JP2011042855A - 炭酸水の製造方法および製造装置、ならびに炭酸浴装置 - Google Patents

炭酸水の製造方法および製造装置、ならびに炭酸浴装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度の炭酸水を効率よく製造することができる炭酸水の製造方法および製造装置、ならびにかかる炭酸水の製造装置を備える炭酸浴装置を提供する。
【解決手段】本炭酸水の製造装置は、炭素を含む陽極11と陰極13とが配置されている電解槽10と、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加する電源部20と、を備える。ここで、陽極11は、さらにイリジウムを含むことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭酸浴に好適に用いられる炭酸水の製造方法および製造装置、ならびに炭酸浴装置に関する。
炭酸浴は、その血行促進作用により、退行性病変、末梢循環障害などの治療に効果があるとされている。かかる炭酸浴のための炭酸水を製造するための種々の方法および装置が提案されている。
たとえば、特開2001−293344号公報(特許文献1)および特開2004−305286号公報(特許文献2)は、炭酸ガスを水に溶解させることにより炭酸水を得る炭酸水の製造方法および製造装置を開示する。特に、特開2001−293344号公報(特許文献1)は、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスを、中空糸膜などの膜型炭酸ガス溶解器を用いて、水に溶解する方法(膜による炭酸ガスの溶解方法)を開示する。また、特開2004−305286号公報(特許文献2)は、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスを、インゼクタを用いて微細気泡として、水に溶解する方法(微細気泡による炭酸ガスの溶解方法)を開示する。
また、特開平08−196456号公報(特許文献3)、特開平08−196880号公報(特許文献4)および特開平08−252192号公報(特許公報5)は、陽極および陰極のうち少なくとも陽極に炭素質電極を用いて構成された電解用電極を用いて水を電解することにより、炭素質電極に炭酸ガスを発生させて水に溶解させること(炭素質電極を用いた水の電解による炭素ガスの発生と溶解)により炭酸水を得る炭酸水の製造方法および製造装置を開示する。
特開2001−293344号公報 特開2004−305286号公報 特開平08−196456号公報 特開平08−196880号公報 特開平08−252192号公報
しかし、特開2001−293344号公報(特許文献1)に開示の膜による炭酸ガスの溶解方法は、水垢および/または細菌の発生により膜が詰まり、炭酸ガスを溶解できなくなる問題点があった。また、特開2004−305286号公報(特許文献2)に開示の微細気泡による炭酸ガスの溶解方法は、大きな装置が必要であり炭酸ガスの製造コストも高くなるという問題点があった。また、特開平08−196456号公報(特許文献3)、特開平08−196880号公報(特許文献4)および特開平08−252192号公報(特許公報5)に開示の炭素質電極を用いた水の電解による炭素ガスの発生と溶解により炭酸水を得る方法は、炭素浴に適する高濃度の炭酸水を製造することが困難という問題点があった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決して、高濃度の炭酸水を効率よく製造することができる炭酸水の製造方法および製造装置、ならびにかかる炭酸水の製造装置を備える炭酸浴装置を提供することを目的とする。
本発明は、炭素を含む陽極と陰極とが配置されている電解槽と、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極と陰極との間に電圧を印加する電源部と、を備える炭酸水の製造装置である。ここで、陽極はさらにイリジウムを含むことができる。
また、本発明は、上記の炭酸水の製造装置と浴槽とを備え、浴槽は電解槽との間で水および炭酸水の少なくともいずれかが循環するように構成されている炭酸浴装置である。
また、本発明は、炭素を含む陽極と陰極とが配置されている電解槽に水を流入させる工程と、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極と陰極との間に電圧を印加することにより、陽極に発生する炭酸ガスが水に溶解して炭酸水を得る工程と、を備える炭酸水の製造方法である。ここで、陽極はさらにイリジウムを含むことができる。
本発明によれば、高濃度の炭酸水を効率よく製造することができる炭酸水の製造方法および製造装置、ならびにかかる炭酸水の製造装置を備える炭酸浴装置を提供することができる。
本発明にかかる炭酸水の製造方法および製造装置の一例を示す概略図である。 本発明における炭酸水の製造方法および製造装置において用いられる陽極と陰極との間に印加される電圧のシーケンスの例を示す概略図である。ここで、(A)は方形波状のパターンを示し、(B)は曲線波状のパターンを示す。 本発明にかかる炭酸浴装置の一例を示す概略図である。 実施例における遊離炭酸濃度の経時変化を示すグラフである。 実施例における遊離塩素濃度の経時変化を示すグラフである。
(実施形態1)
図1を参照して、本発明の一実施形態である炭酸水の製造装置は、炭素を含む陽極11と陰極13とが配置されている電解槽10と、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加する電源部20と、を備える。本実施形態の炭酸水の製造装置は、かかる電解槽10および電源部20を備えることにより、陽極に発生する炭酸ガスのガス泡の直径をnmオーダーからμmオーダーまでに小さくすることができるため、遊離炭酸濃度が高い高濃度の炭酸水の製造が可能となる。以下、詳細に説明する。
本実施形態の炭酸水の製造装置は、炭素を含む陽極11と陰極13とが配置されている電解槽10を含む。かかる電解槽10中で水を電解すると、陽極11において、陽極11に含まれる炭素が酸化されて炭酸ガス(二酸化炭素ガス)が発生し、発生した炭酸ガスが水に溶解することにより、遊離炭酸を含む炭酸水が得られる。ここで、遊離炭酸とは、溶存炭素ガス(CO2)として水中に存在する二酸化炭素をいう。
このとき、水の中に、塩化物イオン(Cl-)が存在すれば、かかる塩化物イオンも陽極11で酸化されて塩素ガス(Cl2)が発生し、かかる塩素ガスが水に溶解して遊離塩素となる。ここで、遊離塩素とは、溶存塩素ガス(Cl2)、次亜塩素酸(HOCl)および次亜塩素酸イオン(OCl-)の少なくともいずれかとして水中に存在する塩素をいう。また、上記の遊離塩素は水と反応して、一重項酸素ガス(12)などの活性酸素が発生する。ここで、活性酸素とは、酸素が化学的に活性になった化学種をいい、一重項酸素ガスの他、過酸化水素(HOOH)、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2-)、ヒドロキシラジカル(HO・)などが含まれる。すなわち、塩化物イオンを含む水(たとえば、水道水など)を電解すると、遊離炭酸に加えて、化学活性の高い遊離塩素および活性酸素が生成する。このため、遊離塩素および活性酸素による殺菌効果も期待できる。
なお、遊離炭酸濃度は、JIS K0101:1998に規定する塩化ストロンチウム−塩酸滴定法などにより測定することができる。また、遊離塩素濃度は、JIS K0101:1998に規定するジエチル−p−フェニレンジアミン(DPD)比色法などにより測定することができる。また、活性酸素濃度は、ESR(電子スピン共鳴)法、ルミノールと活性酸素との反応による発光を用いたルミノール発光反応法などにより測定することができる。
ここで、炭素を含む陽極11は、炭素を含む電極であれば特に制限はないが、炭酸ガスを効率よく発生させ、また、不純物が水中に含まれるのを抑制する観点から、炭素の含有量が高いものが好ましい。たとえば、炭素電極11aを用いることが好ましい。また、かかる炭素電極11aは、電解による脆化を抑制するため、各種バインダーにより補強されていてもよい。
また、陽極11は、炭素に加えてイリジウムを含むことが好ましい。炭素を含む陽極11は、水の電解より、陽極上で炭酸ガスを発生させることにより炭素が消費されて脆化して、炭素が水中に流出する場合がある。かかる場合に、陽極にイリジウムが存在すると、イリジウムの酸化作用により、上記の炭素も酸化されて炭酸ガスが発生する。このため、陽極11中の炭素が炭酸ガスに変換される効率が高くなるとともに、水中に流出する炭素の量も低減する。炭素およびイリジウムを含む陽極11は、特に制限はなく、上記炭素電極11aとともにイリジウム電極11bを設けてもよく、炭素とイリジウムとの合金などの複合材を用いてもよい。
陰極13は、特に制限はないが、低コストで耐腐食性が高い観点から、ステンレス、銅、鉄などを含むものが好ましい。陰極13は、具体的には、ステンレス電極、銅電極、鉄電極などが好ましく挙げられる。
電解槽10には、水の流入管15および流出管17が設けられ、流入管15および流出管17にはそれぞれバルブ15v,17vが設けられている。バルブ15vを開くことにより電解槽10に水を流入させ、炭素を含む陽極と陰極との間に断続的に直流電流を印加して水を電解することにより、陽極11で炭酸ガスが発生し、発生した炭酸ガスが水に溶解して、炭酸水が得られる。こうして得られた炭酸水は、バルブ17vを開くことにより流出管17から流出される。
また、本実施形態の炭酸水の製造装置は、10kHz以上1000MHz以下の高周波で断続的に、上記の陽極11と陰極13との間に、直流電圧を印加する電源部20を備える。
10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することにより、陽極11に発生する炭酸ガスのガス泡の直径をnmオーダーからμmオーダーまでに小さくすることができる。すなわち、陽極11と陰極13との間への電圧の印加が10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に行われるとき、陽極11と陰極13との間に電圧が印加されると陽極11において炭酸ガスが発生し炭酸ガスのガス泡が成長し、陽極11と陰極13との間に電圧が印加されなくなると、陽極11と陰極13との間に逆電圧が発生して陽極11において成長した炭酸ガスのガス泡が陽極11から分離する。すなわち、陽極11と陰極13との間に断続的に印加する電圧の周波数を10kHz以上1000MHz以下に調整することにより、陽極で発生する炭酸ガスのガス泡の直径を1nmから100μmまでの微細な範囲で調整することができる。かかる観点から、陽極11と陰極13との間に電圧を断続的に印加する周波数は、500kHz以上100MHz以下が好ましく、1MHz以上10MHz以下がより好ましい。なお、炭酸ガスのガス泡の直径は、ナノ粒子径分布測定装置(好ましくは、動的光散乱法によるナノ粒子径分布測定装置)により測定することができる。
また、陽極で発生する炭酸ガスのガス泡の直径をさらに精度よく微細な範囲で調整する観点から、周波数に加えて、デューティ比をさらに調整することが好ましい。ここで、図2を参照して、デューティ比Dとは、周期的な現象において、ある期間(関数の周期T)に占めるその期間でその現象が継続される期間(関数が0でない期間τ)の割合をいい、D=τ/Tで表される。たとえば、図2(A)に示すような理想的なパルス列(方形波のパルス)では、パルス幅(関数が0でない期間τ)をパルス周期(関数の周期T)で割ったものがデューティ比Dである。なお、周波数fと周期Tとの間にはf=1/Tの関係があるため、D=τ/T=τ・fと表される。かかるデューティ比は、特に制限はないが、上記観点から、0.2(20%)以上0.8(80%)以下が好ましく、0.4(40%)以上が0.6(60%)以下がより好ましい。
ここで、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に上記の陽極11と陰極13との間に電圧を印加する電源部20は、特に制限はなく、たとえば、直流電源29と、スイッチ27と、スイッチ27のオン−オフの周波数およびデューティ比をそれぞれ設定するための周波数設定回路21およびデューティ比設定回路23と、設定された周波数およびデューティ比に対応してスイッチ27をオン−オフするスイッチ制御回路25と、を含む。このようにして、周波数fおよびデューティ比Dを設定すると、図2(A)に示すような方形波(パルス)周期TがT=1/fで方形波(パルス)幅τがτ=D・T=D/fである方形波に対応してスイッチをオン−オフすることにより、断続的に陽極11と陰極13との間に定電圧を印加することができる。
図1においては、直流電源29とスイッチ27とを用いたが、これらに替えて、交流電源と、整流器とを用いて(図示せず)、周波数fおよびデューティ比Dを設定してたとえば半波整流すると、図2(B)に示すような曲線波周期TがT=1/fで曲線波幅τがτ=D・T=D/fである曲線波に対応して、断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することができる。
(実施形態2)
図1を参照して、本発明の他の実施形態である炭酸水の製造方法は、炭素を含む陽極11と陰極13とが配置されている電解槽10に水を流入させる工程と、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することにより、陽極11で発生する炭酸ガスが水に溶解して炭酸水を得る工程と、を備える。本実施形態の炭酸水の製造方法は、炭素を含む陽極11と陰極13とが配置されている電解槽10に流入させた水を、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することにより電解させると、陽極11で発生する炭酸ガスのガス泡の直径をnmオーダーからμmオーダーまでに小さくすることができるため、遊離炭酸濃度が高い高濃度の炭酸水を製造できる。以下、詳細に説明する。
本実施形態の炭酸水の製造方法は、特に制限はなく、たとえば実施形態1の炭酸水の製造装置を用いて行うことができる。
本実施形態の炭酸水の製造方法は、炭素を含む陽極11と陰極13とが配置されている電解槽10に水を流入させる工程を備える。電解槽10への水の流入方法は、特に制限はなく、たとえば、バルブ15vを開いて流入管15を通して電解槽10へ水を流入させることができる。
本実施形態の炭酸水の製造方法は、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することにより、陽極11で発生する炭酸ガスが水に溶解して炭酸水を得る工程を備える。
水が流入した電解槽10中で、炭素を含む陽極11と陰極13との間に電圧を印加すると、陽極11において、次式(1)に示すように、
C + O2 → CO2 (1)
陽極11に含まれる炭素が酸化されて炭酸ガス(二酸化炭素ガス)が発生し、発生した炭酸ガスが水に溶解することにより、遊離炭酸を含む炭酸水が得られる。
このとき、水の中に、塩化物イオン(Cl-)が存在すれば、次式(2)に示すように、
2Cl- → Cl2+ 2e- (2)
塩化物イオンが陽極11で酸化されて塩素ガス(Cl2)が発生し、かかる塩素ガスが水に溶解して遊離塩素となる。
さらに、次式(3)に示すように、
Cl2 + H2O → 2HCl + 1/2O2 (3)
上記の遊離塩素は、水と反応して、一重項酸素ガス(12)などの活性酸素が発生する。
すなわち、塩化物イオンを含む水(たとえば、水道水など)を電解すると、遊離炭酸ガスに加えて、化学活性の高い遊離塩素および活性酸素ガスが生成する。このため、遊離塩素および活性酸素による殺菌効果も期待できる。
なお、遊離炭酸、遊離塩素および活性酸素の濃度の測定方法は、実施形態1において記載したとおりである。
ここで、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することにより、陽極11に発生する炭酸ガスのガス泡の直径をnmオーダーからμmオーダーまでに小さくすることができる。すなわち、陽極11と陰極13との間への電圧の印加が10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に行うとき、陽極11と陰極13との間に電圧を印加すると陽極11において炭酸ガスが発生し炭酸ガスのガス泡が成長し、陽極11と陰極13との間に電圧を印加しないと、陽極11と陰極13との間に逆電圧が発生して陽極11において成長した炭酸ガスのガス泡が陽極11から分離する。すなわち、陽極11と陰極13との間に断続的に印加する電圧の周波数を10kHz以上1000MHz以下に調整することにより、陽極11で発生する炭酸ガスのガス泡の直径を1nmから100μmまでの微細な範囲で調整することができる。かかる観点から、陽極11と陰極13との間に電圧を断続的に印加する周波数は、500kHz以上100MHz以下が好ましく、1MHz以上10MHz以下がより好ましい。なお、炭酸ガスのガス泡の直径の測定方法は、実施形態1において記載したとおりである。
また、陽極で発生する炭酸ガスのガス泡の直径をさらに精度よく微細な範囲で調整する観点から、周波数に加えて、デューティ比をさらに調整することが好ましい。ここで、図2を参照して、デューティ比Dとは、上記実施形態1と同様に、周期的な現象において、ある期間(関数の周期T)に占めるその期間でその現象が継続される期間(関数が0でない期間τ)の割合をいい、D=τ/Tで表される。たとえば、図2(A)に示すような理想的なパルス列(方形波のパルス)では、パルス幅(関数が0でない期間τ)をパルス周期(関数の周期T)で割ったものがデューティ比Dである。なお、周波数fと周期Tとの間にはf=1/Tの関係があるため、D=τ/T=τ・fと表される。かかるデューティ比は、特に制限はないが、上記観点から、0.2(20%)以上0.8(80%)以下が好ましく、0.4(40%)以上が0.6(60%)以下がより好ましい。
ここで、10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に上記の陽極11と陰極13との間に電圧を印加する方法には、特に制限はなく、たとえば、直流電源29と、スイッチ27と、スイッチ27のオン−オフの周波数およびデューティ比をそれぞれ設定するための周波数設定回路21およびデューティ比設定回路23と、設定された周波数およびデューティ比に対応してスイッチ27をオン−オフするスイッチ制御回路25と、を含む電源部20を用いて、周波数fおよびデューティ比Dを設定すると、図2(A)に示すような方形波(パルス)周期TがT=1/fで方形波(パルス)幅τがτ=D・T=D/fである方形波に対応してスイッチをオン−オフすることにより、断続的に陽極11と陰極13との間に定電圧を印加することができる。
図1においては、直流電源29とスイッチ27とを用いたが、これらに替えて、交流電源と、整流器とを用いて(図示せず)、周波数fおよびデューティ比Dを設定してたとえば半波整流すると、図2(B)に示すような曲線波周期TがT=1/fで曲線波幅τがτ=D・T=D/fである曲線波に対応して、断続的に陽極11と陰極13との間に電圧を印加することができる。
また、実施形態1の場合と同様に、陽極11は、炭素に加えてイリジウムを含むことが好ましい。炭素を含む陽極11は、水の電解より、陽極上で炭酸ガスを発生させることにより炭素が消費されて脆化して、炭素が水中に流出する場合がある。かかる場合に、陽極にイリジウムが存在すると、イリジウムの酸化作用により、上記の炭素も酸化されて炭酸ガスが発生する。このため、陽極11中の炭素が炭酸ガスに変換される効率が高くなるとともに、水中に流出する炭素の量も低減する。炭素およびイリジウムを含む陽極11は、特に制限はなく、上記炭素電極11aとともにイリジウム電極11bを設けてもよく、炭素とイリジウムとの合金を用いてもよい。
上記のようにして、本実施形態の炭酸水の製造方法によれば、陽極11に発生する炭酸ガスのガス泡の直径をnmオーダーからμmオーダーまでに小さくすることができるため、遊離炭酸濃度が好ましくは500mg/l以上、より好ましくは1000mg/l以上の高濃度の炭酸水を効率よく製造することができる。
本実施形態の炭酸水の製造方法は、さらに、炭酸水を電解槽10から流出させる工程を備えることができる。かかる工程により、得られた炭酸水を電解槽10から取り出すことができる。電解槽10からの水の流出方法は、特に制限はなく、たとえば、バルブ15vを開いて流出管17を通して電解槽10へ水を流入させることができる。
(実施形態3)
図3を参照して、本発明のさらに他の実施形態である炭酸浴装置は、実施形態1の炭酸水の製造装置と浴槽30とを備え、浴槽30は電解槽10との間で水および炭酸水の少なくともいずれかが循環するように構成されている。かかる構成を有する炭酸浴装置は、浴槽中に遊離炭酸ガス濃度が高い炭酸水が効率よく得られる。
本実施形態の炭酸浴装置の構成は、特に制限はなく、たとえば、以下のように構成されている。炭酸水の製造装置は実施形態1と同様である。浴槽30は、浴槽30に水および炭酸水の少なくともいずれかを流入させるための流入管35およびバルブ35vと、浴槽30から水および炭酸水の少なくともいずれかを流出させるための流出管37およびバルブ37vとを備える。また、電解槽10と浴槽30とは以下のように接続されている。すなわち、浴槽30の流出管37のバルブ37vと電解槽10の流入管15のバルブ15vとが第1接続管31により接続されており、第1接続管31の途中にポンプ39が配置されている。電解槽10の流出管17のバルブ17vと浴槽30の流入管35のバルブ35vとが第2接続管33により接続されている。
本実施形態の炭酸浴装置は、ポンプ39により浴槽30内の水が、浴槽30の流出管37、バルブ37v、第1接続管31、ポンプ39、バルブ15vおよび電解槽10の流入管15を通って、電解槽10内に流入する。次いで、電解槽10内で実施形態2に記載したように炭素を含む陽極と陰極とを用いて水を電解することにより炭酸水を製造する。次いで、電解槽10内で得られた炭酸水が、電解槽10の流出管17、バルブ17v、第2接続管33、バルブ35vおよび浴槽30の流入管35を通って、浴槽30内に流入する。このようにして、電解槽10で製造される炭酸水を、浴槽30と電解槽10との間で循環させることができ、浴槽30内の炭酸水の遊離炭酸の濃度を効率的に高くしかつ高く維持することができる。なお、図3中の矢印は、水および炭酸水の少なくともいずれかの循環方向を示している。
(実施例1)
図1に示すような電解槽10および電源部20を含む炭酸水の製造装置を準備した。電解槽10は、容積が10l(リットル)であり、陽極11として炭素電極11aおよびイリジウム電極11bが配置され、陰極13としてステンレス(SUS)電極が配置されていた。これらの電極は、いずれも3cm×30cm×厚さ5mmの板状の形状である。また、これらの電極は、陽極11であるイリジウム電極11bおよび炭素電極11aの主面間の距離が0.5cm、陽極11である炭素電極11aと陰極13であるステンレス(SUS)電極との間の主面間の距離が1cmとなるように配置されていた。また、電源部20は、直流電源29と、スイッチ27と、周波数を10kHzから1000MHzまでの範囲で任意に設定できる周波数設定回路21と、デューティ比を0から1まで(0%から100%まで)の範囲で任意に設定できるデューティ比設定回路23と、これらの回路に基づいてスイッチのオン−オフを制御するスイッチ制御回路25と、を含む。
流入管15から1lの水道水を流入した後、周波数を1MHzおよびデューティ比を0.6(60%)に設定して、陽極11と陰極13との間に、通電時に1.5Aの電流が流れるように、電圧を印加した。電圧印加から、0分後、10分後、30分後および60分後のそれぞれにおいて、電解槽10中の水または炭酸水の遊離炭酸濃度および遊離塩素濃度を測定した。遊離炭酸の濃度は、JIS K0101:1998に規定する塩化ストロンチウム−塩酸滴定法により測定した。また、遊離塩素濃度は、JIS K0101:1998に規定するジエチル−p−フェニレンジアミン(DPD)比色法により測定した。遊離炭酸の濃度は、電圧印加から、0分後が0mg/l、10分後が500mg/l、30分後が800mg/l、60分後が1050mg/lと極めて短時間で高くすることができた。また、遊離塩素の濃度も、電圧印加から、0分後が0.10mg/l、10分後が0.20mg/l、30分後が0.27mg/l、60分後が0.33mg/lと極めて高くすることができた。また、陽極から発生する炭酸ガスのガス泡の直径は、ナノ粒子分布測定装置(ベックマンコールター社製LS13320)により測定したところ、10nm〜1000nmと、極めて小さかった。結果を表1にまとめた。
(実施例2)
陽極11として炭素電極11aのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解槽中の陽極と陰極との間に電圧を印加した。遊離炭酸の濃度は、電圧印加から、0分後が0mg/l、10分後が300mg/l、30分後が500mg/l、60分後が600mg/lと短時間で高くすることができた。また、遊離塩素の濃度も、電圧印加から、0分後が0.10mg/l、10分後が0.10mg/l、30分後が0.15mg/l、60分後が0.15mg/lと高くすることができた。また、陽極から発生する炭酸ガスのガス泡の直径は、10nm〜1000nmと、極めて小さかった。なお、電圧印加からの時間の経過かとともに、電解槽中の水が黒く濁った。これは、陽極の炭素電極中の炭素が、炭酸ガスに酸化される前に、水中に多く流出したためと考えられる。結果を表1にまとめた。
Figure 2011042855
また、表1の結果に基づいて、実施例1および実施例2について、遊離炭酸の濃度の経時変化を図4にプロットし、遊離塩素の濃度の経時変化を図5にプロットした。表1、図4および図5を参照して、実施例1は、実施例2に比べて、遊離炭素および遊離塩素の濃度およびその上昇率がいずれも高くなった。また、実施例1は、実施例2において見られたような水の黒濁が見られなかった。陽極が炭素に加えてイリジウムを含むことにより、イリジウムの酸化作用により、陽極に含まれる炭素の酸化効率が高くなり遊離炭素の生成効率が高くなったため、水中に流出する炭素が低減されたものと考えられる。また、陽極に含まれるイリジウムの酸化作用により、遊離塩素の生成が促進されたものと考えられる。
10 電解槽、11 陽極、11a 炭素電極、11b イリジウム電極、13 陰極、15,35 流入管、15v,17v,35v,37v バルブ、17,37 流出管、20 電源部、21 周波数設定回路、23 デューティ比設定回路、25 スイッチ制御回路、27 スイッチ、29 直流電源、30 浴槽、31 第1接続管、33 第2接続管、39 ポンプ。

Claims (5)

  1. 炭素を含む陽極と陰極とが配置されている電解槽と、
    10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、を備える炭酸水の製造装置。
  2. 前記陽極はさらにイリジウムを含む請求項1に記載の炭酸水の製造装置。
  3. 請求項1の炭酸水の製造装置と、浴槽と、を備え、
    前記浴槽は、前記電解槽との間で水および炭酸水の少なくともいずれかが循環するように構成されている炭酸浴装置。
  4. 炭素を含む陽極と陰極とが配置されている電解槽に水を流入させる工程と、
    10kHz以上1000MHz以下の周波数で断続的に前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記陽極で発生する炭酸ガスが前記水に溶解して炭酸水を得る工程と、を備える炭酸水の製造方法。
  5. 前記陽極はさらにイリジウムを含む請求項4に記載の炭酸水の製造方法。
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