JP2011055591A - インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム - Google Patents

インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】制御の速応性の向上と安定性の向上とを適切に実現することができるインバータ制御回路を提供する。
【解決手段】インバータ制御回路A5において、インバータ回路の出力有効電力Pの偏差量ΔPの絶対値に基づいて、ゲインK1およびK2を算出するゲイン算出手段12,13と、インバータ回路から出力すべき交流信号の周波数を補正するための周波数補正値Δωを、ゲインK1に基づいて算出する、速応性の高い第1の制御手段22,23と、出力すべき交流信号の振幅を補正するための電圧同相成分補正値ΔVqを、ゲインK2に基づいて算出する、安定性の高い第2の制御手段32とを設け、ゲイン算出手段12,13が、偏差量ΔPの絶対値が大きい場合に、ゲインK1が相対的に大きくなり、偏差量ΔPの絶対値が小さい場合に、ゲインK2が相対的に大きくなるように、ゲインK1およびK2を算出するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム、このインバータ制御回路を実現するためのプログラム、および、このプログラムを記録した記録媒体に関する。
近年、太陽光などの自然エネルギーを用いた分散型電源と負荷とを持つ小規模電力系統で、電源および熱源を一括管理し、既存の商用電力系統から独立して運転可能な電力供給システムである「マイクログリッド」という概念が注目されている。
マイクログリッドの自立状態での小規模電力系統においては、商用電力系統の場合と比較して、分散型電源に対する同期発電機の連系数が少ない。したがって、同期発電機の周波数維持能力のみでは、系統内の周波数を一定に保つことが難しくなる。大規模電力系統であっても、大量の分散型電源が導入されることにより、分散型電源に対する同期発電機の相対的な連系数が減少するので、同様に、系統内の周波数を維持することが難しくなる。これを解消するために、周波数維持能力を有する分散型電源が開発されている。例えば、特開2007‐318833号公報には、連系された系統の周波数を自立的に維持することができる系統連系インバータシステムが記載されている。
図12は、周波数維持能力を有する系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
系統連系インバータシステム100のインバータ制御回路160は、インバータ回路120の出力有効電力Pを目標有効電力P0にフィードバック制御するものである。電圧位相補正値算出部162は、有効電力算出部161によって算出されたインバータ回路120の出力有効電力Pと目標有効電力P0との偏差ΔPに基づいて、電圧位相補正値θを算出する。指令値信号生成部163は、検出された系統電圧信号の位相ωt、目標振幅V、および電圧位相補正値θから指令値信号V0=Vsin(ωt−θ)を生成する。PWM信号生成部164は、指令値信号V0とキャリア信号(三角波信号)とから、三角波比較方式でPWM信号を生成しインバータ回路120に出力する。
系統連系インバータシステム100は、出力有効電力の偏差ΔPに基づいて出力電圧の位相を制御することで、出力有効電力Pを制御しており、同期発電機と同様の制御特性を持っている。したがって、系統連系インバータシステム100は、同期発電機と協調して系統150の周波数を維持することができる。
特開2007‐318833号公報
インバータ制御回路160において、負荷の変動に対する制御の応答の速さ(速応性)は、制御パラメータの設定によって調整される。制御を速応性の高い設定とすると、インバータ制御回路160は、負荷の急変に対して素早く反応して制御を行い、早く目標値に収束させる。しかし、定常状態において負荷が小さく変動した場合でも敏感に反応するので、安定性が低くなる。一方、制御を速応性の低い設定とすると、インバータ制御回路160は、定常状態において負荷が小さく変動しても反応が鈍いので、安定性が高い制御を行うことができる。しかし、反応が鈍いので、負荷が急変した場合に目標値に収束させるのに時間がかかる。すなわち、制御の速応性と安定性は、速応性を高くすると安定性が低くなり、安定性を高くするためには速応性を低くする必要があるという、トレードオフの関係にある。
インバータ制御回路160は、系統150で生じる負荷変動に対して出力有効電力Pが不安定になることを防ぐために、安定性の高い制御を行うように設計されている。したがって、インバータ制御回路160が行う制御は速応性が低くなっており、負荷変動が生じた場合に、変化した出力有効電力Pを目標有効電力P0に戻すために時間を要する。系統連系インバータシステム100は、同期発電機と比べて応答性がよいので、負荷変動による出力有効電力Pの変化が早い。したがって、負荷変動により上昇した出力有効電力Pが目標有効電力P0に戻る前に負荷変動が生じて出力有効電力Pがさらに上昇すると、過剰出力となって系統連系インバータシステム100が系統150から解列する可能性がある。系統150の安定化維持のためには、このような不要の解列は望ましくない。
図13および図14は、系統連系インバータシステム100を、同期発電機および負荷を有する小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステム100の出力電力の変化を示す図である。
図13において、波形INVは系統連系インバータシステム100の出力有効電力Pの変化を示しており、波形DGは同期発電機の出力有効電力の変化を示している。当該シミュレーションでは、系統連系インバータシステム100の目標有効電力P0を30kWとし、0秒時、10秒時、20秒時に負荷を追加し(同図において、タイミングを実線矢印で図示)、35秒時にこれらの負荷を離脱(同図において、タイミングを破線矢印で図示)させた。系統連系インバータシステム100の出力有効電力Pは、負荷追加時に上昇し、目標有効電力P0に制御される前に更に負荷が追加されることにより、目標有効電力P0を大幅に上回っている。なお、追加された負荷に対して系統連系インバータシステム100が有効電力を供給し続けるので、同期発電機の出力有効電力は、負荷追加のとき一瞬上昇するがすぐ元に戻っている。
図14において、波形INVは系統連系インバータシステム100の出力無効電力の変化を示しており、波形DGは同期発電機の出力無効電力の変化を示している。当該シミュレーションでは、系統連系インバータシステム100の目標無効電力を0Varとし、0秒時、10秒時、20秒時に負荷(無効電力を要求する負荷)を追加(同図において、タイミングを実線矢印で図示)、35秒時にこれらの負荷を離脱(同図において、タイミングを破線矢印で図示)させた。負荷追加により同期発電機の出力無効電力が大きく変化し、必要な無効電力の大部分を同期発電機が供給している。しかし、系統連系インバータシステム100の出力無効電力も、負荷追加により変化して、目標無効電力から外れている。
一方、インバータ制御回路160を速応性の高い制御を行うように設計すると、負荷変動に対して出力有効電力が不安定となる。このように、従来の制御則では、速応性の向上と安定性の向上とを同時に実現することができなかった。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、制御の速応性の向上と安定性の向上とを適切に実現することができるインバータ制御回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるインバータ制御回路は、直流電力を交流電力に変換して負荷に出力するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路であって、検出手段により検出される前記インバータ回路の入出力に関する電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第1の状態変数情報を入力する入力手段と、前記第1の状態変数情報に対する目標値からの偏差量または前記第1の状態変数情報またはこれらの絶対値である重み付け参照値が所定値より大きい場合に、第1の重み付け値が第2の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出し、前記重み付け参照値が前記所定値より小さい場合に、前記第2の重み付け値が前記第1の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出する重み付け値算出手段と、前記電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第2の状態変数情報を制御するための第1の補正値を、前記第1の重み付け値に基づいて算出する第1の制御手段と、前記第2の状態変数情報を制御するための第2の補正値を、前記第2の重み付け値に基づいて算出する、前記第1の制御部より制御の速応性の低い第2の制御手段と、前記第1の補正値と第2の補正値とに基づいて前記インバータ回路から前記負荷に出力すべき交流信号の指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、前記指令値信号に基づいて前記インバータ回路をPWM制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段とを備えている。
この構成によると、前記重み付け参照値に基づいて第1の重み付け値および第2の重み付け値が算出され、算出された第1の重み付け値および第2の重み付け値に基づいて第1の制御手段および第2の制御手段によって、第2の状態変数情報が制御される。重み付け参照値が所定値より大きい場合は、第1の重み付け値が相対的に大きい値となり、重み付け参照値が所定値より小さい場合は、第2の重み付け値が相対的に大きい値となる。したがって、重み付け参照値が大きい場合は、速応性の高い第1の制御手段による制御の割合が大きくなり、重み付け参照値が小さい場合は、安定性の高い第2の制御手段による制御の割合が大きくなる。これにより、制御の速応性の向上と安定性の向上とを適切に実現することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記電気的情報に基づいて、前記インバータ回路から出力される交流信号の位相に関する情報を検出する位相情報検出手段と、前記電気的情報に基づいて、前記インバータ回路から出力される交流信号の振幅に関する情報を検出する振幅情報検出手段とを更に備え、前記第1の制御手段は、前記出力すべき交流信号の位相を補正するための位相補正値を、前記第1の補正値として算出し、前記第2の制御手段は、前記出力すべき交流信号の振幅を補正するための振幅補正値を、前記第2の補正値として算出し、前記指令値信号は、前記位相に関する情報に前記位相補正値を加算した値と、前記振幅に関する情報に前記振幅補正値を加算した値とに基づいて、指令値信号を生成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の制御手段は、前記検出手段により検出される前記インバータ回路の入力電圧の当該入力電圧に対する目標値からの入力電圧偏差量を算出する偏差量算出手段と、前記入力電圧偏差量に基づいて、第3の補正値を出力する補正値出力手段と、前記補正値出力手段により出力される第3の補正値に前記第1の重み付け値を乗算して、前記位相補正値を算出する乗算手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記負荷は三相電力系統であり、前記振幅情報検出手段により検出される前記振幅に関する情報は、三相二相変換におけるdq座標上の振幅に関する情報であり、前記第2の制御手段により算出される前記振幅補正値(ΔVd/ΔVq)は、前記dq座標上の振幅に関する情報に対する補正値である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記重み付け参照値は、前記インバータ回路の出力有効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値であり、前記位相情報検出手段により検出される前記位相に関する情報は、前記インバータ回路から出力される交流信号の周波数であり、前記第1の制御手段により算出される前記位相補正値は、前記出力すべき交流信号の周波数の補正値であり、前記振幅情報検出手段により検出される前記dq座標上の振幅に関する情報は、d軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのq軸成分の情報であり、前記第2の制御手段により算出される前記振幅補正値は、前記dq座標上のq軸成分の補正値である。
この構成によると、前記出力有効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値が大きい場合、前記出力すべき交流信号の周波数の制御の割合が相対的に大きくなり、当該絶対値が小さい場合、前記dq座標上の振幅のq軸成分の制御の割合が相対的に大きくなる。したがって、負荷変動により前記出力有効電力が変化した直後は、速応性の高い設定とした周波数制御の割合が大きくなるので、速応性の高い制御状態となる。また、定常状態においては、安定性の高い設定とした振幅のq軸成分の制御の割合が大きくなるので、安定した制御状態となる。さらに、負荷変動直後から定常状態にいたるまでに、速応性の高い制御状態から安定性の高い制御状態に適切に推移することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記重み付け値算出手段は、前記インバータ回路の出力無効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第3の重み付け値を算出し、前記第3の重み付け値に基づいて、前記dq座標上のd軸成分の補正値を算出する第3の制御手段をさらに備え、前記振幅情報検出手段は、前記dq座標上の振幅に関する情報をd軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのd軸成分の情報も検出し、前記指令値信号生成手段は、前記振幅情報検出手段により検出されるd軸成分の情報に前記第3の制御手段により算出される前記d軸成分の補正値を加算した値も入力される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記重み付け値算出手段は、前記インバータ回路の出力電圧に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第3の重み付け値を算出し、前記第3の重み付け値に基づいて、前記dq座標上のd軸成分の補正値を算出する第3の制御手段をさらに備え、前記振幅情報検出手段は、前記dq座標上の振幅に関する情報をd軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのd軸成分の情報も検出し、前記指令値信号生成手段は、前記振幅情報検出手段により検出されるd軸成分の情報に前記第3の制御手段により算出される前記d軸成分の補正値を加算した値も入力される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記重み付け値算出手段は、前記インバータ回路の出力無効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第3の重み付け値を算出し、前記インバータ回路の出力電圧に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第4の重み付け値を算出し、前記第3の重み付け値に基づく補正値と前記第4の重み付け値に基づく補正値とを加算して、前記dq座標上のd軸成分の補正値として算出する第3の制御手段をさらに備え、前記振幅情報検出手段は、前記dq座標上の振幅に関する情報をd軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのd軸成分の情報も検出し、前記指令値信号生成手段は、前記振幅情報検出手段により検出されるd軸成分の情報に前記第3の制御手段により算出される前記d軸成分の補正値を加算した値も入力される。
この構成によると、前記出力有効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値が大きい場合、前記出力すべき交流信号の周波数の制御の割合が相対的に大きくなり、当該絶対値が小さい場合、前記dq座標上の振幅のd軸成分の制御の割合が相対的に大きくなる。したがって、負荷変動により前記出力有効電力が変化した直後は、速応性の高い設定とした周波数制御の割合が大きくなるので、速応性の高い制御状態となる。また、定常状態においては、安定性の高い設定とした振幅のd軸成分の制御の割合が大きくなるので、安定した制御状態となる。
また、前記出力電圧に対する目標値からの偏差量の絶対値が大きい場合、前記第4の重み付け値が相対的に大きい値となり、当該絶対値が小さい場合、前記第3の重み付け値が相対的に大きい値となる。したがって、前記出力電圧が目標値から離れるに従って、出力電圧に基づく制御の割合が大きくなり、前記出力電圧が目標値に近づくに従って、出力無効電力に基づく制御の割合が大きくなる。
本発明の第2の側面によって提供される系統連系インバータシステムは、直流電源と、前記インバータ回路と、本発明の第1の側面によって提供されるインバータ制御回路とを備えている。
本発明の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、直流電力を交流電力に変換して負荷に出力するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御手段として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、検出手段により検出される前記インバータ回路の入出力に関する電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第1の状態変数情報を入力する入力手段と、前記第1の状態変数情報に対する目標値からの偏差量または前記第1の状態変数情報またはこれらの絶対値である重み付け参照値が所定値より大きい場合に、第1の重み付け値が第2の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出し、前記重み付け参照値が前記所定値より小さい場合に、前記第2の重み付け値が前記第1の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出する重み付け値算出手段と、前記電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第2の状態変数情報を制御するための第1の補正値を、前記第1の重み付け値に基づいて算出する第1の制御手段と、前記第2の状態変数情報を制御するための第2の補正値を、前記第2の重み付け値に基づいて算出する、前記第1の制御部より制御の速応性の低い第2の制御手段と、前記第1の補正値と第2の補正値とに基づいて前記インバータ回路から前記負荷に出力すべき交流信号の指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、前記指令値信号に基づいて前記インバータ回路をPWM制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段として機能させることを特徴とする。
本発明の第4の側面によって提供される記録媒体は、本発明の第3の側面によって提供されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明に係るインバータ制御回路の第1実施形態を備えた系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。 第1実施形態のインバータ制御回路の内部構成を説明するためのブロック図である。 ゲインK1およびK2の算出関数の例について説明するための図である。 第1実施形態のインバータ制御回路を有する系統連系インバータシステムを小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステムの出力有効電力の変化を示す図である。 第1実施形態の具体回路の構成を整理し、一般化した制御則として説明するためのブロック図である。 第2実施形態のインバータ制御回路の内部構成を説明するためのブロック図である。 第2実施形態のインバータ制御回路を有する系統連系インバータシステムを小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステムの出力有効電力の変化を示す図である。 第3実施形態のインバータ制御回路の内部構成を説明するためのブロック図である。 第4実施形態のインバータ制御回路の内部構成を説明するためのブロック図である。 第4実施形態の具体回路の構成を整理し、一般化した制御則として説明するためのブロック図である。 第1実施形態の変形例のインバータ制御回路の内部構成を説明するためのブロック図である。 従来の系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。 従来の系統連系インバータシステムを小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステムの出力有効電力の変化を示す図である。 従来の系統連系インバータシステムを小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステムの出力無効電力の変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るインバータ制御回路の第1実施形態を備えた系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。系統連系インバータシステムAは、小規模電力系統B((以下、「系統B」と略称する。)に連系しており、生成した電力を系統Bに供給している。
系統連系インバータシステムAは、直流電源A1、インバータ回路A2、フィルタ回路A3、変圧回路A4、インバータ制御回路A5、直流電圧センサA6、電流センサA7、系統電圧センサA8を備えている。直流電源A1は、インバータ回路A2に接続している。インバータ回路A2、フィルタ回路A3、および変圧回路A4は、この順で、U相、V相、W相の出力電圧の出力ラインに直列に接続されている。インバータ回路A2にはインバータ制御回路A5が接続されている。系統連系インバータシステムAは、直流電源A1により生成された直流電力を、インバータ回路A2で交流電力に変換し、系統Bに供給するものである。
直流電源A1は、直流電力を生成するものであり、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を備えている。なお、直流電源A1は、これに限られず、燃料電池を備えていてもよく、交流電力を直流電力に変換して出力する装置であってもよい。
インバータ回路A2は、三相インバータであり、図示しない3組6個のスイッチング素子を備えたPWM制御型インバータ回路である。インバータ回路A2は、インバータ制御回路A5から入力されるPWM信号に基づいて各スイッチング素子をオンオフ動作させることで、直流電源A1から入力される直流電力を交流電力に変換する。なお、インバータ回路A2は、これに限られず、単相インバータであってもよい。
フィルタ回路A3は、リアクトルとキャパシタとを備えたローパスフィルタである。フィルタ回路A3は、インバータ回路A2から出力される交流電圧に含まれるスイッチングノイズを除去する。変圧回路A4は、フィルタ回路A3から出力される交流電圧を系統電圧とほぼ同一のレベルに昇圧または降圧する。
インバータ制御回路A5は、インバータ回路A2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するPWM信号を生成するものである。インバータ制御回路A5は、直流電圧センサA6から直流電圧信号Eを入力され、電流センサA7から交流電流信号Iを入力され、系統電圧センサA8から系統電圧信号Vsを入力され、これらの信号を用いてPWM信号を生成して、インバータ回路A2に出力する。
直流電圧センサA6は、直流電源A1から出力される直流電圧を検出するものである。検出された直流電圧信号Eは、インバータ制御回路A5に入力される。電流センサA7は、変圧回路A4から出力される交流電流を検出するものである。検出された交流電流信号Iは、インバータ制御回路A5に入力される。系統電圧センサA8は、系統Bの各相の系統電圧を検出するものである。検出された系統電圧信号Vsは、インバータ制御回路A5に入力される。なお、系統連系インバータシステムAが出力する出力電圧は、系統電圧と一致している。
系統連系インバータシステムAは、直流電圧センサA6、電流センサA7、および系統電圧センサA8が検出した検出信号に基づいて、インバータ回路A2から出力される出力電圧の波形を変化させることで、系統Bに供給する電力を変化させる。
系統Bで負荷変動が発生した場合、インバータは同期発電機に比べて応答性が高いことから、系統連系インバータシステムAの出力有効電力Pは、負荷変動が発生した瞬間にステップ状に変化する。その後、系統Bの負荷は、過渡状態を経たうえで、定常状態となる。系統Bの負荷が急変した場合、および、その後の定常状態にいたる過渡状態において、系統連系インバータシステムAは、出力有効電力Pを早く目標有効電力P0に戻すことが望まれる。一方、系統Bの負荷が定常状態の場合、系統連系インバータシステムAは、出力有効電力Pを変化させず安定して供給することが望まれる。このように、系統Bの負荷の状態によって、最適となる制御則は異なる。すなわち、負荷変動が発生した瞬間および過渡状態においては、過剰出力を防ぐために、速応性の高い制御則が適切となる。一方、定常状態においては、安定性の高い制御則が適切となる。
負荷変動が発生した瞬間の出力有効電力Pは、目標有効電力P0から離れた値となる。一方、定常状態では、出力有効電力Pは目標有効電力P0に近い値となる。したがって、出力有効電力Pと目標有効電力P0の偏差ΔPの絶対値が大きい場合、速応性の高い制御則を主として機能させ、偏差ΔPの絶対値が小さい場合、安定性の高い制御則を主として機能させるようにすればよい。
図2は、インバータ制御回路A5の内部構成を説明するためのブロック図である。インバータ制御回路A5は、有効電力算出部11、ゲイン算出部12,13、周波数検出部21、PI制御部22、乗算部23、目標周波数算出部24、電圧情報検出部31、PI制御部32、目標振幅算出部33、指令値信号生成部41、およびPWM信号生成部42を備えている。
有効電力算出部11は、系統連系インバータシステムAの出力有効電力Pを算出するものである。有効電力算出部11は、系統電圧センサA8より入力される系統電圧信号Vsと、電流センサA7より入力される交流電流信号Iとから、出力有効電力Pを算出して出力する。
ゲイン算出部12は、有効電力算出部11より出力される出力有効電力Pとあらかじめ設定されている目標有効電力P0との偏差ΔPを入力され、偏差ΔPの絶対値に基づいて、ゲインK1を算出するものである。ゲイン算出部13は、偏差ΔPを入力され、偏差ΔPの絶対値に基づいて、ゲインK2を算出するものである。なお、ゲイン算出部13は、偏差ΔPが負の場合、ゲインK2に(-1)を乗算したうえで出力する。当該「ゲインK1、K2」は、本発明の「重み付け値」に対応する。
ゲインK1およびK2を算出するための計算式は、あらかじめ設定されており、偏差ΔPの絶対値が大きいときにゲインK1がK2より大きくなり、偏差ΔPの絶対値が小さいときにゲインK1がK2より小さくなるように設定されている。
図3は、ゲインK1およびK2の算出関数の例について説明するための図である。
同図においては、横軸を偏差ΔPの絶対値、縦軸をゲインK1およびK2として、偏差ΔPの絶対値に対してゲインK1およびK2を算出するための関数を示している。同図によると、ゲインK1およびK2の算出関数は、ともに一次関数として設定されており、両者の傾きに差がある。したがって、偏差ΔPの絶対値が大きいときにはK1がK2より大きくなり(同図のP1参照)、偏差ΔPの絶対値が小さいときにはK2がK1より大きくなる(同図のP3参照)。
なお、同図の算出関数は例示であって、ゲインK1およびK2の算出関数は、これに限定されない。例えば、両者の傾きが、一方が正の値で他方が負の値であってもよいし、ともに負の値であってもよい。また、一次関数に限られず、二次関数や指数関数であってもよい。制御対象に応じて、最適な制御となるような計算式をシミュレーションにより求めて設定すればよい。なお、デジタル処理の場合は、計算式でゲインK1およびK2を算出する代わりに、偏差ΔPの絶対値に対応付けてテーブルに記録されたゲインK1およびK2の値を用いるようにしてもよい。
周波数検出部21は、PLL(Phase-Locked Loop)回路であり、系統電圧センサA8より入力される系統電圧信号Vsの周波数ω0を検出するものである。検出された周波数ω0は、目標周波数算出部24に入力される。
PI制御部22は、直流電圧センサA6より入力される入力直流電圧Eをあらかじめ設定されている目標直流電圧E0にフィードバック制御するためのものである。PI制御部22は、入力直流電圧Eと目標直流電圧E0との偏差ΔEに基づいてPI制御による補正演算を行ない、その演算結果である補正値を乗算部23に出力する。PI制御部22は、速応性の高い制御となるように設定されている。なお、PI制御部22に代えて、他のフィードバック制御を行うものとしてもよい。乗算部23は、PI制御部22より入力される補正値とゲイン算出部12より入力されるゲインK1との乗算により周波数補正値Δωを算出して出力するものである。目標周波数算出部24は、系統連系インバータシステム100の出力電圧の目標周波数ωを算出するものである。目標周波数算出部24は、周波数検出部21より入力される周波数ω0に乗算部23より入力される周波数補正値Δωを加算して目標周波数ωを算出し、指令値信号生成部41に出力する。
電圧情報検出部31は、系統電圧センサA8(図1参照)が検出する三相(U相,V相,W相)の系統電圧信号を三相二相変換でd軸成分とq軸成分に変換して、目標電圧同相成分Vq0および目標電圧位相差成分Vd0として出力するものである。PI制御部32は、ゲイン算出部13より入力されるゲインK2に基づいてPI制御による補正演算を行ない、その演算結果である電圧同相成分補正値ΔVqを出力するものである。PI制御部32は、安定性の高い制御となるように設定されている。なお、PI制御部32に代えて、他のフィードバック制御を行うものとしてもよい。目標振幅算出部33は、系統連系インバータシステム100の出力電圧の目標振幅Vを算出するものである。目標振幅算出部33は、電圧情報検出部31から出力される目標電圧同相成分Vq0にPI制御部32から出力される電圧同相成分補正値ΔVqを加算した補正電圧同相成分Vq、および、補正電圧位相差成分Vd(目標無効電力値がゼロなので、Vd=0としている。)を入力され、目標振幅Vを算出し、指令値信号生成部41に出力する。
指令値信号生成部41は、目標周波数算出部24より入力される目標周波数ωと、目標振幅算出部33より入力される目標振幅Vに基づいて、指令値信号を生成するものである。具体的には、指令値信号生成部41は、入力される目標周波数ωを時間tで積分したものを位相とし、入力される目標振幅Vを振幅とする正弦波(Vsinωt)を生成する。指令値信号生成部41は、この正弦波をU相の指令値信号として、PWM信号生成部42に出力する。また、指令値信号生成部41は、U相の指令値信号より位相が(1/3)π遅れた正弦波(Vsin[ωt−(1/3)π)])をV相の指令値信号として、(2/3)π遅れた正弦波(Vsin[ωt−(2/3)π)])をW相の指令値信号として、PWM信号生成部42に出力する。
なお、目標振幅算出部33を設けずに、指令値信号生成部41で、補正電圧同相成分Vq、補正電圧位相差成分Vd、および目標位相ωtを用いた二相三相変換により、直接各相の指令値信号を生成するようにしてもよい。
PWM信号生成部42は、指令値信号生成部41より入力されるU相、V相、W相の指令値信号と予め設定されているキャリア信号(三角波信号)との差分に基づいて、デッドタイムを付加したU相、V相、W相のパルス信号をそれぞれ生成する。PWM信号生成部42は、生成されたU相、V相、W相のパルス信号をそれぞれU相、V相、W相のPWM信号としてインバータ回路A2に出力する。インバータ回路A2のU相、V相、W相のスイッチング素子は、それぞれU相、V相、W相のPWM信号に基づいてオンオフ動作する。なお、PWM信号生成部42は、U相、V相、W相のパルス信号を反転したパルス信号も生成し、逆相のPWM信号としてインバータ回路A2に出力する。インバータ回路A2のU相、V相、W相の各スイッチング素子に直列接続されているスイッチング素子は、それぞれ逆相のPWM信号に基づいて、U相、V相、W相の各スイッチング素子とは反対にオンオフ動作する。
なお、インバータ制御回路A5は、アナログ回路として実現してもよいし、デジタル回路として実現してもよい。また、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることでコンピュータをインバータ制御回路A5として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
次に、系統連系インバータシステムAの動作について説明する。
インバータ回路A2は、直流電源A1が出力する直流電圧を交流電圧に変換する。フィルタ回路A3は、インバータ回路A2が出力する交流電圧のスイッチングノイズを除去する。変圧回路A4は、フィルタ回路A3が出力する交流電圧を変圧して、系統Bに供給する。インバータ制御回路A5は、直流電圧センサA6が検出した直流電圧信号、電流センサA7が検出した交流電流信号、および系統電圧センサA8が検出した系統電圧信号に基づいてPWM信号を生成し、インバータ回路A2に出力する。
例えば日射強度が増加するなどして直流電源A1の出力する直流電圧が増加し、入力直流電圧Eと目標直流電圧E0との偏差ΔEがプラスとなった場合、PI制御部22からプラスの値の補正値が出力される。乗算部23は、この補正値にゲインK1を乗算した周波数補正値Δωを出力する。したがって、指令値信号生成部41が出力する正弦波は、この周波数補正値Δωの分だけ周波数が大きいものとなる。インバータ制御回路A5は、出力するPWM信号を変化させて、インバータ回路A2の出力電圧の周波数を指令値信号生成部41が出力する正弦波の周波数に応じて大きくする。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が増加されて、入力直流電圧Eが減少する。一方、後述するように、インバータ回路A2の出力電圧の周波数の増加による系統電圧の周波数ω0の増加は、系統Bで吸収されて、所定の周波数に制御される。
逆に、入力直流電圧Eと目標直流電圧E0との偏差ΔEがマイナスとなった場合、指令値信号生成部41が出力する正弦波は、周波数が小さいものとなる。インバータ制御回路A5は、インバータ回路A2の出力電圧の周波数を指令値信号生成部41が出力する正弦波の周波数に応じて小さくする。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が減少されて、入力直流電圧Eが増加する。一方、後述するように、インバータ回路A2の出力電圧の周波数の減少による系統電圧の周波数ω0の減少は、系統Bで吸収されて、所定の周波数に制御される。
負荷の変動により系統Bで有効電力の需要が増加した場合、系統電圧の周波数が減少するので、周波数検出部21が出力する系統電圧の周波数ω0が減少する。すると、指令値信号生成部41が出力する正弦波は、周波数ω0の減少分だけ周波数が小さいものとなり、インバータ回路A2の出力電圧の周波数も小さくなる。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が減少されて、入力直流電圧Eが増加する。入力直流電圧Eの増加により、乗算部23が出力する周波数補正値Δωが増加し、インバータ回路A2の出力電圧の周波数が大きくなって、有効電力が系統Bに供給される。
逆に、有効電力の需要が減少した場合、系統電圧の周波数が増加するので、周波数検出部14が出力する系統電圧の周波数ω0が増加する。すると、指令値信号生成部31が出力する正弦波は、周波数ω0の増加分だけ周波数が大きいものとなり、インバータ回路A2の出力電圧の周波数も大きくなる。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が増加されて、直流電圧Eiが減少する。直流電圧Eiの減少により、乗算部23が出力する周波数補正値Δωが減少し、インバータ回路A2の出力電圧の周波数が小さくなって、系統Bへの有効電力の供給が抑制される。
このように、系統連系インバータシステムAは、負荷変動によって系統Bの有効電力の需要が増加して系統電圧の周波数が減少すると、出力電圧の周波数を増加させて出力有効電力を増加することにより、系統Bの系統電圧の周波数の減少を抑制することができる。逆に、負荷変動によって系統Bの有効電力の需要が減少して系統電圧の周波数が増加すると、出力電圧の周波数を減少させて出力有効電力を減少することにより、系統Bの系統電圧の周波数の増加を抑制することができる。すなわち、系統連系インバータシステムAは、同期発電機と同様の周波数維持能力を有している。
負荷変動により出力有効電力Pが変化すると、目標有効電力P0との偏差ΔPが変化し、偏差ΔPの絶対値が大きくなる。したがって、算出されるゲインK1は相対的に大きい値となり、ゲインK2は相対的に小さい値となる(図3のP1参照)。したがって、乗算部23から出力される周波数補正値Δωの絶対値は大きくなり、インバータ回路A2の出力電圧の周波数の変化は大きくなる。一方、PI制御部32から出力される電圧同相成分補正値ΔVqの絶対値は相対的に小さくなるので、目標振幅算出部33から出力される目標振幅Vの変化は相対的に小さくなって、インバータ回路A2の出力電圧の振幅の変化は相対的に小さくなる。つまり、速応性が高くなるように設定された周波数制御の割合が大きく、安定性が高くなるように設定された電圧同相成分制御の割合が小さい、速応性の高い制御状態となる。
その後、制御によって出力有効電力Pが目標有効電力P0に近づくため、偏差ΔPの絶対値が小さくなっていく。これに伴い、ゲインK1は小さくなってゆき、ゲインK2は大きくなってゆく。つまり、周波数制御の割合が小さくなってゆき、電圧同相成分制御の割合が大きくなってゆく。定常状態では、偏差ΔPの絶対値が小さい状態となるので、ゲインK1は相対的に小さい値となり、ゲインK2は相対的に大きい値となる(図3のP3参照)。したがって、速応性が高くなるように設定された周波数制御の割合が小さく、安定性が高くなるように設定された電圧同相成分制御の割合が大きい、安定した制御状態となる。
このように、上述する第1実施形態においては、負荷変動の直後には速応性の高い制御を行うことができ、定常状態には安定性の高い制御を行うことができる。また、本実施形態においては、負荷変動直後から定常状態にいたるまでに、速応性の高い制御状態から安定性の高い制御状態に適切に推移することができる。
図4は、インバータ制御回路A5を有する系統連系インバータシステムAを、同期発電機および負荷を有する小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステムAの出力有効電力の変化を示す図である。
図4において、波形INVは系統連系インバータシステムAの出力有効電力の変化を示しており、波形DGは同期発電機の出力有効電力の変化を示している。当該シミュレーションでは、図13の系統連系インバータシステム100におけるシミュレーションと同様に、系統連系インバータシステムAの目標有効電力を30kWとし、0秒時、10秒時、20秒時に負荷を追加(同図において、タイミングを実線矢印で図示)、35秒時にこれらの負荷を離脱(同図において、タイミングを破線矢印で図示)させた。
系統連系インバータシステムAの出力有効電力は、負荷追加直後に上昇するが、速やかに目標有効電力30kWに収束している。また、負荷離脱直後に低下するが、速やかに目標有効電力30kWに収束している。このように、系統連系インバータシステムAは、負荷追加時および負荷離脱時とも、出力有効電力を5秒以内に目標有効電力30kWに収束することができる。そして、定常状態では発散することなく、安定して目標有効電力30kWを出力している。従来の系統連系インバータシステム100においては、追加された負荷が要求する有効電力を供給し続ける結果、さらなる負荷追加により出力有効電力が上昇して目標有効電力を大幅に上回ったのと比べて(図13参照)、系統連系インバータシステムAにおいては、出力有効電力が負荷変動時には速やかに収束している。また、定常状態には安定した状態を保っており、本発明によって制御を改善できたことが示されている。なお、負荷追加後の系統連系インバータシステム100の出力有効電力の収束に合わせて、同期発電機の出力有効電力が上昇しており、負荷の増加分の有効電力を同期発電機が供給していることも示されている。
なお、上記第1実施形態において、指令値信号生成部41は、目標周波数ωに基づいて、指令値信号を生成しているが、これに限られない。乗算部23で位相補正値Δθを算出し、系統電圧信号Vsの位相θ0を検出し、これらを加算した目標位相θに基づいて指令値信号を生成するようにしてもよい。
図5は、上記第1実施形態の具体回路の構成を整理し、一般化した制御則として説明するためのブロック図である。
コントローラP1は、第1制御則を示しており、制御量Pと目標値P0との偏差ΔPに基づいて操作量を出力する。コントローラP2は、第2制御則を示しており、偏差ΔPに基づいて操作量を出力する。第1実施形態では、第1制御則および第2制御則とも出力有効電力Pの制御を行うものであり、第1制御則を速応性の高い制御則として設計された周波数制御とし、第2制御則を安定性の高い制御則として設計された電圧同相成分制御としている。また、第1制御則は、偏差ΔPに代えて、入力直流電圧Eと目標直流電圧E0との偏差ΔEに基づく制御とされている。
なお、第1制御則を速応性の高い制御則として設計された電圧同相成分制御とし、第2制御則を安定性の高い制御則として設計された周波数制御としてもよいし、それぞれ他の制御則を用いてもよい。また、各制御則に入力される偏差は、各制御則に応じて設定される。
コントローラKは、ゲインを算出するものであり、偏差ΔPの絶対値に基づいて、第1制御則のゲインK1および第2制御則のゲインK2を算出して、それぞれコントローラP1およびコントローラP2に出力する。コントローラWは、重み付け値を算出するものであり、偏差ΔPの絶対値に基づいて、第1制御側の重み付け値W1および第2制御則の重み付け値W2を算出して、それぞれブロックW1およびブロックW2に出力する。
重み付け値W1およびW2は、第1制御則と第2制御則に対して重み付けをするためのもので、2つの制御則が制御対象に及ぼす影響を調整するものである。第1実施形態では、偏差ΔPの絶対値が大きいときに第1制御則が主として機能するように、重み付け値W1が重み付け値W2より大きくなるように算出され、偏差ΔPの絶対値が小さいときに第2制御則が主として機能するように、重み付け値W2が重み付け値W1より大きくなるように算出される。
なお、第1実施形態におけるゲイン算出部12,13(図2参照)は、図5のコントローラKに対応する。また、図5のコントローラWにおける重み付けの演算も、ゲイン算出部12,13での計算で実現されている。
ブロックW1およびW2は、第1制御則と第2制御側の重み付けを行うものである。ブロックW1は、コントローラP1から入力された操作量に、コントローラWから入力される重み付け値W1を乗算して、制御対象PLに出力する。ブロックW2は、コントローラP2から入力された操作量に、コントローラWから入力される重み付け値W2を乗算して、制御対象PLに出力する。制御対象PLは、制御の対象となるシステムであり、本実施形態では系統連系インバータシステムAである。
図5に示す制御側は、制御対象PLが出力する制御量Pを目標値P0にするように制御する。このとき、偏差ΔPの絶対値に基づいて第1制御側による制御と第2制御則による制御の重み付けを行うことにより、制御量Pが目標値P0に近づいた場合と制御量Pが目標値P0から離れている場合とで、主として機能する制御則を変更する。これにより制御対象PLの状態に応じた制御を行うことができる。
上記第1実施形態では、有効電力制御を行う場合について説明しているが、本発明の適用範囲はこれに限られない。本発明は、無効電力制御、電圧制御、電流制御など他の制御にも適用することができる。また、上記第1実施形態では、2つの制御則を用いる場合について説明しているが、本発明の適用範囲はこれに限られない。本発明は、3つ以上の制御則を用いる場合にも適用することができる。
図6は、第2実施形態のインバータ制御回路A5’の内部構成を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態のインバータ制御回路A5(図2参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
インバータ制御回路A5’は、出力無効電力Qと目標出力無効電力Q0との偏差ΔQに基づく電圧位相差成分制御の構成を備えている点で、第1実施形態に示すインバータ制御回路A5(図2参照)と異なる。具体的には、インバータ制御回路A5’は、無効電力算出部51、ゲイン算出部52、PI制御部53をさらに備えている。
無効電力算出部51は、系統連系インバータシステムA(図1参照)の出力無効電力Qを算出するものである。無効電力算出部51は、系統電圧センサA8より入力される系統電圧信号Vsと、電流センサA7より入力される交流電流信号Iとから、出力無効電力Qを算出して出力する。
ゲイン算出部52は、無効電力算出部51より出力される出力無効電力Qとあらかじめ設定されている目標無有効電力Q0との偏差ΔQを入力され、偏差ΔQの絶対値に基づいて、ゲインK3を算出するものである。ゲインK3を算出するための計算式は、あらかじめ設定されており、偏差ΔQの絶対値が大きいときにゲインK3が大きくなり、偏差ΔQの絶対値が小さいときにゲインK3が小さくなるように設定されている。なお、ゲイン算出部52は、偏差ΔQが負の場合、ゲインK3に(-1)を乗算したうえで出力する。
PI制御部53は、ゲイン算出部52より入力されるゲインK3に基づいてPI制御による補正演算を行ない、その演算結果である電圧位相差成分補正値ΔVdを出力するものである。なお、PI制御部53に代えて、他のフィードバック制御を行うものとしてもよい。
目標振幅算出部33は、上記第1実施形態のもの(図2参照)と同様であるが、PI制御部53から出力される電圧位相差成分補正値ΔVdを電圧情報検出部31より出力される目標電圧位相差成分Vd0に加算した補正電圧同相成分Vdを入力される点が異なる。
第2実施形態においては、負荷変動の直後の偏差ΔPの絶対値が大きい状態では、ゲインK1が相対的に大きい値となるので、周波数制御の割合が大きくなる。一方、偏差ΔQの絶対値が大きい状態では、ゲインK3が相対的に大きい値となるので、電圧位相差成分制御の割合が大きくなる。これにより、出力有効電力Pが目標有効電力P0から離れた場合に主として有効電力制御が機能し、出力無効電力Qが目標無効電力Q0から離れた場合に主として無効電力制御が機能することになる。
図7は、インバータ制御回路A5’を有する系統連系インバータシステムAを、同期発電機および負荷を有する小規模電力系統に連系した場合のシミュレーションにおける、系統連系インバータシステムAの出力無効電力Qの変化を示す図である。
図7において、波形INVは系統連系インバータシステムAの出力無効電力の変化を示しており、波形DGは同期発電機の出力無効電力の変化を示している。当該シミュレーションでは、図14の系統連系インバータシステム100におけるシミュレーションと同様に、系統連系インバータシステムAの目標無効電力を0Varとし、0秒時、10秒時、20秒時に負荷(無効電力を要求する負荷)を追加(同図において、タイミングを実線矢印で図示)、35秒時にこれらの負荷を離脱(同図において、タイミングを破線矢印で図示)させた。
系統連系インバータシステムAは負荷追加直後に無効電力を出力しているが、出力無効電力は速やかに目標無効電力0Varに収束している。また、負荷離脱直後にも無効電力を出力しているが、出力無効電力は速やかに目標無効電力0Varに収束している。このように、系統連系インバータシステムAは、負荷追加時および負荷離脱時とも、出力無効電力を速やかに目標無効電力0Varに収束することができる。従来の系統連系インバータシステム100の出力無効電力が負荷追加により目標無効電力から外れているのと比べて(図14参照)、系統連系インバータシステムAの出力無効電力は、負荷変動時に速やかに収束し、本発明によって制御を改善できたことが示されている。なお、負荷が要求する無効電力は、同期発電機が供給していることも示されている。
図8は、第3実施形態のインバータ制御回路A5”の内部構成を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態のインバータ制御回路A5(図2参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
インバータ制御回路A5”は、系統電圧Vsと目標系統電圧Vs0との偏差ΔVsに基づく電圧位相差成分制御の構成を備えている点で、第1実施形態に示すインバータ制御回路A5(図2参照)と異なる。具体的には、インバータ制御回路A5’は、ゲイン算出部61、PI制御部62をさらに備えている。
ゲイン算出部61は、系統電圧センサA8(図1参照)より入力される系統電圧信号Vsとあらかじめ設定されている目標系統電圧Vs0との偏差ΔVsを入力され、偏差ΔVsの絶対値に基づいて、ゲインK4を算出するものである。ゲインK4を算出するための計算式は、あらかじめ設定されており、偏差ΔVsの絶対値が大きいときにゲインK4が大きくなり、偏差ΔVsの絶対値が小さいときにゲインK4が小さくなるように設定されている。なお、ゲイン算出部61は、偏差ΔVsが負の場合、ゲインK4に(-1)を乗算したうえで出力する。
PI制御部62は、ゲイン算出部61より入力されるゲインK4に基づいてPI制御による補正演算を行ない、その演算結果である電圧位相差成分補正値ΔVdを出力するものである。なお、PI制御部62に代えて、他のフィードバック制御を行うものとしてもよい。
目標振幅算出部33は、上記第1実施形態のもの(図2参照)と同様であるが、PI制御部62から出力される電圧位相差成分補正値ΔVdを電圧情報検出部31より出力される目標電圧位相差成分Vd0に加算した補正電圧同相成分Vdを入力される点が異なる。
第3実施形態においては、負荷変動の直後の偏差ΔPの絶対値が大きい状態では、ゲインK1が相対的に大きい値となるので、周波数制御の割合が大きくなる。一方、偏差ΔVsの絶対値が大きい状態では、ゲインK4が相対的に大きい値となるので、電圧位相差成分制御の割合が大きくなる。これにより、出力有効電力Pが目標有効電力P0から離れた場合に主として有効電力制御が機能し、系統電圧信号Vsが目標系統電圧Vs0から離れた場合に主として無効電力制御が機能することになる。
図9は、第4実施形態のインバータ制御回路A5”’の内部構成を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態のインバータ制御回路A5(図2参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
インバータ制御回路A5”’は、出力無効電力Qと目標出力無効電力Q0との偏差ΔQ、および、系統電圧Vsと目標系統電圧Vs0との偏差ΔVsに基づく電圧位相差成分制御の構成を備えている点で、第1実施形態に示すインバータ制御回路A5(図2参照)と異なる。具体的には、インバータ制御回路A5’は、無効電力算出部51、ゲイン算出部52、PI制御部53、ゲイン算出部61、PI制御部62をさらに備えている。
無効電力算出部51、ゲイン算出部52、PI制御部53は、上記第2実施形態のもの(図6参照)と同様であり、ゲイン算出部61、PI制御部62は、上記第3実施形態のもの(図8参照)と同様である。
目標振幅算出部33は、上記第1実施形態のもの(図2参照)と同様であるが、PI制御部53から出力される電圧位相差成分補正値ΔVd1とPI制御部62から出力される電圧位相差成分補正値ΔVd2との加算値である電圧位相差成分補正値ΔVdを電圧情報検出部31より出力される目標電圧位相差成分Vd0に加算した補正電圧同相成分Vdを入力される点が異なる。
第4実施形態においては、負荷変動の直後の偏差ΔPの絶対値が大きい状態では、ゲインK1が相対的に大きい値となるので、周波数制御の割合が大きくなる。一方、偏差ΔPの絶対値が小さい定常状態では、ゲインK1が相対的に小さい値となるので、電圧位相差成分制御の割合が大きくなる。また、系統電圧Vsが目標系統電圧Vs0から離れるに従って、偏差ΔVsの絶対値が大きくなり、ゲインK4が相対的に大きい値となるので、系統電圧に基づく制御の割合が大きくなる。一方、系統電圧Vsが目標系統電圧Vs0に近づく従って、偏差ΔVsの絶対値が小さくなり、ゲインK4が相対的に小さい値となるので、出力無効電力に基づく制御の割合が大きくなる。
図10は、上記第4実施形態の具体回路の構成を整理し、一般化した制御則として説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態(図5参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
コントローラP1は、第1実施形態の第1制御則と同じ制御則を示しており、第4実施形態においても、入力直流電圧Eと目標直流電圧E0との偏差ΔEに基づく周波数制御による出力有効電力Pの制御を行う。コントローラQは、出力無効電力Qと目標出力無効電力Q0との偏差ΔQに基づく電圧位相差成分制御による出力無効電力Qの制御を行うものである。コントローラVsは、系統電圧Vsと目標系統電圧Vs0との偏差ΔVsに基づく電圧位相差成分制御による出力無効電力Qの制御を行うものである。
コントローラK1は、ゲインを算出するものであり、偏差ΔPの絶対値に基づいて、コントローラP1の制御則のゲインK1を算出して、コントローラP1に出力する。コントローラK2は、ゲインを算出するものであり、偏差ΔQの絶対値に基づいて、コントローラQの制御則のゲインK3およびコントローラVsの制御則のゲインK4を算出して、それぞれコントローラQおよびコントローラVsに出力する。
コントローラWは、重み付け値を算出するものであり、偏差ΔP、偏差ΔQ、および偏差ΔVsのそれぞれの絶対値に基づいて、コントローラP1の制御則の重み付け値W1、コントローラQの制御則の重み付け値W3をおよびコントローラVsの重み付け値W4を算出して、それぞれブロックW1、ブロックW3およびブロックW4に出力する。
本実施形態では、コントローラWは、偏差ΔVsの絶対値が大きいときに、コントローラVsの重み付け値W4が相対的に大きくなり、偏差ΔVsの絶対値が小さいときに、コントローラQの重み付け値W3が相対的に大きくなるように、重み付け値を算出する。これにより、系統電圧Vsが目標系統電圧Vs0から離れるに従って、コントローラVsによる制御の割合が大きくなり、系統電圧Vsが目標系統電圧Vs0に近づくに従って、コントローラQによる制御の割合が大きくなる。また、コントローラWは、偏差ΔPの絶対値が大きいときに、コントローラP1の重み付け値W1が相対的に大きくなり、偏差ΔPの絶対値が小さいときに、コントローラQの重み付け値W3およびコントローラVsの重み付け値W4が相対的に大きくなるように、重み付け値を算出する。これにより、出力有効電力Pが目標出力有効電力P0から離れている場合に、コントローラP1の制御則が主として機能し、出力有効電力Pが目標出力有効電力P0に近い場合に、コントローラQの制御則およびコントローラVsの制御則が主として機能する。
なお、第4実施形態におけるゲイン算出部52およびゲイン算出部61(図9参照)は、図10のコントローラK2に対応する。また、図10のコントローラWにおける重み付けの演算も、ゲイン算出部53およびゲイン算出部61での計算で実現されている。
ブロックW1、W3およびW4は、コントローラP1の制御則、コントローラQの制御則およびコントローラVsの制御則の重み付けを行うものである。ブロックW1は、コントローラP1から入力された操作量に、コントローラWから入力される重み付け値W1を乗算して、制御対象PLに出力する。ブロックW3は、コントローラQから入力された操作量に、コントローラWから入力される重み付け値W3を乗算して出力する。ブロックW4は、コントローラVsから入力された操作量に、コントローラWから入力される重み付け値W4を乗算して出力する。ブロックW3からの出力とブロックW4からの出力とは加算されて、制御対象PLに入力される。
制御対象PLは、制御の対象となるシステムであり、本実施形態では系統連系インバータシステムAである。
図10に示す制御側は、制御対象PLが出力する出力有効電力Pを目標出力有効電力P0にするように制御し、制御対象PLが出力する出力無効電力Qを目標出力無効電力Q0にするように制御する。このとき、偏差ΔP、ΔQ、ΔVsの絶対値に基づいて、3つの制御則の重み付けを行うことにより、制御対象PLの状態に応じた制御を行うことができる。
なお、上記第1ないし第4実施形態においては、状態変数(P、Q、Vs)と目標値(P0、Q0、Vs0)との偏差(ΔP、ΔQ、ΔVs)によってゲインの値を変化させて、各制御則の重み付けを行っているが、偏差ではなく状態変数そのものによって変化させるようにしてもよい。また、重み付けのための値を算出する関数(演算式)は、適宜設定することができる。また、用いる状態変数は、出力有効電力P、出力無効電力Q、系統電圧Vsに限られず、系統連系インバータシステムAで検出された各種の状態変数を用いることができる。例えば、出力電圧、出力電流、入力電圧、入力電流、系統電圧の周波数や位相、または、これらの微分値や積分値などを用いることもできる。例えば、出力電流の増加時における適切な制御則と、出力電流の減少時における適切な制御則とを、出力電流の微分値に基づいて重み付けすることもできる。
また、ゲインの値に代えて時定数を変化させることで重み付けを行うようにしてもよい。図11は、第1実施形態の内部構成を、時定数を変化させることで重み付けを行うようにした変形例のブロック図である。同図においては、ゲイン算出部12に代えて設けられた時定数算出部12'が算出した時定数T1をPI制御部22に入力し、ゲイン算出部13に代えて設けられた時定数算出部13'が算出した時定数T2をPI制御部32に入力している。また、乗算部23を固定のゲインKを乗算する乗算部23'とし、PI制御部32を偏差ΔPに基づいてPI制御を行うようにしている。この構成でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2ないし第4実施形態においても、同様に、時定数を変化させることで重み付けを行うようにすることができる。
なお、上記第1ないし第4実施形態においては、系統連系インバータシステムAを小規模電力系統Bに連系する場合について説明したが、これに限られない。本発明は、商用電力系統などの大規模電力系統に連系するための系統連系インバータシステムにも適用することができる。また、系統に連系するインバータシステムに限定されず、各種のインバータシステムにも適用することができる。
本発明に係るインバータ制御回路は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るインバータ制御回路の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A 系統連系インバータシステム
A1 直流電源
A2 インバータ回路
A3 フィルタ回路
A4 変圧回路
A5,A5’,A5”,A5”’ インバータ制御回路
11 有効電力算出部(入力手段)
12、13 ゲイン算出部(重み付け値算出手段)
21 周波数検出部(位相情報検出手段)
22 PI制御部(第1の制御手段、補正値出力手段)
23 乗算部(第1の制御手段)
24 目標周波数算出部
31 電圧情報検出部(振幅情報検出手段)
32 PI制御部(第2の制御手段)
33 目標振幅算出部
41 指令値信号生成部
42 PWM信号生成部
51 無効電力算出部
52 ゲイン算出部(重み付け値算出手段)
53 PI制御部(第3の制御手段)
61 ゲイン算出部(重み付け値算出手段)
62 PI制御部(第3の制御手段)
A6 直流電圧センサ
A7 電流センサ
A8 系統電圧センサ
B 小規模電力系統

Claims (11)

  1. 直流電力を交流電力に変換して負荷に出力するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路であって、
    検出手段により検出される前記インバータ回路の入出力に関する電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第1の状態変数情報を入力する入力手段と、
    前記第1の状態変数情報に対する目標値からの偏差量または前記第1の状態変数情報またはこれらの絶対値である重み付け参照値が所定値より大きい場合に、第1の重み付け値が第2の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出し、前記重み付け参照値が前記所定値より小さい場合に、前記第2の重み付け値が前記第1の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出する重み付け値算出手段と、
    前記電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第2の状態変数情報を制御するための第1の補正値を、前記第1の重み付け値に基づいて算出する第1の制御手段と、
    前記第2の状態変数情報を制御するための第2の補正値を、前記第2の重み付け値に基づいて算出する、前記第1の制御部より制御の速応性の低い第2の制御手段と、
    前記第1の補正値と第2の補正値とに基づいて前記インバータ回路から前記負荷に出力すべき交流信号の指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、
    前記指令値信号に基づいて前記インバータ回路をPWM制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    を備えていることを特徴とするインバータ制御回路。
  2. 前記電気的情報に基づいて、前記インバータ回路から出力される交流信号の位相に関する情報を検出する位相情報検出手段と、
    前記電気的情報に基づいて、前記インバータ回路から出力される交流信号の振幅に関する情報を検出する振幅情報検出手段と、を更に備え、
    前記第1の制御手段は、前記出力すべき交流信号の位相を補正するための位相補正値を、前記第1の補正値として算出し、
    前記第2の制御手段は、前記出力すべき交流信号の振幅を補正するための振幅補正値を、前記第2の補正値として算出し、
    前記指令値信号は、
    前記位相に関する情報に前記位相補正値を加算した値と、前記振幅に関する情報に前記振幅補正値を加算した値とに基づいて、指令値信号を生成する、
    請求項1に記載のインバータ制御回路。
  3. 前記第1の制御手段は、
    前記検出手段により検出される前記インバータ回路の入力電圧の当該入力電圧に対する目標値からの入力電圧偏差量を算出する偏差量算出手段と、
    前記入力電圧偏差量に基づいて、第3の補正値を出力する補正値出力手段と、
    前記補正値出力手段により出力される第3の補正値に前記第1の重み付け値を乗算して、前記位相補正値を算出する乗算手段と、
    を備えている、
    請求項2に記載のインバータ制御回路。
  4. 前記負荷は三相電力系統であり、
    前記振幅情報検出手段により検出される前記振幅に関する情報は、三相二相変換におけるdq座標上の振幅に関する情報であり、
    前記第2の制御手段により算出される前記振幅補正値(ΔVd/ΔVq)は、前記dq座標上の振幅に関する情報に対する補正値である、
    請求項3に記載のインバータ制御回路。
  5. 前記重み付け参照値は、前記インバータ回路の出力有効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値であり、前記位相情報検出手段により検出される前記位相に関する情報は、前記インバータ回路から出力される交流信号の周波数であり、
    前記第1の制御手段により算出される前記位相補正値は、前記出力すべき交流信号の周波数の補正値であり、
    前記振幅情報検出手段により検出される前記dq座標上の振幅に関する情報は、d軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのq軸成分の情報であり、
    前記第2の制御手段により算出される前記振幅補正値は、前記dq座標上のq軸成分の補正値である、
    請求項4に記載のインバータ制御回路。
  6. 前記重み付け値算出手段は、前記インバータ回路の出力無効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第3の重み付け値を算出し、
    前記第3の重み付け値に基づいて、前記dq座標上のd軸成分の補正値を算出する第3の制御手段をさらに備え、
    前記振幅情報検出手段は、前記dq座標上の振幅に関する情報をd軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのd軸成分の情報も検出し、
    前記指令値信号生成手段は、前記振幅情報検出手段により検出されるd軸成分の情報に前記第3の制御手段により算出される前記d軸成分の補正値を加算した値も入力される、
    請求項5に記載のインバータ制御回路。
  7. 前記重み付け値算出手段は、前記インバータ回路の出力電圧に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第3の重み付け値を算出し、
    前記第3の重み付け値に基づいて、前記dq座標上のd軸成分の補正値を算出する第3の制御手段をさらに備え、
    前記振幅情報検出手段は、前記dq座標上の振幅に関する情報をd軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのd軸成分の情報も検出し、
    前記指令値信号生成手段は、前記振幅情報検出手段により検出されるd軸成分の情報に前記第3の制御手段により算出される前記d軸成分の補正値を加算した値も入力される、
    請求項5に記載のインバータ制御回路。
  8. 前記重み付け値算出手段は、
    前記インバータ回路の出力無効電力に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第3の重み付け値を算出し、
    前記インバータ回路の出力電圧に対する目標値からの偏差量の絶対値に基づいて、当該絶対値が増加するのに応じて増加する第4の重み付け値を算出し、
    前記第3の重み付け値に基づく補正値と前記第4の重み付け値に基づく補正値とを加算して、前記dq座標上のd軸成分の補正値として算出する第3の制御手段をさらに備え、
    前記振幅情報検出手段は、前記dq座標上の振幅に関する情報をd軸成分とq軸成分に分解した情報のうちのd軸成分の情報も検出し、
    前記指令値信号生成手段は、前記振幅情報検出手段により検出されるd軸成分の情報に前記第3の制御手段により算出される前記d軸成分の補正値を加算した値も入力される、
    請求項5に記載のインバータ制御回路。
  9. 直流電源と、前記インバータ回路と、請求項1ないし8のいずれかに記載のインバータ制御回路とを備えている系統連系インバータシステム。
  10. コンピュータを、
    直流電力を交流電力に変換して負荷に出力するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    検出手段により検出される前記インバータ回路の入出力に関する電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第1の状態変数情報を入力する入力手段と、
    前記第1の状態変数情報に対する目標値からの偏差量または前記第1の状態変数情報またはこれらの絶対値である重み付け参照値が所定値より大きい場合に、第1の重み付け値が第2の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出し、前記重み付け参照値が前記所定値より小さい場合に、前記第2の重み付け値が前記第1の重み付け値より大きい値となるように当該第1の重み付け値および第2の重み付け値を算出する重み付け値算出手段と、
    前記電気的情報または当該電気的情報から算出される情報のいずれかである第2の状態変数情報を制御するための第1の補正値を、前記第1の重み付け値に基づいて算出する第1の制御手段と、
    前記第2の状態変数情報を制御するための第2の補正値を、前記第2の重み付け値に基づいて算出する、前記第1の制御部より制御の速応性の低い第2の制御手段と、
    前記第1の補正値と第2の補正値とに基づいて前記インバータ回路から前記負荷に出力すべき交流信号の指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、
    前記指令値信号に基づいて前記インバータ回路をPWM制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と
    して機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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