JP2011047289A - タービン動翼およびガスタービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹状に湾曲した正圧面PSおよび凸状に湾曲した負圧面SSを有し、回転軸線を中心とした径方向外側に向かって延びる翼形部11と、翼形部11における径方向外側の端部から、径方向外側に向かって突出するとともに、正圧面PSに沿って延びる正圧面側スクィーラ21と、翼形部11における径方向外側の端部から、径方向外側に向かって突出するとともに、負圧面SSに沿って延びる負圧面側スクィーラ31と、負圧面側スクィーラ31における径方向外側の端面以外の面および正圧面側スクィーラ21における全面を覆い、外部からの熱の進入を妨げる被覆層41と、が設けられ、負圧面側スクィーラ31における径方向外側の端面は、正圧面側スクィーラ21における径方向外側の端面に設けられた被覆層41よりも径方向外側に突出していることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
その一方で、タービン動翼チップは、タービン動翼の中でも熱負荷が高いため、焼損などの不具合が発生しやすく、過去に問題となっていた。
ここで、スクィーラは、タービン動翼チップとケーシング内周面との隙間を流れる漏れ空気量を減らすものであり、タービン動翼チップにおける熱負荷を低減するものである。さらに、スクィーラは、タービン動翼チップがガスタービンのケーシング内周面と接触することを防止するものでもある。
さらに、遮熱コーティングが施されているため、スクィーラに対する熱負荷を軽減することができる。
その結果、正圧面に沿うスクィーラにおける焼損などの不具合が発生するおそれがあった。
本発明のタービン動翼は、凹状に湾曲した正圧面および凸状に湾曲した負圧面を有し、回転軸線を中心とした径方向外側に向かって延びる翼形部と、該翼形部における径方向外側の端部から、径方向外側に向かって突出するとともに、前記正圧面に沿って延びる正圧面側スクィーラと、前記翼形部における径方向外側の端部から、径方向外側に向かって突出するとともに、前記負圧面に沿って延びる負圧面側スクィーラと、前記負圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面以外の面、および、前記正圧面側スクィーラにおける全面を覆い、外部からの熱の進入を妨げる被覆層と、が設けられ、前記負圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面は、前記正圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面に設けられた前記被覆層よりも径方向外側に突出していることを特徴とする。
上記発明においては、前記負圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面と、前記正圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面との間の径方向の距離Clは、前記正圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面における前記被覆層の層厚をtとすると、t<Cl≦2tの関係を満たすことが望ましい。
これらによって、ガスタービンにおける効率向上を図ることができる。
図1は、本実施形態に係るガスタービンの概略を説明する模式図である。
本実施形態では、図1に示すように、本発明のガスタービン1を、発電機Gを駆動するものに適用して説明するが、ガスタービン1により駆動される対象は、発電機Gに限定されるものではなく、他の機器であってもよく特に限定するものではない。
ガスタービン1には、圧縮機2と、燃焼器3と、タービン部4と、回転軸5と、が設けられている。
圧縮機2には、圧縮機2に流入する大気の流量を調節する入口案内翼(図示せず)や、流入した大気を圧縮する1段動翼(図示せず)、および1段静翼(図示せず)など、が設けられている。
なお、燃焼器3としては、公知の構成を用いることができ、特にその構成を限定するものではない。
タービン部4には、タービン動翼10およびタービン静翼(図示せず)が設けられている。タービン動翼10とタービン静翼は、回転軸5における周方向に等間隔に並んで配置されているとともに、回転軸5の軸線方向に交互に並んで配置されている。
タービン動翼10は、タービン静翼とともにタービン部4を流れる高温の燃焼ガスから回転駆動力を発生させるものであり、発生した回転駆動力を回転軸5に伝達するものである。
翼形部11には、図2から図4に示すように、前縁LEと、後縁TEと、正圧面PSと、負圧面SSと、正圧面側スクィーラ21と、負圧面側スクィーラ31と、遮熱コーティング(被覆層)41と、が設けられている。
その一方で、正圧面側スクィーラ21の全面には、後述する遮熱コーティング41が設けられている。
負圧面側スクィーラ31における径方向外側の端面は、一度、負圧面側スクィーラ31の全面に遮熱コーティング41が形成された後、当該端面に設けられた遮熱コーティング41が切削加工などの機械加工により除去される。当該端面は、機械加工によって、タービン部4のケーシング内周面との間に、均一な隙間を形成するように円周状に加工される。
遮熱コーティング41には、セラミックス層42と、結合層43と、が主に設けられている。
セラミックス層42は、タービン動翼10の母材上に設けられた結合層43の表面に配置される層である。
結合層43は、タービン動翼10の母材と、セラミックス層42との間に配置される層である。
翼根部13は、翼形部11の端部から回転軸5に向かって(図2の下側に向かって)延びる部材であり、断面がいわゆるダブテイル形状やクリスマスツリー形状などの公知な形状に形成されたものである。
冷却通路Aは、タービン動翼10内部における前縁LE側に配置された冷却通路A1に連通するものであり、冷却空気81が径方向内側から流入するものである。冷却空気81は、冷却通路A,A1内を流れてタービン動翼10を冷却し、先端の孔41aから流出する。
その過程において、冷却空気81の一部は、フィルム冷却孔42からタービン動翼10の表面へ流出し、前縁LE部をシャワーヘッドフィルム冷却することができる。
その過程において、冷却空気82の一部は、フィルム冷却孔43からタービン動翼10の表面へ流出し、フィルム冷却を行うことができる。
その過程において、冷却空気83の一部は、フィルム冷却孔44からタービン動翼10の表面へ流出してフィルム冷却を行うことができる。さらに、後縁TEのスロット45から流出する。
なお、回転軸5としては、公知の構成を用いることができ、特にその構成を限定するものではない。
具体的には、燃焼ガスはタービン動翼10における正圧面PS側の前縁LE方向からタービン動翼10に向って流れ、正圧面PSおよび負圧面SSに沿って、前縁LEから後縁TEに向って流れる。
これらによって、ガスタービン1における効率向上を図ることができる。
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン部
10 タービン動翼
11 翼形部
21 正圧面側スクィーラ
31 負圧面側スクィーラ
41 遮熱コーティング(被覆層)
PS 正圧面
SS 負圧面
Claims (3)
- 凹状に湾曲した正圧面および凸状に湾曲した負圧面を有し、回転軸線を中心とした径方向外側に向かって延びる翼形部と、
該翼形部における径方向外側の端部から、径方向外側に向かって突出するとともに、前記正圧面に沿って延びる正圧面側スクィーラと、
前記翼形部における径方向外側の端部から、径方向外側に向かって突出するとともに、前記負圧面に沿って延びる負圧面側スクィーラと、
前記負圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面以外の面、および、前記正圧面側スクィーラにおける全面を覆い、外部からの熱の進入を妨げる被覆層と、
が設けられ、
前記負圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面は、前記正圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面に設けられた前記被覆層よりも径方向外側に突出していることを特徴とするタービン動翼。 - 前記負圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面と、前記正圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面との間の径方向の距離Clは、前記正圧面側スクィーラにおける径方向外側の端面における前記被覆層の層厚をtとすると、t<Cl≦2tの関係を満たすことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
- 空気を圧縮する圧縮機と、
圧縮された空気を用いて外部から供給された燃料が燃焼され、高温の燃焼ガスが生成される燃焼器と、
前記燃焼ガスから回転駆動力を発生させるタービン部と、
が設けられ、
前記タービン部には請求項1または請求項2に記載のタービン動翼が設けられていることを特徴とするガスタービン。
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