JP2011048298A - 光カプラおよび光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ミラーによる光損失が少ない光カプラを実現すること。
【解決手段】筐体10内部であってミラー14近傍の角部には、ミラー14を固定するためのミラー固定治具17が配置されている。ミラー14は、ミラー14の誘電体多層膜形成側を凹部18側として凹部18にはめ込まれて固定されていて、ミラー14の誘電体多層膜は空気層19に接している。信号光を、ミラー14と空気層19の界面で反射させることができるので、ミラー14による信号光の反射率が向上し、入力端11cから出力端12aの挿入損失が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信に用いる光カプラに関する。光カプラは、任意の入力端から入力された光信号を、光出力端に分配して出力するものである。
家庭内、若しくは、自動車、電車、航空機、船舶などの輸送機器内で構築されているLAN技術に、光通信技術を適用する試みが多数展開されている。ここにおいて、任意の光入力端から入力された信号を、低減衰量で他の全ての光出力端に分配して出力する光カプラが求められている。光カプラについては、例えば特許文献1がある。一方、本願出願人は、光硬化性樹脂液に光ファイバ等から当該樹脂液の硬化光を照射し、硬化樹脂による集光を生じさせることによって、長尺の軸状のコアを形成する、いわゆる自己形成光導波路の技術を多数開発し、出願している。下記特許文献2乃至4はその一部である。
自己形成導波路の技術によってミラーやハーフミラーを用いた光モジュールを形成する場合、特許文献2に記載のように、ミラーやハーフミラーは、コアとともに、光硬化性樹脂の硬化物からなるクラッド材で封止される。これにより、ミラーやハーフミラーを固定するとともに、コアに撓みなどが生じて損失が生じることを防止し、光モジュールの強度を高めることができる。
特開2001−154046 特開2005−347441 特開2004−149579 特開2002−365459
光カプラの製造方法としては、通常、ガラスファイバの融着によるものが広く知られている。しかしガラスファイバを融着させるための装置自体が高価である。また、製造工程が複雑で長時間を要する。結果、ガラスファイバの融着による光カプラは極めてコストの高いものであった。さらに、ガラスファイバの融着による光カプラは、小規模光LANで用いられるプラスチック光ファイバ(POF)との接続が容易でない。
また、プラスチック光ファイバ(POF)を用いた光カプラも知られている。しかし、これはプラスチック光ファイバ(POF)を言わば束ねただけのものであり、大きさも例えば7cm程度と、光LANを形成する装置としては大きなものしか知られてない。
一方、本発明者らは上記特許文献2乃至4に示した、自己形成光導波路の応用として光カプラを開発すべく鋭意努力した結果、以下に示す新規な光カプラを完成した。尚、本発明の光カプラは構造が新規であって、特に上記自己形成光導波路の製造方法を適用することで容易に製造可能なものである。
そこで本発明の目的は、自己形成導波路の技術を利用した新規な構成の光カプラを実現することである。特にミラーの反射率を向上させることにより、光カプラのミラーを経由する経路での挿入損失を低減することである。
第1の発明は、1個の光入力端と1個の光出力端との対を3対有し、3個のハーフミラーと、1個のミラーと、3個の光入力端と3個の光出力端と3個のハーフミラーとミラーとを繋ぎ、3個のハーフミラーが分岐点、ミラーが屈曲点となっている軸状の光導波路コアと、それらを封止する光導波路クラッドと、を有した光カプラであって、光導波路コアは、ハーフミラーとミラーを4個の頂点に有する四角形部分と、当該四角形の4個の辺を長さ方向に延長して3個の光入力端および3個の光出力端をハーフミラーと繋ぐ部分とを有し、四角形の各頂点に位置するハーフミラーは、四角形の面に垂直で各々当該頂点の内角の二等分線を含む面に配置され、四角形の残りの頂点に位置するミラーは、当該頂点の内角の二等分線に垂直に配置され、任意の光出力端から入力された信号光は、対となる光出力端以外の2個の光出力端に各々分配され、ミラーは、ガラス表面に誘電体多層膜を有した構造であり、ミラーの信号光反射側とは反対側の面に、当該面に接した空気層を有する、ことを特徴とする光カプラである。
ハーフミラーは、必ずしも光出力を等しく2分するものである必要はなく、偏光選択性のミラーや、波長選択性のミラーを用いてもよい。
ミラーは、ガラスの表面に誘電体多層膜が設けられた構成であればよく、ガラスの材料や、誘電体多層膜の材料、構造などは任意のものを使用可能である。誘電体多層膜は、ガラス表面の一方だけでなく、両面に設けられていてもよい。誘電体多層膜を一方の表面にのみ設けたミラーを用いる場合には、誘電体多層膜を設けていない側の面を信号光の反射側とし、誘電体多層膜と空気層が接するように配置するとよい。
本発明の光カプラにおいて、光入力端、光出力端はコネクタないしコネクタレセプタクル構造として、光カプラに光ファイバーを容易に脱着可能な構成とすることが望ましい。
光導波路コアは、任意の材料でよく、任意の方法によって形成してよいが、光硬化性樹脂を用いた自己形成光導波路の技術によれば容易に形成することができる。また、光導波路クラッドも任意の材料でよく、任意の方法によって形成してよいが、光硬化性樹脂を用いることで容易に形成することができる。
また、本発明における四角形は、作製の容易さや、経路の違いによる挿入損失の差を低減するために、長方形、菱形などの対称性のある形が望ましく、正方形が特に望ましい。
第2の発明は、第1の発明において、光導波路コアおよび光導波路クラッドは、光硬化性樹脂からなることを特徴とする光カプラである。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、ミラーの位置する頂点部に、ミラーを支持する固定治具をさらに有し、固定治具は凹部を有し、ミラーは凹部を覆うように配置され、その凹部内を前記空気層とする、ことを特徴とする光カプラである。
固定治具は任意の材料で構成してよいが、使用波長に対して透光性を有した材料であることが望ましい。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、四角形は正方形であることを特徴とする光カプラである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、ハーフミラーは、偏光選択性を有したミラーであることを特徴とする光カプラである。
第6の発明は、第5の発明において、ハーフミラーのうち、ミラーと対角の位置のハーフミラーは、p波の透過率が60〜90%、s波の反射率が60〜90%であり、残りの2つはp波の透過率が90%以上、s波の反射率が90%以上である、ことを特徴とする光カプラである。
本発明は、3つのハーフミラーと1つのミラーを用い、3つの入力端のいずれかの入力端から入力された信号光を、その入力端とは対ではない2つの出力端に分配して出力する構成の光カプラである。本発明の光カプラでは、ミラーの信号光反射側とは反対側の面に、当該面に接した空気層を有する構成としている。これによると、ミラーの誘電体多層膜による反射に加えて、ミラーと空気層との界面において信号光を反射させることができるため、ミラーによる信号光の反射率が向上する。そのため、ミラーによる反射を経由する経路での光カプラの挿入損失を低減することができる。
また、第2の発明のように、光導波路コアや、光導波路クラッドは光硬化性樹脂を硬化させることで形成することができ、本発明の光カプラを容易かつ低コストに製造することができる。
また、第3の発明のように、固定治具を用いることでミラーの反射面とは反対側の面に容易に空気層を設けることができる。
また、第4の発明のように正方形に構成すれば、光カプラが対称となるため、経路による損失差を低減することができ、また製造も容易となる。
また、第5の発明のように、ハーフミラーとして偏光選択性を有したものを用いれば、最終的な光出力を向上させることができる。また、第6の発明によれば、2つの光出力の差を、対角に位置するハーフミラーの偏光選択性の調整によって低減することができる。
実施例1の光カプラの構成を示した図。 光カプラの写真。 ミラー14の光透過率の波長依存性を示したグラフ。 ミラー14近傍を拡大して示した図。 従来のミラーのp波の透過率の波長依存性、角度依存性を示したグラフ。 従来のミラーのs波の透過率の波長依存性、角度依存性を示したグラフ。
本発明の光カプラに用いるハーフミラーは、信号光を2分するものであれば任意の材料、任意の部材で構成されたものを使用可能であり、等しく2分するものでなくてもよい。また、波長選択性を有したハーフミラーや偏光選択性を有したハーフミラーであってもよい。また、ハーフミラーは両面での反射を想定しており、透過光の光路がほぼ一致している必要があるため、ハーフミラーの厚さはなるべく薄いことが望ましく、理想的には平面である。特に、偏光選択性のハーフミラーを用いることが望ましい。以下、その理由を説明する。
本発明の光カプラでは、2枚のハーフミラーを透過して、もしくは2枚のハーフミラーに反射されたのち、2つの光出力端から出力されるが、偏光選択性のないp波の透過率が50%、s波の反射率が50%のハーフミラーでは、入力された信号光は2枚のハーフミラーによってそれぞれ分割されるので、原理的には元の25%が2つの出力端から出力されることとなる。一方、p波の透過率が100%、s波の反射率が100%の偏光選択性のハーフミラーを用いた場合は、入力された信号光は、まず1枚目のハーフミラーによってp波成分のみの信号光とs波成分のみの信号光に分割され、それぞれが2枚目のハーフミラーに入射する。2枚目のハーフミラーではp波成分のみの信号光は完全に透過して光出力端から出力され、s波成分のみの信号は完全に反射されて光出力端から出力される。そのため、原理的には元の50%が2つの光出力端から出力されることとなる。このように、偏光選択性のハーフミラーを用いれば、偏光選択性のないハーフミラーに比べて到達効率が格段に向上する。理想的には上記のようにp波の透過率が100%、s波の反射率が100%のハーフミラーがよいが、現実性を考慮すればp波の透過率が90%以上、s波の反射率が90%以上であればよい。より望ましくはp波の透過率が95%以上、s波の反射率が95%以上であり、さらに望ましくはp波の透過率が97%以上、s波の反射率が97%以上である。
なお、入力端および出力端からハーフミラーまでの光路長や、ハーフミラー間、ないしハーフミラーからミラーまでの光路長は、完全に同一とはしがたい。あるいは、光導波路コアの形成方法や光軸の不一致などにより、光入力端と光出力端との間の損失が経路によって異なってしまう。そこで、ミラーと対角に配置されているハーフミラーを、他のハーフミラーの偏光選択性と異なったものにして損失の調整用として用いるとよい。ただし、p波の透過率やs波の反射率が下がりすぎると、最終的に得られる光出力が小さくなってしまうため、p波の透過率を60〜90%、s波の反射率を60〜90%の範囲で調整することが望ましい。
本発明の光導波路コアは、自己形成光導波路とすることができ、その場合特許文献2〜4に記載のさまざまな手法を用いることができる。また、光導波路クラッドも、特許文献2などに記載のように、光硬化性樹脂を硬化させることで形成することができる。
光導波路コアおよび光導波路クラッドを形成するための光硬化性樹脂は、入手可能な任意のものを適用できる。硬化機構も、ラジカル重合、カチオン重合その他任意である。硬化光は一般的にはレーザ光が好ましい。レーザの波長と強度で、光硬化性樹脂の硬化速度を調整すると良い。尚、光硬化開始剤(光重合開始剤)は光硬化性樹脂とレーザの波長に応じ、入手可能な任意のものを適用できる。これらについては、本願出願人が共願人である例えば特許文献3に次のものが列挙されている。
構造単位中にフェニル基等の芳香族環を一つ以上含んだものが高屈折率、脂肪族系のみからなる場合は低屈折率となる。屈折率を下げるために構造単位中の水素の一部をフッ素に置換したものであっても良い。
脂肪族系としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール。
芳香族系としてはビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、ビスフェノールF、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、p−アルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物等。
これら、あるいはこれらから任意に1種乃至複数種選択された多価アルコールのオリゴマー(ポリエーテル)の構造を有する比較的低分子(分子量3000程度以下)骨格に、反応基として次の官能基等を導入したもの。
〔ラジカル重合性材料〕
ラジカル重合可能なアクリロイル基等のエチレン性不飽和反応性基を構造単位中に1個以上、好ましくは2個以上有する光重合性モノマー及び/又はオリゴマー。エチレン性不飽和反応性基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸エステル等の共役酸エステルを挙げることができる。
〔カチオン重合性材料〕
カチオン重合可能なオキシラン環(エポキシド)、オキセタン環等の反応性エーテル構造を構造単位中に1個以上、好ましくは2個以上有する、光重合性のモノマー及び/又はオリゴマー。オキシラン環(エポキシド)としては、オキシラニル基の他、3,4−エポキシシクロヘキシル基なども含まれる。またオキセタン環とは、4員環構造のエーテルである。
〔ラジカル重合開始剤〕
ラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマーから成るラジカル重合性材料の重合反応を光によって活性化する化合物である。具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。尚、ラジカル重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良く、また、これらに限定されることはない。
〔カチオン重合開始剤〕
カチオン重合性モノマー及び/又はオリゴマーから成るカチオン重合性材料の重合反応を光によって活性化する化合物である。具体例としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩、チオピリニウム塩が挙げられるが、熱的に比較的安定であるジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどの芳香族ヨードニウム塩、ジフェニルスルホニウム、ジトリルスルホニウム、フェニル(p−アニシル)スルホニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)スルホニウム、ビス(p−クロロフェニル)スルホニウムなどの芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩光重合開始剤が好ましい。芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩光重合開始剤を使用する場合、アニオンとしてはBF4−、AsF6−、SbF6−、PF6−、B(C6F5)4−などが挙げられる。尚、カチオン重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良く、また、これらに限定されることはない。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の光カプラの構成を示した図であり、図2は、実際に作製した光カプラの写真である。光カプラは、アクリル樹脂からなる筐体10と、3つの光入力端11a、11b、11cと、これらにそれぞれ対となる3つの光出力端12a、12b、12cを有している。
筐体10の内部には、3つのハーフミラー13a、13b、13c、1つのミラー14、およびミラー14を固定するミラー固定治具17が配置されている。3つのハーフミラー13a、13b、13cと、1つのミラー14は、正方形ABCDの各頂点A、B、C、Dにそれぞれ位置するよう配置されていて、光入射面が正方形ABCDの面に垂直に配置されている。また、3つのハーフミラー13a、13b、13cは、光入射面がそれぞれ正方形ABCDの角を二等分するよう配置されている。また、ミラー14は、光入射面が正方形ABCDの角の2等分線に垂直となるよう配置されている。
ハーフミラー13a、13b、13cは、偏光選択性のミラーである。ハーフミラー13a、13cは、波長400〜790nmにおいて、波長p波の透過率が100%、s波の反射率が0%となるように設計したものである。ミラー14と対角に位置するハーフミラー13bは、波長400〜790nmにおいて、p波の透過率85%、反射率15%、s波の反射率85%、透過率15%となるように設計したものである。ハーフミラー13bの偏光選択性を、ハーフミラー13a、13cとは異なるようにすることで、経路による損失差を調整している。
ミラー14は、屈折率1.5143のBK−7からなるガラス基板141の一方の表面に、誘電体多層膜142を設けたものであり、ミラー14を空気中に置いた場合に、入射角度15〜75°、波長400〜790nmにおいて、透過率が5%以下となるように設計したものである。図3は、入射角度45°におけるミラー14の光透過率を示したグラフである。横軸は光の波長(nm)、縦軸は透過率(%)である。図3のように、波長400〜790nmにおいて透過率が5%以下であることがわかる。
また、筐体10内部には、正方形ABCDの各頂点を繋ぐようにして正方形に光導波路コア15が形成されていて、各ハーフミラー13a、13b、13c、およびミラー14を接続している。光導波路コア15は、ハーフミラー13a、13b、13cを透過して辺AB、辺BC、辺CD、辺DAの延長線上にも伸びており、光入力端11aと光出力端12aは、光導波路コア15を介してハーフミラー13aに接続し、光入力端11bと光出力端12bは、光導波路コア15を介してハーフミラー13bに接続し、光入力端11cと光出力端12cは、光導波路コア15を介してハーフミラー13cに接続している。
筐体10内部は光導波路クラッド16で満たされており、ハーフミラー13a、13b、13c、ミラー14、光導波路コア15は、光導波路クラッド16によって封止され、固定されている。
図4は、光カプラのミラー14近傍の構成について示した図である。図4のように、筐体10内部であってミラー14近傍の角部には、ミラー14を固定するためのミラー固定治具17が配置されている。ミラー固定治具17はアクリル樹脂からなり、筐体10内部の角部に沿った三角柱状である。ミラー固定治具17は、ミラー14をはめ込んで固定するための凹部18を有している。ミラー14は、ミラー14の誘電体多層膜142形成側を凹部18側として凹部18にはめ込まれて固定されている。凹部18の中央付近は一段深く形成されており、ミラー14をはめ込んだときにその一段深くなった部分がミラー14に覆われて空洞部を生じる。この空洞部は空気が封止された空気層19であり、ミラー14の誘電体多層膜142に接している。
光導波路コア15は、筐体10内部にハーフミラー13a、13b、13c、ミラー14をはめ込んだミラー固定治具17を配置したのち、筐体10内部にコア材となる光硬化性樹脂を満たし、各光入力端11a、11b、11cにPOFを接続し、POFから光硬化性樹脂の硬化波長の光を出力し、自己収束的に軸状に光硬化性樹脂を硬化させることで形成した。また、光導波路クラッド16は、未硬化のコア材である光硬化性樹脂を除去したのち、筐体10内をクラッド材となる光硬化性樹脂で満たし、光硬化性樹脂に硬化波長の光を照射して硬化させることによって形成した。光導波路コアの屈折率は1.5537、光導波路クラッドの屈折率は1.458である。
この実施例1の光カプラは、3つの光入力端のうちいずれか1つから入力された信号光を、その光入力端と対となる光出力端以外の2つの光出力端に分配して出力するものである。例として、光入力端11aに信号光が入力された場合を説明する。光入力端11aに入力された信号光は、ハーフミラー13aによって信号光のp波成分のみが透過し、s波成分のみが反射される。ハーフミラー13aを透過したp波成分のみの信号光は、ハーフミラー13bによって85%が透過して出力端12bより出力される。一方、ハーフミラー13aによって反射されたs波成分のみの信号光は、ミラー14によって反射されたのち、ハーフミラー13cによってすべて反射され、光出力端12cより出力される。つまり、光入力端11aから入力された信号光は、光入力端11aと対である光出力端12a以外の2つの光出力端12b、12cに分配されて出力される。同様にして、光入力端11bから入力された信号光は、光入力端11bと対である光出力端12b以外の2つの光出力端12a、12cに分配されて出力され、光入力端11cから入力された信号光は、光入力端11cと対である光出力端12c以外の2つの光出力端12a、12bに分配されて出力される。
実施例1の光カプラにおいて、空気層19を設けた理由を以下に説明する。
発明者らは、ミラー固定治具17や空気層19を有さず、ミラー14を入射角度45°で反射率100%となるよう設計されたものとし、ミラー14の背面が光導波路クラッド16で覆われている以外は実施例1と同一構成の光カプラ(以下、比較例の光カプラ)を試作し、挿入損失を評価した。その結果、信号光の6通りの経路のうち、入力端11cから出力端12aに至る経路では、他の経路に比べて挿入損失が大きいことがわかった。その原因について検討を重ねたところ、ミラー14は入射角度45°で設計されており、ミラー14のp波の入射角依存が大きいこと、および、光導波路コア15中の信号光がコアの軸方向に対して±15°で分布していること、が原因であることを突き止めた。つまり、光導波路コア15中の信号光はコアの軸方向に対して±15°で分布しているため、信号光のミラー14への入射角度が30〜60°の範囲に分布しており、上記のような45°で反射率を100%とするミラー14の設計では、ミラー14を透過している光成分が存在しているのである。
図5は、入射角が45°のときに100%の反射率となるように設計された従来のミラー14のp波の透過率の波長依存性、角度依存性を示したグラフ、図6はs波の透過率の波長依存性、角度依存性を示したグラフである。図5、6のように、s波については入射角度が大きくなってもほとんど透過率は変わらず、ほぼ0であるのに対して、p波については入射角度が50°以上では光がほとんど透過している。入力端11cから出力端12aに至る経路では、ミラー14に入射するのはp波であるから、ミラー14によって損失が増加してしまう。そのため、入力端11cから出力端12aに至る経路は他の経路に比べて損失が大きくなってしまう。
そこで発明者らは、ミラー固定治具17を使用してミラー14の背面(信号光の入射側とは反対側の面)に空気層19を設け、入射角度15〜75°、波長400〜790nmにおいて、透過率が5%以下となるように、ミラー14を新たに設計した。これにより、ミラー14の誘電体多層膜142による反射に加えて、ミラー14と空気層18との界面において信号光を反射させることができるようにし、ミラー14による信号光の反射率を向上させた。
この新たに設計したミラー14を用い、ミラー固定治具17を使用してミラー14の背面に空気層19を設けた実施例1の光カプラと、旧来のミラー14を用いた比較例の光カプラとで、入力端11cから出力端12aの挿入損失を測定したところ、比較例の光カプラでは、挿入損失は8.0dBであったが、実施例1の光カプラでは、挿入損失は7.7dBであった。このことから、空気層19を設けてミラー14と空気層18との界面において信号光を反射させることができるようにしたためにミラー14による信号光の反射率が向上し、挿入損失を低減できていることがわかった。
本発明の光カプラは、車内LANなどの光通信システムに用いることができる。
10:筐体
11a、11b、11c:光入力端
12a、12b、12c:光出力端
13a、13b、13c:ハーフミラー
14:ミラー
15:光導波路コア
16:光導波路クラッド
17:ミラー固定治具
19:空気層

Claims (6)

  1. 1個の光入力端と1個の光出力端との対を3対有し、3個のハーフミラーと、1個のミラーと、3個の前記光入力端と3個の前記光出力端と3個の前記ハーフミラーと前記ミラーとを繋ぎ、3個の前記ハーフミラーが分岐点、前記ミラーが屈曲点となっている軸状の光導波路コアと、それらを封止する光導波路クラッドと、を有した光カプラであって、
    前記光導波路コアは、前記ハーフミラーと前記ミラーを4個の頂点に有する四角形部分と、当該四角形の4個の辺を長さ方向に延長して3個の前記光入力端および3個の前記光出力端を前記ハーフミラーと繋ぐ部分とを有し、
    前記四角形の各頂点に位置する前記ハーフミラーは、前記四角形の面に垂直で各々当該頂点の内角の二等分線を含む面に配置され、
    前記四角形の残りの頂点に位置する前記ミラーは、当該頂点の内角の二等分線に垂直に配置され、
    任意の前記光出力端から入力された信号光は、対となる前記光出力端以外の2個の前記光出力端に各々分配され、
    前記ミラーは、ガラス表面に誘電体多層膜を有した構造であり、
    前記ミラーの前記信号光反射側とは反対側の面に、当該面に接した空気層を有する、
    ことを特徴とする光カプラ。
  2. 前記光導波路コアおよび前記光導波路クラッドは、光硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の光カプラ。
  3. 前記ミラーの位置する頂点部に、前記ミラーを支持する固定治具をさらに有し、
    前記固定治具は凹部を有し、前記ミラーは前記凹部を覆うように配置され、前記凹部内を前記空気層とする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光カプラ。
  4. 前記四角形は正方形であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光カプラ。
  5. 前記ハーフミラーは、偏光選択性を有したミラーであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光カプラ。
  6. 前記ハーフミラーのうち、前記ミラーと対角の位置のハーフミラーは、p波の透過率が60〜90%、s波の反射率が60〜90%であり、残りの2つはp波の透過率が90%以上、s波の反射率が90%以上である、ことを特徴とする請求項5に記載の光カプラ。
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