JP2011047483A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡易な構成で異音を効果的に抑制できる電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁弁100は、複数の作動液路108e,108fが形成されているスリーブ108と、スリーブ108に取り付けられ、外部からスリーブ108の内部へ作動液が流入する作動液路106aが形成されているシート106と、シート106の弁座106bに接離可能に配置されたロッド120と、弁座側の端部にロッド120が設けられているプランジャ122と、ソレノイドの働きによりプランジャ122をロッド120の開弁方向に吸引する固定子と、プランジャ122をロッド120の閉弁方向に付勢するばね110と、を備える。弁室102は、作動液路106aから作動液路108eに向かう流路の形状が、作動液路106aから作動液路108fに向かう流路の形状とは異なるように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁弁に関し、特にブレーキ装置等の液圧回路に用いられる液圧制御弁として好適な電磁弁に関する。
近年、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、ホイールシリンダにその液圧を供給することにより車輪に制動力を付与するブレーキ装置が知られている。このようなブレーキ装置には、そのホイールシリンダの手前に増圧弁や減圧弁等の電磁弁が設けられており、これらの電磁弁を開閉制御することによってホイールシリンダへの作動液の給排量を調整して液圧を制御し、各車輪に適切な制動力を付与している。
このような電磁弁は、弁部を内蔵したボディとソレノイドとを一体に組み付けて構成されている。ボディの内部において作動液が導入・導出される通路には弁座が設けられており、その弁座に着脱して弁部を開閉可能な弁体が配設されている。弁体は、ソレノイドを構成するプランジャに一体動作可能に支持されている(特許文献1参照)。
例えば、常閉型の電磁弁であれば、ソレノイドに通電がされると、ソレノイドの固定鉄心とプランジャとの間に吸引力(以下、「ソレノイド力」ともいう)が発生し、弁体が弁座から離間する開弁方向に動作する。プランジャと固定鉄心との間には、ソレノイド力に抗してプランジャ、ひいては弁体、を固定鉄心から離間させる閉弁方向に付勢するばねが装着されている。このため、ソレノイドへの通電が遮断されると、弁体が弁座に着座して閉弁状態を保持する。ソレノイドに通電がなされた制御中においては、弁体に負荷される前後差圧による力、ソレノイド力、およびばねによる荷重が均衡するように弁の開度が調整される。
特開2005−308156号公報
しかしながら、上述のような電磁弁は、作動液によるシールをするために、スリーブの内周面と可動子との摺動部にある程度の隙間が必要となる。このような電磁弁は、弁構造が軸対称であると、部品の寸法公差や組付け時の軸ずれ等が原因で、弁の開度に対して作動液の流れが安定せず、弁体が流体から受ける力や方向にばらつきが生じる。そのため、弁体を含む可動子がスリーブの内周面に押し付けられる力や向きも変化し、可動子とスリーブの内周面との摺動部における摩擦力が安定しない。その結果、電磁弁の可動子の摺動特性がばらつくことで振動が発生しやすくなり、それが原因となって異音が生じるおそれがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的簡易な構成で異音を効果的に抑制できる電磁弁を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電磁弁は、作動液が外部へ流出する複数の流出ポートが形成されている中空筒状のハウジングと、前記ハウジングの開口部に取り付けられ、外部から前記ハウジングの内部へ作動液が流入する流入ポートが形成されているシート部材と、前記シート部材の弁座に接離可能に配置された弁体と、前記ハウジングの内部に摺動可能に配置されて前記ハウジングの内部を前記弁座側の弁室と該弁座と反対側の背圧室とに区画するとともに、前記弁座側の端部に前記弁体が設けられている可動子と、前記可動子と前記背圧室を挟んで対向配置され、通電されたソレノイドの働きにより前記可動子を前記弁体の開弁方向に吸引する固定子と、前記可動子を前記弁体の閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。前記弁室は、前記流入ポートから一方の流出ポートに向かう流路の形状が、前記流入ポートから他方の流出ポートに向かう流路の形状とは異なるように形成されている。
この態様によると、流入ポートから複数の流出ポートに向かう流路の形状がそれぞれ異なるため、開弁時に流入ポートから弁室に流入した作動液は、複数の流出ポートのいずれかに流れが偏ることになる。そのため、部品の公差や弁体の軸ずれなどが存在したとしても、作動液の流れを積極的に偏らせることで、弁の開度に対して流れが安定しない状況が改善される。このように、流出ポートへの作動液の流れが安定することで、弁体が作動液から受ける力のばらつきが減少する。また、弁室内での複数の流出ポートへの作動液の流れが均等ではなく偏ることで、弁体に対して径方向への力が働くことになる。そのため、弁体が取り付けられている可動子とハウジングの内部との摺動部での摩擦力が安定して大きくなり、かつ、摩擦力が発生する接触部の位置も安定する。その結果、作動液の流れが不安定になることで発生する弁体や可動子の振動が抑制され、異音が低減される。
前記シート部材は、前記流入ポートを中心とした弁座の周方向の一部分がそれ以外の部分とは異なった形状になっており、前記一部分は、該一部分と前記一方の流出ポートとの距離が、該一部分と前記他方の流出ポートとの距離と異なる位置に配設されていてもよい。これにより、簡易な構成で一方の流出ポートへの作動液の流れと他方の流出ポートへの作動液の流れを異ならせることができる。
前記弁体は、外周の一部分がそれ以外の部分とは異なった形状になっており、前記一部分は、該一部分と前記一方の流出ポートとの距離が、該一部分と前記他方の流出ポートとの距離と異なる位置に配設されていてもよい。これにより、簡易な構成で一方の流出ポートへの作動液の流れと他方の流出ポートへの作動液の流れを異ならせることができる。
本発明に係る電磁弁によれば、比較的簡易な構成で異音を効果的に抑制できる。
第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置の系統図である。 第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置に搭載される電磁弁の構成を詳細に示す断面図である。 作動液の流れが不安定になる可能性のある弁構造を備えた電磁弁の要部断面図である。 図3に示す弁構造を備えた電磁弁における電流−流量特性を示す図である。 第1の実施の形態に係るシート部材の上面図である。 図5のA−A断面図である。 第1の実施の形態に係る電磁弁における作動液の流れを示す要部断面図である。 第1の実施の形態に係る電磁弁において開弁時にプランジャにかかる力を説明するための断面図である。 第1の実施の形態に係る電磁弁の電流−流量特性を示す図である。 第2の実施の形態に係る電磁弁の構成を詳細に示す断面図である。 第2の実施の形態に係るロッドの側面図である。 第2の実施の形態に係る電磁弁における作動液の流れを示す要部断面図である。 ロッドの切り欠き部の形状と弁座の形状との関係を示す図である。 第2の実施の形態に係る電磁弁において開弁時にプランジャにかかる力を説明するための断面図である。 第3の実施の形態に係るロッドの斜視図である。 図15に示すロッドのフィンを含む断面図である。 第3の実施の形態に係る電磁弁における作動液の流れを示す要部断面図である。 第4の実施の形態に係る電磁弁の構成を詳細に示す断面図である。 第4の実施の形態に係るプランジャの断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。以下の形態で説明する電磁弁は、液圧を制御する液圧回路などに適用することが可能であり、例えば、車両用の電子制御式ブレーキシステムの液圧回路に用いると好適である。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置10の系統図である。ブレーキ制御装置10には電子制御式ブレーキシステム(ECB)が採用されており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定する。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動液としてのブレーキオイルを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。また、ブレーキペダル12には、その踏込ストロークを検出するストロークセンサ46が設けられている。更に、マスタシリンダ14にはリザーバタンク26が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、電磁弁23を介して運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。電磁弁23は、いわゆる常閉型のリニアバルブであり、電流が供給されていない状態では閉弁し、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が検出された場合に電流が供給され開弁する。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。ブレーキ油圧制御管16は、右前輪に制動力を付与する右前輪用ホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されている。ブレーキ油圧制御管18は左前輪に制動力を付与する左前輪用ホイールシリンダ20FLに接続されている。
ブレーキ油圧制御管16の途中には右マスタ弁22FRが設けられており、ブレーキ油圧制御管18の途中には左マスタ弁22FLが設けられている。右マスタ弁22FRおよび左マスタ弁22FLは、いずれもいわゆる常開型のリニアバルブであり、電流が供給されている状態では閉弁してマスタシリンダ14と右前輪用ホイールシリンダ20FRまたは左前輪用ホイールシリンダ20FLとの連通を阻止する。また、右マスタ弁22FRおよび左マスタ弁22FLは、電流の供給が減少または停止されることにより開弁してマスタシリンダ14と右前輪用ホイールシリンダ20FRまたは左前輪用ホイールシリンダ20FLとを連通させる。以下、必要に応じて右マスタ弁22FRおよび左マスタ弁22FLをマスタ弁22と総称する。
また、ブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧センサ48FRが設けられている。左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を検出する左マスタ圧センサ48FLが設けられている。ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出される。また、ブレーキ制御装置10は、右マスタ圧センサ48FRおよび左マスタ圧センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。電子制御ユニット(以下、「ECU」という)90は、ストロークセンサ46の故障などを考慮して、フェイルセーフの観点から右マスタ圧センサ48FRおよび左マスタ圧センサ48FLの検出結果からマスタシリンダ圧を監視する。
リザーバタンク26には油圧給排管28の一端が接続されている。この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるポンプ34の吸込口が接続されている。ポンプ34の吐出口は高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。本実施の形態では、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストン(図示せず)を備えた往復動ポンプがポンプ34として採用されている。また、アキュムレータ50として、ブレーキオイルの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるアキュムレータが採用されている。
アキュムレータ50は、ポンプ34によって例えば14〜22MPa程度にまで昇圧されたブレーキオイルを蓄える。また、リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるブレーキオイルの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキオイルは油圧給排管28へと戻される。更に、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるブレーキオイルの圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
高圧管30は、右前輪用増圧弁40FR、左前輪用増圧弁40FL、右後輪用増圧弁40RR、および左後輪用増圧弁40RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「増圧弁40」という)を介して、右前輪用ホイールシリンダ20FR、左前輪用ホイールシリンダ20FL、右後輪用ホイールシリンダ20RR、および左後輪用ホイールシリンダ20RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「ホイールシリンダ20」という)にそれぞれ接続されている。増圧弁40の各々はいわゆる常閉型のリニアバルブ(電磁弁)であり、電流が供給されていない状態では閉弁してホイールシリンダ圧を増圧させず、電流が供給されることにより開弁してホイールシリンダ圧を増圧させる。
右前輪用ホイールシリンダ20FR〜右後輪用ホイールシリンダ20RRは、それぞれ右前輪用減圧弁42FR、左前輪用減圧弁42FL、右後輪用減圧弁42RR、および左後輪用減圧弁42RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「減圧弁42」という)に接続されている。
右前輪用減圧弁42FRおよび左前輪用減圧弁42FLはいわゆる常閉型のリニアバルブ(電磁弁)であり、電流が供給されていない状態では閉弁してホイールシリンダ圧を減圧させず、電流が供給されることにより開弁してホイールシリンダ圧を減圧させる。一方、左後輪用減圧弁42RLおよび右後輪用減圧弁42RRはいわゆる常開型のリニアバルブ(電磁弁)であり、電流が供給されている状態では閉弁してホイールシリンダ圧を減圧させず、電流の供給が減少または停止されることにより開弁してホイールシリンダ圧を減圧させる。
右前輪用ホイールシリンダ20FR、左前輪用ホイールシリンダ20FL、右後輪用ホイールシリンダ20RR、および左後輪用ホイールシリンダ20RL付近の油圧配管には、それぞれ対応するホイールシリンダ20の液圧を検出する右前輪用ホイールシリンダ圧センサ44FR、左前輪用ホイールシリンダ圧センサ44FL、右後輪用ホイールシリンダ圧センサ44RR、および左後輪用ホイールシリンダ圧センサ44RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「ホイールシリンダ圧センサ44」という)がそれぞれ設けられている。
上述のマスタ弁22、増圧弁40、減圧弁42、ポンプ34、アキュムレータ50、マスタ圧センサ48、ホイールシリンダ圧センサ44、アキュムレータ圧センサ51などによって油圧アクチュエータ80が構成される。油圧アクチュエータ80はECU90によってその作動が制御される。
(電磁弁)
図2は、第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置10に搭載される電磁弁100の構成を詳細に示す断面図である。電磁弁100は、右前輪用減圧弁42FRおよび左前輪用減圧弁42FLに採用される。なお、電磁弁100が他の常閉電磁弁に採用されてもよい。電磁弁100は、弁体ユニット104、シート106、スリーブ108、ばね110、コイルヨーク112、ストッパ114、コイル116を備える。
弁体ユニット104は、ロッド120およびプランジャ(可動子)122を有する。ロッド120は、一方の端部から所定長さにわたって他の部分より径の細い挿入部120aが設けられている。ロッド120の他端部には、後述する弁座に着座して作動液の連通を阻止するように半球状に形成された先端部120bが設けられている。
プランジャ122は、円筒状に形成された磁性体であり、ロッド120が嵌め込まれて固定されるシャフト嵌合孔122aが中心軸と同軸に設けられている。プランジャ122は、スリーブ108の内部に配置されており、スリーブ108の内部を、弁室102とばね室118とに区画する。弁室102は、ロッド120およびシート106で構成される弁部を含んでいる。背圧室として機能するばね室118は、プランジャ122を挟んで弁室102と反対側に形成されており、ばね110が配設されている。プランジャ122は、弁室102とばね室118とを連通させる複数の連通路122bが形成されている。プランジャ122は、ロッド120の挿入部120aがシャフト嵌合孔122aに挿入され嵌合することにより、弁室102側の端部にロッド120が固定される。
シート106は、円筒状に形成された非磁性体である。シート106には、中心軸と同軸に作動液が流入する流入ポートとしての作動液路106aが設けられている。作動液路106aは、深部において細くなっており、細くなった作動液路106aとシート106の端部との境界部に円錐状の弁座106bが形成されている。弁座106bは、弁体ユニット104が当接することで流路における作動液の流れが遮断される。シート106は、弁座106bが設けられた端部からスリーブ108の後述する開口部に圧入され、スリーブ108から抜けることのないよう堅固に嵌め込まれる。
スリーブ108は、円柱状に形成された磁性体である本体部108aと、非磁性体によって形成された環状部108cと、厚みが薄い円筒部108bと、が同軸となるよう一体的に結合さた中空筒状のハウジングである。本体部108aは、プランジャ122とばね室118を挟んで対向配置され、通電されたソレノイドの働きによりプランジャ122をロッド120の開弁方向に吸引する固定子として機能する。
円筒部108bは、開口端部から所定長さにわたって設けられ、プランジャ122の軸方向への移動をガイドする。また、スリーブ108には、端部の開口部108dの内壁から外面へと径方向に貫通し、作動液が流出する流出ポートとして複数の作動液路108e,108fが設けられている。作動液路108e,108fは、油圧給排管28(図1参照)と連通し、作動液路106aから流入した作動液を油圧給排管28を介してリザーバタンク26へ導出する。
このようなスリーブ108に対して、プランジャ122を先頭に弁体ユニット104が円筒部108b内部に摺動可能に挿入される。その後、シート106がスリーブ108の円筒部108b内部に嵌め込まれて、シート106がスリーブ108に固定される。これにより、弁体ユニット104は、ロッド120の先端部120bが弁座106bに向かう方向および弁座106bから離間する方向に摺動可能に設けられる。
ロッド120の先端部120bは、弁座106bに着座することにより作動液路106aと作動液路108e,108fとの連通を阻止し、弁座106bから離間することにより作動液路106aと作動液路108eとを連通させる。以下、ロッド120の先端部120bが弁座106bから離間する方向を「第1方向」、ロッド120の先端部120bが弁座106bに当接する方向を「第2方向」という。
スリーブ108の本体部108aは、有底のばね収容孔108hが設けられている。ストッパ114は、ばね収容孔108hの底部108h1に取り付けられている。ばね110は、ストッパ114を中心としてその周囲に配設されており、圧縮された状態で一端がスリーブ108のばね収容孔108hの底部108h1に当接し、他端がプランジャ122の底部に当接することにより、プランジャ122に第2方向(閉弁方向)に向かう付勢力を与える。つまり、ばね110は、弁体ユニット104を弁座106bに向けて付勢する。したがって、通常は、ばね110の付勢力によってロッド120の先端部120bが弁座106bに着座した状態となっている。
コイル116は、プランジャ122の外部を囲うよう、スリーブ108の外部において巻回されたソレノイドである。コイルヨーク112はカップ状に形成された磁性体である。コイルヨーク112は、コイル116の径方向外側に、コイル116を囲うように配置される。コイルヨーク112は、スリーブ108の本体部108aに取り付けられる。こうしてコイル116は、磁性体であるコイルヨーク112によってその外周が覆われる。
プランジャ122には、第2方向側の端部として、外周近傍に円環状の端面122cが形成されている。スリーブ108の底部108gは、コイル116に電流が供給されて発生する磁束により、端面122cとの間でプランジャ122に対し第1方向に吸引力を与えるようプランジャ122の端面122cと対向する位置に形成されている。以下、プランジャ122の端面122cとスリーブ108の底部108gとの間に生じる第1方向への力を「吸引力」という。なお、本実施の形態における「吸引力」とは、電磁力や磁力によって与えられる力をいう。
電磁弁100は、コイル116に開弁電流より大きな電流が供給されると、ロッド120がシート106の弁座106bから離間することで開弁し、シート106の作動液路106aからスリーブ108の作動液路108eに作動液が流出する。このため、開弁直後に作動液路106a内部の液圧が一時的に低下してばね110によって弁体ユニット104が押し返され、ロッド120の先端部120bが再び弁座106bに着座する。これによって作動液路106a内部の液圧が上昇し、再び電磁弁100が開弁する。電磁弁100の開弁直後は、このようにロッド120の先端部120bが弁座106bに繰り返し当接する「自励振動」が発生する可能性があり、これが異音の発生につながるおそれがある。
このような自励振動は、作動液路106aから弁室102に流入し、作動液路108e,108fから流出する作動液の流れが不安定であると、助長される場合がある。図3は、作動液の流れが不安定になる可能性のある弁構造を備えた電磁弁の要部断面図である。図4は、図3に示す弁構造を備えた電磁弁における電流−流量特性を示す図である。
図3に示すように、中心軸Lを中心としてロッド150とシート152の周方向の形状がいずれの部分でも同じ場合、つまり、中心軸Lに垂直な断面がいずれの部分でも円形または円環状の場合、流入ポート152aから弁室154に流入した作動液は、理想的には、スリーブ156に形成された複数の流出ポート156a,156bから矢印に示すように均等に外部に流出することになる。
しなしながら、流出ポート156a,156bから流出する作動液の量は、電磁弁を構成する部品の寸法公差や組付け時の軸ずれ等が原因で、必ずしも均等にはならない。また、図3に示す弁構造では、流入ポート152aから一方の流出ポート156aに向かう流路の形状と、流入ポート152aから他方の流出ポート156bに向かう流路の形状とは理想的には同じである。そのため、各部品のわずかな寸法公差やロッド150の軸ずれ等によって、各流出ポートから流出する作動液の量のバランスは容易に変動し得る。その結果、ロッド150を介してプランジャ158に働く力の大きさや向きは安定せず、プランジャ158とスリーブ156の内周面との摺動部における摩擦力も安定しない。そのため、図4に示すように、電流を増大させてもそれに応じて流量が安定して増加しない状況が発生する。
また、仮に各流出ポートへの作動液の流れが均等である場合、プランジャ158には主に中心軸Lの方向へ力が働き、中心軸Lと垂直な方向へ働く力が小さくなる。そのため、スリーブ156の内周面との摺動部での摩擦力が減少し、仮にロッド150やプランジャ158が振動し始めた場合に、その振動を抑えることが難しくなる。
そこで、本実施の形態に係る電磁弁は、流入ポートから複数の流出ポートへの作動液の流れに意図的に偏りを発生させる弁室の形状を採用した。具体的には、本実施の形態に係る電磁弁では、シート部材の弁室側の形状を工夫することで、流入ポートから一方の流出ポートに向かう流路の形状が、流入ポートから他方の流出ポートに向かう流路の形状とは異なるように弁室が形成されている。
図5は、第1の実施の形態に係るシート部材の上面図である。図6は、図5のA−A断面図である。図7は、第1の実施の形態に係る電磁弁における作動液の流れを示す要部断面図である。
シート106は、その上面が弁座106bとなっている。弁座106bは、作動液路106aを中心とした周方向の一部分である凹部106b1が設けられており、それ以外の部分106b2とは異なった形状になっている。凹部106b1は、作動液路106aの弁室側の出口に隣接して設けられており、ロッド120が弁座106bに当接する位置と同じ程度の深さを有する。
また、凹部106b1は、図7に示すように、作動液路108eとの距離が、作動液路108fとの距離より短い位置に配設されている。これにより、他の部材を追加することなくシート106の弁座106bの一部を加工することで、開弁時における作動液路108eへの作動液の流れと作動液路108fへの作動液の流れを異ならせることができる。特に、図7の領域Bに示すように、シート106の弁座106bを含む弁室側の形状は、作動液路108f側の流路が狭くなるように形成されている。なお、凹部106b1は、ロッド120が弁座106bに当接している場合に、作動液の遮断性能に影響を与えない形状であれば特にその形状は限定されない。
図8は、第1の実施の形態に係る電磁弁において開弁時にプランジャにかかる力を説明するための断面図である。前述のように、流入ポートである作動液路106aから複数の流出ポートである作動液路108e,108fに向かう流路の形状がそれぞれ異なるため、開弁時に作動液路106aから弁室102に流入した作動液は、その多くが作動液路108eに向かって流れることになる。このように、部品の公差や弁体ユニット104の軸ずれなどが存在したとしても、作動液の流れを積極的に偏らせることで、ロッド120の開度に対して流れが安定しない状況が改善される。このように、複数の作動液路108e,108fへの作動液の流れが安定すること、換言すれば各作動液路への流量のバランスが安定することで、弁体ユニット104が作動液から受ける力のばらつきが減少する。
また、弁室102において、作動液路106aから作動液路108eに多くの作動液が流れることで、複数の作動液路108e,108fへの作動液の流れが均等ではなく偏ることになる。そのため、その流れに押し出されるように弁体ユニット104には矢印Cに示す径方向に力がかかる。
その結果、弁体ユニット104は、わずかに傾き、プランジャ122がスリーブ108の円筒部108bと領域D,Eで当接することになる。このように、弁体ユニット104に矢印Cに示す一定方向かつ径方向の力が働くことで、摩擦力が発生する摺動部の位置も安定する。また、スリーブ108とプランジャ122との間に大きな摺動摩擦力を安定して発生させることができるため、作動液の流れが不安定になることで発生する弁体ユニット104の振動が抑制され、異音が低減される。図9は、第1の実施の形態に係る電磁弁の電流−流量特性を示す図である。図9に示すように、本実施の形態に係る電磁弁では、電流の増加に比例して流量が増加していることがわかる。
(第2の実施の形態)
図10は、第2の実施の形態に係る電磁弁200の構成を詳細に示す断面図である。図11は、第2の実施の形態に係るロッドの側面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し説明を適宜省略する。
本実施の形態に係る電磁弁200は、流入ポートから複数の流出ポートへの作動液の流れに意図的に偏りを発生させる弁室の形状を採用した。具体的には、本実施の形態に係る電磁弁では、ロッドの弁室側の形状を工夫することで、流入ポートから一方の流出ポートに向かう流路の形状が、流入ポートから他方の流出ポートに向かう流路の形状とは異なるように弁室が形成されている。
ロッド220は、プランジャ122のシャフト嵌合孔122aに挿入される挿入部220aと、シート206の弁座206bに当接する先端部220bと、を有する。先端部220bは、弁座206bに着座することにより作動液路206aと作動液路108e,108fとの連通を阻止し、弁座206bから離間することにより作動液路206aと作動液路108e,108fとを連通させる。ロッド220は、先端部220bの外周の一部分に切り欠き部220b1が形成されており、それ以外の部分とは異なった形状になっている。
図12は、第2の実施の形態に係る電磁弁における作動液の流れを示す要部断面図である。切り欠き部220b1は、図12に示すように、作動液路108eとの距離が、作動液路108fとの距離より短い位置に配設されている。これにより、他の部材を追加することなくロッド220の先端部220bの一部を加工することで、開弁時における作動液路108eへの作動液の流れと作動液路108fへの作動液の流れを異ならせることができる。
図13は、ロッドの切り欠き部の形状と弁座の形状との関係を示す図である。図13に示すように、半球形の先端部220bの半径をr、中心軸Lと弁座206bとの成す角をθ、シール径をDとすると、シール径D=2rcosθとなる。そのため、切り欠き部220b1は、少なくともこのシール径Dを確保する程度の大きさで形成されていれば、特にその形状は限定されない。
図14は、第2の実施の形態に係る電磁弁において開弁時にプランジャにかかる力を説明するための断面図である。ここで、弁体ユニット204は、プランジャ122とロッド220とから構成されている。前述のように、流入ポートである作動液路206aから複数の流出ポートである作動液路108e,108fに向かう流路の形状がそれぞれ異なるため、開弁時に作動液路206aから弁室202に流入した作動液は、その多くが作動液路108eに向かって流れることになる。このように、部品の公差や弁体ユニット204の軸ずれなどが存在したとしても、作動液の流れを積極的に偏らせることで、ロッド220の開度に対して流れが安定しない状況が改善される。このように、複数の作動液路108e,108fへの作動液の流れが安定すること、換言すれば各作動液路への流量のバランスが安定することで、弁体ユニット204が作動液から受ける力のばらつきが減少する。
また、弁室202において、作動液路206aから作動液路108eに多くの作動液が流れることで、複数の作動液路108e,108fへの作動液の流れが均等ではなく偏ることになる(領域F参照)。そのため、その流れに押し出されるように弁体ユニット204には矢印Cに示す径方向に力がかかる。
その結果、弁体ユニット204は、わずかに傾き、プランジャ122がスリーブ108の円筒部108bと領域D,Eで当接することになる。このように、弁体ユニット204に矢印Cに示す一定方向かつ径方向の力が働くことで、摩擦力が発生する摺動部の位置も安定する。また、スリーブ108とプランジャ122との間に大きな摺動摩擦力を安定して発生させることができるため、作動液の流れが不安定になることで発生する弁体ユニット204の振動が抑制され、異音が低減される。本実施の形態に係る電磁弁200は、第1の実施の形態に係る電磁弁100と同様に、図9に示すような電流−流量特性を有する。
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る電磁弁は、第2の実施の形態に係る電磁弁と同様にロッドの形状が工夫されている。本実施の形態に係る電磁弁は、ロッドの形状以外に構成については上述の各実施の形態と同様なため、説明を省略する。
図15は、第3の実施の形態に係るロッドの斜視図である。図16は、図15に示すロッドのフィンを含む断面図である。ロッド320は、プランジャ122のシャフト嵌合孔122aに挿入される挿入部320aと、シート206の弁座206bに当接する先端部320bと、を有する。先端部320bは、弁座206bに着座することにより作動液路206aと作動液路108e,108fとの連通を阻止し、弁座206bから離間することにより作動液路206aと作動液路108e,108fとを連通させる。ロッド320は、先端部320bのシール部分より挿入部320a側の外周の一部にフィン320b1が設けられており、それ以外の部分とは異なった形状になっている。フィン320b1は、中心軸に対して斜面320b2が形成されるように、先端部320bから挿入部320aへ向かうにしたがって径方向の突出量が徐々に大きくなっている。
図17は、第3の実施の形態に係る電磁弁300における作動液の流れを示す要部断面図である。フィン320b1は、図17に示すように、作動液路108eとの距離が、作動液路108fとの距離より短い位置に配設されている。これにより、他の部材を追加することなくロッド220の先端部220bの一部を加工することで、開弁時における作動液路108eへの作動液の流れと作動液路108fへの作動液の流れを異ならせることができる。
ここで、弁体ユニット304は、プランジャ122とロッド320とから構成されている。前述のように、流入ポートである作動液路206aから複数の流出ポートである作動液路108e,108fに向かう流路の形状がそれぞれ異なるため、開弁時に作動液路206aから弁室302に流入した作動液は、その多くが作動液路108eに向かって流れることになる。このように、部品の公差や弁体ユニット304の軸ずれなどが存在したとしても、作動液の流れを積極的に偏らせることで、ロッド320の開度に対して流れが安定しない状況が改善される。このように、複数の作動液路108e,108fへの作動液の流れが安定すること、換言すれば各作動液路への流量のバランスが安定することで、弁体ユニット304が作動液から受ける力のばらつきが減少する。
また、弁室302において、複数の作動液路108e,108fへの作動液の流れが互いに均等ではなく偏ることになる。そのため、その流れに押し出されるように弁体ユニット304には矢印Cに示す径方向に力がかかる。また、フィン320b1の斜面320b2に沿って作動液が流れると、ロッド320は中心軸Lに対して径方向(矢印Cの方向)の力が働く。
その結果、弁体ユニット204は、わずかに傾き、プランジャ122がスリーブ108の円筒部108bと当接することになる。このように、弁体ユニット304に矢印Cに示す一定方向かつ径方向の力が働くことで、摩擦力が発生する摺動部の位置も安定する。また、スリーブ108とプランジャ122との間に大きな摺動摩擦力を安定して発生させることができるため、作動液の流れが不安定になることで発生する弁体ユニット304の振動が抑制され、異音が低減される。本実施の形態に係る電磁弁300は、第1の実施の形態に係る電磁弁100と同様に、図9に示すような電流−流量特性を有する。
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る電磁弁では、摺動部の摩擦を安定して増加させることができる構成が採用されている。これにより、弁体ユニットの振動の発生が抑制され、電磁弁の異音が低減される。
図18は、第4の実施の形態に係る電磁弁400の構成を詳細に示す断面図である。図19は、第4の実施の形態に係るプランジャの断面図である。なお、上述の各実施の形態と同様な部材や構成については、説明を適宜省略する。電磁弁400は、弁体ユニット404、シート406、スリーブ408、スプリング410、コイルヨーク412、リングヨーク414、コイル416、およびストッパ418を備える。
弁体ユニット404は、ロッド420、プランジャ422およびプランジャスリーブ423を有する。ロッド420は、一方の端部から所定長さにわたって他の部分より径の細い挿入部420aが設けられている。ロッド420の他端部には、後述する弁座に着座して作動液の連通を阻止するように半球状に形成された先端部420bが設けられている。
プランジャ422は、円筒状に形成された磁性体であり、ロッド420が嵌め込まれて固定されるシャフト嵌合孔422aが中心軸Lと同軸に設けられている。プランジャ422は、スリーブ408の内部に配置されており、スリーブ408の内部を、弁室402とばね室430とに区画する。弁室402は、ロッド420およびシート406で構成される弁部を含んでいる。ばね室430は、プランジャ422を挟んで弁室402と反対側に形成されており、ばね410が配設されれている。プランジャ422は、弁室402とばね室430とを連通させる複数の連通路422bが形成されている。プランジャ422は、ロッド420の挿入部420aがシャフト嵌合孔422aに挿入され嵌合することにより、弁室402側の端部にロッド420が固定される。
プランジャ422は、鉄系の材料を含む高透磁率部材である。その透磁率μ1は、コイル416に流す電流や電磁弁の応答速度等を考慮して適宜設定されればよいが、例えば、4000以上であるとよい。しかしながら、プランジャ422が直接スリーブ408と摺動するような場合、摩擦力が過大になる可能性がある。そこで、本実施の形態に係る電磁弁400では、図19に示すように、プランジャスリーブ423がプランジャ422の外周に固定されている。プランジャスリーブ423は、円筒状の部材であり、スリーブ408の内周と摺動可能な程度の直径を有している。
次に、電磁弁400の磁束経路について説明する。なお、以下では主な磁束経路を中心に説明し、それ以外の磁束経路については適宜省略している。
電磁弁400においてスリーブ408の本体部408aおよび円筒部408b、プランジャ422、プランジャスリーブ423、リングヨーク414、およびコイルヨーク412が磁性体である。スリーブ408の本体部408aを通過した磁束は、環状部408cが非磁性体であるため、まず軸方向にプランジャ422に進む。このように軸方向に磁束が進むことにより、スリーブ408とプランジャ422との間に強い吸引力を発生させることができ、スプリング410による弁体ユニット404への付勢力に逆らって、プランジャ422を円滑に第1方向に移動させることができる。
次に、磁束はプランジャ422からプランジャスリーブ423を介して磁性体であるスリーブ408へ向かい、最終的には、リングヨーク414およびコイルヨーク412を通過して再びスリーブ408に進む。そのため、プランジャ422やプランジャスリーブ423と、スリーブ408との間には径方向の力がかかり、プランジャスリーブ423がスリーブ408に対して摺動する際に摩擦力が発生する。摩擦力の大きさは、過大であれば弁体ユニット404を動作させる際に必要な電流が増大することになり、過小であれば弁体ユニット404が振動しやすくなる。
そこで、本実施の形態に係るプランジャスリーブ423は、スリーブ408との摩擦力を適正にするために、ステンレス系の材料を含む低透磁率部材を採用している。プランジャスリーブ423の透磁率μ2は、コイル416に流す電流やスリーブ408との摩擦力等を考慮して適宜設定されればよいが、例えば、1.3〜400程度であるとよい。透磁率μ2の値がこの程度の範囲であれば、スリーブ408とプランジャスリーブ423との間である程度摩擦力を発生させることができるとともに、弁体ユニット404を動作させるためにコイル416に流す電流を小さくすることができる。具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304等)の冷間加工品、マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS420J2等)がプランジャスリーブ423として好適である。なお、プランジャスリーブ423の肉厚(外径−内径)は、プランジャ422の肉厚よりも薄いとよい。
このように、プランジャスリーブ423の磁気特性と肉厚を適宜設定することで、磁束によって発生する電磁力(径方向)の強さを調整することができ、摺動摩擦力を適正な大きさにすることができる。これにより異音の原因となる弁体ユニットの振動を抑制することができる。
なお、本実施の形態に係る電磁弁400は、弁体ユニット404とスリーブ408との摺動摩擦力を適正にすることで、弁体ユニット404の振動を抑制しているが、この構成に加えて、上述の各実施の形態に係るロッドやシートを組み合わせることで、更に振動を抑制することができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 ブレーキ制御装置、 20 ホイールシリンダ、 42 減圧弁、 80 油圧アクチュエータ、 90 ECU、 100 電磁弁、 102 弁室、 104 弁体ユニット、 106 シート、 106a 作動液路、 106b 弁座、 106b1 凹部、 108 スリーブ、 108e,108f 作動液路、 120 ロッド、 122 プランジャ、 122a シャフト嵌合孔、 122b 連通路、 122c 端面、 200 電磁弁、 202 弁室、 204 弁体ユニット、 206 シート、 220 ロッド、 220b 先端部、 220b1 切り欠き部、 320 ロッド、 320b 先端部、 320b1 フィン、 320b2 斜面、 423 プランジャスリーブ。

Claims (3)

  1. 作動液が外部へ流出する複数の流出ポートが形成されている中空筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの開口部に取り付けられ、外部から前記ハウジングの内部へ作動液が流入する流入ポートが形成されているシート部材と、
    前記シート部材の弁座に接離可能に配置された弁体と、
    前記ハウジングの内部に摺動可能に配置されて前記ハウジングの内部を前記弁座側の弁室と該弁座と反対側の背圧室とに区画するとともに、前記弁座側の端部に前記弁体が設けられている可動子と、
    前記可動子と前記背圧室を挟んで対向配置され、通電されたソレノイドの働きにより前記可動子を前記弁体の開弁方向に吸引する固定子と、
    前記可動子を前記弁体の閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記弁室は、前記流入ポートから一方の流出ポートに向かう流路の形状が、前記流入ポートから他方の流出ポートに向かう流路の形状とは異なるように形成されていることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記シート部材は、前記流入ポートを中心とした弁座の周方向の一部分がそれ以外の部分とは異なった形状になっており、
    前記一部分は、該一部分と前記一方の流出ポートとの距離が、該一部分と前記他方の流出ポートとの距離と異なる位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記弁体は、外周の一部分がそれ以外の部分とは異なった形状になっており、
    前記一部分は、該一部分と前記一方の流出ポートとの距離が、該一部分と前記他方の流出ポートとの距離と異なる位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
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