御手段とを備える情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、前記第1算出手段、前記測定手段、前記第2算出手段及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態を比較的簡単に実現出来る。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
以上説明したように、本発明の情報記録装置に係る実施形態によれば、記録手段、第1算出手段、測定手段、第2算出手段、及び制御手段を備える。本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、記録工程、第1算出工程、測定工程、第2算出工程、及び制御工程を備える。本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、コンピュータを、記録手段、第1算出手段、測定手段、第2算出手段、及び制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。従って、好適に任意の記録速度にて、実際の情報の記録に用いられる記録速度での最適レーザパワーを算出することが出来る。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
尚、以下の説明において、定数xを所定の基準値として、光ディスクへのデータの記録速度を4x、6x及び8xにて示す。即ち、8xにて表される記録速度は、4xにて表される記録速度の概ね2倍であることを示している。この基準値たるxは、ドライブや光ディスクの規格等により定められるものであってもよいし、或いは情報記録再生装置のメーカ等により任意に定められるものであってもよい。以下の説明では、光ディスク100の記録速度として、4x、6x及び8xの3種類が存在するものとして説明を進める。そして、本発明における「第1記録速度」の一具体例が、本実施例における「8xの記録速度」に相当し、本発明における「第2記録速度」が、本実施例における「4xの記録速度」或いは「6xの記録速度」に相当する。
また以下の説明に頻出する各種ストラテジについてここで簡単に説明する。「lx用記録ストラテジ(l=4、6、8)」は、lxの記録速度で通常のコンテンツ等を含む各種データの記録を行なうためのレーザビームの波形等を制御するために用いられるストラテジ情報である。即ち、本発明における「記録ストラテジ」の一具体例に相当する。
「mx用特別OPCストラテジ(m=4、6)」は、8xの記録速度における最適レーザパワーを算出するために、mxの記録速度で後述のOPCパターンを記録する際のレーザビームの波形等を制御するために用いられるストラテジ情報である。即ち、本発明における「特別OPCストラテジ」の一具体例に相当する。
(1)光ディスクの基本構成
続いて、図1を参照して、本実施例に係る情報記録装置1の記録動作の対象となる光ディスク100の基本構成について説明する。ここに、図1は、光ディスク100の基本構造を示した概略平面図であり、該光ディスク100の半径方向における記録領域構造の図式的概念図である。
図1に示されるように、光ディスク100は、本発明における「情報記録媒体」の一具体例であって、直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール101を中心として、内周側PCA(Power Calibration Area)111、管理情報記録エリア112、リードインエリア113、データ記録エリア114、リードアウトエリア115及び外周側PCA116が設けられる、例えば、BD(Blu-ray Disc)である。そして、例えばセンターホール101を中心にスパイラル状或いは同心円状に、例えばグルーブトラック及びランドトラックが交互に設けられている。また、このトラック上には、データパターンがECCブロックという単位で分割されて記録される。ECCブロックは、エラー訂正可能なデータ管理単位である。また、本実施例においては、光ディスク100は、一度のみデータパターンを記録することが可能な追記型記録媒体であってもよいし、複数回データパターンを記録することが可能な書換型記録媒体であってもよい。
一般的に、光ディスク100を回転させてデータの記録を行う情報記録装置によるデータの記録、特にCLV記録においては、一の記録速度を実現するための光ディスク100の回転速度は、外周側から内周側へ向かうにつれて増大する。このため、光ディスク100を回転させるためのスピンドルモータの規格などの制限により、外周側では実現可能な記録速度が、内周側では実現不可能となる場合がある。本実施例では特に、内周側PCA111においては、4xの記録速度でのデータの記録が実施可能であると共に、8xの記録速度でのデータの記録は実施不可能であり、他方、外周側PCA116においては、4x及び8xの夫々の記録速度でデータの記録が実施可能であるものとする。
続いて、図2を参照して、本発明の実施例の背景となる、外周側PCAを用いたOPC処理における技術的な問題について説明する。図2(a)及び図2(b)は、光ディスクにおける記録領域の半径方向の記録感度(点線)及び最適レーザパワー(実線)を概念的に示すグラフである。尚、一般的な光ディスクにおいては、上述したように最外周部において記録感度の不均一が生じている。然るに、図2においては、このような記録感度の不均一性を考慮し、ディスク内周部及びディスク中周部と比較して記録感度が低下する傾向にある光ディスクが図2(a)に、記録感度が上昇する傾向にある光ディスクが図2(b)に夫々例示されている。
また、図2(a)及び図2(b)に示される光ディスクは、ZCLV(Zone Constant Linear Velocity)でのデータの記録に対応しており、外周側の第1記録速度ゾーンにおいては、8xの記録速度でデータが記録され、内周側の第2記録速度ゾーンにおいては、4xの記録速度でデータが記録されている。このとき、図2(a)及び図2(b)に示されるように、記録速度が異なるため、第1記録速度ゾーンと第2記録速度ゾーンとでは最適レーザパワーが異なる。
更に、図2の例では、光ディスクの最外周部において記録感度が変化しているため、記録感度の変化に従って、最適レーザパワーが変化する。先ず、図2(a)の例においては、最外周近傍で記録感度が低下するため、最外周近傍では第1記録速度ゾーンにおける最適レーザパワーがPw1からPw2へと上昇している。
このため、光ディスク最外周に設けられる外周側PCAにおいてOPC処理を実施することで最適レーザパワーの算出を行った場合、最外周における記録感度に応じた最適レーザパワーPw2が算出される。第1記録速度ゾーンにおいて、このような最外周での最適レーザパワーPw2を用いるデータの記録を行った場合、中周及び外周の最適レーザパワーPw1と比較してPw2とPw1との差分であるΔPw分のオーバーパワーの記録となるため、記録品質の低下や光ディスクの記録層の破損に繋がり、技術的に問題である。
他方、図2(b)の例においては、最外周近傍で記録感度が上昇するため、それに伴って最適レーザパワーが低下している。このため、最外周近傍に設けられる外周側PCAにおけるOPC処理によって算出された最適レーザパワーPw3は、第1記録速度ゾーンにおける中周及び外周の最適レーザパワーPw1より低い。このため、このような最適レーザパワーPw3でデータの記録を行うことで、通常の最適レーザパワーPw1と比較して差分であるPw’分アンダーパワーでの記録となり、記録品質の低下や、適切なデータの記録が行われないことに繋がり、やはり問題である。
次に、図3を参照して、本発明の実施例に依らない特別OPC処理を実施する情報記録装置における最適レーザパワーの算出動作の技術的な問題について説明する。ここに、本発明の実施例に依らない、即ち従来式の特別OPC処理とは、第1の記録速度(例えば、8xの記録速度)とは異なる第2の記録速度(例えば、4xの記録速度)にて、特別OPCストラテジに規定される試し書きパターンの記録を実施することで、第1の記録速度でデータの記録を実施するための最適レーザパワーの算出を行う態様を示す趣旨である。他方で、このような従来式の特別OPC処理においては、後に詳述する本発明の実施例とは異なり、第1の記録速度において算出された仮の最適レーザパワーを実現する際の記録条件(例えば、βやジッタ値など)を用いて、該特別OPC処理における記録条件の決定及び補正が行われない。
例えば、上述の特許文献2に記載されるように、一般的に一の記録速度における特別OPC処理によって、異なる記録速度における最適レーザパワーを算出するためには、最適レーザパワーを決定するための目標値が必要とされる。
特許文献2においては、8xの記録速度における最適記録レーザパワーを求めるために、ターゲットβ1なる目標β値を設定している。ここに、ターゲットβ1は、8xの記録速度における最適レーザパワー(特に、実際に出射するレーザパワー)を実現するβ値である。このとき記録パワーに対するβ値は、典型的には、図3(b)に示されるグラフのような関係を有している。また、4xの記録速度における記録レーザパワーとβ値とは、好適には、図3(a)に示されるグラフのような関係を有している。
ここに、図3(a)は、8xの記録速度におけるOPC処理と、4xの記録速度における特別OPC処理との夫々の場合における、最適レーザパワーとターゲットβとなるβ値を概念的に示すグラフである。
図3(a)に示されるグラフより、8xにおける最適レーザパワーは、4xの記録速度においてターゲットβ2を実現するレーザパワーと算出することが出来る。つまり、好適には、8xにおける最適レーザパワーに対応する、8xのβ値であるターゲットβ1及び4xのβ値であるターゲットβ2とは、所定のオフセットΔβを有している。従って、このようなΔβを考慮することで、8xの最適レーザパワーに対応するターゲットβ1から、4xのターゲットβ2を決定することが出来、このようなターゲットβ2を実現するレーザパワーを最適レーザパワーとして決定することが可能となる。
従来の手法によれば、予め設定されているΔβなどの、ターゲットβ1とターゲットβ2との関係に基づき、上述した特別OPC処理が実施されている。しかしながら、このときのターゲットβの値には、例えば用いられるディスクドライブなどの情報記録装置の特性に起因して、多少の揺らぎが生じることがある。例えば、ドライブの特性に起因して、予め設定されている最適レーザパワーに対応するターゲットβ1の数値と、実際のターゲットβ1の値との間にズレが生じている場合には、仮に正しいΔβの値を適用したとしても、算出されるターゲットβ2の値は実際の最適レーザパワーからズレてしまうことが考えられる。このため、このようなドライブの特性などに起因するターゲットβのズレを考慮せず、予め設定されたターゲットβ1とターゲットβ2との関係に基づいて最適レーザパワーを算出しようとする場合、例えば、図3(b)に示されるように、算出される最適レーザパワーに揺らぎが生じ、精度の低下を招くことがある。
また、4xの記録速度におけるレーザパワー対β値の関係の傾きは、8xの記録速度におけるレーザパワー対β値の関係の傾きと必ずしも同一でないため、更に最適レーザパワーの算出の精度が低下する要因となっている。
このような特別OPC処理による最適レーザパワーの算出は、光ディスクの最外周における記録感度の差異による影響を排除し、このような記録感度の差異に起因して適切な最適レーザパワーの算出が行えないという技術的な問題を解消し得る点で有効ではある。しかしながら、従来式の特別OPC処理においては、上述したように最適レーザパワーの算出精度の低下という新たな技術的問題を有しており、可能な限り記録に適したレーザパワーの算出を行いたいという技術的な要請に対しては必ずしも十分であるとは言えない。
(2)情報記録装置の基本構成例
続いて、図4を参照して、本実施例に係る情報記録装置の基本構成について説明する。ここに、図4は、本実施例に係る情報記録装置1の基本構成を概略的に示すブロック図である。
図4に示すように、本実施例に係る情報記録装置1は、スピンドルモータ310と、光ピックアップ(PU:Pick Up)320と、CPU330と、AFE(Analog Front End)340と、信号記録再生部350とを備えて構成されている。
スピンドルモータ310は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスクへのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ310は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
スピンドルモータ310は、典型的には、CPU330による制御を受けて、指定された記録速度を実現し得る回転速度で光ディスク100を回転させるよう動作する。例えば、8xの記録速度でデータを記録する場合には、4x或いは6xの記録速度でデータを記録する場合と比較してより高速に光ディスク100が回転するようにスピンドルモータ310は動作する。6xの記録速度でデータを記録する場合には、4xの記録速度でデータを記録する場合と比較してより高速に光ディスク100が回転するようにスピンドルモータ310は動作する。本実施例においては、データを記録する場合には8xの記録速度を、OPC処理のためのOPCパターンなどを記録する場合には4xの記録速度を夫々用いる構成について説明する。
光ピックアップ320は、光ディスク100に対してレーザ光LBを照射することでデータの書き込みを行うレーザ装置であって、電流の供給を受けてレーザ光の照射を行う不図示のレーザダイオード(LD)、該LDへの電流の供給などを制御するレーザダイオードドライバ(LDD:Laser Diode Driver)321、及び光ディスク100からの反射光を受けて、電気信号(例えば、再生信号)へと変換するOEIC(Opto-Electronic Integrated Circuit)322などを含んで構成されている。より詳細には、光ピックアップ320は、LDD321の制御のもと、光ディスク100に対してレーザ光LBを書き込み用のレーザパワーで変調させながら照射することでデータの書き込みを実現する。また一のパワーとは異なるパワーでレーザ光LBを照射し、OEIC322にて読み取り光を再生信号に変換することで、光ディスク100に記録されているデータの再生を可能としても良い。
CPU330は、スピンドルモータ310、光ピックアップ320、AFE340及び信号記録再生部350の各部に接続され、各制御手段に指示を行うことで、情報記録装置1全体の制御を行う。また、CPU330は、メモリ331に接続されている。
メモリ331は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生部350で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域など情報記録装置1におけるデータ処理全般において使用される。また、メモリ331はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラムが格納されるROM領域と、映像データの圧縮伸張で用いるバッファやプログラム動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
本実施例では特に、メモリ331には、8x記録ストラテジ及び4x記録ストラテジが記録されている。また、メモリ331は、4x特別OPCストラテジ或いはその他各種ストラテジが記録されていても良い。尚、通常、CPU330が動作するためのソフトウェアは、メモリ331に格納されている。
AFE340は、光ピックアップ320、CPU330及び信号記録再生部350の夫々に接続される各種周辺回路を示す趣旨である。AFE340は、例えば、OEIC322において光電変換された再生信号などのアナログ信号をデジタルデータに変換する変換回路などを含む。
信号記録再生部350は、データの記録時に用いられるクロック信号の生成や、データの記録再生処理を実施するDSP(Digital Signal Processor)であり、OPC処理部351、特別OPC処理部352、AD変換回路353、変調度検出部354、β検出部355、ジッタ検出部356、OPC比較部357及び最適レーザパワー検出部358の各部を備えて構成されている。信号記録再生部350は、これらの各部の動作により、光ピックアップ320に対して記録信号を伝送し、また、スピンドルモータ310と光ピックアップ320を制御することで光ディスク100に対して記録再生を行う。
具体的には、メモリ331に格納されるデータパターン毎の記録ストラテジ(つまり、8x記録ストラテジ)に基づく光ピックアップ320の動作の制御が実行され、データの記録が実施される。
また、OPC処理部351は、取得した8x記録ストラテジに基づいて、試し書き用のOPCパターンをLDD321に対して出力し、光ディスク100の外周側PCA116に該OPCパターンを記録することで最適レーザパワーを算出する、OPC処理を実施する。
また、本実施例においては特に、特別OPC処理部352は、メモリ331に格納される特別OPCストラテジ(つまり、4x特別OPCストラテジ)に基づいて、試し書き用の特別OPCパターンをLDD321に対して出力し、光ディスク100の内周側PCA111及び外周側PCA116に該パターンなどを記録する、特別OPC処理を実施する。
変調度検出部354は、光ピックアップ320から、光ディスク100の再生信号の入力を受けて、該データにおける変調度を測定できるよう構成されている。同様に、β検出部355は、β値を、ジッタ検出部356は、ジッタ値を夫々検出可能に構成される。このため、後述するようにβ値以外のジッタ値や変調度などに基づく最適レーザパワー決定に有益である。
最適レーザパワー検出部358は、特にOPCパターンを再生して得られる再生信号から測定される変調度、β値及びジッタ値の入力を受け、OPC処理部351によるOPC処理によって算出された目標レーザパワーと、特別OPC処理部352による特別OPC処理によって算出された最適レーザパワーとを比較可能に構成されている。
(3)動作例
続いて図5から図7を参照して、本実施例に係る情報記録装置1の基本動作について説明する。ここに、図5は、本実施例に係る情報記録装置1の基本動作の流れを示すフローチャートであり、OPC処理による最適レーザパワーPwの決定動作の流れを示す。図6は、相互に異なる16段階のレーザパワーステップを用いるOPC処理を示した模式的タイミングチャートである。図7は、記録速度毎の記録パルスにおける、記録ストラテジと特別OPCストラテジとの波形を示す概略図である。
図5に示すように、先ず、CPU330の制御のもとに、光ピックアップ320より出力されるレーザ光LBのレーザパワーが、光ディスク100に対してデータの記録を行うための適切なレーザパワーとなるようパワーキャリブレーションが実施される(ステップS101)。尚、このパワーキャリブレーションとは、公知のOPC処理のように、データの記録のための最適レーザパワーを算出するものではなく、あくまで光ディスク100の記録層の損壊を生じることなく、トラックの書き込みが可能なレーザパワーを設定する趣旨である。
続いて、CPU330の制御のもと、光ピックアップ320のヘッド位置が光ディスク100の外周側PCA116位置まで移動され、外周側PCA116において8x記録ストラテジを用いたOPC処理が実行される(ステップS102)。このときの8xの記録ストラテジは、予め光ディスク100に記録されている、例えばディスクインフォメーション(Disk Information)情報などに基づいて生成される。また、このように算出された最適レーザパワーは、目標レーザパワーPwAとして、一時的にメモリ331に格納される。
ここで、OPC処理について詳細な説明を加える。まずCPU330の制御のもとで、光ピックアップ320が外周側PCA116へ移動され、OPC処理部351及びLDD321の動作により、順次段階的に(例えば、相互に異なる16段階の)記録パワーが切り換えられて、図5に示すようなOPCパターンが外周側PCA116に記録される。このようなOPCパターンにおいては、例えば2Tパルスに相当する短ピット(マーク)及び8Tパルスに相当する長ピット(マーク)を夫々同一の長さのスペースと共に交互に形成した記録パターンが一つの例として挙げられるが、例えば他の長さのマーク及びスペースの組合せからなるパターンであっても良く、また、ランダムなパターンであっても良い。本実施例では、このときのレーザ光の波形として、8x記録ストラテジにより規定される波形が用いられ、所定のOPCパターンが記録される。また、後述する特別OPC処理においては、4x特別OPCストラテジにより規定される波形が用いられ、8x記録ストラテジにより規定されるOPCパターンと異なる所定のOPCパターンが記録される。
LDD321は、このOPC処理部351から出力されるOPCパターンにより、記録パワーを順次段階的に切り換えるように、光ピックアップ320内の半導体レーザを駆動する。
更に、このようなOPCエリアへの試し書きの完了後には、CPU330の制御下で、該OPCエリアにおいて試し書きされたOPCパターンが再生される。具体的には、図示しないエンベロープ検波器に入力されたRF信号より、当該RF信号のエンベロープ検波のピーク値及びボトム値がサンプリングされる。その後、このようなOPCパターンの再生が、1回のOPC処理において、例えば記録されたOPCパターンの回数に応じて行われた後に、OPC処理部351において最適レーザパワーが決定される。即ち、RF信号の上下の不均衡さを示す値であって、該RF信号のエンベロープ検波のピーク値及びボトム値、並びにACのセンター値より求められるβ値から、例えば記録特性の品質を表すジッタ値が最小付近となるような最適レーザパワーが算出される。
次に、特別OPC処理部352の動作により、外周側PCA116において、4x特別OPCストラテジを用いた特別OPC処理が行われる(ステップS103)。このとき、特別OPC処理部352は、通常のOPC処理或いは特別OPC処理のように、最適レーザパワーを算出することを目的とした特別OPC処理を行うのではなく、ステップS102において算出された目標レーザパワーPwAを出力するよう光ピックアップ320の動作を制御する。つまり、特別OPC処理部352は、通常のOPC処理のように、目標レーザパワーを含む複数通りの(例えば、相互に異なる16段階の)記録パワーを順次段階的に切り換えながらOPCパターンを外周側PCA116に記録する。その後、記録されたOPCパターンを再生すると共に、該目標レーザパワーに相当する、該再生されたOPCパターンのβ値Bを測定する。そして、該目標レーザパワーPwAを出力する際の記録条件として、β値Bが一時的にメモリ331に格納される。このようなβ値Bは、8xの記録速度における最適レーザパワーに対応する4xの記録速度におけるβ値であって、つまり、図3(a)に示されるターゲットβ2の一具体例である。
このような特別OPC処理に用いられる4x特別OPCストラテジについて、図7を参照して、記録ストラテジに基づく特別OPCストラテジ説明する。図7は、記録速度の記録パルスにおける、NRZI、記録ストラテジ、及び特別OPCストラテジの夫々の波形を示す概略図である。
図7(a)左側のグラフに示すように、8xの記録速度で光ディスク100に「2Tパターン」のデータを記録する際には、2nsのパルスに相当するレーザビームを照射する。また、「4Tパターン」のデータを記録する際には、図7(a)右側のグラフに示すようなL型のパルスに相当するレーザビームを照射する。これらのパルスの形状は、基本的に、8x記録ストラテジに基づいて規定される。
図7(b)中段左側のグラフに示すように、6xの記録速度で光ディスク100に「2Tパターン」のデータを記録する際には、3nsのパルスに相当するレーザビームを照射する。また、「4Tパターン」のデータを記録する際には、図7(b)中段右側のグラフに示すようなL型のパルスに相当するレーザビームを照射する。これらのパルスの形状は、基本的に6xの記録ストラテジに基づいて規定される。
対して、8xの記録速度における最適レーザパワーPwを算出するために、6xの記録速度で「2Tパターン」のOPCパターンを記録する際には、図7(b)下段左側に示すように、6x特別OPCストラテジに基づき、2nsのパルスに相当するレーザビームを照射する。即ち、8xの記録速度で「2Tパターン」を記録する際と同様の形状を有するパルスを照射する。他方、6xの記録速度で「4Tパターン」のOPCパターンを記録する際には、図7中(b)右側下部に示すようなL型のパルスに相当するレーザビームを照射する。このときのパルス幅は、最もパワーの高い部分が8xの記録速度で「4Tパターン」のデータを記録する際と同一或い略同一のものとなるよう調整され、他の部分については記録速度の比に応じて短く調整される。
図7(c)中段左側のグラフに示すように、4xの記録速度で光ディスク100に「2Tパターン」のデータを記録する際には、4nsのパルスに相当するレーザビームを照射する。また、「4Tパターン」のデータを記録する際には、図7(c)中段右側のグラフに示すようなL型のパルスに相当するレーザビームを照射する。これらのパルスの形状は、基本的に4xの記録ストラテジに基づいて規定される。
対して、8xの記録速度における最適レーザパワーPwを算出するために、4xの記録速度で「2Tパターン」のOPCパターンを記録する際には、図7(c)下段左側に示すように、4x特別OPCストラテジに基づき、2nsのパルスに相当するレーザビームを照射する。即ち、8xの記録速度で「2Tパターン」を記録する際と同様の形状を有するパルスを照射する。他方、4xの記録速度で「4Tパターン」のOPCパターンを記録する際には、図7(c)下段右側に示すようなL型のパルスに相当するレーザビームを照射する。このときのパルス幅は、最もパワーの高い部分が8xの記録速度で「4Tパターン」のデータを記録する際と同一或い略同一のものとなるよう調整され、他の部分については記録速度の比に応じて短く調整されている。
以上の説明の如く、8xの記録速度における最適レーザパワーPwを算出するための4x特別OPCストラテジ及び6x特別OPCストラテジは、本来データを記録する際に用いる4x記録ストラテジ或いは6x記録ストラテジにより規定されるレーザビームのパルスと比較してより短いパルスのレーザビームを照射してOPCパターンを記録するよう調整されている。
より具体的には、6x特別OPCストラテジにおいては、「2Tパターン」など短マークのデータを記録するためのパルスは、そのパルス幅が3nsから2nsに(即ち、約67パーセントに)短縮される。また、「4Tパターン」のデータを記録するためのパルスは、最もパワーの高い部分のパルス幅が8x記録ストラテジと同一或い略同一のものとなるよう調整され、他の部分のパルス幅については記録速度の比に応じて短縮される。一方、4x特別OPCストラテジにおいては、「2Tパターン」などの短マークのデータを記録するためのパルスは、そのパルス幅が4nsから2nsに(即ち、約50パーセントに)短縮されている。また、「4Tパターン」など短マーク部以外のデータを記録するためのパルスは、最もパワーの高い部分のパルス幅が8x記録ストラテジと同一或い略同一のものとなるよう調整され、他の部分のパルス幅については記録速度の比に応じて短縮される。
即ち、いずれの場合も、特別OPCストラテジに基づき、本来のデータを記録する際に用いる記録ストラテジにより規定されるパルス幅よりも、8x記録ストラテジにより規定されるパルス幅に近づくように、そのパルス幅が変化している。特に、短いパターンである「2Tパターン」のデータ及び他のパターンのデータにおける最もパワーの高い部分においては、本来8xの記録速度でデータを記録する際に用いられるパルス幅と同じパルス幅のレーザビームが照射されている。より具体的に言い換えると、相対的に短いパターンのデータ(例えば「2Tパターン」など、所謂短マーク部)は相対的により短く、相対的に長いパターンのデータ(例えば11Tパターン等)は、相対的に短いパターンのデータの変化ほど短くならないように変化するように、4x特別OPCストラテジ及び6x特別OPCストラテジが設定される。
このように、8x記録ストラテジにより規定されるパルスの形状と同一、概ね同一或いは近似するパルス幅を用いて、4x及び6xの記録速度でOPCパターンを記録することができる。またこのとき、図6(a)に示される8x記録ストラテジにより規定されるレーザビームの波形の振幅と、図6(b)及び図6(c)に示される4x特別OPCストラテジ及び6x特別OPCストラテジにより規定されるレーザビームの波形の振幅とは同一或いは概ね同一であることが好ましい。即ち、実際に8xの記録速度でデータを記録する際の記録パワーと同一或いは概ね同一の記録パワーにてOPC処理を行なうことが好ましい。
再び図5に戻り、動作の流れについて説明をする。続いて、CPU330の制御のもと、光ピックアップ320のヘッド位置が光ディスク100の内周側PCA111位置まで移動され、内周側PCA111において、4x特別OPCストラテジを用いたOPC処理が実行される(ステップS104)。このときの4x特別OPCストラテジは、典型的には、予め光ディスク100またはメモリ331に格納されているものが取得されて用いられる。
本実施例においては、特別OPC処理部352は特に、通常のOPC処理或いは特別OPC処理のように、順次段階的に(例えば、相互に異なる16段階の)記録パワーを切り換えながらOPCパターンを外周側PCA116に記録する。その後、記録されたOPCパターンを再生すると共に、該再生されたOPCパターンの記録品質(例えば、β値)を測定する。その結果、OPCパターンを記録したときの記録パワーとOPCパターンの記録品質との間の相関関係(例えば、グラフや相関式等)が得られる。その後、得られた相関関係を参照することで、先のステップS103において検出され、メモリ331に格納されたβ値Bに応じた最適レーザパワーPwが検出される。そして、算出された最適レーザパワーPwを8xの記録速度でのデータの記録を実施するための最適レーザパワーとして決定する。
以上、説明した一連の動作により、8xの記録速度でのデータの記録を実施するための最適レーザパワーが決定される。
以上説明したように、本実施例に係る情報記録装置によれば、実際に8xの記録速度でOPC処理を行なわなくとも、より低速の、例えば4xの記録速度でOPC処理を行なえば、8xの記録速度における最適レーザパワーを算出することが出来る。特に、記録速度が高速になると、光ディスク100の回転速度もそれに伴い高速になる。このため、光ディスク100の特に内周側では、当該回転速度を実現することができず、或いは当該回転速度を実現したとしても光ディスク100の破損につながったり、サーボが不安定になったり、ターゲットβの検出精度が低下することで、適切にOPC処理を行なうことができないおそれがある。本実施例は、このような不都合を解決し、記録速度が高速になっても、より低い記録速度でOPC処理を行なえば、当該高速な記録速度における最適レーザパワーを算出することができるという大きな利点を有している。
また、本実施例に係る情報記録装置1によれば特に、8xの記録速度におけるOPC処理によって算出された最適レーザパワー(つまり、目標レーザパワーPwA)を出力する際のターゲットβ2を測定し、内周側PCA111における特別OPC処理により、該ターゲットβ2を実現するレーザパワーPwを最適レーザパワーとして決定している。このため、ディスクドライブの特性などに起因して、最適レーザパワーとβ値との関係に揺らぎが生じている場合であっても、該揺らぎを好適に補正することが可能となる。このため、ディスクドライブの特性による影響を好適に抑制し、高精度の最適レーザパワーを算出することが可能となる。
尚、上述した実施例においては、より高速な8xの記録速度における最適レーザパワーを算出するために、より低速な4xの記録速度でOPC処理を行なっているが、もちろん同様の手法により、4xの記録速度における最適レーザパワーを算出するために、より高速な8xの記録速度で且つ8x用特別OPCストラテジを用いてOPC処理を行ってもよいことは当然である。即ち、実際にデータを記録する4xの記録速度よりも高速な8xの記録速度でOPC処理を行なうことで、4xの記録速度における最適レーザパワーを求めることができる。加えて、この場合、相対的に高速な8xの記録速度でOPCパターンを記録できることから、最適レーザパワーの算出に要する時間を低減できるという利点をも有する。
また、本実施例においては、最適レーザパワーを算出するための目標値(つまり、本発明における「記録条件」)として、β値を採用しているが、特にこれに限定されることはなく、例えば、その他のアシンメトリ、ジッタ値或いは変調度などであっても良く、またこれらのパラメータを複数組み合わせて用いても良い。
上述の実施例では、情報記録媒体の一例としてBDである光ディスク100及び情報記録装置の一例として光ディスク100に係るレコーダについて説明したが、本発明は、光ディスク及びそのレコーダに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種情報記録媒体並びにそのレコーダにも適用可能である。
(4)変形動作例
続いて、図8を参照して、本実施例の情報記録装置1による最適レーザパワーの算出動作の変形例について説明する。図8は、本実施例に係る情報記録装置の動作の変形例の流れを示すフローチャートである。
この変形動作例においては、特にCAV記録など、データの記録動作において、光ディスク100の径方向の位置に応じて記録速度が変更される態様においても、適切な最適レーザパワーを算出可能とする。具体的には、複数通りの記録速度と、該記録速度の夫々に対応する最適レーザパワーとの組み合わせを複数取得し、取得された該データに基づき、例えば線形補間などにより記録速度と最適レーザパワーとのマッピングを作成することで、様々な記録速度に対応する最適レーザパワーの算出を可能とする。
尚、本変形動作例においては、複数通りの記録速度として、A1xの記録速度及びB1xの記録速度を用いている。これらは、本発明における「複数の第1記録速度」の一具体例であり、例えば、A1xの記録速度とは8xの記録速度であって、B1xの記録速度とは10xの記録速度である。また、これら「複数の第1記録速度」の夫々に対応する「複数の第2記録速度」の一具体例として、A2xの記録速度及びB2xの記録速度を用いている。ここに、A2xの記録速度とは例えば4xの記録速度であって、B2xの記録速度とは例えば6xの記録速度などである。
尚、本変形動作例においては、光ディスク100の内周側PCA111においては、A2xの記録速度及びB2xの記録速度が実現可能であるものの、A1xの記録速度及びB1xの記録速度が実現出来ず、他方で外周側PCA116においては、A1xの記録速度及びB1x並びにA2xの記録速度及びB2xの記録速度の記録速度のいずれも実現可能である場合を想定している。
具体的な動作の流れについて説明すると、先ず、図8に示されるように、CPU330の制御のもとに、光ピックアップ320より出力されるレーザ光LBのレーザパワーが、光ディスク100に対してデータの記録を行うための適切なレーザパワーとなるようパワーキャリブレーションが実施される(ステップS201)。尚、該パワーキャリブレーション動作は、上述した基本動作例におけるパワーキャリブレーションと同様、光ディスク100の記録層の損壊を生じることなく、トラックの書き込みが可能なレーザパワーを設定する趣旨である。
続いて、図5のステップS102乃至ステップS103と同様の動作により、A1xの記録速度でデータを記録するための最適レーザパワーPw1に対応する記録条件として、β値Baが取得される。具体的には、外周側PCA116において、A1xの記録速度でのOPC処理によってA1xでデータの記録を実施するための目標レーザパワーPwAが算出される(ステップS202)。続いて、外周側PCA116において、A2xの記録速度での特別OPC処理が実施され、該目標レーザパワーPwAを出力する際のβ値Baが測定される(ステップS203)。
続いて、同様の手順で、B1xの記録速度でデータを記録するための最適レーザパワーPw2に対応する記録条件として、β値Bbが取得される。具体的には、外周側PCA116において、B1xの記録速度でのOPC処理によってB1xでデータの記録を実施するための目標レーザパワーPwBが算出される(ステップS204)。続いて、外周側PCA116において、B2xの記録速度での特別OPC処理が実施され、該目標レーザパワーPwBを出力する際のβ値Bbが測定される(ステップS205)。
その後、CPU330の制御のもと、光ピックアップ320のヘッド位置を光ディスク100の内周側PCA111に移動し、内周側PCA111におけるA2xの記録速度での特別OPC処理が実施され、上記測定されたβ値Baに対応する最適レーザパワー(つまり、A1xの記録速度でデータを記録するための最適レーザパワー)Pw1が算出される(ステップS206)。同様に、内周側PCA111におけるB2xの記録速度での特別OPC処理が実施され、上記測定されたβ値Bbに対応する最適レーザパワー(つまり、B1xの記録速度でデータを記録するための最適レーザパワー)Pw2が算出される(ステップS207)。
そして、A1xの記録速度と対応する最適レーザパワーPw1、及びB1xの記録速度と対応する最適レーザパワーPw2の関係に基づき、例えば線形補間などの手法により、記録速度と最適レーザパワーとの関係の近似式を演算する(ステップS208)。図9は、このように演算される記録速度と最適レーザパワーとの関係を概略的に示すグラフである。
本実施例の情報記録装置では、変形動作例においてこのように求められた記録速度と最適レーザパワーとの関係に基づき、記録速度に応じた最適レーザパワーが適宜選択され、データの記録に用いられる。
このため、例えばCAV記録などのように、情報記録媒体の系方向の位置に応じて各記録領域における記録速度が変化する記録の態様であっても、上述した動作例と同様の効果を享受することが可能となる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報記録装置、情報記録方法、コンピュータプログラムなどもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 情報記録装置
100 光ディスク
111 内周側PCA
116 外周側PCA
310 スピンドルモータ
320 光ピックアップ
330 CPU
350 信号記録再生部

Claims (14)

  1. レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録手段と、
    第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段と、
    前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段と、
    前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出手段と、
    算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする情報記録装置。
  2. 前記記録ストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する、前記情報の記録を行なうための複数の記録ストラテジを含み、
    前記特別OPCストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記第2記録速度の夫々にて、複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出するための複数の特別OPCストラテジを含み、
    前記第1算出手段は、複数の前記記録ストラテジを用いて、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記目標レーザパワーを算出し、
    前記測定手段は、複数の前記特別OPCストラテジを用いて、複数の前記第2記録速度の夫々にて、対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行うための複数の前記目標レーザパワーを出力するための複数の前記記録条件を測定し、
    前記第2算出手段は、複数の前記記録条件に基づく、複数の前記第2記録速度の夫々に対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出し、
    前記演算手段は、複数の前記第1記録速度と、該複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記最適レーザパワーとに基づいて、前記第1記録速度と前記最適レーザパワーとの関係を演算し、
    前記制御手段は、複数の前記第1記録速度のうち一の第1記録速度にて、該選択された一の第1記録速度に対応する前記最適レーザパワーを用いて、前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  3. 前記第1記録速度と前記最適レーザパワーとの関係を演算する演算手段を更に備え、
    前記記録ストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する、前記情報の記録を行なうための複数の記録ストラテジを含み、
    前記特別OPCストラテジは、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記第2記録速度の夫々にて、複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出するための複数の特別OPCストラテジを含み、
    前記第1算出手段は、複数の前記記録ストラテジを用いて、複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記目標レーザパワーを算出し、
    前記測定手段は、複数の前記特別OPCストラテジを用いて、複数の前記第2記録速度の夫々にて、対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行うための複数の前記目標レーザパワーを出力するための複数の前記記録条件を測定し、
    前記第2算出手段は、複数の前記記録条件に基づく、複数の前記第2記録速度の夫々に対応する複数の前記第1記録速度の夫々で前記情報の記録を行なうための複数の前記最適レーザパワーを算出し、
    前記演算手段は、複数の前記第1記録速度と、該複数の前記第1記録速度の夫々に対応する複数の前記最適レーザパワーとに基づいて、前記第1記録速度と前記最適レーザパワーとの関係を演算し、
    前記制御手段は、前記演算結果に基づいて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  4. 前記記録条件は、前記情報の記録時におけるβ値、アシンメトリ、ジッタ値及び変調度の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  5. 前記第1算出手段は、前記OPC処理において、前記目標レーザパワーを算出するための試し書きパターンを、前記情報記録媒体における前記第1記録速度での記録を実現可能な第1エリアに記録し、
    前記測定手段は、前記OPC処理において、前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを、前記第1エリアとは異なり、且つ前記情報記録媒体における前記第2記録速度での記録を実現可能な第2エリアに記録し、
    前記第2算出手段は、前記OPC処理において、前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを、前記第1エリア及び前記第2エリアとは異なり、且つ前記情報記録媒体における前記第2記録速度での記録を実現可能な第3エリアに記録し、
    前記第1エリアと前記第2エリアとの間の記録感度差は、少なくとも前記第1エリアと前記第3エリアとの間の記録感度差よりも小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  6. 前記第2エリアは、前記第1エリアと隣接するトラックであることを特徴とする請求項5に記載の情報記録装置。
  7. 前記第2エリアは、前記第1エリアの前後のRUB(Recording Unit Block)であることを特徴とする請求項5に記載の情報記録装置。
  8. 前記第2エリアは、前記第1エリアと同一のセクタ内の領域であることを特徴とする請求項5に記載の情報記録装置。
  9. 前記第1算出手段は、前記OPC処理において、記録された前記目標レーザパワーを算出するための試し書きパターンを所定の再生速度にて再生した読取結果に基づいて前記目標レーザパワーの算出を行い、
    前記測定手段は、前記OPC処理において、記録された前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを前記所定の再生速度にて再生した読取結果に基づいて前記記録条件を測定し、
    前記第2算出手段は、前記OPC処理において、記録された前記最適レーザパワーを算出するための試し書きパターンを前記所定の再生速度にて再生した読取結果に基づいて前記最適レーザパワーの算出を行うことを特徴とする請求項5に記載の情報記録装置。
  10. 前記所定の再生速度は、前記第2記録速度と同一の再生速度であることを特徴とする請求項9に記載の情報記録装置。
  11. 前記第1記録速度は、前記第2記録速度と比較して高速であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  12. 前記情報記録媒体を特定する媒体情報を取得すると共に、該情報記録媒体に係る前記媒体情報と前記記録条件とを格納するための格納手段を更に備え、
    前記測定手段は、前記情報記録媒体から取得される前記媒体情報が前記格納手段に格納されている前記媒体情報と一致する場合、該媒体情報に対応して格納される記録条件を測定結果として取得することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  13. レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録工程と、
    第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出工程と、
    前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定工程と、
    前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出工程と、
    算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録工程における前記レーザ光のレーザパワーを制御する制御工程と
    を備えることを特徴とする情報記録方法。
  14. レーザ光を情報記録媒体に照射して当該情報記録媒体に情報を記録する記録手段と、第1記録速度にて、該第1記録速度で前記情報の記録を行なうために用いられる前記レーザ光の波形を規定する記録ストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための目標レーザパワーを算出する第1算出手段と、前記第1記録速度とは異なる第2記録速度にて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行なう際の前記レーザ光の最適レーザパワーを算出するために用いられる前記レーザ光の波形を規定する特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果に基づいて前記目標レーザパワーを出力する際の記録条件を測定する測定手段と、前記第2記録速度にて前記特別OPCストラテジを用いたOPC処理を行うと共に、当該OPC処理の結果及び前記記録条件に基づいて、前記第1記録速度で前記情報の記録を行うための前記レーザ光の前記最適レーザパワーを算出する第2算出手段と、算出された前記最適レーザパワーを用いて、前記第1記録速度にて前記情報の記録を行なうように前記記録手段を制御する制御手段とを備える情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、
    該コンピュータを、前記記録手段、前記第1算出手段、前記測定手段、前記第2算出手段及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
JP2009212146A 2009-09-14 2009-09-14 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム Pending JP2011060406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009212146A JP2011060406A (ja) 2009-09-14 2009-09-14 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009212146A JP2011060406A (ja) 2009-09-14 2009-09-14 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011060406A true JP2011060406A (ja) 2011-03-24

Family

ID=43947850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009212146A Pending JP2011060406A (ja) 2009-09-14 2009-09-14 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011060406A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002352430A (ja) * 2001-05-22 2002-12-06 Hitachi Ltd 情報記録方法及び光ディスク装置
JP2003168216A (ja) * 2001-11-29 2003-06-13 Sony Corp 光記録媒体、並びに、光記録媒体に対する記録装置及び方法
JP2004241040A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Ricoh Co Ltd 光ディスク駆動装置
WO2005043515A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Pioneer Corporation 情報記録装置及び方法、コンピュータプログラム、並びに情報記録媒体
WO2005071699A1 (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. チップインダクタ及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002352430A (ja) * 2001-05-22 2002-12-06 Hitachi Ltd 情報記録方法及び光ディスク装置
JP2003168216A (ja) * 2001-11-29 2003-06-13 Sony Corp 光記録媒体、並びに、光記録媒体に対する記録装置及び方法
JP2004241040A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Ricoh Co Ltd 光ディスク駆動装置
WO2005043515A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Pioneer Corporation 情報記録装置及び方法、コンピュータプログラム、並びに情報記録媒体
WO2005071699A1 (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. チップインダクタ及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4265021B2 (ja) 記録装置、レーザパワー設定方法
JP4814940B2 (ja) 記録動作制御装置、集積回路、光ディスク記録再生装置、および記録動作制御方法
JP2000251254A (ja) 記録方法、記録装置
JP4559428B2 (ja) 情報記録装置、情報記録方法及び情報記録プログラム
US7609595B2 (en) Defining from a first recording speed a second recording speed for recording on an information recording medium
JP2009129538A (ja) 光ディスクの記録条件を求める方法および装置
JP2008527592A (ja) 最適化される書き込みストラテジの制御のための装置及び方法
JP4048972B2 (ja) レーザパワー調整方法、ディスクドライブ装置
JP4158261B2 (ja) 記録装置、レーザパワー設定方法
JP4460569B2 (ja) 光ディスク装置及びその記録パワー設定方法
JP2012185875A (ja) 半導体装置、記録ストラテジー生成方法、及び記録ストラテジー生成用プログラム
JP2011060406A (ja) 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JP2005196890A (ja) 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JPWO2005083688A1 (ja) 情報記録装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JP4176069B2 (ja) 光ディスク記録再生装置及びその記録再生方法
JP4501900B2 (ja) 光ディスク装置
WO2011052029A1 (ja) 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JP4479780B2 (ja) 光ディスク装置
JPWO2005109409A1 (ja) 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JP4458014B2 (ja) 光ディスク記録方法と光ディスク装置
JP4502144B2 (ja) 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JP2008004231A (ja) 光ディスク装置
JP2007242138A (ja) 光ディスク装置
JP2008243285A (ja) 光ディスク装置
JP2007242139A (ja) 光ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130730