JP2011039198A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸部材に負担をかけることなく感光体ユニットを安定した姿勢で滑らかに挿入して、挿入過程で感光体ユニットが回転して転写ベルト部材へ接触することを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ユニット30は、正面側へ引き出して交換可能に装着されている。プロセスカートリッジ10は、筐体101に設けたドラム軸に感光ドラム1Kの嵌合孔57、58を挿入して軸方向に案内させることにより筐体101に装着される。プロセスカートリッジの側面を軸方向に横断して溝部81が形成され、中間転写ユニット30には、ばね付勢されて浮き沈みが可能な回転規制部材95が設けられる。プロセスカートリッジ10の挿入過程では、回転規制部材95が溝部81を拘束して、プロセスカートリッジ10のドラム軸55回りの回転を限界付ける。
【選択図】図7

Description

本発明は、感光体ユニットと転写ベルトユニットとを筐体から個別に着脱してユニット単位で交換可能にした画像形成装置、詳しくは、感光体ユニットを着脱する際の姿勢を規制する構造に関する。
感光体に形成されたトナー像を中間転写ベルト又は記録材搬送ベルトに担持された記録材に転写して画像形成を行う画像形成装置が広く用いられている。このような画像形成装置では、通常、転写ベルト部材(中間転写ベルト又は記録材搬送ベルト)が交換ユニットとしての転写ベルトユニットに組み立てられ、感光体が交換ユニットとしての感光体ユニットに組み立てられている。
特許文献1には、転写ベルト部材に沿って、複数の感光体ユニットを交換可能に配置した画像形成装置が示される。ここでは、複数の感光体ユニットがそれぞれ両側を一対のスライドガイドによって支持され、複数の感光体ユニットが感光体の回転軸に沿った方向へ個別に引き出される。また、感光体の軸端を支持する軸受け機構を取り付けて開閉可能に構成した開閉扉ユニット(図6参照)が設けられ、開閉扉ユニットを筐体の正面側へ倒して開くことで、感光体ユニットを正面側へ引き出し可能となる。
特許文献2には、感光体ユニットを筐体から吊り下げ支持した状態で長手方向へ引き出し可能にした画像形成装置が示される。ここでは、感光体ユニットの上部側面の左右に吊り下げ用の一対の溝部が形成され、画像形成装置の筐体側には、溝部に拘束されて感光体ユニットを長手方向に案内するレール部材が取り付けられている。
特許文献3には、転写ベルト部材の表面に沿った回転方向と直角な方向へ筐体から転写ベルトユニットを水平に引き出し可能な画像形成装置が示される。ここでは、図4に示すように、スライドガイド(35)に左右を支持された枠体(36)に転写ベルトユニット(30)が着脱自在に保持され、枠体(36)を正面側へ引き出した後に、枠体(36)から転写ベルトユニット(30)が上方へ取り出される。また、図1に示すように、転写ベルト部材(31)を複数の感光体(1K)にそれぞれ圧接する複数の転写ローラ(5K)が枠体の引き出しに先立して下降することにより、感光体(1K)から転写ベルト部材(31)が離間する。
特開2001−222207号公報 特開平10−003215号公報 特開平11−73035号公報
特許文献1、2に示される感光体ユニットの場合、感光ドラムの回転軸を、筐体側に設けたカップリングに接続するため、感光ドラムの回転軸の回転振れや偏心回転が発生する可能性がある。感光ドラムの回転軸に回転振れや偏心回転が発生すると、感光ドラムの周速が変動して画像の歪みや色ずれの原因となる。
そこで、図1に示すように、感光ドラム(1K)を貫通して回転駆動する軸部材(55)を筐体側に配置しておき、感光ドラム(1K)の中心の貫通孔(57、58)に軸部材(55)を抜き差しして着脱する感光体ユニットの取り付け構造が提案された。
この場合、特許文献1、2に示されるように、感光体ユニットを軸方向に案内する機構を筐体側に設けると、抜き差しされる軸部材に曲げ負荷がかかったり、挿入が傾いて軸部材と感光ドラムとの摩擦力が高まったりする。このため、特許文献1に示される開閉扉ユニットを手前側へ倒した上面に、位置決め部材(90、91:図6)を配置して軸部材に感光ドラムの中心を位置決め、挿入過程では、専ら軸部材に案内させて感光体ユニットを押し込む構成が提案された。
しかし、この場合、挿入の初期に感光体ユニットがわずかでも傾いていると、軸部材に対して感光ドラムの貫通孔を真っ直ぐに挿入することが難しい。また、感光体ユニットの後端が位置決め部材を通過し終えた瞬間に、感光体ユニットが軸部材を中心にして回転する可能性がある。特に、図1に示されるように大型で重量のある感光体ユニット(10)の場合、開閉扉ユニット(60:図6)の手前側から回転を止めることが難しいため、中間転写ベルト(31)に感光体ユニット(10)が接触する可能性がある。
また、感光体ユニット(10)が軸部材(55)以外で筐体(101)側と常時摺擦していると、感光体ユニット(10)が傾いた際に大きな摩擦力が発生して挿入抵抗が大きくなり、大きな力をかけて勢いよく感光体ユニット(10)を押し込む可能性がある。
本発明は、軸部材に負担をかけることなく、感光体ユニットを安定した姿勢で滑らかに挿入して、挿入過程で感光体ユニットが回転して転写ベルト部材へ接触することを抑制できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、筐体と、感光体を有して前記筐体に対して着脱可能な感光体ユニットと、転写ベルト部材と当該転写ベルト部材を前記感光体から離間させる離間機構とを有して前記筐体に対して着脱可能な転写ベルトユニットとを備え、前記筐体に配置されて前記感光体を回転駆動する軸部材により前記感光体を長手方向に案内させて前記感光体ユニットを前記筐体に装着させるものである。そして、前記感光体ユニットは、前記転写ベルト部材の回転方向に前記軸部材から離れた位置に、前記感光体ユニットの長手方向に沿って連続した案内部を有し、前記転写ベルトユニットは、前記案内部を規制して前記軸部材回りの前記転写ベルトユニットの回転を制限する回転規制部材を有する。
本発明の画像形成装置では、感光体ユニットを軸部材に沿って移動させる過程で、感光体ユニットの案内部と転写ベルトユニットの回転規制部材との位置関係から感光体ユニットの姿勢を目視確認できる。このため、感光体ユニットの軸部材回りの回転が精神的に制限されて、軸部材に対して転写ベルトユニットを真っ直ぐ挿入できる。また、案内面が回転規制部材によって機械的に拘束されることで、感光体ユニットの軸部材回りの回転が物理的にも制限されるため、万が一、感光体ユニットを軸部材回りに回転させた場合でも、感光体ユニットと転写ベルト部材との接触を回避できる。
従って、軸部材に負担をかけることなく感光体ユニットを安定した姿勢で滑らかに挿入して、挿入過程で感光体ユニットが回転して転写ベルト部材へ接触することを抑制できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 中間転写ユニットの斜視図である。 プロセスカートリッジの斜視図である。 中間転写ユニットの引き出し構造の説明図である。 中間転写ユニットを引き込んだ状態の説明図である。 開閉蓋ユニットの開閉構造の説明図である。 中間転写ユニットとプロセスカートリッジとが装着された状態の説明図である。 プロセスカートリッジの装着状態の説明図である。 プロセスカートリッジの装着過程の説明図である。 ガイド機構の動作の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、転写ベルトユニットに設けた部材が感光体ユニットの回転を制限する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、中間転写ベルトを用いる画像形成装置に限らず、記録材搬送ベルトに担持された記録材へトナー像を転写する画像形成装置でも実施できる。ベルト部材に沿って複数の感光ドラムを配置したタンデム型のみならず、1個の感光ドラムを配置した1ドラム型でも実施できる。タンデム型にあっては、ブラックの画像形成部のみならず、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部でも実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1〜3に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図2は中間転写ユニットの斜視図である。図3はプロセスカートリッジの斜視図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト31の上向き面に画像形成部PY、PM、PC、PKを配置したフルカラープリンタである。転写ベルトユニットの一例としての中間転写ユニット30と感光体ユニットの一例としてのプロセスカートリッジ10とが画像形成装置100の筐体101に着脱可能に組み込まれている。
画像形成部PYでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト31に一次転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト31のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれ感光ドラム1C、1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト31に順次一次転写される。
中間転写ベルト31に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて、中間転写ベルト31に重ねて二次転写部T2を挟持搬送される記録材Pへ一括二次転写される。記録材カセット10から引き出された記録材Pは、分離ローラ11で1枚ずつ分離してレジストローラ12へ給送される。記録材Pは、レジストローラ12で待機して、中間転写ベルト31のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置15で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に外部へ排出される。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、付設された現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、ブラックの画像形成部PKについて説明し、他の画像形成部PY、PM、PC、PKについては、説明中の符号末尾のKを、Y、M、Cに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部PKは、感光ドラム1Kの周囲に、コロナ帯電器2K、露光装置3K、現像装置4K、一次転写ローラ5Kを配置している。感光ドラム1Kは、帯電極性が負極性の感光層を形成した金属円筒で構成され、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。
コロナ帯電器2Kは、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光ドラム1Kに照射して感光ドラム1Kの表面を一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置3Kは、画像データを展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを多面体ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1Kの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置4Kは、二成分現像剤を帯電させて現像スリーブ4sに担持させて感光ドラム1Kを摺擦し、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ4sに印加して、感光ドラム1Kの静電像を反転現像する。
一次転写ローラ5Kは、中間転写ベルト31の内側面を押圧して感光ドラム1Kと中間転写ベルト31との間に一次転写部TKを形成する。一次転写ローラ5Kに正極性の直流電圧を印加することにより、感光ドラム1Kに担持されたトナー像が中間転写ベルト31に一次転写される。
二次転写ローラ13は、対向ローラ14に支持された中間転写ベルト31に当接して二次転写部T2を形成する。中間転写ベルト31のトナー像に重ね合わせて記録材Pを挟持搬送する際に、二次転写ローラ13に正極性の電圧を印加することにより、中間転写ベルト31に担持されたトナー像が記録材Pへ二次転写される。
中間転写ベルト31は、テンションローラ33、駆動ローラ32、対向ローラ14に掛け渡して支持され、駆動ローラ32に駆動されて、矢印R2方向に所定のプロセススピードで回転する。
図1を参照して図2に示すように、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31を回転させる駆動モータ、中間転写ベルト31を幅方向へ動的に位置決めるステアリングコントロールモータを含んで一体に組み立てられている。中間転写ベルト31の磨耗、損傷、駆動モータの故障等が発生した場合には、ユーザーが古い中間転写ユニット30を簡単に新品交換できる。手動レバー68を回転すると、図1に示す離間機構20が作動して、中間転写ベルト31が感光ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間する。
図1を参照して図3に示すように、、プロセスカートリッジ10は、現像装置4Kとは別体に構成された感光ドラム1Kの交換ユニットである。プロセスカートリッジ10は、筐体101側に配置されたドラム軸55に嵌合孔57、58を案内させて正面側へ抜き出すことにより交換される。
プロセスカートリッジ10は、現像装置4Kと対向する斜め上と中間転写ベルト31に対向する下面とで感光ドラム1Kを露出させている。プロセスカートリッジ10は、中間転写ベルト31の回転方向にドラム軸55から離れた位置に、プロセスカートリッジ10の長手方向に沿って連続した案内部の一例である溝部81が形成されている。溝部81は、転写ベルト部材(31)の表面に対して起立した感光体ユニット(10)の側面に形成された案内部の一例である。
離間機構23は、二次転写ローラ13を昇降させて二次転写部T2を当接・離間させる。二次転写ローラ13の変形を回避するために、画像形成時以外は、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト31から離間されている。これにより、中間転写ユニット30を正面側へ引き出す際に、二次転写ローラ13と中間転写ベルト31との不必要な摺擦が回避される。
離間機構20は、中間転写ベルト31を下降させて感光ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間させる。これにより、中間転写ユニット30を正面側へ引き出す際に、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kと中間転写ベルト31の不必要な摺擦が回避される。
<中間転写ユニットの引き出し構造>
図4は中間転写ユニットの引き出し構造の説明図である。図5は中間転写ユニットを引き込んだ状態の説明図である。図6は開閉蓋ユニットの開閉構造の説明図である。図7は中間転写ユニットとプロセスカートリッジとが装着された状態の説明図である。
図1を参照して図4に示すように、中間転写ユニット30は、一対のスライドレール35によって正面側へ水平に引き出される枠体36に着脱自在に保持されている。筐体101から枠体36を矢印B方向へ引き出した後に、矢印C方向へ中間転写ユニット30が取り出される。枠体36の引き出しに先立たせて、ユーザーは、前側板34に配置された手動レバー68を矢印A方向に手動操作する。これにより、図1に示す偏心カム22が回転して離間機構20が作動し、中間転写ベルト31が感光ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間する。
筐体101の前面には、各色トナーボトル7Y、7M、7C、7Kの交換ドア50Y、50M、50C、50Kがそれぞれ前方へ倒して開閉可能に配置されている。交換ドア50Y、50M、50C、50Kは、独立して開閉可能であり、各色トナーボトル7Y、7M、7C、7Kの交換の際に開閉される。
筐体101の前面には、筐体101に対して開閉可能な開閉扉ユニット60が設けられている。開閉扉ユニット60を開ける動作を行うには、手動レバー68を回転させて、図1に示す離間機構20を作動させて、中間転写ベルト31を感光ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間させる必要がある。図5に示すように、手動レバー68は、通常の運転状態では、開閉扉ユニット60を前方へ引き出して倒す操作を妨げる位置へ回動されている。
図1を参照して図6に示すように、開閉蓋ユニット60は、感光体ユニット(10)を軸部材(55)に沿って移動させて感光体(1K)を貫通させた軸部材(55)の軸受け機構を有する。開閉蓋ユニット60は、ドラム軸55に沿って正面側へ引き出してドラム軸55を嵌合孔67から抜き出した状態で、手前側へ倒すことにより、筐体101から開閉可能である。
開閉蓋ユニット60の手前側へ倒した上面には、感光ドラム1Kの中心をドラム軸55に位置決めた状態で、プロセスカートリッジ10をドラム軸55に沿って移動可能に支持する位置決め部材(90、91)が配置される。ガイド部材90、91は、プロセスカートリッジ10を交換する時に、プロセスカートリッジ10の姿勢を正して中間転写ユニット30の中間転写ベルト31に対するプロセスカートリッジ10の接触を防ぐ。ガイド部材90、91は、プロセスカートリッジ10の感光ドラム1Kの嵌合孔58にドラム軸55を位置決めて、プロセスカートリッジ10の着脱を容易にする。
現像装置4Kは、長手方向の両側から駆動入力される構成となっている。そのための駆動源として、図7に示すように、モータ61が開閉扉ユニット60に設けられている。モータ61から現像装置4Kに駆動を連結するための駆動ギアユニット62も開閉扉ユニット60に設けられている。開閉扉ユニット60は、回動軸69を中心にして手前側へ倒される。
モータ61への電気供給に関しては、図6に示すように、開閉扉ユニット60に電気接点部としてのドロア63が設けられている。ドロア63から伸びた電気束線(不図示)により、モータ61に電気を供給している。ドロア63は、開閉扉ユニット60が閉じることで、筐体101側に設けられた電気接点部(不図示)と通電する。ドロア63には、その接点部を覆うようにドロアシャッター64が設けられている。
<プロセスカートリッジの着脱構造>
図8はプロセスカートリッジの装着状態の説明図である。図8の(a)に示すように、プロセスカートリッジ10を筐体101に挿入する動作は、筐体101に配置されたドラム軸55を、プロセスカートリッジ10と一体になっている感光ドラム1Kの中心に差し込みながら行う。
プロセスカートリッジ10を筐体101に挿入する時には、プロセスカートリッジ10の感光ドラム1Kの中心を貫通して回転駆動するドラム軸55の先端56を、感光ドラム1Kの嵌合孔58を貫通させながら行う。その後、感光ドラム1Kの嵌合孔57を貫通したドラム軸55の先端56は、開閉扉ユニット60に設けられた嵌合孔67に嵌合される。
感光ドラム1Kの嵌合孔57、58に対してドラム軸55の嵌め合い公差は、装着の最後の数mmで緊密な嵌め合いが得られるように設定され、その手前では緩く嵌合してプロセスカートリッジ10を滑らかに移動可能である。感光ドラム1Kとドラム軸55が嵌合する箇所は、本体前側と奥側の2箇所あり、本体奥側の嵌合孔58は前側の嵌合孔57より数mm大きくしてある。このため、挿入時の嵌合孔57がドラム軸55より数mm大きく、容易に挿入できる。
また、ドラム軸55の先端から近い位置でテーパ59を付けながら直径を大きくすることで、挿入後の作業性が上がっている。ドラム軸55の先端部56を感光ドラム1Kとドラム軸55の奥側の嵌合孔58より細らせた形状にすることで、開閉扉ユニット60を筐体101に差し込む時の操作力を軽減している。
ドラム軸55が筐体101側に配置されて感光ドラム1Kの中心軸を貫通しているため、特許文献1、2に示されるカプリングを用いて回転伝達する方式に比較して、感光ドラム1Kの偏心回転や軸の振れが減っている。しかし、装着状態でドラム軸55に曲げ負荷がかからないように、プロセスカートリッジ10は、ドラム軸55に吊り下げられた状態で位置決められる必要があり、そのため、嵌合孔57、58以外では、弾性的にゆとりを持たせて支持されている。
プロセスカートリッジ10を筐体101から着脱して新品に交換する作業は以下の手順で行う。
(1)図5に示すように、手動レバー68を倒して中間転写ユニット30の中間転写ベルト31を鉛直下方へと移動させる。手動レバー68が開放されないと、開閉扉ユニット60が前側に引き出せないからである。
(2)図6に示すように、開閉扉ユニット60を一度筐体101前側に引き出して嵌合孔67からドラム軸55を抜き出し、その後、手前側へ倒して鉛直下方に回転させながら下ろす。開閉扉ユニット60を下ろしたら、プロセスカートリッジ10を筐体101から引き出すためのガイド部材90、91が現れる。
(3)ドラム軸55及びガイド部材90、91に案内させて、プロセスカートリッジ10を引き出す。
(4)図8の(c)に示す状態から、交換用の新しいプロセスカートリッジ10を筐体101に挿入する。挿入する時は、ガイド部材90、91にプロセスカートリッジ10を置いて感光ドラム1Kの中心にドラム軸55を位置決める。
(5)ガイド部材90、91に案内させて新しいプロセスカートリッジ10を押し込む。
<ガイド機構>
図9はプロセスカートリッジの装着過程の説明図である。図10はガイド機構の動作の説明図である。図9中、(a)はガイド機構を挿入方向から見た拡大図、(b)はガイド機構を奥側から見た拡大図である。図10中、(a)は通常時の突き出した状態、(b)は押圧時の引き込み状態である。
図8の(a)に示すように、新しいプロセスカートリッジ10を挿入する初期期間は、感光ドラム1Kとドラム軸55の嵌合長さが短いこともあり、プロセスカートリッジ10の姿勢が不安定である。図3に示すように、プロセスカートリッジ88の先端側には出張り部85、88があるため、プロセスカートリッジ88を斜め下向きに挿入すると、出張り部85、88が中間転写ベルト31に接触する可能性がある。
また、挿入期間中にプロセスカートリッジ88がドラム軸55を中心にして回転(軸部材回りの回転)しても、出張り部85、88が中間転写ベルト31に接触する可能性がある。
そこで、軸方向及び軸部材回り方向の姿勢が正しくない状態であれば規制して作業者に気付かせ、同時に、プロセスカートリッジ10を正しい姿勢へ誘導するために、ガイド機構92、93を設けている。
図8の(b)に示すように、中間転写ユニット30のフレーム(前側板)30fにガイド機構92が固定されている。ガイド機構92は、上方への移動を限界付けられて上方へ向かってばね付勢された回転規制部材95を有する。ガイド機構92は、ドラム軸55にプロセスカートリッジ10を挿入してドラム軸55に沿って移動させる際に、溝部(案内部)81を拘束(規制)して、ドラム軸55の回りでプロセスカートリッジ10が回転することを制限する。
ガイド機構92は、プロセスカートリッジ10の筐体101への挿入時に中間転写ベルト31への接触を妨げる。ガイド機構92は、プロセスカートリッジ10が正しい姿勢で進む間は、プロセスカートリッジ10の溝部81に対して非接触ですれ違う。しかし、プロセスカートリッジ10が許容範囲を越えてドラム軸55の回りで回転すると、プロセスカートリッジ10の溝部81に接触して回転を限界付ける。
筐体101の内側面には、ガイド機構93が設けられている。ガイド機構93は、プロセスカートリッジ10をドラム軸55に沿って移動させる際に、ドラム軸55の回りで許容範囲を越えて回転すると、凸部82に接触してプロセスカートリッジ10の回転を限界付ける。
プロセスカートリッジ10の挿入開始時に、溝部81に回転規制部材95が入らないほどプロセスカートリッジ10の姿勢が傾いていると、プロセスカートリッジ10の凸部82とガイド機構93が衝突する。このため、作業者にプロセスカートリッジ10が傾いて理想的な姿勢でないことを気付かせて必要な修正を促すことができる。
ドラム軸55によって中心を支持されたプロセスカートリッジ10は、ガイド機構92、93によって外周の2箇所でプロセスカートリッジ10の回転を規制しながら筐体101に挿入される。その結果、プロセスカートリッジ10の姿勢を安定させながら、プロセスカートリッジ10を筐体101に差し込むことができる。
そして、プロセスカートリッジ10の着脱作業時に、ドラム軸55に曲げ負荷がかからないように、ドラム軸55に沿って移動させる際のガイド機構92、93に対するプロセスカートリッジ10の接触も軽くしてある。
すなわち、図6に示すガイド部材90、91で位置決めてプロセスカートリッジ10を筐体101に挿入する時、ガイド機構92の回転規制部材95とプロセスカートリッジ10の溝部81の側面との間にはわずかな間隔がある。回転規制部材95は、プロセスカートリッジ10の長手方向に形成された溝部81の溝幅方向の中間位置に保持されて、溝部81と非接触にすれ違うことが可能である。また、ガイド機構92とは反対側のプロセスカートリッジ10の側面に形成された凸部82は、ガイド機構93に対して同様に非接触ですれ違うことが可能に配置されている。
図9の(b)に示すように、プロセスカートリッジ10が筐体101に挿入し始める時、中間転写ベルト31とプロセスカートリッジ10の溝部81近傍にある、出張り部85、88が非常に接近する。理想的な挿入方法においても、両者が非常に接近するため、プロセスカートリッジ10の姿勢が容易に変わり得るガイド構成であると、中間転写ベルト31と出張り部85、88とが接触する可能性がある。金属板の出張り部85、88が接触すると中間転写ベルト31に傷を生成させて、画像に影響が出る可能性がある。
ここで、プロセスカートリッジ10の姿勢がドラム軸55中心に左回りする方向に傾くと、図9の(a)に示すように、溝部81の上側86と、ガイド機構92の回転規制部材95の上側面とが接触する。図10の(a)に示すように、ガイド機構92の回転規制部材95は、コイルばね94の弾性力によって常に鉛直上方に力を受けており、図10の(b)に示すように下向きに押圧力を受けた時は、下に移動する。
プロセスカートリッジ10の挿入過程で、回転規制部材95が溝部81によって下向きに押圧されると、コイルばね94の弾性力で、プロセスカートリッジ10にはドラム軸55を中心にして右回転させる力が加わる。これにより、プロセスカートリッジ10を理想的な姿勢に戻そうとする。
逆に、プロセスカートリッジ10の姿勢がドラム軸55を中心に右回りする方向に傾くと、溝部61の下側87と、ガイド機構92の回転規制部材95の下側面が接触する。すると、プロセスカートリッジ10にドラム軸55を中心にして左回転させる力が加わって理想的な姿勢に戻ろうとする。
以上の説明で明らかなように、本実施例では、中間転写ユニット30に、中間転写ベルト31又は感光ドラム1Kに傷を生成させないよう、プロセスカートリッジ10の姿勢を規制するガイド機構92を設けている。これにより、中間転写ベルト31を横切って感光ドラム1Kを支持するレールが不要になり、本体の小型化、コストダウンが可能となる。レールに積もったトナーが中間転写ベルト31に落下して発生する画像品質の低下も解消される。
また、溝部81は、図3に示すようにプロセスカートリッジ10の長手方向の全長に渡って設けられているが、図7に示す装着状態では、溝部81の全長の外側に回転規制部材95が抜けている。このため、中間転写ユニット30をメンテナンスのために手前へ引き出して勢い良く戻した時に、中間転写ユニット30のガイド機構92がプロセスカートリッジ10に衝突しない。
また、中間転写ユニット30を筐体101から引き出す時には、プロセスカートリッジ10が重力方向に、存在すべき位置から下がる。この場合でも、ガイド機構92が中間転写ベルト31の端部の外側に配置されて回転規制部材95が溝部81の外側に位置しているため、プロセスカートリッジ10を一緒に引き下げてドラム軸55に不必要な力をかけることが無い。そして、上述したように、ドラム軸55に不必要な力をかけないことで、ドラム軸55の負荷変動、偏心回転、回転の振れが回避されて感光ドラム1Kの回転周速度が安定し、トナー像の変形や重ね合わせ誤差の拡大を抑制できる。
また、回転規制部材95は、コイルばね94の弾性力によって鉛直上方に力を受けていることから、プロセスカートリッジ10が上方から押し付けられた際には素直に後退して摩擦力を高めない。このため、摩擦力の高まったプロセスカートリッジ10を操作者が無理な力で押し込んで、筐体101の突き当たりの底面に衝突させたり、ドラム軸55に負担をかけたりしない。
また、回転規制部材95は、コイルばね94の弾性力によってプロセスカートリッジ10を持ち上げる力を発生させるので、中間転写ベルト31とプロセスカートリッジ10の接触が回避される。同時に、感光ドラム1Kと中間転写ユニット30との接触も回避できる。衝突による傷を生成したくない転写ベルト部材の近傍に、感光体ユニットの姿勢を理想的な姿勢に変化させる機構があるため、衝突する可能性のある部材間の距離を安定的に確保できる。
また、回転規制部材95は、中間転写ユニット30のフレーム高さまで下方へ移動可能なため、図4に示すように中間転写ユニット30を手前に引き出す際に、回転規制部材95が下方へ押し込まれて引き出しの邪魔にならない。
また、筐体(101)ではなくて、転写ベルトユニット(30)に回転規制部材(95)を設けているため、転写ベルト部材(31)に近接した位置で感光体ユニット(10)の姿勢を規制できる。回転規制部材(95)が転写ベルト部材を支持する転写ベルトユニット(30)に取り付けられることで、感光体(1K)と転写ベルト部材(31)とで形成される転写部(TK)の位置精度を高めることができる。接触させたくない感光体ユニットと転写ベルトユニットとの相対的な位置関係を、回転規制部材によって直接設定するので、筐体を介して間接的に両者が位置決めされる場合よりも対向距離のばらつきが小さくなる。
このため、感光体(1K)から転写ベルト部材(31)を離間させる機構に必要最小限の離間距離を設定できる。また、転写ベルトユニット(30)が引き出されて筐体内に無い場合には、回転規制部材(95)による不必要な拘束無く感光体ユニット(30)を着脱できる。
また、本実施例では、開閉扉ユニット60は、一度手前側へ引き出してから下方へ引き倒す構造であるため、ガイド部材90、91は、中間転写ベルト31からかなり手前に遠ざかった位置でプロセスカートリッジ10の姿勢を規制することになる。このため、手元でのわずかな傾きや回転が、中間転写ベルト31上でのプロセスカートリッジ10の先端の大きな移動や昇降を引き起す。
しかし、回転規制部材95は、中間転写ベルト31の直近でプロセスカートリッジ10の先端の位置を規制するため、プロセスカートリッジ10の先端が中間転写ベルト31に接触することやドラム軸55に大きな力がかかることがほぼ確実に回避される。
ところで、特許文献1は、現像装置とクリーニング装置及び感光ドラムを一体形成したプロセスカートリッジの挿抜を想定した構成となっている。この構成では一体化した現像器、クリーニング装置、感光ドラムを同時に交換する必要がある。しかし、昨今、技術の進歩により、現像装置および感光ドラムは高寿命化している。それに伴って、それぞれの機能を満足する寿命は異なる。この点、図1に示す本実施例の構成によれば、各ユニットを、異なる寿命毎に交換することができる。つまり、現像装置4Kと、感光ドラム1Kを保持したプロセスカートリッジ10とを別々に交換できる。
そして、現像装置4Kを残して、プロセスカートリッジ10を交換する場合、画像形成において重要な役割を担う感光ドラム1Kが剥き出しになって、傷付く可能性が増す。このため、プロセスカートリッジ10の抜き差しに伴う姿勢の規制もより高度なものが必要となる。この点、本実施例の構成によれば、ドラム軸55によって感光ドラム1Kの中心高さが精密に位置決められるため、感光ドラム1Kが周囲の構成部材に干渉する可能性は低くなっている。
しかし、筐体101側で回転駆動されるドラム軸55を感光ドラム1Kに直接に貫通させる構成を取ったために、プロセスカートリッジ10の姿勢がドラム軸55を中心にして回転する可能性が発生している。この点、本実施例の構成によれば、感光体ユニットの側面に形成された溝部(81)を転写ベルトユニット(30)に設けた回転規制部材(95)で拘束するため、感光体ユニット(30)の両方向の回転が限界付けられて、接触を回避できる許容範囲に収まる。
1K 感光体ドラム、2K コロナ帯電器、3K 露光装置
4K 現像装置、5K 一次転写ローラ、10 プロセスカートリッジ
13 対向ローラ、14 二次転写ローラ、18 プロセスカートリッジの側板
20 離間機構、30 中間転写ユニット、31 中間転写ベルト
32 駆動ローラ、33 テンションローラ、55 ドラム軸
56 先端、57、58 嵌合孔、60 開閉扉ユニット
68 手動レバー、81 溝部、82 凸部、85、88 出張り部
90、91 ガイド部材、92、93 ガイド機構、100 画像形成装置
101 筐体

Claims (7)

  1. 筐体と、感光体を有して前記筐体に対して着脱可能な感光体ユニットと、転写ベルト部材と当該転写ベルト部材を前記感光体から離間させる離間機構とを有して前記筐体に対して着脱可能な転写ベルトユニットとを備え、前記筐体に配置されて前記感光体を回転駆動する軸部材により前記感光体を長手方向に案内させて前記感光体ユニットを前記筐体に装着させる画像形成装置であって、
    前記感光体ユニットは、前記転写ベルト部材の回転方向に前記軸部材から離れた位置に、前記感光体ユニットの長手方向に沿って連続した案内部を有し、
    前記転写ベルトユニットは、前記案内部を規制して前記軸部材回りの前記転写ベルトユニットの回転を制限する回転規制部材を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記案内部は、前記転写ベルト部材の表面に対して起立した前記感光体ユニットの側面に形成された溝部であって、
    前記回転規制部材は、前記溝部に保持されて前記感光体ユニットの両方向の回転を限界付けることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記回転規制部材は、前記転写ベルト部材の表面から離間する方向への移動を限界付けられて当該離間する方向へばね付勢されることにより、前記転写ベルトユニットの側へ沈み込み可能であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記回転規制部材は、前記転写ベルト部材の端部の外側で前記転写ベルトユニットのフレームに取り付けられ、
    前記溝部は、前記筐体に装着し終えた状態で前記回転規制部材を保持しない長さであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体ユニットを前記軸部材に沿って移動させて前記感光体を貫通させた前記軸部材の軸受け機構を有して、前記軸部材に沿った方向へ倒して前記筐体から開閉可能な開閉蓋ユニットを備え、
    前記開閉蓋ユニットは、前記軸部材の手前側へ倒した上面に、前記感光体ユニットを前記軸部材に沿って移動可能に支持して前記軸部材に前記感光体の中心を位置決める位置決め部材を有し、
    前記回転規制部材は、前記位置決め部材により前記感光体ユニットを位置決めて前記軸部材に沿った方向に移動させた際に、前記溝部の中間位置に位置して前記溝部を非接触に通り過ぎることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 画像形成装置の筐体に配置された軸部材に案内させて前記筐体に取り付けられる感光体ユニットに対向させて前記筐体に取り付けられる転写ベルトユニットにおいて、
    前記軸部材に沿って前記感光体ユニットに形成された溝部に拘束されて前記感光体ユニットの前記軸部材回りの両方向の回転を限界付ける回転規制部材を有することを特徴とする転写ベルトユニット。
  7. 画像形成装置の筐体に着脱可能に装着された転写ベルトユニットの転写ベルト部材に対向させて配置され、画像形成装置の筐体に配置された軸部材に案内させて前記筐体に取り付けられる感光体ユニットにおいて、
    前記転写ベルト部材の回転方向に前記軸部材から離れた位置に、前記感光体ユニットの長手方向に沿って連続した溝部を有することを特徴とする感光体ユニット。
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