JP2011037124A - 押出成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に表皮材を積層した押出成形品を製造するにあたり、ベース材と種材を有する表皮材表面にベース材と明確に識別できる製造方法を提供する。
【解決手段】押出成形品の製造方法である。表皮材積層工程の前に、ベース材と種材を押出機で溶融混練する溶融混練工程と、溶融混練された表皮材をベース材と種材に分離させ、かつ、種材を縦断面の中心部に配置させる分離工程と、分離工程後の表皮材を、種材を分割するように表皮材全体を分割する分割工程と、分割工程後の表皮材の種材を、表皮材の縦断面の中心部に配置させる中心配置工程と、中心配置工程後の表皮材の縦断面を拡大する拡大工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、押出成形品の製造方法に関する。
表面に木目模様を有する押出成形品を製造するために方法として、溶融温度が相違する2種類の樹脂をベース材と種材とし、複数の仕切りを設けた溶融樹脂流路を有するダイスにて押出成形する手段(特許文献1)や、基材樹脂の表面に表皮樹脂を溶融押出しする際に、表皮樹脂の金型内での流入圧が均一になるように調整したダイスにて押出成形する手段(特許文献2)がある。しかし、これらは表皮層部入口配管の本数が多いため種材がベース材に対して明確に区別されることは困難であった。
特開平10−119110号公報 特開2001−179799号公報
本発明の課題は、基材に表皮材を積層した押出成形品を製造するにあたり、ベース材と種材を有する表皮材のうち、種材を表皮材表面にベース材と明確に識別できる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、基材を成形する基材成形工程と、
基材の表面に、ベース材と種材で形成される表皮材を積層する表皮材積層工程を有する押出成形品の製造方法であって、
表皮材積層工程の前に、
ベース材と種材を押出機で溶融混練する溶融混練工程と、
溶融混練された表皮材をベース材と種材に分離させ、かつ、種材を縦断面の中心部に配置させる分離工程と、
分離工程後の表皮材を、種材を分割するように表皮材全体を分割する分割工程と、
分割工程後の表皮材の種材を、表皮材の縦断面の中心部に配置させる中心配置工程と、
中心配置工程後の表皮材の縦断面を拡大する拡大工程とを有する押出成形品の製造方法である。
本発明は、上述の構成により、ベース材と種材を有する表皮材のうち、種材を表皮材表面にベース材と明確に識別できる製造方法を提供できる。
本発明の表皮材に関する工程の模式図 図1の各工程における表皮材の縦断面を示す説明図 表皮材に関する工程を具現化した部材を示す説明図
本発明を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明は、基材を成形する基材成形工程と、
基材の表面に、ベース材と種材で形成される表皮材を積層する表皮材積層工程を有する押出成形品の製造方法であって、
表皮材積層工程の前に、
ベース材と種材を押出機で溶融混練する溶融混練工程と、
溶融混練された表皮材をベース材と種材に分離させ、かつ、種材を縦断面の中心部に配置させる分離工程と、
分離工程後の表皮材を、種材を分割するように表皮材全体を分割する分割工程と、
分割工程後の表皮材の種材を、表皮材の縦断面の中心部に配置させる中心配置工程と、
中心配置工程後の表皮材の縦断面を拡大する拡大工程とを有する押出成形品の製造方法である。
図1に、表皮材積層工程の前に行われる工程を示す。図2は工程ごとの表皮材のベース材2と種材1の状態を示したものである。図3は本発明を具現化した押出機の一部を模式的に示したものである。図2の括弧付数字における表皮材が図3の括弧つき数字の位置での表皮材の状態である。図3の矢印は表皮材の流れ方向である。
(溶融混練工程)
溶融混練工程は、ベース材2と種材1を溶融混練する工程である。溶融混練にあっては、ペレット状のベース材と種材を押出機に投入し、ペレットを溶融させて行う。
溶融混練された表皮材は、図2(1)の状態である。
ベース材は、種材を混練することが可能な合成樹脂であり、後述する種材と共に押出機内で進行する際に、流れの良い中心に種材をもっていけるものである。具体的には、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリルニトリル−スチレン−アクリル酸共重合樹脂、アクリルニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合樹脂などがあり、これら単独のみならず、2種類以上を併用することもできる。
種材は、ベース材との関係上、押出機内で進行する際に、流れの良い中心に移動するものである。具体的には、ガラス転移温度がベース材よりも30℃程度高くなる合成樹脂であり、より具体的には耐熱アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂がある。
表皮材の配合比は、ベース材100質量部と種材1.5〜3.5質量部とすることが好ましい。この範囲であれば、押出成形品の表面に木目模様の意匠を付与しつつ、得られる押出成形品表面の平滑性を維持することができる。
(分離工程)
溶融混練工程後の分離工程は、溶融混練工程で均一混練したベース材と種材を、分離させる工程である。具体的には、その素材が有するガラス転移温度の相違により、図2(2)に示すように、縦断面の中心に種材1が集まる工程である。この分離工程は、材料の選定によって押出機内で行われるものであり、押出機を特に設定変更させるものではない。
(分割工程)
分離工程後の分割工程は、種材を分割するように表皮材全体を分割する工程である。
具体的には、図3に示すような分岐管で分割することができる。分割後の表皮材は、図2(3)、(5)の状態になる。分割にあっては、種材1に分岐部分が衝突するように、分岐管を設定すれば良い。図3では分岐管を2本であるが、3本から5本に分岐することも可能である。
(中心配置工程)
その後、表皮材を進行させることにより、前述の分離工程を再度行うことにより、図2(4)、(6)に示すように、種材1を表皮材の中心に配置させることができる。
(拡大工程)
分離工程後、縦断面長方形に拡径させた配管に送り、基材に積層するのに必要な厚みに表皮材を調整する。
拡大工程後、表皮材を基材に積層する。
押出成形品の基材の厚さは、その用途に合わせて適宜設計すればよい。雨樋では通常は、0.8〜2.0mmの範囲で用いられることが多い。
押出成形品の表皮材の厚さは、0.08〜0.3mm、好ましくは0.15〜0.2mmとするとよい。この範囲であれば、押出成形品の表面に種材を識別させることができ、ベース材と種材を茶色にし、種材の方を濃い色にすることにより、押出成形品の表面に木目模様を付すことができる。
以下、実施例を示す。
基材として塩化ビニル樹脂を使用し、ベース材としてアクリルニトリル−スチレン−アクリル酸共重合樹脂、種材として耐熱アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂を使用した。
表皮材の配合比はベース材100質量部と種材2.0質量部とした。
基材はφ67mm二軸斜軸押出機で基材用ダイスへ吐出量77kg/Hで押し出し、
表皮材はφ40mm単軸押出機で長さ略400mmの接続部を経た後、表皮材用ダイスへ吐出量8kg/Hで押し出し、金型内で積層し、押し出される。押出成形された押出成形品は引取機にて速度1.7m/minで引き取った。図3における分岐管を3本にした。
基材用ダイスと表皮材用ダイスの温度は共通の温調装置を用いたため、基材の塩化ビニル樹脂の耐熱を考慮し、同じ200℃とした。表皮材押出機と表皮材用ダイスの接続部温度はベース材、種材の溶融温度、接続部の長さを考慮し220〜240℃とした。
本実施例にあっては、押出成形品の評価は押出成型品表面を目視で行い、製造した結果、種材1を表皮材表面から明確に識別でき、良好な木目模様が得られた。
1 種材
2 ベース材

Claims (1)

  1. 基材を成形する基材成形工程と、
    基材の表面に、ベース材と種材で形成される表皮材を積層する表皮材積層工程を有する押出成形品の製造方法であって、
    表皮材積層工程の前に、
    ベース材と種材を押出機で溶融混練する溶融混練工程と、
    溶融混練された表皮材をベース材と種材に分離させ、かつ、種材を縦断面の中心部に配置させる分離工程と、
    分離工程後の表皮材を、種材を分割するように表皮材全体を分割する分割工程と、
    分割工程後の表皮材の種材を、表皮材の縦断面の中心部に配置させる中心配置工程と、
    中心配置工程後の表皮材の縦断面を拡大する拡大工程とを有する押出成形品の製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10119110A (ja) * 1996-10-23 1998-05-12 Yazaki Kako Kk 木目模様樹脂の押し出し成形法及び柾目模様樹脂被覆鋼管
JP2000326385A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Toagosei Co Ltd 表面に柾目模様を有する樹脂成形体の製造方法
JP2001179799A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Shin Nikkei Co Ltd 表皮木目模様の形成方法及びそのダイス構造

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