JP2011039437A - レンズ装置および撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影倍率に応じて適切な焦点調節動作が行えるようにする。
【解決手段】撮像システムは、フォーカスレンズ12を含む撮影光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段5と、光軸方向における該撮像システムの振れを検出する振れ検出手段18と、撮影光学系により得られる撮影倍率を算出する倍率算出手段と、撮影倍率が所定値より小さい場合は焦点検出手段により検出された焦点状態に基づいてフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行い、撮影倍率が所定値より大きい場合は振れ検出手段により検出された振れに基づいてフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行う焦点調節手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮影光学系の焦点状態に基づく焦点調節と光軸方向の振れの検出結果に基づく焦点調節(ピント振れ補正)を行う撮像システムおよびレンズ装置に関する。
手振れ等によるカメラやレンズの振れには、ピッチ方向やヨー方向といった回転方向の振れである、いわゆる角度振れがあり、該角度振れはジャイロセンサ等の角速度センサによって検出することができる。角速度センサからの出力は、積分演算によって角変位に変換され、該角変位に応じて補正レンズを光軸に直交する面内でシフトさせることで、角度振れによる像振れを補正(低減)することができる。
一般に、撮影倍率が0.1倍以下の場合は、上述した角度振れに対する像振れの補正を行えば、振れの少ない安定した画像が得られる。ただし、撮影倍率が0.1倍より大きい場合には、光軸に直交する方向の振れである、いわゆる平行振れも問題となり、さらに撮影倍率が大きくなると、光軸方向(ピント方向)の振れである、いわゆるピント振れも無視できなくなる。これは、平行振れが撮影倍率に比例した像面上での像位置のずれとして発生し、ピント振れは撮影倍率の二乗に比例したピント変動として発生するためである。
特許文献1,2には、加速度センサを用いて平行振れおよびピント振れを検出し、補正レンズを光軸に直交する面内でシフトさせたりフォーカスレンズを光軸方向に移動させたりして平行振れおよびピント振れを補正する技術が開示されている。
特開平07−225405号公報 特開2006−091279号公報
上述したピント振れ補正は、加速度センサを用いた焦点調節機能の1つである。しかしながら、特許文献1,2には、多くのカメラが有するAF機能、すなわち位相差検出方式やコントラスト検出方式により検出した撮影光学系の焦点状態に基づいてフォーカスレンズを移動させる機能と、ピント振れ補正機能との関係について言及していない。
また、カメラのAFには、被写体の動きに追従するようにAF処理を繰り返すサーボAF機能がある。しかし、撮影倍率が高い場合にサーボAF機能を使用すると、手振れ等のカメラ振れによって撮影画面から被写体が外れ易いため、サーボAFの被写体追従が良好に行われず、大きなぼけが発生する場合がある。
本発明は、撮影倍率に応じて適切な焦点調節動作が行えるようにした撮像システムおよびレンズ装置を提供する。
本発明の一側面としての撮像システムは、フォーカスレンズを含む撮影光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段と、光軸方向における該撮像システムの振れを検出する振れ検出手段と、撮影光学系により得られる撮影倍率を算出する倍率算出手段と、撮影倍率が所定値より小さい場合は焦点検出手段により検出された焦点状態に基づいてフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行い、撮影倍率が所定値より大きい場合は振れ検出手段により検出された振れに基づいてフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行う焦点調節手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としてのレンズ装置は、フォーカスレンズを含む撮影光学系を有し、撮像装置に対して取り外し可能に装着される。該レンズ装置は、光軸方向における該レンズ装置の振れを検出する振れ検出手段と、撮影光学系により得られる撮影倍率を算出する倍率算出手段と、撮影倍率が所定値より小さい場合は、撮影光学系の焦点状態に基づいてフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行い、撮影倍率が所定値より大きい場合は振れ検出手段により検出された振れに基づいてフォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行う焦点調節手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、撮影倍率が小さい場合には撮影光学系の焦点状態に基づいて焦点調節を行うことで、ピント振れに基づく焦点調節では得られない良好な合焦状態を得ることができる。一方、撮影倍率が大きい場合にはピント振れに基づいて焦点調節(ピント振れ補正)を行うことで、撮影光学系の焦点状態に基づく焦点調節では対応が難しい手振れ等のカメラ振れによるぼけを良好に回避することができる。このように、撮影倍率に応じて適切な焦点調節動作を行うことができる。
本発明の実施例であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの構成を示す概略図。 上記カメラシステムの電気的構成を示すブロック図。 上記カメラシステムにおけるサーボAF動作を示すフローチャート。 上記カメラシステムにおけるピント振れ補正動作を示すフローチャート。 上記カメラシステムにおける画像取得中の動作を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステム(撮像システム)の概略構成を示している。
図1において、1は撮像装置としてのカメラ本体であり、2はカメラ本体1に対して取り外し可能にが装着されるレンズ装置としての交換レンズである。
カメラ本体1において、3はメインミラーである。メインミラー3は、ファインダ観察状態では、交換レンズ2内の撮影レンズ(撮影光学系)からの光束の光路上のダウン位置に配置され、該光束の一部を光学ファインダに導き、他の一部をサブミラー4を介して焦点検出ユニット5に導く。光学ファインダは、ペンタプリズム7と接眼レンズ8とにより構成されている。メインミラー3は、撮像動作(露光動作)時には上記光路からアップ位置に退避する。
焦点検出ユニット5は、入射した光束を2つの光束に分割するコンデンサレンズと、該2つの分割光束をそれぞれ再結像させる2つのセパレータレンズと、結像された2つの被写体像を光電変換するCCDラインセンサ(AFセンサ)とを含む。該焦点検出ユニット5は、いわゆる位相差検出方式のAFを行うために、該2つの被写体像の位相差を検出する。なお、ラインセンサは、垂直方向(Y軸方向)と水平方向(X軸方向)の被写体像を検出するように十字型に配置されている。
6は撮影レンズにより形成された被写体像を光電変換する、CMOSセンサやCCDセンサ等の光電変換素子としての撮像素子である。
交換レンズ2において、11は第1レンズユニット、12はフォーカスレンズとしての第2レンズユニット、13は変倍レンズとしての第3レンズユニットである。14はシフト振れおよび平行振れに対する補正レンズとしての第4レンズユニットである。15は光量を調節するための絞り15である。第1〜第4レンズユニット11〜14および絞り15により撮影レンズ(撮影光学系)が構成される。
第2レンズユニット12は、AFモータ16からの駆動力を受けて光軸AXLに沿った方向(以下、光軸方向という)に移動して焦点調節を行う。第2レンズユニット12の焦点調節のための移動量は、焦点検出ユニット5において検出された位相差に基づいて算出された撮影レンズのデフォーカス量に応じて決定される。
また、第2レンズユニット12は、カメラシステムの光軸方向での振れによるピント変動を低減(補正)するために、AFモータ16からの駆動力を受けて光軸方向に移動される。これにより、ピント振れを低減(補正)するピント振れ補正が行われる。第2レンズユニット12のピント振れ補正のための移動量は、加速度センサ18からの光軸方向での振れ加速度に応じた出力に基づいて算出される。ピント振れ補正は、焦点調節の一種である。
第3レンズユニット13は、撮影者によって操作される不図示のズーム操作リングの回転力が光軸方向への駆動力に変換されて該第3レンズユニット13に伝達されることで光軸方向に移動し、変倍を行う。
第4レンズユニット14は、防振アクチュエータ19から駆動力を受けて光軸AXLに対して直交する面(以下、光軸直交面)内でシフトする。このときのシフト量は、振動ジャイロ等の角速度センサ17からの出力に基づいて算出される。これにより、角度振れによる像振れを低減(補正)する角度振れ補正が行われる。また、第4レンズユニット14は、加速度センサ18からの光軸直交方向での振れ加速度に応じた出力に基づいて算出されるシフト量だけ光軸直交面内でシフトする。これにより、平行振れによる像振れを低減(補正)する平行振れ補正が行われる。実際には、第4レンズユニット14は、角度振れ補正と平行振れの合成変位量に応じたシフト量だけ光軸直交面内でシフトする。
防振アクチュエータ19は、コイルとマグネットにより構成され、コイルとマグネットのうち一方が第4レンズユニット14に取り付けられ、他方が第4レンズユニット14をシフト可能に支持する不図示のベース部材に取り付けられている。コイルに通電することで、コイルとマグネット間に推力が発生し、該推力によって第4レンズユニット14がシフトする。
なお、加速度センサ18は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向(光軸方向)の3方向での加速度を検出することができる。また、角速度センサ17と加速度センサ18は、撮影光学系の光軸AXLに直交し、かつ撮影光学系の主点Pを含む平面上に配置されている。これにより、角速度センサ17および加速度センサ18はいずれも主点Pに対応した位置での振れの角速度および加速度を検出することができる。
また、防振アクチュエータ19の駆動の制御は、後述するレンズCPUにより行われる。さらに、第4レンズユニット14は、光軸AXL上の一点を中心にして回動することで光軸直交方向に移動するものであってもよいし、いわゆる可変頂角プリズムであってもよい。
図2には、本実施例のカメラシステムの電気的構成を示す。100はカメラ本体であり、200は交換レンズである。
101はマイクロコンピュータにより構成されるカメラCPUである。カメラCPU101は、カメラ本体100内の各部の動作を制御する。また、カメラCPU101は、交換レンズ200の装着時には接点102,202を介して、交換レンズ200内に設けられたレンズCPU201との通信を行う。カメラCPU101がレンズCPU201に送信する情報(信号)には、フォーカスレンズの駆動量情報、平行振れ情報およびピント振れ情報が含まれる。また、レンズCPU201からカメラCPU101に送信する情報(信号)には、撮像倍率情報が含まれる。
103は撮影者により操作可能な電源スイッチであり、カメラCPU101を起動したりカメラシステム内の各アクチュエータやセンサ等への電源供給を開始したりするためのスイッチである。
104は撮影者により操作可能なレリーズスイッチであり、第1ストロークスイッチSW1と第2ストロークスイッチSW2とを有する。レリーズスイッチ104からの信号は、カメラCPU101に入力される。カメラCPU101は、第1ストロークスイッチSW1からのON信号の入力に応じて、撮影準備状態に入る。撮影準備状態では、測光部105による被写体輝度の測定と、図1に示した焦点検出ユニット5を含む焦点検出部(焦点検出手段)106による位相差検出方式での焦点検出を行わせる。
カメラCPU101は、測光結果に基づいて絞りユニット15の絞り値や撮像素子6の露光量(シャッタ秒時)等を演算する。また、カメラCPU101は、焦点検出部106による撮影光学系の焦点状態の検出結果である焦点情報(デフォーカス量およびデフォーカス方向)に基づいて、被写体に対する合焦状態を得るための第2レンズユニット2の駆動量(駆動方向を含む)を決定する。上記駆動量の情報(フォーカスレンズ駆動量情報)は、レンズCPU201に送信される。レンズCPU201は、レンズ2内の各構成部の動作を制御する。
さらに、カメラCPU101は、交換レンズ200に設けられた防振操作スイッチ203からのON信号を受けると、第4レンズユニット14のシフト制御を開始する。
本実施例では、撮影倍率が所定値より大きい場合は、カメラ本体100に設けられた平行振れ検出部108が、AFセンサ上に結像する被写体像のX軸方向およびY軸方向の振れ、すなわち平行振れを検出する。そして、その検出結果を、X軸方向およびY軸方向の平行振れ情報としてレンズCPU201に送信する。
また、カメラ本体100に設けられたピント振れ検出部107は、焦点情報の変動に基づいてピント方向(Z軸方向)の振れ、すなわちピント振れ変位量(方向を含む)を検出し、これをピント振れ情報としてレンズCPU201に送信する。
第2ストロークスイッチ(SW2)からのON信号が入力されると、カメラCPU101は、レンズCPU201に対して絞り駆動命令を送信し、絞りユニット15を先に演算した絞り値に設定させる。また、カメラCPU101は、露光部109に露光開始命令を送信し、ミラー3,4の退避(アップ)動作および不図示のシャッタの開放動作を行わせ、撮像素子6を含む撮像部110にて、被写体像の光電変換、すなわち露光動作を行わせる。
撮像部110(撮像素子6)からの撮像信号は、信号処理部111にてデジタル変換され、さらに各種補正処理が施されて画像信号として出力される。画像信号(データ)は、画像記録部112において、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体に記録保存される。
レンズ接点202は、カメラ1側との信号のやり取りを行う信号伝達接点と、カメラ1側から電源供給を受ける電源用接点とを含む。
防振操作(IS)スイッチ203は、像振れ補正制御を行わせるかどうかを選択するために撮影者により操作される。ISスイッチ203からのON信号は、レンズCPU201を介してカメラ1側にも送信される。
204は図1に示した角速度センサ17に相当する角速度センサである。角速度センサ204は、カメラシステムの角度振れである縦(ピッチ方向)振れと横(ヨー方向)振れのそれぞれの角速度を示す角速度信号を出力する検出部を有する。また、角速度センサ204は、該検出部からの角速度信号を積分して得られたピッチ方向振れおよびヨー方向振れの変位(角度振れ変位量)を示す変位信号をレンズCPU201に出力する演算出力部を有する。角速度センサ204は、レンズCPU201からの指令信号によってその動作のON/OFFが制御される。
205は図1に示した加速度センサ18に相当する加速度センサ(振れ検出手段)である。加速度センサ18は、互いに直交するX軸方向,Y軸方向およびZ軸方向の3方向における加速度を機械的に、具体的には振れにより発生する慣性力を利用して検出し、該加速度を示す信号をレンズCPU201に出力する。
206は加速度・速度演算部である。加速度・速度演算部206は、カメラ本体100から入力されたX軸およびY軸方向の平行振れ情報とZ軸方向のピント振れ情報とをそれぞれ、撮影光学系の撮影倍率(これについては後述する)に応じて、平行振れ変位量およびピント振れ変位量に変換する。そして、加速度・速度演算部206は、平行振れ変位量およびピント振れ変位量から、X軸およびY軸方向の平行振れ速度および平行振れ加速度と、Z軸方向のピント振れ速度およびピント振れ加速度を演算する。
なお、ここで既に角度振れ補正が行われた状態であれば、X軸方向およびY軸方向の振れは角度振れ成分が取り除かれた平行振れ成分のみとみなすことができる。
207は補正値演算部である。補正値演算部207は、加速度・速度演算部206にて演算された平行およびピント振れ加速度と、加速度センサ205からの信号により示される加速度(以下、センサ検出加速度という)との差分を算出する。そして、該差分を、センサ検出加速度に対する補正値として用いる。この補正値は、X軸,Y軸およびZ軸方向のそれぞれについて演算され、方向ごとの加速度補正値として補正値演算部207内に記憶される。なお、この補正値は、重力加速度に相当する。補正値演算部207における補正値演算は、カメラ本体100での露光動作の開始まで繰り返され、加速度補正値は随時更新記憶される。
208は振れ変位演算部である。振れ変位演算部208は、センサ検出加速度に対して補正値演算部207にて算出された加速度補正値による補正を加えることによって、センサ検出加速度から重力加速度成分を排除する。その後、振れ変位演算部208は、補正後の加速度を積分して振れ速度を算出し、さらにこれを積分することで、加速度センサ205の検出結果を基にした、重力加速度成分を除外した平行振れ変位量を算出する。
なお、振れ速度および振れ変位の算出においては、カメラシステムの振れの初速度を求める必要があるため、加速度・速度演算部206で求められた振れ速度(平行,ピント振れ速度)を初速度として設定する。
209は振れ合成部である。振れ合成部209は、振れ変位演算部208で算出された加速度センサ出力を基にした平行振れ変位量と角速度センサ204による検出結果から求められた角度振れ変位量(ピッチ、ヨー方向)とから、第4レンズユニット14のシフト量(振れ補正量)を決定する。具体的には、X軸方向の平行振れによる振れ変位量と、ヨー方向の角度振れによる振れ変位量とを合成し、かつY方向の平行振れによる振れ変位量とピッチ方向の角度振れによる振れ変位量とを合成する。そして、合成された振れ変位量から、第4レンズユニット14のシフト量(シフト方向を含む)を決定する。
210はピント振れ補正量演算部である。ピント振れ補正量演算部210は、ピント振れ変位量に基づいて、第2レンズユニット12のピント振れ補正のための駆動量(および方向)を演算する。
211は補正駆動制御部である。補正駆動制御部211は、ISスイッチ203のONに応答して、角度振れに基づく振れ補正制御又は角度振れと平行振れの合計値(合成値)に基づく振れ補正制御を選択的に実行する。具体的には、補正駆動制御部211は、レンズの焦点距離情報とフォーカスレンズ位置情報より求められる撮像倍率が所定値(例えば、0.2〜0.3倍、より好ましくは0.1倍)よりも小さい通常撮影の場合には、角度振れのみに基づく振れ補正制御を行う。また、撮像倍率が上記所定値よりも大きいマクロ撮影の場合には、露光開始前には角度振れのみに基づく振れ補正制御を行い、露光開始後は角度振れと平行振れとの合計量に基づく振れ補正制御を行う。
なお、加速度・速度演算部206〜補正駆動制御部211は、レンズCPU201内に設けられている。カメラCPU101およびレンズCPU201により焦点調節手段が構成される。
212は補正駆動部であり、図1に示した防振(IS)アクチュエータ19とその駆動回路とを含む。ISアクチュエータ19は、第4レンズユニット14をX軸方向に駆動する、永久磁石とコイルとにより構成されるX方向アクチュエータと、第4レンズユニット14をY方向に駆動する、永久磁石とコイルとにより構成されるY方向アクチュエータとを含む。
なお、交換レンズ200内には、第4レンズユニット14を、その光軸が撮影光学系の光軸AXLに一致する位置に保持するためのロック機構が設けられている。
補正駆動部212は、レンズCPU201からの指令信号に応じて、ISスイッチ203がOFFになったとき(振れ補正停止時)にロック機構をロック動作させ、ISスイッチ203がONになったとき(振れ補正動作時)にロック機構をアンロック動作させる。
213は合焦駆動部である。合焦駆動部213は、カメラCPU101から送信された第2レンズユニット12の駆動量(および駆動方向)の情報に応じてAFモータ16を駆動して第2レンズユニット12のオートフォーカス駆動を行う。また、合焦駆動部213は、振れ補正時において撮影倍率が該所定値よりも高いときには、ピント振れ補正量演算部210からのピント振れ補正のための駆動量(および方向)の情報に応じてAFモータ16を駆動する。これにより、第2レンズユニット12のピント振れ補正駆動を行う。
214は絞り駆動部である。絞り駆動分214は、カメラCPU101からの絞り駆動命令を受けたレンズCPU201により制御され、図1に示した絞りユニット15を上記命令により指定された絞り値に相当する開口状態に動作させる。
215は撮影倍率検出部(倍率算出手段)である。撮影倍率検出部215は、変倍レンズ(第3レンズユニット)13の位置を検出する第1検出部と、フォーカスレンズ(第2レンズユニット)12の位置を検出する第2検出部とを有する。さらに、撮影倍率検出部215は、これら第1および第2検出部からの位置情報に基づいて、撮影光学系により得られる撮影倍率を演算する演算部も有する。該演算部で演算された撮影倍率の情報は、加速度・速度演算部206に送信されるとともに、レンズCPU201を介してカメラCPU101にも送信される。
次に、図3、図4および図5のフローチャートを用いて、図2に示したカメラシステムでの動作について説明する。この動作は、カメラCPU101およびレンズCPU201に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
まず図3には、カメラシステムの基本的な動作のフローチャートを示している。電源スイッチ103がONされると、カメラ本体100および交換レンズ200への電源供給が開始され、カメラCPU101とレンズCPU201との間の通信も開始される。
ステップ(以下、「S」と表す)01では、カメラCPU101は、第1ストロークスイッチSW1がONされたか否かを判定し、ONである場合はS02に進み、ONでない場合はS01を繰り返す。
S02では、レンズCPU201は、不図示のAF/MFスイッチの状態を検出してAFが選択されているかマニュアルフォーカス(MF)が選択されているかを判定する。マニュアルフォーカスが選択されている場合は、S03に進み、マニュアルフォーカスを許可する。一方、AFが選択されている場合は、S04に進み、レンズCPU201は、ISスイッチ203がONされているか否かを判定する。ISスイッチ203がONされている場合は、S05に進む。S05での処理については、後述する。
一方、ISスイッチ203がONされていない場合は、レンズCPU201は、S06にて変倍レンズである第3レンズユニット13の位置(すなわち、撮影光学系の焦点距離)Aを検出し、カメラCPU101に送信する。またカメラCPU101は、S07にて、焦点検出部106を通じて撮影光学系のデフォーカス量Bを算出する。
さらに、カメラCPU101は、S08にて、デフォーカス量Bが所定の合焦範囲内の値か否か、つまりは合焦状態か否かを判定する。合焦状態でない場合は、カメラCPU101は、S12にてレンズCPU201からフォーカスレンズである第2レンズユニット12の位置Cを取り込む。
そして、S13では、カメラCPU101は、焦点距離A、フォーカスレンズ位置Cおよびデフォーカス量Bに基づいて、合焦状態を得るためのフォーカスレンズ駆動量(目標位置)を演算し、該フォーカスレンズ駆動量をレンズCPU201に送信する。
レンズCPU201は、S14にて、フォーカスレンズ駆動量に対応する目標位置までフォーカスレンズを移動させる。これにより、焦点検出部106により検出された焦点状態に基づくAF(焦点調節)が行われる。その後、カメラCPU101は、再びS07にてデフォーカス量を算出するとともに、S08にて合焦状態か否かを判定する。合焦状態でなければS12〜S14を繰り返し、合焦状態であればS09に進む。
S09では、カメラCPU101は、第2ストロークスイッチSW2がONされたか否かを判定し、ONでなければS07に戻り、S07およびS08の処理(合焦状態でなくなればS12〜S14の処理)を繰り返す。このように、本実施例では、第1ストロークスイッチSW1がONされてから第2ストロークスイッチSW2がONされるまでの間、AF動作を繰り返すザーボAFを行う。第2ストロークスイッチSW2がONであればS10に進む。
S10では、カメラCPU101は、前述した露光動作を含む撮影画像の取得動作を行う。そして、カメラCPU101は、S11にて、撮影画像を記録する。こうして一連の動作が完了する。
次に、図4のフローチャートを用いて、S04にてISスイッチ203のONが判定された場合にS05で行われる処理について説明する。
S21では、レンズCPU201は、現在の第3レンズユニット13の位置と第2レンズユニット12の位置とから撮影倍率を演算する。撮影倍率の情報は、カメラCPU101に送信される。そして、S22では、レンズCPU201は、カウンタをリセットする。カウンタは、後述するS29〜S35までのループを繰り返した回数をカウントする。
S23では、カメラCPU101は、レンズCPU201から送信された撮影倍率が所定値Mより小さいか否かを判定する。撮影倍率が所定値Mより小さい通常撮影である場合は、カメラCPU101は、S24にて、焦点検出部106を通じて撮影光学系のデフォーカス量Eを算出する。そして、S25では、カメラCPU101は、デフォーカス量Eが所定の合焦範囲内の値か否か、つまりは合焦状態か否かを判定する。合焦状態でない場合は、カメラCPU101は、S26にてレンズCPU201からフォーカスレンズである第2レンズユニット12の位置Cを取り込む。
そして、S27では、カメラCPU101は、焦点距離A、フォーカスレンズ位置Cおよびデフォーカス量Eに基づいて、合焦状態を得るためのフォーカスレンズ駆動量(目標位置)を演算し、該フォーカスレンズ駆動量をレンズCPU201に送信する。
レンズCPU201は、S28にて、フォーカスレンズ駆動量に対応する目標位置までフォーカスレンズを移動させる。これにより、焦点検出部106により検出された焦点状態に基づくAF(焦点調節)が行われる。その後、レンズCPU201は、S22に戻り、S25で合焦状態であると判定されるまで、S22〜S28の処理を繰り返す。
S25で合焦状態であると判定されると、カメラCPU101は、S36において、第2ストロークスイッチSW2がONされたか否かを判定する。ONでなければS22に戻り、S22〜S25の処理(合焦状態でなくなればS26〜S28の処理)を繰り返す。このように、ISスイッチ203がONされた場合でも、第1ストロークスイッチSW1がONされてから第2ストロークスイッチSW2がONされるまでの間、AF動作を繰り返すザーボAFを行う。第2ストロークスイッチSW2がONであればS37に進む。
一方、S23において、撮影倍率が所定値Mより大きいマクロ撮影であると判定された場合は、レンズCPU201は、S29にて、加速度センサ205からの信号を用いてピント振れ変位量を算出する。そして、レンズCPU201は、S30にて、ピント振れ変位量に基づいて第2レンズユニット12の駆動量(目標位置)Dを算出し、さらにS31で、第2レンズユニット12の位置Cを検出する。この後、レンズCPU201は、カウンタを1つインクリメントして、S33に進む。
S33では、レンズCPU201は、第2レンズユニット12の検出位置Cが目標位置Dに一致したか否かを判定する。一致した場合はS38に進み、第2ストロークスイッチSW2のONを待つ。また、第2レンズユニット12の検出位置Cが目標位置Dに一致していない場合は、レンズCPU201は、S34にて、第2レンズユニット12を目標位置Dに向けて移動させる。これにより、加速度センサ205からの信号(ピント振れ)に基づくピント振れ補正(焦点調節)が行われる。そして、レンズCPU201は、S35にて、カウンタの値が所定値Fに達したか否かを判定する。
カウンタの値が所定値Fに達すると、カメラCPU101は、S24およびS25の処理を行う。これは、加速度センサ205からの信号に基づいてピント振れ補正を行っている間における所定のタイミングで焦点検出部106を用いたAFを行い、ピント振れ補正によって生じた合焦状態のずれを補正するためである。
また、カウンタの値が所定値Fに達していない場合は、S23に戻り、再び撮影倍率と所定値Mとを比較する。撮影倍率が所定値Mより大きい場合は、再度S29に進み、加速度センサ205を用いたピント振れ補正を続行する。また、ピント振れ補正を行っている間にカメラから被写体までの距離が変化して撮影倍率が所定値Mより小さくなった場合には、焦点検出部106を用いたサーボAF制御に移行する。
S37では、カメラCPU101は、前述した露光動作を含む撮影画像の取得動作を行う。そして、カメラCPU101は、S38にて、撮影画像を記録する。こうして一連の動作が完了する。
図5のフローチャートは、第2ストロークスイッチSW2がONされて撮影画像の取得動作が開始された後に行われるピント振れ補正制御を示している。撮影画像の取得動作が開始されると、レンズCPU201は、S41にて、加速度センサ205からの信号を用いてピント振れ変位量を算出する。そして、レンズCPU201は、S42にて、ピント振れ変位量に基づいて第2レンズユニット12の駆動量(目標位置)Dを算出し、さらにS43で、第2レンズユニット12の位置Cを検出する。
次に、S44では、レンズCPU201は、第2レンズユニット12の検出位置Cが目標位置Dに一致したか否かを判定する。一致した場合はS46に進み、露光動作時間が終了するのを待つ。また、第2レンズユニット12の検出位置Cが目標位置Dに一致していない場合は、レンズCPU201は、S45にて、第2レンズユニット12を目標位置Dに向けて移動させる。これにより、加速度センサ205からの信号(ピント振れ)に基づくピント振れ補正(焦点調節)が行われる。その後、S41に戻り、ピント振れ補正のための動作を繰り返す。
S46において露光動作時間が終了すると、レンズCPU201は、本処理を終了する。
以上説明した実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、カメラ本体100から入力されたAFセンサからの出力情報を用いて平行振れおよびピント振れを検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば撮像素子6からの出力を用いてこれらを検出してもよい。
また、本実施例では、AFセンサからの出力を、加速度センサ205により検出される加速度の補正値の算出(重力加速度の排除)に用い、さらにその加速度に基づいて計算される速度算出に必要な初速度を求めるのに用いる場合について説明した。しかし、これらのうち一方の算出のみにAFセンサからの出力を用いてもよい。
また、上記実施例では、露光動作の開始と同時に平行振れ補正およびピント振れ補正を開始する場合について説明したが、露光開始前において平行振れ補正およびピント振れ補正を開始するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、平行振れ検出部108およびピント振れ検出部107がカメラ本体100に設けられ、角速度センサ204、加速度センサ205および振れ補正制御を行うCPUが交換レンズ200に設けられた場合について説明した。しかし、これら各構成要素は、カメラ本体と交換レンズのいずれに設けられていてもよい。
例えば、角速度センサおよび加速度センサを、平行振れ検出部およびピント振れ検出部とともにカメラ本体に設け、これらからの出力信号をレンズCPUが取り込んで振れ補正制御を行うようにしてもよい。そして、交換レンズに設けられた平行振れ検出部およびピント振れ検出部がカメラ本体のAFセンサからの信号を取り込んで、平行振れおよびピント振れの演算を行うようにしてもよい。また、カメラCPUにおいて振れ補正に必要な全ての演算を行い、第4レンズユニット14の駆動指令(駆動量および方向の指令)を交換レンズに送信してもよい。
さらに、上記実施例では、加速度センサからの情報に基づいてピント振れ補正を行っている間に、図4に示したS29〜S35までのループを所定回数繰り返した場合にAFセンサによるサーボAFを行う場合について説明した。しかし、S29〜S35までのループを所定回数繰り返すことに代えて、ピント振れ補正を開始してから所定時間ごとにサーボAFを行うようにしてもよい。また、必ずしもピント振れ補正中にサーボAFを行わなくてもよい。
さらに、上記実施例では、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムについて説明したが、本発明は、レンズが一体的に設けられたデジタルスチルカメラやビデオカメラといったレンズ一体型撮像システムにも適用することができる。
また、上記実施例では、角度振れ補正と平行振れ補正を光学的に行う場合について説明したが、これらの補正を撮像素子により取得した画像信号のうち出力する領域を振れに応じてシフトさせる電子防振処理により行ってもよい。
撮影倍率に応じて適切な焦点調節動作を行える撮像システムおよびレンズ装置を提供することができる。
1 カメラボディ
2 交換レンズ
5 焦点検出ユニット
6 撮像素子
12 第2レンズユニット(フォーカスレンズ)
13 第3レンズユニット(変倍レンズ)
14 第4レンズユニット(補正レンズ)
15 絞りユニット
16 AFモータ
17,204 角速度センサ
18,205 加速度センサ

Claims (4)

  1. フォーカスレンズを含む撮影光学系により形成された被写体像を撮像する撮像システムであって、
    前記撮影光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段と、
    光軸方向における該撮像システムの振れを検出する振れ検出手段と、
    前記撮影光学系により得られる撮影倍率を算出する倍率算出手段と、
    前記撮影倍率が所定値より小さい場合は前記焦点検出手段により検出された前記焦点状態に基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行い、前記撮影倍率が前記所定値より大きい場合は前記振れ検出手段により検出された前記振れに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行う焦点調節手段とを有することを特徴とする撮像システム。
  2. 前記振れに基づいて前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節が繰り返し行われている間における所定のタイミングで、前記焦点状態に基づいて前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  3. フォーカスレンズを含む撮影光学系を有し、撮像装置に対して取り外し可能に装着されるレンズ装置であって、
    光軸方向における該レンズ装置の振れを検出する振れ検出手段と、
    前記撮影光学系により得られる撮影倍率を算出する倍率算出手段と、
    前記撮影倍率が所定値より小さい場合は、前記撮影光学系の焦点状態に基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行い、前記撮影倍率が前記所定値より大きい場合は前記振れ検出手段により検出された前記振れに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで焦点調節を行う焦点調節手段とを有することを特徴とするレンズ装置。
  4. 前記振れに基づいて前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節が繰り返し行われている間における所定のタイミングで、前記焦点状態に基づいて前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節を行うことを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
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