JP2011047038A - 高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度冷延鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011047038A
JP2011047038A JP2010162592A JP2010162592A JP2011047038A JP 2011047038 A JP2011047038 A JP 2011047038A JP 2010162592 A JP2010162592 A JP 2010162592A JP 2010162592 A JP2010162592 A JP 2010162592A JP 2011047038 A JP2011047038 A JP 2011047038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel
phase
residual
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010162592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4811528B2 (ja
Inventor
Yusuke Fushiwaki
祐介 伏脇
Yoshihiko Ono
義彦 小野
Kenji Takahashi
健二 高橋
Kaneharu Okuda
金晴 奥田
Shoichiro Taira
章一郎 平
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2010162592A priority Critical patent/JP4811528B2/ja
Publication of JP2011047038A publication Critical patent/JP2011047038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4811528B2 publication Critical patent/JP4811528B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
    • C21D8/0221Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips characterised by the working steps
    • C21D8/0236Cold rolling
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/46Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for sheet metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/04Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/06Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/58Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with more than 1.5% by weight of manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/005Ferrite
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/008Martensite

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

【課題】自動車等においてプレス成形工程を経て使用されるプレス成形用高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.015%超0.100%未満、Si:0.40%未満、Mn:1.0%以上1.9%以下、P:0.015%超0.05%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以上0.3%以下、N:0.005%以下、Cr:0.30%未満、B:0.0050%以下、Mo:0.15%未満、V:0.4%以下、Ti:0.02%以下、必要に応じて、Nb、W、Zr、Cu、Ni、Sn、Sb、Ca、Ce、La、Mgの少なくとも1種、[Mneq]:2.0以上2.8以下、残部鉄および不可避不純物からなり、更に、特定元素で構成される複数のパラメータ式を満足する鋼組成と、ミクロ組織が、フェライトと第2相を有し、第2相は、体積率を特定した、マルテンサイトと残留γを備えた複合組織鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車、家電等においてプレス成形工程を経て使用されるプレス成形用高強度冷延鋼板およびその製造方法に関する。
従来、フード、ドア、トランクリッド、バックドア、フェンダー等の耐デント性の要求される自動車外板パネルには、TS:340MPaクラスのBH鋼板(焼付け硬化型鋼板、以後、340BHと呼ぶ)が適用されてきた。
340BHはC:0.01質量%未満の極低炭素鋼において固溶C量をNb、Ti等の炭窒化物形成元素の添加により制御し、Mn、Pで固溶強化したフェライト単相鋼である。近年、車体軽量化ニーズが更に高まり、340BHの適用されてきた外板パネルを更に高強度化して鋼板を薄肉化する、あるいは同板厚でR/F(レインフォースメント:内側の補強部品)を削減する、さらには焼付け塗装工程を低温、短時間化する等の検討が進められている。
しかしながら、従来の340BHに更にMn、Pを多量添加して高強度化を図ると、YPの増加に起因してプレス成形品の耐面歪性が著しく劣化する。ここで、面歪とは、ドアのノブ部の外周などに生じやすいプレス成形面の微小なしわ、うねり状の模様である。
面歪は自動車の外観品質を著しく損なうので、外板パネルに適用される鋼板には、プレス品の強度を高めつつも、プレス成形前の降伏応力は現状の340BHに近い低いYPを有することが要求される。
また、340BHより高強度化した鋼はYP、TS、El等の材質変動が生じやすく、面歪やプレス割れが生じやすくなる。YPの高い鋼板でも材質変動が小さい場合には、プレス型形状を調整して意匠面の面歪を低減することが可能であるが、YPやTSがコイル内の長手方向あるいは幅方向、さらにはコイル毎に変動すると、面歪を低減することは極めて難しくなる。プレス型をコイル毎に切削して面形状を調整することは量産時には不可能であり、成形圧等のプレス条件を調整しても面歪抑制効果が小さいためである。従って、このような高強度鋼板には、YPを低減するとともに、コイル内やコイル毎の材質変動も同時に小さくすることが要望されている。
さらに、自動車用の鋼板には優れた耐食性も求められる。例えば、ドア、フード、トランクリッド等の部品のヘム加工部やスポット溶接周辺部は鋼板同士が密着し電着塗装時の化成皮膜がつきにくいので錆びが生じやすい。特に、水がたまりやすく長時間湿潤雰囲気に曝されるフード前方のコーナ部やドア下部のコーナ部では錆びによる穴明きがしばしば生じる。
そのため、近年、車体の防錆性能を向上させ、耐穴明き寿命を従来の10年から12年に拡大する検討が車体メーカで進められ、鋼板が十分な耐食性を具備していることが必要不可欠になってきている。部材の耐食性を向上させる観点からは、鋼板そのものの耐食性に加えて化成処理性を向上させることも必要である。
このような背景から、例えば、特許文献1には、重量%で、C:0.10〜0.45%、Si:00.5〜1.8%、Mn:0.5〜3.0%、sol.Al:0.01〜0.07%を含有する鋼を焼鈍後350〜500℃の温度域に1〜30分保持することで、残留γを5〜10%以上生成させて延性の高い冷延鋼板を得る技術が開示されている。
また、特許文献2には、重量比で、C:0.005〜0.15%、Mn:0.3〜2.0%、Cr:0.023〜0.8%を含有する鋼の焼鈍後の冷却速度を適正化し、主としてフェライトとマルテンサイトからなる複合組織を形成させることにより、低い降伏応力(YP)、高い延性(El)、高い焼付け硬化性(BH)を兼ね備えた高強度鋼板を得る方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、質量%で、C:0.01%超0.03%未満、Mn:0.5〜2.5%、B:0.0025%以下を含有する鋼にMoを0.02〜1.5%添加し、さらにsol.Al、N、B、Mn量をsol.Al≧9.7×N、B≧1.5×10×(Mn+1)となるように制御してフェライトと低温変態生成相からなる組織とし、焼付硬化性と常温耐時効性の両者に優れた高強度鋼板を得る方法が開示されている。
特許文献4には、質量%で、C:0.2%以下、Mn:3.0%以下、N:0.0030〜0.0180%、Cr:0.5〜0.9%、Al:0.020%以下を含有する鋼においてCrとNの比を25以上としフェライト面積率を80%以上とすることで常温での耐時効性に優れ、焼付硬化性に優れた鋼板が得られることが開示されている。
特許文献5には、質量%で、C:0.01%超0.08%未満、Mn:0.8%以上1.7%未満、Cr:0.4%超2%以下を含有する鋼のCrとMnの組成比をCr/Mn≧0.34として焼鈍時の加熱速度を3℃/s未満とすることで降伏応力が低く、焼鈍温度に対する材質変動の小さい高強度冷延鋼板を製造する方法が開示されている。
特許文献6には、質量%で、C:0.01%以上0.040%未満、Mn:0.3〜1.6%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下を含有する鋼を焼鈍後550〜750℃の温度までを3〜20℃/sの冷却速度で冷却し、200℃以下の温度までを100℃/s以上の冷却速度で冷却することにより、焼付硬化性に優れた鋼板を得る方法が開示されている。
特公平6−35619号公報 特公昭62−40405号公報 特許第3969350号公報 特許第4113036号公報 特開2009−35816号公報 特開2006−233294号公報
しかしながら、特許文献1に記載の鋼板は、残留γを生成させるためにSiの多量添加を必要としており表面品質が劣化するので外板として使用することは困難であった。また、残留γを生成させるために350〜500℃の温度域に長時間保持する必要があり、ベイナイトの多量生成によりYPが著しく上昇して耐面歪性が劣化するので外板パネルとしては使用することが出来なかった。
一方、上記特許文献2〜5に記載の鋼板は、いずれもMn、Cr、Moなどの成分組成を制御してミクロ組織をフェライトとマルテンサイトを主体とした複合組織鋼とし、低YP化、高延性化、高BH化を図った鋼である。
しかしながら、上記特許文献1〜5に記載の鋼板のうち、Crが多量に添加された鋼は低い降伏応力を示し、材質変動も小さいが、Cr添加量の比較的少ない鋼はYPが高く、さらには材質変動が大きいことを示す結果が得られた。
すなわち、マルテンサイトなどの硬質な第2相を強化組織として分散させている複合組織鋼は、従来のMnやPで強化した固溶強化鋼と比べて本質的に材料特性の変動が生じやすい。例えば、第2相の体積率は、鋼中の数10ppmのC量の変動や、20〜50℃の焼鈍温度の変動により顕著に変化するので、その第2相分率の変化の影響を受けて材質変動が変動しやすい。このため複合組織鋼板において面歪を十分低減するのは容易ではなかった。
また、Cr、MoならびにSiを多量に添加した鋼は化成処理後に化成結晶が均一微細に生成しにくく、化成結晶が付着していないスケ(化成処理後に結晶の付着していない領域)が多く認められ、化成処理性が不十分であることが明らかになった。
さらに、本発明者等がCrを多量に添加した鋼板の実部品における耐食性を詳細に調査したところ、これらの鋼では、フードやドアのヘム加工部あるいはスポット溶接部の耐食性が十分でなく、Crを0.40%添加した鋼では穴明き寿命が約1年低下し、Crを0.60%添加した鋼では穴明き寿命が2.5年低下することが新規に知見された。つまり、従来、平板の大気暴露環境ではCrは耐食性を僅かに向上させる作用があると考えられていたが、鋼板合せ部の様に長時間湿潤雰囲気に曝され、腐食生成物が蓄積しやすい環境では逆に耐食性を著しく劣化させ、このような用途に使用する鋼板ではCrを大幅に低減しなければならないことが明らかになった。
なお、特許文献6に記載の手法は、焼鈍後に100℃/s以上の急速冷却を必要とするので、水冷設備や気水冷却設備が無ければ適用することが難しく、また、水冷や気水冷却を行った板は平坦度が著しく低下するので、外板パネルとしては使用できない。
このように、複合組織鋼において、従来の低YPを維持しつつ、更に、材質安定性、耐食性および化成処理性に優れるものはこれまで得られておらず、これらの特性を同時に備えたものが自動車メーカからは強く要望されていた。
そこで、本発明は、上記課題を解決する高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の、降伏強度の低い複合組織鋼板を対象に、化成処理性、耐食性を改善しつつ、さらにコイル内やコイル間の材質変動を低減するため鋭意検討を行い以下のミクロ組織、成分組成に関する知見を得た。
(1)自動車用外板として適用するに十分な化成処理性は、Si、Cr、Moの重み付け当量式の総量を所定量に制御することで得られ、十分な耐食性はCr含有量を0.30質量%未満に低減しPを積極的に活用することで確保できる。
(2)YPあるいはYRを低下させつつ、コイル内やコイル間のYPの変動を低減するには、パーライトおよびベイナイトの生成を抑制しつつ、フェライトと、主としてマルテンサイトおよび残留γからなる第二相を備えた複合組織とし、第二相の平均粒子径が0.9〜5μmとなるように第二相を均一粗大に分散させ、さらに第二相に占める残留γの比率を30〜80%に制御することが有効である。
(3)上記の鋼組織はMn、Cr、Mo、V、B、Pを含む鋼の焼入れ性指標(Mn当量)を高めるとともに、Pによる以下の効果を活用してMn、Moの含有量を削減すること、ならびに焼鈍後の冷却速度を適正化することにより得られる。
イ.微量添加でも大きな焼入性の向上効果
ロ.第2相をフェライト粒界の3重点に均一かつ粗大に分散させる効果や残留γを残存させる効果
ハ.耐食性を向上させる効果
本発明は、以上の知見を基に、更に検討をくわえてなされたもので、すなわち、本発明は、
1)鋼組成が、質量%で、C:0.015%超0.100%未満、Si:0.40%未満、Mn:1.0%以上1.9%以下、P:0.015%超0.05%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以上0.3%以下、N:0.005%以下、Cr:0.30%未満、更にMo:0.15%未満、V:0.4%以下、Ti:0.02%以下、B:0.0050%以下を含有し、下記(1)式を満足し、残部鉄および不可避不純物からなり、ミクロ組織が、体積率%で、フェライトと3〜12%の第2相を有する複合組織で、第2相として1.0〜10%のマルテンサイトと1.0〜5.0%の残留γを含み、さらに第2相におけるマルテンサイトおよび残留γが合計して70%以上、第2相における残留γの比率が30〜80%、第2相の平均粒子径が0.9〜5μmであることを特徴とする高強度冷延鋼板。
0.6[%Si]+[%Cr]+2[%Mo]<0.35 (1)
但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
2)更に、下記(2)、(3)式を満足することを特徴とする上記1)に記載の高強度冷延鋼板。
2.0≦[Mneq]≦2.8 (2)
[%Mn]+3.3[%Mo]≦1.9 (3)
但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)で、[Mneq]=[%Mn]+1.3[%Cr]+8[%P]+150B+2[%V]+3.3[%Mo]
=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025
[%B]=0の場合、B=0、B≧0.0022の場合、B=0.0022
3)更に、下記(4)式を満足することを特徴とする上記1)または2)に記載の高強度冷延鋼板。
0.42≦12[%P]+150B≦0.93 (4)
但し、B=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025
[%B]=0のときはB=0、B≧0.0022のときはB=0.0022
なお、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
4)更に、下記(5)式を満足することを特徴とする上記1)乃至3)のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
0.49≦12[%P]+150B≦0.93 (5)
但し、B=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025
[%B]=0のときはB=0、B≧0.0022のときはB=0.0022
なお、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
5)更に、質量%で、Nb:0.02%未満、W:0.15%以下、Zr:0.1%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Sn:0.2%以下、Sb:0.2%以下、Ca:0.01%以下、Ce:0.01%以下、La:0.01%以下、Mg:0.01%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする上記1)乃至4)のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
6)上記1)乃至5)のいずれか一つに記載の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延および冷間圧延した後、750℃以上830℃以下の焼鈍温度で焼鈍し、前記焼鈍温度から480℃までの温度範囲は3〜40℃/secの平均冷却速度で1次冷却し、480℃から下記(6)式で与えられるTc(℃)までの温度範囲は8〜80℃/secの平均冷却速度で2次冷却し、さらに前記Tc(℃)から200℃までの温度範囲は0.3〜30℃/secの平均冷却速度で3次冷却することを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
Tc=435−40×[%Mn]−30×[%Cr]−30×[%V] (6)
但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
本発明によれば、自動車部品の高強度化、薄肉化に好適な、化成処理性や耐食性に優れ、YPが低く、さらには材質変動の小さい高強度冷延鋼板およびその製造方法が得られ産業上極めて有用である。
YPと12P+150Bの関係を示す図。 焼鈍温度に対するYPの変動量(ΔYP)と12P+150Bの関係を示す図。 各種鋼板のYPとYPの変動量(ΔYP)の関係を示す図。
本発明では、成分組成とミクロ組織を規定する。
1)成分組成(説明において%は質量%とする)
C:0.015%超0.100%未満
Cは所望する量の第2相やマルテンサイトの体積率を確保するために必要な元素である。C量が少ないとマルテンサイトが形成されなくなり、YPが著しく増加するとともに降伏点伸びが発生して外板への適用が困難になる。
また、焼鈍温度が変化した時のYPの変化も大きくなる。さらに、複合組織鋼に特長の高いBHや優れた耐時効性といった諸特性も得られなくなる。
所定量のマルテンサイトの体積率を確保し十分低いYPを得るため、C量は0.015%超とし、耐時効性を向上させ、YPやYRをさらに低減する観点からは0.020%以上とすることが望ましい。
一方、C量が0.100%以上となると第2相やマルテンサイトの体積率が多くなりすぎてYPが増加し、焼鈍温度や鋼組成が変化したときの材質変動が増大する。また、溶接性も劣化する。したがって、C量は0.100%未満、より低いYPを得つつ材質変動を低減するためにはC量は0.060%未満とすることが好ましく、0.040%未満とすることがさらに好ましい。
Si:0.40%未満
Siは微量添加することで熱間圧延でのスケール生成を遅延させて表面外観品質を改善する効果、鋼板のミクロ組織を均一、粗大化して焼鈍温度や鋼組成が変動したときの材質変動を低減する効果等があり、このような観点から添加する。
しかしながら、0.40%以上添加するとスケール模様の発生により表面外観品質が劣化して外板パネルへの適用が難しくなるとともにYPの上昇を招くので、0.40%未満とする。
表面品質を向上させ、YPを低減する観点からは0.30%未満とすることが望ましく、特に美麗な表面品質を得る観点からは0.20%未満とすることがさらに望ましい。さらにSiは後述するように、化成処理性を劣化させるので、CrやMoとともにその添加量は制御されなければならない。
Mn:1.0%以上、1.9%以下
Mnは焼入性を高め、第2相中のマルテンサイトの比率を増加させるために添加される。しかしながら、その含有量が1.9%を超えると、焼鈍過程におけるα→γ変態温度が低くなり、再結晶直後の微細なフェライト粒界あるいは再結晶途中の回復粒の界面にγ粒が生成するので、フェライト粒が展伸して不均一になるとともに第2相が微細化してYPが上昇する。
また、第2相が微細化して第2相の体積率1%あたりのYP、TSの変化量が大きくなり、焼鈍温度やC等の鋼組成の変動が生じて第2相の分率が変化した際のYP、TSの変動が大きくなって、コイル内やコイル毎の材質変動が大きくなる。
一方、Mn量が少なすぎると他の元素を多量に添加しても十分な焼入性を確保することは困難となり、MnSが微細に多数分散して耐食性も劣化する。十分な焼入性ならびに耐食性を確保するために少なくとも1.0%以上添加する必要がある。
さらに耐食性を向上させる観点からは1.2%以上とすることが望ましく、さらに低YP化し材質変動を低減する観点からは1.8%以下とすることが望ましい。
P:0.015%超0.05%以下
Pは本発明において優れた耐食性や化成処理性を確保しつつ第2相を均一粗大化しつつ残留γを生成させてコイル内やコイル毎の材質変動を低減する重要な元素である。Pを所定量含有させて焼鈍後に適度な緩冷却を行い480℃以下の温度域を速やかに冷却することで粗大な残留γが生成し、低YR化、材質変動の低減に寄与することが新規に知見された。
P添加による低YR化、材質変動の低減、耐食性および化成処理性の改善効果を得るには少なくとも0.015%超添加する必要がある。
一方、0.05%を超えて添加されると焼入性向上効果や組織の均一化、粗大化効果が飽和するとともに、固溶強化量が大きくなり過ぎて低いYPが得られなくなる。
また、鋳造時の偏析が顕著になりプレス後にしわ状の欠陥が生じ、外板への適用が困難になる。また、溶接性も劣化するので、0.05%以下とする。
S:0.03%以下
Sは適量含有させることで鋼板の一次スケールの剥離性を向上させ、表面外観品質を向上させる作用があるので、含有させることが出来る。しかしながら、その含有量が多いと鋼中に析出するMnSが多くなりすぎ鋼板の伸びや伸びフランジ成形性を低下させる。
また、スラブを熱間圧延する際に熱間延性を低下させて、表面欠陥を発生させやすくし、さらには耐食性を僅かに低下させるため、0.03%以下とする。伸びフランジ成形性や耐食性を向上させる観点からは、製造コストが許す範囲内において低下させることが望ましい。
sol.Al:0.01%以上0.3%以下
Alは介在物を低減して外板品質レベルの表面品質を確保し、Nを固定してBの焼入性向上効果を促進する目的で添加する。介在物起因の欠陥を低減して外板品質レベルの表面品質を確保するためにはsol.Alとして0.01%以上含有させることが必要で、0.015%以上含有させることが望ましい。Nを固定してBの焼入性を向上させる観点からは0.04%以上とすることがさらに望ましい。
一方、0.3%を超えて含有させると鋳造時の粗大AlNの析出により鋳造性を劣化させて表面品質を劣化させるため外板としての使用が困難になる。したがって、sol.Alは0.3%以下とする。さらに美麗な表面品質を確保する観点からは0.2%以下が望ましい。
N:0.005%以下
Nは鋼中でCrN、BN、AlN、TiN等の窒化物を形成する元素で、CrNやAlNの形成によりフェライト粒や第2相を微細化し、YPを上昇させる。また、B添加鋼では、BNを形成してB添加による低YP化の効果を消失させる。
N含有量が0.005%を超えるとYPが上昇し、B添加の効果も消失するので、0.005%以下とする。YPを低減する観点からは0.004%以下にすることが望ましい。
Cr:0.30%未満
Crは本発明において重要な元素であり、材質変動を低減させる作用がある反面、ヘム加工部の耐食性や化成処理性を劣化させる作用がある。Crはヘム加工部の耐食性や化成処理性を劣化させないように0.30%未満とし、耐食性を向上させる観点からは0.25%未満とすることが望ましい。Crは以下に示す[Mneq]を適正化し、マルテンサイトを生成させる観点から任意に添加することができる元素であり、下限は規定しないが(Cr:0%を含む)、低YP化の観点からはCrは0.02%以上添加するのが好ましく、0.05%以上添加するのがさらに好ましい。
Mo:0.15%未満(0を含む)、V:0.4%以下(0を含む)、Ti:0.02%以下(0を含む)、B:0.0050%以下(0を含む)
Moは焼入性を向上させてパーライトの生成を抑制し、低YR化、高BH化する観点から添加する。しかしながら、第2相ならびにフェライト粒を微細化する作用が強く、過剰に添加されるとYPを著しく増加させ、材質変動を増加させる。
また、極めて高価な元素であり、さらには化成処理性も著しく劣化させる。したがって、YPおよび材質変動の低減、低コスト化、化成処理性改善の観点から、0.15%未満に限定する(0%を含む)。より一層低YP化する観点からは0.05%以下とすることが望ましく、さらにMoは無添加(0.02%以下)とすることが好ましい。
Vは焼入性を向上させる元素であり、YPや材質変動に及ぼす影響は小さく、表面品質、耐食性、化成処理性を劣化させる作用も小さいので、Mn、Mo、Crの代替として活用することができる。Vは上記の観点から0.002%以上添加するのが好ましく、0.01%以上添加するのがさらに好ましい。しかしながら、Vは極めて高価で0.4%を超えて添加すると著しく高コストとなるので0.4%以下とする(0%を含む)。
Tiは、Nを固定してBの焼入性を向上させる効果、耐時効性を向上させる効果や鋳造性を向上させる効果があり、このような効果を補助的に得るために添加する。
しかし、その含有量が多くなると鋼中でTiCやTi(C、N)などの微細な析出物を形成して著しくYPを上昇させるとともに、焼鈍後の冷却中にTiCを生成してBHを減少させる作用があるので、添加する場合は0.02%以下とする。Tiの含有量は0%であってもよいが、TiNの析出によりNを固定してBの焼入性の向上効果を発揮させるためには0.002%以上とするのが好ましく、TiCの析出を抑えて低いYPを得るためには0.010%以下とするのが好ましい。
Bはフェライト粒やマルテンサイトを均一、粗大化する作用、焼入性を向上させてパーライトを抑制する作用がある。このため、後述する所定量の[Mneq]を確保しつつMnをBで置換することでPと同様に低YP化しつつ材質変動を低減するが0.005%を超えて添加すると鋳造性や圧延性が著しく低下するため、0.0050%以下とする(0%を含む)。低YP化や材質変動低減の効果を発揮させるには0.0002%以上添加するのがよく、さらには0.0010%超添加するのがよい。
0.6[%Si]+[%Cr]+2[%Mo]:0.35未満
但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
本パラメータ式は、化成処理性の指標となるもので、化成処理性を向上して、自動車外板に適用可能ならしめるため0.35未満に規定する。0.35以上の場合、鋼板表面に化成結晶が付着し難い酸化物等が形成され、化成結晶の核が均一微細に生成せずに化成結晶の付着していないスケが多く認められ、このような鋼板で化成処理後に鋼板に到達するクロスカットをいれて耐食性を評価しても十分な耐食性が得られないが、0.35未満に制御した鋼は化成結晶が均一微細に生成し、クロスカットを施した鋼板の耐食性も良好であった。
[Mneq]:2.0以上2.8以下
[Mneq](Mn当量式)は、焼鈍後に緩冷却が施されるCAL熱履歴において、Mn、Cr、Mo、V、B、P等の各種元素の焼入性向上効果の指標で、微細なパーライトもしくはベイナイトを安定して低減するため2.0以上2.8以下とするのが好ましい。
[Mneq]が2.0以上で焼鈍後に緩冷却が施されるCAL熱履歴においてもパーライトならびにベイナイトが十分抑制され、焼鈍温度が変動しても材質変動が小さく抑えられる。さらにYPを低減し材質変動を低減する観点からは2.2以上とすることが望ましく、2.4以上とすることがさらに望ましい。
一方、2.8を超える場合には、冷却中のγ→α変態が抑制されてγへのCの濃化が不十分となり所定量の残留γの体積率を確保することが困難になるとともに、Mn、Mo、Cr、Pの添加量が多くなりすぎ、十分低いYP、優れた耐食性を同時に確保することが困難になる。
尚、本発明では、[Mneq]=[%Mn]+1.3[%Cr]+8[%P]+150B+2[%V]+3.3[%Mo]で、B=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025とする。但し、[%B]=0の場合はB=0、B≧0.0022のときはB=0.0022とする。
は、B、Ti、Al添加により固溶Bを残存させて焼入性を向上させる効果を表す指標であり、Bが無添加の鋼ではB添加による効果は得られないのでB=0である。また、Bが0.0022以上である場合、Bによる焼入性の向上効果は飽和するので、Bは0.0022とする。
[%Mn]、[%Cr]、[%P]、[%B]、[%V]、[%Mo]、[%Ti]、[%sol.Al]は、Mn、Cr、P、B、V、Mo、Ti、sol.Alのそれぞれの含有量を表す。
[%Mn]+3.3[%Mo]≦1.9
本パラメータ式は低YP化しつつ材質変動を低減するため、Mn量、Mo量を規定する重み付け当量式である。本パラメータ式が1.9を超えるとYPが上昇し、材質変動が増加するので1.9以下とするのが好ましい。
0.42≦12[%P]+150B≦0.93
本パラメータ式は、第2相を均一、粗大に分散させ、所定量の残留γ量を確保して低YP、かつ材質変動量を小さくするための、P量、B量を規定するPとBの重み付け当量式である。残留γの生成量は本パラメータ式の増加に伴い増加する。
本パラメータ式が0.42未満では、YPが高く、かつ材質変動量が大きいため0.42以上とするのが好ましい。一方、0.93を超えるとPを0.05%を超えて添加することが必要になるので、材質変動は低減するがPの固溶強化が大きくなりすぎて十分低いYPが得られなくなるので0.93以下とするのが好ましい。さらに好ましくは0.49以上0.93以下とする。
図1、2に、材質変動におよぼす本パラメータ式の効果を示す。図1は、焼鈍後、調質圧延を施した鋼板(P添加鋼で、◆はB:0.0002〜0.0005%、◇はB:0.0009〜0.0014%)のYPと本パラメータ式の関係を示す図、図2は図1に用いた鋼板の材質変動の大きさを評価するため、各鋼板の冷延板を用いて焼鈍温度を770〜820℃で変化させて焼鈍温度が50℃変化した時のYPの変化量ΔYPと本パラメータ式の関係を示す図である。
図1、2より、12[%P]+150Bが0.42以上でYPが低くなるとともに、焼鈍温度に対するYPの変動ΔYPが顕著に低減される。さらに、12[%P]+150Bが0.49以上になると、低いYPを維持しつつより一層材質変動が低減されることが認められる。
YPは、Mn主体の鋼(×)やMo添加した鋼(●)と同等か低く、Cr添加した鋼(○)に近い低い値を示す。材質変動ΔYPはMn主体の鋼やMo添加鋼より小さく、Cr添加鋼と同等もしくはさらに小さい値を示す。なお、上記の鋼は何れもTS:446〜461MPaの範囲の強度を有している。
さらに、図3にこれらの鋼のYPとΔYPの関係を示す。なお、図3では本発明鋼を◆で示し、Mn主体の鋼(×)、Mo添加した鋼(●)、Cr添加した鋼(○)以外の比較鋼を◇で示した。図3より、本発明鋼はYP、ΔYPの両特性とも小さく抑えられていることがわかる。Cr添加した鋼以外の鋼はYPもしくはΔYPのいずれか、もしくは両者が高い。
図示した結果は以下の要領による試験結果である。
供試鋼は、C:0.025%、Si:0.01%、Mn:1.5〜2.2%、P:0.002〜0.065%、S:0.003%、sol.Al:0.06%、Cr:0.10%、N:0.003%、B:0.0002〜0.0014%として、[Mneq]が2.4でほぼ一定となるようにMnの添加量とP、Bの添加量をバランスさせた鋼とし、真空溶解により溶製した。
比較鋼として、C:0.015または0.022%、P:0.008%、B:無添加、Cr:無添加としてMn:2.34%、としたMn主体の成分鋼、P:0.008%、B:無添加としてMn:1.8%、Cr:0.40%としたCr添加した成分鋼、P:0.008%、B:0.0008%としてMn:1.6%、Cr:無添加、Mo:0.17%としたMo添加した成分鋼を併せて溶解した。
得られたインゴットから27mm厚のスラブを切り出して1200℃に加熱後、仕上圧延温度870℃で2.8mmまで熱間圧延し、圧延後ただちに620℃まで水スプレー冷却を行い、その後ブロアを用いて4℃/secで570℃まで強制空冷し、さらに570℃で1hr保持の巻取処理を施した。
得られた熱延板を0.75mmまで圧延率73%で冷間圧延した。得られた冷延板を焼鈍する際に、680℃〜740℃の温度範囲の平均加熱速度が1.8℃/secとなるように加熱して、その後775〜785℃×40secの均熱処理を施し、焼鈍温度から480℃までを平均冷却速度10℃/secで1次冷却した。その後、480℃から300℃までを急速冷却することにより、480℃から(6)式で表されるTcまでの平均冷却速度が20℃/secとなるように冷却した。さらに、Tcから200℃までを平均冷却速度0.5〜1℃/secの範囲となるように3次冷却した。その後室温まで20℃/secで冷却した。
得られた焼鈍板に0.1%の伸長率で調質圧延を施した。得られた鋼板よりJIS5号引張試験片を採取し、引張試験(JIS Z2241に準拠)を実施した。
以上が、本発明の基本成分組成で、残部は、鉄および不可避不純物である。更に所望の特性を向上させる場合、以下のNb、W、Zr、Cu、Ni、Sn、Sb、Ca、Ce、La、Mgの少なくとも1種を含有させることができる。
Nb:0.02%未満
Nbは組織を細粒化するとともにNbC、Nb(C、N)を析出させ鋼板を強化する作用があるので、高強度化の観点から添加することができる。Nbは上記の観点から0.002%以上添加するのが好ましく、0.005%以上添加するのがさらに好ましい。しかしながら、0.02%以上添加するとYPが著しく上昇するので、0.02%未満とすることが望ましい。
W:0.15%以下
Wは焼入性元素、析出強化元素として活用できる。Wは上記の観点から0.002%以上添加するのが好ましく、0.005%以上添加するのがさらに好ましい。しかしながら、その添加量が多すぎるとYPの上昇を招くので0.15%以下とすることが望ましい。
Zr:0.1%以下
Zrも同様に焼入性元素、析出強化元素として活用できる。Zrは上記の観点から0.002%以上添加するのが好ましく、0.005%以上添加するのがさらに好ましい。しかしながら、その添加量が多すぎるとYPの上昇を招くので0.1%以下とすることが望ましい。
Cu:0.5%以下
Cuは耐食性を向上させるので、耐食性向上の観点から添加することが望ましい。また、スクラップを原料として活用するときに混入する元素であり、Cuの混入を許容することでリサイクル資材を原料資材として活用でき、製造コストを削減することができる。
耐食性向上の観点からは0.01%以上添加するのが望ましく、0.03%以上添加するのがさらに望ましい。しかしながら、その含有量が多くなりすぎると表面欠陥の原因となるので、0.5%以下とするのが望ましい。
Ni:0.5%以下
Niも耐食性を向上する作用のある元素である。また、NiはCuを含有させる場合に生じやすい表面欠陥を低減する作用がある。したがって、耐食性を向上させつつ表面品質を改善する観点からNiを添加する場合は0.02%以上添加するのが望ましい。しかし、Niの添加量が多くなりすぎると加熱炉内でのスケール生成が不均一になり表面欠陥の原因になるとともに、著しいコスト増となる。したがって、添加する場合は0.5%以下とする。
Sn:0.2%以下
Snは鋼板表面の窒化、酸化、あるいは酸化により生じる鋼板表層の数十ミクロン領域の脱炭や脱Bを抑制する観点から添加するのが望ましい。これにより、疲労特性、耐時効性、表面品質などが改善される。窒化や酸化を抑制する観点から0.005%以上添加することが望ましいが、0.2%を超えるとYPの上昇や靱性の劣化を招くので0.2%以下で含有させるのが望ましい。
Sb:0.2%以下
SbもSnと同様に鋼板表面の窒化、酸化、あるいは酸化により生じる鋼板表層の数十ミクロン領域の脱炭や脱Bを抑制する観点から添加するのが望ましい。このような窒化や酸化を抑制することで鋼板表層においてマルテンサイトの生成量が減少するのを防止したり、Bの減少により焼入性が低下するのを防止し、疲労特性や耐時効性を改善する。窒化や酸化を抑制する観点から0.005%以上添加することが望ましいが、0.2%を超えるとYPの上昇や靱性の劣化を招くので0.2%以下で含有させるのが望ましい。
Ca:0.01%以下
Caは鋼中のSをCaSとして固定し、さらには腐食生成物中のpHを増加させ、ヘム加工部やスポット溶接部周辺の耐食性を向上させる作用がある。また、CaSの生成により伸びフランジ成形性を低下させるMnSの生成を抑制し、伸びフランジ成形性を向上させる作用がある。このような観点から0.0005%以上添加することが望ましい。しかしながら、Caは溶鋼中で酸化物として浮上分離しやすく、鋼中に多量に残存させることは難しいため、添加する場合は0.01%以下とする。
Ce:0.01%以下
Ceも鋼中のSを固定し、耐食性や伸びフランジ成形性を向上させる目的で添加することができる。Ceは上記の観点から0.0005%以上添加するのが好ましい。しかし、高価な元素であるので多量添加するとコストアップになる。したがって、0.01%以下で添加するのが望ましい。
La:0.01%以下
Laも鋼中のSを固定し、耐食性や伸びフランジ成形性を向上させる目的で添加することができる。Laは上記の観点から0.0005%以上添加するのが好ましい。しかし、高価な元素であるので多量添加するとコストアップになる。したがって、0.01%以下で添加するのが望ましい。
Mg:0.01%以下
Mgは酸化物を微細分散させ、組織を均一化する観点から添加することが出来る。Mgは上記の観点から0.0005%以上添加するのが好ましい。しかしながら、その含有量が多いと表面品質が劣化するので、Mgは0.01%以下で添加することが望ましい。
2)ミクロ組織
ミクロ組織は、フェライトと体積率が3〜12%の第2相を有する複合組織で、前記第2相は1.0〜10%の体積率のマルテンサイトと1.0〜5.0%の体積率の残留γを含むものとする。第2相の体積率が変化しても材質変動が小さく抑えられ、コイル内やコイル毎の材質変動が小さく抑えられるように、フェライト粒ならびに第2相は均一、粗大とする。また、第2相の大部分はフェライト粒の粒界同士が交わる粒界の3重点に分散させる。
但し、パーライトあるいはベイナイトが生成している複合組織鋼板ではYPが高くなるため、パーライトあるいはベイナイトはミクロ組織において低減させる。複合組織鋼におけるパーライトやベイナイトは、1〜2μm程度と微細でマルテンサイトに隣接して生成しているので、光学顕微鏡ではマルテンサイトと識別することは難しく、SEMを用いて3000倍以上の倍率で観察することで識別できる。
例えば、従来の0.03%C−1.5%Mn−0.5%Cr鋼の組織を詳細に調査すると、光学顕微鏡での観察や1000倍程度の倍率でのSEMでの観察では粗大なパーライトのみが識別され、第二相の体積率に占めるパーライトもしくはベイナイトの体積率は10%程度と測定されるが、4000倍のSEM観察で詳細に調査を行うと、パーライトもしくはベイナイトの第二相の体積率に占める割合は30〜40%を占める。このようなパーライトもしくはベイナイトを抑制することで低いYPを同時に得ることが出来る。
さらに前記第2相におけるマルテンサイトおよび残留γの合計の体積率の比率は70%以上で、前記第2相における残留γの体積率の比率を30〜80%に規定する。
第2相の体積率:3〜12%
低いYPを得つつ高いBHや優れた耐時効性を得るためには、第2相の体積率を3%以上とする必要がある。しかしながら、第2相の体積率が12%を超えるとYPが上昇するとともに焼鈍温度に対する材質変動が大きくなる。
したがって、第2相の体積率は3〜12%の範囲とする。さらに低いYPを得つつ材質変動を低減するためには第2相の体積率は10%以下とするのが好ましく、8%以下とすることが更に好ましく、6%以下とすることがより一層好ましい。
マルテンサイトの体積率:1.0〜10%
低いYPを得つつ高いBHや優れた耐時効性を得るためには、マルテンサイトの体積率を1.0%以上とする必要がある。しかしながら、マルテンサイトの体積率が10%を超えるとYPが上昇するとともに焼鈍温度に対する材質変動が大きくなる。
したがって、マルテンサイトの体積率は1.0〜10%の範囲とする。さらに低いYPを得つつ材質変動を低減するためにはマルテンサイトの体積率は8%以下とするのが好ましく6%以下とすることが更に好ましい。
残留γの体積率:1.0〜5.0%
本発明において残留γは重要な組織である。つまり、本発明においては、鋼の成分組成ならびにCALにおける冷却速度が適正化されているので、残留γは比較的粗大に生成している。また、残留γはマルテンサイトやベイナイトと比べると軟質であり、マルテンサイトの周囲に形成される焼入歪も有していない。
その結果、本発明で得られる残留γはマルテンサイトやベイナイト等と比べてYPを上昇させる効果が極めて小さく、その体積率が数%変化しても殆どYPに変化は生じないことが明らかになった。
一方、残留γは塑性変形を加えるとマルテンサイトに変態して強度上昇をもたらす。このため、第2相中の残留γの生成比率が多い鋼は同一TSレベルの鋼と比べてYRが低く、なおかつ鋼組成や焼鈍温度が変動して第2相分率が変化しても残留γの生成比率の高い鋼板ではYPの変動も小さく抑えられることが明らかになった。
このような残留γの効果を得るためには残留γの体積率は少なくとも1.0%以上必要である。一方、残留γの体積率が5.0%を超えると第2相中のマルテンサイト量を十分確保することが出来なくなりYPが上昇する。したがって、残留γの体積率は1.0〜5.0%とする。材質変動を低減する観点からは残留γの体積率は2%以上とすることが望ましい。
第2相に占めるマルテンサイトおよび残留γの合計の体積率の比率:70%以上
パーライトやベイナイトが生成するとYPが上昇する。従来の残留γを活用した鋼にはベイナイトが多量に生成しておりYPが非常に高かったが、ベイナイトを低減しつつ残留γを生成させることでYRが低く抑えられる。パーライトならびにベイナイトを十分抑制して低いYPを確保するためには、第2相に占めるマルテンサイトおよび残留γの体積率の比率を70%以上とする必要がある。
第2相に占める残留γの体積率の比率:30〜80%
上述したように、第2相中の残留γの生成比率の多い鋼では、その体積率の増加によりYPを上昇させる作用のあるマルテンサイトやベイナイトの含有比率が少ないので、鋼組成や焼鈍温度が変動して第2相分率が変化したときのYPの変動が小さく抑えられる。
このような効果は第2相に占める残留γの体積率の比率を30%以上に制御することで得られる。一方、第2相中の残留γの体積率の比率が多くなりすぎると、低YP化に必要なマルテンサイトの体積率が少なくなり過ぎてYPの上昇や鋼組成や焼鈍温度が変動したときのYPの変動が逆に大きくなる。
したがって、第2相に占める残留γの体積率の比率は30〜80%とする。材質変動をさらに低減する観点から残留γの体積率の比率は40%以上70%以下とすることが好ましい。
第2相の平均粒子径:0.9〜5μm
YPを低減しつつ、CやMn等の鋼組成や焼鈍温度が変動したときのYPの変動を低減するために、第2相の平均粒子径は0.9〜5μmとする。これにより第2相分率1%あたりのYPの上昇量が抑制され、材質変動が抑制される。一方、第2相の平均粒子径が5μmを超えると、フェライト粒の個数に対する第2相の個数が少なくなりすぎYPを低減することが出来なくなる。したがって、第2相の平均粒子径は0.9〜5μmとする。
このような組織形態は、Mn、Mo、Cr、P、Bの組成範囲を適正化し、なおかつ焼鈍時の冷却条件を適正化することにより得られる。なお、これらの組織形態の測定方法は以下のようである。
第2相の体積率は、鋼板のL断面(圧延方向に平行な垂直断面)を研磨後ナイタールで腐食し、SEMで4000倍の倍率にて10視野観察し、撮影した組織写真を画像解析して第2相の面積率を測定することにより求めた。
すなわち、本発明の鋼板は圧延方向、圧延直角方向の組織形態の差が小さく、いずれの方向に測定した第2相の面積率はほぼ同一の値を示したので、ここではL断面にて測定した第2相の面積率を第2相の体積率とした。
組織写真で、フェライトはやや黒いコントラストの領域であり、炭化物がラメラー状もしくは点列状に生成している領域をパーライトもしくはベイナイトとし、白いコントラストの付いている粒子をマルテンサイトもしくは残留γとした。
マルテンサイトおよび残留γの体積率は、この白いコントラストの領域の面積率を測定して求めた。なお、SEM写真上で認められる直径0.4μm以下の微細な点状粒子は、TEM観察より主に炭化物であり、また、これらの面積率は非常に少ないため、材質に殆ど影響しないと考え、ここでは0.4μm以下の粒子径の粒子は体積率の評価から除外し、主にマルテンサイトと残留γである白いコントラストの粒子とパーライトおよびベイナイトであるラメラーもしくは点列状の炭化物を含む組織を対象として体積率を求めた。第2相の体積率はこれらの組織の総量を示す。
なお、連続焼鈍後の冷却過程において、およそ350℃以下でマルテンサイトが生成した後に、その温度域の冷却速度が遅い場合には生成したマルテンサイトが僅かに焼戻しされる場合がある。この僅かに焼戻されたマルテンサイトは、ここではマルテンサイトとして扱った。なお、焼き戻されたマルテンサイトとベイナイトの識別は以下による。すなわち、焼戻しマルテンサイト内の炭化物はベイナイト内に分散している炭化物と比べて非常に微細であるので、個々のマルテンサイト粒、ベイナイト粒の内部に分散している炭化物の平均粒子径を測定することでこれらを識別することができる。ここでは、粒内の炭化物の平均粒子径が0.15μm以下の場合は焼戻しマルテンサイトとし、0.15μmを超える場合はベイナイトとした。
残留γの体積率は、鋼板を板厚方向に1/4厚減厚した面にて、X線源としてCoKα線を使用し、スキャンスピード0.1°/minとしてX線回折によりαの{200}、{211}、{220}面、γの{200}、{220}、{311}面の積分強度を測定し、得られた各面の積分強度からそれぞれの組合せについて残留γの体積率を算出し、その平均値とした。
マルテンサイトの体積率は、上記のSEM観察により求められたマルテンサイトおよび残留γの体積率からX線回折により求められた残留γの体積率を差し引くことにより求めた。
平均粒子径は球状粒子の場合はその直径を採用した。SEM画面上で楕円形の粒子の場合は、その長軸aと長軸と直角方向の単軸bを測定して(a×b)0.5をその相当粒子径とした。矩形形状を呈している粒子についてもここでは楕円形状の粒子と同様に扱い、上記の式に従い長軸と単軸を測定して粒子径を求めた。
なお、第2相同士が隣接して存在している場合は、両者の接触部分が一旦粒界と同じ幅になっているものは別々にカウントし、粒界の幅より広い場合、つまりある幅で接触している場合は一つの粒子としてカウントした。ただし、第2相が接して生成していても第2相の種類が異なる場合、すなわちマルテンサイトとパーライトが隣接している場合やマルテンサイトとベイナイトが隣接している場合は、別々の粒子として平均粒子径をそれぞれ求めた。以下、上記ミクロ組織を備えた鋼板の好ましい製造条件について説明する。
3)製造条件
上記成分組成を有する鋼スラブを、常法により、熱間圧延および冷間圧延した後、連続焼鈍ライン(CAL)において焼鈍後、1〜3次冷却を行う。
熱間圧延
熱間圧延は、常法にしたがって実施すればよく、例えば、スラブ加熱温度は1100〜1300℃、仕上圧延温度はAr変態点〜Ar変態点+150℃、巻取温度は400〜720℃とすればよい。r値の面内異方性を低減する観点、BHを向上させる観点からは、熱延後の冷却速度は20℃/sec以上とすることが望ましく、巻取温度は600℃以下とするのが望ましい。
外板用の美麗な表面品質を得るためには、スラブ加熱温度は1250℃以下として鋼板表面に生成した1次、2次スケールを除去するためにデスケーリングを十分行い、仕上圧延温度を900℃以下とするのが望ましい。
冷間圧延
冷間圧延では、圧延率を50〜85%とすればよい。r値を向上させて深絞り性を向上させる観点からは圧延率は65〜73%とするのが好ましく、r値やYPの面内異方性を低減する観点からは、圧延率は70〜85%にすることが好ましい。
焼鈍
冷間圧延後の鋼板には、CALで焼鈍が施される。低YPと焼鈍温度や鋼組成の変動による材質変動を低減する観点から、焼鈍時の680〜750℃の平均加熱速度は7℃/sec以下とすることが望ましい。当該加熱速度が7℃/secを超えると第2相が不均一に微細分散するようになり、第2相分率が変化したときのYPやTSの変化量が大きくなる。
焼鈍温度は750℃以上830℃以下とする。750℃未満では炭化物の固溶が不十分となり、安定して第2相の体積率が確保できなくなる。830℃超えではパーライトやベイナイトが生成しやすくなったり残留γの生成量が多くなりすぎて十分低いYPが得られなくなる。
均熱時間は通常の連続焼鈍で実施される750℃以上の温度域で20sec以上200sec以下とすればよく、40sec以上200sec以下とすることがより好ましい。
焼鈍温度から480℃までの温度範囲の平均冷却速度(1次冷却速度):3〜40℃/sec
冷却中にパーライトが生成するのを抑制しつつγ粒にMnやCを濃化させて所定量の残留γの体積率を確保し、低YP化とYPの変動の低減を図るため、焼鈍温度から480℃までの温度範囲の平均冷却速度を3〜40℃/secとする必要がある。
480℃からTc(℃)までの範囲の平均冷却速度(2次冷却速度)
但し、Tc=435−40×[%Mn]−30×[%Cr]−30×[%V]([%A]は合金元素Aの含有量(質量%):8〜80℃/sec
480℃〜Tcの温度域では、微細で硬質なベイナイトが生成しやすく、しかもSiやAlを多量に含有していない本鋼では残存しているγから炭化物生成を伴うベイナイトが生成することにより残留γの体積率が減少する。このため、YPやYPの変動が増加する。
したがって、480℃以下の温度では、急冷停止温度をTc以下の温度として、480℃〜Tcの温度域が8〜80℃/secの平均冷却速度となるように速やかに冷却する必要がある。
一方、2次冷却における平均冷却速度が80℃/secを超えると冷却後の板形状の平坦度が悪化するので、2次冷却速度は8〜80℃/secとする。
より一層ベイナイトの生成量を低減して残留γの生成量を増加させる観点からは480℃〜Tcの温度域は10℃/sec以上の冷却速度とするのが好ましい。
Tc(℃)から200℃までの温度範囲の平均冷却速度(3次冷却速度):0.3〜30℃/sec
Tc(℃)から200℃までの温度範囲を平均冷却速度0.3〜30℃/secで冷却することにより、フェライトおよびマルテンサイト中に過剰に残存する固溶Cを析出させて低YP化や高延性化を図ることができる。
上述した製造方法で製造された高強度冷延鋼板は、焼鈍ままの状態でYPElは0.5%未満であり、YPも十分に低いので、そのままプレス成形用鋼板として使用することができる。
しかしながら、表面粗度の調整、板形状の平坦化などプレス成形性を安定化させる観点からスキンパス圧延を実施してもよい。スキンパス圧延を施すことで伸長率0.1%あたりYPは約5〜7MPa増加するので、低YP、高El、高WH化の観点からスキンパス圧延の伸長率は0.1〜0.6%とすることが好ましい。
表1、2に示す組成の鋼を溶製後、230mm厚のスラブに連続鋳造し、1180〜1250℃に加熱後、820〜900℃の範囲の仕上圧延温度にて熱間圧延を施した。その後、20〜40℃/secの平均冷却速度で640℃以下まで冷却し、巻取温度CT:400〜630℃にて巻き取った。得られた熱延板は68〜78%の圧延率にて冷間圧延を施し、板厚0.8mmの冷延板とした。
得られた冷延板を、CALにおいて、加熱温度680〜750℃の平均加熱速度が0.9〜15℃/secとなるように加熱して、焼鈍温度ATで40sec焼鈍し、表3、4に示す焼鈍温度ATから480℃までの1次冷却、その後、480℃から前記(6)式で表されるTcまで2次冷却、さらに、Tcから200℃までの3次冷却後、室温まで10〜30℃/secの冷却速度で冷却した。1〜3次冷却は平均冷却速度で規定した。このときの480℃以下の温度域での急冷停止温度は258〜425℃の範囲とした。
得られた冷延鋼板に0.1%の伸長率の調質圧延を施し、サンプル採取し、先に述べた方法で第2相の体積率、マルテンサイトの体積率、残留γの体積率、第2相体積率に対するマルテンサイトおよび残留γの体積率の比率(第2相中のマルテンサイトおよび残留γの比率)、第2相体積率に対する残留γの体積率の比率(第2相中の残留γの比率)、第2相平均粒子径を調査した。
また、SEM観察により鋼組織の種別を分離した。さらに、圧延方向と直角方向よりJIS5号試験片を採取して引張試験(JIS Z2241に準拠)を実施し、YP、TSを評価した。
さらに、各鋼について770〜820℃で焼鈍温度を変化させたときのYPの変化量ΔYPを調査した。
さらに、ヘム加工部やスポット溶接部周辺を模擬した構造体にて各鋼板の耐食性を評価した。すなわち、得られた鋼板を2枚重ねてスポット溶接して鋼板同士が密着した状態とし、さらにリン酸亜鉛による化成処理、電着塗装を施した後にSAE J2334腐食サイクル条件にて腐食試験を行った。
電着塗装膜厚は25μmとした。30サイクル経過後の腐食サンプルについて腐食生成物を除去し、あらかじめ測定しておいた元板厚からの板厚の減少量を求め腐食減量とした。
また、板厚×75mm×150mmの試験片にリン酸亜鉛による化成処理、電着塗装を塗装膜厚25μmとして施し、カッターナイフで試験片に鋼板に到達する深さの長さ100mmの切れ込みを2本入れ、50℃の5%NaCl溶液中に240時間浸漬したのち、粘着テープを切り込み上に貼って剥がした後の塗膜の剥離幅を測定した。
このときのクロスカット線の両側で生じた塗膜剥離の片側の剥離幅の最大値が2.5mm以下の鋼板を化成処理性良好(○と表記)、2.5mmを超える鋼板を化成処理性不良(×と表記)と判定した。
表3、4に製造条件および試験結果を示す。本発明鋼板(鋼板No.2、3、5、6、7、11、12、14、15、16、18、19、20、21、24〜35、58〜65)は、従来のSi、Mo、Crの含有量や焼鈍条件が適正化されていない鋼:比較鋼板(鋼板No.1、4、8、9、10、13、17、22、23、36〜57)と比べると鋼板合せ部の腐食減量が著しく低減して耐食性が向上しており、なおかつ化成処理後の耐食性も良好である。
さらに、本発明鋼板(鋼板No.2、3、5、6、7、11、12、14、15、16、18、19、20、21、24〜35、58〜65)は、鋼成分を低減しているにも拘わらずP、Bや焼鈍条件が適正化されており鋼組織も適正化されているので、従来の鋼組成や鋼組織の適正化されていない鋼と比べると同一TSレベルの鋼では同等かさらに低いYP、すなわち低いYRを有しつつ材質変動が顕著に低減されている。
すなわち、従来のCrを多量に添加した鋼V、W、Xは腐食減量が0.44〜0.80mmと大きい。特にCr:0.60%の鋼Wは穴が板を貫通して生じており、極めて耐食性が悪い。これに対して、本発明鋼の腐食減量は0.20〜0.38mmであり耐食性が大幅に向上している。
なお、表には記していないが、従来の340BH(以下、従来鋼)についても耐食性の評価を併せて行ったところ、腐食減量は0.33〜0.36mmであった。なお、当該従来鋼の化学成分は、C:0.002%、 Si:0.01%、 Mn:0.4%、 P:0.05%、 S:0.008%、 Cr:0.04%、 sol.Al:0.06%、 Nb:0.01%、 N:0.0018%、 B:0.0008%とした。
本発明鋼は、従来鋼とほぼ同等の耐食性を有し、特に、Cr量を0.25%未満としつつPを積極的に添加した鋼C、F、I、Jや、さらにはCrの低減、Pの多量添加に加え、Ce、Ca、Laも複合で添加した鋼M、R、Sも耐食性が良好で、Cu、Niを複合で添加した鋼Nでは特に耐食性が良好である。
さらに、0.6[%Si]+[%Cr]+2[%Mo](表中Aで表示)が0.35以上の鋼V、W、Y、ADは塗膜の剥離量が多く化成処理性が不十分であるが、本式が0.35未満の鋼は化成処理性が良好である。
耐食性や化成処理性の観点からCrやMoを低減した鋼においても、Mn当量(表中、[Mneq])、Mn、Moの添加量、12[%P]+150B(表中Cで表示)、焼鈍時の冷却条件を適正化した鋼は、パーライトやベイナイトの生成が抑制されるとともに、第2相中の残留γの生成比率が増加して低いYPを維持しつつ焼鈍温度や鋼組成が変動したときの材質変動が極めて小さく抑えられる。
たとえば、鋼A、B、Cは12[%P]+150B(表中Cで表示)を0.42以上に制御した鋼であり、その中でも焼鈍温度や1、2、3次冷却速度が適正化されているものでは、第2相中のマルテンサイトおよび残留γの比率が70%以上とパーライトやベイナイトが抑制されるとともに第2相平均粒子径が0.9μm以上で第2相中の残留γの比率が30%以上となり、225MPa以下の低いYPと20MPa以下のΔYPを有している。
また、12[%P]+150B(表中Cで表示)が0.49以上の鋼B、Cでは鋼Aより一層ΔYPが低減されている。これらでは第2相中の残留γの比率が40%以上と高い。
また、鋼D、Eより、[Mneq]≧2.0で第2相中のマルテンサイトおよび残留γの比率が増加して低いYPと小さいΔYPが得られ、鋼B、D、Eを比較することで、12[%P]+150B(表中Cで表示)を本発明範囲に制御しながら[Mneq]を増加することにより一層YPは低減されΔYPが低減することがわかる。
また、C量を順次増加させた鋼G、H、I、Jも、Mn、Mo量や12[%P]+150B(表中Cで表示)が制御されていない従来鋼と比べて同一強度レベルでは同等かより低いYPを維持しつつ、焼鈍温度が変動したときのYPの変動量ΔYPが小さく抑えられている。
本発明鋼は、焼鈍温度、1次、2次、3次冷却速度が所定範囲にあれば、所定の組織形態が得られ、良好な材質が得られている。なかでも、急冷停止温度を十分低くして2次冷却速度を10℃/sec以上に制御した鋼板では、ベイナイトの生成が抑制され、第2相粒子が均一粗大に分散しているとともにマルテンサイトや残留γの体積率が増加して、より一層低いYPが得られる。
これに対して、[Mneq]が適正化されていない鋼T、X、YはYPが高くΔYPも大きい。[Mneq]が適正化されていても12[%P]+150B(表中Cで表示)が適正化されていない鋼UはYPが高くΔYPが大きい。Pが過剰に添加された鋼ACは材質変動は小さいがYPが高い。
Moが多量に添加された鋼ADはYPが高い。Ti、C、Nが適正化されてない鋼AE、AF、AGはいずれもYPが高い。
鋼組成が適正化されていても焼鈍温度や冷却条件が適正化されていない鋼では所望の組織を得ることが出来ず、YPやΔYPが高い。例えば、480℃以下の急速冷却における急冷停止温度が高く、結果として2次冷却速度が小さい鋼板No.1、10、17、22、23では第2相中のマルテンサイトの比率が低いあるいはマルテンサイトや残留γの生成量が少なくYPやΔYPが高い。
このように、PやBを積極的に活用しつつ焼鈍条件を適正化して組織形態や組織種を制御することは耐食性や化成処理性を確保しつつYPや材質変動を低減するのに極めて有効である。
Figure 2011047038
Figure 2011047038
Figure 2011047038
Figure 2011047038

Claims (6)

  1. 鋼組成が、質量%で、C:0.015%超0.100%未満、Si:0.40%未満、Mn:1.0%以上1.9%以下、P:0.015%超0.05%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以上0.3%以下、N:0.005%以下、Cr:0.30%未満、B:0.0050%以下、Mo:0.15%未満、V:0.4%以下、Ti:0.02%以下を含有し、更に下記(1)式を満足し、残部鉄および不可避不純物からなり、ミクロ組織が、体積率%で、フェライトと3〜12%の第2相を有する複合組織で、第2相として1.0〜10%のマルテンサイトと1.0〜5.0%の残留γを含み、さらに第2相におけるマルテンサイトおよび残留γの合計が70%以上、第2相における残留γの比率が30〜80%、第2相の平均粒子径が0.9〜5μmであることを特徴とする高強度冷延鋼板。
    0.6[%Si]+[%Cr]+2[%Mo]<0.35 (1)
    但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
  2. 更に、下記(2)、(3)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の高強度冷延鋼板。
    2.0≦[Mneq]≦2.8 (2)
    [%Mn]+3.3[%Mo]≦1.9 (3)
    但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)で、[Mneq]=[%Mn]+1.3[%Cr]+8[%P]+150B+2[%V]+3.3[%Mo]
    =[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025
    [%B]=0のときはB=0、B≧0.0022のときはB=0.0022
  3. 更に、下記(4)式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度冷延鋼板。
    0.42≦12[%P]+150B≦0.93 (4)
    但し、B=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025
    [%B]=0のときはB=0、B≧0.0022のときはB=0.0022
    なお、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
  4. 更に、下記(5)式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
    0.49≦12[%P]+150B≦0.93 (5)
    但し、B=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%sol.Al]/27×10.8×0.025
    [%B]=0のときはB=0、B≧0.0022のときはB=0.0022
    なお、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
  5. 更に、質量%で、Nb:0.02%未満、W:0.15%以下、Zr:0.1%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Sn:0.2%以下、Sb:0.2%以下、Ca:0.01%以下、Ce:0.01%以下、La:0.01%以下、Mg:0.01%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延および冷間圧延した後、750℃以上830℃以下の焼鈍温度で焼鈍し、前記焼鈍温度から480℃までの温度範囲は3〜40℃/secの平均冷却速度で1次冷却し、480℃から下記(6)式で与えられるTc(℃)までの温度範囲は8〜80℃/secの平均冷却速度で2次冷却し、さらに前記Tc(℃)から200℃までの温度範囲は0.3〜30℃/secの平均冷却速度で3次冷却することを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
    Tc=435−40×[%Mn]−30×[%Cr]−30×[%V] (6)
    但し、[%A]は合金元素Aの含有量(質量%)を示す
JP2010162592A 2009-07-28 2010-07-20 高強度冷延鋼板およびその製造方法 Active JP4811528B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010162592A JP4811528B2 (ja) 2009-07-28 2010-07-20 高強度冷延鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009174846 2009-07-28
JP2009174846 2009-07-28
JP2010162592A JP4811528B2 (ja) 2009-07-28 2010-07-20 高強度冷延鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011047038A true JP2011047038A (ja) 2011-03-10
JP4811528B2 JP4811528B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=43529486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010162592A Active JP4811528B2 (ja) 2009-07-28 2010-07-20 高強度冷延鋼板およびその製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (2) US9039847B2 (ja)
EP (1) EP2460903B1 (ja)
JP (1) JP4811528B2 (ja)
KR (1) KR101247862B1 (ja)
CN (1) CN102471852B (ja)
AU (1) AU2010278044C1 (ja)
BR (1) BR112012001991B1 (ja)
CA (1) CA2768825C (ja)
MX (2) MX363739B (ja)
WO (1) WO2011013838A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014141703A (ja) * 2013-01-23 2014-08-07 Nippon Steel & Sumitomo Metal 外観に優れ、伸びと穴拡げ性のバランスに優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法
CN105734443A (zh) * 2016-05-04 2016-07-06 芜湖市爱德运输机械有限公司 一种高速斗式提升机
US10513749B2 (en) 2014-05-28 2019-12-24 Nippon Steel Corporation Hot-rolled steel sheet and production method of therefor

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4431185B2 (ja) 2008-06-13 2010-03-10 新日本製鐵株式会社 伸びフランジ性と疲労特性に優れた高強度鋼板およびその溶鋼の溶製方法
KR101518654B1 (ko) 2011-02-24 2015-05-07 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 신장 플랜지성과 굽힘 가공성이 우수한 고강도 강판 및 그 용강의 용제 방법
CN103842545A (zh) * 2011-09-28 2014-06-04 杰富意钢铁株式会社 高强度钢板及其制造方法
WO2014027682A1 (ja) * 2012-08-15 2014-02-20 新日鐵住金株式会社 熱間プレス用鋼板、その製造方法、及び熱間プレス鋼板部材
KR101449119B1 (ko) 2012-09-04 2014-10-08 주식회사 포스코 우수한 강성 및 연성을 갖는 페라이트계 경량 고강도 강판 및 그 제조방법
CN103114243A (zh) * 2012-10-25 2013-05-22 北京首钢吉泰安新材料有限公司 汽车尾气净化催化剂蜂窝载体用铁铬铝箔材及制备方法
WO2014086799A1 (en) 2012-12-03 2014-06-12 Tata Steel Nederland Technology Bv A cold-rolled and continuously annealed high strength steel strip or sheet having a good deep-drawability and a method for producing said steel strip or sheet
CN103286127B (zh) * 2013-06-14 2015-06-24 首钢总公司 原油油船货油舱上甲板用耐腐蚀钢板的制造方法及钢板
CN103469116B (zh) * 2013-08-07 2016-03-02 安徽蓝博旺机械集团合诚机械有限公司 一种叉车转向节用铸钢材料
DE102013224851A1 (de) * 2013-12-04 2015-06-11 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Kettenelement
CN104264061B (zh) * 2014-07-24 2016-06-15 浙江昌利锻造有限公司 一种汽车发动机锻件及其锻造方法
ES2802203T3 (es) 2014-09-17 2021-01-15 Nippon Steel Corp Chapa de acero laminada en caliente
US20160348629A1 (en) * 2015-05-29 2016-12-01 Cummins Inc. Fuel injector
RU2018101731A (ru) 2015-07-15 2019-08-15 Ак Стил Пропертиз, Инк. Двухфазная сталь с высокой формуемостью
KR101795918B1 (ko) 2015-07-24 2017-11-10 주식회사 포스코 내시효성 및 소부경화성이 우수한 용융아연도금강판, 합금화 용융아연도금강판 및 그 제조방법
CN108884533B (zh) * 2016-03-31 2021-03-30 杰富意钢铁株式会社 薄钢板和镀覆钢板及其制造方法以及热轧钢板、冷轧全硬钢板、热处理板的制造方法
CN107326289A (zh) * 2017-06-09 2017-11-07 太仓东旭精密机械有限公司 一种金属五金材料
CN111051554B (zh) * 2017-10-31 2022-03-22 杰富意钢铁株式会社 高强度钢板及其制造方法
MX2020004483A (es) * 2017-11-08 2020-08-03 Nippon Steel Corp Lamina de acero.
CN109628840B (zh) * 2019-02-12 2020-03-31 鞍钢股份有限公司 一种550MPa级冷轧耐蚀双相钢及其制造方法
CN109576591B (zh) * 2019-02-12 2020-03-31 鞍钢股份有限公司 一种700MPa级冷轧耐蚀双相钢及其制造方法
KR102368362B1 (ko) * 2019-12-20 2022-02-28 주식회사 포스코 내마모성과 복합내식성이 우수한 강판 및 그 제조방법
CN111270135A (zh) * 2020-02-17 2020-06-12 本钢板材股份有限公司 一种利用re-p强化生产经济型耐候钢及制备工艺
CN114058942B (zh) * 2020-07-31 2022-08-16 宝山钢铁股份有限公司 一种扭力梁用钢板及其制造方法、扭力梁及其制造方法
CN115418558B (zh) * 2022-06-21 2023-07-11 首钢集团有限公司 一种减少含锑的耐酸钢热轧表面翘皮的方法
CN116121663B (zh) * 2022-12-01 2024-02-09 内蒙古包钢钢联股份有限公司 屈服强度355MPa级的集装箱用稀土La耐候钢板及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001207237A (ja) * 1999-11-19 2001-07-31 Kobe Steel Ltd 延性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2001220641A (ja) * 2000-02-02 2001-08-14 Kawasaki Steel Corp 延性に優れ降伏比の低い高強度薄鋼板および高強度亜鉛めっき薄鋼板ならびにそれらの製造方法
JP2003129172A (ja) * 2001-08-16 2003-05-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 加工性と形状凍結性に優れた鋼板とその製造方法
WO2009008551A1 (ja) * 2007-07-11 2009-01-15 Jfe Steel Corporation 降伏強度が低く、材質変動の小さい高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2010196159A (ja) * 2009-02-02 2010-09-09 Jfe Steel Corp 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55122821A (en) 1979-03-15 1980-09-20 Kawasaki Steel Corp Manufacture of alloyed zinc-plated high tensile steel sheet with high workability
JPH0635619B2 (ja) 1986-02-05 1994-05-11 新日本製鐵株式会社 延性の良い高強度鋼板の製造方法
JP3370436B2 (ja) * 1994-06-21 2003-01-27 川崎製鉄株式会社 耐衝撃性に優れた自動車用鋼板とその製造方法
DE60116477T2 (de) * 2000-04-07 2006-07-13 Jfe Steel Corp. Warm-, kaltgewalzte und schmelz-galvanisierte stahlplatte mit exzellentem reckalterungsverhalten
JP4113036B2 (ja) 2003-04-25 2008-07-02 新日本製鐵株式会社 常温での耐伸び劣化性、常温遅時効性および低温焼付硬化特性に優れた歪時効硬化型鋼板およびその製造方法
JP3969350B2 (ja) 2003-06-16 2007-09-05 住友金属工業株式会社 高張力冷延鋼板とその製造方法
JP4525383B2 (ja) 2005-02-25 2010-08-18 Jfeスチール株式会社 焼付硬化特性に優れる低降伏比高強度鋼板およびその製造方法
JP5272548B2 (ja) 2007-07-11 2013-08-28 Jfeスチール株式会社 降伏強度が低く、材質変動の小さい高強度冷延鋼板の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001207237A (ja) * 1999-11-19 2001-07-31 Kobe Steel Ltd 延性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2001220641A (ja) * 2000-02-02 2001-08-14 Kawasaki Steel Corp 延性に優れ降伏比の低い高強度薄鋼板および高強度亜鉛めっき薄鋼板ならびにそれらの製造方法
JP2003129172A (ja) * 2001-08-16 2003-05-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 加工性と形状凍結性に優れた鋼板とその製造方法
WO2009008551A1 (ja) * 2007-07-11 2009-01-15 Jfe Steel Corporation 降伏強度が低く、材質変動の小さい高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2010196159A (ja) * 2009-02-02 2010-09-09 Jfe Steel Corp 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014141703A (ja) * 2013-01-23 2014-08-07 Nippon Steel & Sumitomo Metal 外観に優れ、伸びと穴拡げ性のバランスに優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法
US10513749B2 (en) 2014-05-28 2019-12-24 Nippon Steel Corporation Hot-rolled steel sheet and production method of therefor
CN105734443A (zh) * 2016-05-04 2016-07-06 芜湖市爱德运输机械有限公司 一种高速斗式提升机

Also Published As

Publication number Publication date
US20140102596A1 (en) 2014-04-17
MX346098B (es) 2017-03-07
US9039847B2 (en) 2015-05-26
KR101247862B1 (ko) 2013-03-26
CA2768825C (en) 2015-04-14
JP4811528B2 (ja) 2011-11-09
US9534269B2 (en) 2017-01-03
BR112012001991A2 (pt) 2016-04-12
WO2011013838A1 (ja) 2011-02-03
AU2010278044C1 (en) 2014-06-05
AU2010278044A1 (en) 2012-02-16
CN102471852A (zh) 2012-05-23
MX2012001129A (es) 2012-02-23
BR112012001991B1 (pt) 2018-04-24
US20120180909A1 (en) 2012-07-19
EP2460903B1 (en) 2015-04-08
KR20120035948A (ko) 2012-04-16
CA2768825A1 (en) 2011-02-03
AU2010278044B2 (en) 2013-10-03
EP2460903A1 (en) 2012-06-06
MX363739B (es) 2019-04-02
CN102471852B (zh) 2013-10-16
EP2460903A4 (en) 2013-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4811528B2 (ja) 高強度冷延鋼板およびその製造方法
JP6052471B2 (ja) 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP5272547B2 (ja) 降伏強度が低く、材質変動の小さい高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP5740847B2 (ja) 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP5884714B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP4623233B2 (ja) 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
KR101671595B1 (ko) 고강도 강판 및 그 제조 방법
WO2001098552A1 (en) Thin steel sheet and method for production thereof
TW201326418A (zh) 熱軋鋼板及其製造方法
JP5272548B2 (ja) 降伏強度が低く、材質変動の小さい高強度冷延鋼板の製造方法
EP3705592A1 (en) High-strength cold-rolled steel sheet, high-strength plated steel sheet, and production methods therefor
JP5703632B2 (ja) 温間プレス成形用素材及びパネル用部材の製造方法
JP5659604B2 (ja) 高強度鋼板およびその製造方法
JP5655436B2 (ja) 深絞り性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
CN107995931B (zh) 拉拔性及烘烤硬化性优异的高强度薄钢板及其制造方法
JP2009035817A (ja) 降伏強度が低く、焼付硬化性の高い高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2019059963A (ja) 低降伏比を有する鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110426

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20110427

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20110527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110726

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4811528

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250