JP2011054008A - 歪み画像補正装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 前記補正画像RIの左右の中心線上の点を円中心CTとする2つの円又は楕円を内円IC及び外円UCとし、当該補正画像RIを含む領域に対して、前記内円ICから前記外円UCまでの度合変化エリアA、前記内円ICの内側を通常補正エリアB、及び、前記外円UCの外側を無補正エリアCに設定する領域設定部12と、前記通常補正エリアBについては前記補正画像RIの光学中心CLからの距離である像高IHに応じた歪み補正係数Kを用いて前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させる通常補正処理14と、前記度合変化エリアAについては前記内円ICから前記外円UCまで前記歪み補正係数Kによる補正度合を前記内円ICの円周上での通常補正から前記外円UCの円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させる度合変化補正処理16とを備えた。
【選択図】図1
Description
特許文献2には、広角画像の情報量を維持しつつ歪み補正による視認性の向上を図るために(段落0011)、画像領域を車体部、車体近傍部及び遠方部の領域に分け、領域毎に予め設定された補正強度でレンズ歪みを補正する手法が開示されている。具体的には、特許文献2では、画像の下側(車両に近い)の歪みを補正して、画像の上側(車両から遠い)の歪みを残す処理をしている(段落0038)。
特許文献3には、カメラの光軸から一定距離の円内では多項式近似により補正し、円外では対数式近似により補正する手法が開示されている。
上記特許文献3記載の手法では、歪みを良好に補正することができるが、画像の左右上下の端の一部が欠けた画像となり、視認性が悪化してしまう。
[課題2]さらに、上記従来例では、歪曲画像の情報量を維持しつつ視覚への違和感を低減した補正を高速に処理することができない、という不都合があった。
そして、前記補正部が、前記通常補正エリアについては前記補正画像の光学中心からの距離である像高に応じた歪み補正係数を用いて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させる通常補正処理と、前記度合変化エリアについては前記内円から前記外円まで前記歪み補正係数による補正度合を前記内円の円周上での通常補正から前記外円の円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させる度合変化補正処理とを備えた、という構成を採っている。
これにより、上記課題1を解決した。
そして、前記画像変換マップが、前記補正画像の左右の中心線上の点を円中心とする2つの円又は楕円を内円及び外円とし、当該補正画像を含む領域に対して、前記内円の内側である通常補正エリアと、前記内円から前記外円までの度合変化エリアと、前記外円の外側を無補正エリアとを備えている。
しかも、前記通常補正エリアについて、前記補正画像の光学中心からの距離である像高に応じた歪み補正係数を用いて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させた際の変動量を有している。
そして、前記度合変化エリアについて、前記内円から前記外円まで前記歪み補正係数による補正度合を前記内円の円周上での通常補正から前記外円の円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させた際の変動量を有している。
また、前記無補正エリアについては前記変動量を0としている。
さらに、前記画像処理部が、前記補正座標毎に、前記マップ記憶部から当該補正座標の変動量を読み出す処理と、当該補正座標と当該変動量とに基づいて当該補正座標に対応するカメラ座標を特定する処理と、特定したカメラ座標の画素値を当該補正座標にセットする処理とを備えた、という構成を採っている。
これにより、上記課題2を解決した。
このため、自車に近い内円の内側を完全に補正すると、路面の白線等の歪みが完全に補正されて直線となり、ドライバーへの表示に際して良好な歪み補正をすることができる。また、内円の内側を完全に補正すると、白線認識等の画像処理をする際にも、歪みのない画像を対象とした一般的なアルゴリズムを適用することができる。
一方、なるべく視野を確保したい遠くの領域は、カメラ画像と同等の視野を確保することができる。そして、度合変化エリアを円で定義するため、視野を確保したい無補正又は低補正のエリアと、内側の通常補正のエリアとを連続的とすることで、視覚上の違和感を低減することができる。
従って、歪曲画像の情報量を維持しつつ視覚への違和感を低減することができる。
このため、補正座標毎に画像変換マップを参照するという処理のみで、課題解決手段1によるものと同様の補正画像を生成することができる。
従って、歪曲画像の情報量を維持しつつ視覚への違和感を低減する補正を高速に処理することができる。
<1.1 度合補正エリア>
まず、本実施形態の実施例1を開示する。実施例1は、歪曲のある画像の情報量を維持しつつ視覚上の違和感を低減するために、円で領域を区切り補正の強度を調整する技術である。
図1に示す例では、さらに、カメラ20と、表示部32とを備えている。
そして、度合変化エリアAの補正座標(u, v)について、対応するカメラ座標(x, y)の画素値を読み込むことで、カメラ画像CIから補正画像RIを生成する。
そして、表示処理34は、全エリアについての補正画像RIを表示部32に表示する。
以下、同様に、カメラ画像CIと補正画像RIとを同一の大きさとして説明するが、大きさが異なる際には、補正座標(u, v)とカメラ座標(x, y)との対応関係に大小関係による拡大パラメーターを含ませれば良い。
そして、式(1-2a, 1-2b)により、補正座標(u, v)に対応するカメラ座標(x, y)を求める。この式(1-2a, 1-2b)では、変動量(Δx, Δy)と歪み補正係数Kとは次式(1-3a, 1-3b)の関係となる。なお、無補正の際には、式(1-4a, 1-4b)に示すように補正座標(u, v)と対応するカメラ座標(x, y)とは等しい。
内円ICより内側の通常補正エリアBについては、補正部10は、歪み補正係数Kを全面的に適用して、完全に歪みを補正した画像とする(通常補正処理14)。
内円ICと外円UCとの間については、補正部10は、円中心CTからの距離(外径半径UCL, 内径半径ICL)に応じて歪み補正係数Kの適用度合を変化させることで、歪みを残す度合い(補正強度)を変化させつつ歪み画像を変換する(度合変化補正処理16)。また、補正手法によっては、円中心CTからの距離ではなく、画像中心となる光学中心CLからの距離に応じて補正強度を変化させるようにしても良い。
外円UCの外側の領域については、補正部10は、歪みを残した画像(カメラ画像CI)とし、何ら補正をしない(無補正処理18)。
なお、特殊な目的に応じたエリア設定をしたい際には、内円ICと外円UCの円中心CTを別の位置としても良い。
そして、内円ICの内円半径ICLと、外円UCの外円半径UCLとはそれぞれ設定可能とする。この内円半径ICLと外円半径UCLとの設定により、度合変化エリアAの面積を調節することができる。
上述のように、内円ICを用いて通常補正エリアBを設定すると、自車に近い路面部分はほぼ内円ICの内側に撮影されるため、路面の白線等の歪みを完全に補正して直線とすることができ、ドライバーへの表示に際して有効な歪み補正をすることができる。また、内円ICの内側を完全に補正すると、白線認識等の画像処理をする際にも歪みのない画像を対象とした一般的なアルゴリズムを適用することができる。
一方、なるべく視野を確保したい遠くの領域は、カメラ画像と同等の視野を確保することができる。そして、度合変化エリアAを内円ICと外円UCとで定義するため、補正度合を変化させる領域及び方向を放射状とすることができ、カメラ20による光学的な歪みの方向と同一方向にて補正度合を変化させることができる。これにより、複数段階の補正度合としつつ、補正画像RIの違和感を低減することができる。
さらに、視野を確保したい無補正又は低補正のエリアと、内側の通常補正のエリアとを放射状・同心円状に連続的とすることで、視覚上の違和感を低減することができる。
上記より、例えば、駐車場において、自車両の駐車目標は、画像手前の白線の間のエリアとなり、画像上ではほぼ台形の領域となるところ、歪み補正をする領域と歪みを補正しない領域との境界を円又は楕円とすることで、この台形の領域をカバーすることが可能となる。
一方、駐車時の奥行き方向や、自車が駐車する領域の左右の状態については歪みを残しつつ広い視野を確保することができる。そして、この補正と無補正との切り替えを円又は楕円(内円IC及び外円UC)により行うため、視覚的に遠近の基準となり光学歪みの態様でもある同心円状の変化に合わせて切り替えることができる。この同心円状の切り替えにより、視覚上の違和感を低減することができる。
さらに、この領域の設定に内円IC及び外円UCを用いることで、度合変化エリアAと無補正エリアCとが連続する領域や、度合変化エリアAと通常補正エリアBとが連続する領域にて、各エリアをまたいで運動する対象物が動的に撮像されている際に、その動きを違和感なく表示することができる。例えば、カメラ20の視野外から接近する車両や、視野外からボールが飛んでくる場合の撮像対象物の動作が不自然に歪むことなく、かつ、広い視野を確保し、さらに、内側については完全な歪み補正を実現することができる。
度合変化補正処理16は、内円ICと外円UCとの間で補正度合(補正強度)を連続的に変化させる。この補正度合を調整するために、補正点距離比γを利用すると良い。
度合変化処理16は、さらに、前記度合変化直線LN上の前記内円交点bから前記外円交点cまでの度合変化距離Lacと前記補正点aの位置との関係を補正点距離比γとして算出する。そして、度合変化処理16は、前記補正点距離比γに基づいた前記補正度合で前記補正点aの前記補正座標(u, v)に対応するカメラ座標(x, y)を特定する。
一方、度合変化曲線LNの起点を光学中心CLとして、補正点距離比γを用いた補正をすると、カメラ20の広角レンズ22の歪曲の方向と同様な方向にて放射状に補正度合を低下させることができる。このため、歪曲を低減させる程度が歪曲の方向と一致する。このため、視覚上の違和感を低減することができる。
まず、領域設定部12が、補正画像RIの左右の中心線上の点を円中心CTとする2つの円又は楕円を内円IC及び外円UCとして設定する。そして、当該補正画像RIを含む領域に対して、前記内円ICの内側を通常補正エリアB、前記内円ICから前記外円UCまでの度合変化エリアA、及び、前記外円UCの外側を無補正エリアCに設定する(ステップS1)。
次に、補正画像RIの補正点aの補正座標(u, v)を特定する(ステップS2)。そして、この補正点aがどのエリアに属するか判定する(ステップS3)。
一方、全ての補正点aについて終了していなければ(ステップS7)、次の補正点aを特定し(ステップS2)、エリアに応じて対応させる処理(ステップS3からステップS7)を繰り返す。
そして、前記度合変化直線LN上の前記内円交点bから前記外円交点cまでの距離Lacと前記補正点aの位置との関係を補正点距離比γとして算出する(ステップS13)。さらに、前記補正点距離比γに基づいた前記補正度合で前記補正点aの前記補正座標(u, v)に対応するカメラ座標(x, y)を特定する(ステップS14)。
・補正点距離比γを使用したカメラ座標(x, y)の算出では、3種類の方法がある。機種の違い、カメラ20の取り付け位置・角度の違い等によりカメラ画像CIの視野が異なるときに、場合に応じて選択すると良い。
上述のように、補正点距離比γに基づいて補正度合を変化させることで、通常補正エリアBから無補正エリアCまでの間で順次に補正度合を弱めていき、視覚上の違和感を低減することができる。
さらに、度合変化曲線LNの起点を円中心CTとして、補正点距離比γを用いた補正をすると、領域設定に使用した内円ICと外円UCと同心の円状にて、補正度合を低下させることができ、視覚上の違和感を低減することができる。
一方、度合変化曲線LNの起点を光学中心CLとして、補正点距離比γを用いた補正をすると、カメラ20の広角レンズ22の歪曲の方向と同様な方向にて放射状に補正度合を低下させ、歪曲を低減させる程度が歪曲の方向と一致させることで、視覚上の違和感を低減することができる。
実施例1では、内円ICと外円UCの円中心CTは一致していても一致していなくても良い。すなわち、領域設定部12は、まず、内円IC又は外円UCの円中心CTを、前記補正画像RIの左右の中心線上で光学中心CL(画像中心)から下方に当該補正画像RIの上下長さの2倍以内の位置に配置する。さらに、実施例1では、内円ICと外円UCの一部またはすべてが補正画像RI内に入っていなくてもよい。
図8(A)に示す例では、内円上端ICTを補正画像RI内の上部に配置している。そして、外円上端UCTについては補正画像RIの範囲外に配置し、無補正エリアCは左右の上部に分断されている。
図8(B)に示す例では、外円上端UCTが補正画像RI外にあり、さらに、外円UCは補正画像RIと重なっていない。このため、図8(B)に示す例では、無補正エリアCが無い。
上述のように、図7に示す内円IC及び外円UCの配置例では、無補正エリアCを広めに確保することで情報量の維持を優先しつつ欠けDEを無くし、さらに視覚上の違和感を低減することができる。
図8(A)に示す配置例では、上部の左右に無補正エリアCを残すことで情報量を維持しつつ、より違和感を低減することができる。
図8(B)に示す配置例では、無補正エリアCを無くすことで情報量が低下するものの全体的な違和感をより低減することができる。
次に、補正点距離比γを使用した具体的な補正手法を3例説明する。まず、補正手法1は、多様な領域設定に適用可能であるが、図11に示すように、前記補正画像RIの光学中心CLと前記度合変化直線LNの起点となる前記円中心CTとが異なる位置にある際に適した手法である。
以下、補正画像RIの補正座標(u, v)及び対応するカメラ座標(x, y)について、a, b, cを添え字のように使用して、補正点aの補正座標(ua, va)と対応するカメラ座標(xa, ya)、内円交点bの補正座標(ub, vb)と対応するカメラ座標(xb, yb)、外円交点cの補正座標(uc, vc)と対応するカメラ座標(xc, vc)のように表記する。
さらに、内円交点bに対応するカメラ画像CIのカメラ座標(xb, yb)と、外円交点cに対応するカメラ画像CIの座標(xc, yc)とを求める。そして、これらの値と、γのn乗とを使用して、次式(3a, 3b)により、補正点aに対応するカメラ座標(xa, ya)を算出する。
そして、補正点aに対応するカメラ座標(xa, ya)は、内円交点bのカメラ座標(xb, yb)を起点として、外円交点cと内円交点bとの差にγのn乗を掛けた値を変動量(Δx, Δy)として、この内円交点bのカメラ座標(xb, yb)に加算することで算出する。
上述のように、前記度合変化補正処理16が、前記補正画像RIの内円交点bに対応するカメラ座標(xb, yb)と、前記補正画像RIの外円交点cに対応するカメラ座標(xc, yc)と、前記補正点距離比γのn乗とに基づいて、当該補正点aに対応するカメラ座標(xa, ya)を算出するため、度合変化直線LNの起点や傾きを任意とすることができ、度合変化直線LNの起点を円中心CTとしても、光学中心CLとしても補正点距離比γによる度合変化を適用することができる。
また、度合変化領域Aについて式(3a, 3b)で補正することで、図13の補正画像RI_1に示すように、無補正エリアC側の違和感がより減少する。
補正手法2は、多様な領域設定に適用可能であるが、図14に示すように、前記補正画像RIの光学中心CLと前記度合変化直線LNの起点となる前記円中心CTとが重なる際に有用な手法である。
この補正手法2では、前記度合変化補正処理16が、前記補正画像RIの補正点aの前記補正点距離比γのn乗を前記歪み補正係数Kに掛けた値と、前記補正点aの補正座標(ua, va)とに基づいて、当該補正点aに対応するカメラ座標(xa, ya)を算出する。
上述のように、前記度合変化補正処理16が、前記補正画像RIの補正点aの前記補正点距離比γのn乗を前記歪み補正係数Kに掛けた値と、前記補正点aの補正座標(ua, va)とに基づいて、当該補正点aに対応するカメラ座標(xa, ya)を算出するため、歪み補正係数Kを、補正点距離比γを用いて直接的に修正することができる。
特に、歪み補正係数Kが、光学中心CLからの距離である式(1-1b)のRの関数であるため(式(1-1a))、同様にRの関数である度合変化直線LN上の補正点距離比γを直接的に歪み補正係数Kに適用し易く、より簡易な算式で補正度合(補正強度)を変化させることができる。
そして、度合変化領域Aを式(4a, 4b)にて補正すると、当該度合変化領域A内について、図16に示す補正画像RI_2のように、通常補正エリアB側の違和感がより減少する。
補正方法3は、多様な領域設定に適用可能であるが、図17に示すように、前記補正画像RIの光学中心CLと前記度合変化直線LNの起点となる前記円中心CTとが重なり、且つ、前記外円UCが前記補正画像RIの外側にある際に有用な補正手法である。
なお、補正手法3では、無補正エリアCは無いため、上記式(1-4a, 1-4b)は使用しない。
上述のように、度合変化補正処理16が、前記歪み補正係数Kに前記補正画像RIの補正点aの前記補正点距離比γのn乗を加算した値を、当該補正点aの補正座標(ua, va)に掛けた値に基づいて当該補正点aに対応するカメラ座標(xa, ya)を算出するため、内円交点bから度合変化直線LN上を補正画像RIの範囲内で連続的に補正度合を低下させることができる。
度合変化エリアAを式(5a, 5b)で補正すると、度合変化エリアAについて、図19に示す補正画像RI_3のように、全体的に違和感が減少する。(ただし、周辺部の視野は減少する。)
<2.1 画像変換マップ:生成>
次に、本実施形態の実施例2を開示する。実施例2は、歪曲のある画像の情報量を維持しつつ視覚上の違和感を低減する補正を高速に処理するために、円で領域を区切り補正の強度を調整するための画像変換マップMPを予め生成しておき、利用する技術である。
再度図1を参照すると、マップ生成処理28が、画像変換マップMPを生成する。このマップ生成処理28は、前記補正画像の全ての補正座標(u, v)について、前記通常補正エリアBについては前記補正画像RIの光学中心CLからの距離である像高IHに応じた歪み補正係数Kを用いて前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させる。
そして、マップ生成処理28は、前記度合変化エリアAについては前記内円ICから前記外円UCまで前記歪み補正係数Kによる補正度合を前記内円ICの円周上での通常補正から前記外円UCの円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させる。さらに、マップ生成処理28は、前記無補正エリアCについては、補正せずに前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させる。
すると、この画像変換マップMPは、補正座標(u, v)を指定すると、当該補正座標(u, v)を補正点aとする際の変動量(Δx, Δy)を直ちに参照することができる。
この画像変換マップMPは、システム構築時に作成しておくと良い。
・2.1 画像変換マップ:生成の効果
上述のように、マップ生成処理28が、実施例1の通常補正処理14、度合変化補正処理16及び無補正処理18と同一の手法で前記補正座標(u, v)と前記カメラ座標(x, y)との対応関係を算出し、この対応関係の算出により、画像変換マップMPを生成するため、度合変化直線LN等を個々に算出しなくとも、既に算出した変動量(Δx, Δy)を用いた歪み補正を促すことができる。
さらに、補正手法1から3に対応する画像変換マップMPをそれぞれ用意しておくことで、複数の補正手法を容易に切り替えた歪み補正を促すことができる。
次に、画像変換マップMPを利用して歪み画像補正を行う歪み補正画像装置を開示する。この画像変換マップMPを利用する歪み画像補正装置は、主要な構成として、カメラ20と、マップ記憶部24と、画像処理部26とを備えている。
図21に示す例では、画像メモリ30と、表示部32とを有している。
マップ記憶部24は、図20等に示す手法で予め生成された画像変換マップMPを記憶している。
画像処理部26は、前記画像変換マップMPに基づいて前記カメラ20で撮像されたカメラ画像CIを補正して補正画像RIを生成する。
そして、前記通常補正エリアBについて、前記補正画像RIの光学中心CLからの距離である像高IHに応じた歪み補正係数Kを用いて前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させた際の変動量(Δx, Δy)を有している。
さらに、前記度合変化エリアAについて、前記内円ICから前記外円UCまで(同心円状に)前記歪み補正係数Kによる補正度合を前記内円ICの円周上での通常補正から前記外円UCの円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標(u, v)に前記カメラ座標(x, y)を対応させた際の変動量(Δx, Δy)を有している。
また、前記無補正エリアCについては前記変動量(Δx, Δy)を0としている。
この処理では、画像処理部26は、当該補正座標(u, v)に対応する変動量(Δx, Δy)を読み出すと、次式(7a, 7b)を用いて、当該補正座標(u, v)に対応するカメラ座標(x, y)を算出する。画像処理部26は、さらに、特定したカメラ座標(x, y)の画素値を当該補正座標(u, v)にセットする処理を備えている。
上述のように、画像変換マップMPを利用した歪み補正を行うことで、実施例1にて開示した効果を奏する他、この歪み補正をマップの参照により実行することができるため、極めて高速にリアルタイムに歪み補正を行うことができる。
さらに、複数の補正手法や内円IC及び外円UCの複数の配置毎に画像変換マップMPを生成しておくと、補正手法や配置の切り替えを即座に実行することができる。
また、車載のカメラ20により前方の障害物や白線を認識する場合に本手法が応用可能である。例えば、路面の領域では白線検出、その他の領域では障害物検出をしたい場合に、路面領域は白線検出のために完全に歪み補正を行い、その他の領域では障害物検出のために広い視野を確保することで、検出精度の向上と、検出エリアの確保が可能となる。
12 領域設定部
14 通常補正処理
16 度合変化補正処理
18 無補正処理
20 カメラ
22 広角レンズ
24 マップ記憶部
26 画像処理部
28 マップ生成処理
30 画像メモリ
32 表示部
34 表示処理
CI カメラ画像
(x, y)、(xa, ya)、(xb, yb)、(xc, yc) カメラ座標
RI、RI_1、RI_2、RI_3、RI_A、RI_B 補正画像
(u, v)、(ua, va)、(ub, vb)、(uc, vc) 補正座標
(Δx, Δy) 変動量
A 度合変化エリア
B 通常補正エリア
C 無補正エリア
a 補正点
b 内円交点
c 外円交点
γ 補正点距離比
CL 光学中心
CT 円中心
DE 欠け
IC 内円
ICL 内円半径
ICT 内円上端
UC 外円
UCL 外円半径
UCT 外円上端
IH 像高
K 歪み補正係数
κ 歪み係数
Lac 度合変化距離
LN 度合変化直線
MP 画像変換マップ
Claims (9)
- 歪みのあるカメラ画像のカメラ座標と歪みを低減した補正画像の補正座標との対応関係に基づいて当該歪みを補正する補正部と、
前記補正画像の左右の中心線上の点を円中心とする2つの円又は楕円を内円及び外円とし、当該補正画像を含む領域に対して、前記内円から前記外円までの度合変化エリア、前記内円の内側を通常補正エリア、及び、前記外円の外側を無補正エリアに設定する領域設定部とを備え、
前記補正部が、
前記通常補正エリアについては前記補正画像の光学中心からの距離である像高に応じた歪み補正係数を用いて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させる通常補正処理と、
前記度合変化エリアについては前記内円から前記外円まで前記歪み補正係数による補正度合を前記内円の円周上での通常補正から前記外円の円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させる度合変化補正処理と、を備えた、
ことを特徴とする歪み画像補正装置。 - 前記度合変化補正処理が、
前記円中心又は前記光学中心と前記補正画像の補正点とを結ぶ度合変化直線を算出し、
前記度合変化直線との交点に関して前記内円との内円交点と外円との外円交点とを算出し、
前記度合変化直線上の前記内円交点から前記外円交点までの度合変化距離と前記補正点の位置との関係を補正点距離比として算出し、
前記補正点距離比に基づいた前記補正度合で前記補正点の前記補正座標に対応するカメラ座標を特定する、
ことを特徴とする請求項1記載の歪み画像補正装置。 - 前記領域設定部が、
前記内円又は外円の円中心を、前記補正画像の左右の中心線上で当該光学中心から下方に当該補正画像の上下長さの2倍以内の位置に配置し、
前記内円の円周の上端を、前記補正画像の上部に配置し、
前記外円の上端を、前記内円の上端よりも上部で、前記補正画像の範囲内又は範囲外に配置した、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の歪み画像補正装置。 - 前記度合変化補正処理が、前記補正画像RIの光学中心と前記度合変化直線の起点となる前記円中心とが異なる位置にある際には、
前記補正画像の内円交点に対応するカメラ座標と、
前記補正画像の外円交点に対応するカメラ座標と、及び、
前記補正点距離比のn乗とに基づいて、
当該補正点に対応するカメラ座標を算出する、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の歪み画像補正装置。 - 前記度合変化補正処理が、前記補正画像の光学中心と前記度合変化直線の起点となる前記円中心とが重なる際に、
前記補正画像RIの補正点の前記補正点距離比のn乗を前記歪み補正係数に掛けた値と、
前記補正点の補正座標とに基づいて、
当該補正点に対応するカメラ座標を算出する、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の歪み画像補正装置。 - 前記度合変化補正処理が、前記補正画像の光学中心と前記度合変化直線の起点となる前記円中心とが重なり、かつ、前記外円が前記補正画像の外側にある際に、
前記歪み補正係数に前記補正画像の補正点の前記補正点距離比のn乗を加算した値を、当該補正点の補正座標に掛けた値に基づいて
当該補正点に対応するカメラ座標を算出する、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の歪み画像補正装置。 - 前記補正部が、画像変換マップを生成するマップ生成処理を備え、
このマップ生成処理は、
前記補正画像の全ての補正座標について、
前記通常補正エリアについては前記補正画像の光学中心からの距離である像高に応じた歪み補正係数を用いて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させ、
前記度合変化エリアについては前記内円から前記外円まで前記歪み補正係数による補正度合を前記内円の円周上での通常補正から前記外円の円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させ、
前記無補正エリアについて補正せずに対応させることで、
補正座標毎に当該補正座標とカメラ座標との変動量を画像変換マップとして生成する、
ことを特徴とする請求項1から6いずれか記載の歪み画像補正装置。 - 歪みのあるカメラ画像のカメラ座標と歪みを低減した補正画像の補正座標との対応関係に基づいて当該歪みを補正する方法であって、
前記補正画像の左右の中心線上の点を円中心とする2つの円又は楕円を内円及び外円とし、当該補正画像を含む領域に対して、前記内円の内側を通常補正エリア、前記内円から前記外円までの度合変化エリア、及び、前記外円の外側を無補正エリアに設定する工程と、
補正画像の補正座標毎に、
前記当該補正座標が前記通常補正エリアに属する際には、前記補正画像の光学中心からの距離である像高に応じた歪み補正係数を用いて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させる工程と、
前記当該補正座標が前記度合変化エリアに属する際には、前記内円から前記外円まで前記歪み補正係数による補正度合を前記内円の円周上での通常補正から前記外円の円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させる工程と
前記当該補正座標が前記無補正エリアに属する際には、前記補正座標に前記カメラ座標をそのまま対応させる工程とを備え、
前記度合変化エリアについての工程が、
前記内円又は前記外円の円中心と前記補正画像の補正点とを結ぶ度合変化直線を算出する工程と、
前記度合変化直線との交点に関して前記内円との内円交点と外円との外円交点とを算出する工程と、
前記度合変化直線上の前記内円交点から前記外円交点までの距離と前記補正点の位置との関係を補正点距離比として算出する工程と、
前記補正点距離比に基づいた前記補正度合で前記補正点の前記補正座標に対応するカメラ座標を特定する工程と、を備えた、
ことを特徴とする歪み画像補正方法。 - 広角レンズを有するカメラと、
予め定められた画像変換マップを記憶したマップ記憶部と、
前記画像変換マップに基づいて前記カメラで撮像されたカメラ画像を補正して補正画像を生成する画像処理部とを備え、
前記画像変換マップが、
前記補正画像の左右の中心線上の点を円中心とする2つの円又は楕円を内円及び外円とし、当該補正画像を含む領域に対して、前記内円の内側である通常補正エリアと、前記内円から前記外円までの度合変化エリアと、前記外円の外側を無補正エリアとを備え、
前記通常補正エリアについて、前記補正画像の光学中心からの距離である像高に応じた歪み補正係数を用いて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させた際の変動量を有し、
前記度合変化エリアAについて、前記内円から前記外円まで前記歪み補正係数による補正度合を前記内円の円周上での通常補正から前記外円の円周上での無補正まで連続的に低下させて前記補正座標に前記カメラ座標を対応させた際の変動量を有し、
前記無補正エリアについては前記変動量を0とし、
前記画像処理部が、
前記補正座標毎に、前記マップ記憶部から当該補正座標の変動量を読み出す処理と、
当該補正座標と当該変動量とに基づいて当該補正座標に対応するカメラ座標を特定する処理と、
特定したカメラ座標の画素値を当該補正座標にセットする処理と、を備えた、
ことを特徴とする歪み画像補正装置。
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