JP2011058864A - コイルの非破壊検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶解性パラメータ(SP値)が11.0cal/cm2未満であり、分子量が70以上である有機化合物よりなる導電性液体と、フッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液4を検査容器10内に収容し、モータコア8に装着されたコイル7と、電極2とを検査容器10の検査液4内に浸漬し、コイル7と電極2との間に電圧を付与して両者の間に流れる電流の値を測定することにより、コイル7の傷の状態を判定する。導電性液体4は、エーテル系、グリコールエーテル系、または炭化水素系であることが好ましい。特に、導電性液体は、酢酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ベンゼン、またはヘプタンであることが好ましい。
【選択図】図1
Description
従来、被覆導体を巻回してなるコイルの絶縁状態を検査する方法としては、食塩水によるピンホール検査がある。
モータコアに装着されたコイルと、電極とを上記検査容器の上記検査液内に浸漬し、
上記コイルと上記電極との間に電圧を付与して両者の間に流れる電流の値を測定することにより、上記コイルの傷の状態を判定することを特徴とするコイルの非破壊検査方法にある(請求項1)。
また、上記電流値を測定することによって、その値から傷の大きさ(面積)を容易に求めることができ、傷の定量的な判断も可能である。
上記SP値は、石油系溶剤をはじめ、各種の適正溶剤の選択に有用な溶解力の尺度である溶解性パラメータである。このSP値が大きいほど溶解性が強くなり、極性も高くなる傾向にある。そして、本発明では、上記SP値を11.0cal/cm2未満に制限することによって、コイルの絶縁被膜への浸透を抑制する。一方、上記SP値が11.0cal/cm2を超える場合には、上記導電性液体の絶縁被膜への浸透が抑制しきれず、絶縁皮膜へのダメージを回避することが困難となる。なお、SP値の下限値は特に制限はないが、フッ素不活性溶液と同等なSP値であれば溶液内のSP値も均一となり安定した溶液になることから、SP値の下限値は6.6cal/cm2であることが好ましい。
そして、本発明における上記導電性液体は、上記SP値と分子量とが両方とも上記特定の範囲に入る有機化合物を採用することによって、絶縁皮膜へのダメージを抑えている。
本発明の実施例にかかるコイルの非破壊検査方法について、図1〜図6を用いて説明する。
本例のコイルの非破壊検査方法を行う検査装置1は、図1に示すごとく、導電性液体とフッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液4を収容する検査容器10を有している。また、検査容器10の外部には、直流電源11と、これに接続された電流計12とが設けられている。直流電源11及び電流計12は、検査容器10内に浸漬される電極2と、同じく検査容器10内に浸漬されるモータコア8に装着されたコイル7とに、電線15を介してそれぞれ電気的に接続されるようになっている。上記直流電源11及び電流計12を含む電気回路には、図示しないスイッチや、電流値を解析するための制御回路等を接続することも可能である。
そして、上記検査装置1を用いた検査方法は、コイル7と電極2との間に、直流電源11から電圧を付与して、電流計12によって両者の間に流れる電流の値を測定することにより、上記コイルの傷の状態を判定する方法である。
各導電性液体については、SP値、分子量(数平均分子量)、沸点、導電率、密度の特性について表1に示した。
なお、同図に示さなかった試料2〜4についても、同様の予備試験によって、試料1(符号B)と同様に絶縁破壊電圧値が大きく低下することが確認されている。
<アルコール>
アルコール(alcohol)とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置き換えた物質の総称である。芳香環の水素原子を置換したものはフェノール類と呼ばれ、アルコールと区別される。アルコールはヒドロキシ基を持つことがその特徴である。ヒドロキシ基が他の分子と水素結合を形成し、アルコール分子は極性物質としての性質を持つ。
グリコール(glycol)はアルコールの一種(ポリオール)で、鎖式脂肪族炭化水素または環式脂肪族炭化水素の2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を持つ化合物であり、ジオール化合物とも呼ばれる。グリコール類は常温で無色液体であるが、一般のアルコールに比べて分子量の割に融点や粘度が高いという性質を持っている。これはヒドロキシ基を介する水素結合が多いことに起因している。
エーテル(ether)は有機化合物の分類のひとつで、構造式をR−O−R’(R、R’はアルキル基、アリール基などの有機基、Oは酸素原子)の形で表される化合物を指す。また、エーテルに含まれるR−O−R’の部分をエーテル結合という。酸素が非共有電子対を持つことから、ルイス塩基性、水素結合受容性を示す。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)などは、多くの有機化合物をよく溶かし化学的に比較的安定であるため、非プロトン性溶媒としての用途が多い。
グリコールエーテルは、アルコールとエーテルの最も良好な溶解性を組み合わせられている用途の広い分子である。グリコールエーテルは、水と同様に広範囲の有機化学物質に対して混和性と溶解性を有している。そのため、グリコールエーテルは、樹脂に対する活性溶媒として表面塗料工業、溶媒としてブレーキ液工業、種々の石油ベース燃料における凍結防止剤(anti−icer)として石油工業、不凍液として自動車工業並びに日常的に使用される特別品において非常に優れているものと考えられる。
10 検査容器
11 直流電源
12 電流計
2 電極
4 検査液
7 コイル
8 モータコア
Claims (4)
- 溶解性パラメータ(SP値)が11.0cal/cm2未満であり、分子量が70以上である有機化合物よりなる導電性液体と、フッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液を検査容器内に収容し、
モータコアに装着されたコイルと、電極とを上記検査容器の上記検査液内に浸漬し、
上記コイルと上記電極との間に電圧を付与して両者の間に流れる電流の値を測定することにより、上記コイルの傷の状態を判定することを特徴とするコイルの非破壊検査方法。 - 請求項1において、上記導電性液体は、エーテル系、グリコールエーテル系、または炭化水素系であることを特徴とするコイルの非破壊検査方法。
- 請求項1又は2において、上記導電性液体は、酢酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ベンゼン、またはヘプタンであることを特徴とするコイルの非破壊検査方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記導電性液体と上記フッ素系不活性溶液との混合割合は、両者の合計量に対する上記導電性液体の含有量が体積比において3〜5%であることを特徴とするコイルの非破壊検査方法。
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