JP2011041888A - ジェットミル粉砕条件の最適化方法 - Google Patents

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Seizo Hashimoto
成三 橋本
一郎 ▲高▼林
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Abstract

【課題】所定の粒度分布の粉体を安定的に得るためのジェットミル粉砕条件を、効率的且つ精度よく設定することができる方法を提供する。
【解決手段】粉砕に影響する要因を複数選択し、選択された要因毎に複数の水準を選択し、選択された要因および選択された水準を実験計画法に基づき直交配列表に割り付け、直交配列表に基づく粉砕条件によって試し粉砕を行い、得られた粉体の小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(D50)および/または小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が90%となる粒径(D90)を測定し、前記の測定値について分散分析を行い、D50および/またはD90に対する有意な要因を特定し、特定された有意な要因の各水準における、D50および/またはD90の点推定と区間推定とを行って、前記の点推定と区間推定によって求められた推定値と信頼区間とに基づいて、所望のジェットミル粉砕条件を決定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジェットミル粉砕条件の最適化方法に関する。より詳細には、本発明は、所定の粒度分布を有する粉体を安定的に得るためのジェットミル粉砕条件を、効率的且つ精度よく設定することができる方法に関する。
食品、製薬、農薬製剤、工業用材料、建築用材料等が関わる多くの産業分野において粉体又は粒子を取り扱う技術の開発が行われている。造粒技術のひとつに粉砕方法が知られている。
粉砕方法には乾式粉砕方法と湿式粉砕方法があり、さらに乾式粉砕方法には、ジェットミル粉砕方法(又はエアミル粉砕方法)がある。ジェットミル粉砕方法は、ミル装置内部の空気の流れにより生じる流体エネルギーで、粒子同士を衝突させるとともに器壁との衝突で物理的に磨砕することを利用した粉砕方法であり、微粉砕が可能である。あらかじめメカノケミカル粉砕により粗粉砕を行っておいてのち、ジェットミル粉砕を行うことで粒子をより微細化することができる。
ジェットミル装置としては、特許文献1や2などに記載されている水平旋回流型ジェットミル、特許文献3や4などに記載されている流動層ジェットミル、特許文献5などに記載されている垂直旋回流型ジェットミルなどがある。
しかし、目的とする粒子径を有する粉体を得るためのジェットミル装置の粉砕条件の設定は、技術者個人の経験則によるところが多く、効率的でなかった。
特開昭52−44450号公報 特開昭63−319067号公報 特開平4−271853号公報 特開2002−35631号公報 特開2007−38221号公報
本発明は、所定の粒度分布を有する粉体を安定的に得るためのジェットミル粉砕条件を、効率的且つ精度よく設定することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジェットミル粉砕に影響する要因を複数選択し、選択された要因毎に複数の水準を選択し、選択された要因および選択された水準を実験計画法に基づき直交配列表に割り付け、直交配列表に基づく粉砕条件によって試し粉砕を行い、得られた粉体の小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(D50)および/または小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が90%となる粒径(D90)を測定し、前記の測定値について分散分析を行い、D50および/またはD90に対する有意な要因を特定し、特定された有意な要因の各水準における、D50および/またはD90の点推定と区間推定とを行い、前記の点推定と区間推定とによって求められた推定値と信頼区間とに基づいて、所望のD50および/またはD90になるジェットミル粉砕条件を決定することによって、所定の粒度分布を有する粉体を安定的に得るためのジェットミル粉砕条件を、効率的且つ精度よく設定できることを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明の方法によれば、少ない試し粉砕によって最適な粉砕条件を導き出すことができるので、少ない労力・コスト・時間で、所定の粒子径を有する粉体をジェットミル粉砕によって得ることができる。
本発明のジェットミル粉砕条件の最適化方法は、ジェットミル粉砕に影響する要因を複数選択する第一ステップ、選択された要因毎に複数の水準を選択する第二ステップ、選択された要因および選択された水準を実験計画法に基づき直交配列表に割り付ける第三ステップ、直交配列表に基づく粉砕条件によって試し粉砕を行い、得られた粉体の小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(D50)および/または小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が90%となる粒径(D90)を測定する第四ステップ、前記の測定値について分散分析を行い、D50および/またはD90に対する有意な要因を特定する第五ステップ、特定された有意な要因の各水準における、D50および/またはD90の点推定と区間推定とを行う第六ステップ、および前記の点推定と区間推定とによって求められた推定値と信頼区間とに基づいて、所望のD50および/またはD90になるジェットミル粉砕条件を決定する第七ステップを含むものである。
〔第一ステップ・第二ステップ〕
要因および水準は、実際のジェットミル粉砕の製造フローから選択することができる。本発明で用いるジェットミル装置としては、粉砕原料を圧縮空気などの流体と共に吹き込み、高速の乱流を発生させて、気流中で粉砕原料が相互に、又は器壁に衝突を繰り返すことで微粒子に破砕される機構を有するものであれば特に制限はない。具体的には、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)、スーパージェットミル(日清エンジニアリング社製)、カレントジェット(日清エンジニアリング社製)、ウルトラローター(WIR社製)、ジェット−O−マイザー(縦型:セイシン企業社製)、カウンタージェットミル(流動槽型ジェット粉砕機:ホソカワミクロン社製)等を挙げることができる。
ジェットミル装置に由来する要因としては、粉砕原料のチャージ量、粉砕原料の供給圧、及び粉砕室圧を挙げることができ、これらの中から任意の複数の要因を選択することができる。
粉砕原料のチャージ量は、供給される粉砕原料の重量や体積を測定してそれを用いてもよいし、ジェットミル装置を駆動する為の電圧量(Hz)を用いてもよい。電圧量の数値が低いほど、単位時間当たりにジェットミル装置に供給される粉砕原料の重量または体積は少なくなる。
粉砕原料の供給圧とは、ジェットミル装置のフィーダーに掛かる圧力(MPa)である。この数値が低いほど、単位時間当たりにジェットミル装置に供給される風量(流体量)は少なくなる。
ジェットミル粉砕室の圧力とは、ジェットミル装置内部に掛かる圧力(MPa)である。この数値が低いほど、単位時間当たりにジェットミル装置内で粉砕に要する風量(流体量)は少なくなる。
さらに、追加の要因として、分級機の有無を選択することができる。
分級機としては、スクリーンを使用する篩分け機(シフター)と、風力分級機があり、具体的には、ターボクラシファイア(日清エンジニアリング社製)等を挙げることができる。また、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)のように、ジェットミル粉砕機自体が分級機能を有する場合もある。
また、ジェットミル粉砕を行う前に、あらかじめメカノケミカル粉砕を行う場合は、さらに追加の要因の選択を行うことができる。メカノケミカル粉砕機としては、粉砕原料を機械的、物理的な衝撃エネルギーにより粉砕する機構を有するものであれば、特に制限はない。具体的には、ハンマーミル(東京アトマイザー製造社製)、ピンミルタイプのラインミル(ツカサ工業社製)、インパクトミル(ミルシステム社製)等を挙げることができる。
メカノケミカル粉砕機に由来する要因としては、スクリーンの有無、粉砕原料のメカノケミカル粉砕機へのチャージ量などを挙げることができる。
スクリーンの有無とは、メカノケミカル粉砕機の内部にスクリーン(例えば、3mmφのスクリーン)をセットするかどうかのことである。
粉砕原料のメカノケミカル粉砕機へのチャージ量は、メカノケミカル粉砕機に供給される粉砕原料の重量や体積を測定してそれを用いてもよいが、メカノケミカル粉砕を駆動する為の電圧量(Hz)を用いてもよい。この電圧量の数値が低いほど、単位時間当たりにメカノケミカル粉砕機に供給される粉砕原料の重量は少なくなる。
第一ステップにおいては、粉砕に影響する要因として、粉砕原料のチャージ量、粉砕原料の供給圧、およびジェットミル粉砕室の圧力を選択することが好ましく;粉砕原料のチャージ量、粉砕原料の供給圧、ジェットミル粉砕室の圧力、得られた粒子を分級するための装置の有無、および粉砕原料を調製する際に用いたメカノケミカル粉砕装置内のスクリーンの有無を選択することがより好ましい。
また、第二ステップにおいては、各要因の水準を2つとすることが好ましい。最初から3つ以上の水準を選択してもよいが、先ず、2つの水準で試し粉砕を行い、その結果として、所望の粒度分布を有する粉体にするジェットミル最適条件を決定できない場合やその他必要な場合に、追加の水準を選択して、試し粉砕を行うことが好ましい。
〔第三ステップ〕
実験計画法により効率的な試し粉砕(実験)を行うには、直交配列表を適用することが好ましい。直交配列表を適用することによって、複数の要因(本発明においては、粉砕物の粒子径に影響を与える条件)に関する情報を、少ない数の実験によって得ることができる。また、既製ソフトウェアなどを利用することで、実験計画法に精通しない者でも機械的に交絡法等の手法を簡単に行うことが可能であり、データの解析も容易である。
〔第四ステップ〕
試し粉砕は、実際に工場の現場等で使用する実機で行ってもよいし、実機に対して化学工学的な相似性を有するパイロット装置や小型試験機で行ってもよい。試し粉砕で得られた粉体の粒度分布の測定は、粉体の品質規格に従った方法で行う。本発明では、小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(D50)および/または小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が90%となる粒径(D90)を測定する。
なお、求められる粉体の粒度分布として、小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が10%となる粒径(D10)、95%以上の粒子がその範囲内の粒度を有する粒度範囲(R)を測定してもよい。
〔第五ステップ〕
分散分析は、複数の集団について集団間の差異を判定し検定する統計学の手法である。SASやSPSSといった主要な統計パッケージで、分散分析を実行することもできる。また、分散分析やそれに伴う多重比較に特化したソフトウェアもある。例えば、Java(登録商標)Script−STAR、ANOVA4 on the Web、分散分析プログラム(AIST−ANOVA)、Excel NAG 統計解析アドイン、ezANOVA、MAANOVA、などが挙げられる。
本発明では、第五ステップにおける危険率を1%または5%に設定することが好ましい。危険率5%の設定で有意な要因の特定が困難な場合は危険率1%に設定することができる。
〔第六ステップ〕
点推定は、上記の試し粉砕による平均粒度(標本)から実機粉砕における平均粒度(母集団)において最もありえそうな平均粒度を推定することである。点推定で推定された最もありえそうな平均粒度を推定値という。区間推定は、平均粒度がある確率(信頼率)で存在する範囲を推定することである。平均粒度がある確率(信頼率)で存在する範囲を信頼区間という。第六ステップにおける信頼率は95%に設定することが好ましい。なお、点推定および区間推定は推定統計学における手法である。本発明においてはF検定が好適である。
〔第七ステップ〕
ジェットミル粉砕条件の決定は、点推定と区間推定とによって求められた推定値と信頼区間とに基づいて行われる。
粉体の品質規格がD50だけであるとき、D50が信頼区間の範囲内になる要因と水準の組み合わせを選び出すことによってジェットミル粉砕条件を決定する。同様に、粉体の品質規格がD90だけであるとき、D90が信頼区間の範囲内になる要因と水準の組み合わせを選び出すことによってジェットミル粉砕条件を決定する。
粉体の品質規格がD50とD90の両方であるとき、D50が信頼区間の範囲内になる要因と水準の組み合わせと、D90が信頼区間の範囲内になる要因と水準の組み合わせとを、それぞれ選び出す。選び出した要因と水準の組み合わせに矛盾が生じない場合は、それをジェットミル粉砕条件として決定する。さらにD10やRなどを品質規格として追加した場合には、上記と同様の手法によって要因と水準を選び出し、選び出した要因と水準の組み合わせからジェットミル粉砕条件を決定する。
選び出した要因と水準の組み合わせに矛盾が生じる場合は、矛盾した複数の水準の中間値等をジェットミル粉砕条件として決定することができる。中間値等を採り得ないなどの理由でジェットミル粉砕条件を決定できない場合は、要因や水準を見直し第一ステップから第七ステップまでをやり直して、ジェットミル粉砕条件を再決定することができる。
〔第八ステップ・第九ステップ〕
第八ステップは、第一ステップ〜第七ステップによって得られたジェットミル粉砕条件の正しさを検証するものである。
本発明の最適化方法では、第八ステップにおいて、所望のD50および/またはD90を有する粒子が得られなかった場合に、第七ステップで決定したジェットミル粉砕条件を修正する第九ステップをさらに含むことが好ましい。
第九ステップでは、最初に選択した要因や水準を見直し、第一ステップから第七ステップまでをやり直して、ジェットミル粉砕条件を再決定することができる。第九ステップにおける手法は上記したものと同じである。
本発明の粉体の製造方法は、前記の方法によって求められたジェットミル粉砕条件によって、粉砕原料をジェットミル粉砕して、所望のD50および/またはD90を有する粉体を製造する方法である。
ジェットミル粉砕に用いられる粉砕原料は、粉砕を目的とするものであれば、特に限定されない。具体的には、お茶、穀物、豆類、スパイス、健康食品、乾燥食品等の食品類、塗料、インキ、顔料、電子材料、電池材料、半導体用研磨剤、光触媒、カーボンナノチューブ、プラスチック類、合成ゴム等の化成品類、クレー、ベントナイト、石灰石、生石灰、タルク、石炭等の鉱物類、銅、鉄、アルミ、磁性粉末等の金属類、さらに、医薬、化粧品、農薬、化成肥料等が挙げられる。これらは、単一物であっても、複数成分からなる組成物であってもよい。
また、高濃度での粉砕を行う目的で、粉砕助剤との併用による粉砕もできる。粉砕助剤としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の低級アルキレングリコール類、トリエタノールアミン類、ステアリン酸等の長鎖脂肪酸類が挙げられる。
(実施例1)
(1)実験計画
粉砕原料は、農薬活性成分:18.7重量%、塩化カリウム:10重量%、尿素1.0重量%、界面活性剤成分:8.5重量%、およびクラウンクレー:62.1重量%の混合粉末を用い、1ロット当たり100kgを用いた。目的とする粉砕物の平均粒径(D50)を2.5±0.3μmと規定した。
粗粉砕には、奈良式粉砕機(奈良機械製作所社製)を用い、ジェットミル粉砕には、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)を用いた。表1に、選択した要因を示す。
Figure 2011041888
5つの要因を選択し、2水準系とした。技術的に想定される交互作用には、(A×B)、(B×C)を選択した。合計の自由度は7つとなり、L8(27)型の直交配列表を使用した。
8(27)型の直交配列表に基づいて、実験番号1〜8の8回の実験を計画した。
表2に、わりつけられた要因の水準と、実験順序を示す。
Figure 2011041888
また、表3に、わりつけられた各要因に対応する各実験条件を、実験順序に従って示す。
Figure 2011041888
例えば、実験番号6の実験を1番目に実施する。この実験の条件は、チャージ量(ジェットミル)を20Hz、粉砕室圧(ジェットミル)を0.7MPa、供給圧(ジェットミル)を0.6MPaとし、粗粉砕にスクリーンを使用し、ジェットミル粉砕後に分級機を用いることを示す。
なお、横型ウルマックス内に分級用の円盤を組み込むことで、分級機能を持たせることができるので、この機能を分級機の代用とした。
(2)実験結果の解析
表4に実験結果を示す。
粒度分析には、粒度分布測定装置(SALAD2200;島津製作所社製)を用いた。
Figure 2011041888
得られた実験データを元に、要因ごとに、第1水準の合計(T1)、第2水準の合計(T2)、及び平方和{S:S=(T1−T22/8}を求めた。
次に分散分析表を作成した。この場合、全て2水準であるので、各平方和の自由度(φ)は1である。
表5に、要因ごとの、平方和(S)、自由度(φ)、分散(V)、分散に対する期待値{E(V)}を示す。ここで、当初の要因(F)はその平方和が最も小さいので、誤差を表す要因(e)とした。
Figure 2011041888
次に、各要因の分散分析を実施した。その結果、有意な要因は検出されなかった。そこで、分析の検出力を上げる為、有意にならなかった要因の内、F0値が2.0よりも小さい要因(B×C)を誤差項にプールし、(e’)誤差項を再度作り直して分散分析をやり直した。尚、要因Bも小さかったが、交互作用A×BのF0値が5.0より大きかったので、主効果はプールしなかった。
表6に、分散分析の結果を示す。
Figure 2011041888
各要因の分散を、誤差(e’)の分散で割った分散比(F0)を求め、F値{F(1,2:0.05)}と比較して有意性の検定を行った。ここで、F(1,2:0.05)=18.5である。
結果、要因(A)の分散比が、限界値を上回ったので、要因(A)が危険率5%で有意となった。従って、実験データの構造式は、y=μ+αi+εilとなった。また、寄与率(ρ)は66.4%であった。
次に、要因(A)についての点推定および区間推定を行った。
まずは、信頼率95%の信頼区間の幅を以下の式により求めた。ここで、t(2,0.05)=4.303である。
区間推定式:±t(2,0.05)×√(VE’×1/ne)=±0.1527
但し、有効反復数 1/ne=(有意になった要因の自由度和+1)/全データ数
<田口の式>とした。
表7に、要因(A)についての、推定値および信頼率95%の信頼区間を示す。ここで、A1は要因(A)の第1水準を示し、A2は要因(A)の第2水準を示す。
Figure 2011041888
(3)実験結果の考察
目的とする粉砕物の平均粒径(D50)は2.5±0.3μmである。A2の条件の信頼区間は、2.475〜2.78μmである。すなわち、ジェットミル粉砕においてチャージ量を20Hzとすることが適した条件であることが判明した。
(実施例2)
(1)実験計画
目的とする粉砕物の90%の粒度分布(D90)を8.2μm未満と規定した。
実施例1の実験と同様の実験計画法を適用し、D50の測定に代えてD90の測定を行った。粉砕原料は実施例1の組成と同じ混合粉末を用いた。
(2)実験結果の解析
表8に、実験結果を示す。
粒度分析には、粒度分布測定装置(SALAD2200;島津製作所社製)を用いた。
Figure 2011041888
次に実施例1と同様の方法により分散分析表を作成した。ここで、当初の要因(F)は技術的に想定から誤差とみなし、誤差を表す要因(e)とした。表9に、結果を示す。
Figure 2011041888
次に、各要因の分散分析を実施した。その結果、有意な要因はAのみだった。そこで、分析の検出力を上げる為、有意にならなかった要因の内、F0値が2.0よりも小さい要因(A×B、B×C)を誤差項にプールし、(e’)誤差項を再度作り直して分散分析をやり直した。表10に、検定結果を示す。
Figure 2011041888
各要因の分散を、誤差(e’)の分散で割った分散比(F0)を求め、F値{F(1,2:0.05)}と比較して有意性の検定を行った。ここで、F(1,3:0.05)=10.1である。
結果、要因(A)及び要因(C)が危険率5%で有意となった。従って、実験データの構造式は、y=μ+αi+γk+εiklとなった。
次に、要因(A)と要因(C)の組合せについての点推定および区間推定を行った。
まずは、信頼率95%の信頼区間の幅を以下の式により求めた。ここで、t(3,0.05)=3.182である。
区間推定式:±t(3,0.05)×√VE’×1/ne=±0.9591
但し、1/ne=(有意になった要因の自由度和+1)/全データ数<田口の式>である。
表11に、要因(A)と要因(C)の組合せについての、推定値および信頼率95%の信頼区間を示す。ここで、A1C1は要因(A)の第1水準と要因(C)の第1水準の組合せを示す。A1C2は要因(A)の第1水準と要因(C)の第2水準の組合せを示す。A2C1は要因(A)の第2水準と要因(C)の第1水準の組合せを示す。A2C2は要因(A)の第2水準と要因(C)の第2水準の組合せを示す。
Figure 2011041888
(3)実験結果の考察
目的とする粉砕物の90%の粒度分布(D90)は8.2μm未満である。A1C1の条件の信頼区間は、4.382〜6.301μmである。A1C2の条件の信頼区間は、5.925〜7.844μmである。すなわち、ジェットミル粉砕においてチャージ量を10Hzとすることが適した条件であることが判明した。
(実施例3)
目的とする粉砕物の平均粒径(D50)が2.5±0.3μmであり、90%の粒度分布(D90)が8.2μm未満である粉砕物の製造を行った。実施例1及び実施例2の結果に基づいて、ジェットミル粉砕におけるチャージ量を10Hzと20Hzの中間値である15Hzとした。表12に製造条件を示す。
Figure 2011041888
粉砕原料は実施例1の組成と同じ混合粉末を用い、1バッチ当たり1000kgで4回繰り返して製造した。表13に結果を示す。
Figure 2011041888
表13に示すように、いずれの粉砕物も、目的とする粒度を示すものであった。

Claims (9)

  1. ジェットミル粉砕に影響する要因を複数選択する第一ステップ、
    選択された要因毎に複数の水準を選択する第二ステップ、
    選択された要因および選択された水準を実験計画法に基づき直交配列表に割り付ける第三ステップ、
    直交配列表に基づく粉砕条件によって試し粉砕を行い、得られた粉体の小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(D50)および/または小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が90%となる粒径(D90)を測定する第四ステップ、
    前記の測定値について分散分析を行い、D50および/またはD90に対する有意な要因を特定する第五ステップ、
    特定された有意な要因の各水準における、D50および/またはD90の点推定と区間推定とを行う第六ステップ、および
    前記の点推定と区間推定とによって求められた推定値と信頼区間とに基づいて、所望のD50および/またはD90になるジェットミル粉砕条件を決定する第七ステップを含むジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  2. 第七ステップで決定したジェットミル粉砕条件で再度試し粉砕を行い、所望のD50および/またはD90を有する粉体が得られることを確認する第八ステップをさらに含む、請求項1に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  3. 第八ステップにおいて、所望のD50および/またはD90を有する粒子が得られなかった場合に、第七ステップで決定したジェットミル粉砕条件を修正する第九ステップをさらに含む、請求項2に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  4. 第一ステップにおいて、粉砕原料のチャージ量、粉砕原料の供給圧、およびジェットミル粉砕室の圧力を、粉砕に影響する要因として選択する請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  5. 第一ステップにおいて、粉砕原料のチャージ量、粉砕原料の供給圧、ジェットミル粉砕室の圧力、得られた粒子を分級するための装置の有無、および粉砕原料を調製する際に用いたメカノケミカル粉砕装置内のスクリーンの有無を、粉砕に影響する要因として選択する請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  6. 第五ステップにおける危険率が1%または5%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  7. 第二ステップにおいて選択される各要因の水準が2つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  8. 第六ステップにおける信頼率が95%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のジェットミル粉砕条件の最適化方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって求められたジェットミル粉砕条件によって、粉砕原料をジェットミル粉砕して、所望のD50および/またはD90を有する粉体を製造する方法。
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