JP2011035319A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた特性を有する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板100に設けられた素子形成領域10bと、素子形成領域上に形成されたトンネル絶縁膜11と、トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積絶縁膜12と、電荷蓄積絶縁膜上に形成されたブロック絶縁膜14と、ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極15と、を備えたメモリセルトランジスタと、メモリセルトランジスタに隣接して形成された素子分離領域13と、を具備し、メモリセルトランジスタのチャネル幅方向に平行な断面において、電荷蓄積絶縁膜の端部の膜厚は、電荷蓄積絶縁膜の中央部の膜厚よりも薄い。
【選択図】 図4
【解決手段】半導体基板100に設けられた素子形成領域10bと、素子形成領域上に形成されたトンネル絶縁膜11と、トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積絶縁膜12と、電荷蓄積絶縁膜上に形成されたブロック絶縁膜14と、ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極15と、を備えたメモリセルトランジスタと、メモリセルトランジスタに隣接して形成された素子分離領域13と、を具備し、メモリセルトランジスタのチャネル幅方向に平行な断面において、電荷蓄積絶縁膜の端部の膜厚は、電荷蓄積絶縁膜の中央部の膜厚よりも薄い。
【選択図】 図4
Description
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
現在、電荷蓄積層に電荷トラップ用の電荷蓄積絶縁膜を用いた電荷トラップ型の不揮発性半導体記憶装置が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。この電荷トラップ型の不揮発性半導体記憶装置では、トンネル絶縁膜を通して電荷蓄積絶縁膜に注入された電荷を、電荷蓄積絶縁膜中のトラップ準位にトラップさせることで、電荷蓄積絶縁膜に電荷が蓄積される。代表的な電荷トラップ型の不揮発性半導体記憶装置としては、MONOS型或いはSONOS型の不揮発性半導体記憶装置が知られており、電荷蓄積絶縁膜の材料としては、シリコン窒化膜等が用いられる。
しかし、従来は、電荷蓄積絶縁膜の最適化がはかられておらず、電荷蓄積絶縁膜の中央部に比べ、端部に充分な電荷が蓄積されないという問題があった。
このように、従来の電荷トラップ型の不揮発性半導体記憶装置では、電荷蓄積絶縁膜に必ずしも充分な電荷を蓄積できるとはいえなかった。
本発明は、優れた特性を有する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の第一の視点に係る半導体装置は、半導体基板に設けられた素子形成領域と、前記素子形成領域上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積絶縁膜と、前記電荷蓄積絶縁膜上に形成されたブロック絶縁膜と、前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、を備えたメモリセルトランジスタと、前記メモリセルトランジスタに隣接して形成された素子分離領域と、を具備し、前記メモリセルトランジスタのチャネル幅方向に平行な断面において、前記電荷蓄積絶縁膜の端部の膜厚は、前記電荷蓄積絶縁膜の中央部の膜厚よりも薄いことを特徴とする。
本発明の第二の視点に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にマスク膜を形成する工程と、前記マスク膜をマスクとして用いて前記半導体基板をエッチングして第1の溝を形成する工程と、前記第1の溝内に素子分離絶縁膜を形成する工程と、前記マスク膜を除去し、隣接する前記素子分離絶縁膜の間に第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝の底部に露出した前記半導体基板の表面領域にトンネル絶縁膜を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜の上面、前記第2の溝の側面、及び前記トンネル絶縁膜の上面に電荷蓄積絶縁膜を形成する工程と、前記電荷蓄積絶縁膜が形成された前記第2の溝内に犠牲膜を形成する工程と、前記犠牲膜をマスクとして前記電荷蓄積絶縁膜の一部をエッチングし、一部を残す工程と、前記犠牲膜を除去する工程と、前記犠牲膜を除去する最中またはその後に、前記素子分離領域の上面を後退させる工程と、前記上面が後退した素子分離絶縁膜上、及び前記電荷蓄積絶縁膜の残った部分上にブロック絶縁膜を形成する工程と、前記ブロック絶縁膜上に制御ゲート電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、優れた特性を有する半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態の詳細を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず図1〜図4を用いて、本実施形態の概略的な構成を説明する。
まず図1〜図4を用いて、本実施形態の概略的な構成を説明する。
図1は本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。
図示するようにNAND型フラッシュメモリは、メモリセルアレイ1、電圧発生回路2、ロウデコーダ3、及びカラムデコーダ4を備えている。まずメモリセルアレイ1について説明する。
図示するようにメモリセルアレイ1は、不揮発性のメモリセルが直列接続された複数のNANDセル5を備えている。NANDセル5の各々は、例えば16個のメモリセルトランジスタMTと、選択トランジスタST1、ST2とを含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(電荷蓄積絶縁膜)と、電荷蓄積層上に形成され、電荷蓄積層より誘電率の高い絶縁膜(以下、ブロック層またはブロック絶縁膜と呼ぶ)と、更にブロック層上に形成された制御ゲート電極とを有するMONOS構造である。なお、メモリセルトランジスタMTの個数は16個に限られず、8個や32個、64個、128個、256個等であってもよく、その数は限定されるものではない。またメモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるようにして配置されている。直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端側のドレイン領域は選択トランジスタST1のソース領域に接続され、他端側のソース領域は選択トランジスタST2のドレイン領域に接続されている。
同一行にあるメモリセルトランジスタMTの制御ゲート電極はワード線WL0〜WL15のいずれかに共通接続され、同一行にあるメモリセルの選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、それぞれセレクトゲート線SGD、SGSに共通接続されている。なお説明の簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WL15を区別しない場合には、単にワード線WLと呼ぶことがある。また、メモリセルアレイ1において同一列にある選択トランジスタST1のドレインは、いずれかのビット線BL0〜BLn(nは自然数)に共通接続される。以下、ビット線BL0〜BLnについても、これらを区別しない場合には一括してビット線BLと呼ぶ。選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続される。なお、選択トランジスタST1、ST2は必ずしも両方必要ではなく、NANDセル5を選択出来るのであればいずれか一方のみが設けられていても良い。
また、メモリセルアレイ1内には複数列のNANDセル5が設けられても良い。この場合、同一列にあるNANDセル5は同一のビット線BLに接続される。また、同一のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTには一括してデータが書き込まれ、この単位をページと呼ぶ。更に、同一行にある複数のNANDセルは一括してデータが消去され、この単位をメモリブロックと呼ぶ。
ロウデコーダ3は、メモリセルアレイ1のロウ方向を選択する。すなわち、ワード線WLを選択して、選択したワード線WLに対して電圧を印加する。
カラムデコーダ4は、メモリセルアレイ1のカラム方向を選択する。すなわち、ビット線BLを選択する。
電圧発生回路2は電圧を発生し、発生した電圧をロウデコーダに供給する。
電圧発生回路2、ロウデコーダ3、及びカラムデコーダ4は、例えば電圧VDD(例えば1.5V)を駆動電圧として用いる低耐圧MOSトランジスタと、低耐圧MOSトランジスタの電源電圧よりも高電圧の、例えば電圧VPP(例えば20V)を駆動電圧として用いる高耐圧MOSトランジスタとを含んでいる。説明の簡略化のため、以下では低耐圧MOSトランジスタについてはpチャネルMOSトランジスタについて、高耐圧MOSトランジスタについてはnチャネルMOSトランジスタについてのみ説明し、以後それぞれを周辺トランジスタPT1、PT2と呼ぶことにする。
次に図2を用いて上記構成のメモリセルアレイ1の平面図について説明する。ここで、第1方向をチャネル長方向と称する場合があり、第2方向をチャネル幅方向と称する場合がある。
図2に示すように、p型半導体基板には第1方向に延び、幅S2を有するストライプ形状の素子領域AAが、第1方向に直交する第2方向に沿って複数設けられている。隣接する素子領域AA間には第1方向に延び、幅S1を有する素子分離領域STIが形成され、この素子分離領域STIによって素子領域AAは電気的に分離されている。p型半導体基板上には、複数の素子領域AAを跨ぐようにして、第2方向に延びたストライプ形状のワード線WL及びセレクトゲート線SGD,SGSが形成されている。ワード線WLと素子領域AAとが交差する領域には、電荷蓄積絶縁膜12が設けられている。そして、ワード線WLと素子領域AAとが交差する領域にはメモリセルトランジスタMTが設けられ、セレクトゲート線SGD、SGSと素子領域AAとが交差する領域には、それぞれ選択トランジスタST1、ST2が設けられている。第1方向で隣接するワード線WL間、セレクトゲート線間、及びワード線WLとセレクトゲート線との間の素子領域AAには、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のソース領域またはドレイン領域となる不純物拡散層が形成されている。
第1方向で隣接するセレクトゲート線SGD間の素子領域AAに形成される不純物拡散層は、選択トランジスタST1のドレイン領域として機能する。そしてこのドレイン領域上にはコンタクトプラグCP1が形成される。コンタクトプラグCP1は、第1方向に沿って設けられたストライプ形状のビット線BL(図示せず)に接続される。また第1方向で隣接するセレクトゲート線SGS間の素子領域AAに形成される不純物拡散層は、選択トランジスタST2のソース領域として機能する。そしてこのソース領域上には、コンタクトプラグCP2が形成される。コンタクトプラグCP2は図示せぬソース線SLに接続される。
次に図3、図4及び図5を用いて、上記構成のメモリセルアレイ1の断面構成について説明する。図3は図2においてA−A線に沿ったNANDセル5の断面図であり、図4は図2においてB−B線方向に沿ったNANDセル5の断面図であり、図5は図4における電荷蓄積絶縁膜の構造を模式的に示した断面図である。
図3に示すように、p型半導体基板(p-substrate)100の表面領域内にn型ウェル領域(n-well)10a、更にn型ウェル領域10a上にp型ウェル領域(p-well)10bが形成されている。p型ウェル領域10bの活性領域AA上に、トンネル絶縁膜11として機能する例えば、シリコン酸化膜が形成され、トンネル絶縁膜11上にメモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート構造が形成されている。メモリセルトランジスタMTにおけるトンネル絶縁膜11は、電子がトンネルするトンネル膜として機能する。
メモリセルトランジスタMTのゲート構造は、積層構造を有する。すなわち、トンネル絶縁膜11上に形成された絶縁膜12、絶縁膜12上に形成された絶縁膜14、及び絶縁膜14上に形成された多結晶シリコン層15を備えている。絶縁膜12は、電荷を蓄積する電荷蓄積層として機能し、また絶縁膜14は、絶縁膜12に電荷を閉じこめるためのブロック層として機能し、絶縁膜12に用いられる材料よりも誘電率の高い材料を用いて形成される。また多結晶シリコン層15は、制御ゲート(ワード線WL)として機能する。
以下、メモリセルトランジスタMTにおける絶縁膜12、14、及び多結晶シリコン層15を、電荷蓄積絶縁膜12、ブロック絶縁膜14、及び制御ゲート電極15と呼ぶことがある。なお、ワード線の低抵抗化のため、制御ゲート電極15の上部または全てがシリサイド化されていても良い。電荷蓄積絶縁膜12は、メモリセルトランジスタMT毎に分離され、ブロック絶縁膜14及び制御ゲート電極15はワード線方向で隣接するメモリセルトランジスタMT間で共通に接続されている。すなわち、各メモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜14は、ワード線に沿った方向において、隣接する素子分離領域を跨いで、隣接する活性領域AA間で共通接続されている。
選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は多結晶シリコン層24を備えている。なお、ゲート電極の低抵抗化のため、ゲート電極24の上部または全ての表面がシリサイド化されていても良い。また、選択トランジスタST1、ST2においては、ゲート電極24は第2方向で隣接するもの同士で共通接続されている。そして、ゲート電極24が、セレクトゲート線SGS、SGDとして機能する。
またゲート電極間に位置するp型半導体基板100表面内には、n+型不純物拡散層10cが形成されている。n+型不純物拡散層10cは、隣接するトランジスタ同士で共用されており、ソース(S)またはドレイン(D)として機能する。また、隣接するソースとドレインとの間の領域(ゲート電極直下の領域)は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、n+型不純物拡散層10c及びチャネル領域によって、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2が形成されている。
更にp型半導体基板100上には、上記メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜25が形成されている。層間絶縁膜25中には、ソース側の選択トランジスタST2の不純物拡散層(ソース)10cに達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜25表面には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層26が形成されている。
金属配線層26はソース線SLの一部として機能する。また層間絶縁膜25中には、ドレイン側の選択トランジスタSTの不純物拡散層(ドレイン)10cに達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜25表面に、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層27が形成されている。
層間絶縁膜25上には、例えばSiO2を材料に用いて層間絶縁膜28が形成されている。層間絶縁膜28上には絶縁膜29が形成されている。絶縁膜29は、層間絶縁膜28よりも誘電率の高い材料、例えばSiNを材料に用いて形成される。絶縁膜29上には金属配線層30が形成されている。金属配線層30はビット線BLとして機能する。
絶縁膜29及び層間絶縁膜28中には、その上面で金属配線層30に接し、底面で金属配線層27に接するコンタクトプラグCP3が形成されている。なお、コンタクトプラグCP3の上面は、絶縁膜29の上面より高い。すなわち、コンタクトプラグCP3の上部は、金属配線層30内に潜り込むようにして形成されている。そして、コンタクトプラグCP1、金属配線層27、及びコンタクトプラグCP3が、図2においてビット線BL及び不純物拡散層(ドレイン)10cを接続するコンタクトプラグとして機能する。
また、金属配線層30上に、絶縁膜29よりも誘電率の低い材料、例えばSiO2を材料に用いて層間絶縁膜31が形成されている。層間絶縁膜31は、隣接するビット線BL間の領域を埋め込んでいる。
図4に示すように、p型半導体基板(シリコン基板)100の表面領域内にn型ウェル領域10a、更にn型ウェル領域10a上にp型ウェル領域10bが形成されている。半導体基板100の素子形成領域上にはトンネル絶縁膜11として、膜厚が2〜5nm程度のシリコン酸化膜が形成されている。このトンネル絶縁膜11の材料として、No−Oxy膜(酸化膜のトラップを軽減させたトンネル膜)、積層構造のトンネル膜(ONOや、SiO2の間に強誘電体膜があるOGO、OAO等)を用いても良い。
トンネル絶縁膜11上には中央部が上方に突出している電荷蓄積絶縁膜12として、中央部(上層部)の膜厚が4〜10nm程度、端部(下層部)の膜厚が2〜10nm程度のシリコン窒化膜が形成されている。また、チャネル幅方向(図1の第2方向)で隣接するメモリセルトランジスタ間には、STI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離絶縁膜(素子分離領域)13として、例えばシリコン酸化膜などが形成されている。
電荷蓄積絶縁膜12及び素子分離絶縁膜13上には、ブロック絶縁膜14として、例えば膜厚が4nm以上のAl2O3膜が形成されている。ブロック絶縁膜14としては、比誘電率が3.9(シリコン酸化膜の比誘電率)以上の高誘電体絶縁膜(例えば金属酸化物膜)を用いることが可能である。ブロック絶縁膜14上には制御ゲート電極15として、TaNなどのメタル膜15aと、メタル膜上のポリシリコン膜15bとが形成されている。
上述したように、半導体基板100に設けられた素子形成領域と、素子形成領域上に形成されたトンネル絶縁膜11と、トンネル絶縁膜11上に形成された電荷蓄積絶縁膜12と、電荷蓄積絶縁膜12上に形成されたブロック絶縁膜14と、ブロック絶縁膜14上に形成された制御ゲート電極15と、によってメモリセルトランジスタが形成され、チャネル幅方向に隣接するメモリセルトランジスタ間に素子分離絶縁膜13が形成されている。
図5に示すように、電荷蓄積絶縁膜12は、チャネル幅方向に平行な断面において中央部の上面が上方に突出し、端部の上面は中央部の上面に比べて低い形状である。つまり、電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚は、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の膜厚よりも薄い。例えば、端部の膜厚は、中央部の膜厚の半分程度である。
また、電荷蓄積絶縁膜12の一例として、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の膜厚をTとし、チャネル幅方向に平行な断面における電荷蓄積絶縁膜12の幅をWとする。本実施形態では、電荷蓄積絶縁膜12の端部の幅がTとなっている。また、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の幅はW−2Tである。
このとき、中央部の膜厚が端部の膜厚よりも厚く、かつ、中央部の膜厚は4〜10nm程度であり、端部の膜厚は2〜10nm程度である。
また、チャネル幅方向に平行な断面において、電荷蓄積絶縁膜の端部(下層部)の全側面は素子分離絶縁膜13に接し、中央部(上層部)の側面はブロック絶縁膜14に接している。また、素子分離絶縁膜13の上面の位置は、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の上面よりも低く、且つ電荷蓄積絶縁膜12の端部の上面よりも高い。
通常、電荷蓄積絶縁膜12の端部は誘電率の低い素子分離絶縁膜13と接するため、中央部に比べて電界が弱くなる。一方、上記実施形態によれば、チャネル幅方向に平行な断面において電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚が中央部よりも薄い。また、電荷蓄積絶縁膜12は、側面が素子分離絶縁膜13に接する下層部と、側面がブロック絶縁膜14に接する上層部とを有している。そして、電荷蓄積絶縁膜12上には誘電率の高いブロック絶縁膜14が形成されている。
このため、電荷蓄積絶縁膜12の端部への電界を高めることができる。その結果、電荷蓄積絶縁膜12への印加電界の均一化をはかることができ、電荷蓄積絶縁膜12内に均等に電荷を注入することが可能である。これにより、同一トランジスタ内での電荷注入動作等のばらつきを抑えることができ、電荷保持特性を高めることが可能である。
次に、図4、図6〜図13を用いて本実施形態の製造方法を概略的に説明する。
図6〜図13は、本実施形態の半導体装置の基本的な製造工程を模式的に示したチャネル幅方向に沿った断面図である。
まず、図6に示すように、素子形成領域を有する半導体基板100上に、素子分離領域形成用のマスク膜16を形成する。このマスク膜16は、例えば、酸化膜と窒化膜の積層構造である。
次に、図7に示すように、マスク膜16上に図示せぬレジストを形成し、このレジストを図2に示す第1方向に延びる溝構造にパターニングする。このレジストを、エッチングマスクにしてRIE(Reactive Ion Etching)によりマスク膜16及び半導体基板10をエッチングし、レジストを除去することで、素子分離用の溝が形成される。その後、レジスト膜除去し、シリコン酸化膜を前記素子分離用の溝に埋め込んで、CMPで平坦にすることで、素子分離絶縁膜(素子分離領域)13が形成される。
次に、図8に示すように、マスク膜16を、エッチングして除去する。これにより、隣接する素子分離絶縁膜13の間には、素子分離絶縁膜13の側面、及び半導体基板100の上面からなる溝Pが形成される。
次に、図9に示すように、800〜1000℃の熱酸化法で溝Pの底部に露出した半導体基板100表面を酸化することにより、トンネル絶縁膜11となる膜厚2〜5nm程度のシリコン酸化膜を形成する。続いて、露出した領域(素子分離絶縁膜13の上面、溝Pの側面及びトンネル絶縁膜11の上面)に、例えばALD(Atomic Layer Deposition)を用いて電荷蓄積絶縁膜12シリコン窒化膜を形成する。ここで、電荷蓄積絶縁膜12の膜厚は、溝Pを埋め込まない膜厚T(4〜10nm程度)とする。なお、この電荷蓄積絶縁膜12は、素子分離絶縁膜13の上面、溝Pの側面及びトンネル絶縁膜11の上面に均等な膜厚を有するように形成される。
次に、図10に示すように、溝Pを埋め込むように犠牲膜17として例えばポリシリコン膜を電荷蓄積絶縁膜12上に形成する。
次に、図11に示すように、素子分離絶縁膜13の上面に形成された電荷蓄積絶縁膜12の表面が露出するまでポリシリコン膜をRIEによってエッチバックする。
次に、図12に示すように、ウェットエッチングやRIEを用いて、露出した電荷蓄積絶縁膜12をエッチングして一部を残す。このエッチングで電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚が、中央部の膜厚よりも薄くなるように加工する。例えば、電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚が、中央部の膜厚の半分程度になるように加工する。これにより、電荷蓄積絶縁膜の形状は、チャネル幅方向に平行な断面において中央部の上面が上方に突出し、端部の上面は中央部の上面に比べて低い形状となる。
より具体的には、犠牲膜17で覆われた部分の電荷蓄積絶縁膜12の膜厚はTのままであるが、犠牲膜17から露出した部分の電荷蓄積絶縁膜12の膜厚はTよりも薄くなる。また、膜厚がTの電荷蓄積絶縁膜12が溝Pの側面に形成された後、その溝P内に犠牲膜17が埋め込まれるため、犠牲膜17と溝Pの側面との距離(電荷蓄積絶縁膜12が犠牲膜17に覆われない部分)、つまり、犠牲膜17から露出する電荷蓄積絶縁膜12の幅はTとなる。その結果、電荷蓄積層12の端部は犠牲膜17と自己整合的に形成され、電荷蓄積絶縁膜12の両端部の幅がTとなり、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の幅はW−2Tとなる。なお、ここでWは図2に示す幅S2とほぼ同じ幅になる。
なお、ウェットエッチングの薬液としては、リン酸またはフッ酸を用いることができる。また、RIEのガスとしては、CH2F2やCHF3等を用いることができる。
次に、図13に示すように、犠牲膜17を剥離した後、フッ酸等の薬液を用いたウェットエッチング、またはRIEによって素子分離絶縁膜13をエッチバックして、素子分離絶縁膜13の上面を後退させる。このときチャネル幅方向に平行な断面において素子分離絶縁膜13の上面が、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の上面よりも低く、且つ電荷蓄積絶縁膜12の端部の上面よりも高くなるまでエッチバックする。
次に、図4に示すように、電荷蓄積絶縁膜12の残った部分上と上面を後退させた素子分離絶縁膜13上と、に均等な膜厚を有するブロック絶縁膜14として膜厚が4nm以上のアルミナ等の高誘電体絶縁膜が形成される。続いて、制御ゲート電極15として、TaNなどのメタル膜15aと、メタル膜15a上にポリシリコン膜15bとが形成される。
その後、周知の工程、つまり配線(図示せず)等を形成する工程を経て、半導体装置が得られる。
ここで、RIEによって電荷蓄積絶縁膜12の側面を加工すると、加工された領域の膜質が劣化してしまうことがある。その結果、膜質が劣化した領域では、電荷が正確に保持されなくなる。一方、上記実施形態によれば、素子分離絶縁膜13を形成した後に電荷蓄積絶縁膜12を形成する。その後、図12の工程によって、電荷蓄積絶縁膜12の不要部分を除去している。このため、最終的に残った電荷蓄積絶縁膜12と素子分離絶縁膜13との境界領域はドライエッチング等による加工が行われない。その結果、電荷蓄積絶縁膜12の素子分離絶縁膜13との境界領域はドライエッチングによるダメージを受けず、電荷保持特性の劣化を抑制することが可能である。
また、素子分離絶縁膜13のエッチバック時に露出された電荷蓄積絶縁膜12の側面に入るダメージにより、露出された電荷蓄積絶縁膜12の側面の膜質が劣化してしまうことがある。一方、上記実施形態によれば、電荷蓄積絶縁膜12の不要部分を除去後に素子分離絶縁膜13の上面を電荷蓄積絶縁膜12の端部の上面よりも高くなるまでエッチバックする。すなわち、素子分離絶縁膜13のエッチバック時に露出された電荷蓄積絶縁膜12の側面に入るダメージは入らない。その結果、さらに電荷保持特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、電荷蓄積絶縁膜12の端部は、犠牲膜17と自己整合的に形成され、それぞれのメモリセルにおける電荷蓄積絶縁膜12の端部の幅のばらつきは小さい。その結果、電荷保持特性のばらつきを小さくすることができる。
また、上記実施形態によれば、絶縁膜である電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚は中央部に比べて薄い。このため、端部での電界の低下を抑制することができる。その結果、電荷蓄積絶縁膜12への印加電界の均一化をはかることができ、電荷蓄積絶縁膜12内に均等に電荷を注入することが可能である。これにより、特性に優れた半導体装置を形成することが可能である。
なお、上述した実施形態では、犠牲膜17をポリシリコンで形成している。しかし、犠牲膜17としてシリコン酸化膜を形成した場合、図13の工程において、犠牲膜17と素子分離絶縁膜13とのエッチング選択比を大きくすることができない。これにより、犠牲膜17の剥離と同時に素子分離絶縁膜13も除去されてしまう可能性がある。このため、犠牲膜17としてシリコン酸化膜を形成する場合は、図13の工程で素子分離絶縁膜13の上面が電荷蓄積絶縁膜12の中央部の上面よりも低く、且つ電荷蓄積絶縁膜12の端部の上面よりも高くなるように予め素子分離絶縁膜13と半導体基板100との高さ(溝Pの深さ)を調整しておくことが好ましい。
(変形例)
次に、図14及び図15を用いて、上述した実施形態の変形例を概略的に説明する。
次に、図14及び図15を用いて、上述した実施形態の変形例を概略的に説明する。
上述した実施形態では、電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚は、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の膜厚よりも薄いという形状を説明した。本変形例では、電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚は、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の膜厚よりも厚いという形状を説明する。なお、基本的な構造及び、基本的な製造方法は、上述した実施形態と同様である。したがって、上述した実施形態で説明した事項及び上述した実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
図14は、実施形態の変形例に係る半導体装置の基本的な構成を模式的に示すチャネル幅方向に沿った断面図であり、図15は、実施形態の変形例に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示すチャネル幅方向に沿った断面図である。
図14に示すように、電荷蓄積絶縁膜12は、チャネル幅方向に平行な断面において端部の上面が上方に突出し、端部の上面は中央部の上面に比べて高い形状(凹型)である。つまり、電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚は、電荷蓄積絶縁膜12の中央部の膜厚よりも厚い。
次に、実施形態の変形例に係る半導体装置の基本的な製造方法を概略的に説明する。
まず、図6〜図11に示した工程を行う。続いて、ウェットエッチングやRIEを用いて、電荷蓄積絶縁膜12の端部の膜厚が、中央部の膜厚よりも厚くなるように加工する。具体的には、図12に示した工程において、ウェットエッチングやRIEを用いて、露出した電荷蓄積絶縁膜12をエッチングする条件を変更する。すなわち、犠牲膜17から露出した電荷蓄積絶縁膜12の上面を犠牲膜17の下面より高くする。これにより、図15に示すように、電荷蓄積絶縁膜12の形状は、チャネル幅方向に平行な断面において端部の上面が上方に突出し、端部の上面は中央部の上面に比べて高い形状となる。
次に、図14に示すように、犠牲膜17を剥離し、フッ酸等の薬液を用いたウェットエッチング、またはRIEによって素子分離絶縁膜13をエッチバックする。このとき、チャネル幅方向に平行な断面において素子分離絶縁膜13の上面が、電荷蓄積絶縁膜12の端部の上面以下、且つトンネル絶縁膜11の上面よりも高くなるまでエッチバックする。
続いて、均等な膜厚を有するブロック絶縁膜14として膜厚が4nm以上のアルミナ等の高誘電体絶縁膜が形成される。その後、制御ゲート電極15として、TaNなどのメタル膜15aと、メタル膜15a上にポリシリコン膜15bとが形成される。
その後、周知の工程、つまり配線(図示せず)等を形成する工程を経て、半導体装置が得られる。
上述した変形例においても、上述した実施形態と同様に、最終的に残った電荷蓄積絶縁膜12と素子分離絶縁膜13との境界領域はドライエッチング等による加工が行われない。このため、上述した実施形態と同様に、電荷蓄積絶縁膜12の素子分離絶縁膜13との境界領域はドライエッチングによるダメージを受けない。その結果、電荷保持特性の劣化を抑制することが可能である。
なお、上述した実施形態及び変形例では、電荷蓄積絶縁膜12の形状として、チャネル幅方向に平行な断面において中央部の上面が上方に突出し、端部の上面は中央部の上面に比べて低い形状と、チャネル幅方向において端部の上面が上方に突出し、端部の上面は中央部の上面に比べて高い形状とを説明した。
しかし、図6〜図11の工程、つまり、電荷蓄積絶縁膜12の最終的に残る部分と素子分離絶縁膜13との境界面をドライエッチングで加工しない工程を経る半導体装置の製造方法であれば、電荷蓄積絶縁膜12の形状はどのようなものであっても、上述した実施形態の効果を得ることが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出される。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば、発明として抽出され得る。
11…トンネル絶縁膜、 12…電荷蓄積絶縁膜、 13…素子分離絶縁膜、 14…ブロック絶縁膜、 15…制御ゲート電極、 16…マスク膜、
17…犠牲膜、 100…半導体基板
17…犠牲膜、 100…半導体基板
Claims (5)
- 半導体基板に設けられた素子形成領域と、前記素子形成領域上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積絶縁膜と、前記電荷蓄積絶縁膜上に形成されたブロック絶縁膜と、前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、を備えたメモリセルトランジスタと、
前記メモリセルトランジスタに隣接して形成された素子分離領域と、
を具備し、
前記メモリセルトランジスタのチャネル幅方向に平行な断面において、前記電荷蓄積絶縁膜の端部の膜厚は、前記電荷蓄積絶縁膜の中央部の膜厚よりも薄いことを特徴とする半導体装置。 - 前記電荷蓄積絶縁膜は、側面が前記素子分離領域に接する下層部と、側面が前記ブロック絶縁膜に接する上層部とを有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記素子分離領域の上面の位置は、前記電荷蓄積絶縁膜の上層部の上面より低く、前記電荷蓄積絶縁膜の下層部の上面よりも高いことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
- 半導体基板上にマスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜をマスクとして用いて前記半導体基板をエッチングして第1の溝を形成する工程と、
前記第1の溝内に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記マスク膜を除去し、隣接する前記素子分離絶縁膜の間に第2の溝を形成する工程と、
前記第2の溝の底部に露出した前記半導体基板の表面領域にトンネル絶縁膜を形成する工程と、
前記素子分離絶縁膜の上面、前記第2の溝の側面、及び前記トンネル絶縁膜の上面に電荷蓄積絶縁膜を形成する工程と、
前記電荷蓄積絶縁膜が形成された前記第2の溝内に犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜をマスクとして前記電荷蓄積絶縁膜の一部をエッチングし、一部を残す工程と、
前記犠牲膜を除去する工程と、
前記犠牲膜を除去する最中またはその後に、前記素子分離領域の上面を後退させる工程と、
前記上面が後退した素子分離絶縁膜上、及び前記電荷蓄積絶縁膜の残った部分上にブロック絶縁膜を形成する工程と、
前記ブロック絶縁膜上に制御ゲート電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記電荷蓄積絶縁膜の残った部分の端部の膜厚は、前記電荷蓄積絶縁膜の残った部分の中央部の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
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JP2009182692A JP2011035319A (ja) | 2009-08-05 | 2009-08-05 | 半導体装置及びその製造方法 |
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