JP2008287155A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排出スクリュウ94を過剰に高速回転させることによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、画質優先モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】図示しない補給装置からのプレミックス剤の補給によって収容室(7、9、10)内の現像剤レベルが上昇した場合に、現像剤の一部を収容室内から隣の余剰剤受入室2内に送るためのオーバーフロー開口94と、余剰剤受入室2内に設けられた排出スクリュウ2aとを有する現像装置4を具備し、高速の速度優先モードと、中速の標準モードと、低速の画質優先モードとで運転モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、画質優先モードの実行時間を累積的に計数した結果に基づいて、光書込ユニットによる感光体1に対する書込処理を停止させた状態で少なくとも排出スクリュウ2aを駆動する非書込排出処理を実施させるようにした。
【選択図】図2
【解決手段】図示しない補給装置からのプレミックス剤の補給によって収容室(7、9、10)内の現像剤レベルが上昇した場合に、現像剤の一部を収容室内から隣の余剰剤受入室2内に送るためのオーバーフロー開口94と、余剰剤受入室2内に設けられた排出スクリュウ2aとを有する現像装置4を具備し、高速の速度優先モードと、中速の標準モードと、低速の画質優先モードとで運転モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、画質優先モードの実行時間を累積的に計数した結果に基づいて、光書込ユニットによる感光体1に対する書込処理を停止させた状態で少なくとも排出スクリュウ2aを駆動する非書込排出処理を実施させるようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、現像装置内に収容されたトナー及びキャリアを含有する2成分現像剤(以下、単に現像剤という)に対して、トナーやキャリアを補給するいわゆるトリクル現像方式の画像形成装置に関するものである。
従来、現像剤によって潜像を現像する画像形成装置では、現像に伴ってトナー濃度を低下させた現像剤に対して、適量のトナーを補給してトナー濃度を回復することが行われている。現像剤中のキャリアは、潜像に付着することなく現像装置内に留まって繰り返し使用される。
一方、近年においては、高画質化のためにトナーの小粒径化が進むのに伴って、キャリア粒子とトナー粒子との表面接触率が高まってきている。また、装置の小型化や高速化のために現像装置内で現像剤をより少量で高速回転させるようになるのに伴って、現像剤に対するストレスが増大してきている。これらの結果、コーティング膜の削れや、トナー成分の固着(スペント)などによるキャリアの劣化が早まってきている。
劣化したキャリアを含む現像剤では、小粒径トナーを用いても高画質画像を得ることが困難になる。このため、劣化したキャリアを現像装置内に滞留させつづけると、せっかく小粒径トナーを用いているにもかかわらず、所望の高画質画像が得られないという状態がいつまでも続くことになる。
そこで、トナーとは別に、キャリアを単独あるいはトナーと混合した現像剤の状態で現像装置内に定期補給するトリクル現像方式が採用されるようになってきた。このトリクル現像方式では、新たに補給されたキャリアや現像剤の量に相当する古い現像剤が現像装置から排出されることで、現像装置内のキャリアの入れ替えが行われる。これにより、現像装置内に存在するキャリアのうちの劣化したキャリアが占める割合を少なくして、劣化キャリアによる画質低下を抑えることができる。
かかるトリクル現像方式を採用した現像装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この現像装置は、現像剤を収容する収容室の壁にオーバーフロー開口を有している。新たな現像剤の補給に伴って収容室内の現像剤のレベルが増してオーバーフロー開口を超えると、超えた分の現像剤がオーバーフローする。そして、収容室内の隣に設けられた余剰剤受入室内に落下した後、スクリュウ部材の駆動に伴って現像装置外に排出される。収容室からオーバーフローした余剰現像剤を比較的大容量の貯留室に貯留しておくものも知られているが、特許文献1に記載の現像装置のようにクリュウ部材等で排出する構成の方が装置の小型化に有利である。
しかしながら、この現像装置においては、高速出力よりも高画質出力を優先した低速モードの実施頻度が高い場合に、現像濃度ムラや現像濃度不足による画質低下を引き起こし易かった。そこで、本発明者らは、その原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことがわかってきた。即ち、画像形成装置本体に対する着脱をほぼワンタッチで行うことが可能な着脱式の現像装置では、変速機やクラッチなどの付設をできるだけなくして駆動伝達系の簡素化を図っているものが多い。かかる構成では、現像スリーブやスクリュウ部材などの駆動部材の駆動速度を、画像形成装置本体から現像装置内に駆動力を伝達するための原動ギヤの回転速度に依存させる。そして、低速モードでは本体の原動ギヤの低速駆動によって現像装置内の全ての駆動部材を一律に低速駆動する一方で、高速モードでは原動ギヤの高速駆動によって現像装置内の全ての駆動部材を一律に高速駆動する。このような駆動において、低速モードで新たな現像剤(又はキャリア)の補給が続くと、スクリュウ部材の低速回転に起因して余剰剤受入室内からの余剰現像剤の排出が間に合わなくなってくることがある。すると、収容室から余剰剤受入室へのオーバーフローが滞って、収容室内の現像剤の量が過剰になってくる。そして、現像スリーブ等の現像剤担持体の表面移動に伴って現像領域から現像装置内に戻ってきた現像剤と、収容室内の現像剤とが接触するようになる。このような接触が起こり始めると、現像領域通過後の現像剤担持体の表面から現像剤が離脱し難くなり、現像に伴ってトナー濃度を低下させた現像剤がそのままの状態で繰り返し現像領域に搬送されてしまう。これにより、現像濃度ムラや現像濃度不足が発生していたのである。
かかる現像濃度ムラや現像濃度不足の発生を抑えるために、余剰剤受入室内のスクリュウ部材を低速モードでも十分な速さで回転させるようにギヤ比等を設定したとする。すると、高速モードでは、スクリュウ部材を過剰に高速回転させることになり、寿命低下や騒音を招いてしまう。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、スクリュウ部材等の排出手段を過剰に高速駆動することによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、低速モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができるトリクル現像方式の画像形成装置である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を得る現像装置と、現像剤の成分であるトナーやキャリアを該現像装置内に補給する補給手段と、該潜像担持体上のトナー像を直接あるいは中間転写体を介して記録部材に転写する転写手段とを備えるとともに、現像剤を収容する収容室と、該収容室内の現像剤を自らの移動する表面に担持して該潜像担持体に対向する現像領域に搬送する現像剤担持体と、該収容室内の現像剤をオーバーフローさせるように該収容室の壁に設けられたオーバーフロー開口と、該オーバーフロー開口からオーバーフローしてくる余剰現像剤を受け入れる余剰剤受入室と、該余剰剤受入室内の余剰現像剤を外部に排出する排出手段とを該現像装置に有し、該潜像担持体及び現像剤担持体の駆動速度が互いに相対的に高低の関係にある高速モードと低速モードとで画像形成速度モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、上記低速モードでの画像形成動作量を累積的に計数する計数手段と、上記潜像書込手段による書込処理を停止させた状態で少なくとも上記排出手段を駆動する非書込排出処理の実施の必要性を該計数手段による計数結果に基づいて判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて少なくとも該潜像書込手段及び該排出手段の駆動を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置であって、上記計数手段が、上記低速モードの実行時間である低速運転時間を上記画像形成動作量として累積的に計時する計時手段であり、且つ、上記判定手段が、該計時手段による計時結果に基づいて上記非書込排出処理の実施の必要性を判定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記高速モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて上記低速運転時間の計時結果をリセット又は低減するように、上記計時手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を得る現像装置と、現像剤の成分であるトナーやキャリアを該現像装置内に補給する補給手段と、該潜像担持体上のトナー像を直接あるいは中間転写体を介して記録部材に転写する転写手段とを備えるとともに、現像剤を収容する収容室と、該収容室内の現像剤を自らの移動する表面に担持して該潜像担持体に対向する現像領域に搬送する現像剤担持体と、該収容室内の現像剤をオーバーフローさせるように該収容室の壁に設けられたオーバーフロー開口と、該オーバーフロー開口からオーバーフローしてくる余剰現像剤を受け入れる余剰剤受入室と、該余剰剤受入室内の余剰現像剤を外部に排出する排出手段とを該現像装置に有し、該潜像担持体及び現像剤担持体の駆動速度が互いに相対的に高低の関係にある高速モードと低速モードとで画像形成速度モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、上記低速モードでの上記補給手段の動作量である低速モード補給動作量を累積的に計数する計数手段と、上記潜像書込手段による書込処理を停止させた状態で少なくとも上記排出手段を駆動する非書込排出処理の実施の必要性を該計数手段による計数結果に基づいて判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて少なくとも該潜像書込手段及び該排出手段の駆動を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置であって、上記計数手段が、上記低速モードの実行中に上記補給手段によってキャリアの補給が行われた時間である低速モード補給時間を上記低速モード補給動作量として累積的に計時する計時手段であり、且つ、上記判定手段が該計時手段による計時結果に基づいて上記非書込排出処理の実施の必要性を判定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記高速モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて上記低速モード補給時間の計時結果をリセット又は低減するように、上記計時手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの画像形成装置において、上記非排出書込処理における上記排出手段の駆動速度を、上記低速モードにおける駆動速度よりも速くしたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、複数の記録部材に対して画像を連続的に形成する連続画像形成動作を一時中断して上記非書込排出処理を実行させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、上記収容室として、上記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する供給剤収容室と、上記現像剤担持体から回収した現像に使用済みの現像剤を収容する回収剤収容室と、該回収剤収容室から受け取った現像剤、及び上記補給手段によって補給されたトナーやキャリアを収容しながら該供給剤収容室に向けて送るための搬送剤収容室とを設け、自らの駆動によって現像剤を上記現像剤担持体の長手方向に沿って搬送する搬送手段を該供給剤収容室、回収剤収容室、及び搬送剤収容室にそれぞれ設け、且つ、上記オーバーフロー開口を該供給剤収容室に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記供給剤収容室内の上記搬送手段の駆動に伴って跳ね上がってしまった現像剤の上記オーバーフロー開口への進入を阻止するための進入阻止部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9又は10の画像形成装置において、上記供給剤収容室における上記搬送手段による現像剤搬送方向の中心よりも下流側に、現像剤を上記搬送剤収容室に戻すための返送開口を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記オーバーフロー開口及び上記返送開口よりも現像剤搬送方向下流側で、現像剤を上記搬送手段とは逆方向に搬送する逆搬送手段を上記供給剤収容室に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置であって、上記計数手段が、上記低速モードの実行時間である低速運転時間を上記画像形成動作量として累積的に計時する計時手段であり、且つ、上記判定手段が、該計時手段による計時結果に基づいて上記非書込排出処理の実施の必要性を判定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記高速モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて上記低速運転時間の計時結果をリセット又は低減するように、上記計時手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を得る現像装置と、現像剤の成分であるトナーやキャリアを該現像装置内に補給する補給手段と、該潜像担持体上のトナー像を直接あるいは中間転写体を介して記録部材に転写する転写手段とを備えるとともに、現像剤を収容する収容室と、該収容室内の現像剤を自らの移動する表面に担持して該潜像担持体に対向する現像領域に搬送する現像剤担持体と、該収容室内の現像剤をオーバーフローさせるように該収容室の壁に設けられたオーバーフロー開口と、該オーバーフロー開口からオーバーフローしてくる余剰現像剤を受け入れる余剰剤受入室と、該余剰剤受入室内の余剰現像剤を外部に排出する排出手段とを該現像装置に有し、該潜像担持体及び現像剤担持体の駆動速度が互いに相対的に高低の関係にある高速モードと低速モードとで画像形成速度モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、上記低速モードでの上記補給手段の動作量である低速モード補給動作量を累積的に計数する計数手段と、上記潜像書込手段による書込処理を停止させた状態で少なくとも上記排出手段を駆動する非書込排出処理の実施の必要性を該計数手段による計数結果に基づいて判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて少なくとも該潜像書込手段及び該排出手段の駆動を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置であって、上記計数手段が、上記低速モードの実行中に上記補給手段によってキャリアの補給が行われた時間である低速モード補給時間を上記低速モード補給動作量として累積的に計時する計時手段であり、且つ、上記判定手段が該計時手段による計時結果に基づいて上記非書込排出処理の実施の必要性を判定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記高速モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて上記低速モード補給時間の計時結果をリセット又は低減するように、上記計時手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの画像形成装置において、上記非排出書込処理における上記排出手段の駆動速度を、上記低速モードにおける駆動速度よりも速くしたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、複数の記録部材に対して画像を連続的に形成する連続画像形成動作を一時中断して上記非書込排出処理を実行させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、上記収容室として、上記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する供給剤収容室と、上記現像剤担持体から回収した現像に使用済みの現像剤を収容する回収剤収容室と、該回収剤収容室から受け取った現像剤、及び上記補給手段によって補給されたトナーやキャリアを収容しながら該供給剤収容室に向けて送るための搬送剤収容室とを設け、自らの駆動によって現像剤を上記現像剤担持体の長手方向に沿って搬送する搬送手段を該供給剤収容室、回収剤収容室、及び搬送剤収容室にそれぞれ設け、且つ、上記オーバーフロー開口を該供給剤収容室に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記供給剤収容室内の上記搬送手段の駆動に伴って跳ね上がってしまった現像剤の上記オーバーフロー開口への進入を阻止するための進入阻止部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9又は10の画像形成装置において、上記供給剤収容室における上記搬送手段による現像剤搬送方向の中心よりも下流側に、現像剤を上記搬送剤収容室に戻すための返送開口を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記オーバーフロー開口及び上記返送開口よりも現像剤搬送方向下流側で、現像剤を上記搬送手段とは逆方向に搬送する逆搬送手段を上記供給剤収容室に設けたことを特徴とするものである。
これらの発明において、請求項1の発明特定事項の全てを備えるものでは、低速モードでの画像形成動作量の計数結果がある程度増加した場合には、余剰剤受入室内の余剰現像剤の収容レベルをオーバーフロー開口のレベルに近づけている可能性がある。このような場合に、制御手段が、非書込排出処理を実行することで、潜像の書込を実施していない状態で、余剰剤受入室の余剰現像剤を現像装置外に排出する。これにより、供給剤収容室内から余剰剤受入室内への現像剤のオーバーフローが良好に行われる状態を維持して、収容室の現像剤が過剰になってしまうことを回避する。かかる構成では、低速モードにおける排出手段の駆動速度を比較的低速に設定していても、非書込排出処理により、収容室内に過剰量の現像剤を収容した状態で現像を行ってしまうことを回避することが可能である。これにより、高速モードで排出手段を過剰に高速駆動してしまうことによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、低速モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができる。
また、請求項4の発明特定事項の全てを備えるものでは、低速モード補給動作量の計数結果がある程度増加した場合には、収容室内の現像剤の量をある程度増加させている可能性がある。このような場合に、制御手段が、非書込排出処理を実行することで、潜像の書込を実施していない状態で、余剰剤受入室の余剰現像剤を現像装置外に排出する。かかる構成においても、高速モードで排出手段を過剰に高速駆動してしまうことによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、低速モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができる。
また、請求項4の発明特定事項の全てを備えるものでは、低速モード補給動作量の計数結果がある程度増加した場合には、収容室内の現像剤の量をある程度増加させている可能性がある。このような場合に、制御手段が、非書込排出処理を実行することで、潜像の書込を実施していない状態で、余剰剤受入室の余剰現像剤を現像装置外に排出する。かかる構成においても、高速モードで排出手段を過剰に高速駆動してしまうことによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、低速モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機」という)の第1実施形態について説明する。
図1は、本第1実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
図1は、本第1実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
プリンタ部100は、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY,M,C,Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、2次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1Y,M,C,Kや、現像装置4Y,M,C,K等を有している。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1Y,M,C,Kや、現像装置4Y,M,C,K等を有している。
4つのプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、互いに使用するトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、イエロー用のプロセスカートリッジ18Yの構成を例にして説明する。
Y用のプロセスカートリッジ18Yは、感光体18Yや現像装置4Yの他、スコロトロンあるいは帯電部材接触方式の帯電手段たる帯電器、除電器、ドラムクリーニング装置等を有している。
Y用のプロセスカートリッジ18Y内において、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される感光体1Yの表面は、帯電器によって一様帯電された後、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光の走査を受ける。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に1次転写される。回転に伴って1次転写工程を通過した感光体1Yの表面には、中間転写ベルト110に1次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、プロセスカートリッジ18Yのドラムクリーニング装置によって感光体1Yの表面から除去される。ドラムクリーニング装置によるクリーニング処理が施された感光体1Yの表面は、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,C,Kについても同様である。
次に、中間転写ユニットについて説明する。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、2次転写バックアップローラ16、4つの1次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、2次転写バックアップローラ16、4つの1次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの1次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から1次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧している。これにより、中間転写ベルト110のおもて面(ループ表側面)と、感光体1Y,M,C,Kとが接触するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。そして、それらの1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体1と1次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kとの間に1次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に1次転写される。図中時計回り方向に無端移動せしめられる中間転写ベルト110のおもて面は、Y,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する際に、Y,M,C,Kトナーが順次重ね合わせて1次転写される。このような重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト110のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、後述の2次転写ニップで図示しない記録部材たる記録紙に2次転写される。2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110のおもて面には、記録紙に2次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってベルトおもて面から除去される。
次に、2次転写装置22について説明する。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって無端状の紙搬送ベルト24を張架している2次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ23は、中間転写ユニット17の2次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110のおもて面と、2次転写装置22の紙搬送ベルト24のおもて面とが接触する2次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって無端状の紙搬送ベルト24を張架している2次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ23は、中間転写ユニット17の2次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110のおもて面と、2次転写装置22の紙搬送ベルト24のおもて面とが接触する2次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように2次転写ニップに送り込まれた記録紙には、この2次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が2次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、記録紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
複写機本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の記録紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の記録紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の記録紙を給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された記録紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、その路内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、記録紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された記録紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ記録紙を2次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、2次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が記録紙に密着する。そして、記録紙上に2次転写されて、白色の記録紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った記録紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおいける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加圧する。加圧された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた記録紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が記録紙に定着せしめられる。
定着装置25内で定着処理が施された記録紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の2次転写ニップに戻されるかする。
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y,M,C,K内の各機器や、中間転写ユニット17、2次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y,M,C,K上に、Y,M,C,Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから記録紙が送り出される。送り出された記録紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて反転給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって2次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の記録紙を送り出した後、分離ローラ52が記録紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
本複写機は、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体1Y,M,C,Kを接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面をY,M,C用の感光体1Y,M,Cから離間させる。そして、4つの感光体1Y,M,C,Kのうち、K用の感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y,M,Cについては、感光体1だけでなく、現像器も駆動を停止させて、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
本複写機は、複写機内の下記機器の制御を司るCPU(Central Processing Unit)等から構成される図示しない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、記録紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
図2は、4つプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kのうちの1つが備える現像装置4及び感光体1を示す拡大構成図である。4つのプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、同図では「4」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。
図2に示すように感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面を不図示の帯電装置によって一様帯電される。一様帯電された感光体1の表面には不図示の露光装置からのレーザ光の走査によって静電潜像が形成された後、静電潜像に対する現像装置4からのトナー付着によってトナー像が形成される。
現像装置4は、図中矢印I方向に回転するのに伴って自らの表面と感光体1の表面とが対向する現像領域に現像剤を搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ5を有している。この現像スリーブ5の図中左側方には、供給スクリュウ8を具備する供給剤収容室9が形成されている。この供給スクリュウ8は、回転軸とこの回転軸に設けられた羽部とを備え、自らの回転にともなって現像剤を回転方向に撹拌しながら相対的に回転軸線方向に搬送する。図示の例では、現像剤を現像スリーブ5の軸線方向に沿って、図紙面に直交する方向の手前側から奥側に向けて搬送する。このようにして現像剤が搬送される供給剤収容室9は、その現像剤搬送方向のほぼ全域が、図中右側の現像スリーブ収容空間と連通している。
現像スリーブ5は非磁性材料からなる筒状の部材からなり、この現像スリーブ5の内部には、周方向に並ぶ複数の磁極を具備するマグネットローラが、現像スリーブに連れ回らないように回転不能に固定されている。供給スクリュウ8によって現像剤を手前側から奥側へと搬送する供給剤収容室9内の現像剤は、マグネットローラの発する磁力によって現像スリーブ5の表面に引き寄せられる。これにより、現像スリーブ5は、供給スクリュウ8との対向領域である被供給領域を通過するのに伴って、供給スクリュウ8上の現像剤を汲み上げて自らの表面に担持する。そして、自らの回転に伴って、表面上の現像剤を現像領域に向けて搬送する。
現像スリーブ5の周面における被供給領域よりも表面移動方向下流側で且つ現像領域よりも上流側の箇所に対しては、現像ドクタ12の先端が所定の間隙を介して対向している。現像スリーブ5の回転に伴って現像領域に向けて搬送されるスリーブ表面上の現像剤は、この間隙をすり抜ける際にスリーブ上での層厚が規制されたり、トナーの摩擦帯電が促されたりする。
現像スリーブ5の導電性内周面、あるいは現像スリーブ5の内部に配設される電極には、図示しない電源によってトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加されている。また、感光体1Yの表面は、上述した帯電器によってトナーの帯電極性と同極性に一様帯電される。また、感光体1Yの表面に形成された静電潜像も、一様帯電部(地肌部)と同様にトナーの帯電極性と同極性に帯電しているが、その電位が地肌部よりも大幅に低くなっている。そして、上述した現像バイアスは、感光体1Yの地肌部電位と潜像電位との間の電位になっている。これにより、現像領域においては、感光体1Yの静電潜像と、現像スリーブ5との間に、トナーをスリーブ側から潜像側に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、感光体1Yの地肌部と、現像スリーブ5との間に、トナーを地肌部側からスリーブ側に向けて静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。
現像領域に進入した現像スリーブ5の表面上の現像剤は、図示しないマグネットローラの現像磁極の発する磁力によってスリーブ表面上で穂立ちして磁気ブラシとなり、スリーブの表面移動に伴ってブラシ先端を感光体1Yの表面に摺擦させる。そして、上述の現像ポテンシャルの作用により、ブラシ先端部のトナーを磁性キャリア表面から離脱させて感光体1Y上の静電潜像に付着させる。この付着により、感光体1Y上の静電潜像が現像されてYトナー像になる。
現像スリーブ5の図中下方には、回収スクリュウ6を具備する回収剤収容室7が形成されており、その現像剤搬送方向のほぼ全域を、図中上側の現像スリーブ収容空間に連通させている。回収スクリュウ6は、その回転に伴って、現像剤を現像スリーブ5の回転軸線に沿って図中手前側から奥側へと搬送する。現像スリーブ5とこの回収スクリュウ6との対向部は、現像剤をスリーブ表面から回収スクリュウ6に回収する回収領域になっている。具体的には、現像スリーブ5に内包される図示しないマグネットローラにおけるこの回収領域との対向部では、互いに同極性の磁極が隣り合っており、これによって反発磁界が形成されている。現像スリーブ5の回転に伴って現像領域から回収領域に移動したスリーブ上の現像剤は、この反発磁界による反発磁力の作用によってスリーブ表面から離脱して、回収スクリュウ6上に落下する。これにより、スリーブ表面から回収スクリュウ6への現像剤の回収が行われる。
回収剤収容室7の図中左側方であって且つ供給剤収容室9の図中下方には、撹拌搬送スクリュウ11を具備する搬送剤収容室10が設けられている。撹拌搬送スクリュウ11は、その回転に伴って、現像剤を現像スリーブ5の回転軸線に沿って図中奧側から手前へと搬送する。搬送剤収容室10と回収剤収容室7とは第2仕切壁134によって仕切られているが、この第1仕切壁134には図紙面に直交する方向の奥側端部に図示しない開口が形成されており、両搬送路はこの開口の部分で連通している。回収スクリュウ6の回転に伴って回収剤収容室7の図中奥側端部まで搬送された現像剤は、この開口を通って搬送剤収容室10内に進入する。そして、撹拌搬送スクリュウ11の回転に伴って、回収剤収容室7内とは逆に、図中奥側から手前側に向けて搬送される。
搬送剤収容室10と、上述の供給剤収容室9との間は、第1仕切壁133によって仕切られているが、この第1仕切壁133には図中奥側端部付近と、図中手前側端部とにそれぞれ開口が設けられており、両搬送路はこれらの開口の部分でそれぞれ連通している。なお、搬送剤収容室10内における現像剤搬送方向上流側端部付近には、図示しない補給口が設けられており、この補給口を通して、搬送剤収容室10内の現像剤にトナーやプレミックス剤が補給される。また、プレミックス剤とは、トナーと新品のキャリアとがミックスされたものである。
次に、これまで説明してきた3つの収容室(7、9、10)内での現像剤の循環について説明する。図3は収容室内の現像剤の流れを説明する現像装置4の斜視断面図である。図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。また、図4は、現像装置4内における現像剤の流れの模式図であり、図3と同様、図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
搬送剤収容室10から現像剤の供給を受けた供給剤収容室9では、現像スリーブ5に現像剤を供給しながら、供給スクリュウ8の搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、搬送方向下流端まで搬送された現像剤は第1仕切壁133の返送開口92を通って搬送剤収容室10に返送される(図4中矢印E)。
一方、現像スリーブ5の表面上から回収剤収容室7内に回収された後、回収スクリュウ6によって回収剤収容室7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は、第2仕切壁134の搬送開口93を通して搬送剤収容室10に送られる(図4中矢印F)。そして、搬送剤収容室10は、搬送方向上流側端部において、返送開口92から進入してきた返送現像剤と、搬送開口93から進入してきた回収現像剤と、後述のトナー補給口(図7の95)から進入してきた新たなトナーやプレミックス剤とを攪拌混合しながら、搬送方向下流側に搬送する。搬送剤収容室10の現像剤搬送方向下流側端部まで搬送された現像剤は、第1仕切壁133の供給開口91を通して供給剤収容室9に送られる(図4中矢印D)。なお、搬送剤収容室10の底壁には図示しないトナー濃度センサが設けられている。
本複写機は、図示しないY,M,C,K用の補給装置を備えている。これらは、Y,M,C,K用の現像装置に対して、図示しないY,M,C,K用のトナー収容器内のY,M,C,Kトナーを補給したり、図示しないY,M,C,K用の剤収容器内のY,M,C,Kプレミックス剤を補給したりする。そして、これらY,M,C,K用の補給装置におけるトナー補給動作やプレミックス剤補給動作は、図示しないCPU等からなる制御によって制御される。例えば、制御部は、上述のトナー濃度センサからの出力信号に基づいて補給装置の駆動を制御して、搬送剤収容室10にトナーを補給させる。
図4に示した現像装置4では、供給剤収容室9と回収剤収容室7とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる収容室で行うので、現像済みの現像剤が供給剤収容室9に混入することがない。よって、供給剤収容室9の搬送方向下流側ほど現像スリーブ5に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収剤収容室7と搬送剤収容室10とを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる収容室で行うので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。よって、十分に攪拌がなされた現像剤が供給剤収容室9に供給されるため、供給剤収容室9に供給されるの現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。このように、供給剤収容室9内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給剤収容室9内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
なお、図4に示すように、現像装置4の下部から上部への現像剤の移動は矢印Dのみである。矢印Dで示す現像剤の移動は、撹拌搬送スクリュウ11の回転で現像剤を押し込むことにより、現像剤を盛り上がらせて供給剤収容室9に現像剤を供給するものである。このような現像剤の移動は、現像剤に対してストレスを与えることになり、現像剤の寿命低下の一因となる。また、現像剤を下方から上方に持ち上げる際に現像剤にストレスがかかり現像剤中のキャリアの膜削れやトナーのスペント化がその個所で発生し、それに伴い画像品質の安定性が保たれなくなってしまう。よって、矢印Dで示す現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することで現像剤の長寿命化を図ることが出来る。現像剤の長寿命化を図ることにより、現像剤の劣化を防止して常に画像濃度ムラの無い画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
本複写機では、先に図2に示したように、供給剤収容室9を搬送剤収容室10の斜め上方になるように配置している。斜め上方に配置することにより、供給剤収容室9を搬送剤収容室10の垂直上方に設け現像剤を持ち上げるものに比べて、矢印Dで示す現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することができる。さらに、供給剤収容室9と搬送剤収容室10とを斜めに配置することで、図2に示すように、搬送剤収容室10の上部壁面が供給剤収容室9の下部壁面よりも高い位置となるように配置している。
供給剤収容室9を搬送剤収容室10に対して垂直上方に持ち上げることは、重力に逆らって現像剤を撹拌搬送スクリュウ11の圧によって持ち上げるので現像剤にストレスがかかる。一方、搬送剤収容室10の上部壁面が供給剤収容室9の下部壁面よりも高い位置となるように配置することで、搬送剤収容室10の最高点に存在する現像剤が供給剤収容室9の最下点に重力に逆らわず流れ込むことができるので、現像剤にかかるストレスを低減することができる。
なお、搬送剤収容室10の現像剤搬送路下流側の、搬送剤収容室10と供給剤収容室9とが連通している部分の撹拌搬送スクリュウ11の軸にフィン部材を設けても良い。このフィン部材は撹拌搬送スクリュウ11の軸方向に平行な辺と、撹拌搬送スクリュウの軸方向に垂直な辺とから構成される板状の部材である。このフィン部材で現像剤を掻き上げることにより、搬送剤収容室10から供給剤収容室9へ、より効率的な現像剤の受渡しを行うことができる。
また、現像装置4では、現像スリーブ5と供給剤収容室9との中心間距離Aが、現像スリーブ5と搬送剤収容室10との中心間距離Bよりも短くなるように、供給剤収容室9と搬送剤収容室10とを配置している。これにより供給剤収容室9から現像スリーブ5に現像剤を無理無く供給することができ、装置の小型化を図ることもできる。
また、撹拌搬送スクリュウ11は、図2中の手前側から見て反時計回り方向(図中矢印C方向)に回転しており、現像剤は撹拌搬送スクリュウ11の形状に沿って現像剤を持ち上げて供給剤収容室9に移送させている。これにより、現像剤を効率良く持ち上げることが可能となり現像剤にかかるストレスもより低減することができる。
また、撹拌搬送スクリュウ11は、図2中の手前側から見て反時計回り方向(図中矢印C方向)に回転しており、現像剤は撹拌搬送スクリュウ11の形状に沿って現像剤を持ち上げて供給剤収容室9に移送させている。これにより、現像剤を効率良く持ち上げることが可能となり現像剤にかかるストレスもより低減することができる。
図5は、現像装置4の供給スクリュウ8の回転中心における断面を図3中の矢印J方向から見た断面説明図である。図中Hは、現像剤担持体である現像スリーブ5が、潜像担持体である感光体1にトナーを供給する現像領域を示している。この現像領域Hにおける現像スリーブ5の回転軸線方向の幅が現像領域幅αである。
図5に示すように、現像装置4は搬送剤収容室10から供給剤収容室9に現像剤を持ち上げる箇所である供給開口91と、供給剤収容室9から搬送剤収容室10に現像剤を落下させる返送開口92とがともに現像領域幅α内に設けられている。
図6は、図4とは異なる構成の現像装置4内における現像剤の流れの模式図である。図6に示す現像装置4は、供給開口91と返送開口92とを現像領域幅αの外側に設けている。供給開口91を現像領域幅αの外側に設けているため、供給剤収容室9の搬送方向上流側は現像スリーブ5よりも供給剤収容室上流側領域β分長くなっている。また、返送開口92を現像領域幅αの外側に設けているため、供給剤収容室9の搬送方向下流側は現像スリーブ5よりも供給剤収容室下流側領域γ分長くなっている。
一方、図4に示す構成の現像装置4では、供給開口91を現像領域幅α内に設けているため、供給剤収容室9の搬送方向上流側は図6の現像装置4よりも供給剤収容室上流側領域β分短くすることができる。また、返送開口92を現像領域幅α内に設けているため、供給剤収容室9の搬送方向下流側は図6の現像装置4よりも供給剤収容室下流側領域γ分短くすることができる。このように、図4の現像装置4は供給開口91と返送開口92とを現像領域幅α内に設けているため、図6に示す現像装置4に比べて、現像装置4の上部の省スペース化を図ることが出来る。
次に、現像装置4の供給剤収容室9、搬送剤収容室10及び回収剤収容室7からなる現像剤搬送路へのトナーを補給する位置について説明する。図7は、現像装置4の外観斜視図である。図示のように、トナーを補給するトナー補給口95を、撹拌搬送スクリュウ11を備える搬送剤収容室10の搬送方向上流端部の上方に設けている。このトナー補給口95は現像スリーブ5の幅方向端部よりも外側に設けてあるので、現像領域幅αよりも外側となっている。この、トナー補給口95を設けた箇所は供給剤収容室9の搬送方向の延長線上であり、図6における供給剤収容室下流側領域γの空いたスペースに該当する。返送開口92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースにトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることが出来る。
トナー補給口95としては、搬送剤収容室10の搬送方向上流端部の上方に限らず、回収剤収容室7の下流端部の上方に設けても良い。さらに、回収剤収容室7から搬送剤収容室10へ現像剤の受渡しを行う箇所である搬送開口93の真上にトナー補給口95を設けるようにしても良い。搬送開口93の真上のスペースも返送開口92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースであるので、この位置にトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることができる。さらに、受渡し部である搬送開口93では現像剤が混ざりやすいため、この位置で補給を行うことによりより効率よく現像剤の攪拌を行うことができる。
図4を用いて説明した現像装置4のように、搬送剤収容室10の搬送方向下流端から供給剤収容室9の搬送方向上流端に現像剤を受け渡す供給開口91と、供給剤収容室9の下流端から搬送剤収容室10の搬送方向上流端に現像剤を受け渡す返送開口92とを現像領域幅α内に設けているため、従来の現像装置4に比べて、現像装置4の上部の省スペース化を図ることが出来、現像装置4全体の省スペース化を図ることが出来る。また、返送開口92を現像領域幅α内に設けることで空いたスペースにトナー補給口95を設けることにより、現像装置4の小型化を図ることが出来る。また、回収剤収容室7から搬送剤収容室10への現像剤の受渡し部である搬送開口93の上方からトナー補給を行うことによりより効率よく現像剤の攪拌を行うことができる。また、複写機のプリンタ部100の現像手段として、現像装置4を備えることにより、装置全体の省スペース化を図ることが出来る。
図8に示すように、供給剤収容室9には、供給剤収容室9内の現像剤が所定の嵩(レベル)を越えた場合にその一部を現像装置4の外部に排出するためのオーバーフロー開口94が設けられている。このオーバーフロー開口94のレベルよりも上位に達した現像剤は、オーバーフロー開口94からオーバーフローする。
供給剤収容室9の隣には、オーバーフロー開口94からオーバーフローしてくる余剰現像剤を受け入れる余剰剤受入室2が配設されている。余剰剤受入室2内にオーバーフローした余剰現像剤は、余剰剤受入室2内に設けられたスクリュウ部材としての排出スクリュウ(図2の2a)の回転駆動に伴って現像装置4外に排出される。
なお、供給剤収容室9の搬送方向下流端近傍とは、例えば、供給剤収容室9から搬送剤収容室10へと現像剤が受け渡される現像剤受渡し部と供給剤収容室9の搬送方向で同位置となる箇所である。言い換えると、供給スクリュウ8による搬送力が終了するところであり、後述する逆スクリュウによる搬送力がかかる直前部分のことである。ここにオーバーフロー開口94を設けることにより、供給スクリュウ8によって搬送された後、逆スクリュウの搬送力により受け止められ、最終的にたまった現像剤をオーバーフロー開口94から排出することが可能になる。
先に示した図8は、現像装置4から撹拌搬送スクリュウ11、回収スクリュウ6、及び、現像ドクタ12を取り外した状態の手前側端部近傍の斜視説明図である。また、図9は、現像装置4について図8の状態から更に供給スクリュウ8を取り外した状態の手前側近傍を図9とは異なる方向から見た斜視説明図である。また、図10は、現像装置4について図9の状態から更に現像スリーブ5を取り外した状態の斜視説明図である。また、図11は、現像装置4について図10と同じ状態の現像装置4を図3と略同じ方向から見た場合の斜視説明図である。
供給スクリュウ8の回転方向は、図2における右回り(矢印Mの方向)であって、現像スリーブ5に対して現像剤を下方から持ち上げて供給する方向である。ここで、供給スクリュウ8の回転方向を左回りにし、現像剤を上から振り掛けるようにして現像スリーブ5に現像剤を供給すると、現像剤が飛び散りながら現像スリーブ5に供給される。一方、供給スクリュウ8の回転方向を図2に示すように右回りにすると、現像剤がたまっている供給剤収容室9の下方から現像剤を持ち上げるようにして現像スリーブ5に現像剤が供給されるようになる。現像剤が飛び散りながら供給するよりも、下方から持ち上げるようにして供給するほうが現像剤の供給性が安定するため、現像装置4では供給スクリュウ8の回転方向を図2における右回りに設定しているのである。
本複写機の現像装置4のように現像スリーブ5に供給した現像剤を供給剤収容室9へ戻さず、回収剤収容室7へ回収するものでは、現像剤量は供給剤収容室9の下流に行くにしたがって減少していく。このため、現像剤がたまっている下方からくみ上げて現像スリーブ5に供給するものの方が現像剤の供給性の面では優れている。
供給剤収容室9内では、現像剤が供給スクリュウ8によって撹拌されながら移動する際の勢いや、供給スクリュウ8の回転する力によって飛び跳ね易い。そして、供給剤収容室9の所定の高さにオーバーフロー開口94を設けただけの構成であると、飛び跳ねた現像剤が飛翔してオーバーフロー開口94を通過して排出されることがある。つまり、供給剤収容室9内のオーバーフロー開口94を設けた位置を搬送される現像剤が適正な量の状態や、適正な量を下回る状態であっても、飛び跳ねた現像剤が排出されるおそれがある。このように飛び跳ねた現像剤が排出される状態であると、現像装置4内の現像剤が適正な量以下の状態であるにもかかわらずオーバーフロー開口から現像剤が排出されることがあり、現像装置4内の現像剤量が必要量を下回り、感光体1への現像剤の供給が不安定になるおそれがある。そして、感光体1への現像剤の供給が不安定になると画像抜けなどの異常画像が発生する。
そこで、本複写機では、供給スクリュウ8の回転に伴って飛び跳ねてしまった現像剤のオーバーフロー開口94に向かう経路上に、現像剤のオーバーフロー開口94への進入を阻止する進入阻止部材3を設けている。これにより、供給剤収容室9内で飛び跳ねてしまった現像剤がオーバーフロー開口94に進入することを回避することができる。
進入阻止部材3は、その底面が供給剤収容室9の上部に供給スクリュウ8の形状に沿ったR形状をなしている樹脂製の部材である。供給スクリュウ8の形状に沿ったR形状であることにより、供給スクリュウ8全体を覆うように進入阻止部材3の底面を全体的に供給スクリュウ8に近接させることが可能になる。このため、現像剤の跳ね上げを起こす供給スクリュウ8の上方を覆い、供給スクリュウ8によって跳ね上げられた現像剤がオーバーフロー開口94へ飛翔することを防止することができる。
また、図11に示すように、供給剤収容室9のオーバーフロー開口94周辺で進入阻止部材3が突出した形状となっているため、進入阻止部材3に対して供給スクリュウ8の搬送方向上流側の供給剤収容室9よりも、進入阻止部材3を設けた箇所の供給剤収容室が狭くなっている。このため、進入阻止部材3を設けた位置に対して搬送方向上流側よりも、進入阻止部材3を設けた位置の方が供給剤収容室9の容量に対する現像剤量が多くなる。そのため、現像剤に対して搬送力の付与が無くなる供給剤収容室9の搬送方向下流端部近傍で、進入阻止部材3の側壁と、仕切り壁135との間に現像剤がせり上がる状態となる。これにより、供給スクリュウ8が現像剤に埋まるような状態となり、供給スクリュウ8の回転による現像剤の跳ね上げが抑えられるとともに、供給スクリュウ8の羽部の上部が現像剤の剤面から出ているときに発生する供給スクリュウの跳ね上げによる剤面の変化がオーバーフロー開口94付近では緩和される。このため、現像装置4内の現像剤の増減に対して感度の良い排出が望めるようになる。
図12及び図13は、現像装置4内の現像剤量が比較的少ない状態、すなわち、供給剤収容室9の搬送方向下流端近傍における現像剤の嵩が所定の高さに到達していない状態、での現像剤の流れを示す説明図である。図12は、図2と同じ方向から見た供給剤収容室9の搬送方向下流端近傍の断面説明図であり、図13は、図5と同じ方向から見た側方断面説明図である。図中Pは現像剤を示す。
図12及び図13に示すように、現像装置4内の現像剤量が少ない場合は供給剤収容室9から循環搬送路である搬送剤収容室10への現像剤の供給がスムーズに行われる。その結果、供給剤収容室9と搬送剤収容室10との境界である第1仕切壁133に設けられた返送開口92で現像剤Pが溢れることが無い。このため、供給剤収容室9内の現像剤は、オーバーフロー開口94にほとんど導かれず、現像剤量が少ない状態での現像剤のオーバーフローを防止することができる。
図14及び図15は現像装置4内の現像剤量が多い状態、すなわち、供給剤収容室9における搬送方向下流端近傍の現像剤Pの嵩がオーバーフローレベルを越えた状態、における現像装置4の現像剤Pの流れを示す説明図である。図14は、図2と同じ方向から見た供給剤収容室におけるの搬送方向下流端近傍の断面説明図であり、図15は、図5と同じ方向から見た側方断面説明図である。
図14及び図15に示すように、現像装置4内の現像剤量が多い場合は、供給剤収容室9から搬送剤収容室10へ現像剤Pが移動する返送開口92の近傍で現像剤Pが滞留してしまう。その結果、供給剤収容室9の搬送方向最下流部の現像剤Pは行き場が無くなり上方向に嵩が上昇して行く。そして、オーバーフロー開口94の高さまで嵩が上昇すると現像剤Pが余剰剤受入室2に向けてオーバーフローして、余剰剤受入室2内の排出手段である排出スクリュウ2aによって現像装置4の外部に排出されることになる。
図4、図13及び図15に示すように、オーバーフロー開口94と返送開口92とが、供給剤収容室9の現像剤搬送方向について同じ位置にあることにより、供給剤収容室9から搬送剤収容室10に受け渡す現像剤量と、供給剤収容室9内からオーバーフローする現像剤量のバランスをとることが容易となる。
また、オーバーフロー開口94は返送開口92よりも上方に配置されているため、現像装置4内の現像剤量が適正量である状態では、供給剤収容室9の搬送方向下流端に到達した現像剤は、下方にある返送開口92のみを通過し、搬送剤収容室10に移動して現像装置4内を循環する。そして、現像装置4内の現像剤量が増加し、搬送方向下流端の現像剤の嵩が上方にあるオーバーフロー開口94の高さまで到達すると、その高さを越える現像剤がオーバーフロー開口94を通過して、現像装置4の外部に排出される。かかる構成では、オーバーフロー開口94は返送開口92よりも上方に配置するという簡易な構成で、搬送剤収容室10に供給すべき現像剤量が搬送剤収容室10に供給されない状態で現像剤が現像装置4の外に排出されることを防止しつつ、現像装置4内の現像剤量が所定量を越えた場合は、装置の外に排出することができる。これにより、返送開口92を介して現像剤を循環させつつ、オーバーフロー開口94で増加した分の現像剤を精度良く排出して現像剤を入れ替える構成を実現することができる。
供給剤収容室9内におけるオーバーフロー開口94及び返送開口92よりも供給スクリュウ8の剤搬送方向下流側には、現像剤を供給スクリュウ8とは逆方向に搬送する逆搬送手段としての逆スクリュウ部8aが設けられている。この逆スクリュウ部8aは、供給スクリュウ8の回転軸の端部に供給スクリュウ8の羽部とは逆巻きの羽部を取り付けたものである。これにより、供給スクリュウ8の搬送によってオーバーフロー開口94及び返送開口92を配置した位置を通り過ぎた現像剤を、逆スクリュウ部8aによってオーバーフロー開口94及び返送開口92の位置に逆戻りさせることができる。オーバーフロー開口94及び返送開口92を配置した位置を通り過ぎた現像剤が供給スクリュウ8の搬送方向にさらに搬送されると、供給スクリュウ8の回転軸の軸受に現像剤が入り込み、軸受を破損させるおそれがある。このような問題に対して、逆スクリュウ部8aを配置し、オーバーフロー開口94及び返送開口92を配置した位置を通り過ぎた現像剤を押し戻すことにより、軸受に現像剤が入り込むことを防止し、軸受の破損を防止することができる。
供給剤収容室9、搬送剤収容室10及び回収剤収容室7を備える一方向循環の現像装置4では、供給剤収容室9の搬送方向下流端に到達する現像剤は現像スリーブ5に担持されなかった未担持現像剤である。一方向循環の現像装置4では、この未担持現像剤が滞留する位置で、プレミックス剤の補給によって増加した現像剤を排出することが適している。これは、次に説明する理由による。即ち、回収剤収容室7は、現像スリーブ5に担持され現像領域を通過した現像剤を搬送するため、現像装置4内の現像剤量が変化しても回収剤収容室7内を搬送される現像剤はほとんど変化せず、現像剤の嵩の上昇によって現像剤を排出することができない。搬送剤収容室10は、現像装置4内の現像剤量が増加すると、搬送する現像剤量が増加してその嵩も上昇する。しかし、搬送される現像剤の飛び跳ねや搬送量のムラによって、現像剤量が増加しなくても現像剤が排出され、供給剤収容室9に必要量の現像剤を受け渡すことができなくなるおそれがある。このため、搬送剤収容室10内での現像剤の嵩の上昇によって現像剤を排出することは不適である。さらに、供給剤収容室9の途中で排出する構成も、現像装置4内の現像剤量が増加していなくても、現像剤の嵩が増加することがあり、排出した位置よりも搬送方向下流側で現像剤が不足するおそれがあるので不適である。このような理由により、一方向循環の現像装置4では、供給剤収容室9の搬送方向下流端に到達する現像剤が滞留する位置で、プレミックス剤の補給によって増加した分の現像剤を排出することが適しているのである。
本複写機では、返送開口92がオーバーフロー開口94よりも大きな開口となっているが、オーバーフロー開口94が返送開口92よりも大きな開口としても良い。また、供給剤収容室9における搬送方向下流端近傍の現像剤の嵩がオーバーフローレベルを越えた場合にその一部を排出する構成を図4に示す構成の現像装置4に適用した構成について説明した。本発明の特徴部を適用することができる構成は図4に示すものに限るものではなく、図6に示す構成の現像装置4に同様に適用することができる。
また、プレミックス剤を補給する構成の複写機について説明したが、プレミックス剤に代えて、キャリアを補給する構成にしてもよい。但し、プレミックス剤を補給する構成の方が、補給に伴う現像剤のトナー濃度の変動を抑えることができる点で有利である。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
先に示した図1において、Y,M,C,K用のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、それぞれほぼワンタッチの操作でプリンタ部100の筺体内に着脱することができるようになっている。また、筺体内から取り外したY,M,C,K用のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kに対して、ほぼワンタッチの操作でY,M,C,K用の現像装置4Y,M,C,Kを着脱することができる。
先に示した図1において、Y,M,C,K用のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、それぞれほぼワンタッチの操作でプリンタ部100の筺体内に着脱することができるようになっている。また、筺体内から取り外したY,M,C,K用のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kに対して、ほぼワンタッチの操作でY,M,C,K用の現像装置4Y,M,C,Kを着脱することができる。
筺体内に装着されたプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない自らの駆動受入ギヤが、プリンタ部100本体に固定された図示しない原動ギヤに噛み合うようになっている。この噛み合いにより、プリンタ部100内に固定されたY,M,C,K用の図示しないプロセス駆動モータの回転駆動力が、プロセスカートリッジ18Y,M,C,K内の各種駆動部材(例えば感光体や現像スリーブ)に伝達されるようになっている。
本複写機では、画像形成動作の運転モードを、速度優先モードと、標準モードと、画質優先モードとで切り替えることが可能になっており、この切り替えは、ユーザーによる図示しない操作パネルへの操作や、パーソナルコンピュータ等から送られてくるモード情報などに基づいて行われる。そして、速度優先モードでは、3つの運転モードのうち、最も速い駆動速度でプロセスユニット18Y,M,C,Kが駆動される。また、標準モードでは、3つの運転モードのうち、2番目に速い駆動速度でプロセスユニット18Y,M,C,Kが駆動される。また、画質優先モードでは、3つの運転モードのうち、最も遅い駆動速度でプロセスユニット18Y,M,C,Kが駆動される。
なお、速度優先モードと、標準モードや画質優先モードとを比較した場合、相対駆動速度の関係から、前者が高速モードであるのに対して、後者の2つの運転モードが低速モードである。また、標準モードと画質優先モードとを比較した場合、相対駆動速度の関係から、前者が高速モードであるのに対して、後者が低速モードである。
上述したY,M,C,K用の補給装置は、それぞれ、Y,M,C,Kトナーと、Y,M,C,Kプレミックス剤とをそれぞれ個別に現像装置4Y,M,C,Kの搬送剤収容室に補給することができる。そして、Y,M,C,K用の補給装置の駆動を制御する制御部は、搬送剤収容室に設けられたトナー濃度センサからの出力に基づいて、必要に応じてY,M,C,K用のトナー補給装置のトナー補給部を駆動することで、Y,M,C,Kトナーを補給させる。また、プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kについてそれぞれ、所定枚数のプリントが行われる毎に、Y,M,C,K用の補給装置の剤補給部を所定時間だけ駆動することで、Y,M,C,Kプレミックス剤を補給させる。
なお、所定枚数のプリントが行われる毎にプレミックス剤を所定時間だけ補給する構成に代えて、感光体や現像スリーブなどの回転部材が所定数だけ回転する毎に、プレミックス剤を所定時間だけ補給する構成を採用してもよい。また、上述したように、プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、互いにほぼ同様の構成になっているので、以下、Y,M,C,Kという添字の記載を省略して説明する。
先に示した図2において、感光体1、現像スリーブ5、供給スクリュウ8、回収スクリュウ6及び撹拌搬送スクリュウ11に対しては、それぞれプロセスカートリッジの駆動受入ギヤで受け入れた回転駆動力が所定のギヤで伝達されるようになっている。このため、プリンタ部の原動ギヤの回転速度に応じて、それら駆動部材の駆動速度が変化する。
供給剤収容室9からオーバーフロー開口94を通して余剰剤受入室2内にオーバーフローした余剰現像剤は、排出スクリュウ2aの回転駆動に伴って現像装置4外に排出される。余剰現像剤の単位時間あたりにおける排出量は排出スクリュウ2aの回転速度に依存する。そして、本複写機では、標準モードにおける必要排出速度に合わせて、標準モードにおける排出スクリュウ2aの回転速度(ギヤ比)が設定されている。
本複写機では、上述した3つの運転モードのそれぞれにおいて、搬送剤収容室10に対するプレミックス剤の補給速度を互いに同じ速度に設定している。そして、上述したように、余剰剤受入室2内の排出スクリュウ2aの回転速度を、標準モードにおける必要排出速度に合わせて設定している。このため、標準モードでは、たとえ何枚の連続プリントが実施されたとしても、余剰剤受入室2内からの現像剤の排出が間に合わなくなることはない。また、標準モードよりも速い速度で排出スクリュウ2aを回転させる速度優先モードにおいても、余剰剤受入室2内からの現像剤の排出が間に合わなくなることがない。しかしながら、標準モードよりも遅い速度で排出スクリュウ2aを回転させる画質優先モードでは、現像剤の排出が間に合わなくなる。
かかる構成においては、画質優先モードでたとえ連続プリントが行われなくても、途中で他のモードの介在しないプリントが繰り返し実施されれば、余剰剤受入室2内の現像剤のレベルが増え続けることになる。そして、やがてオーバーフローレベルを超えと、供給剤収容室9から余剰剤受入室2内への現像剤のオーバーフローが停止して、3つの収容室(7、9、11)内における現像剤量が過剰になってくる。すると、回収剤収容室7内の現像剤と、現像スリーブ5に担持されている現像剤とが接触するようになり、前者の現像剤によって後者の現像剤がスリーブ表面に向けて押圧されることで、スリーブ表面から回収剤収容室7内への現像剤の回収が行われ難くなる。そして、回収領域で回収剤収容室7内に回収されないまま、スリーブ表面に連れ回って再び現像領域に搬送されてしまう現像剤が出現するようになり、これによって現像濃度ムラや現像濃度不足が引き起こされるおそれがある。
そこで、本複写機では、潜像書込手段たる光書込ユニット(図1の21)による書込処理を停止させた状態で少なくとも排出手段たる排出スクリュウ2aを駆動する非書込排出処理を、制御部が必要に応じて実施することで、かかる現像濃度ムラや現像濃度不足の発生を回避するようになっている。
以下、この非書込排出処理について説明する。
本複写機の制御部は、所定の周期でクロックパルスを発生するパルス発生回路に基づいて、CPUが計時処理を行うようになっている。即ち、本複写機の制御部は、CPUとパルス発生回路との組合せによって計時処理を行う計時手段として機能している。そして、速度優先モードや標準モードに対する低速モードである画質優先モードの実行時間を、低速運転時間として計時する。この低速運転時間の計時結果がある程度増加した場合には、余剰剤受入室2内における余剰現像剤の剤面レベルをある程度増加させている可能性がある。そこで、制御部は、低速運転時間の計時結果と、予め定められた第1閾値とを比較し、計時結果が第1閾値以上である場合に、非書込排出処理について実行する必要があると判定する。即ち、制御部は、低速運転時間の計時結果に基づいて非書込排出処理の実施の必要性を判定する判定手段としても機能している。
本複写機の制御部は、所定の周期でクロックパルスを発生するパルス発生回路に基づいて、CPUが計時処理を行うようになっている。即ち、本複写機の制御部は、CPUとパルス発生回路との組合せによって計時処理を行う計時手段として機能している。そして、速度優先モードや標準モードに対する低速モードである画質優先モードの実行時間を、低速運転時間として計時する。この低速運転時間の計時結果がある程度増加した場合には、余剰剤受入室2内における余剰現像剤の剤面レベルをある程度増加させている可能性がある。そこで、制御部は、低速運転時間の計時結果と、予め定められた第1閾値とを比較し、計時結果が第1閾値以上である場合に、非書込排出処理について実行する必要があると判定する。即ち、制御部は、低速運転時間の計時結果に基づいて非書込排出処理の実施の必要性を判定する判定手段としても機能している。
制御部は、非書込排出処理の実施について必要であると判定すると、非書込排出処理を所定時間だけ実施する。このとき、画質優先モードでの連続プリント動作中である場合には、連続プリント動作を一時中断させて、非書込排出処理を実施する。そして、非書込排出処理を終えたら、低速運転時間の計時結果をゼロにリセットした後、連続プリント動作を再開させる。
非書込排出処理では、光書込ユニット(図1の21)による感光体1に対する光書込を停止させた状態で、少なくとも排出スクリュウ2aを回転駆動させることで、余剰剤受入室2内の現像剤を現像装置4外に排出する。これにより、供給剤収容室9内から余剰剤受入室2内への現像剤のオーバーフローが良好に行われる状態を維持して、3つの収容室(7、9、10)の現像剤が過剰になってしまうことを回避する。かかる構成では、低速モードである画質優先モードにおいて、排出手段たる排出スクリュウ2aの回転駆動速度を比較的低速に設定していても、非書込排出処理により、3つの収容室内に過剰量の現像剤を収容した状態で現像を行ってしまうことを回避することができる。これにより、高速モードである標準モードや速度優先モードで排出スクリュウ2aを過剰に高速駆動してしまうことによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、画質優先モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができる。
非書込排出処理の際、感光体1、現像スリーブ5、供給スクリュウ8、回収スクリュウ6、撹拌搬送スクリュウ11については、回転駆動を停止させても、させなくてもよい。それらの駆動部材が回転駆動していたとしても、感光体1には静電潜像が形成されていないので、潜像の現像は行われないからである。但し、非書込排出処理のときにそれらの駆動部材の回転駆動を停止させるためには、上述の駆動受入ギヤとそれら駆動部材との間に駆動力を切断するためのクラッチを設ける必要があり、プロセスカートリッジの大型化やコストアップを招いてしまう。そこで、本複写機では、非書込排出処理の際に、排出スクリュウ2aに加えて、それらの駆動部材も回転駆動させるようになっている。
本複写機では、標準モードにおいて、次のような場合でも、排出スクリュウ2aの回転駆動による排出動作さえ行っていれば、余剰現像剤の剤面レベルの増加を回避し得る値に、標準モードにおける排出スクリュウ2aの回転速度を設定している。即ち、プレミックス剤の補給が開始されたときの供給剤収容室9内の剤面レベルがちょうどオーバーフロー開口94の下端レベルにあって、補給の開始とほぼ同時にオーバーフローが始まる場合である。このような設定において、余剰剤受入室2内の余剰現像剤の剤面レベルがオーバーフロー開口に近い位置にある状態で、標準モード、あるいはこれよりも駆動速度の速い速度優先モードが開始され始めたとする。すると、3つの収容室における現像剤の収容量の多少や、プレミックス剤の補給の有無にかかわらず、画像形成動作に伴って余剰現像剤の剤面レベルが低下し続けることになる。
かかる構成において、低速モードである画質優先モードが比較的長時間続いて、余剰剤受入室2内における余剰現像剤の剤面レベルがオーバーフローレベルにかなり近づいたとする。このような状態で、画質優先モードに対する高速モードである標準モードや速度優先モードが開始されると、余剰現像剤の剤面レベルは徐々に下がってくる。そして、途中で画質優先モードが実施されないままに、標準モードや速度優先モードが連続したり、断続的に続いたりすると、余剰剤受入室2内の殆どの余剰現像剤が現像装置4外に排出される。にもかかわらず、その直後に画質優先モードが実施されて低速運転時間の計時結果が上述の第1閾値に到達したことによって非書込排出処理が実施されると、その実施は無駄になってしまう。そればかりか、連続プリント動作の一時中断を伴う非書込排出処理では、ユーザーの待ち時間を無駄に発生させてしまうことになる。
そこで、制御部は、画質優先モードに対して高速モードの関係にある標準モード及び速度優先モードの実行時間を高速運転時間として、ひとまとめに累積的に計時するようになっている。そして、高速運転時間の計時結果が所定の第2閾値以上になった場合、即ち、途中で画質優先モードが行われない状態で標準モードや速度優先モードがある程度連続又は断続的に行われたことで余剰剤受入室2内に余剰現像剤が殆ど存在しなくなった場合には、低速運転時間の計時結果をゼロにリセットする。かかる構成では、標準モードや速度優先モードの実施によって余剰剤受入室2内に余剰現像剤が殆ど存在しない状態になっているにもかかわらず、非書込排出処理を実施してしまうことによるユーザーの無駄な待ち時間の発生を回避することができる。
なお、制御部は、低速運転時間の計時結果をゼロにリセットした場合には、それに伴って高速運転時間の計時結果もゼロにリセットするようになっている。また、低速運転時間の計時結果をゼロにリセットしたか否かにかかわらず、非書込排出処理を実行した場合には、低速運転時間と高速運転時間とをそれぞれゼロにリセットするようになっている。
高速運転時間の計時結果に基づいて低速運転時間の計時結果をゼロにリセットする例について説明したが、低速運転時間の計時結果を高速運転時間の計時結果に応じた分だけ低減するようにしてもよい。例えば、高速運転時間の計時結果がある程度増加した段階で、その増加分に見合った値を低速運転時間から減じた後、高速運転時間の計時結果をゼロにリセットするのである。
本複写機では、非書込排出処理のときには、プリンタ部の本体に固定されているプロセス駆動モータを低速モードである画質優先モードにおける駆動速度よりも速い速度で駆動させて、排出スクリュウ2a、その他のスクリュウ、感光体1及び現像スリーブ、回転させるようになっている。これにより、非書込排出処理における余剰剤受入室2内からの余剰現像剤の排出速度を画質優先モードよりも速くすることで、同じ速度にする場合に比べて、非書込排出処理の実施時間、ひいてはユーザーの待機時間を低減することができる。
これまで、低速モードでの画像形成動作量として低速モード補給時間を計数する例について説明したが、他のパラメータを画像形成動作量として計数させるように制御部を構成してもよい。例えば、低速モードでのプリント枚数や回転部材の回転数を計数させるようにしてもよい。
次に、本発明を適用した第2実施形態の複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、この複写機の構成は、第1実施形態に係る複写機と同様である。
本複写機の制御部は、低速モードである画質優先モードの実行中に補給装置によってプレミックス剤の補給が行われた時間である低速モード補給時間を累積的に計時するようになっている。この低速モード補給時間の計時結果がある程度増加した場合には、余剰剤受入室2内における余剰現像剤の剤面レベルをある程度増加させている可能性がある。そこで、制御部は、低速モード補給時間の計時結果と、予め定められた第1閾値とを比較し、計時結果が第1閾値以上である場合に、非書込排出処理について実行する必要があると判定する。
かかる構成においても、低速モードである画質優先モードにおいて、排出手段たる排出スクリュウ2aの回転駆動速度を比較的低速に設定していても、非書込排出処理を実行することで、3つの収容室内に過剰量の現像剤を収容した状態で現像を行ってしまうことを回避することができる。これにより、高速モードである標準モードや速度優先モードで排出スクリュウ2aを過剰に高速駆動してしまうことによる寿命低下や騒音の発生を回避しつつ、画質優先モードの実施頻度が高い場合であっても安定した画像濃度を得ることができる。
なお、制御部は、第1実施形態と同様に、画質優先モードに対して高速モードの関係にある標準モード及び速度優先モードの時間を高速運転時間として、ひとまとめに累積的に計時するようになっている。そして、高速運転時間の計時結果が所定の第2閾値以上になった場合、即ち、途中で画質優先モードが行われない状態で標準モードや速度優先モードがある程度連続又は断続的に行われたことで余剰剤受入室2内に余剰現像剤が殆ど存在しなくなった場合、に低速モード補給時間の計時結果をゼロにリセットする。かかる構成においても、標準モードや速度優先モードの実施によって余剰剤受入室2内に余剰現像剤が殆ど存在しない状態になっているにもかかわらず、非書込排出処理を実施してしまうことによるユーザーの無駄な待ち時間の発生を回避することができる。
また、制御部は、低速モード補給時間の計時結果をゼロにリセットした場合には、それに伴って高速運転時間の計時結果もゼロにリセットするようになっている。また、低速モード補給時間の計時結果をゼロにリセットしたか否かにかかわらず、非書込排出処理を実行した場合には、低速モード補給時間と高速運転時間とをそれぞれゼロにリセットするようになっている。
本発明者らは、先に図1に示したプリンタ部100と同様の構成を備えるプリンタ試験機を用意した。このプリンタ試験機におけるK用の現像装置4Kや補給装置の諸条件は次の通りである。
(1)現像剤収容量:650[g]。
(2)プレミックス剤のキャリア含有率:15[%]。
(3)プレミックス剤の補給能力:1.33[g/sec]。
注:補給装置の図示しない剤収容部から供給剤収容室9へのプレミックス剤の最大補給能力。モードにかかわらず一定。
(4)プレミックス剤補給動作実施タイミング:2枚プリント毎に1回の補給動作。
注:モードにかかわらず一定。
(5)プレミックス剤補給動作1回あたりの実行時間:2[sec]。
注:モードにかかわらず一定。
(6)標準モードでの剤排出速度:0.33[g/sec]
注:標準モードにおける余剰剤受入室2から現像装置4外への余剰剤の排出速度。
(1)現像剤収容量:650[g]。
(2)プレミックス剤のキャリア含有率:15[%]。
(3)プレミックス剤の補給能力:1.33[g/sec]。
注:補給装置の図示しない剤収容部から供給剤収容室9へのプレミックス剤の最大補給能力。モードにかかわらず一定。
(4)プレミックス剤補給動作実施タイミング:2枚プリント毎に1回の補給動作。
注:モードにかかわらず一定。
(5)プレミックス剤補給動作1回あたりの実行時間:2[sec]。
注:モードにかかわらず一定。
(6)標準モードでの剤排出速度:0.33[g/sec]
注:標準モードにおける余剰剤受入室2から現像装置4外への余剰剤の排出速度。
かかる諸条件を具備するプリンタ試験機において、1回のプレミックス剤補給動作におけるキャリアの補給量は、モードにかかわらず0.4[g]である(1.33g×2sec×15%)。また、画質優先モードでの1回あたりのプレミックス剤補給動作により、非書込排出処理でって必要となる剤排出時間は、1.21[sec]である(0.4g/0.33g)。
このような諸条件のもとで、まず、複数の記録紙に対して画質優先モードでモノクロ画像を連続プリントする実験を行った。具体的には、まず、従来の画像形成装置と同様に、非書込排出処理を実施しない条件で連続プリントを行った。
次に、プレミックス剤の補給動作が7回に達した時点(補給時間が14秒に達した時点)で連続プリントを一時中断した後、プロセス線速を標準モードと同じ値まで速めた条件で非書込排出処理を10秒間実施する条件にて、同様の実験を行った。10秒間としたのは、画質優先モードでの補給動作7回あたりに必要となる標準モードでの剤排出時間が8.47秒(1.21sec×7)だからである。
この実験の結果を図16に示す。同図のグラフに示すように、非書込排出処理を実施しないと、現像装置内の現像剤収容量が連続プリントの進行に伴って増加し続け、28枚プリント時には、現像剤収容量が初期状態(650g)よりも7g増加している。これに対し、非書込排出処理を実施する条件では、14枚プリント毎に非書込排出処理が行われることで、その度に現像剤収容量が初期状態に戻っていることがわかる。
これまで、低速モード補給動作量として低速モード補給時間を計数させるように制御部を構成した例について説明したが、他のパラメータを低速モード補給動作量として計数させるようにしてもよい。例えば、低速モードにおける補給装置の動作回数や、補給部材の回転数などを低速モード補給動作量として計数させるようにしてもよい。
次に、第1実施形態や第2実施形態に係る複写機の変形例装置について説明する。第1実施形態や第2実施形態に係る複写機の現像装置4は、図2に示されるように、搬送剤収容室10や回収剤収容室7よりも上方に供給剤収容室9が配設された構成になっていた。これに対し、変形例装置では、供給剤収容室9、搬送剤収容室10及び回収剤収容室7からなる3つの収容室を略同じ高さに設けている。
図17は変形例装置の現像装置4を示す概略構成図である。同図において、感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面をスコロトロンチャージャ103により帯電される。帯電された感光体1の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光Lにより静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
現像装置4は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体1の表面の潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体としての現像スリーブ5を有している。また、現像スリーブ5に現像剤を供給しながら図紙面に直交する方向の手前側から奥側に向けて現像剤を搬送する供給スクリュウ8を有している。
現像スリーブ5の供給スクリュウ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像スリーブ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ12を備えている。
現像スリーブ5の感光体1との対向部である現像部から表面移動方向下流側には、現像部を通過した現像済みの現像剤を回収し、回収した回収現像剤を供給スクリュウ8と同方向に搬送する回収搬送部材としての回収スクリュウ6を備えている。供給スクリュウ8を備えた供給剤収容室9と回収スクリュウ6を備えた回収剤収容室7とは現像スリーブ5の下方に並設されている。供給剤収容室9と回収剤収容室7との2つの搬送路は仕切り部材としての第2仕切壁134によって仕切られている。
供給剤収容室9における回収剤収容室7とは反対側の側方には、搬送剤収容室10が配設されている。この搬送剤収容室10は、現像剤を攪拌しながら供給スクリュウ8とは逆方向である図中手前側に搬送する撹拌搬送スクリュウ11を備えている。供給剤収容室9と搬送剤収容室10とは仕切り部材としての第1仕切壁133によって仕切られている。第1仕切壁133の図紙面に直交する方向における両端部にはそれぞれ開口が設けられており、それらの開口で供給剤収容室9と搬送剤収容室10とが連通している。供給剤収容室9内で現像スリーブ5に汲み上げられることなく供給剤収容室9の搬送方向下流端まで搬送された現像剤や、回収スクリュウ6によって回収剤収容室7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は、搬送剤収容室10に送られる。搬送剤収容室10は、送られてくる現像剤を攪拌し、撹拌搬送スクリュウ11の搬送方向下流側に搬送する。そして、第1仕切壁133に設けられた供給開口より供給スクリュウ8の搬送方向上流側の供給剤収容室9内に現像剤を供給する。
第2仕切壁134には回収スクリュウ6の搬送方向最下流側である図中奥側端部に開口が設けられており、この開口で供給剤収容室9と回収剤収容室7とが連通している。回収スクリュウ6の搬送方向下流端と、供給スクリュウ8の搬送方向下流端と、撹拌搬送スクリュウ11の搬送方向上流端とで3つの収容室が連通しているのである。そして、回収剤収容室7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は供給剤収容室9に移送される。また、回収現像剤と供給スクリュウ8で搬送される現像スリーブ5に供給されなかった現像剤は、連通している搬送剤収容室10に移送される。
搬送剤収容室10では、撹拌搬送スクリュウ11によって、現像剤及び必要に応じて補給されるトナーを、回収剤収容室7及び供給剤収容室9の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で連通している供給剤収容室9の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。なお、搬送剤収容室10の下方には、トナー濃度センサ127が設けられ、センサ出力によりトナー補給制御装置(図示せず)を作動し、不図示のトナーボトルから移送部へのトナー補給を行っている。
現像装置4のケーシングは3つの搬送スクリュウの軸部で上下に分かれるように一体成型された下ケーシング112及び上ケーシング113からなる。第1仕切壁133は下ケーシング112の一部であり、第2仕切壁134は、上ケーシング113に保持され、下ケーシング112と勘合する。
なお、上述の補給装置として、公知のモーノポンプを用いる方式のものを採用することができる。この方式によればトナーカートリッジの設置場所の制約が少ないため、画像形成装置内部のスペース配分に対し有利である。またトナーを適時補給できるため、現像装置4に大きなトナー貯留スペースを設けなくてすみ、現像装置4の小型化が図られる。
供給スクリュウ8のスクリュウ頂点114は、現像スリーブ5の回転中心115よりも下方に位置している。現像装置4では現像スリーブ5の回転中心115とスクリュウ頂点114とを結んだ直線と、回転中心115を通る水平な直線との角度θ1を30[°]に設定した。この角度θ1は供給スクリュウ8の直径にも左右されるが、現像装置4の小型化からレイアウト上10[°]〜40[°]が望ましい。
現像スリーブ5への現像剤の供給は現像スリーブ5内に設けられた磁極が現像剤中の磁性キャリアを引き寄せることによって行われる。上述のように、スクリュウ頂点114が現像スリーブ5の回転中心115よりも下方となるように配置することにより、現像剤の自重が現像スリーブ5への現像剤の供給量に影響せず、磁力の大きさが現像剤の供給量に寄与する。これにより、供給剤収容室9で搬送される現像剤の上部から確実に供給されるため、供給スクリュウ8の搬送方向で供給剤収容室9内の現像剤の嵩が均一でなくても、現像スリーブ5に適正な量の現像剤を供給することができる。
従来の3つの収容室を同じ高さに設けた現像装置では、搬送剤収容室10から供給剤収容室9に現像剤を受け渡す供給開口を現像領域幅よりも外側に設けていた。これにより、搬送剤収容室10及び供給剤収容室9が、現像スリーブ5及び回収剤収容室7に比べて供給剤収容室9の搬送方向上流端部が突き出した状態となっていた。これに対し、本変形例装置の現像装置4では、供給開口を現像領域幅内に設けているので、現像スリーブ5及び回収剤収容室7に比べて搬送剤収容室10及び供給剤収容室9が突き出していた部分がなくなり、現像装置4の省スペース化を図ることが出来る。また、回収剤収容室7、搬送剤収容室10、及び供給剤収容室9を略同じ高さに設けたことにより、現像剤にかかるストレスを軽減し、現像剤の長寿命化を図ることができる。即ち、3つの収容室を同じ高さに設けることにより、各収容室間で現像剤を上方に持ち上げる必要がないため、現像剤に与えるストレスを軽減することができる。これにより、現像剤の劣化を抑制し、安定した画像品質を維持することができるようになる。
以上、第1実施形態に係る複写機においては、高速モードとしての速度優先モード及び標準モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、その高速運転時間の計時結果に基づいて低速運転時間の計時結果をリセットするように、計時手段たる制御部を構成している。かかる構成では、既に説明したように、標準モードや速度優先モードの実施によって余剰剤受入室2内に余剰現像剤が殆ど存在しない状態になっているにもかかわらず、非書込排出処理を実施してしまうことによるユーザーの無駄な待ち時間の発生を回避することができる。
また、第2実施形態に係る複写機においては、高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて低速モード補給時間の計時結果をリセットするように、制御部を構成している。かかる構成においても、既に説明したように、標準モードや速度優先モードの実施によって余剰剤受入室2内に余剰現像剤が殆ど存在しない状態になっているにもかかわらず、非書込排出処理を実施してしまうことによるユーザーの無駄な待ち時間の発生を回避することができる。
また、各実施形態に係る複写機では、非排出書込処理において、排出手段たる排出スクリュウ2aの駆動速度を、低速モードである画質優先モードにおける駆動速度よりも速くしている。かかる構成では、非排出書込処理時の排出スクリュウ2aの駆動速度を画質優先モードと同じ速度にする場合に比べて、非書込排出処理の実施時間、ひいてはユーザーの待機時間を低減することができる。
また、各実施形態に係る複写機においては、複数の記録紙に対して画像を連続的に形成する連続画像形成動作としての連続プリントを一時中断して非書込排出処理を実行させるように、制御手段たる制御部を構成している。かかる構成では、連続プリント中に現像装置4の回収剤収容室7内の回収剤収容量を過剰にしてしまうことによる現像濃度ムラや現像濃度不足の発生を回避することができる。
また、各実施形態に係る複写機においては、収容室として、現像剤担持体たる現像スリーブ5に供給する現像剤を収容する供給剤収容室9と、現像スリーブ5上から回収した現像に使用済みの現像剤を収容する回収剤収容室7と、回収剤収容室7から受け取った現像剤、及び補給手段によって補給されたトナーやキャリア(プレミックス剤)を収容しながら供給剤収容室9に向けて送るための搬送剤収容室10とを設けている。そして、自らの駆動によって現像剤を現像スリーブ5の長手方向に沿って搬送する搬送手段としてのスクリュウ部材を供給剤収容室9、回収剤収容室7、及び搬送剤収容室10にそれぞれ設け、オーバーフロー開口94を供給剤収容室9に設けている。かかる構成では、現像スリーブ5から回収した回収現像剤を供給剤収容室9とは別の回収剤収容室7に収容することで、供給剤収容室9に現像前の現像剤と回収現像剤とを混在させることが殆どなくなる。そして、これにより、供給用の現像剤に、トナー濃度の低い回収現像剤を混在させることによる現像濃度ムラの発生を抑えることができる。また、新たに補給したトナーと、現像に使用されないまま供給剤収容室9を通過してきた現像剤と、現像に寄与してトナー濃度を低下させた回収現像剤と、プレミックス剤とを、搬送剤収容室10内で混合撹拌してから供給剤収容室9に送ることで、供給剤収容室9内の現像剤のトナー濃度を安定化させて、現像濃度の安定化を図ることもできる。更には、安定したトナー濃度の現像剤を収容する供給剤収容室9から余剰現像剤をオーバーフローさせることで、トナー濃度の安定していない現像剤を収容する回収剤収容室7や搬送剤収容室10からオーバーフローさせる場合に比べて、キャリアとトナーとの排出比率を安定化させることができる。
また、各実施形態に係る複写機においては、供給剤収容室9内の搬送手段である供給スクリュウ8の回転駆動に伴って跳ね上がってしまった現像剤のオーバーフロー開口94への進入を阻止するための進入阻止部材3を設けている。かかる構成では、跳ね上がってしまった現像剤をオーバーフロー開口94経由で現像装置4外に排出することによる各収容室内の現像剤収容量不足の発生を抑えることができる。
また、各実施形態に係る複写機においては、供給剤収容室9における供給スクリュウ8による現像剤搬送方向の中心よりも下流側に、現像剤を搬送剤収容室10に戻すための返送開口92を設けている。かかる構成では、供給剤収容室9内で、現像スリーブ5に汲み上げられないままに搬送方向の下流側に搬送されてきた現像剤を搬送剤収容室10に戻すことで、供給剤収容室9内の現像剤収容量を安定化させることができる。
また、各実施形態に係る複写機においては、オーバーフロー開口94及び返送開口92よりも現像剤搬送方向下流側で、現像剤を供給スクリュウ8とは逆方向に搬送する逆搬送手段たる逆スクリュウ部8aを供給剤収容室9に設けている。かかる構成では、既に説明したように、供給スクリュウ8の軸受に現像剤が入り込むことを防止し、軸受の破損を防止することができる。
1Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
2:余剰剤受入室
2a:排出スクリュウ(排出手段)
3:進入阻止部材
4Y,M,C,K:現像装置
5:現像スリーブ(現像剤担持体)
6:回収スクリュウ(搬送手段)
7:回収剤収容室
8:供給スクリュウ(搬送手段)
8a:逆スクリュウ部(逆搬送手段)
9:供給剤収容室
10:搬送剤収容室
11:撹拌搬送スクリュウ(搬送手段)
17:中間転写ユニット17(転写手段の一部)
21:光書込手段(潜像書込手段)
22:2次転写装置(転写手段の一部)
92:返送開口
94:オーバーフロー開口
110:中間転写ベルト(中間転写体)
2:余剰剤受入室
2a:排出スクリュウ(排出手段)
3:進入阻止部材
4Y,M,C,K:現像装置
5:現像スリーブ(現像剤担持体)
6:回収スクリュウ(搬送手段)
7:回収剤収容室
8:供給スクリュウ(搬送手段)
8a:逆スクリュウ部(逆搬送手段)
9:供給剤収容室
10:搬送剤収容室
11:撹拌搬送スクリュウ(搬送手段)
17:中間転写ユニット17(転写手段の一部)
21:光書込手段(潜像書込手段)
22:2次転写装置(転写手段の一部)
92:返送開口
94:オーバーフロー開口
110:中間転写ベルト(中間転写体)
Claims (12)
- 自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を得る現像装置と、現像剤の成分であるトナーやキャリアを該現像装置内に補給する補給手段と、該潜像担持体上のトナー像を直接あるいは中間転写体を介して記録部材に転写する転写手段とを備えるとともに、現像剤を収容する収容室と、該収容室内の現像剤を自らの移動する表面に担持して該潜像担持体に対向する現像領域に搬送する現像剤担持体と、該収容室内の現像剤をオーバーフローさせるように該収容室の壁に設けられたオーバーフロー開口と、該オーバーフロー開口からオーバーフローしてくる余剰現像剤を受け入れる余剰剤受入室と、該余剰剤受入室内の余剰現像剤を外部に排出する排出手段とを該現像装置に有し、該潜像担持体及び現像剤担持体の駆動速度が互いに相対的に高低の関係にある高速モードと低速モードとで画像形成速度モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、
上記低速モードでの画像形成動作量を累積的に計数する計数手段と、上記潜像書込手段による書込処理を停止させた状態で少なくとも上記排出手段を駆動する非書込排出処理の実施の必要性を該計数手段による計数結果に基づいて判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて少なくとも該潜像書込手段及び該排出手段の駆動を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置であって、
上記計数手段が、上記低速モードの実行時間である低速運転時間を上記画像形成動作量として累積的に計時する計時手段であり、且つ、上記判定手段が、該計時手段による計時結果に基づいて上記非書込排出処理の実施の必要性を判定するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記高速モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて上記低速運転時間の計時結果をリセット又は低減するように、上記計時手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を得る現像装置と、現像剤の成分であるトナーやキャリアを該現像装置内に補給する補給手段と、該潜像担持体上のトナー像を直接あるいは中間転写体を介して記録部材に転写する転写手段とを備えるとともに、現像剤を収容する収容室と、該収容室内の現像剤を自らの移動する表面に担持して該潜像担持体に対向する現像領域に搬送する現像剤担持体と、該収容室内の現像剤をオーバーフローさせるように該収容室の壁に設けられたオーバーフロー開口と、該オーバーフロー開口からオーバーフローしてくる余剰現像剤を受け入れる余剰剤受入室と、該余剰剤受入室内の余剰現像剤を外部に排出する排出手段とを該現像装置に有し、該潜像担持体及び現像剤担持体の駆動速度が互いに相対的に高低の関係にある高速モードと低速モードとで画像形成速度モードを切り替えることが可能な画像形成装置において、
上記低速モードでの上記補給手段の動作量である低速モード補給動作量を累積的に計数する計数手段と、上記潜像書込手段による書込処理を停止させた状態で少なくとも上記排出手段を駆動する非書込排出処理の実施の必要性を該計数手段による計数結果に基づいて判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいて少なくとも該潜像書込手段及び該排出手段の駆動を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置であって、
上記計数手段が、上記低速モードの実行中に上記補給手段によってキャリアの補給が行われた時間である低速モード補給時間を上記低速モード補給動作量として累積的に計時する計時手段であり、且つ、上記判定手段が該計時手段による計時結果に基づいて上記非書込排出処理の実施の必要性を判定するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記高速モードの実行時間である高速運転時間を累積的に計時し、該高速運転時間の計時結果に基づいて上記低速モード補給時間の計時結果をリセット又は低減するように、上記計時手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6の何れかの画像形成装置において、
上記非排出書込処理における上記排出手段の駆動速度を、上記低速モードにおける駆動速度よりも速くしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
複数の記録部材に対して画像を連続的に形成する連続画像形成動作を一時中断して上記非書込排出処理を実行させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、
上記収容室として、上記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する供給剤収容室と、上記現像剤担持体から回収した現像に使用済みの現像剤を収容する回収剤収容室と、該回収剤収容室から受け取った現像剤、及び上記補給手段によって補給されたトナーやキャリアを収容しながら該供給剤収容室に向けて送るための搬送剤収容室とを設け、自らの駆動によって現像剤を上記現像剤担持体の長手方向に沿って搬送する搬送手段を該供給剤収容室、回収剤収容室、及び搬送剤収容室にそれぞれ設け、且つ、上記オーバーフロー開口を該供給剤収容室に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9の画像形成装置において、
上記供給剤収容室内の上記搬送手段の駆動に伴って跳ね上がってしまった現像剤の上記オーバーフロー開口への進入を阻止するための進入阻止部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9又は10の画像形成装置において、
上記供給剤収容室における上記搬送手段による現像剤搬送方向の中心よりも下流側に、現像剤を上記搬送剤収容室に戻すための返送開口を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
上記オーバーフロー開口及び上記返送開口よりも現像剤搬送方向下流側で、現像剤を上記搬送手段とは逆方向に搬送する逆搬送手段を上記供給剤収容室に設けたことを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011048041A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Casio Electronics Co Ltd | 画像形成装置の二成分現像装置 |
JP2011128514A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
JP2013156417A (ja) * | 2012-01-30 | 2013-08-15 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2013228659A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-11-07 | Ricoh Co Ltd | 現像装置及び画像形成装置 |
US8903270B2 (en) | 2011-03-11 | 2014-12-02 | Ricoh Company, Ltd. | Developing device, image forming apparatus, and process cartridge |
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- 2007-05-21 JP JP2007134133A patent/JP2008287155A/ja not_active Withdrawn
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