JP2011059392A - セキュリティーシートとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶材料の潜像を利用するセキュリティーシートにおいて、偏光フィルムを介して像を観察する際に、微細なパターンや色変化機能を可能にすることで、意匠性および偽造防止効果をさらに高める上で有利なセキュリティーシートを提供すること。
【解決手段】基材11と、前記基材に支持された固体化液晶層14と、を具備し、前記固体化液晶層に、メソゲン基の配向の程度の違いに起因した位相差の有無または大小による潜像15が形成されることを特徴とするセキュリティーシート1。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏光フィルムを介して潜像を視認できるセキュリティーシートおよびその製造方法に関する。
従来より、免許証や社員証、パスポート等のIDカード類や有価証券、銀行券等の金融証券類に用いられるセキュリティーシートにおいて、潜像を偽造防止に利用する方法は種々提案されている。例えば、万線のピッチの隙間を利用して隠し文字等を入れ、万線部分を隠蔽することで隠し文字が現れる方法や、凹版印刷を利用し角度を傾けたときに隠し文字が見える方法がある。しかし、これらの方法では通常状態でも良く観察すると潜像画像が見えてしまい、見えない状態と見える状態との差を際立たせる効果が必ずしも充分ではない。
また、特殊発光インキによって潜像を形成する方法もある。その一つは、蛍光インキである。蛍光インキは紫外線を照射すると発光するインキであり、蛍光インキで潜像画像を形成しておけば、紫外線ランプで照射したときのみ画像確認可能である。また、赤外線吸収インキを用いる方法があり、これは赤外線吸収インキで形成された画像を赤外線カメラ等でのみ画像確認可能である。しかし、これらの方法では潜像の確認に特定の検出装置が必要であり、特に赤外線カメラ等を用いた検出方法は大掛かりなものとなる。
近年では、液晶材料の複屈折性を利用した潜像形成方法が提案されている。これは、液晶材料を部分的に配向させることで潜像画像を形成し、偏光フィルムを通して見ることで潜像画像を視認できる方法である。
液晶材料による潜像は、ラビング処理を施した基材に必要な部分のみ液晶材料を塗布したり、光配向膜等の各種配向処理を施した基材に液晶材料を塗布し、潜像部分のみ液晶が配向するようにしたり、といった手法によって形成される。
近年では、ホログラムに液晶による潜像技術を組み合わせることで、偽造防止効果を高めることが提案されている(特許文献1参照)。ホログラムは、虹色に光り、見る角度によって色が変化するといった特殊な視覚効果を持つことから、偽造防止手段の一つとして使用されている。しかし、さらに偽造防止効果を高めるためや、ホログラム自体の偽造を防止する目的で、潜像技術などの異なる偽造防止手段と組み合わせて使われることが多くなってきている。ホログラムに液晶を用いた潜像技術を組み合わせると、目視ではホログラム画像のみが視認でき、偏光フィルムを通して見たときのみ液晶の配向による潜像画像が視認できるため、目視での判定と検証器での判定と二重の真偽判定が可能となり、偽造防止効果が高まると期待される。
特開2001−63300号公報
しかし、液晶材料による配向性や偏光性の変化による潜像技術を単に組み合わせるだけで、微細なパターンを明瞭に再現できるような潜像を簡単に得ることができなければ、セキュリティーシートは充分な偽造防止機能を発揮できない。また、更なる意匠性の向上も
望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、偏光フィルムを介して像を観察する際に、微細なパターンや色変化機能を可能にすることで、意匠性および偽造防止効果をさらに高める上で有利なセキュリティーシート、および、容易かつ高品質なセキュリティーシート製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材と、前記基材に支持された固体化液晶層と、を具備し、前記固体化液晶層に、メソゲン基の配向の程度の違いに起因した位相差の有無または大小による潜像が形成されることを特徴とするセキュリティーシートである。
また、請求項2に記載の発明は、前記固体化液晶層の前記基材側の下層には液晶配向層が形成されることを特徴とする請求項1記載のセキュリティーシートである。
また、請求項3に記載の発明は、前記固体化液晶層の前記基材側の最下層には光反射層が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のセキュリティーシートである。
また、請求項4に記載の発明は、前記基材が、紙またはプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセキュリティーシートである。
また、請求項5に記載の発明は、前記固体化液晶層が、全面にわたって膜厚が略同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセキュリティーシートである。
また、請求項6に記載の発明は、前記固体化液晶層の形成工程が、
前記基材上に、光重合性または光架橋性を有するサーモトロピック液晶化合物のメソゲン基が配向構造を示す液晶材料層を形成する工程と、
前記液晶材料層の面内場所によって異なる光照射量を与えるように選択的に露光して、一部を重合および/または架橋させ、前記液晶材料層の面内で、前記サーモトロピック液晶化合物の未反応化合物の含有率の濃淡を生じさせる工程と、
その後、前記液晶材料層を前記サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度以上に加熱して、前記液晶材料層の面内で、前記未反応化合物の濃淡に応じて前記メソゲン基の配向の程度を低下させる工程と、
前記配向の程度を低下させたまま前記未反応化合物を重合および/または架橋させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセキュリティーシートの製造方法である。
また、請求項7に記載の発明は、前記液晶材料層を形成する工程が、均一な厚さを有する連続膜として塗布することを特徴とする請求項6記載のセキュリティーシートの製造方法である。
また、請求項8に記載の発明は、前記サーモトロピック液晶化合物は前記相転移温度よりも高い重合温度および/または架橋温度以上に加熱することによって重合および/または架橋する材料であり、
前記液晶材料層の面内で、前記サーモトロピック液晶化合物の未反応化合物の含有率の濃淡を生じさせた後に、前記液晶材料層を前記重合温度および/または架橋温度以上の温度に加熱することによって、前記未反応化合物を液晶相から等方相へと変化させるとともに、重合および/または架橋させることを特徴とする請求項6または7記載のセキュリティーシートの製造方法である。
また、請求項9に記載の発明は、前記固体化液晶層を形成する前に光反射層を形成することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のセキュリティーシートの製造方法である。
本発明のセキュリティーシートは、偏光フィルムを傾けたり回転させたりすることで潜像を確認することができ、微細なパターンや色変化機能を可能にすることができるため、意匠性および偽造防止効果をさらに高めることができる。また、微細なパターンを明瞭に再現できるような潜像を簡単に得ることができるので、高品質なセキュリティーシートの容易な製造方法を提供する。
本発明による偽造防止を施したセキュリティーシートの一実施例を示す平面模式図である。 図1におけるX−X’断面で一実施例を示す断面模式図である。 図1に示す偽造防止を施したセキュリティーシートの一実施例の潜像画像を判読する際の状態を示す平面模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
図1は本発明による偽造防止を施したセキュリティーシートの一実施例を示す平面図である。図2は、図1におけるX−X’断面で一実施例を示す断面図である。図1及び図2に示すように、偽造防止を施したセキュリティーシート1は、基材11の表面上に光反射層12を最下層として、順次上層へ、液晶配向層13、固体化液晶層14が積層して形成されたものである。図2において、15は、固体化液晶層14の一部分に施された配向した潜像部分であり、この潜像部分を直接目視しても潜像部分以外との区別はできないが、偏光フィルムを重ねて観察した場合には可視可能となる部分である。前記固体化液晶層14の一部分に施された配向した潜像部分とは、メソゲン基の配向の程度の違いに起因した位相差の有無または大小による潜像である。
図3は、図1に示す偽造防止を施したセキュリティーシートの一実施例の潜像部分15を判読する際の状態を示す平面図である。図3に示すように、偽造防止を施したセキュリティーシート1の上方に偏光フィルム16を重ねて、面の中心軸に対する回転角度を変えて目視で観察することにより、配向した潜像部分15が可視可能な最適な画像となる位置を見出すことができる。
基材11としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂のフィルム、紙、合成紙などを単独で又は組合わせた複合体が使用可能である。また、基材11上には光反射層12、液晶配向層13、固体化液晶層14などが積層されるため、その加工に耐えうる、強度、耐熱性や使用方法に応じた耐性が基材に要求される。そのため上記の材料に限定されず、加工方法に応じて適宜選択される。一方、その厚みや形状も特に制限はない。
光反射層12としては、上下の層と屈折率の異なるTiO、Si、SiO、Fe、ZnS、などの高屈折率材料や、より反射効果の高いAl、Sn、Cr、Ni、Cu、Au等の金属材料が挙げられる。これらの材料は単独あるいは積層して使用できるものであり、これらの材料は真空蒸着法、スパッタリング法等の公知の薄膜形成技術にて形成され、その膜厚は50〜10000Å程度で形成される。前記光反射層12は、前記固体化液晶層14や液晶配向層13に入射した外光がこの光反射層の表面で反射して、偏光フィルム16を通して可視化される潜像を明瞭に表示するのに役立つ。また、セキュリティーシート1により表示される色の変化に寄与し、意匠性や偽造防止性を更に高めるのに有用である。
液晶配向層13としては、ポリビニルアルコール(PVA)やポリイミド等の公知の樹脂が使用できる。これらの樹脂を溶解した樹脂溶液をワイヤバー、グラビア、マイクログラビア等の塗工方式を用い光反射層12上に塗布し乾燥を行なう。その後ラビング布にて配向膜面を擦るラビング処理を行い、液晶配向層13を得る。ラビング布はコットンやベルベット等公知の材料が使用出来る。
固体化液晶層14としては、サーモトロピック液晶に光重合開始剤、増感剤、多官能モノマーあるいはオリゴマー、樹脂、その他必要な材料を、当該液晶化合物が液晶性を失わない範囲で加えた塗料が使用できる。特に、光重合性または光架橋性を有するサーモトロピック液晶化合物のメソゲン基が配向構造を示す液晶材料が有用である。前記固体化液晶層14は、偏光フィルム16を通して可視化する前には、目視での存在が認められない状態とし、可視化した場合には均一な画像として表示される状態を理想とするので、全面にわたって膜厚が略同一であることが望ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
多官能モノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
樹脂としては、例えばブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また樹脂は感光性を有していてもよい。感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
固体化液晶層14の形成方法としては、液晶材料層としての上記塗料を液晶配向層13上に均一に塗布、乾燥した後、所定のパターンで選択的に露光を行なう。このとき、充分な光が照射された領域はその配向の状態を保ったまま固定化され、光が照射されなかった領域は全てが未反応の状態のままとなる。また、光の照射量が少量の領域は、配向の状態を保ったままの固定化が照射量に応じて進み、照射不足量に対応した程度の未反応状態が残ることになる。従って、前記液晶材料層の面内場所によって異なる光照射量を与える際に、照射の有無で二分する場合だけでなく、多段階の光照射量を制御する場合も含めて、一部を重合および/または架橋させ、前記液晶材料層の面内で、前記サーモトロピック液晶化合物の未反応化合物の含有率の濃淡を生じさせる。
続いて、基材を含めた前記液晶材料層を前記サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度以上に加熱する。すると、前記液晶材料層の面内で、前記未反応化合物の含有率の濃淡に応じて前記メソゲン基の配向の程度を低下させることができる。単純な例では、光が全く照射されなかった領域は等方相に転移して実質的に無配向状態となり、光が充分に照射された領域は配向を保って固定化されたままの状態となる。
最後に、当該液晶化合物が等方相に保たれる以上の温度に維持したまま、基板の全面露光を行なう、または当該液晶化合物の等方相相転移温度以上であって、かつ重合および/または架橋がなされる温度以上に加熱することにより、無配向状態の領域、配向された領域がそのまま重合しおよび/または架橋され、固定化される。これによって精細な潜像部分を形成することが可能となる。
なお、前記固体化液晶層14を形成する前に、光反射層12を形成することにより、上
述のセキュリティーシートの構造を実現できる。前記光反射層12の形成には、上述の真空蒸着法、スパッタリング法等の公知の薄膜形成技術を用いることができる。
本発明のセキュリティーシート1では、基材11の前記固体化液晶層14が形成された面とは反対側に粘着あるいは接着加工を施すことができる。粘着材としては一般的な材料を用いることが出来、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系等の粘着材を単独、もしくはアルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリル等に代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加したものを用いることができる。粘着層の形成には公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法等の塗布方法を用いることができる。一般的には、粘着材を予めセパレーターに形成したものを準備しておき、本発明のセキュリティーシートへセパレーターを剥がして貼り合わせて転写しても良い。また粘着加工を施したセキュリティーシートの取り扱いを容易にするため適宜離型処理を行った離型紙や離型フィルムを粘着層の上に設置する。
以下、本発明の実施例について説明する。
厚さ25μmのポリエチレンナフタレートからなる基材11に真空蒸着法を用いて、光反射層12として厚さが50nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次に、液晶配向層13を形成すべく、バーコート法を用いて、光反射層12の上に配向層用塗料を塗布した。この塗膜は、乾燥膜厚が3μmとなるように形成した。塗膜を100℃で2分間の乾燥に供した後、この塗膜にラビング処理を施した。
この配向層用塗料の組成を以下に示す。
PVA樹脂(商品名:ポバール117 株式会社クラレ製) 10重量部
水 85重量部
イソプロピルアルコール 5重量部
続いて液晶配向層13上に固体化液晶層14用の塗料をバーコート法により塗布した。この塗膜は乾燥膜厚が1μmになるように形成した。塗膜を50℃で3分間乾燥させた後、所定のパターンを露光して潜像を形成した。その後、相転移温度以上の100℃に加熱した基材に高圧水銀灯から全面を紫外線照射し硬化させ、固体化液晶層14を形成した。
この固体化液晶層用塗料の組成を以下に示す。
液晶(商品名:UCL−008 DIC株式会社製) 30重量部
反応開始剤(商品名:イルガキュア−184 チバ・ジャパン株式会社製)3重量部
シクロヘキサノン 67重量部
以上のようにして、セキュリティーシート1を製造した。
このように得られたセキュリティーシート1は、目視では潜像画像が全く視認できないが、直線偏光フィルム16を観察者側から見て時計回りに45°回転させることにより、配向した潜像部分15による画像が鮮明に出現し、潜像画像を確認することができた。
1・・・・偽造防止を施したセキュリティーシート
11・・・基材
12・・・光反射層
13・・・液晶配向層
14・・・固体化液晶層
15・・・配向した潜像部分
16・・・偏光フィルム

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材に支持された固体化液晶層と、を具備し、
    前記固体化液晶層に、メソゲン基の配向の程度の違いに起因した位相差の有無または大小による潜像が形成されることを特徴とするセキュリティーシート。
  2. 前記固体化液晶層の前記基材側の下層には液晶配向層が形成されることを特徴とする請求項1記載のセキュリティーシート。
  3. 前記固体化液晶層の前記基材側の最下層には光反射層が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のセキュリティーシート。
  4. 前記基材が、紙またはプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセキュリティーシート。
  5. 前記固体化液晶層が、全面にわたって膜厚が略同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセキュリティーシート。
  6. 前記固体化液晶層の形成工程が、
    前記基材上に、光重合性または光架橋性を有するサーモトロピック液晶化合物のメソゲン基が配向構造を示す液晶材料層を形成する工程と、
    前記液晶材料層の面内場所によって異なる光照射量を与えるように選択的に露光して、一部を重合および/または架橋させ、前記液晶材料層の面内で、前記サーモトロピック液晶化合物の未反応化合物の含有率の濃淡を生じさせる工程と、
    その後、前記液晶材料層を前記サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度以上に加熱して、前記液晶材料層の面内で、前記未反応化合物の濃淡に応じて前記メソゲン基の配向の程度を低下させる工程と、
    前記配向の程度を低下させたまま前記未反応化合物を重合および/または架橋させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセキュリティーシートの製造方法。
  7. 前記液晶材料層を形成する工程が、均一な厚さを有する連続膜として塗布することを特徴とする請求項6記載のセキュリティーシートの製造方法。
  8. 前記サーモトロピック液晶化合物は前記相転移温度よりも高い重合温度および/または架橋温度以上に加熱することによって重合および/または架橋する材料であり、
    前記液晶材料層の面内で、前記サーモトロピック液晶化合物の未反応化合物の含有率の濃淡を生じさせた後に、前記液晶材料層を前記重合温度および/または架橋温度以上の温度に加熱することによって、前記未反応化合物を液晶相から等方相へと変化させるとともに、重合および/または架橋させることを特徴とする請求項6または7記載のセキュリティーシートの製造方法。
  9. 前記固体化液晶層を形成する前に光反射層を形成することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のセキュリティーシートの製造方法。
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