JP2011043655A - データ変換装置およびデータ変換プログラム - Google Patents

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Abstract


【課題】 OLA方式を用いて簡易な構成で実現でき、かつ、フレーム接合点での不連続性などに伴う音質劣化を解決する。
【解決手段】 入力フレームデータ生成部26は、入力バッファ25のデータに基づき、第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比にしたがった第1のホップサイズを有する所定数のサブフレームからなる、入力フレーム27を生成する。フレーム間演算部30は、入力フレーム27に窓関数を施した上で、第2のホップサイズだけずらして重ねあわせて、出力フレーム29に格納する。中間バッファデータ生成部28は、出力フレーム29から、第2のホップサイズを有する所定数のサブフレームからなる中間バッファ31にデータを格納する。フィルタ処理部32は、中間バッファ31のデータに、くし型フィルタの逆フィルタを施して出力バッファ33に格納する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、入力した音声信号の速度を変換して出力するデータ変換装置およびデータ変換プログラムに関する。
音声信号の音高を変化させず、その時間長を変化させて再生する技術が実用化され、カラオケにおける音声効果の付与や、CD、ビデオ、DVDなどの再生時の早送り再生・スロー再生に適用されている。この技術には、時間軸上の操作に基づくものと、周波数軸上での操作に基づくものとに大別できる。前者の代表例として、OLA(OverLap and Add)方式、および、その発展形であるPSOLA(Pitch Synchronous OLA)方式が知られている。また、後者の代表例として、フェーズ・ヴォコーダーが知られている。
特開2005−266571号公報 特開平10−124082号公報 特開2005−208627号公報
OLA方式はたとえば特許文献1に記載されている。OLA方式においては、音声データをフレーム単位に分割し、フレームに窓関数を施した後、それぞれのフレームの一部が相互に重なり合うように順次配置し、重なり合う部分のデータ値を加算して出力する。この重なり合う幅を変化させることにより、音声データを伸張・短縮する。OLA方式は、その処理が単純であり、簡易な構成で実現することができる。その一方、フレームの重なり合う部分の周辺を含むフレーム接合点での不連続性が生じ、ノイズが発生する場合がある。
PSOLA方式はたとえば特許文献2に記載されている。PSOLA方式は、OLA方式で生じるフレーム接合点でのノイズを軽減するために、音声データのピッチを抽出し、フレームサイズを抽出されたピッチに基づくサイズに設定する。PSOLA方式では、抽出可能なピッチを有する音声データ、つまり、単音の楽器などの音声データにしか適用できないという問題点があった。
周波数軸上の操作を伴う技術が、たとえば特許文献3に記載されている。フェーズ・ヴォコーダーなど、周波数軸上の操作を伴う技術においては、音声データをフーリエ変換して、周波数軸上で位相を操作して、逆フーリエ変換を施し、再度時間軸上のデータに戻すことにより、音声データの伸張・短縮を実現している。この方式は、OLAやPSOLAのような単に時間軸上の操作に較べて良好な変換結果を得ることができる。しかしながら、フーリエ変換や複素数の演算を伴うため、処理が非常に複雑化するという問題点がある。
本発明は、OLA方式を用いて簡易な構成で実現でき、特に、スロー再生における音質劣化を解決したデータ変換装置およびデータ変換プログラムを提供することを目的とする。
本発明の目的は、 入力データを複数のフレームに分割し、かつ、その分割されたフレームを部分的に重ね合わせることで、出力データを生成するデータ変換装置であって、
所定の第1のフレームサイズの入力データを格納する第1のバッファと、
前記入力データに対する前記出力データの再生速度の比を示す再生速度比にしたがった所定の第2のフレームサイズの出力データを格納する第2のバッファと、
再生速度比を受け入れ、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比を決定する制御手段と、
前記第1のバッファの入力データに基づき、前記第2のフレームサイズの出力データを生成するデータ変換手段であって、
前記第1のバッファの入力データから、それぞれが、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比にしたがった第1のホップサイズを有する、前記オーバーラップ比に相当する所定数のサブフレームからなる、第1のフレームサイズを有する入力フレームを生成する入力フレームデータ生成手段、
前記入力フレームに窓関数を施す窓関数適用手段、
前記窓関数の施された入力フレームを、前記第1のホップサイズおよび前記再生速度比に基づく第2のホップサイズだけずらして重ねあわせ、かつ、その重ねあわされたデータを、前記第2のホップサイズのサブフレームを有する出力フレームに格納するフレーム間演算手段、
前記出力フレームに格納されたデータを、それぞれが、前記第2のホップサイズを有する前記所定数のサブフレームからなる前記第2のバッファに格納するバッファデータ生成手段、並びに、
再生速度比が「1」より小さいスロー再生であって、再生速度比が「1」に近接する所定の第1の範囲であるときに、前記第2のバッファの出力データに、くし型フィルタの逆フィルタを施すフィルタ手段と、を有するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とするデータ変換装置により達成される。
好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記再生速度比に基づいて、前記逆フィルタの伝達関数
H(z)=1/(1+βz−K
(βは乗数、Kは遅延サンプル数)
における乗数βを決定し、決定された乗数βを、前記フィルタ手段に伝達する。
より好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記再生速度比が小さくなるのにしたがって、前記逆フィルタの伝達関数の乗数βが小さくなるように、前記乗数βを決定する。
また、別の好ましい実施態様においては、前記フィルタ手段が、前記再生速度比が、前記第1の範囲より小さい値からなる所定の第2の範囲であるときに、前記第2のバッファの出力データに、くし型フィルタである第2のフィルタを施す。
より好ましい実施態様においては、前記第2のフィルタが、前記第2のバッファにおいて、第2のホップサイズのサブフレームの接合点で零点を持つ。
また、好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記再生速度比に基づいて、前記第2のフィルタの伝達関数
H(z)=1+γz−K
(γは乗数、Kは遅延サンプル数)
における乗数γを決定し、決定された乗数γを、前記フィルタ手段に伝達する。
より好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記再生速度比が小さくなるのにしたがって、前記第2のフィルタの伝達関数の乗数γが大きくなるように、前記乗数γを決定する。
また、本発明の目的は、入力データを複数のフレームに分割し、かつ、その分割されたフレームを部分的に重ね合わせることで、出力データを生成するデータプログラムであって、
所定の第1のフレームサイズの入力データを格納する第1のバッファと、前記入力データに対する前記出力データの再生速度の比を示す再生速度比にしたがった所定の第2のフレームサイズの出力データを格納する第2のバッファとを備えたコンピュータに、
再生速度比を受け入れ、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比を決定する制御ステップと、
前記第1のバッファの入力データに基づき、前記第2のフレームサイズの出力データを生成するデータ変換ステップであって、
前記第1のバッファの入力データから、それぞれが、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比にしたがった第1のホップサイズを有する、前記オーバーラップ比に相当する所定数のサブフレームからなる、第1のフレームサイズを有する入力フレームを生成する入力フレームデータ生成ステップ、
前記入力フレームに窓関数を施す窓関数適用ステップ、
前記窓関数の施された入力フレームを、前記第1のホップサイズおよび前記再生速度比に基づく第2のホップサイズだけずらして重ねあわせ、かつ、その重ねあわされたデータを、前記第2のホップサイズのサブフレームを有する出力フレームに格納するフレーム間演算ステップ、
前記出力フレームに格納されたデータを、それぞれが、前記第2のホップサイズを有する前記所定数のサブフレームからなる前記第2のバッファに格納するバッファデータ生成ステップ、並びに、
再生速度比が「1」より小さいスロー再生であって、再生速度比が「1」に近接する所定の第1の範囲であるときに、前記第2のバッファの出力データに、くし型フィルタの逆フィルタを施すフィルタ処理ステップ、を有するデータ変換ステップと、を実行させることを特徴とするデータ変換プログラムにより達成される。
本発明によれば、OLA方式を用いて簡易な構成で実現でき、特に、スロー再生における音質劣化を解決したデータ変換装置およびデータ変換プログラムを提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態にかかるデータ変換装置の概略を示す図である。 図2は、本実施の形態にかかる信号変換部および使用する記憶部の構成を示すブロックダイヤグラムである。 図3は、本実施の形態にかかるデータ変換装置において実行されるメインフローの例を示すフローチャートである。 図4は、本実施の形態にかかるスイッチ処理の例を示すフローチャートである。 図5は、OLA方式におけるフレーム加算の概略を示す図である。 図6は、スロー再生の際のフレーム加算の概略を示す図である。 図7は、スロー再生の際のフレーム加算の概略を示す図である。 図8は、本実施の形態にかかる入力バッファ、入力フレーム、出力フレームおよび出力バッファの例を示す図である。 図9は、本実施の形態にかかる入力バッファ、入力フレーム、出力フレームおよび出力バッファの他の例を示す図である。 図10は、本実施の形態にかかるデータ変換処理の例を示すフローチャートである。 図11(a)は、i=1のとき、図11(b)は、i=2のときのステップ1003における、入力フレームのサブフレームへのデータ配置を説明する図、図11(c)は、処理を繰り返すことにより得られる入力フレームの例を示す図である。 図12(a)〜(c)は、ステップ1005〜1008により生成される入力フレーム、出力フレームの例を示す図である。 図13は、本実施の形態にかかるフィルタ処理の例を示す図である。 図14は、本実施の形態にかかる、再生速度比およびフィルタの乗数を格納したテーブルの例を示す図である。 図15は、本実施の形態にかかるフィルタ処理の例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるデータ変換装置の概略を示す図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるデータ変換装置10は、CPU11、入力部12、表示部13、RAM14、ROM15、大規模記憶装置16、入力インタフェース(I/F)17、信号変換部18、オーディオ回路19を有する。
入力部12は、再生速度設定スイッチ、テンキーなどキー、スイッチを有する。表示部13は、たとえば、液晶表示装置を含む。CPU11は、入力部12のスイッチ操作の検出、スイッチ操作に基づく再生速度比の決定、スイッチ操作に基づく変換処理の起動、変換処理に用いるパラメータの算出、フィルタ種別およびフィルタ処理用のパラメータの決定、パラメータの信号変換部18への伝達、入力I/F17の制御など種々の処理を実行する。
ROM14は、CPU11により実行される種々の処理、たとえば、入力部12のスイッチ操作の検出、スイッチ操作に基づく再生速度比の決定、スイッチ操作に基づく変換処理の起動、変換処理に用いるパラメータの算出、フィルタ種別およびフィルタ処理用のパラメータの決定、パラメータの信号変換部18への伝達、入力I/F17の制御などの処理プログラムを格納する。RAM15は、入力I/F17により取得された入力データを格納する入力バッファ、オーディオ回路19により読み出される出力バッファ、処理中のデータを一時的に記憶する入力フレームおよび出力フレームなどのためのデータ記憶領域を提供する。また、RAM15には処理で用いられる各種のパラメータが格納される。大規模記憶装置16は、ハードディスク装置やカード型の記憶装置を含み、入力I/F17を介して入力されたデータや、信号変換部18により変換されたデータおよびフィルタ処理が施されたデータを記憶することができる。
入力I/F17は、マイク20と接続され、また、入力端子21を有する。マイク20から入力された音声信号は、CPU11の指示に従って、入力I/F17においてディジタル変換され、ディジタルの入力データとしてRAM14や大規模記憶装置16に格納される。また、本実施の形態においては、入力端子21を介して、オーディオ機器からの音声信号を入力して、ディジタルの入力データをRAM14や大規模記憶装置16に格納することもできる。
信号変換部18は、入力データに基づいて、時間伸張処理或いは時間短縮処理を実行し、時間伸張処理が施されたデータについてはさらにフィルタ処理を施して、その再生速度が変換された出力データを生成する。信号変換部18の構成および信号変換部18において実行される処理については後述する。オーディオ回路19は、D/A変換器および増幅回路(ともに図示せず)を有し、出力データを、アナログの音声信号に変換して増幅し、スピーカ32から音響信号を出力する。
図2は、本実施の形態にかかる信号変換部および使用する記憶部の構成を示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、本実施の形態にかかる信号変換部18は、入力フレームデータ生成部26と、フレーム間演算部30と、中間バッファデータ生成部28と、フィルタ処理部32と、を有する。入力フレームデータ生成部26は、入力バッファ25に格納された入力データを読み出して、読み出された入力データを、入力フレーム27中の所定の位置に格納する。また、中間バッファデータ生成部28は、出力フレーム29から所定のデータを取り出して、中間バッファ31中に格納する。中間バッファ31のデータは、フィルタ処理部32により読み出され、CPU11からの指示にしたがったフィルタ種別およびパラメータに基づくフィルタ処理が実行され、フィルタ処理が施された出力データが、出力バッファ33に格納される。出力バッファ33に格納された出力データは、オーディオ回路19によりアナログの音声信号に変換され、スピーカ32から出力される。
フレーム間演算部30は、入力フレーム27や出力フレーム29におけるデータシフトなどのデータ操作、入力フレーム27に窓関数を施すこと、入力フレームのデータ値を、対応する出力フレーム29のデータ値に加算することなど、フレームに関する処理、および、フレーム間に関する種々の処理を実行する。
図3は、本実施の形態にかかるデータ変換装置において実行されるメインフローの例を示すフローチャートである。図3に示すように、電源の投入とともに、メインフローは起動し、CPU11は、RAM14中の入力バッファ25のクリア、入力フレーム27のクリア、出力フレーム29のクリア、出力バッファ31のクリア、各種パラメータのクリアを含むイニシャライズ処理を実行する(ステップ301)
イニシャライズ処理が終了すると、ステップ302以降の処理が繰り返し実行される。ステップ302のスイッチ処理において、入力部12を構成するスイッチの操作があったかが判断され、スイッチ操作があった場合には、操作にしたがった処理が実行される。図4は、本実施の形態にかかるスイッチ処理の例を示すフローチャートである。
図4に示すように、CPU11は、スイッチ12を構成するスイッチのうち、再生速度設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ401)。ステップ401でYesと判断された場合には、CPU11は、テンキーの操作或いは「+(プラス)」キー或いは「−(マイナス)」キーの操作に基づいて、入力された再生速度比を取得する(ステップ402)。
再生速度比とは、入力データの速度を「1」としたときの、変換された出力データの再生速度を示す。再生速度比が「2」であるとは、出力データが、入力データの2倍の速度で再生されることを示す。また、再生速度比が「0.5」であることは、出力でデータが、入力データの半分の速度で再生されることを示す。また、後述するデータ変換処理における、「伸縮比」は、再生速度比の逆数、つまり、「1/再生速度比」と等価である。
次いで、CPU11は、再生速度比に基づいて、入力バッファ25および入力フレーム27のサイズ、オーバーラップ比、出力フレーム29のサイズ、中間バッファ31のサイズ、および出力バッファ33のサイズを決定する(ステップ403)。本実施の形態においては、再生速度比が0.5〜2の範囲で、入力データを指定された再生速度比で変換し、変換により得られた出力データを出力している。また、本実施の形態においては、OLA方式を採用し、複雑な演算を経ることなく、入力データを変換して出力データを取得する。
OLA方式においては、入力データを、まず、所定サイズの入力フレームに分割する。また、各フレームは部分的に重なり合うように抽出され、かつ、出力データにおいても、各フレームが部分的に重なったようなデータ値となっている。上記フレームの重なり具合を示すパラメータとしてオーバーラップ比が用いられる。オーバーラップ比は、フレームが、フレームサイズ全体に対して、どのくらいずらされるかを示す。たとえば、オーバーラップ比が「4」であれば、フレームは、フレームサイズの1/4だけずらされることを意味する。また、このときの、フレームのずれの量をホップサイズと称する。
フレームを重ね合わせて加算する際には、フレームに窓関数を施して、窓関数が施されたデータが加算される。たとえば、窓関数としてハニング窓を使用することができる。入力データに関するホップサイズと、出力データに関するホップサイズとが等しければ、重ねあわされた分だけ振幅は増加するが、もとの波形の形状が維持される。また、出力データに関するホップサイズが、入力データに関するホップサイズより大きければ、時間伸張処理が施されることになり、その結果、再生速度が遅くなるいわゆるスロー再生となる。その一方、出力データに関するホップサイズが、入力データに関するホップサイズより小さければ、時間短縮処理が実行されることになり、その結果、再生速度が速くなるいわゆるファスト再生となる。
図5は、OLA方式におけるフレーム加算の概略を示す図、また、図6は、スロー再生の際における、フレーム加算の概略を示す図である。図6において、入力データに関するホップサイズ(図6において「HOPSIZE」と示す)より、出力データに関するホップサイズ(図6において、「HOPSIZE’」と示す)が大きいため、出力フレームのサイズも入力フレームより大きくなる。また、重ね合わせの際に、出力データに関するホップサイズ「HOPSIZE’」にしたがって、矢印方向に重ねあわせるべきフレームが移動する。
フレームの重ね合わせの際に、フレームサイズとオーバーラップ比を適切に設定しないと、スロー再生、ファスト再生の何れにおいても音質が劣化する。たとえば、図7に示すように、オーバーラップ比を最小値である「2」として、時間伸張処理を行なった上でスロー再生を行なうと、フレーム加算によってデータ値のレベルを一定に保持することができず、振幅が揺らいでしまうという問題点がある(図7の破線参照)。また、オーバーラップ比が小さいことは、接合点における不連続性、つまり、複数の波形が重ねあわされている部分のデータの不連続性を、オーバーラップにより解決することができないという問題点があった。
その一方、オーバーラップ比を大きくすることにより、上記接合点における不連続性は軽減されるが、以下に述べるような別の問題が生じる。オーバーラップ比を大きくすることにしたがって、重なり合うフレーム数が増大する。したがって、くし型フィルタの効果が多重にかかり、その結果、音質が大きく変化してしまう。フレームサイズを大きくした場合にも、重なり合う部分が大きくなるため、同様にくし型フィルタの効果が過剰となる。
本出願人は、OLA方式によるスロー再生、ファスト再生の双方において、オーバーラップ比は「2」以上であり、かつ、できるだけ小さい値が望ましいことを知見した。また、オーバーラップ比を「2」とすると、時間伸張処理によるスロー再生においては、振幅が揺らぐ問題や不連続性の問題が生じるが、時間短縮処理によるファスト再生である限り、オーバーラップ比が、最小値である「2」であっても問題がないこと知見した。
スロー再生においては、上述したように不連続性の問題が生じないように、オーバーラップ比は「2」より大きいのが望ましい。また、くし形フィルタ効果の影響を考慮すると、オーバーラップ比は、「3」または「4」が望ましいことが見出されている。なお、処理のしやすさを考慮して、本実施の形態においては、スロー再生におけるオーバーラップ比は「4」としている。
また、フレームサイズも、くし型フィルタ効果の影響を考慮して決定されるのが望ましい。本出願人は、オーバーラップ比が「2」であるときには、サンプリング周波数に相当するサンプル数の1/5程度、オーバーラップ比が「4」であるときには、サンプリング周波数に相当するサンプル数の1/10程度が適切であることを知見した。図8は、本実施の形態にかかる入力バッファ、入力フレーム、出力フレームおよび中間バッファの例を示す図である。なお、出力バッファのサイズは、中間バッファと同様である。図8に示す例は、再生速度比Rが「1」より小さいスロー再生のときの例を示す。
本実施の形態においては、サンプリング周波数が44.1KHz(44,100Hz)であり、入力バッファ801と入力フレーム802のサイズ(フレームサイズ)は、ともに「4096」である。また、オーバーラップ比は「4」であり、フレーサイズをオーバーラップ比で割った値に相当するサブフレームのサイズは「1024」である(符号811参照)。なお、フレームサイズは、サンプリング周波数の1/10と厳密には相違するが、処理の簡便さから2のべき乗のうち、サンプリング周波数の1/10である「4410」に最も近い値を採用した。
また、本実施の形態にかかる出力フレーム803は、その先頭に、入力バッファ801および入力フレーム802のサブフレームのサイズを再生速度比で割ったサイズ(1024/R)のサブフレーム831を有する。また、先頭のサブフレーム831の後ろには、入力バッファ801や入力フレーム802のサブフレームと、同様のサイズの4つのサブフレーム(たとえば、符号832参照)が配置される。
本実施の形態にかかる中間バッファ804は、そのサイズが出力フレームの先頭のサブフレーム831と同一(つまり、1024/R)の、4つのサブフレーム(たとえば符号841参照)から構成される。
図9は、本実施の形態にかかる入力バッファ、入力フレーム、出力フレームおよび中間バッファの他の例を示す図である。図9に示す例は、再生速度比Rが「1」より大きいファスト再生のときの例を示す。ファスト再生のときの入力バッファ901および入力フレーム902のサイズは、そもに「8192」である。また、オーバーラップ比は「2」であり、サブフレームのサイズは「4096」である。
出力フレーム903の先頭のサブフレーム931のサイズは、入力バッファ901および入力フレーム902のサブフレームのサイズを再生速度比で割ったサイズ(4096/R)である。また、先頭のサブフレーム931の後ろには、入力バッファ901や入力フレーム902のサブフレームと、同様のサイズの2つのサブフレーム(たとえば、符号932参照)が配置される。また、本実施の形態にかかる中間バッファ904は、そのサイズが出力フレームの先頭のサブフレーム931と同一(つまり、4096/R)の、2つのサブフレーム(たとえば符号941参照)から構成される。
本実施の形態においては、再生速度比が「1」より大きい場合の入力バッファおよび入力フレームのサイズ、並びに、オーバーラップ比の組と、再生速度比が「1」より小さい場合の、入力バッファおよび入力フレームのサイズ、並びに、オーバーラップ比の組とがRAM14に格納されている。したがって、スイッチ処理のステップ402において、再生速度比が取得され、また、ステップ403において、再生速度比に応じた、入力バッファおよび入力フレームのサイズ、並びに、オーバーラップ比の組が取得される。
再生速度比が「1」より小さい場合、つまり、スロー再生の場合には、図8に示すようなサイズの入力バッファ、入力フレーム、出力フレーム、中間バッファおよび出力バッファのためのデータ領域がRAM14中に確保される(ステップ404)。たとえば、再生速度比が「0.8」であれば、出力フレーム803の先頭のサブフレーム(符号831参照)や、出力バッファ804のサブフレーム(符号841参照)のサイズは「1280」となり、出力バッファ804のフレームサイズは「5120」となる。その一方、再生速度比が「1」より大きい場合、つまり、ファスト再生の場合には、図9に示すようなサイズの入力バッファ、入力フレーム、出力フレームおよび出力バッファのためのデータ領域をRAM14中に確保される(ステップ404)。
次いで、CPU11は、再生速度比に基づく、フィルタ種別およびフィルタ処理用のパラメータ(たとえばフィルタ係数)を決定する(ステップ405)。以下、本実施の形態にかかるフィルタ処理部32によるフィルタ処理の意義について説明する。
再生速度比が「1」に近接する範囲(1>再生速度比≧0.8程度)の場合、つまり、スロー再生における時間伸張の比率(伸張率)が比較的小さい場合には、後述するフレーム間のオーバーラップを伴う加算において、数十ないし数百サンプル程度、サンプルが遅延されて原波形のサンプルに加算される。遅延されて原波形に加算されることにより、(1)式に示すようなフィルタが構成される。
H(z)=1+αz−K ・・・(1)
ただし、αは窓関数によって決まる乗数、Kは遅延サンプル数
上記(1)式に示すフィルタは、くし型フィルタとして原波形に作用する。このくし型フィルタの効果により、データ変換後の波形に基づく音質が変化してしまう。
その一方、再生速度比がより小さい範囲の場合(0.6≧再生速度比≧0.5程度)、つまり、時間伸張の伸張率が比較的大きい場合には、くし型フィルタの効果は無視できる程度に軽減されるが、時間伸張を大きくしたことにより、上述した接合点における不連続性の問題が顕著となり、データ変換後の波形は、耳障りなノイズを相当量含むものとなる。
そこで、本実施の形態においてはスロー再生のための時間伸張処理において、再生速度比が「1」に近い所定の範囲では、くし型フィルタの効果を打ち消す逆フィルタを、データ変換後のデータに施す。逆フィルタの伝達関数は(2)式に示すようなものとなる。
H(z)=1/(1+βz−K) ・・・(2)
ただし、βは所定の乗数、Kは遅延サンプル数
乗数βは、たとえば、再生速度比に基づいて、CPU11により決定される。
次に、再生速度比がより小さい他の所定の範囲に含まれる場合、たとえば、再生速度比が「0.5」の場合を考える。本実施の形態では、再生速度比が「0.5」の場合には、ホップサイズが2048となるため、2048サンプルごとに、不連続点が生じ、この不連続性によりノイズが生じ得る。生じるノイズの基本周波数は、44,100Hz/2048≒21.5Hzであり、この基本周波数が基音となり、さらに、倍音が付加される。
このようなノイズを打ち消すために、本実施の形態においては、(3)式に示すような伝達関数のフィルタを、データ変換後のデータに施す。
H(z)=1+γz−K ・・・(3)
ただし、γは所定の乗数、Kは遅延サンプル数
たとえば、γ=0.5と固定としても良いし、再生速度比に基づいてCPU11により決定されても良い。(3)式に示すフィルタは、遅延サンプルが1024のとき、約2104Hzごとに零点をもつくし型フィルタである。このようなフィルタをデータに施すことで、前記不連続点により生じるノイズを打ち消すことが可能となる。すなわち、本実施の形態においては、中間バッファおよび出力バッファにおいて、サブフレームの接合点(これが、サンプルの不連続点となる)で、零点を持つようなくし型フィルタをデータに施すことにより、不連続点により生じるノイズを打ち消している。
スイッチ処理の後、CPU11および入力I/F21は、データ入力処理を実行する(ステップ303)。データ入力処理においては、CPU11は、タイマ(図示せず)を参照して、データの入力タイミングとなっているかを判断し、入力タイミングが到来している場合には、CPU11は、入力I/F17に対して、入力されたデータを入力データバッファ25に格納するように指示する。入力I/F17は、入力されたデータを順次入力データバッファに格納していく。入力I/F17に一時的に記憶されていたデータが全て入力データバッファに格納されると、データ入力処理は終了する。
データ入力処理の後、CPU11の指示により信号変換部18が、データ変換処理を実行する(ステップ304)。図10は、本実施の形態にかかるデータ変換処理の例を示すフローチャートである。図10に示すように、信号変換部18は、サブフレームを特定するパラメータiを初期化する(ステップ1001)。
次いで、信号変換部18は、パラメータiがオーバーラップ比より大きいかを判断する(ステップ1002)。ステップ1002でNoと判断された場合には、信号変換部18(入力フレームデータ生成部26)は、入力バッファの第i番のサブフレームを、入力フレームの最後尾のサブフレームにコピーする(ステップ1003)。図11(a)は、i=1のとき、図11(b)は、i=2のときのステップ1003における、入力フレームのサブフレームへのデータ配置を説明する図である。入力フレーム1100に、先頭のサブフレームからIn(T)、In(T+1)、In(T+2)およびIn(T+3)というデータが格納されていた場合に、図11(a)、(b)に示すように、第1番、第2番のサブフレームのデータが、入力フレーム1110の末尾のサブフレームに格納される。
後述するように、ステップ1007で入力フレームのサブフレームがそれぞれシフトされる。したがって、ステップ1002を繰り返すことにより、入力フレームにおいて、先頭からサブフレームIn(t−3)、In(t−2)、In(t−1)、In(t)が格納されることになる。
次いで、信号変換部18(中間バッファデータ生成部28)は、出力フレームの先頭のサブフレームを、中間バッファの第i番のサブフレームにコピーする(ステップ1004)。後述するようにステップ1008において、出力フレームのサブフレームがそれぞれシフトされるため、ステップ1004において、先頭のサブフレームには、第i番の中間バッファのサブフレームに相当するデータが配置されている。
ステップ1004の後、信号変換部18(フレーム間演算部30)は、入力フレームにハニング窓を施す(ステップ1005)。次いで、信号処理部18は、ハニング窓が施された入力フレームのデータ値と、出力フレームの第2番のサブフレーム以降の対応するデータ値とを加算する(ステップ1006)。図12(a)に示すように、ステップ1005においては、入力フレーム1200にハニング窓1202に施され、ハニング窓が施されたデータ値が格納された入力フレーム1203が得られる。また、図12(b)に示すように、ステップ1006においては、ハニング窓が施されたデータ値が格納された入力フレーム1203の第k番サブフレーム(k=1〜4)と、出力フレーム1204の第(k+1)番サブフレームとが重なるように、対応するデータ値が加算される。
ステップ1006の後、信号変換部18(入力フレームデータ生成部26)は、入力フレームのデータ値を、サブフレーム1つ分だけ左側(先頭側)にシフトする(ステップ1007)。これにより、ステップ1006における第k番サブフレーム(k=2〜4)は、それぞれ、ステップ1007の後に第(k−1)番のサブフレームとなる。ステップ1006における第1番サブフレームは破棄される。また、入力フレームの第4番サブフレームには、次回のステップ1003において、入力バッファのサブフレームがコピーされるが、ステップ1006では、たとえば、データ値「0」を格納しておけば良い。
また、信号変換部18(中間データバッファデータ生成部28)は、出力フレームのデータ値を、出力フレームの第1番サブフレーム分だけ左側(先頭側)にシフトする(ステップ1008)。図12(c)に示すように、ステップ1008の処理後の出力フレーム1205においては、その先頭から、ステップ1008の処理前における出力フレーム1204の第2番サブフレーム〜第4番サブフレームが順次格納される。また、ステップ1008において、信号変換部18は、末尾の所定量のデータ値(出力フレームの第1番サブフレームのサイズに相当するデータ値:符号1206参照)に「0」を格納する。
ステップ1009の後、信号変換部18は、パラメータiをインクリメントして(ステップ1009)、ステップ1002に戻る。
図10に示すデータ変換処理により、複数のサブフレーム(スロー再生では4つのサブフレーム)を含む中間バッファが生成される。中間バッファに格納されたデータにおいては、入力フレームのデータ値がサブフレームの数(オーバーラップ比:スロー再生では「4」)に基づいて重ねあわされている。また、再生速度比を「0.8」とすると、中間バッファのホップサイズは、入力フレームのホップサイズより、1/0.8=1.2倍となっており、再生速度が0.8倍となった時間伸張処理が実現される。
なお、図11、図12を参照して、データ変換処理において、スロー再生のため、時間伸張処理による中間バッファのデータを生成する例を説明しているが、ファスト再生のための時間短縮処理による場合も、オーバーラップ比、入力バッファのサイズ、入力フレームのサイズ、出力フレームのサイズ、中間バッファのサイズ、出力バッファのサイズ、および、それぞれのサブフレームのサイズが異なることを除けば、同様に実現できることは言うまでも無い。
データ変換処理(図3のステップ304)の後、CPU11は、フィルタ処理を実行する(ステップ305)。図13は、本実施の形態にかかるフィルタ処理の例を示す図である。図13に示すように、フィルタ処理において、CPU11は、再生速度比が「1」より大きいファスト再生か、再生速度比が「1」より小さいスロー再生かを判断する(ステップ1301)。スロー再生である場合に(ステップ1301でYes)、CPU11は、ROM15に格納されたテーブルを参照して、フィルタ処理において、(2)式に基づく第1のフィルタ、(3)式に基づく第2のフィルタの何れを適用すべきかを判断する(ステップ1302)。また、CPU11は、テーブルを参照してフィルタの乗数を取得する(ステップ1303)。図14は、本実施の形態にかかる、再生速度比およびフィルタの乗数を格納したテーブルの例を示す図である。なお、フィルタ乗数が「0」であることは、そのフィルタは適用しないことを示している。その後、CPU11は、適用すべきフィルタ種別およびフィルタの乗数を、フィルタ処理部32に通知し、フィルタ処理の実行を指示する(ステップ1304)。
図14に示すように、本実施の形態においては、再生速度比Rが、「1」に近接する所定の範囲、つまり、「1>R≧0.65」の範囲(符号1401参照)では、CPU11は、フィルタ処理部32に第1のフィルタを適用するよう指示するとともに、第1のフィルタのフィルタ乗数βをフィルタ処理部32に与える。その一方、再生速度比Rが、「0.65>R≧0.5」の範囲(符号1402参照)では、CPU11は、フィルタ処理部32に第2のフィルタを適用するように指示するとともに、第2のフィルタのフィルタ乗数γをフィルタ処理部32に与える。
フィルタ処理部32は、図15に示すように、CPU11からフィルタ処理の指示を受け入れた場合には(ステップ1501)、CPU11から与えられたフィルタ種別を参照して、第1のフィルタ或いは第2のフィルタの何れを適用すべきかを判断する(ステップ1502)。第1のフィルタを適用すべき場合には(ステップ1502でYes)、フィルタ処理部32は、中間バッファ31のデータ値を読み出して(ステップ1502)、読み出されたデータ値に、CPU11から受け入れたフィルタ乗数を用いた、(2)式にしたがったくし型フィルタの逆関数に相当するフィルタを施す(ステップ1504)。次いで、フィルタ処理部32は、フィルタが施されたデータ値を、出力バッファ33に格納する(ステップ1505)。
第2のフィルタを適用すべき場合には(ステップ1502でNo)、フィルタ処理部32は、中間バッファ31のデータ値を読み出して(ステップ1506)、読み出されたデータ値に、CPU11から受け入れたフィルタ乗数を用いた、(3)式にしたがったくし型フィルタに相当するフィルタを施す(ステップ1507)。その後、フィルタ処理部32は、フィルタが施されたデータ値を、出力バッファ33に格納する(ステップ1505)。
ステップ1501でNoと判断された場合には、ファスト再生であることを意味している。したがって、フィルタ処理部32は、フィルタ処理を行なうことなく、中間バッファ31のデータを、そのまま、出力バッファ33に格納する(ステップ1508)。
フィルタ処理(ステップ305)の後、CPU11は、データ出力処理を実行する(ステップ306)。データ出力処理においては、CPU11は、タイマ(図示せず)を参照して、データの出力タイミングとなっているかを判断し、出力タイミングが到来している場合には、CPU11は、RAM14の出力データバッファから所定のデータを読み出して、オーディオ回路19に出力する。オーディオ回路19は、受け入れたデータをアナログ信号に変換して、増幅し、スピーカ22に出力する。その後、CPU11は、他の処理、たとえば、表示部13への表示処理などを実行して(ステップ307)、ステップ302に戻る。
本実施の形態によれば、時間伸張処理を実行すべき場合、つまり、スロー再生の場合に、再生速度比が「1」に近接する所定の第1の範囲であるとき、つまり、時間伸張処理の伸張率が比較的小さいときに、フィルタ処理部32が、くし型フィルタの逆フィルタをデータに施すことにより、時間伸張処理により出力データに生じるくし型フィルタ効果を打ち消す。これにより、処理の簡易さを確保しつつ、音質の劣化を抑制したスロー再生を実現することができる。
また、本実施の形態においては、CPU11は、再生速度比に基づいて、逆フィルタの伝達関数H(z)=1/(1+βz−K)(βは乗数、Kは遅延サンプル数)における乗数βを決定し、決定された乗数βを、フィルタ処理部32に伝達する。これにより、設定された再生速度比に応じて逆フィルタのかけ具合を調整することが可能となる。
特に、本実施の形態においては、CPU11は、再生速度比が小さくなるのにしたがって、逆フィルタの伝達関数の乗数βが小さくなるように、乗数βを決定する。再生速度比が小さくなるのにしたがって、つまり、時間伸張処理における伸張率が大きくなるのにしたがって、出力データにおけるくし型フィルタ効果の影響は小さくなる。したがって、くし型フィルタの影響の大きさに応じて、出力データに逆フィルタをかけることが可能となる。
また、本実施の形態においては、フィルタ処理部32は、再生速度比が、上記第1の範囲より小さい値からなる所定の第2の範囲であるときに、出力データに、くし型フィルタである第2のフィルタを施す。時間伸張処理の伸張率が比較的大きい場合には、フレーム接合点の不連続性によるノイズを打ち消すために、フィルタ処理部32は、出力データにくし型フィルタをかける。したがって、再生速度比が小さい(伸張率が大きい)場合にも、ノイズの抑制された出力データを得ることが可能となる。
また、本実施の形態においては、上記くし型フィルタは、中間バッファや出力バッファにおける、ホップサイズを有するサブフレームの接合点で零点を持つ。したがって、接合点でのノイズを適切に打ち消すことが可能となる。
また、本実施の形態においては、CPU11は、再生速度比に基づいて、上記くし型フィルタの伝達関数H(z)=1+γz−K(γは乗数、Kは遅延サンプル数)における乗数γを決定し、決定された乗数γを、フィルタ処理部32に伝達する。これにより、設定された再生速度比に応じてくし型フィルタのかけ具合を調整することが可能となる。
特に、本実施の形態において、CPU11は、再生速度比が小さくなるのにしたがって、くし型フィルタの伝達関数の乗数γが大きくなるように、乗数γを決定する。再生速度比が小さくなるのにしたがって、つまり、時間伸張処理における伸張率が大きくなるのにしたがって、フレーム接合点におけるノイズが大きくなる。したがって、ノイズの大きさに応じて、出力データにくし型フィルタをかけることが可能となる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
10 データ変換装置
11 CPU
12 入力部
13 表示部
14 RAM
15 ROM
16 大規模記憶装置
17 入力I/F
18 信号変換部
19 オーディオ回路
25 入力バッファ
26 入力フレームデータ生成部
27 入力フレーム
28 中間バッファデータ生成部
29 出力フレーム
30 フレーム間演算部
31 中間バッファ
32 フィルタ処理部
33 出力バッファ

Claims (8)

  1. 入力データを複数のフレームに分割し、かつ、その分割されたフレームを部分的に重ね合わせることで、出力データを生成するデータ変換装置であって、
    所定の第1のフレームサイズの入力データを格納する第1のバッファと、
    前記入力データに対する前記出力データの再生速度の比を示す再生速度比にしたがった所定の第2のフレームサイズの出力データを格納する第2のバッファと、
    再生速度比を受け入れ、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比を決定する制御手段と、
    前記第1のバッファの入力データに基づき、前記第2のフレームサイズの出力データを生成するデータ変換手段であって、
    前記第1のバッファの入力データから、それぞれが、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比にしたがった第1のホップサイズを有する、前記オーバーラップ比に相当する所定数のサブフレームからなる、第1のフレームサイズを有する入力フレームを生成する入力フレームデータ生成手段、
    前記入力フレームに窓関数を施す窓関数適用手段、
    前記窓関数の施された入力フレームを、前記第1のホップサイズおよび前記再生速度比に基づく第2のホップサイズだけずらして重ねあわせ、かつ、その重ねあわされたデータを、前記第2のホップサイズのサブフレームを有する出力フレームに格納するフレーム間演算手段、
    前記出力フレームに格納されたデータを、それぞれが、前記第2のホップサイズを有する前記所定数のサブフレームからなる前記第2のバッファに格納するバッファデータ生成手段、並びに、
    再生速度比が「1」より小さいスロー再生であって、再生速度比が「1」に近接する所定の第1の範囲であるときに、前記第2のバッファの出力データに、くし型フィルタの逆フィルタを施すフィルタ手段と、を有するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とするデータ変換装置。
  2. 前記制御手段が、前記再生速度比に基づいて、前記逆フィルタの伝達関数
    H(z)=1/(1+βz−K
    (βは乗数、Kは遅延サンプル数)
    における乗数βを決定し、決定された乗数βを、前記フィルタ手段に伝達するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のデータ変換装置。
  3. 前記制御手段が、前記再生速度比が小さくなるのにしたがって、前記逆フィルタの伝達関数の乗数βが小さくなるように、前記乗数βを決定することを特徴とする請求項2に記載のデータ変換装置。
  4. 前記フィルタ手段が、前記再生速度比が、前記第1の範囲より小さい値からなる所定の第2の範囲であるときに、前記第2のバッファの出力データに、くし型フィルタである第2のフィルタを施すように構成されたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のデータ変換装置。
  5. 前記第2のフィルタが、前記第2のバッファにおいて、第2のホップサイズのサブフレームの接合点で零点を持つことを特徴とする請求項4に記載のデータ変換装置。
  6. 前記制御手段が、前記再生速度比に基づいて、前記第2のフィルタの伝達関数
    H(z)=1+γz−K
    (γは乗数、Kは遅延サンプル数)
    における乗数γを決定し、決定された乗数γを、前記フィルタ手段に伝達するように構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のデータ変換装置。
  7. 前記制御手段が、前記再生速度比が小さくなるのにしたがって、前記第2のフィルタの伝達関数の乗数γが大きくなるように、前記乗数γを決定することを特徴とする請求項6に記載のデータ変換装置。
  8. 入力データを複数のフレームに分割し、かつ、その分割されたフレームを部分的に重ね合わせることで、出力データを生成するデータプログラムであって、
    所定の第1のフレームサイズの入力データを格納する第1のバッファと、前記入力データに対する前記出力データの再生速度の比を示す再生速度比にしたがった所定の第2のフレームサイズの出力データを格納する第2のバッファとを備えたコンピュータに、
    再生速度比を受け入れ、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比を決定する制御ステップと、
    前記第1のバッファの入力データに基づき、前記第2のフレームサイズの出力データを生成するデータ変換ステップであって、
    前記第1のバッファの入力データから、それぞれが、前記第1のフレームサイズおよびオーバーラップ比にしたがった第1のホップサイズを有する、前記オーバーラップ比に相当する所定数のサブフレームからなる、第1のフレームサイズを有する入力フレームを生成する入力フレームデータ生成ステップ、
    前記入力フレームに窓関数を施す窓関数適用ステップ、
    前記窓関数の施された入力フレームを、前記第1のホップサイズおよび前記再生速度比に基づく第2のホップサイズだけずらして重ねあわせ、かつ、その重ねあわされたデータを、前記第2のホップサイズのサブフレームを有する出力フレームに格納するフレーム間演算ステップ、
    前記出力フレームに格納されたデータを、それぞれが、前記第2のホップサイズを有する前記所定数のサブフレームからなる前記第2のバッファに格納するバッファデータ生成ステップ、並びに、
    再生速度比が「1」より小さいスロー再生であって、再生速度比が「1」に近接する所定の第1の範囲であるときに、前記第2のバッファの出力データに、くし型フィルタの逆フィルタを施すフィルタ処理ステップ、を有するデータ変換ステップと、を実行させることを特徴とするデータ変換プログラム。
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