JP2011041059A - 符号化装置、情報処理装置、符号化方法、及びデータ伝送方法 - Google Patents

符号化装置、情報処理装置、符号化方法、及びデータ伝送方法 Download PDF

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    • H04B3/548Systems for transmission via power distribution lines the power on the line being DC

Abstract

【課題】DC遮断特性を持つ伝送路においても高い伝送品質を維持しつつ、周波数スペクトラムを広帯域化せずに伝送速度を高速化することが可能な符号化装置を提供すること。
【解決手段】nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化部を備え、前記符号化部は、変換後に得られた前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合に、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データの極性を制御する、符号化装置が提供される。
【選択図】図11

Description

本発明は、符号化装置、情報処理装置、符号化方法、及びデータ伝送方法に関する。
携帯電話やノート型のパーソナルコンピュータ(以下、ノートPC)等の情報処理装置は、ユーザが操作する本体部分と、情報が表示される表示部分とを接続するヒンジ部分に可動部材が用いられていることが多い。ところが、ヒンジ部分には多数の信号線や電力線が配線されており、配線の信頼性を維持する工夫が求められる。まず、考えられるのが、ヒンジ部分を通る信号線の数を減らすことである。そこで、本体部分と表示部分との間においては、パラレル伝送方式ではなく、シリアル伝送方式でデータの伝送処理が行われるようにする。このようにシリアル伝送方式を用いると信号線の本数が低減される。
さて、シリアル伝送方式の場合、データは符号化されてから伝送される。その際、符号化方式としては、例えば、NRZ(Non Return to Zero)符号方式やマンチェスター符号方式、或いは、AMI(Alternate Mark Inversion)符号方式等が用いられる。例えば、下記の特許文献1には、バイポーラ符号の代表例であるAMI符号を利用してデータ伝送する技術が開示されている。また、同文献には、データクロックを信号レベルの中間値で表現して伝送し、受信側で信号レベルに基づいてデータクロックを再生する技術が開示されている。
特開平3−109843号公報
しかしながら、ノートPCのような情報処理装置においては、上記の符号を用いるシリアル伝送方式を用いても、依然としてヒンジ部分に配線される信号線の本数が多い。例えば、ノートPCの場合、表示部分に伝送されるビデオ信号の他、LCDを照明するためのLEDバックライトに関する配線が存在し、これらの信号線を含めると数十本程度の信号線がヒンジ部に配線されることになる。但し、LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。また、LEDは、Light Emitting Diodeの略である。
そこで、本件発明者は、直流成分を含まず、かつ、受信信号からクロック成分を容易に抽出することが可能な符号化方式(以下、新方式)を開発した。この新方式に基づいて生成された伝送信号は直流成分を含まないため、直流電源に重畳して伝送することができる。さらに、この伝送信号から極性反転周期を検出することにより、受信側でPLLを用いずにクロックを再生することが可能になる。そのため、複数の信号線を纏めることが可能になり、信号線の本数を減らすことができると共に、消費電力及び回路規模の低減が実現される。但し、PLLは、Phase Locked Loopの略である。
さて、最近では、アプリケーションの多様化に伴い、LCDの解像度が大きく向上している。そのため、上記のような消費電力の低減と共に、伝送速度の高速化が1つの大きな課題となっている。伝送速度の高速化は、単純にクロックを高速化することにより実現できる。しかし、シリアル伝送路においてクロックを高速化すると、伝送信号の周波数スペクトラムが広帯域化して携帯電話等に対する電磁妨害(EMI)が発生してしまう。また、クロックの高速化は消費電力の増加をもたらす。但し、EMIは、Electro Magnetic Interferenceの略である。
そこで、より多くのデータを同じクロックで伝送することが可能な符号化方法が求められている。また、上記のように直流電源に伝送信号を重畳して伝送する場合には、DC遮断特性を持つ伝送路を通じて信号が伝送される。そのため、DCバランスが良好な伝送信号を生成することが可能な符号化方法が望ましい。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、DC遮断特性を持つ伝送路においても高い伝送品質を維持しつつ、周波数スペクトラムを広帯域化せずに伝送速度を高速化することが可能な、新規かつ改良された符号化装置、情報処理装置、符号化方法、及びデータ伝送方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化部を備え、前記符号化部は、変換後に得られた前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合に、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御する、符号化装置が提供される。
また、前記所定の変換則において、前記nビットの2値データのうち、0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データが対応付けられており、正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データが対応付けられており、前記符号化部は、前記変換後に得られたk値データのDCバランスが正の場合、当該k値データの前に位置するk値データの列が正のDCバランス持つとき、前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの符号を反転するように構成されていてもよい。
また、上記の符号化装置は、前記所定の変換則に則って0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データを対応付ける第1の変換テーブルと、前記所定の変換則に則って正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データを対応付ける第2の変換テーブルと、前記正のDCバランスを持つk値データに含まれるm個のシンボルの符号を反転して得られる負のDCバランスを持つk値データに前記(2−K)個の2値データを対応付ける第3の変換テーブルと、が記録された記憶部をさらに備えていてもよい。
さらに、前記符号化部は、変換すべき前記2値データが前記(2−K)個の2値データに該当する場合、前記k値データの列において当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が正のDCバランスを持つとき、前記第3の変換テーブルを用いて当該2値データを変換し、当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が負のDCバランスを持つとき、前記第2の変換テーブルを用いて当該2値データを変換するように構成されていてもよい。
また、前記k、m、nの組み合わせには、(k,m,n)=(3,6,8)、(4,4,6)、又は(4,5,8)のいずれか1つを適用してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化部を備え、前記所定の変換則は、前記2値データと、DCバランスが0の前記k値データと、を対応付ける変換則である、符号化装置が提供される。
また、前記k、m、nの組み合わせとしては、(k,m,n)=(4,5,6)、又は(3,7,8)のいずれか1つを適用してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換し、変換後に得られる前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合には、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御して符号化データを生成する符号化部と、前記符号化部により生成された符号化データを送信するデータ送信部と、を有する、第1のモジュールと、前記第1のモジュールから送信された符号化データを受信するデータ受信部と、前記データ受信部により受信された符号化データに含まれる前記各k値データが持つDCバランスの極性を検出し、検出された前記各k値データが持つDCバランスの極性及び前記所定の変換則に基づいて前記符号化データを復号する復号部と、を有する、第2のモジュールと、を備える、情報処理装置が提供される。
また、前記所定の変換則において、前記nビットの2値データのうち、0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データが対応付けられており、正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データが対応付けられており、前記符号化部は、前記変換後に得られたk値データのDCバランスが正の場合、当該k値データ以前のk値データの列が正のDCバランスを持つとき、前記変換後に得られたk値データに含まれるm個のシンボルの符号を反転し、前記復号部は、前記DCバランス極性検出部により負のDCバランスが検出されたk値データに対し、当該k値データに含まれる各シンボルの符号を反転させた上で、前記所定の符号則に基づいて前記符号化データを復号するように構成されていてもよい。
また、前記第1のモジュールは、前記所定の変換則に則って0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データを対応付ける第1の変換テーブルと、前記所定の変換則に則って正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データを対応付ける第2の変換テーブルと、前記正のDCバランスを持つk値データに含まれるm個のシンボルの符号を反転して得られる負のDCバランスを持つk値データに前記(2−K)個の2値データを対応付ける第3の変換テーブルと、が記録された記憶部をさらに有していてもよい。
さらに、前記符号化部は、変換すべき前記2値データが前記(2−K)個の2値データに該当する場合、前記k値データの列において当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が正のDCバランスを持つとき、前記第3の変換テーブルを用いて当該2値データを変換し、当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が負のDCバランスを持つとき、前記第2の変換テーブルを用いて当該2値データを変換するように構成されていてもよい。
そして、前記第2のモジュールは、前記第1の変換テーブル、前記第2の変換テーブル、前記第3の変換テーブルが記録された記憶部をさらに有していてもよい。また、前記復号部は、前記DCバランス極性検出部により0のDCバランスが検出されたk値データに対しては前記第1の変換テーブルを用い、正のDCバランスが検出されたk値データに対しては前記第2の変換テーブルを用い、負のDCバランスが検出されたk値データに対しては前記第3の変換テーブルを用いて前記符号化データを復号するように構成されていてもよい。
また、前記第1のモジュールは、前記シンボルの最大値よりも大きい振幅値を持ち、かつ、シンボル速度の半分の速度を持つクロックを前記符号化データに同期加算するクロック加算部をさらに有していてもよい。そして、前記第2のモジュールは、前記データ受信部により受信された符号化データの振幅が極性反転する周期を検出し、当該検出結果に基づいて前記クロックを再生するクロック再生部をさらに有していてもよい。さらに、前記復号部は、前記クロック再生部により再生されたクロックを用いて前記符号化データを復号するように構成されていてもよい。
また、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは所定の信号線で接続されていてもよい。そして、前記データ送信部は、直流電源から供給された電力信号を前記符号化データに重畳して重畳信号を生成し、当該重畳信号を前記所定の信号線を通じて送信するように構成されていてもよい。さらに、前記データ受信部は、前記所定の信号線を通じて重畳信号を受信し、当該重畳信号から前記電力信号と前記符号化データとを分離するように構成されていてもよい。
また、前記第1のモジュールは、少なくとも表示データを出力する演算処理部をさらに有していてもよい。そして、前記第2のモジュールは、表示データを表示する表示部をさらに有していてもよい。さらに、前記符号化部は、前記演算処理部から出力された表示データに対応する2値データを前記k値データの列に変換して符号化データを生成するように構成されていてもよい。そして、前記復号部は、前記符号化データを復号して前記表示データに対応する2値データを復元し、当該2値データを前記表示部に入力するように構成されていてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、DCバランスが0となるようにk値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換して符号化データを生成する符号化部と、前記符号化部により生成された符号化データを送信するデータ送信部と、を有する、第1のモジュールと、前記第1のモジュールから送信された符号化データを受信するデータ受信部と、前記データ受信部により受信された符号化データを前記所定の変換則に基づいて復号する復号部と、を有する、第2のモジュールと、を備える、情報処理装置が提供される。
また、前記k、m、nの組み合わせとしては、(k,m,n)=(4,5,6)、又は(3,7,8)のいずれか1つを適用してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化ステップを含み、前記符号化ステップでは、変換後に得られた前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合に、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性が制御される、符号化方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、DCバランスが0となるようにk値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化ステップを含む、符号化方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換し、変換後に得られる前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合には、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御して符号化データを生成する符号化ステップと、前記符号化ステップで生成された符号化データを送信するデータ送信ステップと、前記データ送信ステップで送信された符号化データを受信するデータ受信ステップと、前記データ受信ステップで受信された符号化データに含まれる前記各k値データが持つDCバランスの極性を検出するDCバランス極性検出ステップと、前記DCバランス極性検出ステップで検出された前記各k値データが持つDCバランスの極性及び前記所定の変換則に基づいて前記符号化データを復号する復号ステップと、を含む、データ伝送方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、nビットの2値データと、DCバランスが0となるようにk値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換して符号化データを生成する符号化ステップと、前記符号化ステップで生成された符号化データを送信するデータ送信ステップと、前記データ送信ステップで送信された符号化データを受信するデータ受信ステップと、前記データ受信ステップで受信された符号化データを前記所定の変換則に基づいて復号する復号ステップと、を含む、データ伝送方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、DC遮断特性を持つ伝送路においても高い伝送品質を維持しつつ、周波数スペクトラムを広帯域化せずに伝送速度を高速化することが可能になる。
パラレル伝送方式を採用した携帯端末の構成例を示す説明図である。 シリアル伝送方式を採用した携帯端末の構成例を示す説明図である。 一般的なシリアル伝送方式を採用した携帯端末の機能構成例を示す説明図である。 AMI符号の信号波形を示す説明図である。 新方式に係る携帯端末の機能構成例を示す説明図である。 新方式に係る伝送信号(多値符号)の生成方法及び振幅判定方法の一例を示す説明図である。 多値符号(6値)の理想的なアイパターンの一例を示す説明図である。 AMI符号をベースとする多値符号の周波数スペクトラムを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る符号化方法(8B6T)の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る多値符号の周波数スペクトラムを模式的に示す説明図である。 同実施形態に係る携帯端末の機能構成例を示す説明図である。 同実施形態に係るDCバランス制御用の制御ビット付加方法の一例を示す説明図である。 8B6T変換テーブルの一例を示す説明図である。 8B6T変換テーブルの一例を示す説明図である。 8B6T変換テーブルの一例を示す説明図である。 8B6T変換テーブルの一例を示す説明図である。 8B6T変換により得られる8B6T変換符号のアイパターンの具体例を示す説明図である。 8B6T変換により得られる8B6T変換符号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。 8B6T変換により得られる8B6T変換符号にクロックを重畳した伝送信号の信号波形の具体例を示す説明図である。 8B6T変換により得られる8B6T変換符号にクロックを重畳した伝送信号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。 8B6T変換により得られる8B6T変換符号に伝送速度が1/50のクロックを重畳した伝送信号の信号波形の具体例を示す説明図である。 8B6T変換により得られる8B6T変換符号に伝送速度が1/50のクロックを重畳した伝送信号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。 同実施形態の第1変形例(6B4Q)に係る携帯端末の機能構成例を示す説明図である。 6B4Q変換テーブルの一例を示す説明図である。 6B4Q変換テーブルの一例を示す説明図である。 6B4Q変換により得られる6B4Q変換符号のアイパターンの具体例を示す説明図である。 6B4Q変換により得られる6B4Q変換符号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。 6B4Q変換により得られる6B4Q変換符号に伝送速度が1/50のクロックを重畳した伝送信号の信号波形の具体例を示す説明図である。 6B4Q変換により得られる6B4Q変換符号に伝送速度が1/50のクロックを重畳した伝送信号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。 6B4Q変換により得られる6B4Q変換符号にDCバランスの補正を施した伝送信号の信号波形の具体例を示す説明図である。 6B4Q変換により得られる6B4Q変換符号にDCバランスの補正を施した伝送信号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。 8B5Q変換(第2変形例)により得られる8B5Q変換符号にDCバランスの補正を施した伝送信号の信号波形の具体例を示す説明図である。 8B5Q変換(第2変形例)により得られる8B5Q変換符号にDCバランスの補正を施した伝送信号の周波数スペクトラムの具体例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成について説明する。この中で、パラレル伝送方式に関する問題点について指摘する。次いで、図2を参照しながら、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成について説明する。次いで、図3を参照しながら、一般的な携帯端末130の機能構成について説明する。この中で、図4を参照しながら、AMI符号の特徴について簡単に説明する。次いで、図5を参照しながら、上記の新方式に係る符号化方法を採用した携帯端末130の機能構成について説明する。次いで、図6を参照しながら、上記の新方式に係る符号化方法について説明する。また、図7、図8を参照しながら、新方式の符号化方法により生成される多値符号のアイパターン及び周波数スペクトラムについて説明する。
次いで、図9を参照しながら、本実施形態に係る符号化方法について説明する。この中で、図13A〜図13Dを参照しながら、8B6T変換による符号化方法についても簡単に説明する。また、図10を参照しながら、図9に示した符号化方法に基づいて生成される符号にクロックを重畳して得られる多値符号の周波数スペクトラムについて説明する。この中で、図14A〜図16Bを参照しながら、図9に示した符号化方法に基づいて生成される符号、及びクロックを重畳して得られる多値符号の特性について簡単に説明する。
次いで、図11を参照しながら、本実施形態に係る携帯端末200の機能構成について説明する。次いで、図12を参照しながら、本実施形態の伝送信号を送信する際に用いる送信フレームの構成について簡単に説明する。次いで、図17を参照しながら、本実施形態の第1変形例に係る携帯端末300の機能構成について説明する。また、図18A、図18Bを参照しながら、同変形例に係る符号化方法について説明する。
さらに、図19A〜図21Bを参照しながら、同変形例に係る符号化方法により生成される符号、及びクロックを重畳して得られる多値符号の特性について簡単に説明する。次いで、図22A、図22Bを参照しながら、本実施形態の第2変形例に係る符号化方法、及び当該符号化方法により生成される符号の特性について説明する。最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
(説明項目)
1:はじめに
1−1:携帯端末100(パラレル伝送方式)の構成
1−2:携帯端末130(シリアル伝送方式)の構成
1−3:携帯端末130(新方式)の構成
2:実施形態
2−1:符号化方法
2−1−1:8B6T変換方式の符号化方法
2−1−2:拡張8B6T変換方式の符号化方法
2−2:携帯端末200(拡張8B6T変換方式)の構成
3:変形例
3−1:(第1変形例)拡張6B4Q変換方式について
3−1−1:拡張6B4Q変換方式の符号化方法
3−1−2:携帯端末300(拡張6B4Q変換方式)の構成
3−2:(第2変形例)拡張8B5Q変換方式について
4:まとめ
<1:はじめに>
以下で本発明の一実施形態に係る技術について詳細な説明を行うが、これに先立ち、同実施形態が解決しようとする課題について具体例を交えながら簡単に説明する。
[1−1:携帯端末100(パラレル伝送方式)の構成]
まず、図1を参照しながら、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成について簡単に説明する。図1は、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成の一例を示す説明図である。図1には、携帯端末100の一例として携帯電話が模式的に描画されている。しかし、以下で説明する技術の適用範囲は携帯電話に限定されない。例えば、ノートPC等の情報処理装置や各種の携帯型電子機器にも適用可能である。
図1に示すように、携帯端末100は、主に、表示部102と、液晶部104(LCD)と、接続部106と、操作部108と、ベースバンドプロセッサ110(BBP)と、パラレル信号線路112と、により構成される。但し、LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。
なお、表示部102を表示側、操作部108を本体側と呼ぶ場合がある。なお、ここでは説明の都合上、映像信号が伝送されるケースを例に挙げる。もちろん、パラレル信号線路112を介して伝送される信号の種類はこれに限らず、例えば、制御信号や音声信号等の場合もある。
図1に示すように、表示部102には、液晶部104が設けられている。そして、液晶部104には、パラレル信号線路112を介して伝送された映像信号が入力される。そして、液晶部104は、入力された映像信号に基づいて映像を表示する。また、接続部106は、表示部102と操作部108とを接続する部材である。この接続部106を形成する接続部材は、例えば、表示部102をZ−Y平面内で180度回転できるようにする構造を有する。また、この接続部材は、X−Z平面内で表示部102を回転できるようにする構造を有していてもよい。この場合、携帯端末100は折り畳みできる構造になる。なお、この接続部材は、自由な方向に表示部102を可動にする構造を有していてもよい。
ベースバンドプロセッサ110は、携帯端末100の通信制御、及びアプリケーションの実行機能を提供する演算処理部である。ベースバンドプロセッサ110から出力されるパラレル信号は、パラレル信号線路112を通じて表示部102の液晶部104に伝送される。パラレル信号線路112には、多数の信号線が配線されている。例えば、携帯電話の場合、この信号線数nは50本程度である。また、映像信号の伝送速度は、液晶部104の解像度がQVGAの場合、130Mbps程度となる。そして、パラレル信号線路112は、接続部106を通るように配線されている。
つまり、接続部106には、パラレル信号線路112を形成する多数の信号線が配線されている。上記のように、接続部106の可動範囲を広げると、その動きによりパラレル信号線路112に損傷が発生する危険性が高まる。その結果、パラレル信号線路112の信頼性が損なわれてしまう。一方で、パラレル信号線路112の信頼性を維持しようとすると、接続部106の可動範囲が制約されてしまう。こうした理由から、接続部106を形成する可動部材の自由度、及びパラレル信号線路112の信頼性を両立させる目的で、シリアル伝送方式が携帯電話等に採用されることが多くなってきている。
[1−2:携帯端末130(シリアル伝送方式)の構成]
次に、図2を参照しながら、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成について簡単に説明する。図2は、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成の一例を示す説明図である。
図2には、携帯端末130の一例として携帯電話が模式的に描画されている。しかし、以下で説明する技術の適用範囲は携帯電話に限定されない。例えば、ノートPC等の情報処理装置や各種の携帯型電子機器にも適用可能である。また、図1に示したパラレル伝送方式の携帯端末100と実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図2に示すように、携帯端末130は、主に、表示部102と、液晶部104(LCD)と、接続部106と、操作部108とを有する。さらに、携帯端末130は、ベースバンドプロセッサ110(BBP)と、パラレル信号線路132、140と、シリアライザ134と、シリアル信号線路136と、デシリアライザ138とを有する。
携帯端末130は、上記の携帯端末100とは異なり、接続部106に配線されたシリアル信号線路136を通じてシリアル伝送方式により映像信号を伝送している。そのため、操作部108には、ベースバンドプロセッサ110から出力されたパラレル信号をシリアル化するためのシリアライザ134が設けられている。一方、表示部102には、シリアル信号線路136を通じて伝送されるシリアル信号をパラレル化するためのデシリアライザ138が設けられている。
シリアライザ134は、ベースバンドプロセッサ110から出力され、かつ、パラレル信号線路132を介して入力されたパラレル信号をシリアル信号に変換する。シリアライザ134により変換されたシリアル信号は、シリアル信号線路136を通じてデシリアライザ138に入力される。シリアル信号が入力されると、デシリアライザ138は、入力されたシリアル信号を元のパラレル信号に復元する。そして、デシリアライザ138は、パラレル信号線路140を通じてパラレル信号を液晶部104に入力する。
シリアル信号線路136には、例えば、NRZ符号方式で符号化されたデータ信号が単独で伝送されるか、或いは、データ信号とクロック信号とが一緒に伝送される。シリアル信号線路136の配線数kは、図1の携帯端末100が有するパラレル信号線路112の配線数nよりも大幅に少ない(1≦k≪n)。例えば、配線数kは、数本程度まで削減することができる。
そのため、シリアル信号線路136が配線される接続部106の可動範囲は、パラレル信号線路112が配線される接続部106に比べて格段に大きくなる。また、シリアル信号線路136の信頼性も高まる。なお、シリアル信号線路136を流れるシリアル信号には、通常、LVDS(Low Voltage Differential Signal)等の差動信号が用いられる。
以上、携帯端末130の装置構成について簡単に説明した。シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の全体的な装置構成は概ね上記の通りである。しかしながら、接続部106に配線される信号線の本数をどの程度低減させることができるかは、シリアル信号線路136に流れる信号の特性に依存する。そして、この信号の特性を決定するのがシリアライザ134及びデシリアライザ138である。以下、一般的なシリアル伝送方式におけるシリアライザ134及びデシリアライザ138の機能構成について簡単に説明する。その後、上記の新方式に係るシリアライザ134及びデシリアライザ138の機能構成について詳細に説明する。
(一般的な構成)
ここでは、図3を参照しながら、一般的なシリアル伝送方式を採用した携帯端末130の機能構成について説明する。図3は、一般的なシリアル伝送方式を採用した携帯端末130の機能構成例を示す説明図である。但し、図3は、シリアライザ134、及びデシリアライザ138の機能構成を中心に描画した説明図であり、他の構成要素に関する記載を省略している。
(シリアライザ134について)
図3に示すように、シリアライザ134は、P/S変換部152と、エンコーダ154と、LVDSドライバ156と、PLL部158と、タイミング制御部160と、を有する。
シリアライザ134には、ベースバンドプロセッサ110から、パラレル信号(P−DATA)、及びパラレル信号用クロック(P−CLK)が入力される。シリアライザ134に入力されたパラレル信号は、P/S変換部152によりシリアル信号に変換される。P/S変換部152により変換されたシリアル信号は、エンコーダ154に入力される。エンコーダ154は、シリアル信号にヘッダ等を付加してLVDSドライバ156に入力する。LVDSドライバ156は、入力されたシリアル信号をLVDSによる差動伝送方式でデシリアライザ138に伝送する。
一方、シリアライザ134に入力されたパラレル信号用クロックは、PLL部158に入力される。PLL部158は、パラレル信号用クロックからシリアル信号用クロックを生成し、P/S変換部152、及びタイミング制御部160に入力する。タイミング制御部160は、入力されるシリアル信号用クロックに基づいてエンコーダ154によるシリアル信号の送信タイミングを制御する。
(デシリアライザ138について)
一方、デシリアライザ138は、図3に示すように、LVDSレシーバ172と、デコーダ174と、S/P変換部176と、クロック再生部178と、PLL部180と、タイミング制御部182と、を有する。
デシリアライザ138には、LVDSによる差動伝送方式でシリアライザ134からシリアル信号が伝送される。このシリアル信号は、LVDSレシーバ172により受信される。LVDSレシーバ172により受信されたシリアル信号は、デコーダ174、及びクロック再生部178に入力される。デコーダ174は、入力されたシリアル信号のヘッダを参照してデータの先頭部分を検出し、S/P変換部176に入力する。S/P変換部176は、入力されたシリアル信号をパラレル信号(P−DATA)に変換する。S/P変換部176で変換されたパラレル信号は液晶部104に向けて出力される。
一方、クロック再生部178は、外部から入力されるリファレンスクロック(Ref.CLK)を参照し、内蔵するPLL部180を用いてシリアル信号用クロックからパラレル信号用クロックを再生する。クロック再生部178により再生されたパラレル信号用クロックは、デコーダ174、及びタイミング制御部182に入力される。タイミング制御部182は、クロック再生部178から入力されたパラレル信号用クロックに基づいて受信タイミングを制御する。また、タイミング制御部182に入力されたパラレル信号用クロック(P−CLK)は、液晶部104に向けて出力される。
このように、ベースバンドプロセッサ110からシリアライザ134に入力されたパラレル信号(P−DATA)、及びパラレル信号用クロック(P−CLK)は、シリアル信号に変換されてデシリアライザ138に伝送される。入力されたシリアル信号は、デシリアライザ138により元のパラレル信号、及びパラレル信号用クロックに復元される。そして、復元されたパラレル信号及びパラレル信号用クロックは、液晶部104に入力される。パラレル信号が映像信号である場合、入力されたパラレル信号に基づいて液晶部104により映像が表示される。
以上、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の一般的な機能構成について説明した。上記のように、パラレル信号をシリアル信号に変換して伝送することにより、その伝送線路がシリアル化される。その結果、シリアル信号線路が配線される部分の可動範囲が拡大し、表示部102の配置に関する自由度が向上する。
例えば、携帯端末130を利用してテレビジョン放送等を視聴する場合に、表示部102の配置がユーザから見て横長になるように携帯端末130を変形させることができるようになる。こうした自由度の向上に伴い、携帯端末130の用途が広がり、通信端末の各種機能に加えて、映像プレーヤや音楽プレーヤ等の機能を持つ端末として、様々な利用形態が生まれている。
なお、上記の例では、映像信号等のデータ信号をシリアル化して伝送する方法が示されたが、携帯端末130の接続部106にはデータ信号の伝送線路の他に少なくとも電源線が配線される。特に、電源線の断線は致命的な欠陥となるため、その信頼性を高めることは非常に重要である。また、伝送線路が1本である場合と2本以上ある場合とでは、接続部106の可動範囲に課される制約が大きく異なる。
そこで、データ信号を電力信号に重畳して伝送する方法が考案された。この方法は、データ信号をAMI符号(図4を参照)やマンチェスター符号のような直流成分を含まない符号形状に符号化し、電力信号に重畳して伝送するというものである。この方法を用いることで電源線の分だけ接続部106に配線される伝送線路の本数を低減させることが可能になる。場合によっては1本の同軸ケーブルを用いて電源供給とデータ伝送とを共に実現することが可能になり、電源線が断線する危険性を大きく低減させると共に、携帯端末130の変形自由度を大幅に高めることができるようになる。
(課題の整理1)
上記の通り、操作部108と表示部102との相対的な位置関係を自由に変化させるには、上記の携帯端末100のようにパラレル伝送方式には不都合があった。この課題に対し、上記の携帯端末130のように、シリアライザ134、及びデシリアライザ138を設けることでシリアル伝送を可能にし、表示部102の可動範囲を広げる方法が提案された。また、表示部102の可動性をさらに向上させるために、直流成分を含まない符号の特性を生かして、電源線に信号を重畳させて伝送する方式が提案された。
ところが、図3に示した携帯端末130においては、受信したシリアル信号のクロックを再生するためにPLL部180(以下、PLL)が設けられていた。このPLLは、マンチェスター符号方式等により符号化された信号からクロックを抽出するために必要なものである。しかしながら、小型の電子機器においてはPLLが消費する電力量が無視できない。そのため、省電力化を進める上で、PLLによる消費電力をカットする対策が求められる。
このような課題に鑑み、本件発明者は、デシリアライザ138の側でPLLを設けずに済むよう、直流成分を含まず、かつ、クロック再生時にPLLが不要な符号を考案し、その符号を用いて信号を伝送する新規な伝送方式(新方式)を提案している。以下、この新方式について説明する。なお、以下の説明においては、AMI符号をベースとする新方式の符号化方法に関して具体的な説明を試みるが、新方式の適用対象とされる符号化方式はAMI符号に限定されない。
[1−3:携帯端末130(新方式)の構成]
まず、AMI符号について簡単に説明する。その後、新方式に係る携帯端末130の機能構成、及び当該携帯端末130による符号化方法について順次説明する。
(AMI符号の信号波形について)
図4を参照しながら、AMI符号の信号波形、及びAMI符号の特性について簡単に説明する。図4は、AMI符号の信号波形の一例を示す説明図である。AMI符号は、データ0を電位0で表現し、データ1を電位A又は−A(Aは任意の正数)で表現することで生成される。但し、電位Aと電位−Aとは交互に繰り返される。つまり、電位Aでデータ1が表現された後、再びデータ1が現れた場合、そのデータ1は電位−Aで表現される。このように極性反転を繰り返してデータが表現されるため、AMI符号は、ほとんど直流成分を含まない符号となる。
AMI符号と同様の特性を持つ符号としては、PR(1,−1)、PR(1,0,−1)、PR(1,0,…,−1)等で表現されるパーシャル・レスポンス符号が例として挙げられる。このように極性反転を利用してデータを表現する伝送符号のことをバイポーラ符号と呼ぶ。なお、後述する新方式の符号化方法には、ダイコード符号やバイフェーズ符号等を利用することも可能である。但し、以下の説明においては、デューティ100%のAMI符号をベースとする符号化方法について述べる。
図4には、期間T1〜T14のAMI符号が模式的に記載されている。図中において、データ1は、タイミングT2、T4、T5、T10、T11、T12、T14に現れている。タイミングT2において電位Aである場合、タイミングT4では電位−Aとなる。また、タイミングT5では電位Aとなる。このように、データ1に対応する振幅は、プラスとマイナスとが交互に反転する。これが極性反転である。一方、データ0に関しては全て電位0で表現される。
こうした表現によりAMI符号は直流成分をほとんど含まない符号となる。但し、タイミングT6、…、T9に見られるようにデータの組み合わせによっては電位0が連続する区間が現れてしまう。このように電位0が連続すると、PLLを用いずに信号波形からクロック成分を取り出すことが難しくなる。つまり、受信側にPLLを設けることが必要になる。そこで、本件発明者は、AMI符号(又は同等の特性を有する符号)にクロックを重畳して伝送する方法(新方式の符号化方法)を考案した。
(携帯端末130の機能構成)
以下、図5を参照しながら、新方式に係る携帯端末130の機能構成について説明する。図5は、新方式に係る携帯端末130の機能構成の一例を示す説明図である。但し、図5は、シリアライザ134、及びデシリアライザ138の機能構成を中心に描画した説明図であり、他の構成要素に関する記載を省略している。また、既に説明した携帯端末130の構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略した。
(シリアライザ134)
まず、シリアライザ134について説明する。図5に示すように、シリアライザ134は、P/S変換部152と、LVDSドライバ156と、PLL部158と、タイミング制御部160と、エンコーダ192とにより構成される。上記の一般的な構成との主な相違点はエンコーダ192の機能にある。
図5に示すように、シリアライザ134には、ベースバンドプロセッサ110から、パラレル信号(P−DATA)と、パラレル信号用クロック(P−CLK)とが入力される。シリアライザ134に入力されたパラレル信号は、P/S変換部152によりシリアル信号に変換される。P/S変換部152により変換されたシリアル信号は、エンコーダ192に入力される。エンコーダ192は、シリアル信号にヘッダ等を付加して送信フレームを生成する。さらに、エンコーダ192は、生成した送信フレームを後述する新方式の符号化方法により符号化して伝送信号を生成する。
ここで、図6を参照しながら、エンコーダ192における符号化信号の生成方法について説明する。図6は、新方式に係る符号化方法の一例を示す説明図である。なお、図6には、AMI符号をベースとする符号化方法が記載されている。しかし、新方式の符号化方法に用いることが可能な符号の種類はこれに限定されず、AMI符号と同等の特性を有する他の符号を同様に用いることができる。例えば、新方式の符号化方法は、バイポーラ符号やパーシャル・レスポンス符号等に応用することもできる。
図6(C)の符号波形は、新方式の符号化方法により生成されたものである。この符号波形は、データ1を複数の電位A1(−1、−3、1、3)で表現し、データ0を電位A1とは異なる複数の電位A2(−2、2)で表現することにより得られたものである。この符号波形の特徴は、クロックの半周期毎に極性反転する点、及び連続して同じ電位とならない点にある。例えば、タイミングT6、…、T9においてデータ0が続く区間を参照すると、電位が−2、2、−2、2となっている。そのため、同じデータ値が連続して現れても、振幅の立ち上がり、立ち下がりの両エッジを検出することにより、PLLを用いずにクロック成分を検出することが可能になる。
このような符号波形は、例えば、図6(A)に示すようなAMI符号の符号波形に、図6(B)に示すようなクロックを同期加算する方法により得られる。この方法を実現するため、エンコーダ192は加算器ADDを備えている。まず、エンコーダ192は、入力されたシリアル信号をAMI符号に符号化し、図6(A)に示すようなAMI符号の符号波形を生成する。次いで、エンコーダ192は、生成したAMI符号の符号波形を加算器ADDに入力する。さらに、エンコーダ192は、図6(B)に示すようなクロックを発生させて加算器ADDに入力する。
但し、クロックは、図6(B)に示すように、AMI符号の伝送速度Fbの半分の周波数(Fb/2)を有する。さらに、このクロックは、AMI符号の振幅に比べてN倍(N>1;図6の例ではN=2)の大きさの振幅を有する。このように、AMI符号と、そのAMI符号が持つ振幅よりも大きな振幅を有するクロックとを加算することにより、図6(C)に示すように、クロックの半周期毎に振幅がゼロクロスする符号波形が得られる。このとき、AMI符号の符号波形とクロックとはエッジを揃えて同期加算される。このようにしてエンコーダ192により新方式の符号波形(伝送信号)が生成される。
なお、新方式の符号波形は1つのデータに対して複数の振幅レベルを有する。例えば、図6(C)に例示した新方式の符号波形は、振幅レベルとして3、2、1、−1、−2、−3の6値を取り得るものである。そのうち、2、−2はデータ0に対応し、3、1、−1、−3はデータ1に対応する。つまり、新方式の符号は多値符号(図6の例では6値符号)である。そのため、新方式の符号波形のアイパターンは、図7に示すように6値を持つ形状になる。また、新方式の符号波形が持つ周波数スペクトラムは、図8に示すような形状になる。上記の通り、新方式の符号にはクロック成分が含まれているため、周波数スペクトラムにも、クロック周波数Fb/2の位置に線スペクトルが現れている。
以上、エンコーダ192による符号化方法、及びエンコーダ192により生成される符号波形の特徴について説明した。なお、ここでは説明を簡単にするためにAMI符号とクロックとを同期加算して新方式の符号波形を生成する方法について述べたが、所定の符号則に基づいてデータを新方式の符号波形に直接エンコードする方法もある。例えば、図6の例では、所定の符号則に基づいてデータ列0、1、0、1、1、0、…、1から振幅レベル2、−1、2、−3、3、−2、…、−1が決定され、その決定結果に基づいて新方式の符号波形が生成される。
再び図5を参照する。上記のようにしてエンコーダ192により符号化されたシリアル信号は、LVDSドライバ156に入力される。LVDSドライバ156は、入力されたシリアル信号をLVDSによる差動伝送方式でデシリアライザ138に伝送する。一方、シリアライザ134に入力されたパラレル信号用クロックは、PLL部158に入力される。
PLL部158は、パラレル信号用クロックからシリアル信号用クロックを生成し、P/S変換部152、及びタイミング制御部160に入力する。タイミング制御部160は、入力されるシリアル信号用クロックに基づいてエンコーダ192によるシリアル信号の送信タイミングを制御する。このようにしてシリアライザ134からデシリアライザ138にシリアル信号が伝送される。
(デシリアライザ138)
次に、デシリアライザ138について説明する。図5に示すように、デシリアライザ138は、主に、LVDSレシーバ172と、S/P変換部176と、タイミング制御部182と、クロック検出部196と、デコーダ194とにより構成される。上記の一般的な構成との大きな違いは、PLLを持たないクロック検出部196の存在にある。
上記の通り、デシリアライザ138には、LVDSによる差動伝送方式でシリアライザ134からシリアル信号が伝送される。このシリアル信号は、LVDSレシーバ172により受信される。LVDSレシーバ172により受信されたシリアル信号は、デコーダ194、及びクロック検出部196に入力される。デコーダ194は、入力されたシリアル信号のヘッダを参照してデータの先頭部分を検出し、エンコーダ192により符号化されたシリアル信号を復号する。
ここで、再び図6を参照しながら、デコーダ194による復号方法について説明する。上記の通り、シリアル信号は、エンコーダ192により6値の振幅レベルを持つ符号波形に符号化されている。そこで、デコーダ194は、複数の閾値レベルを基準にして閾値判定を行い、各振幅レベルをコンパレートする。そして、デコーダ194は、閾値判定により得られた各振幅レベルを元のデータに変換することで、エンコーダ192により符号化されたシリアル信号を復号する。
例えば、図6(C)に示す4つの閾値(L1、L2、L3、L4)を用いることにより、データ1に対応する振幅レベルA1(−1、−3、1、3)と、データ0に対応する振幅レベルA2(−2、2)とを判別することができる。まず、デコーダ194は、入力された信号の振幅レベルと上記の4つの閾値レベルとを比較し、振幅レベルがA1であるか、A2であるかを判定する。次いで、デコーダ194は、振幅レベルがA1と判定されたタイミングでデータ1を出力し、振幅レベルがA2と判定されたタイミングでデータ0を出力することにより、エンコーダ192により符号化されたシリアル信号を復号する。
再び図5を参照する。このようにしてデコーダ194により復元されたシリアル信号はS/P変換部176に入力される。S/P変換部176は、入力されたシリアル信号をパラレル信号(P−DATA)に変換する。S/P変換部176で変換されたパラレル信号は、液晶部104に入力される。パラレル信号が映像信号である場合、液晶部104により映像信号に基づいて映像が表示される。
さて、上記の復号処理を実行するにはクロックが必要になる。このクロックは、クロック検出部196により供給される。但し、クロック検出部196は、LVDSレシーバ172により受信した信号からクロック成分を検出し、そのクロック成分を用いて元のクロックを再生する。先に述べた通り、新方式の符号波形は、AMI符号にクロックを同期加算して得られるものであり、クロックの半周期毎に極性が反転する。そのため、クロック成分は、受信信号の振幅レベルがゼロクロスするタイミングを検出することで抽出される。つまり、クロック検出部196は、PLLを用いずにクロックを再生することができる。そのため、PLLを設けずに済む分だけ、デシリアライザ138の消費電力及び回路規模を低減させることが可能になる。
クロック検出部196は、受信信号から検出したクロック成分を用いて元のクロックを再生する。そして、クロック検出部196により再生されたクロックは、デコーダ194、及びタイミング制御部182に入力される。デコーダ194に入力されたクロックはデコーダ194における復号処理に用いられる。また、タイミング制御部182は、クロック検出部196から入力されたクロックに基づいて受信タイミングを制御する。また、タイミング制御部182に入力されたクロックは、パラレル信号用クロック(P−CLK)に変換され、液晶部104に向けて出力される。
なお、デコーダ194、及びクロック検出部196で実施される閾値判定には、各閾値に対応するコンパレータが用いられる。例えば、クロック検出部196では、閾値L0を持つコンパレータの出力結果に基づいてクロック成分が抽出される。また、デコーダ194では、6値の振幅レベル3、2、1、−1、−2、−3を判定するために、4つの閾値L1(2.5)、L2(1.5)、L3(−1.5)、L4(−2.5)を持つコンパレータが用いられる。そして、これらのコンパレータの出力結果に基づいて振幅レベルが判定される。さらに、その判定結果に基づいて元のNRZデータが復元される。
このように、直流成分を含まず、極性反転周期からクロック成分を検出することが可能な符号を利用することで、デシリアライザ138において実行されるクロックの検出にPLLを用いずに済み、携帯端末130の消費電力を大きく低減させることが可能になる。なお、上記の例ではLVDSによる差動伝送方式が例示されていたが、直流電源から供給される電力信号に新方式の符号波形を重畳して伝送することも可能である。このような構成にすることで、接続部106の可動範囲をさらに拡大することが可能になる。
(課題の整理2)
以上、新方式に係る携帯端末130の機能構成、及び符号化・復号方法について説明した。上記の通り、新方式に係る符号化方法を用いることで、接続部106の配線数が大幅に低減され、さらに、回路規模の抑制や電力消費量の低減等、格別の効果が得られる。上記の通り、新方式の符号化方法により生成された伝送信号は、1つのビット値を複数の振幅レベルで表現した多値信号となる。
しかし、上記の例では、多値符号のベースとしてAMI符号が用いられており、AMI符号に符号化する際に2値のデータ(NRZデータ)が3値のデータに変換され、冗長度が増えてしまっている。そして、AMI符号の場合、冗長度が増えても伝送速度が増加することはない。そこで、本件発明者は、多値符号のベースとして用いる符号化方法に工夫を加え、より伝送速度を向上させる方法を考案した。
<2:実施形態>
先に述べた通り、伝送速度を向上させるためには単純にクロックを高速化すればよい。しかし、クロックが高速化すると、シリアル信号線路を流れる伝送信号の周波数スペクトルが広帯域化し、EMIによる影響が増加してしまう。また、クロックの高速化に伴って消費電力が増大するため、クロックの高速化には限界がある。そこで、本実施形態においては、伝送信号の周波数スペクトルを広帯域化させずに伝送速度を向上させることが可能な符号化方法を提案する。
但し、本実施形態においては、DC遮断特性の伝送路における信号伝送が想定されているため、このような伝送路において伝送品質の劣化を招かず、かつ、周波数スペクトルの広帯域化を回避しながら、伝送速度を向上させる技術が求められる。さらに、消費電力の低減を企図し、受信側でPLLを用いずにクロック再生が可能な符号化方法であることが望ましい。本実施形態においては、このような課題を全て解決することが可能な符号化方法が提案される。
[2−1:符号化方法]
本実施形態に係る符号化方法は、nビット(n≧2)の2値データ(例えば、NRZデータ)をk値のmシンボル(m<n)に変換する符号化方法に関する。このような符号化方法は、例えば、IEEE802.3uにおいて規定されている8B6T変換を用いることで実現される。8B6T変換は、8ビットの2値データを3値の6シンボルで表現する変換方法である。そのため、8B6T変換を用いると、クロックを高速化せずに伝送速度を4/3=1.33倍に向上させることができる。
但し、8B6T変換の変換則は、6シンボルのDCバランスが0となる組み合わせと、DCバランスが+1となる組み合わせとで構成されており、符号化の対象となる2値データのパターンによってはDCバランスが正値に大きく振れてしまうことがある。その結果、DC遮断特性の伝送路において、8B6T変換により符号化された伝送信号の伝送品質が著しく劣化してしまうことがある。そこで、本実施形態に係る符号化方法は、IEEE802.3uで規定する8B6T変換のように伝送速度を向上させつつ、DCバランスを改善するための工夫を含んでいる。以下、この符号化方法について詳細に説明する。
(2−1−1:8B6T変換方式の符号化方法)
まず、図13A〜図13Dを参照しながら、IEEE802.3uにおいて規定されている8B6T変換について、より詳細に説明しておくことにする。Ethernet(登録商標)の規格の中に100BASE−T4というカテゴリが存在し、IEEE802.3uとして標準化されている。IEEE802.3uにおいて仕様が規定されている符号は8B6T(以下、8B6T符号)と呼ばれるものである。8B6T符号は、IEEE802.3uにて規定された変換テーブル(図13A〜図13Dを参照)に基づき、8ビットの2値データを3値の6シンボルに変換することで得られる。
例えば、8ビットの2進データ10001110(8Eh)は、この変換テーブルを用いると、0,+1,0,−1,0,0に変換される。この場合、6シンボルのDCバランス(=0+1+0−1+0+0)は0となる。同様に、2進データ01011100(5Ch)は、この変換テーブルを用いると、+1,+1,0,−1,−1,+1に変換される。この場合、6シンボルのDCバランス(=1+1+0−1−1+1)は+1となる。この変換テーブルの中にはDCバランスが0となる組み合わせが134個存在し、残り122個の組み合わせは全てDCバランスが+1となる。
そのため、この変換テーブルを使用すると、符号化すべきデータ列に含まれる2進データのパターンによっては、DCバランスが+1の組み合わせが続いてしまい、8B6T符号列のDCバランスが正の方向に大きく崩れてしまう。このようなDCバランスの崩れが生じると、低域遮断の伝送路においては著しい波形の劣化が生じてしまう。その結果、受信側で各振幅レベルを判定する際に判定誤りが増加し、伝送品質が大きく低下してしまう。そこで、本件発明者は、変換テーブルの構成を拡張し、8B6T符号列のDCバランスを改善することが可能な符号化方法(以下、拡張8B6T変換方式)を考案した。
(2−1−2:拡張8B6T変換方式の符号化方法)
ここで、図9を参照しながら、本実施形態に係る拡張8B6T変換方式の符号化方法について説明する。図9は、本実施形態に係る拡張8B6T変換方式の符号化方法を示す説明図である。
(変換テーブルの構成)
図9には、拡張8B6T変換に用いる変換テーブルの一例が示されている。この変換テーブルには、8ビットの2値データである変換前データと、6個の3値シンボルを組み合わせた変換後データとが対応付けて記載されている。例えば、変換前データ1000110(86h)は、変換後データ+1,−1,−1,+1,0,0に対応付けられている。また、図9に示す変換テーブルは、3つの変換テーブル(TABLE−A、TABLE−B、TABLE−C)により構成されている。
(TABLE−A)
TABLE−Aは、変換後データのDCバランスが0になる組み合わせである。例えば、TABLE−Aは、8ビットの2値データのうち、0〜134を3値の6シンボルに変換するための変換テーブルである。また、TABLE−Aの変換後データとしては、例えば、図13A〜図13Dに示したIEEE802.3uの変換テーブルから選択されるDCバランス0の6シンボルが用いられる。なお、TABLE−Aにおける変換前データと変換後データとの組み合わせ方法は、変換後データのDCバランスが全て0であれば、これに限定されない。
(TABLE−B)
TABLE−Bは、変換後データのDCバランスが+1になる組み合わせである。例えば、TABLE−Bは、8ビットの2値データのうち、135〜255を3値の6シンボルに変換するための変換テーブルである。また、TABLE−Bの変換後データとしては、例えば、図13A〜図13Dに示したIEEE802.3uの変換テーブルから選択されるDCバランス+1の6シンボルが用いられる。なお、TABLE−Bにおける変換前データと変換後データとの組み合わせ方法は、変換後データのDCバランスが全て+1であれば、これに限定されない。
(TABLE−C)
TABLE−Cは、変換後データのDCバランスが−1になる組み合わせである。TABLE−Cは、TABLE−Bにおける変換後データの各シンボルを極性反転させたものである。例えば、TABLE−Bにおいて変換前データ10000111(87h)に対応する変換後データが+1,+1,−1,0,+1,−1であれば、TABLE−Cにおける変換後データは−1,−1,+1,0,−1,+1となる。つまり、TABLE−Bにおいて、変換後データの各シンボルが持つ極性が正であれば負に、0であれば維持し、負であれば正に変換したものがTABLE−Cである。このような極性反転を行うことにより、TABLE−Cの変換後データが持つDCバランスは−1となる。
(符号化方法:拡張8B6T変換)
本実施形態に係る拡張8B6T変換は、上記のTABLE−A、TABLE−B、TABLE−Cを利用して、DCバランスの優れた8B6T符号列を生成するものである。ここでは拡張8B6T変換方式に基づく符号化方法について説明する。
まず、変換対象となる2値データ(変換前データ)が入力され、図9に示した変換テーブルに基づいて8ビット単位で3値の6シンボル(変換後データ)に変換される。このとき、変換後データのDCバランスが過去に変換された変換後データのDCバランスに加算され、過去の合計DCバランスとして保持される。そして、次に入力される2値データを変換する際、その2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、保持された過去の合計DCバランスに応じて、利用する変換テーブル(TABLE−B又はTABLE−C)が選択される。
(1)例えば、過去の合計DCバランスが+1であり、変換対象の2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、TABLE−Cを利用して変換処理が行われる。(2)また、過去の合計DCバランスが−1であり、変換対象の2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、TABLE−Bを利用して変換処理が行われる。(3)そして、過去の合計DCバランスが0であり、変換対象の2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、いずれのテーブルを用いて変換処理が行われてもよい。但し、TABLE−BとTABLE−Cとが交互に利用される方が好ましい。
上記(1)〜(3)の符号則に基づいて符号化することにより、8B6T符号列のDCバランスが変換処理の度に補正されるため、8B6T符号列のDCバランスは良好な状態に維持される。なお、TABLE−CはTABLE−Bの反転であるため、TABLE−Cを用いて変換する代わりに、TABLE−Bにて変換した後に得られる変換後データのシンボルを極性反転するように構成されていてもよい。このような構成にすることで、保持すべき変換テーブルのデータ量を低減することができる。
(復号方法:拡張8B6T逆変換)
上記の通り、本実施形態に係る符号化方法は、8B6T符号列のDCバランスに応じて変換後データの変換テーブルを切り替えるというものである。そのため、拡張8B6T変換により生成された8B6T符号列を復号する際には、6シンボル単位で行われる拡張8B6T逆変換に利用する変換テーブル(TABLE−B又はTABLE−C)を適切に選択する必要がある。まず、入力された8B6T符号列から順次6シンボルが読み出され、6シンボル毎のDCバランスが算出される。
(1)算出された6シンボルのDCバランスが+1の場合、TABLE−Bを利用して拡張8B6T逆変換が行われ、8ビットの2値データが復元される。(2)また、算出された6シンボルのDCバランスが−1の場合、TABLE−Cを利用して拡張8B6T逆変換が行われ、8ビットの2値データが復元される。(3)そして、算出された6シンボルのDCバランスが0の場合、TABLE−Aを利用して拡張8B6T逆変換が行われ、8ビットの2値データが復元される。このように、復号時には各6シンボルのDCバランスが参照され、そのDCバランスに応じて、利用する変換テーブルが適宜選択される。
以上、本実施形態に係る拡張8B6T変換方式の符号化方法について説明した。また、この拡張8B6T変換方式の符号化方法により生成された8B6T符号列の復号方法についても説明した。上記の符号化方法及び復号方法を用いることにより、低域遮断の伝送路における伝送品質を低下させることなく、伝送速度を向上させることが可能になる。8B6T変換の場合、8ビットのデータが6シンボルの8B6T符号に変換されるため、伝送速度が8/6=1.33倍に向上する(例えば、500Mbps→667Mbps)。
また、拡張8B6T変換方式により生成された8B6T符号列の周波数スペクトラムは、図10のような形状になる。但し、図10の周波数スペクトラムは、拡張8B6T変換方式の符号化方法で生成された8B6T符号列に対し、8B6T符号列の半分の周波数fb(fb=Fb/2)を持つクロック(CLK)を同期加算した符号列のものである。そのため、周波数fbに線スペクトルが現れている。
図8に示したAMI符号(+CLK)の周波数スペクトラムと、図10に示した周波数スペクトラムとを比較すると、拡張8B6T変換方式により生成された8B6T符号列は、低域成分を多く含むが、直流近傍で急激に落ち込む形状となっていることが分かる。例えば、伝送速度が500Mbps(fb=250MHz)の場合、ピーク周波数fcは約20〜30MHzに現れる。つまり、ピーク周波数fcの近傍で直流遮断するような伝送路においても、拡張8B6T変換方式により生成された8B6T符号列を伝送することができる。
なお、拡張8B6T変換方式に係る8B6T符号列(伝送符号)の受信側におけるアイパターンは図14Aのような形状になる。また、この伝送符号の周波数スペクトラムは図14Bのような形状になる。さらに、この伝送符号が持つ伝送速度の半分に相当する周波数のクロックを同期加算した多値符号の受信側における信号波形は、図15Aのようになる。そして、この多値符号の周波数スペクトラムは図15Bのようになる。
図15Bの周波数スペクトルには、伝送符号に同期加算したクロックの線スペクトルが見られる。また、伝送符号が持つ伝送速度の1/50に相当する周波数を持つクロックを同期加算して得られる多値符号の受信側における信号波形は、図16Aのようになる。そして、この多値符号の周波数スペクトラムは図16Bのようになる。図16Bの周波数スペクトルには、伝送符号に同期加算したクロックに対応する多数の細かい線スペクトルが見られる。
[2−2:携帯端末200(拡張8B6T変換方式)の構成]
次に、図11を参照しながら、本実施形態に係る携帯端末200の機能構成について説明する。図11は、本実施形態に係る携帯端末200の機能構成例を示す説明図である。図11に示す携帯端末200は、上記の拡張8B6T変換方式に基づく符号化方法を用いて高速かつ高い伝送品質でデータを伝送するものである。
図11に示すように、携帯端末200は、送信部210、及び受信部230により構成される。また、送信部210と受信部230とは、同軸ケーブル220により電気的に接続されている。なお、送信部210は、上記の携帯端末130におけるシリアライザ134に相当する。但し、送信部210は、利用する符号化方法が上記のシリアライザ134とは異なる。また、受信部230は、上記の携帯端末130におけるデシリアライザ138に相当する。但し、受信部230は、利用する復号方法が上記のデシリアライザ138とは異なる。
図11に示すように、送信部210は、主に、8B6T変換部212と、符号化部214と、ドライバ216と、重畳部218と、を有する。そして、受信部230は、主に、分離部232と、レシーバ234と、クロック抽出部236と、復号部238と、8B6T逆変換部240と、を有する。但し、送信部210、受信部230には、図示しない記憶部が設けられている。なお、図11の例においては、伝送信号を直流電源に重畳して伝送する構成が示されているが、本実施形態の適用範囲はこれに限定されない。
まず、送信部210には、送信データ、及び送信クロックが入力される。送信データは8B6T変換部212に入力される。また、送信クロックは、8B6T変換部212、及び符号化部214に入力される。8B6T変換部212は、図9に例示した拡張8B6T変換方式の変換テーブルを利用して送信データを8B6T符号列に変換し、8B6T符号列で構成される符号化データを生成する。このとき、8B6T変換部212は、上記の拡張8B6T変換方式に基づく符号化方法に則って符号化データを生成する。8B6T変換部212により生成された符号化データは、符号化部214に入力される。
符号化データが入力されると、符号化部214は、図6に示した新方式の符号化方法と同様に、その符号化データが持つ伝送速度(Fb)の半分に相当する周波数(Fb/2)を持つクロックを符号化データに同期加算して多値の伝送符号を生成する。但し、符号化データに加算されるクロックの振幅は、符号化データの最大値よりも大きいものとする。このようにして符号化部214により生成された多値の伝送符号は、ドライバ216に入力されて適切な振幅レベルに変換される。
ドライバ216でレベル変換が施された伝送符号は、重畳部218に入力される。伝送符号が入力されると、重畳部218は、伝送符号に直流電源から供給される電力信号を重畳して重畳信号を生成する。上記の通り、送信部210で生成される多値の伝送符号には直流成分がほとんど含まれない。
そのため、伝送符号を電力信号に重畳したとしても、各種のフィルタを用いて容易に伝送信号と電力信号とを分離することができる。このように、伝送符号を電力信号に重畳することにより、1本の同軸ケーブル220で両信号を伝送することができるようになる。その結果、電源線と信号線とを個別に配線せずに済む。
さて、重畳部218により生成された重畳信号は、同軸ケーブル220を通じて受信部230に伝送される。そして、同軸ケーブル220を通じて伝送された重畳信号は、分離部232に入力される。重畳信号が入力されると、分離部232は、重畳信号から伝送符号と電力信号とを分離する。分離部232により分離された電力信号は、受信部230の各構成要素に電源として供給される。一方、分離部232により分離された伝送符号は、レシーバ234で受信され、クロック抽出部236、及び復号部238に入力される。
伝送符号が入力されると、クロック抽出部236は、入力された伝送信号の振幅レベルがゼロクロスするタイミングを検出し、その検出結果に基づいて送信クロックを再生する。上記の通り、この伝送符号は、クロック周波数の半周期毎に振幅レベルが極性反転するように構成されている。
そのため、伝送符号の振幅レベルがゼロクロスするタイミングを検出することにより、PLLを用いずにクロック成分を抽出することができる。このようにしてクロック抽出部236により再生された送信クロックは、受信クロックとして復号部238に入力される。また、この受信クロックは、受信部230の外部に出力される。
さて、受信クロックが入力されると、復号部238は、入力された受信クロックを利用して所定の閾値レベルを基準に多値の伝送符号の振幅レベルを判定する。そして、復号部238は、判定結果に基づいて3値の8B6T符号列で構成される符号化データを再生する。復号部238により再生された符号化データは、8B6T逆変換部240に入力される。
符号化データが入力されると、8B6T逆変換部240は、符号化データに含まれる3値のシンボルを6シンボル単位で抽出し、6シンボル毎にDCバランスを算出する。さらに、8B6T逆変換部240は、算出したDCバランスに応じて変換テーブルを選択し、適切な変換テーブルを用いて元の2値データを復元する。
このとき、8B6T逆変換部240は、先に説明した拡張8B6T変換方式に係る復号方法に基づき、DCバランスが+1の場合にTABLE−Bを利用し、DCバランスが−1の場合にTABLE−Cを利用する方法で元の2値データを復元する。このようにして8B6T逆変換部240により復元された2値データは、受信部230の外部に出力される。なお、復号部238で出力された伝送エラーは外部に出力される。
なお、受信部230が上記の携帯端末130におけるデシリアライザ138に対応する場合には、8B6T逆変換部240から出力された受信データは、受信部230が設けられる表示部102の他の構成要素に向けて出力される。また、上記のクロック抽出部236から出力された受信クロックは、受信部230が設けられる表示部102の他の構成要素に向けて出力される。
(送信フレームの構成)
ここで、図12を参照しながら、送信部210から受信部340に伝送符号を送信する際に用いる送信フレームの構成について簡単に説明する。伝送符号を送信する際、送信部210(符号化部214)においては、送信データ(伝送符号)に同期コード(SYNC)が付加されて送信フレームが生成される。
ここで付加される同期コードは、特定のパターンを有し、送信フレームの先頭を検出するために用いられる。なお、同期コードの部分でDCバランスが0になるような特定のパターンが望ましい。一方、受信部230(復号部238)においては、同期コードの検出が行われ、その同期コードの検出位置を基準にして送信データが抽出される。
以上、本実施形態に係る携帯端末200の機能構成について説明した。このように、拡張8B6T変換方式に係る符号化方法を用いてデータを伝送することにより、周波数スペクトラムを広帯域化することなく伝送速度を向上させることが可能になる。
また、拡張8B6T変換方式により生成された8B6T符号列はDCバランスが優れているため、低域遮断の伝送路においても高い伝送品質を実現することができる。さらに、上記の携帯端末200においては、クロックを同期加算して伝送する方式が採用されているため、受信側にPLLを設けずに済む分だけ消費電力を低減させることができる。
また、本実施形態の拡張8B6T変換方式に係る復号方法では、6シンボル毎に算出されるDCバランスに応じて変換テーブルが選択されるため、ある6シンボルにおいて伝送誤りが生じて8B6T符号列の合計DCバランスが崩れたとしても、他の6シンボルに伝送誤りが伝搬する可能性は皆無であるという利点もある。
なお、本実施形態の技術的範囲を逸脱しない範囲内において上記構成を適宜変形することもできる。例えば、ここでは説明の都合上、送信部210と受信部230とが1つの機器内に設けられているものと仮定したが、送信部210と受信部230とが別機器に搭載されていてもよい。
<3:変形例>
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。これまでは8B6T変換を例に挙げて説明を行ってきた。しかし、本実施形態の適用範囲は8B6T変換に限定されない。そこで、8B6T変換以外の変換則に対する本実施形態の適用例を示す。もちろん、本実施形態の適用範囲はここに例示する変形例に留まらず、多種多様な符号則に適用することが可能である。ここで示すのは、その一例である。
[3−1:(第1変形例)拡張6B4Q変換方式について]
まず、本実施形態の第1変形例について説明する。本変形例は、本実施形態に係る技術を6B4Q変換に適用した事例である。
(3−1−1:拡張6B4Q変換方式の符号化方法)
上記の6B4Q変換とは、6ビットの2進データを4値の4シンボルに変換する変換則のことである。6B4Q変換則は、例えば、図18A、図18Bに示した変換表で表現することができる。本変形例は、上記の拡張8B6T変換方式と同様にして、この変換表を拡張した拡張6B4Q変換方式を提案するものである。
(変換テーブルの構成)
図18A、図18Bには、拡張6B4Q変換に用いる変換テーブルの一例が示されている。この変換テーブルには、6ビットの2値データである変換前データと、4個の4値シンボルを組み合わせた変換後データとが対応付けて記載されている。例えば、変換前データ10は、変換後データ−1.5,+0.5,−0.5,+1.5に対応付けられている。また、図18A、図18Bに示す変換テーブルは、3つの変換テーブル(TABLE−A、TABLE−B、TABLE−C)により構成されている。但し、TABLE−Cは、TABLE−Bの反転であるため、記載を省略している。
(TABLE−A)
TABLE−Aは、変換後データのDCバランスが0になる組み合わせである。例えば、TABLE−Aは、6ビットの2値データのうち、0〜43を4値の4シンボルに変換するための変換テーブルである。なお、TABLE−Aにおける変換前データと変換後データとの組み合わせ方法は、変換後データのDCバランスが全て0であれば、これに限定されない。
(TABLE−B)
TABLE−Bは、変換後データのDCバランスが+1になる組み合わせである。例えば、TABLE−Bは、6ビットの2値データのうち、44〜63を4値の4シンボルに変換するための変換テーブルである。なお、TABLE−Bにおける変換前データと変換後データとの組み合わせ方法は、変換後データのDCバランスが全て+1であれば、これに限定されない。
(TABLE−C)
TABLE−Cは、変換後データのDCバランスが−1になる組み合わせである。TABLE−Cは、TABLE−Bにおける変換後データの各シンボルを極性反転させたものである。例えば、TABLE−Bにおいて変換前データ10に対応する変換後データが−1.5,+0.5,−0.5,+1.5であれば、TABLE−Cにおける変換後データは+1.5,−0.5,+0.5,−1.5となる。
つまり、TABLE−Bにおいて、変換後データの各シンボルが持つ極性が正であれば負に、0であれば維持し、負であれば正に変換したものがTABLE−Cである。このような極性反転を行うことにより、TABLE−Cの変換後データが持つDCバランスは−1となる。
(符号化方法:拡張6B4Q変換)
本変形例に係る拡張6B4Q変換は、上記のTABLE−A、TABLE−B、TABLE−Cを利用して、DCバランスの優れた6B4Q符号列を生成するものである。ここでは拡張6B4Q変換方式に基づく符号化方法について説明する。
まず、変換対象となる2値データ(変換前データ)が入力され、図18A、図18Bに示した変換テーブルに基づいて6ビット単位で4値の4シンボル(変換後データ)に変換される。このとき、変換後データのDCバランスが過去に変換された変換後データのDCバランスに加算され、過去の合計DCバランスとして保持される。
そして、次に入力される2値データを変換する際、その2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、保持された過去の合計DCバランスに応じて、利用する変換テーブル(TABLE−B又はTABLE−C)が選択される。
(1)例えば、過去の合計DCバランスが+1であり、変換対象の2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、TABLE−Cを利用して変換処理が行われる。
(2)また、過去の合計DCバランスが−1であり、変換対象の2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、TABLE−Bを利用して変換処理が行われる。
(3)そして、過去の合計DCバランスが0であり、変換対象の2値データがTABLE−B又はTABLE−Cに記載されたものである場合には、いずれのテーブルを用いて変換処理が行われてもよい。但し、TABLE−BとTABLE−Cとが交互に利用される方が好ましい。
上記(1)〜(3)の符号則に基づいて符号化することにより、6B4Q符号列のDCバランスが変換処理の度に補正されるため、6B4Q符号列のDCバランスは良好な状態に維持される。なお、TABLE−CはTABLE−Bの反転であるため、TABLE−Cを用いて変換する代わりに、TABLE−Bにて変換した後に得られる変換後データのシンボルを極性反転するように構成されていてもよい。このような構成にすることで、保持すべき変換テーブルのデータ量を低減することができる。
(復号方法:拡張6B4Q逆変換)
上記の通り、本変形例に係る符号化方法は、6B4Q符号列のDCバランスに応じて変換後データの変換テーブルを切り替えるというものである。そのため、拡張6B4Q変換により生成された6B4Q符号列を復号する際には、4シンボル単位で行われる拡張6B4Q逆変換に利用する変換テーブル(TABLE−B又はTABLE−C)を適切に選択する必要がある。まず、入力された6B4Q符号列から順次4シンボルが読み出され、4シンボル毎のDCバランスが算出される。
(1)算出された4シンボルのDCバランスが+1の場合、TABLE−Bを利用して拡張6B4Q逆変換が行われ、6ビットの2値データが復元される。(2)また、算出された4シンボルのDCバランスが−1の場合、TABLE−Cを利用して拡張6B4Q逆変換が行われ、6ビットの2値データが復元される。(3)そして、算出された4シンボルのDCバランスが0の場合、TABLE−Aを利用して拡張6B4Q逆変換が行われ、6ビットの2値データが復元される。このように、復号時には各4シンボルのDCバランスが参照され、そのDCバランスに応じて、利用する変換テーブルが適宜選択される。
以上、本変形例に係る拡張6B4Q変換方式の符号化方法について説明した。また、この拡張6B4Q変換方式の符号化方法により生成された6B4Q符号列の復号方法についても説明した。上記の符号化方法及び復号方法を用いることにより、低域遮断の伝送路における伝送品質を低下させることなく、伝送速度を向上させることが可能になる。6B4Q変換の場合、6ビットのデータが4シンボルの6B4Q符号に変換されるため、伝送速度が6/4=1.5倍に向上する。
これまで説明してきた2つの例(8B6T、6B4Q)は、多値符号化による伝送速度の向上を優先したものである。そのため、DCバランスが+1の符号へと変換する変換則が含まれたテーブルを用いて符号化処理を行い、その符号化処理に際してDCバランスの補正を行う方法を採ってきた。
しかし、図18Aに示すように、4Qの符号は、そのうちの44個をDCバランスが0の符号にすることができるため、6B(64通り)では無く、5B(32通り)のデータを当該44個の符号に変換する変換則を用いることにより、DCバランスの補正が不要な5B4Q符号を生成することができる。つまり、5Bのデータ全てを図18AのTABLE−Aのみで変換する方法が実現できるのである。但し、伝送速度は、5/4=1.25倍になってしまう。
同様にして、図9のテーブルから、DCバランスの補正が不要な8B7T符号を生成することもできる。
拡張6B4Q変換方式に係る6B4Q符号列(伝送符号)の受信側におけるアイパターンは図19Aのような形状になる。図19Aには、併せて再生クロックも示されている。また、この伝送符号の周波数スペクトラムは図19Bのような形状になる。さらに、この伝送符号が持つ伝送速度の1/50に相当する周波数のクロックを同期加算した多値符号の受信側における信号波形は図20Aのようになる。
そして、この多値符号の周波数スペクトラムは図20Bのようになる。図20Bの周波数スペクトルには、伝送符号に同期加算したクロックに対応する多数の細かい線スペクトルが見られる。また、伝送符号が持つ伝送速度の半分に相当する周波数を持つクロックを同期加算して得られる多値符号の受信側におけるアイパターンは図21Aのようになる。そして、この多値符号の周波数スペクトラムは図21Bのようになる。図21Bの周波数スペクトルには、伝送符号に同期加算したクロックの線スペクトルが見られる。
(3−1−2:携帯端末300(拡張6B4Q変換方式)の構成)
次に、図17を参照しながら、本変形例に係る携帯端末300の機能構成について説明する。図17は、本変形例に係る携帯端末300の機能構成例を示す説明図である。図17に示す携帯端末300は、上記の拡張6B4Q変換方式に基づく符号化方法を用いて高速かつ高い伝送品質でデータを伝送するものである。なお、上記の携帯端末200と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図17に示すように、送信部210は、主に、符号化部214と、ドライバ216と、重畳部218と、6B4Q変換部312と、を有する。そして、受信部230は、主に、分離部232と、レシーバ234と、クロック抽出部236と、復号部238と、6B4Q逆変換部332と、を有する。なお、図17の例においては、伝送信号を直流電源に重畳して伝送する構成が示されているが、本実施形態の適用範囲はこれに限定されない。
まず、送信部210には、送信データ、及び送信クロックが入力される。送信データは6B4Q変換部312に入力される。また、送信クロックは、6B4Q変換部312、及び符号化部214に入力される。6B4Q変換部312は、図18A、図18Bに例示した拡張6B4Q変換方式の変換テーブルを利用して送信データを6B4Q符号列に変換し、6B4Q符号列で構成される符号化データを生成する。このとき、6B4Q変換部312は、上記の拡張6B4Q変換方式に基づく符号化方法に則って符号化データを生成する。6B4Q変換部312で生成された符号化データは、符号化部214に入力される。
符号化データが入力されると、符号化部214は、図6に示した新方式の符号化方法と同様に、その符号化データが持つ伝送速度(Fb)の半分に相当する周波数(Fb/2)を持つクロックを符号化データに同期加算して多値の伝送符号を生成する。但し、符号化データに加算されるクロックの振幅は、符号化データの最大値よりも大きいものとする。このようにして符号化部214により生成された多値の伝送符号は、ドライバ216に入力されて適切な振幅レベルに変換される。
ドライバ216でレベル変換が施された伝送符号は、重畳部218に入力される。伝送符号が入力されると、重畳部218は、伝送符号に直流電源から供給される電力信号を重畳して重畳信号を生成する。上記の通り、送信部210で生成される多値の伝送符号には直流成分がほとんど含まれない。
そのため、伝送符号を電力信号に重畳したとしても、各種のフィルタを用いて容易に伝送信号と電力信号とを分離することができる。このように、伝送符号を電力信号に重畳することにより、1本の同軸ケーブル220で両信号を伝送することができるようになる。その結果、電源線と信号線とを個別に配線せずに済む。
さて、重畳部218により生成された重畳信号は、同軸ケーブル220を通じて受信部230に伝送される。そして、同軸ケーブル220を通じて伝送された重畳信号は、分離部232に入力される。重畳信号が入力されると、分離部232は、重畳信号から伝送符号と電力信号とを分離する。分離部232により分離された電力信号は、受信部230の各構成要素に電源として供給される。一方、分離部232により分離された伝送符号は、レシーバ234で受信され、クロック抽出部236、及び復号部238に入力される。
伝送符号が入力されると、クロック抽出部236は、入力された伝送信号の振幅レベルがゼロクロスするタイミングを検出し、その検出結果に基づいてクロックを再生する。クロック抽出部236により再生されたクロックは、受信クロックとして復号部238に入力される。また、この受信クロックは、受信部230の外部に出力される。
さて、受信クロックが入力されると、復号部238は、入力された受信クロックを利用して所定の閾値レベルを基準に多値の伝送符号の振幅レベルを判定する。そして、復号部238は、判定結果に基づいて4値の6B4Q符号列で構成される符号化データを再生する。
復号部238により再生された符号化データは、6B4Q逆変換部332に入力される。符号化データが入力されると、6B4Q逆変換部332は、符号化データに含まれる4値のシンボルを4シンボル単位で抽出し、4シンボル毎にDCバランスを算出する。さらに、6B4Q逆変換部332は、算出したDCバランスに応じて変換テーブルを選択し、適切な変換テーブルを用いて元の2値データを復元する。
このとき、6B4Q逆変換部332は、先に説明した拡張6B4Q変換方式に係る復号方法に基づき、DCバランスが+1の場合にTABLE−Bを利用し、DCバランスが−1の場合にTABLE−Cを利用する方法で元の2値データを復元する。このようにして6B4Q逆変換部332により復元された2値データは、受信部230の外部に出力される。なお、復号部238で出力された伝送エラーは外部に出力される。
以上、本変形例に係る携帯端末300の機能構成について説明した。このように、拡張6B4Q変換方式に係る符号化方法を用いてデータを伝送することにより、周波数スペクトラムを広帯域化することなく伝送速度を向上させることが可能になる。
また、拡張6B4Q変換方式により生成された6B4Q符号列はDCバランスが優れているため、低域遮断の伝送路においても高い伝送品質を実現することができる。さらに、上記の携帯端末300においては、クロックを同期加算して伝送する方式が採用されているため、受信側にPLLを設けずに済む分だけ消費電力を低減させることができる。
また、本変形例の拡張6B4Q変換方式に係る復号方法では、4シンボル毎に算出されるDCバランスに応じて変換テーブルが選択されるため、ある4シンボルにおいて伝送誤りが生じて6B4Q符号列の合計DCバランスが崩れたとしても、他の4シンボルに伝送誤りが伝搬する可能性は皆無であるという利点もある。また、拡張6B4Q変換方式は、拡張8B6T変換方式の符号化率(133%)よりも高い符号化率(150%)を有する。
[3−2:(第2変形例)拡張8B5Q変換方式について]
次に、本実施形態に係る第2変形例について簡単に説明する。本変形例は、上記の拡張8B6T変換方式や拡張6B4Q変換方式と同様に、8B5Q変換を拡張した拡張8B5Q変換方式に関する。8B5Q変換は、8ビットの2進データを4値の5シンボルに変換するものである。なお、本変形例の符号化方法、復号方法、及び携帯端末の機能構成は、拡張8B6T変換方式や拡張6B4Q変換方式のものと同様である。
但し、拡張8B5Q変換方式の符号化率は、8/5×100=160%である。従って、拡張8B5Q方式を適用することにより、上記の拡張8B6T変換方式や拡張6B4Q変換方式よりも更に高速なデータ伝送が実現される。また、拡張8B5Q変換方式の符号化方法で生成された8B5Q符号の受信側におけるアイパターンは図22Aのようになる。また、この8B5Q符号の周波数スペクトラムは図22Bのようになる。
このように、拡張8B5Q変換方式においても、拡張8B6T変換方式や拡張6B4Q変換方式と同様に、周波数スペクトラムを広帯域化することなく伝送速度を向上させることが可能になる。また、拡張8B5Q変換方式により生成された8B5Q符号列はDCバランスが優れているため、低域遮断の伝送路においても高い伝送品質を実現することができる。
なお、8B6Tの「T」はTernary、6B4Q及び8B5Qの「Q」はQuaternaryの略である。また、上記の携帯端末200、300は、図2に示した携帯端末130に適用することが可能である。例えば、表示部102、接続部106、操作部108により構成され、ベースバンドプロセッサ110から出力されたデータを液晶部104又は表示部102の構成要素に伝送するために利用することが可能である。
<4:まとめ>
最後に、本実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の電子機器に対して適用することができる。特に、電子機器の内部において高速なデータ伝送が求められる電子機器に対して好適に用いられる。
上記の情報処理装置の機能構成は次のように表現することができる。当該情報処理装置は、nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化部を備え、前記符号化部は、変換後に得られた前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合に、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御するものである。
上記説明においては、n=8、k=3、m=6に相当する拡張8B6T変換方式、n=6、k=4、m=4に相当する拡張6B4Q変換方式、n=8、k=4、m=5に相当する拡張8B5Q変換方式が例示された。このように、nビットをm個のシンボルで表現することにより、符号化率がn/m(m<n)に向上し、データ伝送速度を向上することが可能になる。
また、変換後に得られたmシンボルのDCバランスが、それ以前のDCバランスと同じ極性を持つ場合にmシンボルのDCバランスを反転させることで、符号化データ全体のDCバランスを良好に維持することが可能になる。
このような構成にすることで、符号化データを伝送する際の周波数スペクトラムを広帯域化することなく伝送速度を向上させることが可能になる上、直流遮断の伝送路においても伝送品質を劣化させずに済むという功を奏する。
(備考)
上記の携帯端末200、300は、符号化装置、情報処理装置の一例である。上記の8B6T変換部212、6B4Q変換部312は、符号化部の一例である。上記のTABLE−Aは、第1の変換テーブルの一例である。上記のTABLE−Bは、第2の変換テーブルの一例である。上記のTABLE−Cは、第3の変換テーブルの一例である。上記の送信部210は、第1のモジュールの一例である。
上記の受信部230は、第2のモジュールの一例である。上記のドライバ216、重畳部218は、データ送信部の一例である。上記の分離部232、レシーバ234は、データ受信部の一例である。上記の8B6T逆変換部240、6B4Q逆変換部332は、復号部の一例である。
上記の符号化部214は、クロック加算部の一例である。上記のクロック抽出部236は、クロック再生部の一例である。上記の同軸ケーブル220は、所定の信号線の一例である。上記のベースバンドプロセッサ110は、演算処理部の一例である。上記の液晶部104は、表示部の一例である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100、130 携帯端末
102 表示部
104 液晶部
106 接続部
108 操作部
110 ベースバンドプロセッサ
112、132、140 パラレル信号線路
134 シリアライザ
136 シリアル信号線路
138 デシリアライザ
152 P/S変換部
154、192 エンコーダ
156 ドライバ
158、180 PLL部
160 タイミング制御部
172 レシーバ
174、194 デコーダ
176 S/P変換部
178 クロック再生部
182 タイミング制御部
196 クロック検出部
200 携帯端末
210 送信部
212 8B6T変換部
214 符号化部
216 ドライバ
218 重畳部
230 受信部
232 分離部
234 レシーバ
236 クロック抽出部
238 復号部
240 8B6T逆変換部

Claims (18)

  1. nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化部を備え、
    前記符号化部は、変換後に得られた前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合に、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御する、符号化装置。
  2. 前記所定の変換則において、前記nビットの2値データのうち、0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データが対応付けられており、正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データが対応付けられており、
    前記符号化部は、前記変換後に得られたk値データのDCバランスが正の場合、当該k値データの前に位置するk値データの列が正のDCバランス持つとき、前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの符号を反転する、請求項1に記載の符号化装置。
  3. 前記所定の変換則に則って0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データを対応付ける第1の変換テーブルと、
    前記所定の変換則に則って正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データを対応付ける第2の変換テーブルと、
    前記正のDCバランスを持つk値データに含まれるm個のシンボルの符号を反転して得られる負のDCバランスを持つk値データに前記(2−K)個の2値データを対応付ける第3の変換テーブルと、が記録された記憶部をさらに備え、
    前記符号化部は、変換すべき前記2値データが前記(2−K)個の2値データに該当する場合、前記k値データの列において当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が正のDCバランスを持つとき、前記第3の変換テーブルを用いて当該2値データを変換し、当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が負のDCバランスを持つとき、前記第2の変換テーブルを用いて当該2値データを変換する、請求項1に記載の符号化装置。
  4. 前記k、m、nの組み合わせは、(k,m,n)=(3,6,8)、(4,4,6)、又は(4,5,8)のいずれか1つである、請求項1に記載の符号化装置。
  5. nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化部を備え、
    前記所定の変換則は、前記2値データと、DCバランスが0の前記k値データと、を対応付ける変換則である、符号化装置。
  6. 前記k、m、nの組み合わせは、(k,m,n)=(4,5,6)、又は(3,7,8)のいずれか1つである、請求項5に記載の符号化装置。
  7. nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換し、変換後に得られる前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合には、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御して符号化データを生成する符号化部と、
    前記符号化部により生成された符号化データを送信するデータ送信部と、
    を有する、第1のモジュールと、
    前記第1のモジュールから送信された符号化データを受信するデータ受信部と、
    前記データ受信部により受信された符号化データに含まれる前記各k値データが持つDCバランスの極性を検出し、検出された前記各k値データが持つDCバランスの極性及び前記所定の変換則に基づいて前記符号化データを復号する復号部と、
    を有する、第2のモジュールと、
    を備える、情報処理装置。
  8. 前記所定の変換則において、前記nビットの2値データのうち、0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データが対応付けられており、正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データが対応付けられており、
    前記符号化部は、前記変換後に得られたk値データのDCバランスが正の場合、当該k値データ以前のk値データの列が正のDCバランスを持つとき、前記変換後に得られたk値データに含まれるm個のシンボルの符号を反転し、
    前記復号部は、前記DCバランス極性検出部により負のDCバランスが検出されたk値データに対し、当該k値データに含まれる各シンボルの符号を反転させた上で、前記所定の符号則に基づいて前記符号化データを復号する、請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記第1のモジュールは、
    前記所定の変換則に則って0のDCバランスを持つ前記k値データにK個の前記2値データを対応付ける第1の変換テーブルと、
    前記所定の変換則に則って正のDCバランスを持つ前記k値データに(2−K)個の前記2値データを対応付ける第2の変換テーブルと、
    前記正のDCバランスを持つk値データに含まれるm個のシンボルの符号を反転して得られる負のDCバランスを持つk値データに前記(2−K)個の2値データを対応付ける第3の変換テーブルと、が記録された記憶部をさらに有し、
    前記符号化部は、変換すべき前記2値データが前記(2−K)個の2値データに該当する場合、前記k値データの列において当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が正のDCバランスを持つとき、前記第3の変換テーブルを用いて当該2値データを変換し、当該2値データを変換して得られるk値データ以前のk値データの列が負のDCバランスを持つとき、前記第2の変換テーブルを用いて当該2値データを変換し、
    前記第2のモジュールは、
    前記第1の変換テーブル、前記第2の変換テーブル、前記第3の変換テーブルが記録された記憶部をさらに有し、
    前記復号部は、前記DCバランス極性検出部により0のDCバランスが検出されたk値データに対しては前記第1の変換テーブルを用い、正のDCバランスが検出されたk値データに対しては前記第2の変換テーブルを用い、負のDCバランスが検出されたk値データに対しては前記第3の変換テーブルを用いて前記符号化データを復号する、請求項7に記載の情報処理装置。
  10. 前記第1のモジュールは、前記シンボルの最大値よりも大きい振幅値を持ち、かつ、シンボル速度の半分の速度を持つクロックを前記符号化データに同期加算するクロック加算部をさらに有し、
    前記第2のモジュールは、前記データ受信部により受信された符号化データの振幅が極性反転する周期を検出し、当該検出結果に基づいて前記クロックを再生するクロック再生部をさらに有し、
    前記復号部は、前記クロック再生部により再生されたクロックを用いて前記符号化データを復号する、請求項7に記載の情報処理装置。
  11. 前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは所定の信号線で接続されており、
    前記データ送信部は、直流電源から供給された電力信号を前記符号化データに重畳して重畳信号を生成し、当該重畳信号を前記所定の信号線を通じて送信し、
    前記データ受信部は、前記所定の信号線を通じて重畳信号を受信し、当該重畳信号から前記電力信号と前記符号化データとを分離する、請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記第1のモジュールは、少なくとも表示データを出力する演算処理部をさらに有し、
    前記第2のモジュールは、表示データを表示する表示部をさらに有し、
    前記符号化部は、前記演算処理部から出力された表示データに対応する2値データを前記k値データの列に変換して符号化データを生成し、
    前記復号部は、前記符号化データを復号して前記表示データに対応する2値データを復元し、当該2値データを前記表示部に入力する、請求項7に記載の情報処理装置。
  13. nビットの2値データと、DCバランスが0となるようにk値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換して符号化データを生成する符号化部と、
    前記符号化部により生成された符号化データを送信するデータ送信部と、
    を有する、第1のモジュールと、
    前記第1のモジュールから送信された符号化データを受信するデータ受信部と、
    前記データ受信部により受信された符号化データを前記所定の変換則に基づいて復号する復号部と、
    を有する、第2のモジュールと、
    を備える、情報処理装置。
  14. 前記k、m、nの組み合わせは、(k,m,n)=(4,5,6)、又は(3,7,8)のいずれか1つである、請求項13に記載の情報処理装置。
  15. nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化ステップを含み、
    前記符号化ステップでは、変換後に得られた前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合に、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性が制御される、符号化方法。
  16. nビットの2値データと、DCバランスが0となるようにk値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づき、入力された2値データをnビット毎に変換して、前記k値データの列で形成される符号化データを生成する符号化ステップを含む、符号化方法。
  17. nビットの2値データと、k値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換し、変換後に得られる前記k値データのDCバランスが極性を持つ場合には、当該k値データ以前のk値データの列が持つDCバランスの極性と異なるように前記変換後に得られたk値データに含まれるシンボルの極性を制御して符号化データを生成する符号化ステップと、
    前記符号化ステップで生成された符号化データを送信するデータ送信ステップと、
    前記データ送信ステップで送信された符号化データを受信するデータ受信ステップと、
    前記データ受信ステップで受信された符号化データに含まれる前記各k値データが持つDCバランスの極性を検出するDCバランス極性検出ステップと、
    前記DCバランス極性検出ステップで検出された前記各k値データが持つDCバランスの極性及び前記所定の変換則に基づいて前記符号化データを復号する復号ステップと、
    を含む、データ伝送方法。
  18. nビットの2値データと、DCバランスが0となるようにk値のシンボルをm個(m<n)組み合わせたk値データと、を対応付ける所定の変換則に基づいて、入力された2値データをnビット毎に変換して符号化データを生成する符号化ステップと、
    前記符号化ステップで生成された符号化データを送信するデータ送信ステップと、
    前記データ送信ステップで送信された符号化データを受信するデータ受信ステップと、
    前記データ受信ステップで受信された符号化データを前記所定の変換則に基づいて復号する復号ステップと、
    を含む、データ伝送方法。
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WO2016175035A1 (ja) * 2015-04-27 2016-11-03 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 符号化装置及び方法、復号装置及び方法、並びに、プログラム

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