JP2011042904A - ベルトコード及び車両用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Cu55重量%〜66重量%と残りがZnから成る組成で、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部と、20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部とを積層した積層構造部分が形成されたブラスめっき鋼線において、ブラスめっき層の表面全体に対して積層構造部分の非結晶質性部の表面が占める面積割合が20%以上で積層構造部分の体積全体に対して非結晶質性部が占める体積割合が20%以上80%以下に形成し、このブラスめっき鋼線を層撚り構造については最外層シースフィラメントの50%以上、複撚り構造については最外層ストランドの最外層シースフィラメントの50%以上に適用してベルトコードを作製し、これを車両用タイヤに適用した。
【選択図】図1
Description
図7に示すように、ベルトコード20は、例えば層撚り構造のもので、中央側に、本例では三角形状をなすように3本束ねて配置されるコアフィラメント51と、このコアフィラメント51を囲むように外周に配置される9本のインナーシースフィラメント52sと、インナーシースフィラメント52sを囲むように外周に配置される15本のアウターシースフィラメント53sと、アウターシースフィラメント53sの外周に配置されるラッピングフィラメント24とからなり、コアフィラメント51とインナーシースフィラメント52sとアウターシースフィラメント53sとを撚り、その外周にラッピングフィラメント24が巻き付けられる構成である。
また、図8に示すように、ベルトコード25は、例えば複撚り構造のもので、1本のコアフィラメント56と、このコアフィラメント56を囲むように外周に配置される5本のシースフィラメント57sを層撚りしてストランド58を形成し、このストランド58を4本束ねて撚った複撚り構造に形成される。
また、図8に示す複撚り構造のものでは、コアフィラメント56,シースフィラメント57sは、図9に示すように、例えば、スチール鋼線50と、このスチール鋼線50の周りに被着され、かつ組成が銅Cu55重量%〜66重量%と亜鉛Znよりなるブラスめっき層50aとからなる。
すなわち、タイヤの製造時における加硫成型工程で加熱,加硫されることにより、ゴムGに含まれる硫黄Sとブラスめっき層50aのブラスめっき中の銅Cuとを反応させてベルトコード20,25近傍のゴムGに対して接着が維持されることにより、カーカス3、ショルダー部やトレッドゴム8を補強するようにしている。
また、重荷重車両用タイヤや建設車両用タイヤでは、近年、重荷重化,走行速度の高速化,ロングライフ化が要求されている。このようにタイヤの使用条件が重荷重化,高速化するとトレッドゴム8部分に作用する力が大きくなるとともにベルト6a〜6dの歪が増大し、ベルト6a〜6dやカーカス3の温度上昇が大きくなるため、ゴムGとベルトコード20,25端部との接着力が低下して走行中に接着剥離を起こすおそれがあり、特にベルト6a〜6dの端部となるショルダー部のゴムGとベルトコード20,25端部との耐熱接着性やベルト端部耐剥離性に問題があった。
また、ロングライフ化には、走行時にタイヤにカットが入ったとしてもベルトコード20,25が錆びにくい耐水性が必要となる。
つまり、ベルトコード20,25とゴムGとの接着において、初期接着性,過加硫時の接着性,耐熱接着性,ベルト端部耐剥離性,耐水性のすべてを高めることがベルトコード20,25に求められている。
本発明によれば、ベルトを構成するベルトコードが結晶構造の異なる上層部、下層部からなるブラスめっき層が形成されたブラスめっき鋼線からなり、このブラスめっき鋼線がベルトコードを構成する全シースフィラメントの50%以上のシースフィラメントとして含まれているので、タイヤを加硫するときに、初期の加硫の段階では上層部のブラスめっき層が反応し、それ以降の加硫やタイヤの使用時には下層部のブラスめっき層が反応するので、ベルトの初期接着性能,過加硫時の接着性能と、タイヤ使用時の発熱に対する耐熱接着性を向上させて、ベルト端部耐剥離性能及び耐水性能を向上させることができる。
また、ベルトコードの表面が異なる性質のブラスめっき層からなるので、タイヤの加硫時に上層部のブラスめっき層と露出する下層部のブラスめっき層がゴムと反応でき、上層部のブラスめっき層と表面に露出する下層部のブラスめっき層を適当な割合で組合わせることでベルトコードをゴムにしっかりと接着させ、ベルト端部においてベルトとゴムとの剥離を防止し、耐水性を向上させることができる。
また、ブラスめっき層の非結晶質性部のCuとゴム中のSとがまず反応して初期接着性能を確保し、結晶質性部のCuとゴム中のSがゆっくり反応することで過加硫による接着不良を防止して過加硫時の接着性を確保するとともにタイヤ使用時においても反応が継続されるので、タイヤ使用時の発熱による耐熱接着性や、タイヤのたわみによりベルトに作用する歪からゴムとベルトコードとの耐剥離性能を向上させることができる。
本発明によれば、非結晶質性部と結晶質性部からなる積層構造部分が占める体積割合を50%以上としたことで、非結晶質性部のCuとゴム中のSとが加硫時において、より長い時間反応できるので、ベルトコードの端部とゴム、ベルトとトレッドゴム、各ベルトにおける過加硫を防止することができる。
本発明によれば、非結晶質性部の表面が占める面積割合が80%以上となることで、加硫時初期において反応する面積が広がるので、広い面積で初期接着性能を向上させることができる。また、非結晶質性部の内側に位置する結晶質性部も過加硫時やタイヤ使用時において広い面積でゴムと反応できるので、過加硫時の接着性,耐熱接着性,ベルト端部耐剥離性,耐水性をより向上させることができる。
本発明によれば、内側に位置するベルトの過加硫を防ぎながら最外層のベルトの接着を確保して加硫時間を減少させて、タイヤの加硫時における不良タイヤの発生や、タイヤ使用時におけるタイヤの故障を防止することができる。
図1は、本発明に係る層撚り構造を有するベルトコード20の一例を示す断面図である。
ベルトコード20は、層撚り構造のものでは、中央側に三角形を保って位置される3本のコアフィラメント21と、その周りに配置された9本のインナーシースフィラメント22と、その周りに配置された15本のアウターシースフィラメント23s,23tとよりなり、全体を撚り合わせてラッピングフィラメント24を巻いた層撚りのコード構造(コアフィラメント3本+インナーシースフィラメント9本+アウターシースフィラメント15本+ラッピングフィラメント1本)により構成される。
コアフィラメント21,インナーシースフィラメント22,アウターシースフィラメント23s,23tは、線径が0.23mm、ラッピングフィラメント24は線径が0.15mmである。
なお、本例では、全アウターシースフィラメントFの残りのアウターシースフィラメント23tは、例えば、Cu及びZnからなるブラスめっき層の組成割合がCu55重量%〜66重量%で残りの割合がZnから成り、結晶質性部のみから成る単層のブラスめっき鋼線や、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部より成る上層と粒径が20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部より成る下層とが積層された積層構造部分として形成され、ブラスめっき層の表面全体に対して積層構造部分の非結晶質性部の表面が占める面積割合が20%未満のブラスめっき層から成るスチール鋼線より成る。
本例では、上層部としての非結晶質性部11mは、組成がCu55重量%〜66重量%、Zn34重量%〜45重量%の範囲で、重量%が100%となるようにCuとZnを組合わせたブラスめっきからなり、下層部としての結晶質性部11nも組成がCu55重量%〜66重量%、Zn34重量%〜45重量%の範囲で、重量%が100%となるようにCuとZnを組合わせたブラスめっきからなる。
非結晶質性部11mと結晶質性部11nとの判別は、結晶方位解析(EBSP)により観察されるフィラメントの断面の後方散乱電子線パターンによって行う。非積層構造部分14の結晶質性部11nではCuの結晶方位と対応する菊池パターンが得られるが、積層構造部分13の非結晶質性部11mでは明確な菊池パターンが得られない。
なお、アウターシースフィラメント23sは全アウターシースフィラメントFのうち50%以上となるように構成される。本実施形態では、全アウターシースフィラメント15本に対し8本が積層ブラスめっき鋼線12より成る。
これにより、タイヤを加硫するときにゴムGと接触する積層ブラスめっき鋼線12の非結晶質性部11mにおいて、非結晶質性部11mから拡散するCuとゴムG中のSとが速やかに反応して積層ブラスめっき鋼線12とゴムGとの界面に接着層が形成されるので、ゴムGとベルトコード20との初期接着性能が得られる。
また、ベルトコード20を構成する積層ブラスめっき鋼線12の非結晶質性部11mの内側に非結晶質性部11mよりも活性度が低く、Cuの拡散速度が遅い結晶質性部11nを備えているので、長時間の加硫を行ったとしてもタイヤのショルダー部におけるCuの供給過多により接着層が肥大化することがなく、過加硫の接着性の低下を防止することができる。
すなわち、ベルトコード20を構成する積層ブラスめっき鋼線12は、加硫の初期の段階でゴムG中に含まれるSと反応する非結晶質性部11mと、それ以降においてゴムG中に含まれるSと反応する結晶質性部11nとを有しているので、タイヤの使用時においてショルダー部に水分や熱による反応が進行しても、ベルト6a〜6dを構成するベルトコード20から析出するCuが早期に枯渇することがない。したがって、ベルトコード20の初期接着性能と接着耐久性能をともに向上させて、ベルト6a〜6dとゴムGとをしっかりと接着させることにより、ベルトコード20からなるベルト6a〜6dの端部における剥離を防止し、トレッドに生じた傷や亀裂から浸入する水分がベルトコード20と接触して生じる錆びを防止する耐水性を向上させることができる。
本例では、ベルトコード20を構成する積層ブラスめっき鋼線12が、上層部としての表面側に非結晶質性部11mを形成し、その下層部としての内側に結晶質性部11nを備えることで、耐久接着性能を向上させるようにしている。
体積割合Bを20%未満とした場合には、非結晶質性部11mと結晶質性部11nとを積層した効果が得られないため、初期接着性能だけでなく、過加硫時の接着性能、及び、耐熱接着性能も得ることができない。
また、体積割合Bが80%を超えると加硫時にCu原子の拡散が進みすぎて、ベルト6a〜6dの端部が位置するショルダー部の発熱時にCuが枯渇してしまうので、十分な耐熱接着性能が得られない。
これに対して、体積割合Bを20%以上80%以下とすると、初期接着時における非結晶質性部11mからのCuの拡散、過加硫時における結晶質性部11nと非結晶質性部11mからのCuの供給、走行時の湿熱劣化時における非結晶質性部11mと結晶質性部11nからのCuの供給の3つがバランス良く機能する。これは、長時間の加硫後にも結晶質性部11nのCu成分が十分に残っているため、タイヤ使用時の発熱があってもCuを十分に供給することができるからである。
また、ベルトコード外側のゴムと接しない部分であるコアフィラメントやシースフィラメントには、従来のような、ブラスめっき層の組成がCu及びZnから成り、そのうちCu55重量%〜66重量%で、結晶質性部からなる単層のブラスめっき層を有するブラスめっき鋼線や、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部より成る上層と、粒径が20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部より成る下層とが積層された積層構造部分として形成され、ブラスめっき層の表面全体に対して積層構造部分の非結晶質性部の表面が占める面積割合が20%未満のブラスめっき層で形成したフィラメントをベルトコード20に用いることで、本発明を適用したフィラメントで全て構成されたベルトコード20を製造するときの断線回数を少なくすることができ、接着性能も確保できる。
また、ベルトコード20を構成する最外層に位置する15本の全アウターシースフィラメントFのうち、8本のアウターシースフィラメント23sに上記積層構造を有する積層ブラスめっき鋼線12を用いたが、全アウターシースフィラメントFを上記積層ブラスめっき鋼線12としても良い。要は、ベルトコード20,25が、層撚り構造では最外層のアウターシースフィラメントの50%以上、複撚り構造では最外層ストランドの最外層シースフィラメントの50%以上が、ブラスめっき層の組成がCu及びZnから成り、そのうちCu55重量%〜66重量%で、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部より成る上層と、粒径が20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部より成る下層とが積層された積層構造部分として形成され、ブラスめっき層の表面全体に対して積層構造部分の非結晶質性部の表面が占める面積割合が20%以上で、積層構造部分の体積全体に対して非結晶質性部が占める体積割合が20%以上80%以下となるような所望の非結晶質性部割合のブラスめっき鋼線12により構成されれば、本発明の効果を十分に発揮させることができる。
なお、全アウターシースフィラメントFの中の上記積層ブラスめっき鋼線12の割合が50%に満たない場合には、過加硫時及び湿熱劣化時におけるCuの供給量が少なくなり、本発明の効果が十分に発揮されないので、ゴムGとの接着性が低下する。したがって、上記全アウターシースフィラメントFの50%以上を積層ブラスめっき鋼線12とすることが好ましい。
本ベルトコード25では、図4のハッチングで示すように、上記シースフィラメントEの全数のうち一部(50%以上;本例では5本のうち3本)のシースフィラメント27s(シースフィラメント27tを除く)は、組成がCu55重量%〜66重量%、Zn34重量%〜45重量%の範囲で、重量%が100%となるようにCuとZnが組合わされ、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部11mより成る上層と、粒径が20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部11nより成る下層とを積層して形成された積層ブラスめっき鋼線12により形成される(図3参照)。
なお、本例では、全シースフィラメントの残りのシースフィラメント27tは、例えば、Cu及びZnからなるブラスめっき層の組成割合がCu55重量%〜66重量%で残りの割合がZnから成り、結晶質性部のみから成る単層のブラスめっき鋼線や、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部より成る上層と粒径が20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部より成る下層とが積層された積層構造部分として形成され、ブラスめっき層の表面全体に対して積層構造部分の非結晶質性部の表面が占める面積割合が20%未満のブラスめっき層から成るスチール鋼線より成る。
この複撚り構造のベルトコード25は、上記積層ブラスめっき鋼線12がストランド28を形成する各全シースフィラメントEに対して50%以上のシースフィラメント27sについて用いられれば良く、上記層撚り構造のベルトコード20によりベルト6a〜6dを構成したときと同じ効果を得ることができる。
さらに、好ましい形態として層撚りの場合には、最外層シースフィラメントに100%,複撚りの場合には、最外層ストランドの最外層シースフィラメントに100%適用し、かつ、それ以外のフィラメントについては、従来のフィラメントを適用すれば良い。
以下、本発明の効果を調べるために層撚り構造のベルトコード20と複撚り構造のベルトコード25を作製して、図5の表1,表2に示すように、ベルトコード20,25の製造時の断線率、ベルトコード20,25とゴムとの初期接着性能,過加硫時の接着性能,耐熱接着性能,ベルト端部の耐剥離性能及び耐水性能について調べ、従来例1,2、比較例1,2及び発明例1〜4の8つのパターンにより評価を行った。なお、上記各接着性能の評価は、JIS G3510(1992)を参考にし、この規定に従ってゴム接着試験を行った。
なお、ベルトトリートの作製は、ベルトコード20が層撚り構造の従来例1,比較例1及び発明例1,2は10本/インチのコード間隔で平行に配置し、ベルトコード25が複撚り構造の比較例2及び発明例4〜6は8本/インチのコード間隔で平行に配置してトリートゴムで挟むようにして作製した。
耐熱接着性能の評価については、従来例1,2、比較例1,2及び発明例1〜4のベルトトリートに145℃×300分の加硫を行った後に、さらに100℃の高温環境に20日間放置したものを用いた。なお、上記各接着性能の評価は、試験後のベルトコード20,25に付着しているゴム量を測定し、このゴム量を指標(INDEX)として表し、比較例1及び発明例1,2については従来例1の結果を指標(INDEX)100として評価し、比較例2及び発明例3,4については従来例2の結果を指標(INDEX)100として評価した。指標(INDEX)が100よりも小さいとゴム付着量が少ないことを示している。すなわち、指標(INDEX)が小さいと接着性が弱いことを示す。
初期接着性能の評価については、従来例1、比較例1及び発明例1,2のベルトトリートに145℃×60分の加硫を行ったものを用いた。
過加硫時の接着性能の評価については、従来例1、比較例1及び発明例1,2のベルトトリートに145℃×300分の加硫を行ったものを用いた。
上記タイヤをドラム上を320時間走行させて停止した後、ベルト端部の剥離長さを測定した。比較例1のベルト端部の剥離長さを指標(INDEX)100として表し、指標(INDEX)が100よりも小さいほどベルト端部耐剥離性が向上していることを示す。
また、図5の表2に示すように、複撚り構造のベルトコード25では、比較例2及び発明例3,4のシースフィラメントEにおいて非結晶質性部11mの割合が、面積割合A,体積割合Bが多い積層ブラスめっき鋼線12を含むことにより、従来例2に比べていずれも耐熱接着性能が向上していることが分かる。特に非結晶質性部11mの体積割合Bが20%以上80%以下、面積割合Aが80%以上の積層ブラスめっき鋼線12をシースフィラメントEに含む割合が多くなるほどその効果は顕著となる。すなわち、比較例2及び発明例3,4においては、積層ブラスめっき鋼線12の非結晶質性部11mの体積割合Bが20%以上80%以下の範囲にあり、かつ、面積割合Aが80%以上有するので、タイヤ使用時における発熱に対して非結晶質性部11mと結晶質性部11nのCu成分が十分に残っており、Cuを供給することができるからである。
また、図5の表2に示すように、従来例2に比べて比較例2及び発明例3,4の指標(INDEX)が大きくなっており、本発明のベルトコード25がゴムGにしっかりと密着して接着されていることが分かる。
特に耐熱接着性能と過加硫時の接着性能から得られるベルト端部耐剥離性能と耐水性能について十分に性能を満足できる結果は、層撚り構造の発明例1,発明例2のベルトコード20と、複撚りコードの発明例3,発明例4のベルトコード25のときである。ベルトコード20,25の最外層に位置する全シースフィラメントE,全アウターシースフィラメントFを構成する積層ブラスめっき鋼線のうち50%以上に、非結晶質性部11mの面積割合Aが50%以上で、体積割合Bが20%以上80%以下の積層ブラスめっき鋼線12が含まれることが好ましい。上記積層ブラスめっき鋼線12において、より好ましくは面積割合Aが80%となるように非結晶質性部11mを形成し、体積割合Bが45%以上80%以下となるように形成すれば良い。
また、過加硫時の接着性能に優れるため、特に加硫時間が長くなる建設車両用タイヤにおいてベルト部近傍の耐久性向上に効果的である。
6a〜6d ベルト、7 カバーゴム、8 トレッドゴム、9 チェーファーコード、
11 ブラスめっき層、11m 非結晶質性部、11n 結晶質性部、
12 積層ブラスめっき鋼線、13 積層構造部分、14 非積層構造部分、
20 ベルトコード、21 コアフィラメント、
22 インナーシースフィラメント、
23s;23t アウターシースフィラメント、24 ラッピングフィラメント、
25 ベルトコード、26 コアフィラメント、
27s;27t シースフィラメント、
E 全シースフィラメント、F 全アウターシースフィラメント、
50 スチール鋼線。
Claims (4)
- 表面にブラスめっき層を有する鋼線によってコアフィラメントとシースフィラメントを形成した層撚り又は複撚り構造のタイヤのベルトコードであって、
層撚り構造については最外層シースフィラメントの50%以上、
複撚り構造については最外層ストランドの最外層シースフィラメントの50%以上が、
ブラスめっき層の組成が銅及び亜鉛から成り、そのうち銅55重量%〜66重量%で、粒径が20nm以下の結晶粒により形成された非結晶質性部より成る上層と、粒径が20nmを超える結晶粒から成る結晶質性部より成る下層とが積層された積層構造部分として形成され、
上記ブラスめっき層の表面全体に対して上記積層構造部分の非結晶質性部の表面が占める面積割合が20%以上で、上記積層構造部分の体積全体に対して非結晶質性部が占める体積割合が20%以上80%以下であるブラスめっき層より形成したことを特徴とするベルトコード。 - 上記シースフィラメントは、上記ブラスめっき層の体積全体に対して積層構造部分が占める体積割合が50%以上のブラスめっき鋼線より成ることを特徴とする請求項1に記載のベルトコード。
- 上記シースフィラメントは、上記ブラスめっき層の表面全体に対して上記非結晶質性部の表面が占める面積割合が80%以上のブラスめっき鋼線より成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルトコード。
- 上記請求項1乃至請求項3いずれかに記載のベルトコードを少なくとも最外層に位置するベルトに適用したことを特徴とする車両用タイヤ。
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