以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の第一の実施形態の携帯端末101の構成を示したブロック図である。
携帯端末101は、送電装置100から供給された電力を蓄電し、その蓄電された電力で動作可能な電気機器である。なお、携帯端末101は、例えば、ノートPCや携帯電話などである。また、送電装置100は、携帯端末101に電力を供給する充電器であり、接触型の充電器でもよいし、非接触型の充電器でもよい。
携帯端末101は、検出部102と、通知部103と、記憶部104と、入力部105と、制御部110とを含む。
検出部102は、検出手段の一例である。検出部102は、送電装置100から携帯端末101へ電力が供給されているか否かを検出する。
通知部103は、通知手段の一例である。通知部103は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されると、ユーザ認証を行う旨の認証要求をユーザに通知する。例えば、通知部103は、表示装置および音声出力装置の少なくとも一方であり、認証要求を表示したり、認証要求を音声で出力したりすることで、認証要求をユーザに通知する。
記憶部104は、記憶手段の一例である。記憶部104は、ユーザ認証用の登録認証情報を記憶する。なお、登録認証情報は、携帯端末101のユーザなどにて予め登録される。
入力部105は、入力手段の一例である。通知部103にて通知された認証要求を確認したユーザから、入力認証情報を受け付ける。なお、入力認証情報および登録認証情報は、パスワードや暗証番号などのテキスト情報でもよいし、ユーザの指紋や静脈パターンなどの生体情報でもよい。
制御部110は、検出部102、通知部103、記憶部104および入力部105を用いて、ユーザ認証を行い、その認証結果に応じて携帯端末101を不正利用から保護する保護処理を実行する。
制御部110は、制御モジュール111と、端末保護モジュール112とを有する。
制御モジュール111は、認証手段の一例である。制御モジュール111は、入力部105が受け付けた入力認証情報と、記憶部104に記憶された登録認証情報とに基づいて、ユーザ認証を行う。
端末保護モジュール112は、保護手段の一例である。端末保護モジュール112は、
検出部102が電力の供給が停止されたことを検出された後に、制御モジュール111にてユーザ認証が失敗すると、保護処理を実行する。例えば、端末保護モジュール112は、通知部103からアラーム音を出力することや、携帯端末101に記憶されている秘密情報を削除することを、保護処理として実行する。
次に動作を説明する。
図2は、本実施形態の携帯端末101の動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、検出部102は、定期的に、送電装置100から携帯端末101へ電力が供給されているか否かを検出する。検出部102は、電力が供給されていることを検出している間、検出信号を制御モジュール111に通知し、電力の供給が停止されると、検出信号の通知を停止する。
ステップS200では、制御モジュール111は、検出部102からの検出信号の通知が開始されたか否かを確認する。制御モジュール111は、検出信号の通知が開始されると、電力の供給が開始されたと判断して、ステップS201を実行する。一方、制御モジュール111は、検出信号の通知が開始されないと、ステップS200を実行する。
ステップS201では、制御モジュール111は、携帯端末101が電力の供給されている受電状態になったと判断して、認証要求を生成する。制御モジュール111は、その認証要求を通知部103を介してユーザに通知し、さらに、携帯端末101に対する入力登録情報の入力操作以外の操作を禁止する禁止処理を実行する。その後、制御モジュール111は、ステップS202を実行する。
ステップS202では、制御モジュール111は、検出部102からの検出信号の通知が終了されたか否かを確認する。制御モジュール111は、検出信号の通知が停止されると、電力の供給が停止されたと判断して、ステップS203を実行する。一方、制御モジュール111は、検出信号の通知が停止されないと、ステップS202を実行する。
ステップS203では、制御モジュール111は、携帯端末101が電力の供給されていない非受電状態になったと判断して、ユーザ認証を行う。
具体的には、制御モジュール111は、入力部105に入力認証情報が入力されたか否かを確認する。入力認証情報が入力されると、制御モジュール111は、その入力認証情報が記憶部104に記憶された登録認証情報と同じか否かを判断する。
制御モジュール111は、携帯端末101が非受電状態になってから第一の所定時間が経過するまでに、入力認証情報および登録認証情報が同じであると判断すると、ユーザ認証を成功と判断する。一方、制御モジュール111は、携帯端末101が非受電状態になってから第一の所定時間が経過しても、入力認証情報および登録認証情報が同じであると判断できなかった場合、ユーザ認証を失敗と判断する。
制御モジュール111は、ユーザ認証に成功すると、禁止処理を中止して処理を終了し、ユーザ認証に失敗すると、ステップS204を実行する。
ステップS204では、制御モジュール111は、携帯端末101を不正利用から保護する旨の保護要求を端末保護モジュール112に通知する。端末保護モジュール112は、保護要求を受信すると、携帯端末101を不正利用から保護する保護処理を実行して、動作を終了する。
本実施形態によれば、検出部102は、送電装置100から電力が供給されているか否かを検出する。通知部103は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されると、ユーザ認証を行う旨の認証要求をユーザに通知する。記憶部104は、ユーザ認証用の登録認証情報を記憶する。入力部105は、入力認証情報を受け付ける。制御モジュール111は、入力部105が受け付けた入力認証情報と、記憶部104に記憶された登録認証情報とに基づいて、ユーザ認証を行う。端末保護モジュール112は、検出部102が電力の供給が停止された後に、制御モジュール111にてユーザ認証が失敗すると、携帯端末101を不正利用から保護する保護処理を実行する。
この場合、電力の供給が停止されて後にユーザ認証が失敗すると、携帯端末101を不正利用から保護する保護処理が実行される。したがって、携帯端末101が充電中に盗難されても、その盗難者に携帯端末101が使用されることを抑制することが可能になる。よって、充電中の携帯端末101が盗難された場合でも、携帯端末101を不正利用から保護することが可能になる。
次に第二の実施形態について説明する。本実施形態では、第一の実施形態で説明した認証システムのより詳細な構成について記載する。
図3は、本実施形態の携帯端末101の構成を示したブロック図である。図3において携帯端末101は、検出部102と、通知部103と、記憶部104と、入力部105と、蓄電部106と、取得部107と、制御部110とを含む。
記憶部104は、秘密情報をさらに記憶する。秘密情報は、例えば、携帯端末101のユーザの個人情報や他の人の電話番号などである。
また、記憶部104は、第一の端末保護条件と、第二の端末保護条件と、ユーザ認証失敗条件とをさらに記憶する。なお、第一の端末保護条件と、第二の端末保護条件と、ユーザ認証失敗条件は予め定められていてもよいし、ユーザにて変更可能であってもよい。
第一の端末保護条件は、携帯端末101の充電開始時における、ユーザ認証を行う条件であり、受電状態および未使用状態の継続時間や送電装置100に関する送電情報などに応じて定義される。
なお、未使用状態は、携帯端末101が使用されていない状態であり、例えば、携帯端末101が折りたたみ型携帯電話やノートPCの場合、携帯端末101を折りたたんだ状態であり、携帯端末101が音楽プレーヤーの場合、電源をオフにした状態である。また、送電情報は、本実施形態では、送電装置100のタイプ(接触型または非接触型)を示す。
例えば、第一の端末保護条件は、「受電状態が第一所定時間以上継続し、かつ、未使用状態が特定時間以上継続し、かつ、送電装置100が非接触型である」ことを示す。
第二の端末保護条件は、携帯端末101の充電停止時における、ユーザ認証を行う条件であり、送電情報や非受電状態の継続時間などに応じて定義される。例えば、第二の端末保護条件は、「非受電状態が第二所定時間以上継続し、かつ、送電装置100が非接触型である」ことを示す。
ユーザ認証失敗条件は、ユーザ認証が失敗したと判断する条件である。例えば、ユーザ認証失敗条件は、「不正な入力認証情報が所定回数連続して入力される、または、認証要求が通知されてから一定時間が経過しても、正当な入力認証情報が入力されない」ことを示す。なお、正当な入力認証情報は、登録認証情報と同じ認証情報であり、不正な入力認証情報は、登録認証情報と異なる認証情報である。
蓄電部106は、二次電池とも呼ばれ、送電装置100から供給された電力を蓄電し、その蓄電した電力を携帯端末101の各部(検出部102、通知部103、記憶部104、入力部105、取得部107および制御部110)に供給することで、携帯端末を動作させる。なお、蓄電部106は、携帯端末101と脱着可能であってもよい。
取得部107は、取得手段の一例である。取得部107は、少なくとも検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されるたびに、その電力を供給する送電装置100から、その送電装置100に関する送電情報を取得する。
制御部110は、制御モジュール111と、端末保護モジュール112とを含む。また、制御モジュール111は、受電制御モジュール121と、盗難防止制御モジュール122と、ユーザ認証モジュール123とを含む。
受電制御モジュール121は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されると、携帯端末101が受電状態になったと判断する。また、受電制御モジュール121は、検出部102にて電力の供給が停止されたことが検出されると、携帯端末101が非受電状態になったと判断する。
盗難防止制御モジュール122は、受電制御モジュール121にて携帯端末101が受電状態になったと判断されると、記憶部104に記憶された第一の端末保護条件が満たされているか否かを判断する。
例えば、第一の端末保護条件が「受電状態が第一所定時間以上継続し、かつ、未使用状態が特定時間以上継続し、かつ、送電装置100が非接触型である」ことを示す場合、盗難防止制御モジュール122は、取得部107が取得した送電情報が非接触型を示すか否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、送電情報が非接触型を示すと、受電状態の継続時間の計測を開始すると共に、携帯端末101が未使用状態か否かの監視を開始する。そして、盗難防止制御モジュール122は、携帯端末101が未使用状態であると、未使用状態の継続時間の計測を開始する。
そして、受電状態の継続時間が第一所定時間以上になり、未使用状態の継続時間が特定時間以上になり、かつ、送電情報が非接触型を示すと、盗難防止制御モジュール122は、第一の端末保護条件が満たされていると判断する。
また、盗難防止制御モジュール122は、受電制御モジュール121にて携帯端末101が非受電状態になったと判断されると、記憶部104に記憶された第二の端末保護条件が満たされているか否かを判断する。
例えば、第二の端末保護条件が「非受電状態が第二所定時間以上継続し、かつ、送電装置100が非接触型である」ことを示す場合、受電制御モジュール121にて携帯端末101が非受電状態になったと判断されると、非受電状態の継続時間の計測を開始すると共に、取得部107が取得した送電情報が非接触型を示すか否かを確認する。
そして、非受電状態の継続時間が第二所定時間以上になり、かつ、送電情報が非接触型を示すと、盗難防止制御モジュール122は、第二の端末保護条件が満たされていると判断する。
盗難防止制御モジュール122にて第一の端末保護条件が満たされていると判断された場合、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち状態に遷移する。
ユーザ認証待ち状態に遷移すると、ユーザ認証モジュール123は、認証要求を通知部103からユーザに通知するとともに、携帯端末101に入力認証情報の入力操作以外の操作を禁止する禁止処理を実行する。
これにより、第一の端末保護条件が満たされると、通知部103が認証要求を通知することになる。このため、例えば、第一の端末保護条件が「受電状態が第一所定時間以上継続する」ことを示す場合、通知部103は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されてから第一所定時間以上経過しても、検出部102にて電力の供給が停止されたことが検出されなかった場合、認証要求を通知することになる。
また、ユーザ認証モジュール123は、入力部105が入力した入力認証情報と、記憶部104に記憶された登録認証情報およびユーザ認証失敗条件とに基づいて、ユーザ認証を行う。
例えば、ユーザ認証モジュール123は、入力認証情報および登録認証情報が同じであると、ユーザ認証を成功とする。
また、ユーザ認証失敗条件が「所定回数連続して不正な認証情報が入力される」ことを示す場合、ユーザ認証モジュール123は、入力部105が入力認証情報を受け付けるたびに、その入力認証情報と記憶部104に記憶された登録認証情報とが同じか否かを判断し、所定回数連続して、入力認証情報および登録認証情報が異なると、ユーザ認証を失敗とする。
さらに、ユーザ認証失敗条件が「認証要求が通知されてから一定時間が経過しても、正当な入力認証情報が入力されない」ことを示す場合、ユーザ認証モジュール123は、通知部103にて認証要求が通知されてから一定時間が経過しても、ユーザ認証が成功しないと、ユーザ認証を失敗とする。
ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証が成功されると、禁止処理を終了する。
ユーザ認証モジュール123にてユーザ認証が失敗すると、端末保護モジュール112は、保護処理を実行する。
また、保護処理が実行中にユーザ認証モジュール123にてユーザ認証が成功すると、端末保護モジュール112は、保護処理を終了する。
次に動作を説明する。
図4〜図7は、本実施形態の携帯端末101の動作の一例を説明するためのフローチャートである。より具体的には、図4は、受電制御モジュール121の動作の一例を説明するためのフローチャートである。図5A、図5Bおよび図5Cは、盗難防止制御モジュール122の動作の一例を説明するためのフローチャートである。図6は、ユーザ認証モジュール123の動作の一例を説明するためのフローチャートである。図7は、端末保護モジュール112の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
先ず、ユーザは、携帯端末101の充電を開始する。この場合、ユーザは、携帯端末101を未使用状態にし、その後、送電装置100から電力の供給が可能な状態にする。
なお、電力の供給が可能な状態は、送電装置100が接触型の場合、携帯端末101が送電装置100に装着された状態であり、送電装置100が非接触型の場合、携帯端末101が送電装置100からの電力供給用の電波が届く位置に置かれた状態である。
携帯端末101が電力の供給が可能な状態になると、送電装置100から電力が携帯端末101に供給され、蓄電部106に蓄電される。
このとき、検出部102は、電力が供給されていることを検出し、検出信号を受電制御モジュール121に通知する。なお、検出部102は、電力が供給されていることを検出している間、検出信号の通知を維持する。
図4のステップS400では、受電制御モジュール121は、検出部102から検出信号が通知されたか否かを確認して、携帯端末101が受電状態になったか、および、非受電状態になったかを確認する。より具体的には、受電制御モジュール121は、検出信号の通知が開始されると、携帯端末101が受電状態になったと判断し、検出信号の通知が停止されると、携帯端末101が非受電状態になったと判断する。
受電制御モジュール121は、携帯端末101が受電状態になったと判断すると、ステップS401を実行し、携帯端末101が非受電状態になったと判断すると、ステップS402を実行する。
ステップS401では、受電制御モジュール121は、受電状態を示す受電状態情報を生成する。また、受電制御モジュール121は、取得部107を介して送電装置100と通信を行い、送電装置100から送電情報を取得する。ここで、送電情報は、送電装置100のタイプ「非接触型」を示すものとする。
受電制御モジュール121は、受電状態情報および送電情報を盗難防止制御モジュール122に通知する。その後、受電制御モジュール121は、ステップS400に戻る。
一方、ステップS402では、受電制御モジュール121は、非受電状態を示す非受電状態情報を生成し、その非受電状態情報を盗難防止制御モジュール122に通知する。その後、受電制御モジュール121は、ステップS400に戻る。
また、図5AのステップS500(図5Bのステップ510)では、盗難防止制御モジュール122は、受電制御モジュール121から受電状態情報および送電情報が通知されたか否か、および、受電制御モジュール121から非受電状態情報が通知されたか否かを確認する。
盗難防止制御モジュール122は、受電状態情報および送電情報が通知されると、図5AのステップS501を実行し、非受電状態情報が通知されると、図5BのステップS511を実行する。
ここでは、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されたので、ステップS501が実行される。
ステップS501では、盗難防止制御モジュール122は、記憶部104に記憶された第一の端末保護条件を確認し、その第一の端末保護条件が満たされるか否かを判断する。ここでは、第一の端末保護条件は、「受電状態が30秒以上継続し、かつ、未使用状態が30秒以上継続し、かつ、送電装置100が非接触型である」ことを示すものとする。
盗難防止制御モジュール122は、第一の端末保護条件が満たされていないと、ステップS502を実行し、第一の端末保護条件が満たされていると、ステップS503を実行する。
今、受電状態が30秒継続されていないものとする。この場合、盗難防止制御モジュール122は、第一の端末保護条件が満たされていないと判断して、ステップS502を実行する。
ステップS502では、盗難防止制御モジュール122は、非受電状態情報が通知されたか否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、非受電状態情報が通知されると、ステップS500を実行し、非受電状態情報が通知されないと、ステップS501を実行する。
ここで、携帯端末101が移動されず、受電状態が継続されたとする。したがって、ステップS501が実行される。その後、ステップS501およびS502が繰り返されている間に、受電状態および未使用状態が30秒以上継続されると、送電情報が非接触を示すので、ステップS502で盗難防止制御モジュール122が、第一の端末保護条件が満たされていると判断して、ステップS503を実行する。
ステップS503では、盗難防止制御モジュール122は、ユーザ認証モジュール123がユーザ認証待ち状態か否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、ユーザ認証モジュール123がユーザ認証待ち状態でないと、ステップS504を実行し、ユーザ認証モジュール123がユーザ認証待ち状態であると、処理を終了する。
今、ユーザ認証モジュール123はユーザ認証待ち状態でないので、ステップS504が実行される。
ステップS504では、盗難防止制御モジュール122は、ユーザ認証待ち状態に遷移する旨の遷移要求を生成し、その遷移要求をユーザ認証モジュール123に通知する。また、ユーザ認証モジュール123は、遷移要求が通知されると、図6のステップS600を実行する。
ステップS600では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち状態に遷移する。ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち状態に遷移すると、認証要求を通知部103からユーザに通知するとともに、携帯端末101に入力認証情報の入力操作以外の操作を禁止する。その後、ユーザ認証モジュール123は、ステップS601を実行する。
ステップS601では、ユーザ認証モジュール123は、正当な入力認証情報が入力されたか否かを確認する。
より具体的には、先ず、ユーザ認証モジュール123は、入力部105に入力認証情報が入力されたか否かを確認する。入力認証情報が入力された場合、ユーザ認証モジュール123は、入力認証情報と記憶部104に記憶された登録認証情報とを照合して、入力認証情報および登録認証情報が同じか否かを判断する。
入力認証情報および登録認証情報が同じ場合、ユーザ認証モジュール123は、正当な入力認証情報が入力されたと判断する。また、入力認証情報および登録認証情報が異なっている場合、および、入力認証情報が入力されていない場合、正当な入力認証情報が入力されていないと判断する。
ユーザ認証モジュール123は、正当な入力認証情報が入力されないと、ステップ602を実行し、正当な入力認証情報が入力されると、ステップS606を実行する。
ステップS602では、ユーザ認証モジュール123は、記憶部104に記憶されたユーザ認証失敗条件を確認し、そのユーザ認証失敗条件が満たされるか否かを判断する。ここでは、ユーザ認証失敗条件は、「不正な入力認証情報が三回連続して入力される、または、ユーザ認証待ち時間が10秒経過しても、正当な入力認証情報が入力されない」ことを示すものとする。ユーザ認証待ち時間は、通知部103にて認証要求が通知されてからの現時刻まで時間である。
ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証失敗条件が満たされないと、ステップS603を実行し、ユーザ認証失敗条件が満たされると、ステップS605を実行する。
ステップS603では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち時間を計測する旨の計測要求が通知されたか否かを確認する。ユーザ認証モジュール123は、計測要求が通知されると、ステップS604を実行し、計測要求が通知されていないと、ステップS601を実行する。
ステップS604では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち時間の計測を開始し、その後、ステップS601を実行する。
ここでは、計測要求が通知されていないので、ユーザ認証モジュール123は、ステップS603を終了すると、ステップS601を実行する。なお、現時点では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち時間の計測を開始していないので、通知部103にて認証要求が通知されてから一定時間が経過しても、認証を失敗とすることはない。したがって、入力部105が正当な入力認証情報が入力され、認証が成功するまで、ユーザ認証モジュール123は、ステップS601〜S603を繰り返す。
また、ここで認証が成功する前に、ユーザ以外の第三者によって、携帯端末101が送電装置100から充電不可能な位置に持ち出されたとする。
この場合、検出部102が検出信号の通知を停止するので、図4のステップS401およびS402が実行され、非受電状態情報が受電制御モジュール121から盗難防止制御モジュール122に通知される。そして、図5BのステップS510で盗難防止制御モジュール122は、非受電状態情報が通知されたと判断して、ステップS511を実行する。
ステップS511では、盗難防止制御モジュール122は、記憶部104に記憶された第二の端末保護条件を確認し、第二の端末保護条件が満たされるか否かを判断する。ここでは、第二の端末保護条件は、「非受電状態が10秒以上継続し、かつ、送電装置100が非接触型である」ことを示すものとする。
盗難防止制御モジュール122は、第二の端末保護条件が満たされていないと、ステップS512を実行し、第二の端末保護条件が満たされていると、ステップS513を実行する。
ステップS512では、盗難防止制御モジュール122は、受電状態情報および送電情報が通知されたか否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、受電状態情報および送電情報が通知されていないと、ステップS511を実行され、受電状態情報および送電情報が通知されると、ステップS510を実行する。
ここで、携帯端末101は送電装置100から受電可能な位置に戻されることなく、10秒経過したものとする。この場合、ステップS510およびS511が繰り返され、その後、第二の端末保護条件が満たされ、ステップS513が実行される。
ステップS513では、盗難防止制御モジュール122は、ユーザ認証モジュール123がユーザ認証待ち状態か否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、ユーザ認証モジュール123がユーザ認証待ち状態であると、ステップS514を実行し、ユーザ認証モジュール123がユーザ認証待ち状態でないと、処理を終了する。
ステップS514では、盗難防止制御モジュール122は、計測要求をユーザ認証モジュール123に通知して、処理を終了する。
ユーザ認証モジュール123は、図6のステップS603で計測要求が通知されたことを確認して、ステップS604を実行する。
ステップS604では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち時間を計測する。ここでは、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち時間として、「10秒」をカウントダウンすることで、ユーザ認証待ち時間を計測する。
ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち時間を0秒までカウントダウンすると、ユーザ認証モジュール123は、ステップS603でユーザ認証失敗条件を満たしていることを確認し、ステップS605を実行する。
ステップS605では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証の失敗を示す認証結果を盗難防止制御モジュール122に通知する。
盗難防止制御モジュール122は、認証結果を受信すると、図5CのステップS520を実行する。
ステップS520では、盗難防止制御モジュール122は、認証結果が認証の成功を示すか認証の失敗を示すかを確認する。盗難防止制御モジュール122は、認証結果が認証の失敗を示すと、ステップS521を実行し、認証結果が認証の成功を示すと、ステップS523を実行する。
ステップS521では、盗難防止制御モジュール122は、端末保護モジュール112が端末保護状態か否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、端末保護モジュール112が端末保護状態でないと、ステップS522を実行し、端末保護モジュール112が端末保護状態であると、処理を終了する。今、端末保護モジュール112が端末保護状態でないので、ステップS522が実行される。
ステップS522では、盗難防止制御モジュール122は、保護要求を生成し、その保護要求を端末保護モジュール112に通知する。端末保護モジュール112は、保護遷移要求を受信すると、端末保護状態に遷移し、図7のステップS700を実行する。
ステップS700では、端末保護モジュール112は、端末保護処理を行う。端末保護処理は、例えば、端末保護状態に遷移されてから、特定の時間(例えば、60秒間)アラーム音を通知部103から出力し、その後、アラーム音の出力を維持したまま、記憶部104に記憶されている秘密情報を削除するなどの処理である。
これにより、携帯端末101が盗難にあったことをアラーム音によって、ユーザまたは周囲の人間に知らせることができる。また、第三者がアラーム音に怯まず、携帯端末101を持ち去った場合でも、秘密情報が削除されるので、秘密情報の漏洩および不正利用を防止することができる。
また、端末保護モジュール112は、端末保護処理を行うと、ステップS701を実行する。
ステップS701では、端末保護モジュール112は、端末保護状態を解除する旨の保護解除要求が通知されたか否かを確認する。端末保護モジュール112は、保護解除要求が通知されないと、ステップS700を実行し、保護解除要求が通知されると、端末保護状態を解除して処理を終了する。
ここでは、アラーム音にユーザが気付き、携帯端末101をユーザが取り戻し、正当な入力認証情報を入力部105に入力したものとする。
この場合、ユーザ認証モジュール123は、図6のステップS601で正当な入力認証情報が入力されたと判断し、ステップS606を実行する。
ステップS606では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証待ち状態を解除し、その後、ステップS607を実行する。
ステップS607では、ユーザ認証モジュール123は、ユーザ認証の成功を示す認証結果を生成し、その認証結果を盗難防止制御モジュール122に送信する。この場合、盗難防止制御モジュール122は、図5CのステップS520で認証結果が認証の成功を示すと判断して、ステップS523を実行する。
ステップS523では、盗難防止制御モジュール122は、端末保護モジュール112が端末保護状態か否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、端末保護モジュール112が端末保護状態でないと、処理を終了し、端末保護モジュール112が端末保護状態であると、ステップS524を実行する。
ステップS524では、盗難防止制御モジュール122は、端末保護状態を解除する旨の保護解除要求を生成し、その保護解除要求を端末保護モジュール112に送信する。その後、図7のステップS701で端末保護モジュール112は、保護解除要求を受信すると、端末保護状態を解除して、処理を終了する。
本実施形態によれば、通知部103は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されてから第一所定時間以上経過しても、検出部102にて電力の供給が停止されたことが検出されなかった場合、認証要求を通知する。
この場合、充電が開始されてから第一所定時間以上経過しても、電力の供給が停止されなかった場合、認証要求が通知される。このため、短時間の充電の場合には、ユーザ認証を行わなくても良くなる。したがって、ユーザの手間を軽減することが可能になり、利便性を向上させることが可能になる。例えば、公共の場所で非接触型の送電装置100による短時間の急速充電が行われる場合、利便性は特に向上する。なお、このような急速充電は、今後普及すると考えられる。
また、本実施形態では、制御モジュール111は、入力認証情報および登録認証情報が同じであると、ユーザ認証を成功とし、検出部102にて電力の供給が停止されたことが検出されてから第二の所定時間が経過しても、ユーザ認証が成功しないと、ユーザ認証を失敗とする。
この場合、携帯端末101の盗難者が長い時間をかけて認証情報を解析する暇を与えずに、携帯端末101を不正利用から保護することが可能になる。したがって、携帯端末をより確かに不正利用から保護することが可能になる。
また、本実施形態では、制御モジュール111は、入力部105が入力認証情報を受け付けるたびに、その入力認証情報と記憶部104に記憶された登録認証情報とが同じか否かを判断する。制御モジュール111は、所定回数連続して、入力認証情報および登録認証情報が異なると判断すると、ユーザ認証を失敗とする。
この場合、携帯端末101の盗難者がトライ・アンド・エラーで認証情報が解析される可能性を軽減できるので、携帯端末をより確かに不正利用から保護することが可能になる。
次に第三の実施形態について説明する。
本実施形態では、記憶部104は、予め登録された送電装置100である登録送電装置の識別情報をさらに記憶する。なお、予め登録された送電装置100は、例えば、ユーザが自宅にて使用する送電装置である。
取得部107は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されるたびに、その電力を供給する送電装置100から、送電情報として、その送電装置100の識別情報を取得する。
以下では、記憶部104に記憶された識別情報を、登録識別情報と称し、取得部107が取得した識別情報を取得識別情報と称する。
また、実施形態では、第一の端末保護条件は、例えば、「受電状態が第一所定時間以上継続している、かつ、未使用状態が特定時間以上継続している、かつ、取得識別情報が登録識別情報と異なる」ことを示す。
この場合、例えば、盗難防止制御モジュール122は、受電制御モジュール121にて携帯端末101が受電状態になったと判断されると、取得部107が取得した取得識別情報が記憶部104に記憶された登録識別情報と同じか否かを判断する。盗難防止制御モジュール122は、それらの識別情報が異なっていると、受電状態の継続時間の計測を開始すると共に、携帯端末101が未使用状態か否かの監視を開始する。そして、盗難防止制御モジュール122は、携帯端末101が未使用状態であると、未使用状態の継続時間の計測を開始する。
そして、受電状態の継続時間が第一所定時間以上になり、未使用状態の継続時間が特定時間以上になり、かつ、取得識別情報と登録識別情報とが異なっていると、盗難防止制御モジュール122は、第一の端末保護条件が満たされていると判断する。
また、本実施形態では、第二の端末保護条件は、例えば、「電力の供給が停止されてから第一の所定時間以内に、その電力を供給していた送電装置から電力の供給が開始されてない」ことを示す。
この場合、例えば、盗難防止制御モジュール122は、受電制御モジュール121にて携帯端末101が非受電状態になったと判断されると、取得部107が取得した識別情報に基づいて、非受電状態になったと判断されてから第一の所定時間以内に、その電力を供給していた送電装置100である対象送電装置から電力の供給が開始されたか否かを判断する。
より具体的には、先ず、盗難防止制御モジュール122は、携帯端末101が非受電状態になったと判断されると、その直前に取得部107が取得した識別情報を比較用識別情報として保持する。
その後、第一の所定時間が経過する前に取得部107が識別情報を取得すると、盗難防止制御モジュール122は、その取得された識別情報と比較用識別情報とが同じか否かを判断して、対象送電装置から電力の供給が開始されたか否かを判断する。このとき、盗難防止制御モジュール122は、それらの識別情報が同じであると、対象送電装置から電力の供給が開始されたと判断し、それらの識別情報が異なっていると、対象送電装置から電力の供給が開始されていないと判断する。
そして、第一の所定時間が経過する前に、対象送電装置から電力の供給が開始されてなかった場合、盗難防止制御モジュール122は、第二の端末保護条件が満たされていないと判断して、ユーザ認証を失敗とする。
次に動作を説明する。
先ず、ユーザが携帯端末101の充電を開始する。これにより、検出部102は、電力の供給が開始されたことを検出し、検出信号の受電制御モジュール121への通知を開始する。その後、受電制御モジュール121は、ステップS400およびS401を実行し、受電状態情報および送電情報を盗難防止制御モジュール122に通知する。ここで、送電情報は、送電装置100の識別情報である。
その後、盗難防止制御モジュール122がステップS500で受電状態情報および送電情報の通知を確認し、ステップS501を実行する。
ステップS501では、盗難防止制御モジュール122は、記憶部104に記憶された第一の端末保護条件を確認し、その第一の端末保護条件が満たされるか否かを判断する。ここでは、第一の端末保護条件は、「受電状態が30秒以上継続している、かつ、未使用状態が30秒以上継続している、かつ、取得識別情報が登録識別情報と異なる」ことを示す。
今、受電状態が30秒継続されていないものとする。この場合、盗難防止制御モジュール122は、第一の端末保護条件が満たされていないと判断して、ステップS502を実行する。
ステップS502では、盗難防止制御モジュール122は、非受電状態情報が通知されたか否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、非受電状態情報が通知されると、ステップS500を実行し、非受電状態情報が通知されないと、ステップS501を実行する。
ここで、携帯端末101が移動されず、受電状態が継続されたとする。したがって、ステップS501が実行される。その後、受電状態および未使用状態が30秒以上継続され、かつ、取得識別情報が登録識別情報と異なっていたものとする。この場合、ステップS502で盗難防止制御モジュール122が、第一の端末保護条件が満たされていると判断して、ステップS503を実行する。その後、盗難防止制御モジュール122がステップS504で遷移要求をユーザ認証モジュール123に通知する。ユーザ認証モジュール123は、遷移要求が通知されると、図6のステップS600〜S602を繰り返し実行する。
ここで認証が成功する前に、ユーザ以外の第三者によって、携帯端末101が送電装置100から充電不可能な位置に持ち出されたとする。
この場合、検出部102が検出信号の通知を停止するので、図4のステップS401およびS402が実行され、非受電状態情報が受電制御モジュール121から盗難防止制御モジュール122に通知される。そして、図5BのステップS510で盗難防止制御モジュール122は、非受電状態情報が通知されたと判断して、ステップS511を実行する。
ステップS511では、盗難防止制御モジュール122は、取得識別情報を比較用識別情報として保持すると共に、記憶部104に記憶された第二の端末保護条件を確認し、第二の端末保護条件が満たされるか否かを判断する。ここでは、第二の端末保護条件は、「電力の供給が停止されてから10秒以内に、その電力を供給していた送電装置から電力の供給が開始されてない」ことを示すものとする。
盗難防止制御モジュール122は、第二の端末保護条件が満たされていないと、ステップS512を実行し、第二の端末保護条件が満たされていると、ステップS513を実行する。
ステップS512では、盗難防止制御モジュール122は、受電状態情報および取得識別情報が通知されたか否かを確認する。盗難防止制御モジュール122は、受電状態情報および取得識別情報が通知されると、その取得識別情報が、保持している比較用識別情報と同じか否かを判断する。
盗難防止制御モジュール122は、受電状態情報および識別情報が通知されていない場合、および、取得識別情報および比較用識別情報が異なっている場合、ステップS511を実行し、取得識別情報および比較用識別情報が同じ場合、ステップS510を実行する。
ここで、ユーザ以外の第三者によって、携帯端末101は、送電装置100と異なる送電装置から受電可能な位置に置かれたものとする。送電装置100からの電力の供給が停止されてから10秒以上継続すると、送電装置100の識別情報(比較用識別情報)と、送電装置100と異なる送電装置の識別情報(取得識別情報)とが異なるため、第二の端末保護条件が満たされることになる。このため、ステップS513が実行される。その後、ステップS514で計測要求がユーザ認証モジュール123に通知される。
ユーザ認証モジュール123は、図6のステップS603で計測要求が通知されたことを確認して、ステップS604〜S605を実行し、ユーザの認証の失敗を示す認証結果を盗難防止制御モジュール122に通知する。
盗難防止制御モジュール122は、認証結果を受信すると、図5CのステップS520を実行する。その後、認証結果が認証の失敗を示すので、盗難防止制御モジュール122は、ステップS521を実行する。そして、端末保護モジュール112が端末保護状態でないので、盗難防止制御モジュール122はステップS522で保護要求を端末保護モジュール112に通知する。
端末保護モジュール112は、保護遷移要求を受信すると、図7のステップS700を実行し、保護処理を行う。なお、これ以降の処理は、第一の実施形態と同じなので、説明を省略する。
本実施形態によれば、取得部107は、検出部102にて電力の供給が開始されたことが検出されるたびに、その電力の供給を開始した送電装置100の識別情報を取得する。制御モジュール111は、取得部107にて取得された識別情報に基づいて、検出部102にて電力の供給が停止されてから第一の所定時間以内に、その電力を供給していた送電装置である対象送電装置から電力の供給が開始されたか否かを判断する。制御モジュール111は、その対象送電装置から電力の供給が開始されないと、ユーザ認証を失敗とする。
この場合、携帯端末101が他の受電可能な場所に移された場合でも、携帯端末101を不正利用から保護することが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
各実施形態では、電気機器として携帯端末101を用いて説明したが、電気機器は、携帯端末101に限らず適宜変更可能である。例えば、電気機器は、電気自動車などの充電可能な自動車でもよい。