JP2011054861A - 半導体装置の製造方法、半導体検査装置および結晶化度検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アニール処理後の半導体層を有する多層構造体210を搭載するステージ201と、前記半導体層に対して光を照射する光源202と、前記光源202による光の照射によって得られるラマン散乱光を受光する受光部205と、前記受光部205が受光した前記ラマン散乱光を用いて前記半導体層の結晶化度を検査する検査部207とを備えた半導体検査装置200において、前記検査部207は、前記ラマン散乱光のラマンスペクトルによって特定される領域を波数についての所定閾値で領域分割する領域分割部と、前記領域分割をする前の領域全体と前記領域分割をした後の前記所定閾値を超える領域部分との面積比を算出し、その算出結果を前記半導体層の結晶化度とする結晶化度算出部とを備える。
【選択図】図9
Description
また、結晶化の検査については、例えば、ラマン光の強度を測定し、ラマンスペクトルの測定結果を利用することで、アニール領域内の結晶化の度合いを評価することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。非晶質シリコン膜の場合、ラマンピークは480cm-1に現われるが、これが結晶化すると、結晶化の状態にもよるが、505〜520cm-1にピークが現われることを利用したものである。
また、上記特許文献2に記載された結晶化検査の手法では、ラマンスペクトルの測定結果を利用している。そのため、上記特許文献1に記載された結晶化検査の手法に比べると、結晶化の度合いについて精度の高い評価を行うことが可能である。しかしながら、結晶化度合いの評価にあたって、ラマンスペクトルに対してピーク分離処理を行う必要があり、そのために多くの処理時間を要してしまう。つまり、上記特許文献2に記載された結晶化検査の手法では、必ずしも効率のよい評価処理が行えるとは限らない。しかも、ラマンピークが明確に現われていないラマンスペクトルの場合には、ピーク分離処理を正しく行えないおそれがあり、必ずしも精度の高い評価処理が行えるとは限らない。
つまり、本発明によれば、アニール処理後の結晶化の状態について、非接触で精度よく、しかも効率的に、評価を行うことができる。
1.半導体装置および表示装置の概略構成例
2.表示装置が用いられる電子機器の具体例
3.第1の実施の形態(半導体装置の製造方法の概要、半導体検査装置の構成例、結晶化度検査方法の具体的な手順)
4.第2の実施の形態
5.第3の実施の形態
先ず、本発明が適用されて製造される半導体装置、および、その半導体装置を用いて構成される表示装置について、簡単に説明する。
ここで説明する半導体装置は、非晶質シリコン膜(アモルファスシリコン、以下「a−Si」と記述する。)の非結晶状態から微結晶状態または多結晶状態への改質を経て得られるものをいう。すなわち、a−Siから微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜(ポリシリコン、以下「p−Si」と記述する。)への改質を経て得られるもので、具体的には薄膜半導体装置であるTFTが例に挙げられる。
また、ここで説明する表示装置は、TFTを備えて構成されたものをいう。具体的には、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、以下「有機EL素子」という。)を発光素子とするディスプレイ装置(以下「有機ELディスプレイ」という。)が例に挙げられる。なお、ここでは有機ELディスプレイを例に挙げているが、表示装置はTFTを備えて構成されたものであればよく、例えば液晶表示ディスプレイであっても構わない。
先ず、ガラス基板からなる基板11上に、例えばMo膜からなるゲート膜12をパターン形成した後、これを例えばSiO/SiN膜からなるゲート絶縁膜13で覆う。そして、ゲート絶縁膜13上にa−Si膜からなる半導体層14を成膜する。この半導体層14に対しては、レーザアニール処理を施して、結晶化によりa−Si膜からp−Si膜への改質を行う。次いで、ゲート膜12を覆う島状に半導体層14をパターニングする。その後、基板11側からの裏面露光により、半導体層14のゲート膜12上に重なる位置に絶縁性パターン(図示省略)を形成し、これをマスクにしたイオン注入と活性化アニール処理により半導体層14にソース/ドレインを形成する。以上により、基板11上にゲート膜12、ゲート絶縁膜13および半導体層14が順に積層された、いわゆるボトムゲートタイプのTFT10を形成する。ここでは、ボトムゲートタイプを例に挙げているが、トップゲートタイプのTFTを利用しても構わない。
その後は、TFT10を層間絶縁膜21で覆い、層間絶縁膜21に形成した接続孔を介してTFT10に接続された配線22を設けて画素回路を形成する。以上のようにして、いわゆるTFT基板20を形成する。
TFT基板20の形成後は、そのTFT基板20上を平坦化絶縁膜31で覆うとともに、配線22に達する接続孔31aを平坦化絶縁膜31に形成する。そして、平坦化絶縁膜31上に接続孔31aを介して配線22に接続された画素電極32を例えば陽極として形成し、画素電極32の周縁を覆う形状の絶縁膜パターン33を形成する。また、画素電極32の露出面は、これを覆う状態で有機EL材料層34を積層成膜する。さらに、画素電極32に対して絶縁性を保った状態で対向電極35を形成する。この対向電極35は、例えば透明導電性材料からなる陰極として形成するとともに、全画素に共通のベタ膜状に形成する。このようにして、陽極としての画素電極32と陰極としての対向電極35との間に有機正孔輸送層や有機発光層等の有機EL材料層34が配されてなる有機EL素子が構成されるのである。なお、ここでは、トップエミッション方式のものを例に挙げているが、ボトムエミッション方式であれば、画素電極32を導電性透明膜で形成し、対向電極35を高反射金属膜で形成すればよい。また、対向電極35または画素電極32にハーフミラーを用いて光を共振させるマイクロキャビティ構造を採用することも考えられる。
その後、対向電極35上に光透過性を有する接着剤層36を介して透明基板37を貼り合わせ、有機ELディスプレイ1を完成させる。
図2(A)に示すように、この有機ELディスプレイ1の基板40上には、表示領域40aとその周辺領域40bとが設定されている。表示領域40aは、複数の走査線41と複数の信号線42とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。これらの各画素aには有機EL素子が設けられている。また周辺領域40bには、走査線41を走査駆動する走査線駆動回路43と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線42に供給する信号線駆動回路44とが配置されている。
そして、表示領域40aには、フルカラー対応の画像表示を行うために、R,G,Bの各色成分に対応した有機EL素子が混在しており、これらが所定規則に従いつつマトリクス状にパターン配列されているものとする。各有機EL素子の設置数および形成面積は、各色成分で同等とすることが考えられるが、例えば各色成分別のエネルギー成分に応じてそれぞれを相違させるようにしても構わない。
また、図2(B)に示すように、各画素aに設けられる画素回路は、例えば有機EL素子45、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタ(サンプリングトランジスタ)Tr2、および保持容量Csで構成されている。そして、走査線駆動回路43による駆動により、書き込みトランジスタTr2を介して信号線42から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が有機EL素子45に供給され、この電流値に応じた輝度で有機EL素子45が発光する。
なお、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成してもよい。また、周辺領域40bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
以上に説明した有機ELディスプレイ1に代表される表示装置は、図3〜図7に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置として用いられる。以下に、表示装置が用いられる電子機器の具体例を説明する。
なお、表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。また、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
次に、本発明の第1の実施の形態を説明する。
先ず、半導体装置の一具体例であるTFT10の製造方法について、その概要を簡単に説明する。
TFT10は、少なくとも、アニール工程と、検査工程と、選別工程とを経て、その製造が行われる。
図例のように、アニール工程では、基板上に、ゲート膜12、ゲート絶縁膜13、半導体層14、バッファ層15および光吸収層16を堆積してなる多層構造体を、処理対象とする。そして、当該多層構造体に対して、その一方の面側、具体的には光吸収層16の形成面側から、レーザビームを照射することによって、半導体層14をa−Si膜からp−Si膜へ改質する。すなわち、レーザビームを照射することにより瞬間的な熱を発生させる局所加熱を行うことで、a−Si膜からなる半導体層14を結晶化によってp−Si膜に改質するのである。
また、選別工程では、多層構造体に対する選別の際に、検査工程で求めた半導体層14の結晶化度と、半導体層14において得られると予想される電気特性との相関関係を利用して、当該多層構造体に対する選別を行うようにしても構わない。半導体層14の結晶化度と当該半導体層14において得られると予想される電気特性とには相関関係があるとともに、その電気特性によってTFT10の性能ばらつきを特定し得るからである。このような電気特性(デバイス電気特性)としては、例えば、TFT10におけるソース・ドレイン間に流れる電流値が挙げられる。
また、例えばEQC(Equipment Quality Control)プロセスの場合には、選別工程を経た後に、アニール強度の定量的なフィードバック処理を行うことも考えられる。
次に、上述した検査工程において結晶化度の検査を行うために用いられる半導体検査装置について、その構成例を説明する。
図例のように、半導体検査装置(以下、単に「検査装置」という。)200は、ステージ201と、光源202と、ビームスプリッタ203と、対物レンズ204と、受光部205と、制御部206と、検査部207と、を備えて構成されている。
対物レンズ204は、多層構造体210での反射によって得られる光を拡大して検出するための光学素子である。
ラマン散乱光は、ラマン効果によって得られる光である。ラマン効果とは、物質に光を入射したとき、散乱された光の中に入射された光の波長と異なる波長の光が含まれる現象のことをいう。このようなラマン効果により散乱された光と入射光とのエネルギー差は、物質内の分子や結晶の振動準位や回転準位、もしくは電子準位のエネルギーに対応している。つまり、ラマン散乱光の振動数と入射光の振動数の差(ラマンシフト)は、物質の構造に特有の値を採ることになる。したがって、ラマン効果は、分子の構造や状態を知るための非破壊分析法として利用されている。
ただし、検査部207は、詳細を後述するように、結晶化度の検査を、領域分割部および結晶化度算出部(いずれも不図示)としての機能を用いて行う。領域分割部は、ラマン散乱光のラマンスペクトルによって特定される領域を、波数についての所定閾値で領域分割する機能である。また、結晶化度算出部は、領域分割をする前の領域全体と領域分割をした後の所定閾値を超える領域部分との面積比を算出し、その算出結果を半導体層の結晶化度とする機能である。
これら領域分割部および結晶化度算出部としての機能は、検査部207が所定プログラムを実行することによって実現される。この所定プログラムについては、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されることも可能であるし、データ信号として通信により提供されることも可能である。
続いて、以上のように構成された検査装置200における結晶化度検査の処理動作例、すなわち当該検査装置200を用いて行う検査工程の具体的な手順について説明する。
ステージ201上の多層構造体210に対して光を照射すると、その照射光は、多層構造体210の半導体層によって反射される。このとき、半導体層からの反射光には、ラマン効果によって、入射光の波長と異なる波長の光が含まれる。つまり、半導体層からは、ラマン散乱光が反射されることになる。
ラマン散乱光は、対物レンズ204およびビームスプリッタ203を経て受光部205へ導かれて、その受光部205に受光される。つまり、受光部205が、ステージ201上の多層構造体210から得られるラマン散乱光を受光して撮像するのである。
これにより、受光部205と接続する検査部207では、その受光部205での撮像結果を解析することで、ラマン散乱光のラマンスペクトルが得られることになる。なお、ラマンスペクトルを得るための解析手法は、公知技術を利用すればよいため、ここではその説明を省略する。
図例のように、ラマン散乱光のラマンスペクトルにおいて、非晶質シリコンについては、ラマンピークが480cm-1付近に現われる。また、結晶化後の微結晶シリコンについては、ラマンピークが505cm-1付近に現われる。また、結晶化後の多結晶シリコンについては、ラマンピークが520cm-1付近に現われる。
ここで、微結晶シリコンは、粒系が数十nm〜100nm程度のものである。また、多結晶シリコンは、粒系が100nmを超える大きさのものである。
しかしながら、結晶化度合いの評価にあたって、ラマンスペクトルに対してピーク分離処理を行う必要があると、そのために多くの処理時間を要してしまうので効率のよい評価処理が行えず、また当該ピーク分離処理を正しく行えないおそれもある。
ラマンスペクトルによって特定される領域とは、ラマン散乱強度(Intensity)とラマンシフト(Raman Shift)との関係を示す座標平面上において、当該ラマンスペクトルとベースラインとによって囲まれる領域のことをいう。この領域の特定にあたっては、ラマンスペクトルのピーク強度を「1」で規格化し、ベースラインを「0」とすることが考えられる。
そして、ラマンスペクトルによって特定される領域に対して、ラマンシフトの波数についての所定閾値が境界となるように、領域分割を行う。
具体的には、以下のようにして、閾値設定を行うことが考えられる。非晶質シリコン、微結晶シリコンおよび多結晶シリコンの各ラマンピークは、アニール条件による変化が殆ど無い。よって、実験的に得たラマンスペクトルについて、一旦ソフトウエア処理による解析を行ってピーク分離し、それぞれのピーク波数[cm-1]を認識する。なお、波数とは、2πを波長λで割った数のことである。そして、各ラマンピークのうち、これらの中間に位置する微結晶シリコンのラマンピークについて、そのピーク波数を抽出する。このようにして抽出した波数を、領域分割に用いる所定閾値として設定する。したがって、例えば微結晶シリコンについてのラマンピークが505cm-1であれば、その505cm-1という値が、領域分割のための所定閾値として設定されて用いられることになる。中間に位置するピーク波数を所定閾値とするのは、当該ピーク波数を所定閾値とすれば後述する領域分割を経た結晶度評価を好適に行えることが経験的に認められるからである。
具体的には、ラマンスペクトルによって特定される領域全体の面積を、トータル面積として算出する。一方、領域分割をした後における所定閾値を超える領域部分(図11中における網点領域部分)についても、その面積を算出する。例えば、所定閾値が505cm-1であれば、ラマンスペクトルによって特定される領域全体のうち、505cm-1以降の領域部分について、その面積を算出することになる。なお、面積算出手法は、公知技術を利用すればよいため、ここではその説明を省略する。そして、それぞれの面積を算出したら、次いで、505cm-1を超える領域部分の面積/トータル面積を算出する。この算出結果が、半導体層の結晶化度(すなわち結晶化率)となる。
したがって、アニール処理後の結晶化の状態の評価にあたり、ラマンスペクトルに対するピーク分離処理を行う必要がないので、そのために多くの処理時間を要してしまうことがなく、当該評価を効率的に行うことができる。また、ピーク分離処理が不要なことから、当該ピーク分離処理時に生じ得るピーク位置ばらつきが結晶化度の検査結果に重畳されることもない。つまり、例えばラマンピークが明確に現われていないラマンスペクトルの場合であっても、結晶化の状態の評価を精度よく行うことができる。
さらには、ラマン散乱光のラマンスペクトルを利用するので、結晶化についての評価を非接触で行うことができる。しかも、ラマン散乱光のラマンスペクトルによる領域面積に基づいて半導体層の結晶化度を算出するので、その算出結果に当該ラマンスペクトルの形状が反映されることになり、結晶の粒系に依らずに精度の高い評価を行うことができる。
図12(a)に示すように、ピーク分離処理を経た場合の結晶化度の評価結果は、相関係数が二次式近似でR2=0.963となっている。これに対して、本実施形態による結晶化度の評価結果は、図12(b)に示すように、相関係数が二次式近似でR2=0.989まで改善していることが分かる。これは、本実施形態の場合、ラマンスペクトルに対するピーク分離処理が不要なことから、当該ピーク分離処理時に生じ得るピーク位置ばらつきが結晶化度の検査結果に重畳されないためと考えられる。
図例のように、ピーク分離処理を経た場合の結晶化度の評価結果は、(Max−Min)/Avg=4.6%の測定ばらつきが生じている。これに対して、本実施形態による結晶化度の評価結果は、測定ばらつきが(Max−Min)/Avg=3.4%まで改善していることが分かる。これは、本実施形態の場合、ラマンスペクトルに対するピーク分離処理が不要なことから、当該ピーク分離処理時に生じ得るピーク位置ばらつきが結晶化度の検査結果に重畳されないためと考えられる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。ただし、ここでは、主として、上述した第1の実施の形態との相違点を説明する。
図例の検査装置200は、第1の実施の形態で説明した構成に加えて、ビームスプリッタ203と受光部205との間の光路上に、光学フィルタ208が配設されている。光学フィルタ208は、例えばシャープカットフィルタからなり、ある波長より短波長側の光を吸収し、長波長側の光を透過させるように構成されたものである。
二つのフィルタのうちの一方(以下、このフィルタを「エッジフィルターA」という。)は、例えば400cm-1より短波長側の光を吸収し、長波長側の光を透過させるように構成されている。すなわち、ラマンスペクトルの波長領域の略全域について、光を透過させるようになっている。ただし、このエッジフィルターAは、必須の構成ではない。
また、二つのフィルタのうちの他方(以下、このフィルタを「エッジフィルターB」という。)は、例えば505cm-1より短波長側の光を吸収し、長波長側の光を透過させるように構成されている。すなわち、第1の実施の形態で説明した所定閾値に対応した波数を境にして光透過率が異なるように構成されており、当該所定閾値より短波長側の光を吸収し、長波長側の光を透過させるようになっている。
図15は、本発明の第2の実施の形態におけるラマンスペクトルに対する処理の一具体例を示す説明図である。
本実施形態では、検査工程の実施にあたり、エッジフィルターAを介在させた状態で、または光学フィルタ208を介在させない状態で、受光部205がラマン散乱光を受光して撮像する。これにより、受光部205と接続する検査部207では、第1の実施の形態の場合と同様のラマンスペクトルが得られることになる。
さらに、本実施形態では、上述したラマンスペクトルの取得に加えて、エッジフィルターBを介在させた状態で、受光部205がラマン散乱光を受光して撮像する。これにより、受光部205と接続する検査部207では、所定閾値である505cm-1以降の領域部分についてのみのラマンスペクトルが得られることになる。
なお、各ラマンスペクトルの取得順については、特に限定されるものではない。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。ただし、ここでは、主として、上述した第2の実施の形態との相違点を説明する。
図例のように、検査部207は、半導体層が形成された二次元平面領域、特にTFT10のゲートパターン領域について、その結晶化度の分布を視認可能な態様で表示出力する。具体的には、半導体層の面内における結晶化度の分布を、当該面内の各部分が所定閾値による領域分割後にどの領域に属するかが分かるように、その表示出力を行う。さらに詳しくは、ラマン散乱光を得た半導体層の二次元平面領域について、エッジフィルターAを通して得られた画像と、エッジフィルターBを通して得られた画像とが、表示画面上で識別可能となるように、その表示出力を行う。
表示画面上で識別可能となる態様としては、例えば結晶化度の違い(すなわち、エッジフィルターAによる画像とエッジフィルターBによる画像との違い)に応じて、表示色や表示模様等を相違させることが考えられる。すなわち、出力工程では、算出した結晶化度を、例えば当該結晶化度に応じた色として、半導体層面内の実画像に重ねて表示出力するのである。
なお、このような態様の表示出力は、公知の画像処理技術を利用して行えばよいため、ここではその詳細な手法等についての説明を省略する。
例えば、ここでは505cm-1という値を領域分割のための所定閾値として用いる場合を例に挙げたが、これは本発明を説明するための一具体例に過ぎず、本発明がその内容に限定されるものではない。
つまり、本発明は、各実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更しても構わない。
Claims (7)
- 基板上に少なくとも非晶質シリコン膜からなる半導体層が形成された多層構造体に対してレーザ光を照射して局所加熱を行い、前記非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール工程と、
前記アニール工程後における前記半導体層の結晶化度を検査する検査工程とを含み、
前記検査工程は、
前記アニール工程後の前記半導体層に光を照射してラマン散乱光を得る受光工程と、
前記ラマン散乱光のラマンスペクトルによって特定される領域を波数についての所定閾値で領域分割する領域分割工程と、
前記領域分割をする前の領域全体と前記領域分割をした後の前記所定閾値を超える領域部分との面積比を算出し、その算出結果を前記半導体層の結晶化度とする結晶化度算出工程と
を含む半導体装置の製造方法。 - 前記検査工程で求めた前記半導体層の結晶化度に基づいて、前記アニール工程後の前記半導体層についての選別を行う選別工程
を含む請求項1記載の半導体装置の製造方法。 - 前記検査工程では、前記ラマン散乱光を得るのにあたり、前記所定閾値に対応した波数を境にして光透過率が異なるように構成された光学フィルタを介在させ、当該光学フィルタにおける光の透過/非透過を利用して前記所定閾値による領域分割を行う
請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。 - 前記検査工程は、
前記半導体層における結晶化度の面内分布を、当該面内の各部分が前記所定閾値による領域分割後にどの領域に属するかに基づいて、視認可能な態様で表示出力する出力工程
を含む請求項3記載の半導体装置の製造方法。 - レーザアニール処理を経て非晶質シリコン膜が微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質された半導体層を有する多層構造体を搭載するステージと、
前記ステージに搭載された前記多層構造体における前記半導体層に対して光を照射する光源と、
前記光源による光の照射によって得られるラマン散乱光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した前記ラマン散乱光を用いて前記レーザアニール処理後における前記半導体層の結晶化度を検査する検査部とを備え、
前記検査部は、
前記ラマン散乱光のラマンスペクトルによって特定される領域を波数についての所定閾値で領域分割する領域分割部と、
前記領域分割をする前の領域全体と前記領域分割をした後の前記所定閾値を超える領域部分との面積比を算出し、その算出結果を前記半導体層の結晶化度とする結晶化度算出部と
を備える半導体検査装置。 - レーザアニール処理を経て非晶質シリコン膜が微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質された半導体層について、前記レーザアニール処理後における前記半導体層の結晶化度を検査する検査工程を含み、
前記検査工程は、
前記レーザアニール処理後の前記半導体層に光を照射してラマン散乱光を得る受光工程と、
前記ラマン散乱光のラマンスペクトルによって特定される領域を波数についての所定閾値で領域分割する領域分割工程と、
前記領域分割をする前の領域全体と前記領域分割をした後の前記所定閾値を超える領域部分との面積比を算出し、その算出結果を前記半導体層の結晶化度とする結晶化度算出工程と
を含む結晶化度検査方法。 - 前記結晶化度算出工程で算出した結晶化度を当該結晶化度に応じた色として実画像に重ねて表示出力する出力工程
を含む請求項6記載の結晶化度検査方法。
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