JP2011050991A - 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法 - Google Patents

厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011050991A
JP2011050991A JP2009202501A JP2009202501A JP2011050991A JP 2011050991 A JP2011050991 A JP 2011050991A JP 2009202501 A JP2009202501 A JP 2009202501A JP 2009202501 A JP2009202501 A JP 2009202501A JP 2011050991 A JP2011050991 A JP 2011050991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
steel plate
meandering
cutting machine
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009202501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5509739B2 (ja
Inventor
Yuji Obara
祐司 小原
Shoichiro Hiroike
承一郎 廣池
Hiromasa Hayashi
宏優 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009202501A priority Critical patent/JP5509739B2/ja
Publication of JP2011050991A publication Critical patent/JP2011050991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5509739B2 publication Critical patent/JP5509739B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Accessories And Tools For Shearing Machines (AREA)

Abstract

【課題】設置スペースや諸費用を節減することができる厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法を提供する
【解決手段】鋼板の両側耳部を同時に切断する耳部切断機と、該耳部切断機の入側および出側に設けられ、鋼板の両耳部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールと、鋼板を幅方向に沿って分割する分割切断機と、該分割切断機の入側および出側に設けられ、分割する鋼板の両側端部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールとからなる厚板剪断設備であって、耳部切断機または分割切断機を、鋼板が走行中は、鋼板の蛇行量を算出する鋼板蛇行検出装置と、算出した蛇行量を相殺する方向に各ピンチロール列をロール軸芯方向に強制変位させる機構と、前記耳部切断機または分割切断機で鋼板を剪断中は、鋼板の横ずれを防止するために、ピンチロールの軸芯方向への移動を停止する機構とを有するピンチロールを備えたことを特徴とする厚板剪断設備。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚板剪断設備における鋼板蛇行防止技術に関するものである。
従来、厚板剪断設備における鋼板の蛇行防止技術としては、特許文献1に開示された技術がある。本文献の蛇行防止技術は、押えローラおよび中間押えローラを使用して鋼板の蛇行を防止するものであるが、この技術を図6の側面図および図7の平面図を用いて説明すると、次のとおりである。
すなわち、この鋼板の蛇行防止技術を適用した厚板剪断設備は、鋼板21の進行方向に沿って、複数本のテ−ブルロ−ル22からなる入側搬送テーブル23と、鋼板21の両側耳部を同時に剪断する両側耳部切断機(Double Side Shear)(以下DSSと呼ぶ)25と、上下ロールからなるピンチロールを左右に1対づつ配置したDSS入側ピンチロール24およびDSS出側ピンチロール26と、鋼板21を長手方向に剪断し、幅方向に沿って複数枚に分割する分割剪断機(Slitter)(以下SLと呼ぶ)28と、上下ロールからなるピンチロールを左右に1対づつ配置したSL入側ピンチロール27およびSL出側ピンチロール29と、複数本のテ−ブルロ−ル22からなる出側搬送テーブル31とから成っている。
さらに、これらの設備に加えて、押えローラ32を入側搬送テーブル23に、押えローラ34を出側搬送テーブル31に配置するとともに、中間押えローラ36をDSS25内に配置している。
上述した押えローラ32、34は、図8の正面図に示すように、外周面を高摩擦弾性材料で被覆されている。そして、それぞれの押えローラ32、34は、テーブルロール22との間で鋼板21を挟み込むようになっており、その両側の軸受部32a、34aの位置において、流体圧シリンダ38により昇降自在に支持されている。
また、図9の正面図に示すように、中間押えローラ36も、外周面を高摩擦弾性材料で被覆されている。そして、中間押えローラ36は、DSS25内で両側耳部を剪断中の鋼板21に、上面から接触するようになっており、中間押えローラ36を回転自在に支持している支持部材39に取付けられた流体圧シリンダ38により、昇降可能となっている。
上述した厚板剪断設備においては、鋼板を剪断するときに、DSS入側ピンチロール24、DSS出側ピンチロール26、SL入側ピンチロール27およびSL出側ピンチロール29のそれぞれの上下1対のピンチロールにより、鋼板を挟み、かつ鋼板21を断続的に走行させながら剪断する。
このとき鋼板21には、鋼板21を蛇行させようとする力が働くが、この蛇行させようとする力を、上述した押えローラ32、34と、中間押えローラ36の押圧力で阻止しようとするものであり、鋼板21の蛇行を阻止しないまま切断すると、鋼板21の両側面21aが、図10の平面図に示すように、鋸刃状の形状となり、製品不良の原因となる旨を開示している。
また、ウェブ状シートを間欠的に送る蛇行調整フィーダー装置における、蛇行防止技術として、特許文献2に開示された技術がある。本技術は、ウェブ状シートを間欠的に送る蛇行調整フィーダー装置であって、ウェブ状シートを間に挟んだニップロールとフィードロールの幅方向の位置を移動することによって、ウェブ状シートの幅方向の位置を調整する機能を有することを特徴とする蛇行調整フィーダー装置である。ウェブ状シートの幅方向の位置を検出するセンサーからの信号(図示せず)に基づき、フィードロールの幅方向の位置を制御することが説明されている。
実開平5−18702号公報 特開2006−282373号公報
上述した剪断中の鋼板に発生する蛇行の原因としては、
(1)左右のピンチロールの軸芯を含む水平面内における鋼板搬送方向とロール軸芯とのなす角度(θ)に起因した蛇行発生力(以下、直行度差と呼ぶ)、
(2)左右のピンチロールの偏磨耗差に起因した鋼板の搬送時の左右速度差(以下、偏磨耗差と呼ぶ)、
(3)左右のピンチロールの速度差に起因した鋼板の搬送時の左右速度差(以下、周速差と呼ぶ)、
(4)上下ピンチロールを昇降させるアクチュエータにより鋼板を挟圧する際の左右ピンチ力差(以下、ピンチ力差と呼ぶ)等が考えられる。
上記蛇行発生原因のうち、(2)については定期的なロール径測定に基づくロール交換、
(3)については左右ピンチロールの間に連結軸を設けたメカタイ構造化もしくは左右ロール周速を同期化するためのピンチロール駆動アクチュエータの電気信号制御、(4)についてはアクチュエータ設定(例えば油圧シリンダの場合は設定圧力)の調整により、管理するのが一般的である。
しかし、(1)のピンチロールの直行度差については、直行度の基準となる鋼板搬送方向の高精度測定が必要となる。例えば、厚板剪断設備の入側から出側の全長にわたり、鋼板搬送方向に相当するピアノ線を張り渡し、ピンチロールとの位置関係を測定することとなるが、通常、このような測定作業は大きな労力と長いライン停止時間を伴うため、定期的な管理が困難となるという問題がある。
一方、特許文献1に開示された厚板剪断設備における鋼板蛇行防止方法は、それなりの蛇行防止効果はあるものの、発生する蛇行力をローラの摩擦力で対抗させて、蛇行を防止する対処療法的な方法であり、抜本的な蛇行防止対策とならないという問題がある。
また、ローラの磨耗等によって摩擦力が低下した際に、蛇行防止効果が低下するため、ローラの交換が必要になるという問題がある。更に、鋼板の蛇行量を検出出来ないため、上記ローラの交換周期が正確に把握できず、大量の品質不良を誘発することも有りうるという問題がある。
また、特許文献2に開示された蛇行防止方法は、ウェブ状シート の幅方向の位置を検出するセンサーからの信号(図示せず) に基づくことを前提としているが、厚板剪断設備における鋼板蛇行量検出手段に関して、現実的には鋼板は完全な直方体ではなく、搬送方向に対して曲がりを有するケースがある上、厚板剪断設備による板幅端面の剪断により、鋼板端面が変化するため、一般的な蛇行量検出手段である鋼板端面位置測定では、正確な蛇行量を評価することが困難であるという問題もある。
本発明は、従来技術の上述したような問題を解消するためになされたもので、ピンチロールの設置状態を検討して、本質的な蛇行原因に対する対策が実施可能であり、一般的な蛇行量検出手段である鋼板端面位置測定に関する問題を解決し、設置スペースや諸費用を節減することができる厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法を提供することを目的とする。
発明者等は、鋼板剪断ラインにおける鋼板の蛇行現象を鋭意検討し、
(a)ピンチロールの軸芯を含む水平面内における鋼板搬送方向とピンチロールの軸芯とのなす角度が直行する場合は、鋼板搬送方向と実際の鋼板移動方向は一致するので、鋼板の蛇行は生じないことに着目し、
(b)直行度にずれを生じた場合には、鋼板搬送方向とピンチロールの周速方向とのずれによる相対速度成分が蛇行速度成分となり、当該速度に応じた鋼板の蛇行が発生すること、
(c)ピンチロールの軸芯方向に、蛇行速度成分を打ち消す速度成分を与えれば、直行度差があっても鋼板搬送方向と実際の鋼板移動方向は一致すること、
を知見し、本発明を完成させたものである。
本発明の要旨は以下の通りである。
第一の発明は、鋼板の両側耳部を同時に切断する耳部切断機と、該耳部切断機の入側および出側に設けられ、鋼板の両耳部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールと、鋼板を幅方向に沿って分割する分割切断機と、該分割切断機の入側および出側に設けられ、分割する鋼板の両側端部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールとからなる厚板剪断設備であって、
耳部切断機または分割切断機を、鋼板が走行中は、鋼板の蛇行量を算出する鋼板蛇行検出装置と、算出した蛇行量を相殺する方向に各ピンチロール列をロール軸芯方向に強制変位させる機構と、前記耳部切断機または分割切断機で鋼板を剪断中は、鋼板の横ずれを防止するために、ピンチロールの軸芯方向への移動を停止する機構とを有するピンチロールを備えたことを特徴とする厚板剪断設備である。
第二の発明は、前記鋼板蛇行検出装置は、耳部切断機および分割切断機に配置された左右ピンチロールの上ピンチロール軸受が固定されている左右の昇降フレーム間に鋼板搬送方向と直行する方向で鋼板面上方に設けられたロール軸と、鋼板に接触して該ロール軸上を回転摺動する蛇行検出ロールと、該蛇行検出ロールの位置を測定するロール位置検出センサと、該ロール位置から蛇行量を算出する蛇行量演算装置とからなることを特徴とする第一の発明に記載の厚板剪断設備である。
第三の発明は、前記ピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させる機構は、上下ピンチロールとロール駆動力発生源との間の動力伝達軸がスプライン連結構造であり、前記ピンチロールのロール軸芯方向への移動を可能とする、または停止する機構は、ピンチロール側面またはピンチロール側のスプライン軸外周に設けたフランジ面もしくはスプライン軸端面をスラスト軸受を介して固定する位置保持機能付きアクチュエータであることを特徴とする第一または第二の発明に記載の厚板剪断設備である。
第四の発明は、第二または第三の発明に記載の厚板剪断設備を用いて、鋼板が走行モードか切断モードかを判定するモード判定ステップと、鋼板走行モードでは、ピンチロールのロール軸芯方向初期位置と蛇行検出ロールの初期位置を設定する初期設定ステップと、ロール位置検出センサにより蛇行検出ロール端面位置を測定するロール端面位置測定ステップと、ロール端面測定値とロール初期位置とから蛇行量を算出する蛇行量算出ステップと、蛇行量が設定値を超えると蛇行量を相殺する方向にピンチロール列を強制変位させる蛇行量相殺ステップとを備え、鋼板切断モードでは、アクチュエータを固定してピンチロールのロール軸芯方向移動を固定するアクチュエータロックステップを備えたことを特徴とする鋼板蛇行制御方法である。
第五の発明は、第二または第三の発明に記載の厚板剪断設備を用いて、鋼板走行中は、位置保持機能付きアクチュエータにより、鋼板蛇行検出装置で算出された蛇行量を相殺する方向にピンチロール列を強制変位させて鋼板蛇行を防止するとともに、耳部切断機または分割切断機で鋼板を切断中は、前記アクチュエータを位置保持状態にて固定することで、ピンチロールの軸芯方向変位を固定し、鋼板切断時の横ずれを防止することを特徴とする鋼板蛇行防止方法である。
第六の発明は、耳部切断機または分割切断機での鋼板剪断が完了し、次の鋼板の剪断が開始される前に、ピンチロールのロール軸芯方向変位が初期位置に戻るように、前記アクチュエータのストロークを調節することを特徴とする第五の発明に記載の鋼板の蛇行防止方法である。
本発明により、厚板剪断設備における鋼板の蛇行現象について、押えロール等を新たに設置することなく、鋼板の蛇行が防止できるので、鋼板の蛇行防止に要する費用や設置スペースが大幅に低減できる。また、鋼板の曲がりや剪断による板幅端面位置の変化に起因した、従来の鋼板端面位置測定に基づく蛇行検出方法に関する問題点も解決でき、安定した蛇行制御が可能となる。
本発明のピンチロール設備を説明する平面図である。 本発明の設備を用いた動作原理を説明する図である。 本発明における鋼板蛇行制御方法の概略処理フローを示す図である。 本発明の設備を用いた運転サイクルを説明する図である。 本発明の効果を説明する図である。 従来の厚板剪断設備を示す側面図である。 従来の厚板剪断設備を示す平面図である。 従来の厚板剪断設備の押えロールの構造を示す正面図である。 従来の厚板剪断設備の中間押えロールの構造を示す正面図である。 蛇行しながら剪断された鋼板の端面形状を示す平面図である。
厚鋼板の剪断設備は図7にその概要を示すように、鋼板剪断ラインに鋼板長手方向の両エッジ部を切断するDSS25と鋼板の幅方向中央部を切断するSL28が隣接配置され、DSS25の入、出側、SL28の入、出側に鋼板の幅方向両端部を上下から挟んで駆動する上下一対のピンチロール24、26、27、29が設置されている。
上下一対のピンチロールは、いずれも図1にその平面図を示すように、上ロール、下ロール共にモータMにより減速機(図示せず)、動力伝達軸(ロール軸)を介して回転駆動される仕組みとなっている。また、上ロールおよび下ロールは、図示しない流体圧シリンダ(例えば図8の38)により開閉される機構となっており、これにより上下ロールで鋼板を挟むと鋼板を一定長さ搬送できるようになっている。
本発明において、モータMからの動力伝達軸(ロール軸)はスプライン連結構造(図1(a))となっており、ピンチロールの上下ロールはロール軸方向に拘束されずに移動できる構造となっている。
本発明に用いるスプライン連結構造は、モータ側を中空構造のボス側、ピンチロール側をインボリュート歯形加工を施したスプライン軸とし、作動中の歯車かみあい部の自動調心性を有し、大きなトルク伝達が可能なインボリュートスプライン構造とするのが良い。
本発明においては、さらに、ピンチロール側面またはピンチロール側のスプライン軸外周に設けたフランジ面もしくはスプライン軸端面をスラスト軸受を介して固定する位置保持機能付きアクチュエータを設けている(図1(a))。
位置保持機能付きアクチュエータは、油圧シリンダの一種でありシリンダとシリンダロッドとの間に油圧を付与し、シリンダの内周壁を膨張させることによりシリンダロッドを移動できるようにし、油圧を解除するとシリンダが締り嵌めされた元の状態に戻り、シリンダロッドを固定保持できるようになっている(図1(c)、(d))。なお、アクチュエータとしては、任意のタイミングで、その動作を固定できるものであれば他の方式を用いたアクチュエータであっても良い。
本発明においては、上述した機構を採用することにより、上下ピンチロールをロール軸方向に拘束されずに移動可能とするとともに、任意のタイミングでピンチロールのロール軸方向への移動を固定することが可能となる。
さらに、蛇行量計測装置として、上ピンチロール軸受が固定されている左右の昇降フレーム間には、鋼板搬送方向と直行する方向で鋼板面上方にロール軸が渡され、該ロール軸には、鋼板に接触してロール軸上を拘束されずに回転摺動する蛇行検出ロールが嵌合わされている。そして、該蛇行検出ロールの鋼板幅方向位置を測定するロール位置検出センサが、前記昇降フレームに取付けられている(図1(a)、(b))。
なお、蛇行検出ロールは、上下ピンチロールが鋼板を挟んでいる間は鋼板表面に接触して鋼板の移動とともに回転し、かつ鋼板の蛇行が発生するとロール軸に沿って摺動可能となっている。なお、当該ロールは鋼板表面との間で滑りを生じると蛇行量の検出が不正確となるのでロール軸方向への摺動を妨げない程度の摩擦抵抗を有する材質、形状を選ぶ必要がある。
例えば、特開2003−340512号公報に開示されているロール等は中空体で構成されており、中空体の側面部が内周面側から外周面側に向かって、鉄鋼層、繊維強化プラスチック層(CFRP)、硬化性溶射被覆層が順次形成された積層構造となっていることを特徴としている。これにより、従来の鉄製ロールに対して、約1/4の慣性モーメントで、ほぼ同等の耐摩耗性、強度を備えており、本発明における蛇行検出ロールの用途に適している。
また、蛇行検出ロールによる蛇行演算量の誤差を低減するためには、特に蛇行方向へのスリップを防止するのが効果的である。例えば、ロール表面に円周方向に沿って数列の凹溝構造を設けたロール形状とすることにより、鋼板とロールとの間の接触に伴う弾性変形によるグリップ効果が期待できる。
次に、図2を用いて、本発明における鋼板蛇行検知装置の動作原理を述べる。
図2(a)は、蛇行が発生していない状態を示しており、左右のピンチロールの軸心を含む水平面内における鋼板搬送方向と鋼板蛇行検知装置を構成する蛇行検出ロールの軸芯とのなす角度(θ)が直行するため(θ=90°)、この状態においては、蛇行検出ロールのロール軸芯方向変位は発生しない。
図2(b)は、蛇行が発生している状態を示しており、この場合は、鋼板搬送方向とロール周速方向のずれによる相対速度成分が蛇行速度成分となる。
図2(c)は、蛇行検出ロールがロール軸方向に摺動可能な状態にロール軸に嵌め合わされており、本発明における状態を示す図である。図2(b)における蛇行速度成分は、同方向に蛇行検出ロールのロール軸芯方向位置をロール位置検出センサにより検出することにより、曲がり等の鋼板形状及び鋼板両端剪断による端面位置変化に依存することなく、鋼板の蛇行挙動を検出することが可能となる。
さらに、上下ピンチロールによって鋼板を挟み、鋼板が走行している間は、算出した蛇行量を相殺する方向にピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させることで、鋼板蛇行を防止する蛇行制御が可能となる。
次に、本設備の作用について図1を用いて述べる。
図1(a)はピンチロールの軸方向移動が零となる初期状態(鋼板の蛇行が生じていない状態)を示す図である。
図1(b)は本発明におけるピンチロールのロール軸芯方向位置制御を適用していない場合に、鋼板走行中に蛇行が発生している状態を示す図である。鋼板蛇行検出装置において、蛇行検出ロールは鋼板に接触して回転し、且つ昇降フレーム間に渡されたロール軸に沿って、鋼板の蛇行に応じて回転摺動するので、蛇行検出ロールのロール軸上での位置をロール位置検出センサで逐次測定することで、蛇行量演算装置(図示せず)によりロールの初期位置から摺動変化量を算出し、蛇行量を決定する。
図1(c)は、本発明におけるピンチロールのロール軸芯方向位置制御を適用した場合を示す図である。即ち、図1(b)で算出された蛇行量に基づき、位置保持機能付アクチュエータを作動して、スプライン連結構造を有するピンチロールの動力伝達軸を伸縮して、算出された蛇行量を相殺する方向にピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させることで鋼板蛇行を防止することができる。
図1(d)は、鋼板剪断中の状態を示す図であり、位置保持機能付アクチュエータを締り嵌め効果によってロックさせて、ピンチロールのロール軸芯方向変位を固定し、鋼板切断時の横ずれを防止する。
図3は、鋼板蛇行検出装置を用いた鋼板蛇行制御方法の概略処理フローを示す図である。
S1:ステップ1は鋼板が走行モードか切断モードかを判定し、切断モードの場合はステップ7に進む。走行モードの場合は、ステップ2に進む。
S2:ステップ2ではピンチロールの軸芯方向位置を初期状態(蛇行量零)に設定し、蛇行検出ロールの鋼板幅方向位置を初期状態(蛇行量零)に設定する。
S3:ステップ3はロール位置検出センサにより蛇行検出ロールの端面位置を逐次測定し、データを蛇行量演算装置に送信する。
S4:蛇行量演算装置では、蛇行検出ロールの端面位置測定値と初期状態を比較し、鋼板蛇行量と蛇行方向を決定する。
S5:鋼板蛇行量が設定値を超えるとピンチロール列を蛇行量を相殺する方向に強制変位(強制移動)させる。なお、ピンチロール列とは、鋼板幅方向左右に設置される上下一対のピンチロールを一組とする鋼板長さ方向の列をいい、ピンチロールの鋼板幅方向への移動は当該列毎に行われる。蛇行量の設定値は、任意に設定できピンチロール列の移動が滑らかに行われるようにする。また、ピンチロール列を移動する方向(剪断ラインの幅方向右側、左側)を認識する必要がある(蛇行量を相殺する方向の認識)ので、測定データは剪断ラインの幅方向右側か左側かの方向情報を有する。
S6:ステップ6は鋼板の走行が継続中であればステップ3から繰り返し、走行終了であれば、ステップ1に戻る。
S7:ステップ7は鋼板剪断中であるのでアクチュエータをロックし、ピンチロール列の移動を固定する。本ステップ終了後はステップ1に戻る。
次に、図4を用いて、鋼板一枚分の厚板剪断設備の運転サイクルを述べる。
鋼板が走行中は、ピンチロールのロール軸芯方向位置制御が適用される。即ち、蛇行検出ロールは昇降フレーム間に渡されたロール軸に沿って、鋼板蛇行量に応じて摺動し、その摺動位置をロール位置検出センサで逐次測定し、算出された蛇行量に基づき、位置保持機能付アクチュエータを作動して、ピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させる。
次いで、鋼板の剪断開始の信号(図示せず)を受けて、アクチュエータの位置保持機能は固定されるので、ピンチロールはロール軸芯方向への移動が固定される。剪断の1カットが終了すると、終了信号(図示せず)を受けてピンチロールが駆動し、鋼板は一定長さ搬送される。
剪断の1カット毎に上記動作を繰り返し、当該鋼板の剪断作業が完了すると、次の鋼板の剪断が開始されるまでの間に、アクチュエータを作動して、ピンチロールをロール軸芯軸方向変位が零となる初期位置状態に復帰させる。
図5には、本発明を厚板剪断ラインのピンチロールに適用した場合の効果を示す。本発明適用前における蛇行起因の製品不良発生頻度の平均を1.0とした場合、本発明の適用により製品不良発生頻度は適用前の1/10に激減でき、鋼板製品の剪断面の品質が大きく向上した。
21 鋼板
21a 鋼板幅端部
22 テーブルロール
23 入側搬送テーブル
24 DSS入側ピンチロール
25 両側耳切断機(DSS)
26 DSS出側ピンチロール
27 SL入側ピンチロール
28 分割剪断機(SL)
29 SL出側ピンチロール
31 出側搬送テーブル
32 入側押えローラ
34 出側押えローラ
36 中間押えローラ
38 流体圧シリンダ
39 支持部材

Claims (6)

  1. 鋼板の両側耳部を同時に切断する耳部切断機と、該耳部切断機の入側および出側に設けられ、鋼板の両耳部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールと、鋼板を幅方向に沿って分割する分割切断機と、該分割切断機の入側および出側に設けられ、分割する鋼板の両側端部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールとからなる厚板剪断設備であって、
    耳部切断機または分割切断機を、鋼板が走行中は、鋼板の蛇行量を算出する鋼板蛇行検出装置と、算出した蛇行量を相殺する方向に各ピンチロール列をロール軸芯方向に強制変位させる機構と、前記耳部切断機または分割切断機で鋼板を剪断中は、鋼板の横ずれを防止するために、ピンチロールの軸芯方向への移動を停止する機構とを有するピンチロールを備えたことを特徴とする厚板剪断設備。
  2. 前記鋼板蛇行検出装置は、耳部切断機および分割切断機に配置された左右ピンチロールの上ピンチロール軸受が固定されている左右の昇降フレーム間に鋼板搬送方向と直行する方向で鋼板面上方に設けられたロール軸と、鋼板に接触して該ロール軸上を回転摺動する蛇行検出ロールと、該蛇行検出ロールの位置を測定するロール位置検出センサと、該ロール位置から蛇行量を算出する蛇行量演算装置とからなることを特徴とする請求項1に記載の厚板剪断設備。
  3. 前記ピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させる機構は、上下ピンチロールとロール駆動力発生源との間の動力伝達軸がスプライン連結構造であり、前記ピンチロールのロール軸芯方向への移動を可能とする、または停止する機構は、ピンチロール側面またはピンチロール側のスプライン軸外周に設けたフランジ面もしくはスプライン軸端面をスラスト軸受を介して固定する位置保持機能付きアクチュエータであることを特徴とする請求項1または2に記載の厚板剪断設備。
  4. 請求項2または3に記載の厚板剪断設備を用いて、鋼板が走行モードか切断モードかを判定するモード判定ステップと、鋼板走行モードでは、ピンチロールのロール軸芯方向初期位置と蛇行検出ロールの初期位置を設定する初期設定ステップと、ロール位置検出センサにより蛇行検出ロール端面位置を測定するロール端面位置測定ステップと、ロール端面測定値とロール初期位置とから蛇行量を算出する蛇行量算出ステップと、蛇行量が設定値を超えると蛇行量を相殺する方向にピンチロール列を強制変位させる蛇行量相殺ステップとを備え、鋼板切断モードでは、アクチュエータを固定してピンチロールのロール軸芯方向移動を固定するアクチュエータロックステップを備えたことを特徴とする鋼板蛇行制御方法。
  5. 請求項2または3に記載の厚板剪断設備を用いて、鋼板走行中は、位置保持機能付きアクチュエータにより、鋼板蛇行検出装置で算出された蛇行量を相殺する方向にピンチロール列を強制変位させて鋼板蛇行を防止するとともに、耳部切断機または分割切断機で鋼板を切断中は、前記アクチュエータを位置保持状態にて固定することで、ピンチロールの軸芯方向変位を固定し、鋼板切断時の横ずれを防止することを特徴とする鋼板蛇行防止方法。
  6. 耳部切断機または分割切断機での鋼板剪断が完了し、次の鋼板の剪断が開始される前に、ピンチロールのロール軸芯方向変位が初期位置に戻るように、前記アクチュエータのストロークを調節することを特徴とする請求項5に記載の鋼板の蛇行防止方法。
JP2009202501A 2009-09-02 2009-09-02 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法 Active JP5509739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009202501A JP5509739B2 (ja) 2009-09-02 2009-09-02 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009202501A JP5509739B2 (ja) 2009-09-02 2009-09-02 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011050991A true JP2011050991A (ja) 2011-03-17
JP5509739B2 JP5509739B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=43940573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009202501A Active JP5509739B2 (ja) 2009-09-02 2009-09-02 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5509739B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2492581A (en) * 2011-07-07 2013-01-09 Siemens Vai Metals Tech Ltd Automatic Directional Feed Control for Side Shear
KR101481619B1 (ko) * 2013-09-03 2015-01-12 주식회사 포스코 스트립 절단 장치 및 그 제어방법
CN104550273A (zh) * 2014-12-31 2015-04-29 太原重工股份有限公司 步进式冷床的布料方法
JP2018167916A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 Jfeスチール株式会社 鋼板の搬送方法及び搬送装置
CN118130629A (zh) * 2024-04-30 2024-06-04 厦门合诚工程检测有限公司 一种钢结构焊缝检测设备的检测辅助装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518702U (ja) * 1991-08-28 1993-03-09 住友金属工業株式会社 厚板鋼板の両側耳切断設備
JPH08276211A (ja) * 1995-04-03 1996-10-22 Nkk Corp 厚板剪断設備における鋼板蛇行防止方法
JP2001071014A (ja) * 1999-09-02 2001-03-21 Daido Steel Sheet Corp 鋼帯の蛇行防止方法及びその装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518702U (ja) * 1991-08-28 1993-03-09 住友金属工業株式会社 厚板鋼板の両側耳切断設備
JPH08276211A (ja) * 1995-04-03 1996-10-22 Nkk Corp 厚板剪断設備における鋼板蛇行防止方法
JP2001071014A (ja) * 1999-09-02 2001-03-21 Daido Steel Sheet Corp 鋼帯の蛇行防止方法及びその装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2492581A (en) * 2011-07-07 2013-01-09 Siemens Vai Metals Tech Ltd Automatic Directional Feed Control for Side Shear
KR101481619B1 (ko) * 2013-09-03 2015-01-12 주식회사 포스코 스트립 절단 장치 및 그 제어방법
CN104550273A (zh) * 2014-12-31 2015-04-29 太原重工股份有限公司 步进式冷床的布料方法
CN104550273B (zh) * 2014-12-31 2016-07-06 太原重工股份有限公司 步进式冷床的布料方法
JP2018167916A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 Jfeスチール株式会社 鋼板の搬送方法及び搬送装置
CN118130629A (zh) * 2024-04-30 2024-06-04 厦门合诚工程检测有限公司 一种钢结构焊缝检测设备的检测辅助装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5509739B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5509739B2 (ja) 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法
JP4636117B2 (ja) 蛇行制御システムおよび蛇行制御方法
EP2218669B1 (en) Web carrier, web carrying method, and web carriage control program
WO2013121891A1 (ja) ローラレベラおよび板材の矯正方法
JP6693769B2 (ja) ロールフィーダ、およびコイル材搬送方法
JP2015509852A (ja) ストリップを矯正するための装置
JP5026091B2 (ja) 金属板材の圧延方法及び圧延装置
JP4924125B2 (ja) 鋼矢板の矯正方法および鋼矢板用矯正装置
JP5644073B2 (ja) 厚板剪断設備および鋼板蛇行防止方法
US11666965B2 (en) Slab warpage detection apparatus and method of detecting warpage of slab
EP2478976B1 (en) Slit band plate meandering preventing device
JP2008528407A (ja) 押圧ローラを製品案内ローラに当てるための方法とその装置
JP6028496B2 (ja) 巻取装置及び鋼板尾端停止位置の制御方法
JP2006263779A (ja) 熱間圧延設備のサイドガイド制御方法
JP2016011197A (ja) シート材蛇行制御装置及びスリッター装置、並びにシート材蛇行制御方法
JP5482331B2 (ja) 厚板剪断設備および鋼板の蛇行防止方法
JP5482332B2 (ja) 厚板剪断設備および鋼板の蛇行防止方法
CN117039186A (zh) 一种锂带拼接装置
JP2008290849A (ja) 紙継ぎ方法,紙継ぎ装置及び給紙装置並びにオフセット輪転印刷機
JP2017177153A (ja) 金属ロール端面揃え装置
JP2630149B2 (ja) 薄ウエブの蛇行修正装置
RU2769552C1 (ru) Способ и устройство для определения бокового контура полосы или положения кромок полосы движущейся металлической полосы
JP2020157318A (ja) 巻取装置の尾端停止位置制御方法、尾端停止位置制御装置及び巻取装置
JP2013128978A (ja) サイドガイド装置およびサイドガイド方法
KR101320147B1 (ko) 스트립 사행 치입 방지용 사이드 안내부 자동 조절 장치

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20120327

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A621 Written request for application examination

Effective date: 20120727

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20140310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Country of ref document: JP

Ref document number: 5509739