JP2013209981A - シール構造、これを備えたタービン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造とを兼ね備え、アブレイダブル層がラビリンス構造の角部まで形成されるシール構造において、簡素な構成により、ラビリンス構造の角部が丸くなることを防止して剥離渦を確実に形成し、動作流体のシール性を高めて翼頂部漏れ損失の低減を図る。
【解決手段】シール構造11は、ラビリンス構造において動作流体の剥離渦Bを形成するための角部C1を構成する二面61,62のうちの一方の面61にアブレイダブル層7が形成され、角部C1を構成する二面61,62のうちの他方の面62の縁部に、この他方の面62の面方向に沿って一方の面61よりも高く突出するフランジ部8Aを形成し、このフランジ部8Aの、一方の面61からの突出量を、アブレイダブル層7の膜厚に等しくしたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、シール構造、これを備えたタービン装置に関するものである。
蒸気タービン、ガスタービン、軸流圧縮機等のタービン装置において、タービン内部における圧力損失の一つとして、タービン翼の頂部と、この頂部に近接して対向するハウジング(シールリング)の内周面との間を、蒸気やガス等の動作流体が漏れて通り抜けてしまう翼頂部漏れ損失がある。この翼頂部漏れ損失を低減させてタービン効率を向上させるべく、特許文献1,2等に開示されているシール構造がある。
特許文献1に開示されているシール構造は、タービン翼の頂部(シュラウド部等)に、タービン軸方向に沿って段階的に内径が変化するステップ部を形成する一方、このタービン翼の頂部に対向するハウジングの内周面に、タービン翼頂部の各ステップ部の位置に対応して複数の大キャビティ、小キャビティ、およびシールフィンを形成し、大キャビティの内部で、漏洩蒸気の流れに主渦を形成させるとともに、小キャビティおよびシールフィンにより、漏洩蒸気の主渦と逆方向に回転する剥離渦を形成させ、この剥離渦によって、シールフィンとステップ部との間の微小隙間を通り抜けようとする漏洩蒸気の流れを妨げる縮流効果を発揮させて翼頂部漏れ損失を低減させる、所謂ラビリンス構造を備えている。
また、特許文献2に開示されているシール構造は、タービン翼の頂部にシールフィンを突設する一方、この頂部に対向するハウジングの内周面に可削性のアブレイダブル層を形成し、タービン運転時にタービン翼の頂部がハウジングの内周面に接触してもアブレイダブル層が切削されることによりタービン翼およびハウジングの破損、摩耗、振動等を抑制し、タービン翼の頂部とハウジングの内周面との隙間を極小に設定可能にして翼頂部漏れ損失を低減させるアブレイダブルシール構造を備えている。
さらなる翼頂部漏れ損失の低減を図るためには、ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造を兼ね備えたシール構造とするのが好ましい。この場合、例えば図9に示すようなシール構造101が考えられる。
即ち、タービン翼1の頂部に複数のシールフィン2a〜2dおよびキャビティ部3a〜3cがステップ状に形成されるとともに、これらのシールフィン2a〜2dおよびキャビティ3a〜3cに対向するハウジング5の内周面に、タービン軸方向に沿って段階的に内径が変化するステップ部6a〜6dが形成される。ステップ部6a〜6dは、タービン翼の軸方向に平行するアキシャル面61とタービン軸方向に直角なラジアル面62(ステップ面)と、を備えている。
各シールフィン2a〜2dの、動作流体の流れ方向Fに対向するシール面21は、その直近のステップ部6a〜6dのラジアル面62に対して流れ方向Fの後方に位置がずらされている。そして、各アキシャル面61にアブレイダブル層7が溶射等により形成される。そのアブレイダブル材としては、例えばMCrAlY合金があり、これにポリエステルおよび六方晶窒化ホウ素(h−BN)を混合させて溶射し、多孔質のメタル層を形成する。これにより、シールフィン2a〜2dとアキシャル面61との間の隙間を極小にすることができる。
このように構成されたシール構造101において、一段目のステップ部6aのアキシャル面61と、一段目のシールフィン2aの先端との間をリークした動作流体は、二段目のステップ部6bのラジアル面62にぶつかり、キャビティ3aの底部側に流れの向きを変えて主渦Aを形成する。また、この動作流体の一部は、上記のようにラジアル面62にぶつかった後、二段目のシールフィン2bのシール面21に向かって逆方向に渦巻く剥離渦Bを形成する。
剥離渦Bは、主渦Aの旋回方向とは逆の旋回方向を持つカウンター渦であるため、この剥離渦Bによって、シールフィン2aとアキシャル面61との間をリークしようとする動作流体の流れが阻害され、シール性が向上する。以下、キャビティ3b,3cにおいても同様に主渦Aと剥離渦Bが発生し、これによって動作流体の漏れが段階的に小さくなり、アブレイダブル層7を設けたことによるシール効果と相俟って良好なシール性が発揮され、翼頂部漏れ損失を格段に低減させることができる。
特開2011−208602号公報 特開2008−223660号公報
図9に示すシール構造101において、剥離渦Bを効果的に形成するためには、ステップ部6a〜6dのアキシャル面61とラジアル面62とがなす角部Cにシャープなエッジを持たせ、ここで主渦Aがシールフィン2a〜2dのシール面21側に強く巻き込まれるようにすることが望ましい。図10に拡大して示すように、この角部Cのエッジが丸くなっていると、主渦Aの流れが角部Cの先でシール面21側に巻き込まれずに、角部Cを通り過ぎてしまう傾向が強くなり、剥離渦Bが発生しにくくなる。このため、動作流体のシール性が低下してしまう。
特に、アキシャル面61にアブレイダブル層7が溶射によって形成される場合には、アブレイダブル層7をアキシャル面61の端部(角部C)まで均一に形成することは困難であり、どうしても角部Cが丸くなってしまう傾向がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造とを兼ね備え、アブレイダブル層がラビリンス構造の角部まで形成されるシール構造において、簡素な構成により、ラビリンス構造の角部が丸くなることを防止して剥離渦を確実に形成し、動作流体のシール性を高めて翼頂部漏れ損失の低減を図ることのできるシール構造、これを備えたタービン装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
即ち、本発明に係るシール構造は、ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造とを兼ね備え、前記ラビリンス構造において動作流体の剥離渦を形成するための角部を構成する二面のうちの一方の面にアブレイダブル層が形成されるシール構造であって、前記角部を構成する二面のうちの他方の面の縁部に、この他方の面の面方向に沿って前記一方の面よりも高く突出するフランジ部を形成し、前記フランジ部の、前記一方の面からの突出量を、前記アブレイダブル層の膜厚に等しくしたことを特徴とする。
上記構成によれば、ラビリンス構造において動作流体の剥離渦を形成する角部にフランジ部が形成されるため、角部のエッジがシャープに保たれる。また、この角部を構成する二面のうちの、一方の面に形成されるアブレイダブル層がフランジ部によって堰き止められる形になるため、従来のようにアブレイダブル層の端部が角部のエッジを丸めてしまうことがない。このように、ラビリンス構造の角部が丸くなることを防止して剥離渦を確実に形成し、動作流体のシール性を高めて翼頂部漏れ損失の低減を図ることができる。
前記フランジ部は、前記一方の面を、前記角部の近傍の部分が所定の幅で残るように削り下げることにより形成してもよい。
上記構成によれば、簡素な構造によってフランジ部を形成することができる。フランジ部は、一方の面を旋削形成する際に同時に形成できるため、ハウジング等の製造工程が複雑になることがなく、容易に形成することができる。
前記フランジ部は、前記他方の面に固着した板部材の先端を前記一方の面よりも突出させることにより形成してもよい。
上記構成によれば、前記他方の面に板部材を固着するという簡単な構造によってフランジ部を容易に形成することができる。また、フランジ部を備えない既存のタービン装置にフランジ部を後付けして改良することができる。
また、本発明のシール構造は、ロータとステータとのうちの一方に設けられ、一方から他方に向かって延在するシールフィンと、前記他方に設けられて、前記シールフィンよりも上流側で前記一方側に突出し、上流側を向くステップ面、及び、下流側を向いて前記一方側に向かうに従って上流側に傾斜する傾斜面を有する凸部と、前記凸部の傾斜面と該傾斜面に連続する前記他方における径方向内側を向く周面との間に画成される空間に、これら傾斜面及び周面に接触するように設けられ、前記シールフィンの先端に対向する快削材と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、凸部の先端の軸方向寸法が小さいため、シールフィンの位置をよりステップ面側に設計しやすくなる。また、傾斜面が傾斜構造であることにより、快削材の密着性が向上し、剥離に対する耐久性が向上する。
前記凸部は、前記他方における径方向内側を向く周面を、前記凸部が残るように削り下げることにより形成してもよい。
前記凸部は、前記他方に固着した板部材により形成してもよい。
また、上記シール構造において、前記凸部が設けられ周方向に分割されたハウジングを備え、前記ハウジングの分割部合わせ面の径方向内側の端部に面取りを設けることが好ましい。
上記構成によれば、快削材の密着度を上げて、運転中の剥離を防止することができる。
また、本発明に係るタービン装置は、前記の各態様のシール構造を備えたことを特徴とする。
このタービン装置によれば、ラビリンス構造の角部が丸くなることを防止して剥離渦を確実に形成し、これによりタービン翼の頂部とハウジングとの間を動作流体がリークしてしまうことを防止して翼頂部漏れ損失を低減させてタービン効率を高めることができる。
以上のように、本発明に係るタービン翼のシール構造、これを備えたタービン装置によれば、ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造とを兼ね備え、アブレイダブル層がラビリンス構造の角部まで形成されるシール構造において、簡素な構成により、ラビリンス構造の角部が丸くなることを防止して剥離渦を確実に形成し、動作流体のシール性を高めて翼頂部漏れ損失の低減を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンを示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態を示すシール構造の縦断面図である。 本発明の要部を拡大した縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示すシール構造の縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示すシール構造の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るハウジングの斜視図である。 図6のVII−VII断面図であり、ハウジングの分割部合わせ面の形状を示す図である。 本発明の第4実施形態のハウジングの別形態を示す図である。 従来の技術を示すシール構造の縦断面図である。 図9に示すアキシャル面とラジアル面の角部の付近を拡大した縦断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1、図2、及び図3を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンの構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る蒸気タービン71を示す概略断面図である。
蒸気タービン71は、中空のケーシング72と、このケーシング72の内部に流入する蒸気S(流体)の量と圧力を調整する調整弁73と、ケーシング72の内部に回転自在に設けられ、不図示の発電機等の機械に動力を伝達する軸体77(ロータ)と、ケーシング72に保持された環状静翼群78と、軸体77に設けられた環状動翼群79と、軸体77を軸CL回りに回転可能に支持する軸受部80とを備えている。
ケーシング72は、内部空間が気密に封止されているとともに、蒸気Sの流路とされている。このケーシング72は、その内壁面に固定されたリング状の仕切板外輪83を有している。そして、この仕切板外輪83に軸体77が挿通されている。また、この仕切板外輪83における環状動翼群79の対向部がハウジング5(ステータ、図2参照)とされている。
調整弁73は、ケーシング72の内部に複数個取り付けられており、それぞれ図示しないボイラから蒸気Sが流入する調整弁室74と、弁体75と、弁座76とを備えており、弁体75が弁座76から離れると蒸気流路が開いて、蒸気室84を介して蒸気Sがケーシング72の内部空間に流入するようになっている。
軸体77は、軸本体85と、この軸本体85の外周から径方向に延出した複数のディスク86とを備えている。この軸体77は、回転エネルギーを、図示しない発電機等の機械に伝達するようになっている。
環状静翼群78は、軸体77の周方向に沿って複数の静翼87がケーシング72の内側面に設けられてなるものである。この静翼87は、基端部が仕切板外輪83によって保持された翼本体88と、この翼本体88の径方向先端部を周方向に連結するリング状のハブシュラウド89とを有している。そして、このハブシュラウド89には、径方向に所定幅の隙間を介するようにして、軸体77が挿通されている。そして、このように構成される6個の環状静翼群78が、軸体77の軸方向に所定間隔で設けられており、蒸気Sの圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して、下流側に隣接するタービン翼1(動翼)側に案内するようになっている。
軸受部80は、軸体77を径方向に受けるジャーナル軸受装置81と、軸体77を軸方向に受けるスラスト軸受装置82とを有し、軸体77を回転可能に支持している。
環状動翼群79は、軸体77の周方向に沿って複数のタービン翼1が設けられてなるものである。このように構成される6個の環状動翼群79が、6個の環状静翼群78の下流側に隣接するようにしてそれぞれ設けられている。これにより、一組一段とされる環状静翼群78及び環状動翼群79が、軸方向に沿って合計六段に亘って構成されている。
図2は、本発明の第1実施形態を示すシール構造の縦断面図であり、図3は本発明の要部の拡大図である。
このシール構造11は、例えば蒸気タービン装置に適用されているものであり、ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造とを兼ね備えている。なお、図2において、ステップ部6a〜6dのアキシャル面61とラジアル面62とがなす角部C1付近以外の構造は、図9、図10に示す従来のシール構造101と同一であるため、各部に同一符号を付して説明を省略する。
このシール構造11では、キャビティ3a〜3c内で、動作流体である蒸気に主渦Aと剥離渦Bを形成させるラビリンス構造において、剥離渦Bを形成するための角部C1を構成する二面、即ちアキシャル面61とラジアル面62のうちの、アキシャル面61にアブレイダブル層7(快削材)が溶射等により形成されてアブレイダブルシール構造が採られている。これにより、アキシャル面61と、シールフィン2a〜2dとの間隔を極小化してシール性を高めることができる。
そして、図3に拡大して示すように、ラジアル面62の縁部に、このラジアル面62の面方向に沿ってアキシャル面61よりも高く突出するフランジ部8A(凸部)が形成されている。このフランジ部8Aは、アキシャル面61を、角部C1の近傍の部分が所定の幅で残るように削り下げることによって形成されている。フランジ部8Aの幅は、数mm以内で設計する。
フランジ部8Aの、アキシャル面61からの突出量は、アブレイダブル層7の膜厚に等しくなるように、1mm〜3mm程度に設定されている。したがって、アキシャル面61にアブレイダブル層7が形成された後は、アブレイダブル層7の表面とフランジ部8Aの内周面との高さが同一になる。アキシャル面61にアブレイダブル層7を形成する際には、フランジ部8Aの内周面をマスキングし、アブレイダブル層7をアキシャル面61に溶射した後、マスキングを剥離する。
以上のように構成されたシール構造11によれば、ラビリンス構造において蒸気の剥離渦Bを形成する角部C1にフランジ部8Aが形成されたため、角部C1のエッジがシャープに保たれる。また、アキシャル面61に溶射により形成されるアブレイダブル層7がフランジ部8Aによって堰き止められる形になるため、従来(図10参照)のようにアブレイダブル層7の端部が角部Cのエッジを丸めてしまうことがない。
したがって、流れ方向Fに沿って流れる蒸気が、アキシャル面61とシールフィン2aの先端との間を通り抜けてキャビティ3aの内部で主渦Aを形成した際に、この主渦Aが角部C1のエッジにより剥離されてカウンター渦である剥離渦Bが良好に形成され、この剥離渦Bによってアキシャル面61とシールフィン2aの先端との間をリークしようとする蒸気の流れが阻害されてシール性が向上する。
このように、角部C1にフランジ部8Aを形成したことにより、アブレイダブル層7の形成に伴って角部C1が丸くなることを防止し、剥離渦Bを確実に形成して蒸気のシール性を高め、翼頂部漏れ損失を低減させてタービン装置の効率を高めることができる。しかも、フランジ部8Aによってアブレイダブル層7の溶射時における膜厚を制御しやすくなるため、アブレイダブル層7の表面を平滑に仕上げることができる。
フランジ部8Aは、アキシャル面61を、角部C1の近傍の部分が所定の幅で残るように削り下げることにより形成されるため、追加の部品等は不要であり、非常に簡素な構造によってフランジ部8Aを形成することができる。フランジ部8Aは、アキシャル面61を旋削形成する際に同時に形成できるため、ハウジング5等の製造工程が特に複雑になることもなく、容易に形成することができる。
なお、図3ではフランジ部8Aの厚みが均一になっているが、ラジアル面62を平坦に保ったままで、フランジ部8Aの厚みが先端に向かって薄くなるようにしてもよい。つまり、フランジ部8Aの、ラジアル面62とは反対側の面を斜面にし、アキシャル面61との挟み角が鈍角になるようにする。これにより、フランジ部8Aと、シールフィン2a〜2dの先端部との位置を、タービン翼1の軸方向に近づけることができる。あるいは、シールフィン2a〜2dの先端部とタービン翼1との接触余裕度を増すことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第2実施形態を示すシール構造の縦断面図である。
このシール構造11Bにおいても、角部C2を構成するラジアル面62の縁部にフランジ部8Bが形成されている。このフランジ部8Bは、ラジアル面62に薄い金属の板部材10を溶接、溶着等により固着し、この板部材10の先端をアキシャル面61よりも突出させることにより形成されている。フランジ部8Bの、アキシャル面61からの突出量は、第1実施形態におけるフランジ部8Aの場合と同じく、アブレイダブル層7の膜厚に等しくなるように設定されている。なお、板部材10はタービン軸の周方向に沿って複数の部分に分割される形状であってもよい。
このように構成されたシール構造11Bの作用は、第1実施形態のシール構造11と同様であるが、このシール構造11Bによれば、ラジアル面62に板部材10を固着するという非常に簡単な構造によってフランジ部8Bを容易に形成し、剥離渦Bを発生させることができる。
また、アブレイダブル層7を溶射により形成する際に、板部材10に隣接する部分においてアブレイダブル層7の膜厚が十分に高く形成されなかったとしても、板部材10が位置していることによって角部C2の角が丸くなることが防止されるため、剥離渦Bを確実に発生させて蒸気のリークを防止することができる。
さらに、フランジ部を備えない既存のタービン装置にも、板部材10を後付けしてフランジ部8Bを形成し、改良することができる。
そして、上記第1および第2実施形態に示したシール構造11,11Bをタービン装置に備えることにより、ラビリンス構造の角部が丸くなることを防止して剥離渦を確実に形成し、これによりタービン翼の頂部とハウジングとの間を動作流体がリークしてしまうことを防止して翼頂部漏れ損失を低減させてタービン効率を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の第3実施形態を示すシール構造の縦断面図である。
このシール構造11Cにおいては、フランジ部8Cは、ラジアル面62と下流側を向いてタービン翼1側に向かうに従って上流側に傾斜する傾斜面63を有している。即ち、フランジ部8Cは、先端が細い構造となっている。傾斜面63の角度はラジアル面62に対して15°〜30°程度とされている。
フランジ部8Cの、アキシャル面61からの突出量は、上記各実施形態におけるフランジ部8A,8Bの場合と同じく、アブレイダブル層7の膜厚に等しくなるように設定されている。
そして、アブレイダブル層7は、フランジ部8Cの傾斜面63と傾斜面63に連続するアキシャル面61との間に画成される空間に、これら傾斜面63及びアキシャル面61に接触するように設けられ、シールフィン2a〜2dの先端に対向するように配置される。
このように構成されたシール構造11Cによれば、フランジ部8Cの先端の軸方向寸法が小さいため、シールフィン2a〜2dの位置をよりラジアル面62側に設計しやすくなる。
また、傾斜面63が傾斜構造であることにより、アブレイダブル層7の密着性が向上し、剥離に対する耐久性が向上する。
なお、第2実施形態と同様に、フランジ部8Cはラジアル面62に薄い金属の板部材を溶接、溶着等により固着することによって形成してもよい。
[第4実施形態]
図6は、フランジ部8が形成されるハウジング5の斜視図である。ハウジング5は、周方向に分割構造(例えば六分割)とされている。
本実施形態のハウジング5の分割部合わせ面51の径方向内側の端部には面取り52が設けられている。即ち、図7に示すように、分割部合わせ面51は平面状に形成されておらず、内周側の端部が傾斜した構造となっている。
アキシャル面61にアブレイダブル層7を形成する際には、図7に示すように、ややアブレイダブル層7を周方向に盛り上がらせるように形成した後、複数のハウジング5を結合する。
このように構成されたシール構造によれば、アブレイダブル層7の溶射被膜の密着度を上げて、運転中の剥離を防止することができる。即ち、アブレイダブルシールの信頼性を向上させることができる。
なお、分割部合わせ面51における平面部に、図8に示すような組合せ構造の段差53を設けて、ハウジング5同士の結合をより強固にする構造を採用してもよい。
なお、本発明は上記各実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、アブレイダブル層を設ける面はアキシャル面以外の面であってもよく、剥離渦を発生させる角部は、必ずしも直角でなくてもよい。
また、アブレイダブル層7には、予め周方向に延在する溝90を形成することが好ましい(例えば図5参照)。この溝90は、シールフィン2a〜2dが動くと想定される範囲よりもやや小さめの溝とされている。このような溝90を形成することによって、初回起動時のアブレイダブル層7の接触量を減らし、切削抵抗を最小限にすることができる。
また、上記実施形態では、本発明を復水式の蒸気タービンに適用したが、他の型式の蒸気タービン、例えば、二段抽気タービン、抽気タービン、混気タービン等に適用することもできる。
更に、上記実施形態では、本発明を蒸気タービンに適用したが、ガスタービンにも適用することができ、更には、回転翼を有する全ての機器に本発明を適用することができる。
2a〜2d シールフィン
3a〜3c キャビティ部
5 ハウジング(ステータ)
6a〜6d ステップ部
7 アブレイダブル層(快削材)
8A,8B フランジ部(凸部)
10 板部材
11,21 シール構造
21 シール面
51 割部合わせ面
52 面取り
61 アキシャル面(角部を構成する面、周面)
62 ラジアル面(角部を構成する面、ステップ面)
63 傾斜面
A 主渦
B 剥離渦
C1,C2 角部

Claims (8)

  1. ラビリンス構造とアブレイダブルシール構造とを兼ね備え、
    前記ラビリンス構造において動作流体の剥離渦を形成するための角部を構成する二面のうちの一方の面にアブレイダブル層が形成されるタービン翼のシール構造であって、
    前記角部を構成する二面のうちの他方の面の縁部に、この他方の面の面方向に沿って前記一方の面よりも高く突出するフランジ部を形成し、
    前記フランジ部の、前記一方の面からの突出量を、前記アブレイダブル層の膜厚に等しくしたことを特徴とするシール構造。
  2. 前記フランジ部は、前記一方の面を、前記角部の近傍の部分が所定の幅で残るように削り下げることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記フランジ部は、前記他方の面に固着した板部材の先端を前記一方の面よりも突出させることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  4. ロータとステータとのうちの一方に設けられ、一方から他方に向かって延在するシールフィンと、
    前記他方に設けられて、前記シールフィンよりも上流側で前記一方側に突出し、上流側を向くステップ面、及び、下流側を向いて前記一方側に向かうに従って上流側に傾斜する傾斜面を有する凸部と、
    前記凸部の傾斜面と該傾斜面に連続する前記他方における径方向内側を向く周面との間に画成される空間に、これら傾斜面及び周面に接触するように設けられ、前記シールフィンの先端に対向する快削材と、を備えることを特徴とするシール構造。
  5. 前記凸部は、前記他方における径方向内側を向く周面を、前記凸部が残るように削り下げることにより形成されていることを特徴とする請求項4に記載のシール構造。
  6. 前記凸部は、前記他方に固着した板部材により形成されていることを特徴とする請求項4に記載のシール構造。
  7. 前記凸部が設けられ、周方向に分割されたハウジングを備え、
    前記ハウジングの分割部合わせ面の径方向内側の端部に面取りを設けたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のシール構造。
  8. 請求項1〜7のいずれかのシール構造を備えたことを特徴とするタービン装置。
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