JP2011053215A - 電気化学システムの計測不能な特性を推定する改良された方法 - Google Patents

電気化学システムの計測不能な特性を推定する改良された方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再充電可能な電気化学システムの作動を模擬し内部状態を推定する。
【解決手段】本方法は、複数の電極と、セパレータと、電解質と、を有する再充電可能な電気化学システムであって、電気化学システムの物理量を表す少なくとも1つのパラメータの少なくとも1つの入力信号を取得可能であり、電気化学システムの電気化学モデルが与えられている電気化学システムの内部状態を推定する。電気化学モデルは、複数の電極内及びセパレータ内で均一である複数の集中パラメータを備えており、電気化学システムの内部状態は、電気化学モデルに入力信号を適用して少なくとも1つの出力信号を生成することによって推定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池型の電気化学システムの直接計測できない特性を推定する方法に関する。本方法によって、電気化学電池の管理、特にハイブリッド乗り物または電気乗り物における電気化学電池の作動中の管理が可能になる。本発明の方法によって、電池の熱的及び/または電気的な挙動を模擬することができる。本方法はオフラインにおいても、特に電池寸法設定と、所望の用途の機能としてのエネルギーと熱の管理戦略の最適化に役立つ。
電気化学電池は、ハイブリッド乗り物または電気乗り物の最も重要な構成要素の1つである。乗り物の構造内でのこの構成要素の寸法設定は、様々な動的負荷レベルにおける電池の電気的及び熱的挙動を正確に表現することを目的とした電池の模擬に基づいている。乗り物の適切な作動は、様々な動的負荷レベル間での最良の妥協によって電池を作動させることを目的としたスマート電池管理システム(BMS)に基づいている。充電状態(SoC)、健全状態(SoH)、及び熱的状態(T)を正確にかつ高い信頼性で知ることがBMSには不可欠である。
電池の充電状態(SoC)は、電池の利用可能な容量(定格容量に対する比率として表現される)である。SoCを知ることによって、電池がどれだけ長く所定の電流でエネルギーを供給し続けることができるか、または電池がどれだけ長くエネルギーを吸収できるかを推定することができる。この情報によって、乗り物全体の作動、特に乗り物の構成要素の間でのエネルギー管理の条件を定めることができる。
電池の寿命期間中、電池の性能は、電池が使用できなくなるまで、使用中に発生する物理的及び化学的変動によって徐々に低下する傾向にある。従って、再充電後に利用可能な容量(Ahで表される)である健全状態(SoH)は、電池のライフサイクルのどこまで到達したかを示す指標である。
電池の熱的状態(T)は電池の性能を条件付けるが、これは、電気化学システムに含まれる化学反応現象と化学輸送現象とが、熱的に活性化されるためである。乗り物は通常、−40℃から+40℃の広い温度範囲内で作動させることができるが、最初の熱的状態は乗り物の外部温度に関連している。作動中の熱的状態は、充電と放電の条件下での電池の電流消費、電池の構成及び環境に依存して変化する。
従って、電池のSoC、SoH、及び熱的状態Tをより正確に高い信頼度で推定することはいくつかの点で有利である。この推定によって、乗り物の管理者が電池のエネルギー能力の使用に関して過度に慎重な行動をとったりその逆の行動をとったりすることを防止できる。電池が安全上必要以上に大きくなることを防止し、それによって車載重量を減らし、その結果消費燃料を節約することもできる。乗り物の総コストを削減することもできる。従って、正確な推定器によって、乗り物の作動範囲全域にわたる電池容量の効率的で信頼性の高い使用が保証される。
クーロン計数またはブックキーピングと呼ばれるSoC推定方法が当技術分野で知られている。しかしこの方法は、自己放電などの現象を無視しているため、推定誤差が生じる。
SoCの指標として無負荷電圧を測定することも知られている。たとえば内部抵抗を推定するなど、他の指標を用いることも(特許文献1,2)公知の方法である。
これらの2つの方法は、SoCが静的マッピングまたは解析的な機能依存性によって、1以上の計測可能なまたは容易に取得可能な量に最初に関連付けられることを特徴としている。しかしこれらの依存性は、実際には、BMSにおいて考慮されているものよりはるかに複雑であり、SoC推定誤差につながることが多い。
潜在的により有望な方法は、SoCによってパラメータ化されている物理量をインピーダンススペクトロスコピー法(EIS)によって計測することに基づいている。例えば特許文献3は、EISによって容量/インダクタンスの変化に関連付けられている周波数f±を求めることを提案している。周波数f±とSoCとの間の相関が、鉛電池、ニッカド電池、及びニッケル水素電池について示されている。
同様のアプローチは、カデックスエレクトロニクス社(Cadex Electronics Company)によって出願された特許文献4に記載されているように、構成要素が充電状態(SoC)によってパラメータ化されている等価電気回路によって、EISスペクトルをモデル化することに基づいている。この手法により、酸性鉛の対についてのマルチ周波数電気化学インピーダンススペクトルスペクトロスコピー法に基づき、自動車バッテリーテスターSpectro CA−12の開発が可能となった。EISスペクトルは等価電気回路によって近似され、構成要素の変化は充電状態(SoC)によってパラメータ化される。同様に、K.S.チャンプリンによって出願された特許文献5では、鉛電池または他のシステムの複素インピーダンスまたは複素アドミタンスの実部と虚部とを測定することによって、充電状態及び他の電池特性を求めている。
別のアプローチは数学的電池モデルに基づいており、それによって他の分野で公知の推定技法を使用することができる。一般に、電気化学システムの模擬を可能にする電池の電気的及び熱的挙動モデルは、主に2つに分類される。一つは、電池セル内に微視的スケールで発生する化学反応及び物理化学現象の知識に基づく、ニューマンの業績に触発された電気化学的モデルである。もう一つは、直列及び/または並列に配置された抵抗、容量、インダクタンスなどの電気要素からなる等価電気回路を使用した、電池の動的挙動を最もよく表すことを目的としたモデルである。
電気的類似性を利用した電池の挙動のモデル化は最も一般的な手順である。それは、そのようなモデルが集中パラメータを使用した(つまり時間にだけ依存している)直感的なモデルであって、計算時間がさほどかからないためである。物理的な計測値によって特定されることが最も一般的である電気要素は、充電状態SoC、健全状態SoH、温度T、及び電流の値(マッピングの形態で与えられる)によってパラメータ化される。
特許文献6は特に、作動データ(電圧U、電流I、T)から、数学的電池モデルを使用して状態変数と電池のパラメータとを推定する方法を述べている。数学モデルは、複数の数学的サブモデルを有することと、より速い応答が可能であることが特徴である。サブモデルは、限定された周波数領域に対応しているRCモデルと呼ばれる等価電気回路型のモデルである。
RCモデルの使用は、特許文献7(フィリップス)にも記載されている。電極部及び電解質内での電気化学的及び物理的な現象についての記載は、RCモデルの開発において有用である。外部の計測値との正確な関係を得るために、電池の温度がモデルによって模擬されている。
RC型のモデルにおいては、充電状態(SoC)は、他の変数をパラメータ化するためだけの目的で常に導入されている。SoC自体は、電気化学的変数として言及されることは決してない。電気的類似性を利用したモデルの推定精度は、限定的な数の試験によって実験的に得られたマッピングに依存している。そのため、電池内の緩和現象は熱力学的平衡状態に戻るまで数時間に渡って継続するにも拘わらず、これらのモデルは、定格または極限的な作動条件下で、大電流またはゼロ電流での電池の動的挙動を正確に説明するのが困難な場合が多い。
電気化学モデルにおいて、元素スケールでの質量と電荷の収支によって補完される主な電気化学的反応の反応速度論の方程式は、その解が常に活性種の濃度を与える代数微分方程式の系を構成する。充電状態(SoC)は、電極部における活性種の濃度から定められる。
文献において知られている他のSoC推定方法((グー、ホワイト他))は、電気化学システムにおける反応の数学的記述に基づいている。SoCは、システムの状態変数から計算される。この記述は、物質、電荷、エネルギー収支、及び半経験的な相関性に依存している。特許文献8として2008年3月28日に出願された特許出願は、「電気化学システムの計測不可能な特性を推定する方法」を提供する。この方法は電気化学システムにおける反応の数学的記述に基づいており、まず参照モデルを作成し、次に参照モデルから派生させて、電池作動の縮約モデルを導き出すことができる。しかし、電池内の電荷の再分配と、数十秒以上遅れて生じる緩和現象は常に無視されている。
米国特許出願公開第6,191,590B1号明細書 欧州特許出願公開第1,835,297A1号明細書 米国特許出願公開第2007/0,090,843号明細書 米国特許第6,778,913号明細書 米国特許第6,037,777号明細書 米国特許出願公開第2007/0,035,307号明細書 欧州特許第880,710号明細書 仏国特許出願公開第08/01,709号明細書
本発明は、集中パラメータ(ゼロ次元)による電池の数学モデルから、(電池型の)再充電可能な電気化学システムの作動を模擬し内部状態を推定するための方法であって、電池自体の作動に同期して(実時間で)使用可能な方法を提供することを目的とする。特に、従来の手段を使用して容易に所得可能な計測値から電池の内部状態を再現するために、本方法は特に、電気化学電池の充電状態(SoC)、健全状態(SoH)、及び熱的状態(T)の推定を可能にすることを目的とする。これらは、ハイブリッド乗り物または電気乗り物に関連する用途について最も重要な内部特性であるが、その値を直接計測することはできない。
驚くべきことであるが、電気化学システムの反応を0Dモデルの形態で(つまり以下で詳細に説明するように「0次元」近似に基づいて)数学的に記述することを含む方法によれば、大電流下及びゼロ電流下での電池の動的挙動を、電池の作動に同期して、より正確に説明できることがわかった。また、電気化学システムの計測不能な内部特性をより細かく推定できることもわかった。
本発明の方法は以下の用途に使用することができる。
−ハイブリッド乗り物または電気乗り物の乗り物上での制御及びエネルギー管理
−例えば、所定の用途への適用、較正、最適化、または電池のエネルギーと熱の管理戦略の検証のために電池の寸法を設定する場合の、電池の電気的及び熱的挙動のシミュレータ
−電池の充電器/放電器
本発明は、電池の作動中に電池のエネルギー及び熱を管理するためのスマートシステムにも関する。
本発明によれば、電気化学モデルは、複数の電極内及びセパレータ内で均一である複数の集中パラメータ(concentrated parameters)を備えており、電気化学システムの内部状態は、電気化学モデルに入力信号を適用して少なくとも1つの出力信号を生成することによって推定される。
一実施態様によれば、電気化学モデルは、電極内に保持されている種の最大濃度の減少と、電気化学システムの内部抵抗の増加とを求めることによって、電気化学システムの経年変化を考慮することができる。
一実施態様によれば、最大濃度の減少[X]maxは、χelectrodeを各電極の構成物質に特有の機能量、tを時間、|Jparaz|を反応zについての寄生電荷移動電流密度(parasitic charge transfer current density)としたときに、以下の式によって求めることができる。
Figure 2011053215
内部抵抗の増加Rlayerは、χlayerを電解質との反応によって電極の表面に形成される寄生層の化学組成に特有の機能量、tを時間、|Jpara,z|を反応zについての寄生電荷移動電流密度とし、符号+または−は表面層の発生の物理化学的機構に依存して定まるとしたときに、以下の式によって求めることができる。
Figure 2011053215
本発明によれば、再充電可能な電気化学システムは気体種を集めるためのコンパートメントをさらに有してもよく、複数の集中パラメータはコンパートメント内で均一である。
界面濃度と平均濃度C=f(t)とは、電気化学システムの各領域内で、各活性種について互いに区別されることもできる。
各電極の熱力学的平衡電位は、ネルンスト(Nernst)式、マルグレス(Margules)式、ファン・ラール(Van Laar)式若しくはレドリッヒ−キスター(Redlich-Kister)式で表される熱力学的数学的関係、または多項式若しくは指数関数等で表される解析的関係によって記述することができる。
再充電可能な電気化学システムの物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力信号は、強度I、電位V、温度T、必要な電力のうちの少なくとも1つとすることができる。
電気化学システムの電位、充電状態、健全状態、温度のうちの少なくとも1つが出力信号として記録されることができる。
電気化学システムの端子電圧と電気化学システムの温度とが出力信号として記録されることができる。
電気化学システムの充電状態と、健全状態と、温度とが出力信号として記録されることができる。
本発明はさらに、電気化学電池のスマート管理のための管理装置に関する。管理装置は、電気化学電池の計測手段に接続され、電気化学電池の物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力値を受け取る入力手段と、上記の方法によって計算される少なくとも1つの特性の少なくとも1つの出力信号を生成する処理手段と、電池の物理量に関する情報を供給することと、充電と放電の少なくともいずれかを制御することと、処理手段と比較手段の少なくともいずれかの出力信号に応答して電池を冷却することのうち、少なくとも1つを実行する情報・制御手段と、を有している。
本発明の管理装置の処理手段は再帰フィルタを有することができる。
管理装置を、ハイブリッド乗り物、電気乗り物、太陽光エネルギープラントまたは風力エネルギープラントのエネルギー制御及び管理に使用することができる。
管理装置は、ハイブリッド乗り物、電気乗り物、太陽光エネルギープラントまたは風力エネルギープラントの充電器と放電器の少なくともいずれかの制御及び管理に使用することもできる。
本発明はさらに、電池の熱的状態と電気的状態の少なくともいずれかを模擬するシミュレータに関する。シミュレータは、電池の物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力値を受け取るための入力手段と、上記の方法によって計算された少なくとも1つの出力特性を生成する処理手段と、を有している。
本発明の方法はインピーダンススペクトロスコピーシミュレータに使用することができる。
本方法は、ハイブリッド乗り物または電気乗り物の駆動電池の熱的及び電気的挙動、太陽光エネルギープラントの熱的及び電気的挙動、または風力エネルギープラントの熱的及び電気的挙動の模擬に使用することができる。
本発明は電池の寸法設定に使用することができる。
本発明の方法のモデルの模式図である。 Ni−MH電池セルの模式図である、 Li−イオン電池セルの模式図である。 本発明の方法によって電気化学セルに適用されるカルマンフィルタの模式図である。 SoC推定アルゴリズムの流れ図である。 Ni−MH6.5Ah電池から本発明の縮約モデルで電圧を推定した例を示す図である。 Li−イオン2.3Ah電池について本発明の縮約モデルで電圧を推定した例を示す図である。 Ni−MH6.5Ah電池について本発明の縮約モデルで温度を推定した例を示す図である。 Li−イオン2.3Ah電池について本発明のモデルV2で温度を推定した例を示す図である。 本発明の内部特性推定方法を使用した、ハイブリッド乗り物用シミュレータのフロー図である。 本発明の方法によって模擬された電気化学インピーダンススペクトロスコピー法の曲線の例を示す図である。
集中パラメータモデルと呼ばれる本発明の方法で使用される0D電気化学モデルは、種の濃度及び他の変数は電気化学システムの各領域で均一であるという仮定に基づいている。これは、ゼロ次元(0D)の均一近似である。ここで各領域は通常、電極、セパレータ、及び気体種の収集を目的としているコンパートメントに対応している。
従って、ゼロ次元の均一近似においては、変数は時間のみに依存している。さらに、固相内の拡散の様子を考慮するために、電極物質を作っている活性物質粒内では、疑似1Dアプローチが使用される。
本発明の方法の0D電気化学モデルは、電池内部の全ての電気化学的変数、特に充電状態の時間の経過に伴う変動を計算することができる。モデルへの入力の1つは電池の両端子での電流であるため、模擬されるケースはこの変数の選択に依存している。
モデルの入力信号として使用可能な量は、電気化学電池の場合には、強度I、温度T、電位V、または貯蔵装置から要求される電力である。
界面濃度は、電気化学システムの各領域内で、各活性種について、平均濃度C=f(t)と区別されることが有利である。
各電極の熱力学的平衡電位は、熱力学的な数学的関係(ネルンスト、マルグレス、ファン・ラール、レドリッヒ−キスター)または解析的な関係(多項式、指数関数等)によって記述されることが有利である。
電気化学システムの電位、充電状態、健全状態、温度の少なくともいずれかは出力信号として記録される。
本方法を電池シミュレータに適用するためには、以下の出力信号、すなわち電気化学システムの両端子での電圧と電気化学システムの温度が記録されることが好ましい。
本方法を電池状態推定器に適用するためには、以下の出力信号、すなわち電気化学システムの充電状態、健全状態、及び温度が記録されることが好ましい。
本発明は、
・電気化学電池の物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力値を受信することを目的としている電気化学電池上の計測手段に接続されている入力手段と、
・本発明の0D電気化学モデルを使用した方法によって計算される少なくとも1つの特性の少なくとも1つの出力信号を生成する処理手段と、
・電池の物理量の情報を出力する及び/または充電/放電を制御する及び/または処理手段及び/または比較手段の出力信号に応答して電池を冷却する情報/制御手段と、
を有する電気化学電池のスマート管理の装置(特に電池管理システムBMSと呼ばれる)にも関する。
処理手段は、(例えばカルマン型の)再帰フィルタを有することができる。
管理装置は、ハイブリッド乗り物の車載制御及びエネルギー管理に使用することができる。
管理装置を有する本発明は、電池充電器/放電器にも関する。
本発明は、
・電池の物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力値を受信することを目的としている入力手段と、
・本発明の方法によって計算された少なくとも1つの出力特性を生成する処理手段と、
を有する電池シミュレータにも関する。
電池シミュレータは特に電池の熱的及び電気的な作動を模擬できるようにする。
本発明は、本発明の方法を使用するインピーダンススペクトロスコピーシミュレータにも関する。
本発明の方法は、電池寸法設定処理及び/または設計処理の実装を可能にする。
本発明は、電池の内部特性を推定する本発明の方法を使用する駆動電池を有するハイブリッド乗り物または電気乗り物装置のシミュレータにも関する。
図面の説明
図1から11は、本発明の非限定的な実施形態を示している。
図1は、本方法のモデルの模式図であり、参照番号は以下の意味を有する。
EBV:電気化学反応の反応速度論を説明するバトラー・ボルマー式(式2)
(1):Iappはセルに入力される電流
(2):Jzは化学反応zの電流密度
(3):Jz+kは化学反応z+kの電流密度
(4):Jz+k+1は化学反応z+k+1の電流密度
(5):Jnは化学反応nの電流密度
BCh:電荷収支であり、電荷収支の方程式を表す
(6):Φposは正電極物質の界面での過電圧
(7):Φnegは負電極物質の界面での過電圧
BMa:物質収支であり、物質収支と質量保存の方程式を表す
(8):[X]O posは正電極での種Xの表面濃度
(9):[X]O negは負電極での種Xの表面濃度
(10):[X]O z,pos,maxは正電極内の種Xの最大濃度
(11):[X]O z,neg,maxは負電極内の種Xの最大濃度
(12):Vは電気化学セルの両端子での電位
(13):SoCは電池の充電状態
Ech:充電状態であり、系の充電状態を与える全ての方程式を表す
Esante:健全状態であり、系の健全状態を与える全ての方程式を表す
BEn:エネルギー収支であり、電池の作動中に発生する熱流束Phiの関数としての温度の変化を与える全ての方程式表す
(14):Tはシステムの温度
(15):SoHは電池の健全状態
セルの両端子での電流は、モデルの入力と見なされるのに対して、電圧は出力の1つである。複数の入力信号である電流及び温度は、電池で測定された物理量を表す。バトラー・ボルマー式、電荷収支、物質収支及びエネルギー収支に基づく処理手段は、複数の入力信号に基づいて電池の状態を計算し、電位、充電状態、健全状態、及び温度などの計算から導き出される複数の出力信号を生成する。
図2はNi−MH電池セルを模式的に示している。MH−elは金属水素化物ベースの多孔質負電極、Ni−elはニッケルベースの多孔質正電極、ReGは気体保持コンパートメント、Sepは2つの電極間で電気を絶縁するセパレータ、Colは2つの集電体、xは優勢な方向を示している。電流の流れが存在するときの2つの電極間のイオン伝導を保証するために、電極とセパレータは、濃縮されたアルカリ溶液中に含浸されている。電池の充電中に放出され得る気体(酸素及び水素)は、セルの上方の共通空間ReG内に集められる。
図3はLi−イオン電池セルを模式的に示している。Negは炭素化合物ベースの多孔質負電極、LiMO2は金属酸化物ベースの多孔質正電極、Sepは2つの電極を電気的に絶縁するセパレータ、Colは集電体、xは優勢な方向を示している。電流の流れが存在するときの2つの電極間のイオン伝導を保証するために、2つの電極とセパレータは、リチウム塩濃縮有機電解質中に含浸されている。
図4は、本発明の方法によって電気化学セルに適用されるカルマンフィルタを模式的に示している。Xは推定器によって計算される内部状態、Uは入力、Yは出力、Fはモデルに基づく内部状態の変動である。
図5は、SoC推定アルゴリズムのフロー図である。Sphは物理系、Mはモデル、FNLは非線形フィルタ、Estは推定器、Uは計測された入力、Yは計測された出力、Yeはモデルによって計算された出力、Xeは推定器によって計算された内部状態、Fはモデルに基づく内部状態の変動、Lは非線形フィルタの出力での利得である。
図6は、Ni−MH6.5Ah電池から本発明の縮約モデルで電圧を推定した例を示している。この電池はパナソニック社によって製造され、道路プロフィールに対応した動的な電流状況に応じた周辺温度で使用された。模擬された結果は実験計測値及び従来技術による模擬と比較されている。図6(a)は、横軸に時間を、縦軸に所与の運転プロフィールにおける時間の関数としての速度の変化を示している。図6(b)は、運転プロフィールの関数として電池電流の変動を示している。図6(c)は、従来技術のモデルV1及び本発明のモデルV2から模擬された電圧と実験の計測値との比較を示している。図6(d)は、時間850〜1250(秒)の間の図6(c)の拡大図である。
図7は、Li−イオン2.3Ah電池について本発明の縮約モデルで電圧を推定した例を示している。この電池はA123sによって製造され、HPPCプロフィールに対応した動的な電流状況に応じた様々な温度(図7(a),(b),(c),(d)において各々、0℃,10℃,20℃,30℃)で使用された。本発明のモデルV2によって模擬された結果が実験結果と比較されている。
図は、Ni−MH6.5Ah電池について本発明の縮約モデルで温度を推定した例を示している。この電池はパナソニック社によって製造され、HPPCプロフィールに対応した動的な電流状況に応じた周辺温度で使用された。モデルV2によって模擬された結果が、図8(a),(b),(c)の実験結果と比較されている。図8(a)は、SoCが0%から110%までの間で、電池の電圧の変化を時間の関数として示している。図8(b)は、SoCが50%の付近での電力放電/充電のピーク段階と、それに続く緩和(ゼロ電流)の段階を示す、図8(a)の部分拡大図である。充電と放電のピークは、約+5.5kWと−7.5kWの電力に対応している。図8(c)は、電池の温度の変化を時間の関数として示している。図8(d)は、HPPC HCプロフィールにおける充電状態の変化を示している。
図9は、Li−イオン2.3Ah電池について本発明のモデルV2で温度を推定した例を示している。この電池はA123sによって製造され、HPPCプロフィールに対応した動的な電流状況に応じた様々な温度で使用された。モデルV2によって模擬された結果は、実験の計測値と比較されている。図9(a),(b),(c)はそれぞれ−20℃、0℃及び30℃に対応している。
図10は、本発明の内部特性推定方法を使用した、ハイブリッド乗り物用シミュレータのフロー図を示している。DPは運転プロフィール、CSは制御戦略、Vは乗り物、GBはギヤボックス、Mはモータ駆動、Bは電池、CUは制御ユニット、Gは発電機、ICは噴射装置、FCは燃料消費、Dはディスプレイである。
図11は、本発明の方法によって模擬された電気化学インピーダンススペクトロスコピー法の曲線の例を示しており、横軸はインピーダンスの実部Real(Z)を、縦軸は実部Realの関数としてインピーダンスの虚部Imag(Z)を表している。
0D電気化学モデル
前述のように、いわゆる集中パラメータ0D電気化学モデルは、種の濃度及び他の変数が、電気化学システム(例えば電池セル)の各領域(両電極、セパレータ、及び気体種の収集を目的とするコンパートメントに通常対応している)で均一であるという仮定に基づいている。これは、ゼロ次元(0D)均一近似と呼ばれる。
本発明による方法で使用されるゼロ次元モデルの実行を可能としている方程式を、以降で明示的に説明する。
電気化学的反応は、両電極と電解質との界面で発生する。正電極は、放電時において、酸化種を還元する電気化学反応の中心であるのに対して、負電極は還元種を酸化する反応の中心である。反応種Rと生成種Pとの間の電気化学反応の一般方程式は、関係(1)によって表される。
Figure 2011053215
電気化学反応の反応速度論は、バトラー・ボルマー式によって記述することができる。一般的な反応zについての一般式は以下通りである。
Figure 2011053215
ここで、Jins,zは、電荷移動電流密度(流入)、Jz,0は、交換電流密度、[X]0は、電極物質粒子の表面で生成された(P)または消費された(R)種Xの密度、ηz(t)は、対象電極での電位Φz,electrodeと、熱力学的平衡電位Φeq,zと、活性物質粒子の表面での電荷蓄積層の考え得る存在による追加の過電圧の項Φzと、の間で電極/電解質界面での電位差として定義される電極過電圧、Kは温度Tの関数、T0は基準温度(298K)(K=F/RT)、Ea,zは、対象としている電気化学反応の活性化エネルギーである。
熱力学的平衡電位Ueq,zは、ネルンスト、マルグレス、ファン・ラール、またはレドリッヒ−キスターの法則によって記述される複素数による数学的表現の形態を取ることができる。これらの表現は、電極内の電気化学反応の進行速度の関数としてパラメータ化されており、多項式、指数式、双曲線などの数学関数の形態を取ることもできる。両電極でのヒステリシス現象が存在する場合、それは、式(4)によって考慮することができる。
Figure 2011053215
ここで添え字c,dは、それぞれ充電及び放電過程に関連している。
物質収支
反応z中に発生する電気化学エネルギーの電気エネルギー貯蔵は、前述の一般的な電気化学反応速度論の方程式と、電荷移動電流濃度と電極物質粒子内の電気化学種Xの体積密度との間の式(5)に従った微分方程式の形態を取る物質収支と、によってモデル化される。
Figure 2011053215
ここでβelectrodeは、電極物質に特有の機能量であって、拡散長について均一である。
電極物質粒子の表面濃度[X]0を求めるために、式(6)に従う線形の疑似的な拡散関係を使用する。この式は、電極物質粒子内の種Xの、体積濃度からのずれを説明する。
Figure 2011053215
ここで、Ψelectrodeは、電極物質に特有の機能量であって、拡散距離に比例する。Ds,zは電極物質内における種Xの拡散係数である。
電荷収支
−0D電気化学モデル内の各電極での、電気2重層内における電荷の蓄積の数学的表現
各電極での電荷の蓄積を考慮することによって、本発明の方法は、0D電気化学モデルの有効領域が、例えば「2重層効果」などの固体−液体界面での容量効果が顕著な非静的な場合にも拡張される。式(7)は、電荷収支における2重層容量の説明を書き換えている。
Figure 2011053215
ここでΔelectrodeは、活性種Xが関連する電気化学反応zが発生する対象電極に特有の機能量、Iappは貯蔵装置への印加電流、εelectrodeは対象電極に特有の機能量である。Jzは対象電極を通過する総電流密度であって、流入電流Jins,zと、2次反応電流Jsecondary,zまたは経年過程型の反応電流Jpara,zと、の和である。
−0D電気化学モデル内の各電極での電荷再分散の数学的表現
各電極の深さ方向への電荷再分配現象は、一般的な0D電気化学モデルでは式(8)〜(10)によって考慮される。
Figure 2011053215
ここでgelectrodeは印加電流Iappだけではなく電荷移動電流密度にも関連している線形数学関数、VRp,electrodeは対象電極の深さ方向における電荷再分配過電位、helectrode、θelectrodeξelectrode、kelectrodeは対象電極物質に特有の機能量である。
−0D電気化学モデルにおける、システムの各コンパートメントでの小孔中のイオン拡散の数学的表現
一般的な0D電気化学モデルは、微分方程式(11)の形態を取る大局的な電気収支濃度過電圧項ηciについて積分を行うことによって、電気化学システムの様々なコンパートメントにおける小孔中の電解質の電荷の拡散現象を書き換える。
Figure 2011053215
ここでλiとωiは貯蔵装置に特有で、短期及び長期の拡散の様子を反映している指数関数である。これらの関数は、存在している種の拡散過程の、熱で活性化する従来の特性を説明するために温度に依存している。一般に、拡散現象を説明するには、2つの過電圧項で十分である。
−貯蔵装置の経年変化
貯蔵装置の経年変化は、内部抵抗の増加と過電圧(電力損失)を伴う容量損失(エネルギー損失)によって特徴付けられる。これらは1以上の寄生的な経年変化反応によって引き起こされることが多い。経年変化反応の反応速度論は、式(2)に類似した式(12)で与えられる数学的表現によって記述することができる。
Figure 2011053215
ここで、Jpara,zは寄生電荷移動電流密度、Jpara,z,0は寄生反応zの交換電流密度である。
容量損失は、式(13)に従い、電極物質内に保持されている種の最大濃度の減少に変換することができる。
Figure 2011053215
ここで、χelectrodeは電極物質に特有の機能量である。
電力損失は、式(14)に従い、システムの内部抵抗の増加に変換される。内部抵抗の増加は特に、活性物質粒子の表面における抵抗層の成長によって引き起こされる。
Figure 2011053215
ここで、χlayerは電解質との反応によって両電極の表面に形成される寄生層の化学組成に特有の機能量である。符号+/−は、表面層の成長の物理−化学機構に依存している。
熱収支
セルの温度は、エネルギー収支の出力として計算することができる。電気化学的セル活動によって発生した内部熱流束ψgenは、以下の式で与えられる。
Figure 2011053215
ここで、項(Ueq,ref,z−V)は、各電気化学的反応zの不可逆的な損失に関連付けることができるのに対して、可逆的生成項TdUeq,ref,z/dTは電気化学的反応によるエントロピー変動に直接関係している。温度Taで周囲に伝達される熱流束ψtraは、フーリエの法則によって与えられる。
Figure 2011053215
ここで、hは対流現象と放射現象に関連する熱伝達係数、Acellはセルの表面積である。電池を通る正味熱流束ψは、内部熱流束と外部熱流束との差、つまりψ=ψgen−ψtraとして容易に計算することができる。電池内に蓄積されており、熱流束の時間積分によって得られる熱の量によって、電池の温度を以下の関係から計算することができる。
Figure 2011053215
ここでCpはセルの比熱、Mcellはその質量である。
大局的な電気収支
一般的な0D電気化学モデルは、セルの電位の大局的な収支によって補完される。
Figure 2011053215
ここで、V(t,T)は両セル端子での電圧、ηciは濃度過電圧項、ηΩはシステムの内部抵抗に関連するオーム過電圧である。内部抵抗は、固相と液相の導電性から生じる。オーム抵抗は、指数関数の形態を取る、システムに特有の機能量である。
要するに、図1に示している本発明の方法の0D電気化学モデルは式(1)〜(18)、つまり、考慮される電気化学反応の関数として、16の変数J&,...,Jn、η1,...,ηn,[X]o pos,[X]o neg,Φpos,Φneg,Vrpos,Vrneg,ΔΦpos,ΔΦneg,η1,ηn,V,Tについての、全部で少なくとも16の式を有している。
本方法を構成している16の式に現れるその他の量は、較正されるパラメータとして扱われる。
−本発明の充電状態の定義
本発明の方法におけるセルの充電状態q(t)は、複数の反応種Xのうちの1つの濃度によって、関係(19)に従って与えられる。
Figure 2011053215
ここでγ及びδは、電極物質に特有の機能量である。
この計算は、従来技術で公知の計算とは大きく区別され、「クーロン計数」と呼ばれる。この計算は、以下の式で与えられる。
Figure 2011053215
maxとQmaxとの間の関係は、以下の式で与えられる。
Figure 2011053215
ここでFはファラデー定数、κは限定的な電極の幾何学形状に特有の機能量である。
従って、qの推定はXの推定に基づいているのに対して、この変数は、特に乗り物への搭載状態では、電池から直接計測できない。
Ni−MH技術とLi−イオン技術への適用例
1)Ni−MH電池の場合
図2に模式的に示すNi−MH電池の場合、活性種はオキシ水酸化ニッケルNiOOH、ニッケル水酸化物Ni(OH)2、金属水酸化物MH、及び気相との平衡状態で電解質に部分的に溶解している酸素O2である。
放電中の正電極での電気化学反応は以下の通りである。
Figure 2011053215
これに対して、負電極での電気化学反応は以下の通りである。
Figure 2011053215
z=1,...,4として、式(2)を4つの反応(22)〜(23)に適用することによって、以下の式が得られる。
Figure 2011053215
ここでcnは正電極(ニッケル水酸化物)内の陽子の濃度、ceは電解質つまりOH-イオンの濃度、coは負電極内の酸素の濃度、上線付きの同じ変数は、気相と平衡している状態での界面酸素濃度、cmは負電極(金属物質)水素の濃度であり、添え字refとmaxは、それぞれ基準値及び最大値に関連している。最後にμは反応の次数である。
超ポテンシャルηzは以下のように定義される。
Figure 2011053215
ここで、ΦposとΦnegとは、それぞれ正電極と負電極での固体−液体電位差である。温度の関数としてのUeq,ref,1,Ueq,ref,2,Ueq,ref,3,及びUeq,ref,4についての式は公知であり、一例は以下の通りである。
Figure 2011053215
ここで、θはSoC、k1は定数、U1は温度Tでの微分によって特徴付けられる。同様に、z=2,...,4について、以下のパラメータ化された式が公知である。
Figure 2011053215
2)Li−イオン電池の場合
Li−イオン電池の場合、活性種は正電極については金属酸化物、負電極については炭素化合物、金属、または金属酸化物である。Li−イオンセルを図3に模式的に示している。
充電中の正電極での電気化学反応は、以下の式のように表される、
Figure 2011053215
これに対して、負電極での電気化学反応は、例えば炭素化合物の場合、以下の式のように表される。
Figure 2011053215
z=1,...,2として、式(2)を2つの反応(29)、(30)に適用することによって、以下の式が得られる。
Figure 2011053215
ここでCposは正電極(金属酸化物)内のLi+イオンの濃度、Ceは電解質つまりLi+イオンの濃度、上線付きの同じ変数は界面電荷キャリヤ濃度、Cnegは負電極(一般に黒鉛ベースの挿入物質)内のLi+イオンの濃度であり、添え字refとmaxはそれぞれ基準値と最大値に関連している。
超ポテンシャルηzは以下のように定義される。
Figure 2011053215
温度の関数としての数式Ueq,pos及びUeq,negは、以下の通りであることが知られている。
Figure 2011053215
以下の表は、本発明の縮約モデルの較正に必要な数値を以下の電池要素についてまとめている。
−パナソニックが市販する容量6.5Ahのプリズム状Ni−MH電池要素
−A123システムズ(Systems)が市販する化学LFP(リン酸鉄リチウム)/黒鉛の、容量2.3Ahの円柱状Li−イオン電池要素
Figure 2011053215
再帰フィルタの説明
本方法は、図4に模式的に示すように、取得可能な計測値から動的なシステムの状態を推定するために、再帰フィルタを使用することが好ましい。この推定問題の顕著な特徴は、計測値が雑音に影響されることと、本発明によってモデル化された系の非線形度が非常に高いことである。本発明で好ましく使用される再帰フィルタは、当業者には公知の拡張カルマンフィルタである。
本方法のモデルによれば、電気化学電池セル(図4)の状態ベクトルxは、x={cn,cm,po,ΔΦpos,ΔΦneg,T}と記述される。ここで、第1の要素は式(19)によって推定される充電状態と関連している。取得可能な計測値は、モデルの出力yを表すセルの両電極での電圧及び電池の温度、並びにモデルの入力uを表す両電極での電流Iappである。公知の再帰フィルタの方法によれば、モデルの式は、以下のように再構成することができる。
Figure 2011053215
SoC推定アルゴリズム
本方法はさらに、変動fのベクトル(図5のF)と式(34)に従って計算された出力y(図5のYe)とをモデルが出力するステップ(図5のM)を実現する。これら2つの変数は次に、F、Ye及び計測値Yから状態Xeを再構築する第2ステップ(図5のEst)において処理される。そして、推定アルゴリズムは第3ステップ(図5のFNL)の出力を使用する。第3ステップでは、再構築された状態、(本発明のモデルによる)電気化学システムの特性、及び計測値に影響する雑音の特性の関数として、変数Lが出力される。ステップFNLは、拡張カルマンフィルタなどの当業者に公知の方法によって実行することができる。
縮約モデルは、モデルの状態変数として充電状態を直接表している。これに対し、公知の方法は「等価電気回路モデル」と呼ばれるモデルを使用している。このモデルでは、充電状態はモデルの動的な変数ではなく、その動的なまたは静的な変数がパラメータ化された外部からの変数である。電気化学的電池管理システム(BMS)は、通常取得可能な計測値から電池の計測不能な特性を推定するために本発明の方法を使用するものであり、信頼性が高くより正確な情報を出力点に提供することが理解されよう。
本発明による健全状態の推定
本発明の縮約モデルは、システムの物理的パラメータに基づいており、従来技術で公知のRCモデルなどの等価的な大局的パラメータには基づいていない。この性質によって経年変化の推定が容易となり、従って電池の健全状態の推定が容易となる。
実際に、状態オブザーバに基づく充電状態の推定に使用される方法は、モデルのパラメータの低速適応を含むように拡張することができる。この拡張は、いくつかの異なる用途について従来技術において公知である。本発明の場合、図4において循環している同じ信号をこの適応を含む拡張に使用することもできる。
縮約モデルのパラメータの推定された変化は、電池の挙動において生じる可能性のある巨視的な変動を検出し、これによって「経年変化」と一般に呼ばれている電池性能の変化を検出する役割がある。パラメータの相対的な変動によって経年変化を把握し定量化することで、健全状態の所望の推定が得られる。
電気的及び熱的な作動のシミュレータ
本発明の方法による0D電気化学モデルは、電池内部の全ての電気化学的変数、特に充電状態の時間の経過に伴う変動を計算することができる。モデルの入力は、電池の両端子での電流であるため、模擬されるケースは、この変数の選択に依存している。たとえば、制御された充電または放電は、一定の電流、固定されたプロフィールに依存して変化する電流、または電圧に依存して変化する電流の各条件下で表現することができる。この第3の場合は、乗り物における電池の電流消費状態を表しており、電池に印加される電流は組み合わされた電気部品(電力用電子部品、1以上の電気モータ等)の特性に従って、電圧に依存している。本発明のモデルを使用した電池シミュレータによって得られた電気的挙動の推定結果の典型例を、例1のNi−MH電池場合について図6に、例2のLi−イオン電池の場合について図7に示している。両方の場合において、本発明の方法による0Dモデルの結果を実験結果と比較したところ、得られた動的挙動の表現の正確さが明確に示された。図6では、従来技術の縮約モデルによって得られた結果に対して、本発明の0Dモデルの使用によって得られる利点が強調されている。
本発明の方法の0Dモデルにおけるエネルギー収支の存在により、式(18)によって得られる電気的な状態の変化と併せて、システムの熱的変化の模擬が可能になる。本発明のモデルを使用したシミュレータによる熱的挙動の推定結果の典型例を、例1のNi−MH電池場合について図8に、例2のLi−イオン電池の場合について図9に示している。
従って、本発明の方法は、電池の寸法設定、電気的及び熱的管理戦略の定義、較正及び検証を行い、最後にバッテリー自体が必ず備える必要のある熱的管理装置の最適化を行うという役割を果たすことができる。実際、発生した熱流束及び電池の温度は、この熱流束及び温度を許容可能な値に調整することを目的とする熱的管理装置への入力変数となる。
従って、熱的遷移の表現によって、熱的管理装置に関連している制御と最適化の戦略を合成し、検証することができる。従って、これらの戦略は、オンラインでの使用時に縮約モデルの存在によって有用なものとなり、計測不能な変数(特定の点での温度、熱流束等)、または計測可能であるが付属している検出器の応答時間が長すぎる特定の変数の推定値を得ることができる。
本方法の0Dモデルの他の用途
乗り物装置シミュレータ
本発明の0Dモデルは、ハイブリッド乗り物の駆動ラインの寸法設定支援ツールとしても有用である。電池モデルを組み込んでいるハイブリッド乗り物装置シミュレータの例を図10に示している。これらの用途は、等価電気回路型のモデルと比べより効率的かつ高い信頼性で駆動電池の動的挙動を模擬可能な集中パラメータ電池挙動モデルを必要とする典型例である。
インピーダンススペクトロスコピーシミュレータ
本発明の方法の0Dモデルは、これらの計測値と電池内部の充電状態との間の関係を推定するために実験的なインピーダンススペクトロスコピー試験を再現することもできる。そして、複数のセルと両端子との間の接続による誘導効果を考慮するように、電位方程式が修正される。
Figure 2011053215
本発明の方法の実現性を図11に示している。
電池製造のための寸法設定方法
電池の電気的及び熱的挙動のシミュレータに基づく電池製造方法では、電池特性の推定にかかる計算時間が最小化され、推定の信頼性及び精度が高いために、本発明の方法の0Dモデルが有用であろう。従って、本発明の方法に従い電池の寸法を設定することによって、電池製造方法を実行することができる。
B 電池
Bch 電荷収支
BEn エネルギー収支
BMa 物質収支
Col 集電体
CS 制御戦略
CU 制御ユニット
D ディスプレイ
DP 運転プロフィール
EBV バトラー・ボルマー式
Ech 充電状態
Esante 健全状態
Est 推定器
F モデルによる内部状態の変動
FC 燃料消費
FNL 非線形フィルタ
G 発電器
GB ギヤボックス
IC 噴射装置
L 非線形フィルタの出力での利得
LiMO2 金属酸化物ベースの多孔質正電極
M モデル、モータ駆動
MH−el 金属水素化物ベースの多孔質負電極
Neg 炭素化合物ベースの多孔質負電極
Ni−el ニッケルベースの多孔質正電極
ReG 気体保持コンパートメント
Sep セパレータ
Sph 物理系
U 計測された入力
V 乗り物
Y 計測された出力
Ye モデルによって計算された出力
Xe 推定器によって計算された内部状態
x 優勢な方向

Claims (19)

  1. 複数の電極と、セパレータと、電解質と、を有する再充電可能な電気化学システムであって、該電気化学システムの物理量を表す少なくとも1つのパラメータの少なくとも1つの入力信号を取得可能であり、該電気化学システムの電気化学モデルが与えられている電気化学システムの内部状態を推定する方法であって、
    前記各電極と前記電解質との界面で発生する電気化学反応の反応速度論を、界面濃度を考慮して数学的に表現することと、
    前記各電極の2重層の容量内にある電荷の空間的蓄積を数学的に表現することと、
    前記各電極での電荷の再分配を数学的に表現することと、
    前記電極と前記セパレータとを通した前記電解質でのイオン電荷の拡散を数学的に表現することと、
    前記電気化学システムの全ての段階における物質収支を求めることと、
    前記電気化学システムの温度を計算するために前記電気化学システムのエネルギー収支を求めることと、を少なくとも有し、
    前記電気化学モデルは、前記複数の電極内及び前記セパレータ内で均一である複数の集中パラメータを備えており、
    前記電気化学システムの内部状態は、前記電気化学モデルに前記入力信号を適用して少なくとも1つの出力信号を生成することによって推定されることを特徴とする、方法。
  2. 前記電気化学モデルは、前記電極内に保持されている種の最大濃度の減少と、前記電気化学システムの内部抵抗の増加とを求めることによって、前記電気化学システムの経年変化を考慮する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記最大濃度の減少[X]maxは、χelectrodeを前記各電極の構成物質に特有の機能量、tを時間、|Jparaz|を反応zについての寄生電荷移動電流密度としたときに、
    Figure 2011053215
    によって求められる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記内部抵抗の増加Rlayerは、χlayerを前記電解質との反応によって前記電極の表面に形成される寄生層の化学組成に特有の機能量、tを時間、|Jpara,z|を反応zについての寄生電荷移動電流密度とし、符号+または−は表面層の発生の物理化学的機構に依存して定まるとしたときに、
    Figure 2011053215
    によって求められる、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記再充電可能な電気化学システムは気体種を集めるためのコンパートメントをさらに有し、前記複数の集中パラメータは前記コンパートメント内で均一である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 界面濃度と平均濃度C=f(t)とは、前記電気化学システムの各領域内で、各活性種について互いに区別される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記各電極の熱力学的平衡電位は、ネルンスト式、マルグレス式、ファン・ラール式若しくはレドリッヒ−キスター式で表される熱力学的数学的関係、または多項式若しくは指数関数で表される解析的関係によって記述される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記再充電可能な電気化学システムの前記物理量を表す少なくとも1つのパラメータの前記入力信号は、強度I、電位V、温度T、必要な電力のうちの少なくとも1つである、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記電気化学システムの電位、充電状態、健全状態、温度のうちの少なくとも1つが前記出力信号として記録される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記電気化学システムの端子電圧と前記電気化学システムの温度とが前記出力信号として記録される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記電気化学システムの充電状態と、健全状態と、温度とが前記出力信号として記録される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 電気化学電池の計測手段に接続され、前記電気化学電池の物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力値を受け取る入力手段と、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の方法によって計算される少なくとも1つの特性の少なくとも1つの出力信号を生成する処理手段と、
    前記電池の前記物理量に関する情報を供給することと、充電と放電の少なくともいずれかを制御することと、前記処理手段と比較手段の少なくともいずれかの出力信号に応答して前記電池を冷却することのうち、少なくとも1つを実行する情報・制御手段と、
    を有する、電気化学電池のスマート管理のための管理装置。
  13. 前記処理手段は再帰フィルタを有する、請求項12に記載の管理装置。
  14. 請求項12または13に記載の管理装置を、ハイブリッド乗り物、電気乗り物、太陽光エネルギープラントまたは風力エネルギープラントの、エネルギー制御及び再充電可能な電気化学システムの管理に使用すること。
  15. 請求項12または13に記載の管理装置を充電器と放電器の少なくともいずれかの管理に使用すること。
  16. 電池の物理量を表す少なくとも1つのパラメータの入力値を受け取るための入力手段と、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の方法によって計算された少なくとも1つの出力特性を生成する処理手段と、
    を有する、電池の熱的状態と電気的状態の少なくともいずれかを模擬するシミュレータ。
  17. 請求項1から11のいずれか1項に記載の方法をインピーダンススペクトロスコピーシミュレータに使用すること。
  18. 請求項1から11のいずれか1項に記載の方法をハイブリッド乗り物または電気乗り物の駆動電池の熱的及び電気的挙動、太陽光エネルギープラントの熱的及び電気的挙動、または風力エネルギープラントの熱的及び電気的挙動の模擬に使用すること。
  19. 請求項1から11のいずれか1項に記載の方法を電池の寸法設定に使用すること。
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