JP2011059246A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置内の現像剤量に応じて現像剤排出口近傍で滞留する現像剤の嵩が変動するものであり、装置内の現像剤量が増加したときには増加した分の現像剤を排出する現像装置で、トナー濃度検知手段付近の現像剤の密度低下によるトナー濃度検知手段の検知誤差を小さくできる現像装置並びにこの現像装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】供給搬送路内供給下流端の近傍で滞留させた現像剤を通過させるように設けられ現像剤排出口と、排出された現像剤を外部に搬送する排出搬送路と、トナー濃度検知手段と、現像剤量検知手段とを有し、該現像剤量検知手段が現像剤量が所定量より少ないと検知した場合に、排出搬送路から現像剤搬送路に戻す。
【選択図】図19

Description

本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置、並びにこれを用いた画像形成装置に関するものである。
従来から、トナーと磁性キャリアとを含む二成分の現像剤を用いた現像装置を備える画像形成装置が広く用いられている。この種の画像形成装置として、現像に伴ってトナーを消費する現像装置内の現像剤に対して、必要に応じてトナー収容器からトナーを補給することで、現像剤のトナー濃度を所定範囲内に維持するものがある。かかる構成では、現像剤内のキャリアは殆ど消費されず繰り返し使用されるため、画像を出力するにしたがってキャリアが劣化する。具体的には、機械的なストレスなどでキャリア表面のコーディング膜が削れたり、キャリア表面にトナーの成分がスペントしたりする。具体的には、機械的なストレスなどでキャリア表面のコーティング膜が削れたり、キャリア表面にトナーの成分がスペントしたりする。キャリアが劣化すると、キャリアのトナーを帯電させる能力が徐々に低下し、地肌部汚れ、画像濃度低下、画像濃度ムラ等の異常画像やトナー飛散などの不具合を引き起こす。このため、この種の画像形成装置では定期的にサービスマンがユーザーを訪問してキャリアの交換を行っていた。このために、メンテナンス費用がかかり画像形成の単価が高くなってしまっていた。
これに対処すべく、現像装置内へのキャリアの補給と、補給したキャリア量に相当する現像剤の排出により、現像器内の現像剤を少しずつ新たなものに入れ替えていく方法が多く採用される。例えば、特許文献1では、キャリア専用の補給容器からキャリアを補給するようにしている。また、特許文献2では、現像剤溢出口の開閉蓋があり、現像剤状態の検出結果に基づき開閉蓋を開閉して、排出量を調整するものが記載されている。しかしながら、特許文献1では専用のスペースが必要になる。また、特許文献2では、排出用の制御が必要になる。
これに対して、特許文献3に開示のものがある。これは、キャリアを補給用のトナーに混合してトナー濃度の高い補給用現像剤として、トナーの補給に応じてキャリアを補給するものであり、排出では、現像剤量の増減で現像剤面の高さが変化し、排出口の高さに到達した現像剤があふれ出るようにしたものである。この例ではキャリア専用の収容体が不要なため省スペース化の妨げにならない。また、補給及び排出に関する専用の制御が不要となる。
しかしながら、特許文献3のように現像剤排出口の高さに到達した現像剤が自然に現像剤排出口から排出されるものでは、現像剤量が増加していなくても現像剤が排出されることがあった。現像剤搬送路内を搬送される現像剤はその搬送される勢いや、現像剤に搬送力を与える搬送部材が搬送スクリュの場合はその回転する力によって飛び跳ねて現像剤が排出されることがある。
このように、現像剤が飛び跳ねて排出される場合、現像装置内の現像剤が適正な量の状態や、適正な量を下回る状態であっても、飛び跳ねた現像剤が排出されるおそれがある。これは、現像装置内の現像剤量が増加していないにもかかわらず現像剤が排出される状態である。そして、現像剤が適正な量以下の状態であるにもかかわらず現像剤排出口から現像剤が排出されると、現像装置内の現像剤量が必要量を下回り、潜像担持体への現像剤の供給が不安定になるおそれがあった。
潜像担持体への現像剤の供給が不安定になると、画像抜けなどの異常画像が発生するおそれがある。その対処として、現像剤排出口近傍で現像剤を滞留させることにより、現像剤が飛び跳ねて排出されることを防止できるようにしたものが提案されていて、現像剤劣化による異常画像の発生やトナー飛散などの不具合を抑制している。
ところで、二成分現像装置ではトナー濃度制御も異常画像の発生やトナー飛散などの不具合を抑制するために重要である。現像剤中におけるトナーとキャリアとの比率(例えば重量比)を示すトナー濃度が高すぎると、形成した画像中に地肌汚れが発生したり、細部解像力の低下が生じたりする。一方、トナー濃度が低くなると、ベタ画像部の濃度が低下したり、潜像担持体へのキャリア付着が発生したりする。そのため、現像装置内における現像剤中のトナー濃度を検知してトナー補給動作を制御し、現像剤中のトナー濃度が常に適正範囲内となるようにトナー濃度制御を行うことが重要となる。
トナー濃度を検知する方法としては、一般に、現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検知する方法が用いられる。この方法の代表的な例としては、透磁率センサ(検出手段)を用いたものが挙げられる。透磁率センサは、その検出領域内に存在する現像剤中の磁性キャリアの磁気特性を電気信号(周波数、電圧等)としてとらえて出力するものである。透磁率センサの出力値は、実用的トナー濃度範囲内では、検出領域内に存在する磁性キャリアの量の増加に応じて単調減少するので、この出力値に基づいて現像剤中のトナー濃度を検知することができる。
ただし、現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検出する方法により現像剤中のトナー濃度を検知する場合、検出領域内の現像剤密度が変化したり、現像剤の流動性が変化したりすると、同じトナー濃度でも透磁率センサの出力値が変化し、透磁率センサの出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度からズレてしまう。
このような問題を改善する現像装置として、特許文献4には、トナー濃度センサの設置位置及びその近傍領域における現像搬送路の断面積を、現像装置の天板を下げることにより、それ以外の現像剤搬送路の断面積に比べ小さくすることで、現像剤密度の変動を低減するものが提案されている。この方法は、現像剤の排出がない従来の現像装置のように、現像装置内の現像剤量が大きく変わらない範囲で、トナー濃度変化や温湿度変化、あるいは放置などによって、現像剤の嵩密度が変化し、それによるトナー濃度検知領域内の現像剤密度が変化する場合には有効であった。
しかし、現像剤の排出がある場合は、上述方法のようにして現像剤が異常排出しないようにしても、現像剤排出がない現像装置よりも現像剤量が少なくなることがある。さらに、キャリアがトナー補給に応じて補給される場合は、急激に現像剤量を増やすことができない。このような場合には、特許文献4のようにトナー濃度検出手段近傍の現像剤搬送路の断面積を小さくするだけでは、現像剤密度を上げられない場合があり、検知手段が示すトナー濃度と実際のトナー濃度のズレを小さくできない。
特許文献5では現像剤の排出がある現像装置でトナー濃度検知手段の検知誤差を少なくする方法として、トナー濃度センサのセンサ面が全て現像剤に覆われるように、排出口設置位置をセンサ面より高い位置に設定している(特許文献5の図3等参照)。しかし、センサ面が現像剤で覆われていても、現像剤密度が低い場合は誤差が大きくなりやすい。また現像剤高さは現像装置内の位置により変動するため、排出面がセンサより高い位置に設置されていても、センサ面全てが現像剤で覆われない場合がある。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、その目的は、キャリアの補給と現像剤の排出がある現像装置で、トナー濃度検知手段付近の現像剤の密度低下によるトナー濃度検知手段の検知誤差を小さくできる現像装置並びにこの現像装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、現像剤を表面に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、現像剤を搬送する現像剤搬送部材を備え、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給領域では該現像剤担持体に現像剤を供給しながら現像剤を搬送する現像剤搬送路と、現像剤の搬送路全体の現像剤量の増減に応じて現像剤面の高さが増減する現像剤搬送路内の箇所の所定の高さに設けられ、現像剤を現像剤搬送路から排出する現像剤排出口と、前記現像剤排出口から排出した現像剤を現像装置外部に搬送する排出搬送路とを有する現像装置において、前記搬送路中に配設されて現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、前記トナー濃度検知手段の上流側で直前部位に配設されて、現像剤の搬送路全体の現像剤量を検知する現像剤量検知手段と、を有し、前記現像剤量検知手段が現像剤量が所定量より少ないと検知した場合に、前記排出搬送路から現像剤を排出し前記現像剤搬送路に戻す手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記現像剤量検知手段は、請求項1に記載の現像装置において、現像剤量の増減に応じて現像剤面の高さが変動する部位に所定高さ位置に配設されて、現像剤面の高さから現像剤の搬送路全体の現像剤量を検知することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、前記排出搬送路中の現像剤を前記現像剤排出口を通じて前記現像剤搬送路に排出し戻すことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、前記排出搬送路に前記現像剤量検知手段の検知結果に応じて開閉し、現像剤搬送路に通じる開口部を有し、該開口部を通じて前記現像剤搬送路に排出現像剤を戻すことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の現像装置において、前記開口部に続く連通路の前記現像剤搬送路への開口部の近傍に前記トナー濃度検知手段が設置されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の現像装置において、前記現像剤搬送路は、連通した複数の現像剤搬送路でなり、前記現像剤排出口と前記トナー濃度検知手段とが夫々に異なる現像剤搬送路に位置することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の現像装置において、前記現像剤搬送路は、現像剤担持体に現像剤を供給しながら現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送する供給搬送路と、前記供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を前記供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、前記潜像担持体と対向する箇所を通過後の前記現像剤担持体の表面上から離脱した現像剤を回収して前記現像剤担持体の軸線方向に沿って、かつ、前記供給搬送路と同方向に搬送する回収搬送路とを有し、前記循環搬送路は、前記供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された現像剤と、前記回収搬送路の搬送方向の最下流まで搬送された現像剤の供給を受け、前記現像剤担持体の軸線方向に沿って、かつ、前記供給搬送路とは逆方向に現像剤を搬送して前記供給搬送路の搬送方向上流端に供給することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の現像装置において、前記排出搬送路に所定量以上の現像剤が存在するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項4乃至8のいずれか一項に記載の現像装置において、前記排出搬送路の底面が、排出剤搬送スクリュの径より深く形成され、当該底面に前記開口部が配設されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の現像装置において、前記現像剤搬送路の現像剤が前記排出口から前記排出搬送路に排出されていない場合は、前記排出搬送路の搬送手段が停止し現像剤を現像装置外に排出搬送しないことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の現像装置において、当該現像装置の現像剤補給手段に供給される現像剤が、補給用トナーにキャリアが混合した現像剤であり、補給用現像剤収容体から排出供給されるものであることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、前記潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、前記静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、前記現像手段として、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、排出搬送路に存在する排出剤を現像剤搬送路へ戻すことにより、キャリアのみの補給量と現像剤排出量を制御する手段がない場合でも、現像装置内の現像剤量が少ないときに現像剤量を増やすことができ、現像剤搬送路内の現像剤量の低下によるトナー濃度検知手段の誤検知を防止することができる。
本発明の実施形態に係る複写機の概略構成図である。 現像装置及び感光体の概略構成図である。 現像装置の攪拌搬送路及び排出搬送路の搬送方向下流端近傍の拡大模式図である。 現像装置の攪拌搬送路及び排出搬送路の搬送方向下流端近傍の拡大模式図である。 現像剤の流れを説明する現像装置の斜視断面図である。 現像装置内の現像剤の流れの模式図である。 現像装置の断面説明図である。 図6とは異なる形状の現像装置内の現像剤の流れの模式図である。 現像装置の外観斜視図である。 現像装置の供給搬送路の搬送方向下流端近傍の拡大模式図である。 現像装置から攪拌スクリュ、回収スクリュ、及び、ドクタブレードを取り外した状態の手前側端部近傍の斜視説明図である。 図11に示す現像装置から供給スクリュを取り外した状態の手前側近傍の斜視説明図である。 図12に示す現像装置から現像ローラを取り外した状態の手前側近傍の斜視説明図である。 図13に示す現像装置を図13とは異なる方向から見た斜視説明図である。 現像剤量が少ない状態の現像装置の断面説明図である。 現像剤量が少ない状態の現像装置の側方断面説明図である。 現像剤量が多い状態の現像装置の断面説明図である。 現像剤量が多い状態の現像装置の側方断面説明図である。 現像装置の攪拌搬送路及び排出搬送路の搬送方向下流端近傍の拡大模式図である。 本発明に係る現像装置の現像剤量とトナー濃度検知手段出力電圧をグラフで示した図である。 本発明に係る現像装置における通紙実験の結果をグラフで表した図である。 本発明に係る現像装置における通紙実験の結果をグラフで表した図である。 本発明に係る現像装置における通紙実験の結果をまとめた表1である。 供給搬送路の搬送方向下流端の排出口近傍を拡大して示す拡大模式図である。 供給搬送路の搬送方向下流端の排出口近傍を拡大して示す拡大模式図である。 第2実施形態において現像剤量が少ない状態の現像装置の断面説明図である。 本発明に係る現像装置における通紙実験の結果をグラフで表した図である。 本発明に係る現像装置における通紙実験の結果をグラフでまとめた図である。 本発明に係る現像装置における通紙実験の結果をまとめた表2である。 変形例にかかる現像装置及び感光体の概略説明図である。
本願発明は、現像装置内の現像剤量に応じて現像剤排出口近傍で滞留する現像剤の嵩が変動するものであり、装置内の現像剤量が増加したときには増加した分の現像剤を排出する現像装置を前提としており、各発明に共通する特徴は、排出搬送路に存在する現像剤(排出剤)を現像剤搬送路に戻すようにしている点である。
排出搬送路に存在する現像剤を現像搬送路に戻すことにより、現像搬送路の現像剤量が増え、トナー濃度検出手段近傍の現像剤量も増えて、現像剤密度を高めることができるため、トナー濃度検出手段のトナー濃度検知誤差を小さく抑えることができる。また、排出剤を戻すようにしているため、現像剤搬送路内の現像剤量を増やすための専用のキャリアあるいは現像剤を用意する必要がなく、これを収容するスペースも必要ない。
また現像剤搬送路の現像剤量を増やすためにキャリアを補給する場合は、現像剤搬送路内の現像剤のトナー濃度が確実に低下するため、トナーを補給してトナー濃度を調整する必要がある。しかし、本願発明では排出剤を戻すようにしているため、トナー濃度の変化を小さく抑えることができる。そのためトナー濃度調整が必要ないか、あるいはキャリアを追加するよりも短い時間で、トナー濃度調整ができる。
現像剤搬送路に排出剤を戻すためには、排出搬送路内に現像剤が存在することが必要である。さらに、排出搬送路に所定量以上の現像剤が存在することがより好ましい。トナー濃度検知手段近傍の現像剤量が少ないと判断された場合、現像剤量が十分と判断されるまでには、現像装置の大きさなどにより所定量の追加が必要となる。排出剤が少しでも現像搬送路に戻れば、戻った量に応じてトナー濃度検知手段近傍の現像剤量も増えるため、トナー濃度検知誤差は排出剤を戻さない場合に比べると小さくなる。
さらに排出搬送路に所定量以上の現像剤が存在すれば、トナー濃度検知手段近傍の現像剤を確実に十分な量にすることができ、トナー濃度検知誤差を少なく抑えることができる。
本発明において、現像剤の劣化を抑制するために補給するキャリアは、補給用トナーに混合された状態でトナーの補給量に応じて、現像剤搬送路内に補給されることが好ましい。これにより、補給キャリア専用の収容体やこれを配置するスペースを設ける必要がなくなる。また、トナー補給と別の制御を設ける必要もない。
しかし、キャリア補給量はトナー補給量よって決まり、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量の減少に対して必要なキャリア量が直ちに補給されるものではないため、トナー濃度検知誤差が生じる機会が多くなりやすい。したがって本発明は、このような現像装置に特に有効であり、補給キャリアまたは現像剤専用のスペースを設けることなく、トナー濃度検出手段近傍の現像剤量の減少に瞬時に対応でき、いつでもトナー濃度検知誤差が小さい状態にしやすい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機500」という)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機500の概略構成図である。複写機500はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y、M、C、Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY、M、C、Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y、M、C、Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θ レンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18Y、M、C、Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
以下、イエロー用のプロセスカートリッジ18について説明する。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。これにより、照射部(露光部)の感光体1Yの表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M、C、Kについても同様である。
次に、中間転写ユニットについて説明する。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y、M、C、Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y、M、C、Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y、M、C、Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体1と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M、C、K用の感光体1M、C、K上に形成されたM、C、Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録体たる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
次に、二次転写装置22について説明する。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。
この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
複写機500本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙を給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、給紙路46内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。
これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。
このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。
ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着せしめられる。
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の二次転写ニップに戻されるかする。
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y、M、C、K内の各機器や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y、M、C、K上に、Y、M、C、Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて反転給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送される。
このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
複写機500は、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体1Y、M、C、Kを接触させる。
これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面をY、M、C用の感光体1Y、M、Cから離間させる。そして、4つの感光体1Y、M、C、Kのうち、K用の感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。
この際、Y、M、Cについては、感光体1だけでなく、現像装置4も駆動を停止させて、感光体1や現像装置4の各部材及び現像装置4内の現像剤の不要な消耗を防止する。
複写機500は、複写機500内の各機器の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
図2は、4つプロセスカートリッジ18Y、M、C、Kのうちの1つが備える現像装置4及び感光体1を示す拡大構成図である。4つのプロセスカートリッジ18Y、M、C、Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっているので、同図では「4」に付すY、M、C、Kという添字を省略している。
図2に示すように感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体1の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光により静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
本実施形態の特徴部である現像装置4は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体1の表面の潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ5を有している。現像ローラ5は回転可能な現像スリーブを備え、その内部に複数の磁極からなる不図示の磁性体が配置されている。磁性体は現像ローラ5の表面上で現像剤を保持するために必要である。
また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら現像ローラ5の軸線方向に沿って図2の奥方向に現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュ8を有している。
現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制手段としてのドクタブレード12を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像領域よりも表面移動方向下流側では、現像領域を通過し、現像ローラ5の表面から離脱した現像済みの現像剤を回収する回収搬送路7が現像ローラ5と対向する。回収搬送路7は、回収した回収現像剤を現像ローラ5の軸線方向に沿って供給スクリュ8と同方向に搬送する回収搬送部材として、軸線方向に平行に配置されたらせん状の回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた供給搬送路9は現像ローラ5の横方向に、回収スクリュ6を備えた回収搬送路7は現像ローラ5の下方に並設されている。
なお、現像ローラ5からの現像剤の離脱は、先に述べた現像スリーブ内部にある磁性体を、離脱させたい箇所のみ磁極がない状態に設定することにより、現像剤の分離・離脱を可能としている。また、離脱させたい箇所に反発磁界が形成されるような磁極配置の磁性体を用いてもよい。
現像装置4は、供給搬送路9の下方で回収搬送路7に並列して攪拌搬送路10を設けている。攪拌搬送路10は、現像ローラ5の軸線方向に沿って現像剤を攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向である図中手前側に搬送する攪拌搬送部材として、軸線方向に平行に配置された、らせん状の攪拌スクリュ11を備えている。
そして、図3及び図4の現像装置4の攪拌搬送路10及び排出搬送路2の搬送方向下流端の排出口近傍を拡大して示す拡大模式図に示すように、撹拌搬送路10の下方には、トナー濃度検知手段60が設けられている。また、トナー濃度検知手段60の上流側には現像剤量検知手段61が設けられ、現像剤面の高さから現像剤量が十分か、あるいは足りないかを判断している。
現像容器中の二成分現像剤のトナー濃度変化を見かけ透磁率変化として検知する現像剤量検知手段61やトナー濃度検知手段60及び濃度制御装置としては、従来さまざまな方式の物が提案され実用化されている。詳しい説明は省略するが、例えば、現像剤担持体あるいは現像容器の現像剤搬送経路に近接し、現像スリーブ上に搬送された現像剤あるいは現像容器内の現像剤に光を当てたときの反射率が、トナー濃度により異なることを利用して、トナー濃度を検知し制御する現像剤濃度制御装置、あるいは現像器の側壁に磁性キャリアと非磁性トナーの混合比率による見かけの透磁率を検知して電気信号に変換するインダクタンス検知センサを設置し、このインダクタンス検知センサからの検出信号によって現像器内の現像剤のトナー濃度を検知している。
このトナー濃度の検知結果は、現像器に補給するトナー量を制御するため等に、使用されていて、本実施形態にも採用できる。
供給搬送路9と攪拌搬送路10とは仕切り壁としての第一仕切り壁133によって仕切られている。第一仕切り壁133の供給搬送路9と攪拌搬送路10とを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが連通している。
なお、供給搬送路9と回収搬送路7とも第一仕切り壁133によって仕切られているが、第一仕切り壁133の供給搬送路9と回収搬送路7とを仕切る箇所には開口部を設けていない。
また、攪拌搬送路10と回収搬送路7との2つの現像剤搬送路は仕切り部材としての第二仕切り壁134によって仕切られている。第二仕切り壁134は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路10と回収搬送路7とが連通している。
現像剤搬送部材である供給スクリュ8、回収スクリュ6及び攪拌スクリュ11は樹脂もしくは金属のスクリュからなっており各スクリュ径は全てφ22[mm]でスクリュピッチは供給スクリュが50[mm]の2条巻き、回収スクリュ6及び攪拌スクリュ11が25[mm]の1条巻き、回転数は全て約600[rpm]に設定している。なお、排出搬送路2の排出搬送部材である後述する排出スクリュ2aも略同様に構成されている。
現像ローラ5上にステンレスからなるドクタブレード12によって薄層化された現像剤を感光体1との対抗部である現像領域まで搬送し現像を行う。現像ローラ5の表面はV溝あるいはサンドブラスト処理されておりφ25[mm]のAlもしくはSUS素管からなり、ドクタブレード12及び感光体1とのギャップは0.3[mm]程度となっている。
現像後の現像剤は回収搬送路7にて回収を行い、図2中の断面手前側に搬送され、非画像領域部に設けられた第一仕切り壁133の開口部で、攪拌搬送路10へ現像剤が移送される。なお、攪拌搬送路10における現像剤搬送方向上流側の第一仕切り壁133の開口部の付近で攪拌搬送路10の上側に設けられた、後述するトナー補給口95から攪拌搬送路10にトナーが供給される。
次に、3つの現像剤搬送路内での動作時における基本となる現像剤の循環について説明する。
図5は現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置4の斜視断面図である。図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。また、図6は、現像装置4内の現像剤の流れの模式図であり、図5と同様、図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
攪拌搬送路10から現像剤の供給を受けた供給搬送路9では、現像ローラ5に現像剤を供給しながら、供給スクリュ8の搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ5に供給され現像に用いられず供給搬送路9の搬送方向下流端まで搬送された余剰現像剤は第一仕切り壁133の余剰開口部92より攪拌搬送路10に供給される(図6中矢印E)。
一方、現像ローラ5に供給された現像剤は現像領域で現像に用いられた後、現像ローラ5から分離・離脱して、回収搬送路7に受け渡される。現像ローラ5から回収搬送路7に受け渡され、回収スクリュ6によって回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は第二仕切り壁134の回収開口部93より攪拌搬送路10に供給される(図6中矢印F)。
そして、攪拌搬送路10は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュ11の搬送方向下流側であり、供給スクリュ8の搬送方向上流側に搬送し、第一仕切り壁133の供給開口部91より供給搬送路9に供給される(図6中矢印D)。
攪拌搬送路10では攪拌スクリュ11によって、回収現像剤、余剰現像剤及び移送部で必要に応じて補給されるトナーを、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で供給開口部91によって連通している供給搬送路9の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。なお、攪拌搬送路10の下方には、前述した現像剤量検知手段61としての透磁率センサが設けられ、センサ出力により不図示のトナー補給制御装置を作動し、不図示のトナー収容部からトナー補給を行っている。
図6に示す現像装置4では、供給搬送路9と回収搬送路7とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が供給搬送路9に混入することがない。このため、供給搬送路9の搬送方向下流側ほど現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収搬送路7と攪拌搬送路10とを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。
これにより、十分に攪拌がなされた現像剤が供給搬送路9に供給されるため、供給搬送路9に供給される現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。このように、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給搬送路9内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
なお、図6に示すように、現像装置4の下部から上部への現像剤の移動は矢印Dのみである。矢印Dで示す現像剤の移動は、攪拌スクリュ11の回転で攪拌搬送路10の下流側に現像剤を押し込むことによって、現像剤を盛り上がらせて供給搬送路9に現像剤を供給するものである。
このような現像剤の移動は、現像剤に対してストレスを与えることになり、現像剤の寿命低下の一因となる。このような、現像剤を下方から上方に持ち上げる際に現像剤にストレスがかかり現像剤中のキャリアの膜削れやトナーのスペント化がその個所で発生し、それに伴い画像品質の安定性が保たれなくなってしまう。よって、矢印Dで示す現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することで現像剤の長寿命化を図ることが出来る。現像剤の長寿命化を図ることにより、現像剤の劣化を防止して常に画像濃度ムラの無い画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
本実施形態の現像装置4では、図2に示すように、供給搬送路9を攪拌搬送路10の斜め上方になるように配置している。斜め上方に配置することにより、供給搬送路9を攪拌搬送路10の垂直上方に設け現像剤を持ち上げるものに比べて、矢印Dで示す現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することができる。
さらに、現像装置4では、供給搬送路9と攪拌搬送路10とを斜めに配置することで、図2に示すように、攪拌搬送路10の上部壁面が供給搬送路9の下部壁面よりも高い位置となるように配置している。
供給搬送路9を攪拌搬送路10に対して垂直上方に持ち上げることは、重力に逆らって現像剤を攪拌スクリュ11の圧によって持ち上げるので現像剤にストレスがかかる。一方、攪拌搬送路10の上部壁面が供給搬送路9の下部壁面よりも高い位置となるように配置することで、攪拌搬送路10の最高点に存在する現像剤が供給搬送路9の最下点に重力に逆らわず流れ込むことができるので、現像剤にかかるストレスを低減することができる。
なお、攪拌搬送路10の現像剤搬送路下流側の、攪拌搬送路10と供給搬送路9とが連通している部分の攪拌スクリュ11の軸にフィン部材を設けても良い。このフィン部材は攪拌スクリュ11の軸方向に平行な辺と、攪拌スクリュの軸方向に直交する辺とから構成される板状の部材である。このフィン部材で現像剤を掻き上げることにより、攪拌搬送路10から供給搬送路9へ、より効率的な現像剤の受渡しを行うことができる。
また、現像装置4では、現像ローラ5と供給搬送路9との中心間距離Aが、現像ローラ5と攪拌搬送路10との中心間距離Bよりも短くなるように、供給搬送路9と攪拌搬送路10とを配置している。これにより供給搬送路9から現像ローラ5に現像剤を無理無く供給することができ、装置の小型化を図ることもできる。
また、攪拌スクリュ11は、図2中の手前側から見て反時計回り方向(図中矢印C方向)に回転しており、現像剤は攪拌スクリュ11の形状に沿って現像剤を持ち上げて供給搬送路9に移送させている。これにより、現像剤を効率良く持ち上げることが可能となり現像剤にかかるストレスもより低減することができる。
図7は、現像装置4の供給スクリュ8の回転中心における断面を図5中の矢印J方向から見た断面説明図である。図中Hは、現像剤担持体である現像ローラ5が、潜像担持体である感光体1にトナーを供給する現像領域を示している。この現像領域Hの現像ローラ5の回転軸の軸線方向の幅が現像領域幅αである。
図7に示すように、現像装置4は攪拌搬送路10から供給搬送路9に現像剤を持ち上げる箇所である供給開口部91と、供給搬送路9から攪拌搬送路10に現像剤を落下させる余剰開口部92とがともに現像領域幅α内に設けられている。
図8は、図6とは異なる構成の現像装置4内の現像剤の流れの模式図である。
図8に示す現像装置4は、供給開口部91と余剰開口部92とを現像領域幅αの外側に設けている。供給開口部91を現像領域幅αの外側に設けているため、供給搬送路9の搬送方向上流側は現像ローラ5よりも供給搬送路9上流側領域β分長くなっている。また、余剰開口部92を現像領域幅αの外側に設けているため、供給搬送路9の搬送方向下流側は現像ローラ5よりも供給搬送路9下流側領域γ分長くなっている。
一方、図6に示す構成の現像装置4では、供給開口部91を現像領域幅α内に設けているため、供給搬送路9の搬送方向上流側は図8の現像装置4よりも供給搬送路9上流側領域β分短くすることができる。また、余剰開口部92を現像領域幅α内に設けているため、供給搬送路9の搬送方向下流側は図8の現像装置4よりも供給搬送路9下流側領域γ分短くすることができる。
このように、図6の現像装置4は供給開口部91と余剰開口部92とを現像領域幅α内に設けているため、図8に示す現像装置4に比べて、現像装置4の上部の省スペース化を図ることが出来る。
次に、現像装置4の供給搬送路9、攪拌搬送路10及び回収搬送路7からなる現像剤搬送路へのトナーを補給する位置について説明する。図9は、現像装置4の外観斜視図である。
図9に示すように、トナーを補給するトナー補給口95を、攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に設けている。このトナー補給口95は現像ローラ5の幅方向端部よりも外側に設けてあるので、現像領域幅αよりも外側となっている。
この、トナー補給口95を設けた箇所は供給搬送路9の搬送方向の延長線上であり、図8における供給搬送路9下流側領域γの空いたスペースに該当する。余剰開口部92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースにトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることが出来る。
また、トナー補給口95としては、攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に限らず、回収搬送路7の下流端部の上方に設けても良い。
さらに、回収搬送路7から攪拌搬送路10へ現像剤の受渡しを行う箇所である回収開口部93の真上にトナー補給口95を設けるようにしても良い。回収開口部93の真上のスペースも余剰開口部92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースであるので、この位置にトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることができる。さらに、受渡し部である回収開口部93では現像剤が混ざりやすいため、この位置で補給を行うことによってより効率よく現像剤の攪拌を行うことができる。
図6を用いて説明した現像装置4のように、攪拌搬送路10の搬送方向下流端から供給搬送路9の搬送方向上流端に現像剤を受け渡す供給開口部91と、供給搬送路9の下流端から攪拌搬送路10の搬送方向上流端に現像剤を受け渡す余剰開口部92とを現像領域幅α内に設けているため、従来の現像装置4に比べて、現像装置4の上部の省スペース化を図ることが出来、現像装置4全体の省スペース化を図ることが出来る。
また、余剰開口部92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースにトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることが出来る。
また、回収搬送路7から攪拌搬送路10への現像剤の受渡し部である回収開口部93の上方からトナー補給を行うことにより、より効率よく現像剤の攪拌を行うことができる。
また、画像形成装置としての複写機のプリンタ部100の現像手段として、現像装置4を備えることにより、装置全体の省スペース化を図ることが出来る。
本実施形態の現像装置4では現像装置4のトナー補給口95からトナーとキャリアとを含む現像剤が補給される。以降、現像装置4に補給されるトナーとキャリアとが混合された現像剤をプレミックストナーと称する。トナー補給口(現像剤補給口)95へは、トナー補給手段である不図示のトナー補給制御装置によって、不図示のトナー収容体内のトナーが補給される。なお、本実施形態では、トナー収容体内にトナーとキャリアを混合したプレミックストナーを収容し、トナー補給量に応じてキャリアを補給するための補給用現像剤を収容する、現像剤収容体を兼ねることができている。
現像剤収容体内のキャリアは現像装置4内の現像剤に用いられるキャリアと同じことが好ましい。これにより補給用現像剤が供給されても、現像器中の現像剤が初期剤の特性を維持しやすく、画質の変化を抑制できる。ちなみに、補給用現像剤中のキャリア濃度としては、1質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%が特に好ましい。1質量%より少ない場合には、現像剤劣化の抑制効果が現われにくく、30質量%を超える場合には現像剤の排出量が多すぎてコストアップにつながる。なお、トナー収容体が現像剤収容体を兼ねない場合には、不図示のキャリア補給制御装置によって、不図示のキャリア収容体内のキャリアがトナー補給口から現像装置4内に補給される。
本実施形態の現像装置4においては、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達した余剰現像剤を供給搬送路9の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路は、攪拌搬送路10である。また、循環搬送路である攪拌搬送路10内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材は、攪拌スクリュ11である。さらに、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に設けられ、通過した現像剤が循環搬送路である攪拌搬送路10に受け渡される循環開口部は、余剰開口部92である。
また、現像装置4は、通過した現像剤が現像装置4の装置外に排出するための現像剤排出口94を供給搬送路9に備える。現像剤排出口94を通過した現像剤は排出搬送路2に受け渡され、排出搬送部材である排出スクリュ2aが回転することによって現像装置4の装置外に搬送され、現像装置4からの排出がなされる。
排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向下流側で排出仕切り壁135を挟んで供給搬送路9と隣り合うように設けられ、現像剤排出口94が設けられている。現像剤排出口94は供給搬送路9と排出搬送路2とを連通するように排出仕切り壁135に設けられた開口である。また、排出搬送路2の底面部から現像剤搬送路である循環搬送路10に連通路を介して通じる開閉を制御された開口部(開閉部)96が設けられている。
図10は、現像装置の供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の拡大模式図である。図10に示すように現像装置4は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達し、循環開口部である余剰開口部92に入らなかった現像剤を、現像剤排出口94の近傍である余剰開口部92の近傍で滞留させる現像剤滞留手段としての供給下流端壁面80を備えている。さらに、現像剤排出口94は、余剰開口部92よりも上方で、且つ、供給下流端壁面80によって滞留した滞留現像剤のうち、現像剤排出口94の位置に達した現像剤を通過させるように設けられている。
言い換えると、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達した現像剤Pのうち、余剰開口部92に入ることができず、余剰開口部92から溢れ出た余剰現像剤が供給下流端壁面80によって塞き止められ滞留現像剤Tとなる。
現像装置4では、現像剤搬送路全体の現像剤量の増減に応じて滞留現像剤Tの嵩が増減するため、現像装置4内の現像剤量が最大となった状態では、滞留現像剤Tの嵩も最大となる。そして、この滞留現像剤Tの嵩が増加したときに、余剰開口部92よりも上方に設けられた現像剤排出口94に到達した現像剤が、矢印Kで示すように現像剤排出口94を通って現像装置4の装置外に排出される。
なお、現像装置4では、現像剤排出口94は滞留現像剤Tの嵩が最大となった際においても現像剤が達しない高さ方向領域が確保されている。すなわち、現像剤排出口94の上端部である排出口上端部には現像剤が達しないように現像剤排出口94の開口高さを設定してある。
滞留現像剤Tの量は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達する現像剤量(図中の矢印L)と余剰開口部92を通過する現像剤量(図中の矢印E)とのバランスによって増減する。現像装置4を駆動している状態では循環に要する量の現像剤Pが常に余剰開口部92を介して供給搬送路9から攪拌搬送路10へ受け渡されている。そして、余剰開口部92を介して供給搬送路9から攪拌搬送路10に受け渡される現像剤量(図6中の矢印E)よりも供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達する現像剤量(図6中の矢印L)の方が多い状態では滞留現像剤Tの量は増加し、逆の状態では滞留現像剤Tの量は減少する。
また、滞留現像剤Tが存在している状態では循環に要する現像剤の必要量は余剰開口部92を介して常に攪拌搬送路10に受け渡される状態であるため、攪拌搬送路10に向かう現像剤量が不足することはない。
すなわち、滞留現像剤Tが存在している状態は、攪拌搬送路10に必要量の現像剤が向かうことで攪拌搬送路10から供給搬送路9へも必要量の現像剤が供給されるため、現像装置4内の現像剤量が必要量を維持している状態である。
また、現像装置4の外に排出される現像剤は滞留現像剤Tのうち現像剤排出口94の位置に達した現像剤であるので、滞留現像剤Tが現像剤排出口94の位置に達しない程度の量になると、現像装置4の外に現像剤が排出されなくなる。このとき、現像装置4の外に現像剤が排出されない状態で滞留現像剤が存在しているため、現像装置4内の現像剤量が必要量を維持した状態となる。
そして、この現像装置4であれば、現像装置4内の現像剤量が増加していない状態で、供給搬送路9内を搬送される現像剤Pが波打ち、部分的に現像剤の嵩が高くなる現象が生じても、現像剤が排出されつづけることを防止することができる。詳しくは、滞留現像剤Tが少量でも増加すると現像剤排出口94の位置に達する状態で、現像剤の嵩が高くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達すると、余剰開口部92を通過する現像剤量を超過した分の現像剤は現像剤排出口94から排出される。しかし、現像剤の嵩が低くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達したときに滞留現像剤Tの量が減少し、滞留現像剤Tが現像剤排出口94の位置に達しない程度の嵩となる。
その後、現像剤の嵩が高くなった部分や低くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達しても、滞留現像剤Tの量(嵩)が増減するだけで、現像剤が排出されなくなる。また、滞留現像剤Tが少量でも増加すると現像剤排出口94の位置に達する状態でなければ、現像剤の嵩が高くなった部分や低くなった部分が供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に到達しても、滞留現像剤Tの量(嵩)が増減するだけで、現像剤は排出されない。
このように、現像剤が排出されつづけることを防止することができるので、現像装置4内の現像剤量が増加していない状態で、供給搬送路9内を搬送される現像剤Pが波打ち、部分的に現像剤の嵩が高くなる現象が生じても、現像装置4内の現像剤量が必要量を維持することができる。このように、現像装置4内の現像剤Pの必要量を確保することができるので、感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができる。これにより、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができ、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
なお、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍とは、例えば、供給搬送路9から攪拌搬送路10へと現像剤が受け渡される現像剤受渡し部と供給搬送路9の搬送方向で同位置となる箇所である。言い換えると、供給スクリュ8による搬送力が終了するところであり、供給下流端壁面80によって現像剤が塞き止められる部分のことである。ここに現像剤排出口94を設けることにより、供給スクリュ8によって搬送された後、供給下流端壁面80によって受け止められ、最終的に滞留した現像剤のうち現像剤排出口94の高さまで到達したものを排出することが可能になる。
図11は、現像装置4から攪拌スクリュ11、回収スクリュ6、及び、ドクタブレード12を取り外した状態の手前側端部近傍の斜視説明図である。また、図12は、現像装置4について図11の状態からさらに供給スクリュ8を取り外した状態の手前側近傍を図12とは異なる方向から見た斜視説明図である。さらに、図13は、現像装置4について図12の状態からさらに現像ローラ5を取り外した状態の斜視説明図である。また、図14は、現像装置4について図13と同じ状態の現像装置4を図5と略同じ方向から見た場合の斜視説明図である。
供給スクリュ8の回転方向は、図2でいうところの右回り(矢印Mの方向)であって、現像ローラ5に対して現像剤を下方から持ち上げて供給する方向に回転している。ここで、供給スクリュ8の回転方向を左回りにし、現像剤を上から振り掛けるようにして現像ローラ5に現像剤を供給すると、現像剤が飛び散りながら現像ローラ5に供給される。一方、供給スクリュ8の回転方向を図2に示すように右回りにすると、現像剤がたまっている供給搬送路9の下方から現像剤を持ち上げるようにして現像ローラ5に現像剤が供給されるようになる。
現像剤が飛び散りながら供給するよりも、下方から持ち上げるようにして供給するほうが現像剤の供給性が安定するため、現像装置4では供給スクリュ8の回転方向を図2でいうところの右回りに設定している。
特に本実施形態の現像装置4のように現像ローラ5に供給した現像剤を供給搬送路9へ戻さず、回収搬送路7へ回収するものでは、現像剤量は供給搬送路9の下流に行くにしたがって減少していく。このため、現像剤がたまっている下方からくみ上げて現像ローラ5に供給するもののほうが現像剤の供給性の面では優れている。
ここで、供給搬送路9内では、搬送されることで供給搬送路9内を移動する勢いや、現像剤搬送スクリュである供給スクリュ8の回転する力によって供給搬送路9内の現像剤は飛び跳ねる。そして、現像剤搬送路のうちの供給搬送路9の所定の高さに現像剤排出口94を設けただけの構成であると、飛び跳ねた現像剤が飛翔して現像剤排出口94を通過して排出されることがある。現像剤が飛び跳ねて排出される場合、供給搬送路9内の現像剤排出口94を設けた位置を搬送される現像剤が適正な量の状態や、適正な量を下回る状態であっても、飛び跳ねた現像剤が排出されるおそれがある。
このように飛び跳ねた現像剤が排出される状態であると、現像装置4内の現像剤が適正な量以下の状態であるにもかかわらず現像剤排出口から現像剤が排出されることがあり、現像装置4内の現像剤量が必要量を下回り、感光体1への現像剤の供給が不安定になるおそれがある。そして、感光体1への現像剤の供給が不安定になると画像抜けなどの異常画像が発生する。
なお、本実施形態のように現像剤排出口94の近傍で現像剤を滞留させることにより、現像剤排出口94近傍で現像剤が飛び跳ねることを防止することが出来る。しかし、現像剤排出口94近傍の現像剤が飛び跳ねることを防止しても、現像剤排出口94から離れた箇所の現像剤が飛び跳ねて、現像剤排出口94から排出されるおそれがある。
このような不具合を防止するために、現像装置4は、現像剤搬送部材である供給スクリュ8が現像剤を搬送するために回転することによって飛翔した現像剤が現像剤排出口94に向かう経路を塞ぐ飛翔現像剤排出防止部材として、ブロック部材3を備えている。
ブロック部材3を備え、供給スクリュ8の搬送動作によって飛翔した現像剤が現像剤排出口94へ向かう経路を塞ぐため、飛び跳ねた現像剤が排出されることを防止し、現像装置4内の現像剤量が増加していないにもかかわらず現像剤が排出されることを防止することができる。このため、現像装置4内の現像剤の必要量を確保することができ、感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができる。これにより、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができ、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
ブロック部材3は、その底面が供給搬送路9の上部に供給スクリュ8の形状に沿ったR形状の樹脂製の部材である。供給スクリュ8の形状に沿ったR形状であることにより、供給スクリュ8全体を覆うようにブロック部材3の底面を全体的に供給スクリュ8に近接させることが可能になる。このため、現像剤の跳ね上げを起こす供給スクリュ8の上方を覆い、供給スクリュ8によって跳ね上げられた現像剤が飛翔して現像剤排出口94に到達することを防止することができる。
また、図14に示すように、供給搬送路9の現像剤排出口94周辺でブロック部材3が突出した形状となっているため、ブロック部材3に対して供給スクリュ8の搬送方向上流側の供給搬送路9よりも、ブロック部材3を設けた箇所の供給搬送路9が狭くなっている。このため、ブロック部材3を設けた位置に対して搬送方向上流側よりも、ブロック部材3を設けた位置の方が供給搬送路9の容量に対する現像剤量が多くなる。そのため、現像剤に対して搬送力の付与が無くなる供給搬送路9の搬送方向下流端部近傍で、ブロック部材3の側壁と、排出仕切り壁135との間に現像剤がせり上がる状態となる。
これにより、供給スクリュ8が現像剤に埋まるような状態となり、供給スクリュ8の回転による現像剤の跳ね上げが抑えられるとともに、供給スクリュ8の羽部の上部が現像剤の剤面から出ているときに発生する供給スクリュ8の跳ね上げによる剤面の変化が現像剤排出口94付近では緩和される。このため、現像装置4内の現像剤の増減に対して感度の良い排出が可能となる。
このようなブロック部材3を備えることで、現像剤の供給により現像装置4内の現像剤量が増加し、供給搬送路9内の現像剤の嵩が上昇した場合、増加した分に相当する現像剤が現像剤排出口94より溢れ出す構成となっている。
図15及び図16は、現像装置4内の現像剤量が少ない状態、すなわち、滞留現像剤が現像剤排出口94の位置に達しない程度の量の状態の現像装置4の現像剤の流れを示す説明図である。図15は、図2と同じ方向から見た供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像装置4の断面説明図であり、図16は、図7と同じ方向から見た側方断面説明図である。図中Pは現像剤を示す。
図15及び図16に示すように、現像装置4内の現像剤量が少ない場合は供給搬送路9から循環搬送路である攪拌搬送路10への現像剤の供給がスムーズに行われる。その結果、供給搬送路9と攪拌搬送路10との境界である第一仕切り壁133に設けられた余剰開口部92で現像剤Pが溢れて滞留現像剤の嵩が増加することがない。このため、現像装置4外へ現像剤Pを排出する現像剤排出口94へ現像剤はほとんど導かれず、現像剤量が少ない状態で現像剤が排出されることを防止することができる。
図17及び図18は現像装置4内の現像剤量が多い状態、すなわち、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の滞留現像剤の嵩が現像剤排出口94の位置に到達した状態の現像装置4の現像剤Pの流れを示す模式的説明図である。図17は、図2と同じ方向から見た供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像装置4の断面説明図であり、図18は、図7と同じ方向から見た側方断面説明図である。
図17及び図18そして先の図3に示すように、現像装置4内の現像剤量が多い場合は、供給搬送路9から攪拌搬送路10へ現像剤Pが移動する余剰開口部92の近傍で現像剤Pが滞留する。その結果、供給搬送路9の搬送方向最下流部の現像剤Pは行き場が無くなり滞留現像剤は上方向に嵩が上昇して行く。そして、現像剤排出口94の高さまで嵩が上昇すると現像剤Pが現像剤排出口94を通過して排出搬送路2へと排出され、排出搬送路2内の排出スクリュ2aによって現像装置4の外部に排出されることになる。
現像装置4は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の滞留現像剤の嵩が現像剤排出口94の高さを越えた場合に、現像剤排出口94の高さまで到達した現像剤を排出するものであるので、現像剤排出口94からの現像剤の排出によって供給搬送路9を搬送する現像剤が不足することを防止することができる。これにより、供給搬送路9から現像ローラ5へ必要量の現像剤を供給することができ、現像ローラ5から感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができる。このため、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができ、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
図16では、現像装置4内の現像剤が少ない状態について説明したが、現像装置4内の現像剤が排出されず、現像剤量が安定した状態では、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に現像剤が滞留した状態となっている。以下、この状態の詳細について説明する。
現像装置4は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で滞留する滞留現像剤の嵩が所定の高さ(現像剤排出口94の高さ)を越えた場合にその一部を排出する構成である。すなわち、現像剤排出口94及び排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の滞留現像剤の嵩が、現像剤排出口94の高さまで到達した現像剤を排出するものである。よって、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に、現像剤排出口94の高さに到達しない程度の嵩で滞留現像剤が存在する状態で現像装置4内の現像量が安定した状態となる。
これは、供給搬送路9を搬送されその搬送方向下流端に到達する現像剤量と、供給搬送路9余剰開口部92を通って攪拌搬送路10に受け渡される現像剤量との均衡により、図25(a)のように供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に現像剤排出口94で排出される高さに到達しない程度の嵩で現像剤が滞留している状態である。
この状態からトナー補給制御装置によってプレミックストナーが供給されて現像装置4内の現像剤量が増加すると、供給搬送路9から攪拌搬送路10に受け渡される現像剤量(図6中の矢印E)よりも、供給搬送路9を搬送されその搬送方向下流端に到達する現像剤量(図6中の矢印L)の方が多くなる。このとき、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍に滞留する現像剤の量が増加し、図25(b)のようにその嵩が上昇する。
これにより、滞留する現像剤の嵩が現像剤排出口94に到達した場合に、その嵩が現像剤排出口94の位置よりも低くなるように滞留する現像剤の一部として、現像剤排出口94に到達した現像剤を排出する。
なお、滞留する現像剤は飛び跳ねにくく、現像装置4内の現像剤量の増減に合わせて現像剤の嵩が変化する。そして、滞留現像剤の嵩が所定の高さ(現像剤排出口94)を越えたときに現像剤を排出することにより、現像装置4内の現像剤量が増加したときに増加量分の現像剤が排出されるため、現像装置4内の現像剤量を精度良く一定の範囲内に維持することができる。
これにより、供給搬送路9を搬送される現像剤量が安定するため、供給搬送路9を搬送する現像剤が不足することを防止することができ、供給搬送路9から現像ローラ5へ必要量の現像剤を供給することができる。このため、現像ローラ5から感光体1に安定した現像剤の供給を行うことができ、感光体1上の静電潜像を良好にトナー像化することができるため、画像抜けなどの異常画像の発生を防止し、良好な画像形成を行うことができる。
また、現像装置4内の現像剤量の変化によって現像剤の嵩が変化する箇所である供給搬送路9の搬送方向下流端近傍であふれた現像剤を、排出仕切り壁135に設けた現像剤排出口94によって現像剤を排出する構成であるため、簡単な構成で精度よく現像装置4内の現像剤を入れ替えることができる。
また、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが供給循環仕切り壁である第一仕切り壁133を挟んで、上下で隣り合うように設けられ、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達した現像剤は、供給搬送路9と攪拌搬送路10とを連通するように設けられた開口である余剰開口部92を通って、攪拌搬送路10へ移動する構成である。そして、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の滞留現像剤の嵩は、供給スクリュ8によってその下流端まで時間当りに搬送される現像剤量と、余剰開口部92を時間当りに通過する現像剤量との差によって変化する。
供給スクリュ8によって搬送される現像剤量または余剰開口部92を時間当りに通過する現像剤量は、現像装置4内の現像剤量の変化によって変わり、現像装置4内の現像剤量が増加すると供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像剤の嵩が上昇するため、簡単な構成で精度よく現像装置4内の現像剤を入れ替えることができる。
現像装置4の排出口開口部である現像剤排出口94と循環開口部である余剰開口部92とは、供給搬送路9の現像剤搬送方向における位置の少なくとも一部が重複する。本実施形態の現像装置4では、図6、図16及び図18に示すように、現像剤排出口94と余剰開口部92とが、供給搬送路9の現像剤搬送方向について同じ位置にある。このような構成により、余剰開口部92の近傍で現像剤を滞留させることで、供給搬送路9から攪拌搬送路10に受け渡す現像剤量と、現像装置4の外に排出する現像剤量のバランスをとることが容易となる。
また、現像剤排出口94は余剰開口部92よりも上方に設けられているため、現像装置4内の現像剤量が適正量である状態では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達した現像剤は、下方にある余剰開口部92のみを通過し、攪拌搬送路10に移動して現像装置4内を循環する。そして、現像装置4内の現像剤量が増加し、搬送方向下流端の滞留現像剤の嵩が上方にある現像剤排出口94の高さまで到達すると、その高さを越える現像剤が現像剤排出口94を通過して、現像装置4の外部に排出される。
この構成では、現像剤排出口94を余剰開口部92よりも上方に配置するという簡易な構成で、攪拌搬送路10に供給すべき現像剤量が攪拌搬送路10に供給されない状態で現像剤が現像装置4の外に排出されることを防止しつつ、現像装置4内の現像剤量が所定量を越えた場合は、装置の外に排出することができる。これにより、余剰開口部92を介して現像剤を循環させつつ、現像剤排出口94で増加した分の現像剤を精度良く排出して現像剤を入れ替える構成を実現することができる。
また、供給搬送路9、攪拌搬送路10及び回収搬送路7を備える一方向循環形態の現像装置4では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達する現像剤は現像に寄与しなかった余剰現像剤である。一方向循環の現像装置4では、この余剰現像剤が滞留する位置で、プレミックストナーの補給によって増加した現像剤を排出することが適している。これは、以下の理由による。
回収搬送路7は、現像ローラ5に担持され現像領域を通過した現像剤を搬送するため、現像装置4内の現像剤量が変化しても回収搬送路7内を搬送される現像剤はほとんど変化せず、現像剤の嵩の上昇によって現像剤を排出することができない。
攪拌搬送路10は、現像装置4内の現像剤量が増加すると、搬送する現像剤量が増加してその嵩も上昇する。しかし、搬送される現像剤の飛び跳ねや搬送量のムラによって、現像剤量が増加しなくても現像剤が排出され、供給搬送路9に必要量の現像剤を受け渡すことができなくなるおそれがある。このため、攪拌搬送路10内での現像剤の嵩の上昇によって現像剤を排出することは不適である。さらに、供給搬送路9の途中で排出する構成も、現像装置4内の現像剤量が増加していなくても、現像剤の嵩が増加することがあり、排出した位置よりも搬送方向下流側で現像剤が不足するおそれがあるので不適である。
このような理由により、一方向循環の現像装置4では、供給搬送路9の搬送方向下流端に到達する現像剤が滞留する位置で、プレミックストナーの補給によって増加した分の現像剤を排出することが適している。
この実施形態では、異常画像が発生するほどの現像剤不足にならなくても、トナー濃度検知手段近傍の現像剤密度が低くなる程度に、現像剤量が減少する場合に、排出剤を排出搬送路2の底面部から現像剤搬送路である循環搬送路10に通じる開閉を制御された開口部96をとおして排出して連通路を落下(降下)させて循環搬送路10に戻すことにより、トナー濃度検知誤差を抑制することができる。
現像装置4は、既に説明したように、分割構成された現像剤搬送路として供給搬送路9と循環搬送路(攪拌搬送路)10を備え、循環搬送路10の上方に供給搬送路9が位置する現像装置で、供給搬送路9の横に排出搬送路2を並設してあり、供給搬送路9下流に現像剤が滞留するようにして、供給搬送路9と排出搬送路2との間の壁面に現像剤排出口94を設けてある。また、先に示した図3あるいは図4の模式図に示されているように、循環搬送路10下流に現像剤が滞留するようにして、撹拌搬送路10の底面には既述したトナー濃度検知手段60が、また、トナー濃度検知手段60の少し上流側の側壁には既述した現像剤量検知手段61を配置してあり、現像剤面の高さから現像剤量が十分か、あるいは足りないかを判断する。
そして、排出搬送路2の底面には開口部(開閉部)96が設置され、現像剤量検知手段96の検知結果に応じて開口部96の開閉を行い、循環搬送路10に排出剤を移す構成としてある。搬送スクリュ2aは現像剤量検知手段96が現像剤量が少ないと検知した場合以外は、現像装置外に搬送するように回転している。また、現像装置内には狙いの画像濃度が得られるように調整された現像剤が入っている。
図3に示されている、撹拌搬送路10の現像剤面が高い状態では、現像剤量検知手段61が現像剤搬送路中の現像剤量は十分にあると判断している。この場合、供給搬送路9の現像剤排出口94から排出搬送路2に排出した現像剤は、搬送スクリュによって現像装置外へと搬送される。
一方、先に示した図4のように撹拌搬送路10の現像剤面が低くなり、現像剤量検知手段61が現像剤搬送路9の現像剤量が少ないと検知すると、現像剤が現像剤搬送路に戻るようになっている。すなわち、排出搬送路2の開口部96が開き、排出剤が現像剤搬送路に流れ込む。図15は、現像剤搬送路に排出剤が流れ込む様子を示している。
こうして、排出剤が現像剤搬送路に流れ込み、現像剤量検知手段61が現像剤搬送路内の現像剤量が十分にあると判断するまで開口部96は開き続け、現像剤搬送路の現像剤量が増える。
そして現像剤搬送路の現像剤量が増え、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量も増えて現像剤量検知手段が現像剤搬送路内の現像剤量が十分にあると検知した場合には開口部を閉じ、図1と同じように排出搬送路2内の排出剤は搬送スクリュによって現像装置外に搬送される。
本実施形態に係る現像装置においては、現像剤搬送路として供給搬送路9と循環搬送路である攪拌搬送路10を備え、現像剤排出口94が供給搬送路にそして現像剤量検知手段(センサ)61は攪拌搬送路10にと配置されている。
このように、現像剤量検知手段61と現像剤排出口94はそれぞれ別の異なる搬送路に配置されることは好ましい。
なぜならば、トナー濃度検知手段60は補給されたトナーが撹拌されて均一になる位置に配置されることが好ましい。この状態のトナー濃度を制御することにより、画像形成に使われる現像剤のトナー濃度を制御しやすく、適正な画像濃度を得やすい。また現像剤排出口94は、画像形成に使われなかった余剰剤や画像形成に使われた後の現像剤が搬送される位置に配置されることが好ましい。これにより、現像剤排出口94から排出される現像剤に、補給されたばかりの劣化していないトナーやキャリアが混入しにくくなり、効率よく現像剤の入れ替えが行われる。
これに比べて、トナー濃度検知手段60と現像剤排出口94が同じ搬送路内に配置された場合には、現像剤が滞留する場所は搬送下流側になりやすいため、それぞれが近い場所に位置するようになる。その結果、余剰剤や画像形成に使われなかった現像剤のトナー濃度を検知して、補給制御が不安定になり狙いの画像濃度を得にくくなる場合がある。また、劣化したトナーや現像剤が現像装置内に残りやすく、キャリアを補給しているが異常画像が発生しやすくなる場合がある。
以上のようにして、現像剤量の増減が生じた際に排出搬送路2からの排出剤補給不足を防ぐことが可能となり、急激な現像剤量変動に対してもトナー濃度検知誤差を低減することが可能となる。
なお、排出搬送路2の搬送スクリュの回転を、現像剤の排出がない場合には止めるように制御しても良い。排出搬送路2の現像剤が少なすぎると、現像剤搬送路に戻すことができる現像剤が少なく、トナー濃度検知手段の検知誤差を十分に小さくするまでに至らない場合もある。一方、排出路の現像剤が多すぎても、現像剤量検知手段により、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量が十分にあると判断されれば、開口部が閉じるため、排出剤が戻り過ぎることがない。
その他、排出搬送路2の構成は、前述したものに限定されない。図19は排出搬送路2の底面を深くし、排出剤搬送スクリュとの間にある程度以上の排出剤が存在できるようにした模式図である。
トナー濃度検知手段近傍の現像剤量が大きく変動するのは、環境変化に伴う帯電量の変化や印刷する画像の面積率の大きな変化により、トナー濃度が急激に変わる場合や、放置後などである。図19のように、予め排出搬送路2に排出剤がある程度以上常に留まるようにしておくことにより、前述のような現像剤量の増減が生じた際に排出搬送路2からの排出剤補給不足を防ぐことが可能となり、急激な現像剤量変動に対してもトナー濃度検知誤差を低減することが可能となる。
[実験]
本発明者らは、これまで説明した第1実施形態の現像装置を、図1の画像形成装置に入れて、トナー収容体が空の現像装置の補給口からトナーにキャリアを混合したキャリア濃度7%の現像剤を補給し、現像剤量とトナー濃度検知手段の出力電圧を測定する実験を行った(実験1)。図20に現像剤量とトナー濃度検知手段出力電圧のグラフを示す。図20のグラフより、同じトナー濃度であっても現像剤量によりトナー濃度検知手段の出力電圧がことなることがわかる。即ちトナー濃度検知誤差を生じないためには所定量以上の現像剤量が必要であることが分かる。
また、基本構成の現像装置に準じた装置数種類について、現像装置の違いに応じて実施例として通紙試験を行い、併せて、実施例装置と一部構成を異ならせた比較例についても同様の通紙試験を行った(実験2)。なお、この場合の画像形成装置では、トナー収容体にはトナーにキャリアを混合したキャリア濃度10重量%の現像剤が充填され、トナー補給制御手段によって、トナーとキャリアが補給されるようになっている。
以下、各実施例と比較例の説明と、それらを用いた通紙試験により得られた結果、評価について説明する。
[実施例1]
実施例1に実装された現像装置の構成は、第1実施形態の現像装置4と同じであり、既述したように分割構成された現像剤搬送路として供給搬送路9と循環搬送路(攪拌搬送路)10を備え、循環搬送路10の上方に供給搬送路9が位置する現像装置で、供給搬送路9の横に排出搬送路2を並設してあり、供給搬送路9下流に現像剤が滞留するようにして、供給搬送路9と排出搬送路2との間の壁面に現像剤排出口94を設けた。また、循環搬送路10下流に現像剤が滞留するようにして、底面にトナー濃度検知手段60を配置し、その少し上流の側壁に現像剤量検知手段61を配置した。
排出搬送路2の底面には開口部が設置され、現像剤量検知手段の検知結果に応じて開口部の開閉を行い、循環搬送路10に排出剤を通じる構成とし、それ以外の排出搬送路2の構成は現像装置4と同じである。
搬送スクリュは現像剤量検知手段が現像剤量が少ないと検知した場合以外は、現像装置外に搬送するように回転している。また、現像装置内には狙いの画像濃度が得られるように調整された現像剤が入っている。
この実施例1の現像装置を図1の画像形成装置に入れて、通紙試験を行い以下の評価を行った。った。なお、この画像形成装置では、トナー収容体にトナーにキャリアを混合したキャリア濃度10重量%現像剤が充填され、トナー補給制御手段によって、トナーとキャリアが補給されるようになっている。
[通紙試験1]
通紙画像として、画像面積率0.5%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色ベタパッチが、A4画像領域内に散らばり、各色の合計画像面積率が5%となる画像が印刷されるようにし、23℃50%の環境下で5千枚通紙した。通紙後の画像形成装置を10℃15%の環境下に12時間以上放置し、そのままの環境下で同じ画像を5千枚通紙した。
[評価内容]
・トナー濃度検知誤差
通紙前及び1000枚通紙ごとに、現像装置内の現像剤のトナー濃度測定値と画像形成装置が検出したトナー濃度を比較した。検出値と測定値との差(検出値−測定値)をトナー濃度検知誤差とした。
・画像濃度
通紙1枚目と通紙1000枚ごとの画像について、1枚につき任意の6箇所の画像濃度を測定した。各画像の6箇所の平均値のうち、最小値と最大値を選び、それぞれについて目標値との差からばらつき範囲を表した。
また、1枚の中の画像濃度ばらつきを、6箇所の値を用いて、((最大値−最小値)/平均値×100)として計算し、頁内ばらつきとして表した。
評価結果を代表してシアン色の評価結果を図21のグラフ及び図23の表1に示す。
通紙環境が変わった後の検知誤差がやや大きいが、画像品質が悪化しないことが判る。
[比較例1]
実施例1の現像装置の現像剤量検知手段をなくす以外は、実施例1と同じ構成の現像装置を用い、実施例1と同じ評価を行った。
評価結果を代表してシアン色の評価結果を図21のグラフ及び図23の表1に示す。
排出剤を現像剤搬送路に戻すことができる実施例1と比べると、検知誤差が大きく、画像品質の安定性も実施例1より劣る。
[実施例2]
現像装置として開口部をトナー濃度検知手段の上流近傍に設置する以外は実施例1と同じ構成の現像装置、及び画像形成装置を用いて、通紙試験2を行い、実施例1と同じ各評価、及び耐久性評価を行った。
[通紙試験2]
通紙画像として、画像面積率0.5%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのベタパッチ各色10個が、A4画像領域内に散らばり、各色の合計画像面積率が5%となる画像が印刷されるようにし、23℃50%の環境下で5千枚通紙した。次いで、シアン色のみ合計画像面積率が50%となるように通紙画像を変更して、5千枚通紙した。
[評価内容]
・耐久性評価
1万枚終了後の帯電量と、40万枚終了後の帯電量を測定し、(40万枚通紙後の帯電量−1万枚通紙後の帯電量)を帯電量変化として表した。
評価結果を代表してシアン色の評価結果を図22のグラフ及び図23の表1中に示す。
画像面積率変化後の検知誤差がやや大きくなるが、画像品質が悪化することはない。また、1枚の中の画像濃度ばらつきが実施例1よりも小さい。現像剤搬送路が3つに分かれ、実施例1の現像装置よりも剤バランスが調整しにくい現像装置であっても、検知誤差が大きくならない現像装置になっていることがわかる。
[比較例2]
実施例2の現像装置の現像剤量検知手段をなくす以外は、実施例2と同じ構成の現像装置を用い、実施例2と同じ評価を行った。
図22のグラフ及び図23の表1中に示した評価結果より、帯電量変化量から、現像剤の劣化が抑えられる現像装置であることがわかる。しかしながら実施例2よりも検知誤差が大きく、画像品質の安定性も実施例2より劣る。
[実施例3]
実施例2と同等の現像装置で、排出搬送路2の底面を排出剤搬送スクリュの径より深くし、排出搬送路2にある程度以上の排出剤が常に留まる構成とし、実施例2と同じ通紙試験とその評価を行った。
評価結果を代表してシアン色の評価結果を図22のグラフ及び図23の表1中に示す。
本実施例では、実施例2のように画像面積率の変化前後での検知誤差が大きくなることがなく、画像品質は安定している。いつでも排出搬送路2に現像剤が存在し、現像剤量検知手段により現像剤量が少ないと検知された場合に、確実に現像剤量を増やすことができているものと推定される。以上説明したように、第1実施形態に係る装置によれば、トナー濃度検知誤差を少なくできる。
第1実施形態のように、現像剤搬送路として、供給搬送路9と循環搬送路10と回収搬送路7を有する場合は、後述するように現像時の画像濃度を一定にしやすい。しかし、搬送路が分かれるほどそれぞれの搬送路内の剤バランスがとりにくくなるため、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量が変動しやすくなる。これにより正確なトナー濃度制御ができなくなれば、狙いと異なる画像濃度で安定してしまう場合がある。したがって、このような搬送路が分かれた現像装置に本発明は特に有効であり、画像1枚の中で搬送方向の上流と下流での画像濃度のばらつきや、多数枚印刷した場合の頁ごとの画像濃度ばらつきなどがなく、適正な画像濃度を安定して得やすい。
現像剤の劣化を抑制するために排出した現像剤を、現像剤搬送路に戻す場合、その量が多すぎると劣化を促進してしまう懸念がある。現像剤搬送路内の現像剤は、現像剤担持体への現像剤供給が不安定にならないように適正量がある。制御手段がなく現像剤が排出されるような現像装置では、現像剤が適正量を下回って画像抜けなどの異常画像が発生しないように、現像剤面の増加以外の理由で現像剤が排出されないように設計されている。このような現像装置でトナー濃度検知手段近傍の現像剤量が少なくなるのは、わずかな現像剤量の減少か現像剤嵩密度の低下が原因である。そのため、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量を増やすために必要な現像剤量は多くない。また、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量少なくなるまで現像剤の嵩密度が変化するのは、環境変化に伴う帯電量の変化や印刷する画像の面積率の大きな変化により、トナー濃度が急激に変わる場合や、放置後などであるが、このような状況はいつでもあるものではない。したがって、劣化を抑制するために排出した現像剤を戻しても、戻す量と戻す回数は少ないため、劣化を促進することはない。
本実施形態に係る現像装置においては、現像剤搬送路として供給搬送路9と循環搬送路である攪拌搬送路10を備え、現像剤排出口94が供給搬送路にそして現像剤量検知手段(センサ)61は攪拌搬送路10にと配置されている。
このように、現像剤量検知手段61と現像剤排出口94はそれぞれ別の異なる搬送路に配置されることは好ましい。
なぜならば、トナー濃度検知手段60は補給されたトナーが撹拌されて均一になる位置に配置されることが好ましい。この状態のトナー濃度を制御することにより、画像形成に使われる現像剤のトナー濃度を制御しやすく、適正な画像濃度を得やすい。また現像剤排出口94は、画像形成に使われなかった余剰剤や画像形成に使われた後の現像剤が搬送される位置に配置されることが好ましい。これにより、現像剤排出口94から排出される現像剤に、補給されたばかりの劣化していないトナーやキャリアが混入しにくくなり、効率よく現像剤の入れ替えが行われる。
これに比べて、トナー濃度検知手段60と現像剤排出口94が同じ搬送路内に配置された場合には、現像剤が滞留する場所は搬送下流側になりやすいため、それぞれが近い場所に位置するようになる。その結果、余剰剤や画像形成に使われなかった現像剤のトナー濃度を検知して、補給制御が不安定になり狙いの画像濃度を得にくくなる場合がある。また、劣化したトナーや現像剤が現像装置内に残りやすく、キャリアを補給しているが異常画像が発生しやすくなる場合がある。
〔第2実施形態〕
次に、排出剤を現像剤排出口から現像剤搬送路へと戻すように構成した、第2の実施形態の現像装置について図を参照して説明する。現像装置全体の概略構成は、前述の第1実施形態の場合と同様であり、全体説明は省略して、以下では相違点について詳述する。
図24及び図25は、現像装置4の現像剤が排出口からあふれ出ている状態を検知するための現像剤量検知手段として排出剤検知手段63を備えた、供給搬送路9の搬送方向下流端の現像剤排出口94近傍を拡大して示す拡大模式図である。なお、図中の斜線部は現像剤排出口94中の現像剤が存在していない部分を示している。また、図には現れないが、供給搬送路9の奥側には、排出搬送路2が平行して配置されていて、現像剤排出口94で連通している。前述したが、現像装置4では、現像剤搬送路全体の現像剤量の増減に応じて滞留現像剤Tの嵩が増減するため、現像装置4内の現像剤量が最大となった状態では、滞留現像剤Tの嵩も最大となる。
なお、現像装置4では図24及び図25に示すように、現像剤排出口94は滞留現像剤Tの嵩が最大となった際においても現像剤が達しない高さ方向領域h1が確保されている。すなわち、現像剤排出口94の上端部である排出口上端部94tには現像剤が達しないように現像剤排出口94の高さ方向における幅である開口高さHを設定している。
本実施形態の場合も、第1実施形態と同様に撹拌搬送路10の下方には、トナー濃度検知手段60と現像剤量検知手段61が設けられている。なお、撹拌搬送路10の現像剤量検知手段61の代わりに供給搬送路9に配設された排出剤検知手段63が、現像剤面の高さから現像剤量が十分か、あるいは足りないかを判断する構成とすることも可能である。
この第2実施形態では、現像剤搬送路の現像剤量が増えると、図24のように現像剤排出口94の近傍でこの排出口下端より現像剤面が高くなるから排出剤検知手段63は排出有り(排出必要)と検知(判定)し、排出搬送路2の排出スクリュ2aを回転し排出剤を現像装置外に搬送していく。
しかし、図25のように現像剤排出口94近傍の現像剤面が現像剤排出口94下端より低くなり、排出剤検知手段63が排出なしと検知した場合には、排出スクリュ2aの回転が止まる。この状態で排出搬送路2に存在する現像剤は、トナー濃度検知手段60の近傍の現像剤量が少ないと検知された場合に、供給搬送路(現像剤搬送路)9に戻すことができる現像剤である。
このようにすると、排出スクリュの回転が止まる直前まで現像剤排出口94からあふれ出ていた現像剤が、確実に排出搬送路2に存在するため、供給搬送路9に戻す現像剤がないという状態にならない。
なお、現像剤量が少ないと判断している間は、排出搬送路2の搬送スクリュ2aは逆回転で現像剤排出口94付近に現像剤が溜まるようになっているため、たとえ、供給搬送路9内の現像剤高さが現像剤排出口94の下端に達したとしても、排出搬送路2側の現像剤によって現像剤排出口94の下端を高くしたような状態になるため、供給搬送路9の現像剤は排出しにくい。そのため、トナー濃度検知手段近傍の現像剤密度を高くしにくい状態である上に、さらに、現像剤量が少なくなってしまうことがない。
現像剤量検知手段として排出剤検知手段63が供給搬送路9の現像剤量が少ないと検知すると、排出搬送路2の搬送スクリュ2aが排出剤を現像装置外に搬送する場合とは逆に回転する。すると排出搬送路2に存在する現像剤は現像剤排出口94付近に溜まり、現像剤面が現像剤排出口94下面より高くなると、上部の現像剤が現像剤排出口94を通過して現像剤搬送路である供給搬送路9に戻る。図26の現像装置の断面図は、この時の様子を表している。
そして現像剤搬送路の現像剤量が増え、トナー濃度検知手段60の近傍の現像剤量も増えて現像剤量検知手段61が現像剤搬送路内の現像剤量が十分にあると検知した場合には、排出搬送路2の搬送スクリュ2aが正回転となり、図3と同じように排出搬送路2内の排出剤は搬送スクリュ2aによって現像装置外に搬送される。
上述したように本実施形態によればトナー濃度検出手段近傍の現像剤量が少なくなった場合に、すぐに現像剤量を増やすことができるため、トナー濃度検知誤差を生じにくくなる。なお、図24や図25では排出口付近に設けた排出剤検知手段63で排出の有無を検知しているが、本発明はこれ以外の手段で排出剤の有無を判断しても良い。
さらに、トナー濃度検知手段付近の現像剤量が少ないと検知された場合に、排出搬送路2に存在する現像剤量が、トナー濃度検知手段60付近の現像剤が十分にあると検知するために必要な追加量以上であることが好ましい。このように十分な現像剤量を搬送路2に存在させるためには、排出搬送路2の幅を広くする、あるいは、排出クスリュ2aのスクリュ本数を多くするなどして、排出剤が排出路に長く留まるように調整することで、達成できる。
なお、本実施形態においても、現像剤搬送路に排出剤を戻すためには排出搬送路内に現像剤が存在することが必要であり、所定量以上の現像剤が存在することがより好ましい。そこで、現像剤排出口94から排出搬送路2への現像剤の排出がない場合に、排出搬送路2の搬送手段は現像装置外へ搬送する動きが停止していることが好ましい。現像剤の排出が行われている場合だけ排出剤が搬送され、排出がない場合には排出剤の搬送が止まると、排出搬送路2には現像装置外に搬送される前の現像剤が必ず存在することになる。これにより、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量が少ないと判断された場合に、排出剤を現像剤搬送路に戻すことができるため、トナー濃度検知手段近傍の現像剤量が増え、トナー濃度検知誤差が小さくなる。
なお、第2実施形態のように排出剤を現像剤排出口94から戻すことは次のような点で好ましい。
トナー濃度検出手段近傍の現像剤量が少ない状態では、たいていの場合、供給搬送路9の現像剤排出口94近傍の現像剤面が低い。したがって、排出剤は排出搬送路2の搬送手段の搬送方向を逆にすることにより、現像剤排出口94近傍に溜まり、現像剤排出口94下端より排出剤面が高くなれば、容易に供給搬送路9に戻る。そのため、別途排出剤の戻し口を設ける必要がない。
本実施形態に係る現像装置においては、現像剤搬送路として供給搬送路9と循環搬送路である攪拌搬送路10を備え、現像剤量検知手段(センサ)61と現像剤排出口94が搬送路に配置される。
このように、現像剤量検知手段61と現像剤排出口94はそれぞれ別の異なる搬送路に配置されることは好ましい。
なぜならば、トナー濃度検知手段60は補給されたトナーが撹拌されて均一になる位置に配置されることが好ましい。この状態のトナー濃度を制御することにより、画像形成に使われる現像剤のトナー濃度を制御しやすく、適正な画像濃度を得やすい。また現像剤排出口94は、画像形成に使われなかった余剰剤や画像形成に使われた後の現像剤が搬送される位置に配置されることが好ましい。これにより、現像剤排出口94から排出される現像剤に、補給されたばかりの劣化していないトナーやキャリアが含まれにくくなり、効率よく現像剤の入れ替えが行われる。
これに比べて、トナー濃度検知手段60と現像剤排出口94が同じ搬送路内に配置された場合には、現像剤が滞留する場所は搬送下流側になりやすいため、それぞれが近い場所に位置するようになる。その結果、余剰剤や画像形成に使われなかった現像剤のトナー濃度を検知して、補給制御が不安定になり狙いの画像濃度を得にくくなる場合がある。また、劣化したトナーや現像剤が現像装置内に残りやすく、キャリアを補給しているが異常画像が発生しやすくなる場合がある。
[実験]
[実施例11]
この現像装置は、例えば特許文献5に開示の装置のように、搬送路が2つに分かれており、現像ローラに対向する第1搬送スクリュを備える第1搬送路と、仕切部材を介して第1搬送スクリュに対向する第2搬送スクリュを備える第2搬送路を備える現像装置で、第1搬送路と第2搬送路との間の仕切り部材内部に排出搬送路を設け、第1搬送路との間に現像剤排出口を設けてある。第1搬送路の下流に現像剤が滞留するようにし、その少し上流の側壁に現像剤量検知手段を配置してある。排出搬送路の構成は第1実施形態における現像装置4と同じであり、搬送スクリュ2aは現像剤量検知手段が現像剤量が少ないと検知した場合以外は、現像装置外に搬送するように回転している。また、現像装置内には狙いの画像濃度が得られるように調整された現像剤が入っている。
上記の現像装置を図1の画像形成装置に入れて、既述した[通紙試験1]相当の通紙試験、を行った。すなわち、通紙画像として、画像面積率0.5%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色ベタパッチが、A4画像領域内に散らばり、各色の合計画像面積率が5%となる画像が印刷されるようにし、23℃50%の環境下で5千枚通紙した。通紙後の画像形成装置を10℃15%の環境下に12時間以上放置し、そのままの環境下で同じ画像を5千枚通紙した。
[評価内容]
・トナー濃度検知誤差
通紙前および1000枚通紙ごとに、現像装置内の現像剤のトナー濃度測定値と画像形成装置が検出したトナー濃度を比較した。検出値と測定値との差(検出値−測定値)をトナー濃度検知誤差とした。
・画像濃度
通紙1枚目と通紙1000枚ごとの画像について、1枚につき任意の6箇所の画像濃度を測定した。各画像の6箇所の平均値のうち、最小値と最大値を選び、それぞれについて目標値との差からばらつき範囲を表した。
また、1枚の中の画像濃度ばらつきを、6箇所の値を用いて、((最大値−最小値)/平均値×100)として計算し、頁内ばらつきとして表した。
評価結果を代表してシアン色の評価結果を図27及び図29の表2中に示す。通紙環境が変わった後の検知誤差がやや大きいが、画像品質が悪化しない。
[比較例11]
実施例11の現像装置の現像剤量検知手段をなくす以外は、実施例11と同じ構成の現像装置を用い、実施例11と同じく通紙試験1相当の試験とその後の評価を行った。評価結果を代表してシアン色の評価結果を図28のグラフ及び図29の表2中に示す。
排出剤を現像剤搬送路に戻すことができる実施例11と比べると、検知誤差が大きい場合が多く、画像品質の安定性も実施例11より劣る。
[実施例12]
前述した第2実施形態の現像装置(但し、排出搬送路2の搬送スクリュ2aについては制御していない)を、図1の画像形成装置に入れて、第1実施形態の[通紙試験2]と同様の[通紙試験3]([通紙試験2]とは、合計画像面積率が30%である点が僅かに異なっている)を行い、評価及び耐久性評価を行った。すなわち、実施例12の装置では、現像剤搬送路として供給搬送路9と循環搬送路10を備え、循環搬送路10の上方に供給搬送路9が位置する現像装置で、供給搬送路9の横に排出搬送路2を設け、供給搬送路9下流に現像剤が滞留するようにして、排出搬送路2との間の壁面に現像剤排出口94を設けた。また、循環搬送路10下流に現像剤が滞留するようにして、底面にトナー濃度検知手段60を配置し、その少し上流の側壁に現像剤量検知手段61を配置してある。搬送スクリュ2aは現像剤量検知手段が現像剤量が少ないと検知した場合以外は、現像装置外に搬送するように回転している。また、現像装置内には狙いの画像濃度が得られるように調整された現像剤が入っている。
[通紙試験3]
通紙画像として、画像面積率0.5%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのベタパッチ各色10個が、A4画像領域内に散らばり、各色の合計画像面積率が5%となる画像が印刷されるようにし、23℃50%の環境下で5千枚通紙した。次いで、シアン色のみ合計画像面積率が30%となるように通紙画像を変更して、5千枚通紙した。
[評価内容]
・耐久性
1万枚終了後の帯電量と、40万枚終了後の帯電量を測定し、(40万枚通紙後の帯電量−1万枚通紙後の帯電量)を帯電量変化として表した。シアン色の評価結果を図28のグラフ及び図29の表2中に示す。
図28及び図29の評価結果より、画像面積率変更後の検知誤差がやや大きくなる場合があるが、画像品質が悪化することはない。また、1枚の中の画像濃度ばらつきが実施例11よりも小さい。現像剤搬送路が3つに分かれ、実施例1の現像装置よりも剤バランスが調整しにくい現像装置であっても、検知誤差が大きくならない現像装置であることがわかる。
[比較例12]
実施例12の現像装置の現像剤量検知手段をなくす以外は、実施例12と同じ構成の現像装置を用い、実施例12と同じ評価を行った。
図28及び図29の評価結果より、帯電量変化量から、現像剤の劣化が抑えられる現像装置であることがわかるが、実施例12よりも検知誤差が大きい場合が多く、画像品質の安定性も実施例12より劣る。
[実施例13]
実施例12と同じ現像装置で、現像剤排出口94付近に排出剤検知手段63を設け、排出ありと検知する場合には排出搬送路2の搬送スクリュ2aを、現像剤が現像装置外に搬送される方向に回転するが、排出なしと検知する場合には搬送スクリュの回転が止まるようにして、実施例12と略同じ通紙試験3とその評価を行った。
評価結果を代表してシアン色の評価結果をシアン色の評価結果を図28のグラフ及び図29の表2中に示す。
本実施例では、実施例12のように検知誤差が大きくなることがなく、画像品質は安定している。いつでも排出搬送路2に現像剤が存在し、現像剤量検知手段61により現像剤量が少ないと検知された場合に、確実に現像剤量を増やすことができていると推定される。
[実施例14]
実施例13の現像装置で排出搬送路2の搬送スクリュ2aのピッチを実施例13よりも狭くする以外は、同じ構成の現像装置を用いて、実施例12と同じく通紙試験3とその評価を行った。
評価結果を代表してシアン色の評価結果をシアン色の評価結果を図28のグラフ及び図29の表2中に示す。
本実施例では、実施例13よりも検知誤差が小さくなり、画像品質もさらに安定している。また、本発明に係る構成の中では現像剤搬送路に戻る現像剤量が多くなりやすい現像装置であるが、帯電量の変化は比較例12や実施例12、13と大きな差はない。排出剤を戻しても現像剤の劣化抑制に対して影響がないといえる。
上述の各実施形態では、トナー濃度検出手段近傍の現像剤量が少ない場合に排出剤を現像剤搬送路に戻す構成を、図6に示す現像装置に適用した構成について説明した。但し、本発明の特徴部を適用することができる構成は図6に示すものに限るものではなく、図30に示す如き構成の現像装置にも同様に適用できる。図30の現像装置は、良く知られており、ここでの説明は省略する。
また、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
1 感光体、2 排出搬送路、2a 排出スクリュ、4 現像装置、5 現像ローラ、6 回収スクリュ、7 回収搬送路(現像剤搬送路)、8 供給スクリュ、9 供給搬送路(現像剤搬送路)、10 攪拌搬送路(循環搬送路、現像剤搬送路)、11 攪拌スクリュ、12 ドクタブレード、14 張架ローラ、15 駆動ローラ、16 二次転写バックアップローラ、17 中間転写ユニット、18 プロセスカートリッジ、20 画像形成ユニット、21 光書込ユニット、22 二次転写装置、23 張架ローラ、24 紙搬送ベルト、25 定着装置、26 定着ベルト、27 加圧ローラ、60 トナー濃度検知手段、61 現像剤量検知手段、63 排出剤検知手段、90 ベルトクリーニング装置、91 供給開口部、92 余剰開口部、93 回収開口部、94 現像剤排出口、95 トナー補給口、96 開口部(開閉部)、100 プリンタ部、110 中間転写ベルト、133 第一仕切り壁、134 第二仕切り壁、P 現像剤、T 滞留現像剤
特開平11−305538号公報 特許第2891845号 特開2000−112238公報 特開2003−307918公報 特開2003−215903公報

Claims (12)

  1. 現像剤を表面に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
    現像剤を搬送する現像剤搬送部材を備え、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給領域では該現像剤担持体に現像剤を供給しながら現像剤を搬送する現像剤搬送路と、
    現像剤の搬送路全体の現像剤量の増減に応じて現像剤面の高さが増減する現像剤搬送路内の箇所の所定の高さに設けられ、現像剤を現像剤搬送路から排出する現像剤排出口と、
    前記現像剤排出口から排出した現像剤を現像装置外部に搬送する排出搬送路とを有する現像装置において、
    前記搬送路中に配設されて現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
    前記トナー濃度検知手段の上流側で直前部位に配設されて、現像剤の搬送路全体の現像剤量を検知する現像剤量検知手段と、を有し、
    前記現像剤量検知手段が現像剤量が所定量より少ないと検知した場合に、前記排出搬送路から現像剤を排出し前記現像剤搬送路に戻す手段を備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤量検知手段は、現像剤量の増減に応じて現像剤面の高さが変動する部位に所定高さ位置に配設されて、現像剤面の高さから現像剤の搬送路全体の現像剤量を検知することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記排出搬送路中の現像剤を前記現像剤排出口を通じて前記現像剤搬送路に排出し戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記排出搬送路に前記現像剤量検知手段の検知結果に応じて開閉し、現像剤搬送路に通じる開口部を有し、該開口部を通じて前記現像剤搬送路に排出現像剤を戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  5. 前記開口部に続く連通路の前記現像剤搬送路への開口部の近傍に前記トナー濃度検知手段が設置されていることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤搬送路は、連通した複数の現像剤搬送路でなり、前記現像剤排出口と前記トナー濃度検知手段とが夫々に異なる現像剤搬送路に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の現像装置。
  7. 前記現像剤搬送路は、現像剤担持体に現像剤を供給しながら現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送する供給搬送路と、前記供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を前記供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、前記潜像担持体と対向する箇所を通過後の前記現像剤担持体の表面上から離脱した現像剤を回収して前記現像剤担持体の軸線方向に沿って、かつ、前記供給搬送路と同方向に搬送する回収搬送路とを有し、
    前記循環搬送路は、前記供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された現像剤と、前記回収搬送路の搬送方向の最下流まで搬送された現像剤の供給を受け、前記現像剤担持体の軸線方向に沿って、かつ、前記供給搬送路とは逆方向に現像剤を搬送して前記供給搬送路の搬送方向上流端に供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の現像装置。
  8. 前記排出搬送路に所定量以上の現像剤が存在するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の現像装置。
  9. 前記排出搬送路の底面が、排出剤搬送スクリュの径より深く形成され、当該底面に前記開口部が配設されていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の現像装置。
  10. 前記現像剤搬送路の現像剤が前記排出口から前記排出搬送路に排出されていない場合は、前記排出搬送路の搬送手段が停止し現像剤を現像装置外に排出搬送しないことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の現像装置。
  11. 当該現像装置の現像剤補給手段に供給される現像剤が、補給用トナーにキャリアが混合した現像剤であり、補給用現像剤収容体から排出供給されるものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の現像装置。
  12. 少なくとも潜像担持体と、
    該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
    前記潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
    前記現像手段として請求項1乃至11のいずれか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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