JP2011050918A - 液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流路の途中で液状体のメニスカス位置を維持できる液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液状体10が流れる流路を有し液滴を吐出するノズルプレート56と、ノズルプレート56に連通する圧力室68と、圧力室68の壁面に設けられた振動板と、を有し、振動板を変形させてノズルプレート56から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドであって、ノズルプレート56には、先端部に設けられた第1の吐出口57aと、流路の圧力室68側に設けられた第2の吐出口57bと、第1の吐出口57aおよび第2の吐出口57bに間に設けられ流路の断面積を大きく形成することで壁面が段差となる段差部59と、を備え、第1の吐出口57aまたは第2の吐出口57bに液状体10のメニスカスを選択できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置に関する。
従来から、液滴吐出ヘッドを用いて、インクなどの液状体を被吐出物に液滴吐出して印刷、加工などを行う液滴吐出方法が知られている。液滴吐出方法による印刷、加工などにおいて、高精細の描画または膜厚の制御を行うためには、液滴質量(大きさ)を変化させる必要がある。
通常の液滴吐出方法では液滴が吐出される吐出部に形成される液状体のメニスカスの形成される位置は固定され、液滴吐出ヘッドの駆動波形または駆動電圧を変えることで液滴質量を制御している(例えば特許文献1参照)。
特開平10−305575号公報
液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の質量(大きさ)は、吐出部の流路を液状体が流動するときの抵抗に大きく影響されており、この流路が長いと抵抗は大きく、流路が短いと抵抗は小さくなる。つまり、流路の断面積が同じであれば、流路が長いほど吐出される液滴の質量は小さくなる。
このことから、単一の流路の途中で液状体のメニスカス位置を制御することができれば液滴の質量を、液滴吐出ヘッドの構造において制御可能である。しかしながら、通常の直線状の流路を有する吐出部において、流路の途中で液状体のメニスカス位置を維持するのは困難である。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の液滴吐出ヘッドは、液状体が流れる流路を有し液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部に連通する圧力室と、前記圧力室の壁面に設けられた振動板と、を有し、前記振動板を変形させて前記吐出部から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドであって、前記吐出部には、前記吐出部の先端部に設けられた第1の吐出口と、前記流路の前記圧力室側に設けられた第2の吐出口と、前記第1の吐出口および前記第2の吐出口に間に設けられ前記流路の断面積を大きく形成することで壁面が段差となる段差部と、を備え、前記第1の吐出口または前記第2の吐出口に液状体のメニスカスを選択可能であることを特徴とする。
この液滴吐出ヘッドの構成によれば、吐出部の先端部に設けられた第1の吐出口と、流路の圧力室側に設けられた第2の吐出口とが形成され、第1の吐出口および第2の吐出口の間に流路の断面積を大きく形成することで壁面が段差となる段差部が設けられている。そして、この段差部を設けることで、液状体のメニスカスが形成される第1の吐出口に加え、第2の吐出口においてメニスカスを形成することが可能である。
このことから、流路の長い第1の吐出口に比べて、流路の短い第2の吐出口から吐出される液滴は、流路の抵抗が小さいため質量の大きな液滴を吐出できる。このように、単一の流路において2箇所の液状体のメニスカス位置を選択可能であり、このメニスカス位置を適宜選択することで、液滴の質量を制御して液滴を吐出することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドにおいて、前記段差部の壁面の少なくとも一部に撥液処理が施されていることが望ましい。
この構成によれば、段差部の壁面の少なくとも一部に撥液処理が施されている。
このことから、例えば第1の吐出口から第2の吐出口にメニスカス位置を切り替えた場合に、段差部に液状体が残ることなく圧力室側に引かれていき、適正なメニスカスを第2の吐出口に形成することができる。また、このように段差部に液状体が残らないことから、残った液状体が乾燥固化して固形物となることを防止できる。
[適用例3]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出部は、板状部材を積層して形成されていることが望ましい。
この構成によれば、吐出部は、板状部材を積層して形成されている。
このことから、第1の吐出口と第2の吐出口との間に形成された段差部を、特殊な加工をせずに容易に形成することができる。
[適用例4]本適用例の液滴吐出ヘッドは、液状体が流れる流路を有し液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部に連通する圧力室と、前記圧力室の壁面に設けられた振動板と、を有し、前記振動板を変形させて前記吐出部から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドであって、前記吐出部は、前記流路の径が前記圧力室側から先端部に向かい断面積が順次大きくなる形状に形成され、液状体に加わる水頭圧により、液滴の吐出口となるメニスカスの位置を選択可能であることを特徴とする。
この液滴吐出ヘッドの構成によれば、吐出部の流路の径が圧力室側から先端部に向かい断面積が順次大きくなる形状に形成され、液状体に加わる水頭圧に応じた複数の液滴の吐出口となるメニスカスの位置を選択可能である。
このことから、水頭圧を変化させることで吐出口となるメニスカスの位置を変えることができ、メニスカス位置に応じた質量の液滴を吐出することができる。
[適用例5]本適用例の液滴吐出装置は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドが適用例1乃至4に記載のいずれかの液滴吐出ヘッドを有していることを特徴とする。
この液滴吐出装置は、上記適用例の液滴吐出ヘッドを備えていることから、単一の流路において複数の液状体のメニスカス位置を選択可能であり、このメニスカス位置を適宜選択することで、液滴の質量を制御して液滴を吐出することができる液滴吐出装置を提供できる。
第1の実施形態における液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。 第1の実施形態における液滴吐出ヘッドの構成を示す説明図であり、(a)は液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図、(b)は液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図、(c)は液滴吐出ヘッドの構造を示す断面図。 第1の実施形態におけるノズルプレートのノズル穴部分を拡大した断面図。 第1の実施形態における各メニスカス位置での吐出する液滴の大きさを説明する模式図。 第1の実施形態における液状体供給手段と液滴吐出ヘッドの位置関係を示す説明図。 第1の実施形態における変形例の液滴吐出ヘッドのノズルプレートを示す断面図。 第1の実施形態における他の変形例の液滴吐出ヘッドのノズルプレートを示す断面図。 第2の実施形態における液滴吐出ヘッドのノズルプレートを示す断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の寸法の割合を適宜変更している。
(第1の実施形態)
図1は液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置100は、液状体10を吐出する吐出部が設けられた液滴吐出ヘッド50から、吐出対象物としての基板Kに吐出して、所定の文字、図柄、画像、パターン、配線等を描画する装置である。
液滴吐出装置100は、直線状に設けられた一対のガイドレール101と、ガイドレール101に設けられたエアースライダーとリニアモーター(図示せず)により一つの直線軸方向(本実施形態ではY軸方向とする)に移動する移動台103を備えている。移動台103上には、基板Kを載置するための載置テーブル105が設けられている。基板Kは、載置テーブル105に吸着固定されるように構成されている。
載置テーブル105に対して移動台103と反対側の上方向には、所定の距離をおいて一対のガイドレール102が設けられている。ガイドレール102はガイドレール101と直交する直線軸方向(本実施形態ではX軸方向とする)に延在するように設けられている。
そして、液滴吐出装置100には、この一対のガイドレール102に沿って移動するキャリッジ120が備えられている。このキャリッジ120は、その両側にキャリッジ120と一体若しくは別体でキャリッジ移動台112が設けられ、ガイドレール102に設けられたエアースライダーとリニアモーター(いずれも図示せず)により、X軸方向に沿って移動可能に構成されている。
キャリッジ120には、その下方向側に所定の配列方向を呈するように設けられた複数の吐出部と、吐出部毎に液状体10を吐出する液滴吐出ヘッド50が備えられている。そして、図示しない液状体供給手段からキャリッジ120に供給された液状体10は、キャリッジ120内に形成された流路を経由して液滴吐出ヘッド50に供給され、吐出部から液滴として吐出する。
また、液滴吐出装置100には、ガイドレール102の端部付近に液滴吐出ヘッド50のメンテナンスユニットとして、液滴吐出ヘッド50をメンテナンスするキャッピング装置130およびワイピング装置150を備えている。
キャッピング装置130は、凹部が形成されたホルダー132に弾性部材からなるキャッピング部材131がはめ込まれている。キャッピング装置130は、この凹部内を吸引する吸引機構を備えている。また、ホルダー132が昇降可能に構成され、液滴吐出ヘッド50まで移動可能に構成されている。
ワイピング装置150には、二つの回転ローラー151と、その間に配置された受け台154を備えている。回転ローラー151の間には布状のワイプ材155が配置され、ワイプ材155を間欠送りできる機構を備えている。そして、ワイピング装置150は、昇降可能に構成され、液滴吐出ヘッド50の近傍まで移動して、液滴吐出ヘッド50とワイプ材155とが接触可能に構成されている。
移動台103のY軸方向の移動、キャリッジ120に設けられたキャリッジ移動台112のX軸方向の移動、および液滴吐出ヘッド50に形成された吐出機構の駆動制御は、制御部140によって行われる。同様に、キャッピング装置130の吸引および昇降制御、ワイピング装置150のワイプ材送りおよび昇降制御は制御部140によって行われる。制御部140は、コンピューターにより所定のプログラムに基づいてこれらの処理を実行する。
次に、液滴吐出ヘッド50について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す説明図である。図2(a)は液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図、図2(b)は液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図、図2(c)は液滴吐出ヘッドの構造を示す断面図である。
図2(a)に示すように、液滴吐出ヘッド50は、2連の接続針52を有する液体導入部51と、その側方に連なるヘッド基板53、方形のヘッド本体54を備えている。液体導入部51の接続針52には、給液チューブが接続され液状体10が供給される。ヘッド基板53には、一対のヘッドコネクター57が実装されており、フレキシブルケーブルが接続される。そしてヘッド本体54は、吐出ノズル部55に吐出部としてのノズルプレート56が構成されている。
ヘッド本体54の基部側は、液体導入部51およびヘッド基板53を受けるべく方形フランジ状にフランジ部64が形成されている。このフランジ部64には、液滴吐出ヘッド50を固定する雌ねじ59aが一対形成されている。
ノズルプレート56には、液滴を吐出する複数のノズル穴58が直線状に整列され、ノズル列58a,58bが形成されている。そして、2列のノズル列58a,58bは相互に略平行に列設されている。2列のノズル列58a,58bの配置される間隔はおよそ2〜3mmに設定されている。
液滴吐出ヘッド50が液滴吐出装置100に取り付けられた状態では、ノズル列58a,58bはY軸方向に延在する。なお、ノズル列は2列に限らず3列以上設けられていてもよいし、配列方向もY軸方向に対して傾いているなど、必ずしもY軸方向と一致しなくても差し支えない。また、上記のような液滴吐出ヘッド50を複数配列して液滴吐出装置100に備えてもよい。
図2(b)および図2(c)に示すように、液滴吐出ヘッド50のノズルプレート56は板状部材56a,56bが積層して形成されている。そして、ノズルプレート56に圧力室プレート61が積層されており、圧力室プレート61に振動板62が積層されている。
圧力室プレート61には、液体導入部51から振動板62の液供給孔63を経由して供給される液状体10が充填される液たまり65が形成されている。液たまり65は、振動板62と、ノズルプレート56と、圧力室プレート61の壁とに囲まれた空間である。また、圧力室プレート61には、複数のヘッド隔壁67によって区切られた圧力室68が形成されている。振動板62と、ノズルプレート56と、2個のヘッド隔壁67とによって囲まれた空間が圧力室68である。
圧力室68はノズル穴58のそれぞれに対応して設けられている。圧力室68には、2個のヘッド隔壁67の間に位置する供給口66を介して、液たまり65から液状体10が供給される。ヘッド隔壁67と圧力室68とノズル穴58と供給口66との組は、液たまり65に沿って1列に並んでおり、1列に並んだノズル穴58がノズル列58a(58b)を形成している。
振動板62の圧力室68を構成する部分には、それぞれ圧電素子69の一端が固定されている。
圧電素子69は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に所定の電圧波形を印加することで、活性部が長手方向に収縮あるいは伸長変形し、振動板62を撓ませて圧力室68に存在する液状体10を加圧する。この結果、加圧された液状体10は、ノズルプレート56のノズル穴58から、液滴10aとして吐出される。なお、液状体10として、水性染料インク、水性顔料インク、溶剤・油性インク、UV硬化インクなどを利用することができる。
次に、吐出部としてのノズルプレート56の形状について詳しく説明する。
図3はノズルプレートのノズル穴部分を拡大した断面図である。
ノズルプレート56は2枚の板状部材56a,56bが積層して形成されている。ノズルプレート56は貫通されて円形のノズル穴58が形成され、このノズル穴58は圧力室68と連通している。このようにして、ノズル穴58が液状体10の流れる流路として機能する。
ノズルプレート56の板状部材56aの一方の面には、開口された穴から斜面を形成してテーパー状に広がるテーパー部56cが設けられている。同様に、ノズルプレート56の板状部材56bの一方の面には、開口された穴から斜面を形成してテーパー状に広がるテーパー部56dが設けられている。この板状部材56a,56bをテーパー部56c,56dが同じ方向に向くように貼り合わせることで、板状部材56aと板状部材56bとの間に空間が形成される。
このようにして、ノズル穴58の先端部には第1の吐出口57aが形成され、ノズル穴58の圧力室側には第2の吐出口57bが形成される。また、第1の吐出口57aおよび第2の吐出口57bの間の流路は、その断面積を大きく形成する(空間を形成する)ことで壁面が段差となる段差部59を形成している。この段差部59により、ノズルプレート56の流路の途中である第2の吐出口57bにおいて、液状体10のメニスカスを容易に形成することが可能である。
本実施形態では、第1の吐出口57aには第1のメニスカス60aが形成可能であり、第2の吐出口57bには第2のメニスカス60bが形成可能である。なお、ノズルプレートとして板状部材をさらに積層して3箇所以上のメニスカスの位置を形成することも可能である。
図4は第1の吐出口57aおよび第2の吐出口57bから吐出する液滴の質量(大きさ)を説明する模式図である。
図4(a)は第1の吐出口57aに第1のメニスカス60aを形成して液滴10aを吐出した場合であり、図4(b)は第2の吐出口57bに第2のメニスカス60bを形成して液滴10aを吐出した場合である。
ノズルプレート56から吐出される液滴10aの質量(大きさ)は、液状体10の粘度、圧力室に付加される圧力が同じであれば、ノズルプレート56の流路を流動する液状体10にかかる抵抗により変化する。つまり、流路が長いと液状体10が流動する抵抗は大きくなり、流路が短いと液状体10が流動する抵抗は小さい。
このことから、流路の長い第1の吐出口57aから吐出される液滴は、流路の短い第2の吐出口57bから吐出される液滴に比べて質量(大きさ)は小さくなる。
次に、第1のメニスカス60aおよび第2のメニスカス60bの位置を切り替える方法について簡単に説明する。
図5は液状体供給手段と液滴吐出ヘッドの位置関係を示す説明図である。
液状体10を液滴吐出ヘッド50に供給する液状体供給手段40は給液チューブ42を介して液滴吐出ヘッド50に接続されている。そして、液状体供給手段40は液滴吐出ヘッド50のノズルプレート56の流路より高い位置に配置されている。
液状体10のメニスカスの位置は流路の毛細管現象と水頭圧hのバランスで決まる。このため、水頭圧hを変化させることでメニスカス位置を変えることができる。例えば、フラッシングを行って液状体10を吐出させて、液状体供給手段40の液面を低くして水頭圧hを減少させることでメニスカス位置を圧力室側へ後退させることができる。
また、液状体供給手段40の高さを可変とすることで、水頭圧を調整してメニスカス位置の後退、前進を調整することができる。
さらに、液状体供給手段40側から加圧または吸引、液滴吐出ヘッド50側から加圧または吸引することでメニスカス位置を調整することも可能である。
以上、本実施形態の液滴吐出ヘッド50および液滴吐出装置100は、吐出部としてのノズルプレート56の先端部に設けられた第1の吐出口57aと、流路の圧力室68側に設けられた第2の吐出口57bとが形成されている。また、第1の吐出口57aおよび第2の吐出口57bの間に流路の断面積を大きく形成することで壁面が段差となる段差部59が設けられている。そして、この段差部59を設けることで、例えば、第2の吐出口57bから出ようとする液状体10は段差部59の手前でとどまり、第2の吐出口57bに第2のメニスカス60bを形成しやすくなる。このように、液状体10のメニスカスが形成される第1の吐出口57aに加え、第2の吐出口57bにおいてメニスカスを形成することが可能となる。
そして、流路の長い第1の吐出口57aに比べて、流路の短い第2の吐出口57bから吐出される液滴10aは、流路の抵抗が小さいため質量の大きな液滴を吐出できる。このように、単一の流路において2箇所の液状体10のメニスカス位置を選択可能であり、このメニスカス位置を適宜選択することで、液滴10aの質量を制御して液滴を吐出することができる。
(変形例1)
次に、液滴吐出ヘッドにかるノズルプレートの構造における変形例について説明する。
本変形例では、液滴吐出ヘッドの吐出部であるノズルプレートの構造が異なる。このため第1の実施形態と同様な構成については同符号を付し、ノズルプレートに構成についてのみ詳細に説明する。
図6はノズルプレートのノズル穴部分を拡大した断面図である。
ノズルプレート76は3枚の板状部材76a,76b,76cが積層して形成されている。ノズルプレート76は貫通されて円形のノズル穴78が形成され、このノズル穴78は圧力室68と連通している。このようにして、ノズル穴78が液状体10の流れる流路として機能する。
ノズルプレート76の板状部材76a,76bにはノズル穴78の径となる開口された穴が形成され、板状部材76cにはそれよりも大きな開口を備えている。そして、板状部材76cを両側から板状部材76a,76bで挟んで貼り合わせることで、ノズルプレート76が構成されている。
このように、板状部材76cをスペーサーとして利用することで、ノズル穴78の先端部には第1の吐出口77aが形成され、ノズル穴78の圧力室側には第2の吐出口77bが形成される。また、第1の吐出口77aおよび第2の吐出口77bの間の流路は、大きく開口された板状部材76cにより壁面が段差となる段差部79を形成している。この段差部79により、ノズルプレート76の流路の途中である第2の吐出口77bにおいて、液状体10のメニスカスを容易に形成することが可能である。
本変形例では、単一の流路において第1の吐出口77aには第1のメニスカス70aが形成可能であり、第2の吐出口77bには第2のメニスカス70bが形成可能である。
(変形例2)
次に、ノズルプレートの構造における他の変形例について説明する。
本変形例では上記で説明したノズルプレートの段差部に撥液処理が施されている。
図7は他の変形例の液滴吐出ヘッドのノズルプレートを示す断面図である。図7(a)は図3で説明した構造のベースプレートであり、図7(b)は図6で説明した構造のベースプレートである。
図7(a)に示すように、ノズルプレート56の段差部59には撥液処理が施され撥液膜80が壁面に形成されている。撥液処理はフッ素系の撥液剤をコーティングする等の処理が行われる。
このような構成のノズルプレートを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、第1の吐出口57aの第1のメニスカス60aから、第2の吐出口57bの第2のメニスカス60bに切り替える際に、液状体10が圧力室68側に引かれる。このとき、段差部59に撥液処理が施されているため、液状体10は段差部59に溜まることなく圧力室68に引かれていく。このように、段差部59に液状体10が残らないため適正なメニスカスの位置を第2の吐出口57bに形成することができる。
同様に、図7(b)に示すように、ノズルプレート76の段差部79には撥液処理が施され撥液膜80が壁面に形成されている。
このような構成のノズルプレートを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、第1の吐出口77aの第1のメニスカス70aから、第2の吐出口77bの第2のメニスカス70bに切り替える際に、液状体10が圧力室68側に引かれる。このとき、段差部79に撥液処理が施されているため、液状体10は段差部79に溜まることなく圧力室68に引かれていく。このように、段差部79に液状体10が残らないため適正なメニスカスの位置を第2の吐出口77bに形成することができる。
なお、図7の変形例では段差部79の壁面全体に撥液処理を施したが、段差部79の一部に撥液処理を施してもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として液滴吐出ヘッドについて説明する。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは吐出部としてのベースプレートのみの構造が、第1の実施形態と異なる。このため、このベースプレートについて説明をし、他の構成については説明を省略する。
図8は本実施形態における液滴吐出ヘッドのノズルプレートを示す断面図である。
図8は第1の実施形態で説明した図3に対応する。
液滴吐出ヘッド90は、液状体10の流路を有し液滴の吐出部であるノズルプレート96と、ノズルプレート96の流路と連通しヘッド隔壁67に囲まれた圧力室68と、圧力室68の壁面に設けられた振動板(図示せず)と、を有している。
ノズルプレート96は、圧力室68側の穴径に対して液滴10aの吐出される側の穴径が大きくなるテーパー状のノズル穴98が形成されている。
ノズル穴98における液状体10のメニスカスの位置は、ノズルプレート96の流路より高い位置に配置された液状体供給手段の水頭圧hにより決まる。
このため、水頭圧hを変化させることでメニスカス位置をノズル穴98の任意の位置に設定することができる。例えば、フラッシングを行って液状体10を吐出させて、液状体供給手段の液面を低くして水頭圧hを減少させることでメニスカス位置を圧力室側へ後退させることができる。
また、液状体供給手段の高さを可変とすることで、水頭圧hを調整してメニスカス位置の後退、前進を調整することができる。
以上のように、本実施形態の液滴吐出ヘッド90の構成によれば、ノズルプレート96の流路の径が圧力室68側から先端部に向かい断面積が順次大きくなる形状に形成され、液状体10に加わる水頭圧hに応じた複数の液滴の吐出口となるメニスカスの位置が選択可能である。
このことから、水頭圧hを変化させることで吐出口となるメニスカスの位置を変えることができ、またメニスカス位置に応じた質量の液滴を吐出することができる。
10…液状体、10a…液滴、40…液状体供給手段、50…液滴吐出ヘッド、51…液体導入部、52…接続針、53…ヘッド基板、54…ヘッド本体、55…吐出ノズル部、56…吐出部としてのノズルプレート、56a,56b…板状部材、57a…第1の吐出口、57b…第2の吐出口、58…ノズル穴、58a,58b…ノズル列、59…段差部、60a…第1のメニスカス、60b…第2のメニスカス、61…圧力室プレート、62…振動板、63…液供給孔、65…液たまり、66…供給口、67…ヘッド隔壁、68…圧力室、69…圧電素子、70a…第1のメニスカス、70b…第2のメニスカス、76…吐出部としてのノズルプレート、76a,76b,76c…板状部材、77a…第1の吐出口、77b…第2の吐出口、79…段差部、80…撥液膜、90…液滴吐出ヘッド、96…ノズルプレート、100…液滴吐出装置、101,102…ガイドレール、103…移動台、105…載置テーブル、112…キャリッジ移動台、120…キャリッジ、130…キャッピング装置、131…キャッピング部材、132…ホルダー、140…制御部、150…ワイピング装置、151…回転ローラー、154…受け台、155…ワイプ材。

Claims (5)

  1. 液状体が流れる流路を有し液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部に連通する圧力室と、前記圧力室の壁面に設けられた振動板と、を有し、前記振動板を変形させて前記吐出部から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドであって、
    前記吐出部には、前記吐出部の先端部に設けられた第1の吐出口と、
    前記流路の前記圧力室側に設けられた第2の吐出口と、
    前記第1の吐出口および前記第2の吐出口に間に設けられ前記流路の断面積を大きく形成することで壁面が段差となる段差部と、を備え、
    前記第1の吐出口または前記第2の吐出口に液状体のメニスカスを選択可能であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記段差部の壁面の少なくとも一部に撥液処理が施されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記吐出部は、板状部材を積層して形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 液状体が流れる流路を有し液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部に連通する圧力室と、前記圧力室の壁面に設けられた振動板と、を有し、前記振動板を変形させて前記吐出部から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドであって、
    前記吐出部は、前記流路の径が前記圧力室側から先端部に向かい断面積が順次大きくなる形状に形成され、
    液状体に加わる水頭圧により、液滴の吐出口となるメニスカスの位置を選択可能であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至4のいずれか一項に記載のいずれかの液滴吐出ヘッドを有していることを特徴とする液滴吐出装置。
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KR102379908B1 (ko) * 2021-08-03 2022-03-29 안희인 비전 검사 기반의 인쇄회로기판 제조 시스템 제어 장치 및 방법

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