JP2011034333A - 車両用運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路側通信機の情報を乗員へ報知可能な車両用運転支援装置において、自車両と移動体の接近度と情報の劣化度とを乗員に対して報知でき、情報の劣化度に応じた接近度を報知可能な車両用運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転支援装置は、路上の移動体を検出可能な路側ユニットから自車両前方の移動体に関する情報を受信し、この移動体の情報を乗員へ報知するように構成されている。存在領域算出部16は、移動体を検出した場合、移動体が交差点に到達するまでの期間推定するように構成され、移動体を撮像した時点からの経過時間に起因した情報の曖昧さを移動体の存在領域の算出に反映している。
【選択図】図6

Description

本発明は、路上に設置された路側通信機の情報に基づいて移動体の近接状態を報知可能な車両用運転支援装置に関し、特に、受信した情報の劣化度に応じて乗員に対する報知形態を変更可能な車両用運転支援装置に関する。
従来、車両の警報装置では、GPS受信機やセンサ等から取得した自車両位置情報を含む自車両データと車載通信部によって受信した他車両位置情報を含む他車両データに基づいて、自車両と他車両の接近度を演算し、両者の接近度が高いとき、表示装置や音声装置等の報知手段を利用して乗員へ警告するものは知られている(特許文献1)。
他車両との間で自車両データの送信及び他車両データの受信、所謂車車間通信を行い、他車両データに対して自車両位置情報の更新毎に間欠的に自車両と他車両との近接状態を演算・判定し、接近度が高いとき、運転支援や警報機を作動する走行支援装置も知られている。この走行支援装置では、車両間データの通信周期が自車両位置情報の更新周期より短い場合でも、車両間の近接状態を正確に判定することができる(特許文献2)。
近年、車両対車両の通信、所謂車車間通信だけでなく、路上側から移動体情報を車両へ伝達する運転支援システムのインフラ整備が行われている。例えば、自転車等との衝突防止を目的として、交差点領域を移動する移動体を検出可能な可視カメラ等の移動体センサと、交差点の手前に路側通信機を設け、交差点に進入する車両に対して路側通信機から移動体の接近状態を知らせる、所謂路車間通信による自転車衝突防止システム等の整備が進められている。路車間通信において、交差点等に関わる固定情報や位置標定が可能な情報の伝達には近赤外線を用いた光ビーコンや動的情報の通信速度に優れたDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信システム)等が使用されている。
特開2004−326149号公報 特開2006−309663号公報
特許文献1の警報装置では、自車両と他車両の接近距離(接近度)を演算しているものの、取得した情報の経過時間に基づく劣化について一切考慮されておらず、受信した信号が更新されるまでの間、直近最後に受信した情報が演算に用いられている。それ故、情報の更新周期が長い場合、更新するまでの他車両の移動が考慮されず、表示された演算結果と実際に他車両が存在する位置とが乖離する虞がある。
特許文献2の走行支援装置では、車両間の通信周期と自車両位置情報の更新周期が異なる場合、演算によって自車両位置を推測し、車両間の接近距離を更新している。しかし、車両データの受信周期が長い場合、演算結果と実際に他車両が存在する位置とが異なり、前記特許文献1と同様の課題が存在している。
通信速度に優れたDSRCの配置が検討されているものの、全ての交差点に普及するまでには時間を要し、それまでの間、光ビーコンが設置されている交差点とDSRCが設置されている交差点とが混在する状況が予想される。光ビーコンは、車載機と双方向通信可能であり、高速且つ大容量のデータが通信可能であり、低速から高速までの広い範囲の移動体を検出可能であることから路側通信機として有用性が高い。しかし、移動体情報を1回しか走行車両に送信できないという規格上の制限がある。つまり、交差点に進入する車両は、交差点の手前で路側通信機から移動体情報を受信しても、その後、移動体情報の更新が行われないため、受信後、乗員は移動体の位置を推定する必要が生じ、自車両と移動体との位置関係を誤判断するという虞がある。
また、路側通信機側センサによる移動体の検出から車両側へ情報を送信するまで、処理時間が、例えば、約2秒程度必要であるため、車両の車載機が情報を受信した時点であっても、乗員に表示される移動体位置と実際の移動体位置とに差異を生じている。つまり、乗員は路側通信機側の処理時間と車両が交差点に進入するまでの走行時間とを予め考慮して、路側通信機からの移動体情報を判断する必要がある。
本発明の目的は、路側通信機の情報を乗員へ報知可能な車両用運転支援装置において、自車両と移動体の接近度と情報の劣化度とを乗員に対して報知でき、情報の劣化度に応じた接近度を報知可能な車両用運転支援装置を提供することである。
請求項1の車両用運転支援装置は、路上の移動体を検出可能な路側通信機から自車両前方の移動体に関する情報を受信すると共にこの移動体の情報を乗員へ報知可能な車両用運転支援装置において、前記路側通信機からの情報を受信可能な車載通信手段と、自車両位置を検出可能な位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出された自車両位置と前記移動体との接近度を演算する接近度演算手段と、受信した情報の劣化度を演算する劣化度演算手段と、乗員に対して前記移動体の位置情報を報知可能な報知手段と、前記接近度演算手段によって演算された接近度と前記劣化度演算手段によって演算された劣化度に応じて前記報知手段の報知形態を変更する報知形態変更手段を備えたことを特徴としている。
請求項1の発明では、劣化度演算手段が受信した情報の劣化度を演算するため、路側通信機からの情報の劣化度を判定することができ、接近度の報知形態を情報の劣化度に応じて変更することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記路側通信機は、交差点に設置された通信システムであり、前記報知形態変更手段は、前記通信システムから受信する情報の劣化度に応じて報知音または報知表示色を変更することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記通信システムは、情報更新周期が異なる複数種類の通信システムを含み、前記報知形態変更手段は、前記情報を送信した通信システムが前回情報を送信した通信システムと異なるとき、乗員へ通信システム変更を報知することを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記通信システムは、第1周期で情報を発信する第1通信システムと第1周期よりも周期の短い第2周期で情報信号を発信する第2通信システムから構成され、前記報知形態変更手段は、前記第2通信システムから前記情報受信後に第1通信システムから前記情報を受信したとき、乗員へ通信システム変更を報知することを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記報知手段は、前記移動体の位置情報を表示可能なモニタを備え、前記報知形態変更手段は、前記通信システム変更の報知を乗員の連続的なモニタ視認時間に基づいて行うことを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項2の発明において、前記接近度演算手段は、前記情報受信後の経過時間を加味した前記移動体の存在位置の確率分布を推定し、自車両位置との接近度を演算することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記接近度演算手段は、前記移動体の走行環境状態に基づいて確率分布の推定を行うことを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記報知形態変更手段は、確率分布の広がりを報知可能に構成されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、路側通信機の情報を乗員へ報知可能な車両用運転支援装置において、自車両と移動体の接近度と路側通信機の情報の劣化度とを乗員に対して報知でき、劣化度に応じた接近度を識別可能に報知することができる。従って、路側通信機の情報の更新周期が長い場合でも、演算された接近度と移動体の実際の位置との乖離を最小限にすることができ、乗員に対して受信情報の劣化度を認識させることができる。しかも、光ビーコンのように、移動体情報を1回しか走行車両に送信しない路側通信機であっても、乗員が自車両と移動体との位置関係を誤判断することを防止することができ、安全性を確保することができる。
請求項2の発明によれば、自車両と移動体の接近度と路側通信機の情報の劣化度とを乗員に対して認識させることができる。
請求項3の発明によれば、乗員に対する注意を喚起でき、通信システムの変更を乗員に認識させることができる。
請求項4の発明によれば、通過する交差点毎に設置される通信システムが、情報更新の速い通信システムの設置された交差点から情報更新の遅い通信システムの設置された交差点へ変更となるとき、乗員へ、これまで通過してきた交差点の通信システムによる移動体情報よりも情報が劣化し実際の位置と乖離する可能性があることを早期に報知することができる。
請求項5の発明によれば、乗員への通信システム変更の報知を、連続的なモニタ視認時間に基づいて行うため、不要な報知を行うことなく、乗員がモニタ表示に基づいて勘違いする可能性のある状況で確実に通信システム変更を乗員に認識させることができる。
請求項6の発明によれば、乗員が情報の劣化度を確率分布によって視認することができ、この確率分布によって移動体の接近度を認識することができる。
請求項7の発明によれば、移動体の接近度を精度よく演算することができる。
請求項8の発明によれば、視認性を高め、乗員による移動体の接近度の認識性を高めることができる。
本発明の実施例1に係る路側システムの説明図である。 路側ユニットの機能ブロック図である。 光ビーコン送信機から送信される情報の説明図である。 路側ユニットの送信処理のフローチャートである。 運転支援装置の全体概略図である。 運転支援装置の機能ブロック図である。 移動体の存在領域推定に係る確率分布関数の説明図であって、(a)は検出された時点の移動体の速度、(b)は所定時間経過後の移動体の速度、(c)は更に所定時間経過後の移動体の速度である。 移動体の存在領域推定に係る確率分布関数の説明図であって、(a)は検出された時点の移動体の位置、(b)は所定時間経過後の移動体の位置、(c)は更に所定時間経過後の移動体の位置である。 移動体の存在領域推定に係る確率分布関数の説明図であって、(a)は加速側分散を減少し減速側分散を増加したときの確率分布形状、(b)は速度変化の平均値を減速側に移行したときの確率分布形状である。 運転支援装置の表示画面の説明図であって、(a)は検出された時点の移動体を表示する画面、(b)は所定時間経過後の移動体を表示する画面、(c)は更に所定時間経過後の移動体を表示する画面である。 運転支援装置の受信処理のフローチャートである。 受信処理における移動体表示用データ作成処理のフローチャートである。 受信処理におけるシステム誤解判定処理のフローチャートである。 実施例2に係る受信処理におけるシステム誤解判定処理のフローチャートである。 実施例3に係る運転支援装置の表示画面の説明図であって、(a)は検出された時点の移動体を表示する画面、(b)は所定時間経過後の移動体を表示する画面である。 実施例4に係る運転支援装置の表示画面の説明図である。 実施例5に係る運転支援装置の表示画面の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
以下、この発明の実施例1について、図1〜図13に基づいて説明する。
最初に、本発明の前提となる路側システムSについて、図1〜図4に基づいて説明する。路側システムSは、路側通信機と車両との路車間通信システムの一形態である。
図1に示すように、路側システムSは、交差点Cにおいて自車両走行車線を横断する可能性のある移動体B、例えば、自転車、二輪車、歩行者等を検出可能な路側センサ30と、交差点手前において車両Vへ光ビーコンを送信可能な第1路側ユニット31と、第1路側ユニット31よりも交差点Cに接近して配置された第2路側ユニット32等を備えている。尚、光ビーコンは、所定周波数帯域(アップリンク64kbps、ダウンリンク1.024Mbps)の近赤外線光を使用している。
路側センサ30は、遠赤外線カメラ等から構成されており、撮像画像を画像処理後、各路側ユニット31,32へ出力している。撮像手段は、遠赤外線カメラに限られるものではなく、ミリ波レーダや可視カメラ等移動体Bを所定距離離れて撮像可能であれば、既知の撮像手段を適宜選択可能である。
第1路側ユニット31は、交差点Cの停止位置から所定距離L1、例えば、100m手前に設置されている。第1路側ユニット31は、車両Vが送信エリアA1を通過した場合、車両Vに対して一時停止情報等を送信するように構成されている。
第2路側ユニット32は、交差点の停止位置から所定距離L2、例えば、5m手前に設置されている。第2路側ユニット32は、車両Vが送信エリアA1よりも交差点に近い送信エリアA2を通過した場合、車両Vに対して交差点側の移動体B、例えば、近接する自転車や歩行者の情報を送信するように構成されている。
第1路側ユニット31と第2路側ユニット32は、同じ構成のため、代表して第2路側ユニット32について説明する。
図2に示すように、第2路側ユニット32は、画像記憶部33と、遅延時間算出部34と、位置判定部35と、移動速度判定部36と、記憶部37と、送信データ作成部38と、光ビーコン送信機39等から構成されている。光ビーコン送信機39は、近赤外線光によって第2路側ユニット32によって作成された情報を車両Vへ送信可能に構成されている。
画像記憶部33は、路側センサ30から出力された撮像画像を記憶可能に構成されている。画像記憶部33では、パターンマッチング等により移動体Bを検出する移動体検出処理を行うように構成されている。遅延時間算出部34は、路側センサ30が撮像した移動体Bの情報を得た時点から情報を車両Vへ送信する時点までの処理時間(遅延時間)を算出するように構成されている。
位置判定部35は、路側センサ30から出力された撮像画像に基づいて、移動体Bの現在位置を判定するように構成されている。移動速度判定部36は、移動体Bの現時点における移動速度を判定するように構成されている。移動速度は、画像記憶部33に記憶された移動体Bの位置と所定時間経過後の移動体Bの位置から移動体速度を演算している。
記憶部37は、第2路側ユニット32が設置された交差点の固有情報(走行環境状態)を記憶している。固有情報は、以下の情報等から構成されている。
(1)交差点位置情報(緯度・経度)
(2)道路形状情報
(3)路側ユニット位置情報(緯度・経度)
(4)支援システム情報
道路形状情報は、移動体Bが移動している道路幅(例えば、歩行者や自転車では、歩道幅)、道路の勾配等の情報を含むように構成されている。支援システム情報は、路側ユニット32が設置された交差点Cの路側システムSが使用する通信種別、つまり、送信される情報が光ビーコンかDSRCかについての識別データが格納されている。
送信データ作成部38は、第2路側ユニット32で作成された情報を所定の通信フォーマットに変換して光ビーコン送信機39から車両Vへ送信するよう構成されている。
図3に示すように、第1路側ユニット31から送信される情報D1は、位置データと交差点データから構成されている。位置データは、路側ユニット位置情報(緯度・経度)等から形成されている。交差点データは、交差点位置情報(緯度・経度)、道路形状情報、支援システム情報等から形成されている。尚、移動体Bの移動方向側に信号機が存在する場合、交差点データは信号機の信号点灯状態(信号色)を格納するように形成されている。
第2路側ユニット32から送信される情報D2は、移動体データと遅延時間データから構成されている。移動体データは、移動体Bの現在位置、移動方向、移動速度等から形成されている。遅延時間データは、遅延時間算出部34によって算出された遅延時間等から形成されている。
次に、路側ユニット32の送信処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。尚、Si(i=1,2…)は各ステップを示す。
S1にて、路側ユニット32は路側センサ30から移動体Bを含む周囲の撮像画像を入力する。移動体Bを含む周囲の画像情報は画像記憶部33に一旦記憶され(S2)、移動体検出処理によって移動体Bを検出し、移動体Bを識別している(S3)。
移動体Bの検出後、移動体Bの位置、移動方向、移動速度を判定する(S4)。次に、記憶部37から交差点の各種固有情報を読込む(S5)。交差点の固有情報は、交差点位置情報、道路形状情報、路側ユニット位置情報、支援システム情報等である。
移動体Bの情報及び交差点の各種固有情報から送信用情報を作成し(S6)、光ビーコンによって情報を車両Vへ送信する(S7)。車両Vが送信エリアA1を通過したとき、第1路側ユニット31から、位置データと交差点データを含む情報D1が車両Vへ送信され、車両Vが送信エリアA2を通過したとき、第2路側ユニット32から、移動体データと遅延時間データを含む情報D2が車両Vへ送信される。
次に、車両用運転支援装置1について、図5〜図13に基づいて説明する。
図5に示すように、車両用運転支援装置1は、車両Vの走行速度を検出可能な車速センサ2と、車両Vに作用する角速度を検出可能な角速度センサ3と、乗員の視線方向を検出可能な視線センサ4と、光ビーコンを受信可能な光ビーコン受信機5と、GPS手段6(Global Positioning System)と、インスツルメントパネルに配置された表示手段7と、スピーカやブザー等を含む音声手段8と、車両用運転支援装置1のコントロールユニット9と、5.8GHz帯DSRC信号を受信可能なDSRC受信機(図示略)等を備えている。尚、音声手段8は、スピーカ6とブザー7のうち少なくとも1つを残して省略可能である。
視線センサ4は、例えば、車両Vのステアリングのコラム上面に設置された室内カメラによって形成されている。視線センサ4は、乗員の顔を撮像し、その画像情報をコントロールユニット9に出力している。視線センサ4は、乗員による連続的な表示手段7の視認時間を検出するため、例えば、乗員の顔向きが左方20度より大きく且つ40度未満の姿勢であって、この姿勢の連続継続時間を検出可能に構成されている。
光ビーコン受信機5は、道路上に設けられた光ビーコン送信機39から送信された情報D1,D2(以下、情報Dという)を受信し、各種情報を取得することができるよう構成されている。光ビーコン受信機5は、フォトダイオードを備えており、光ビーコン送信機39から照射された近赤外線光を受光し、受光した光を電気信号に変換して、コントロールユニット9に出力している。尚、光ビーコンと5.8GHz帯DSRC信号を重畳伝送可能に構成し、これらの信号を周波数帯域毎に分離可能な分離手段を設けることによって、光ビーコン受信機5とDSRC受信機を兼用することも可能である。
GPS手段6は、車両Vの現在走行位置を検出するよう構成されている。このGPS手段7は、例えば、人工衛星や地磁気を利用して位置を検出するもの、車速と舵角との関係から車両Vの走行位置を追跡して現在走行位置を検出するもの等、既知の位置検出手段を適宜選択可能である。
表示手段7は、ナビゲーション機能を備え、車両Vが走行する走行車線に関する交差点等の地図データをモニタに表示可能に構成されている。この表示手段7は、GPS手段7を介して地図データを入手することで車両Vのメモリに蓄積するもの、地図データが予め記憶された記憶媒体を用いるもの等、既知のナビゲーションシステムを適宜選択可能である。
図6に示すように、コントロールユニット9は、光ビーコン受信部10と、データ解析部11と、移動体位置判定部12と、経過時間判定部13と、環境判定部14と、支援システム判定部15と、存在領域算出部16と、接近時間算出部17と、車両位置検出部18と、移動体表示用データ作成部19と、システム誤解判定部20と、システム表示用データ作成部21と、記憶部(図示略)等を備えている。
光ビーコン受信部10は、光ビーコン受信機5によって受信した光ビーコンに対して波形整形やレベル変換を行う光ビーコン回路等から構成されている。この光ビーコン回路は、所定の周波数帯域(アップリンク64kbps、ダウンリンク1.024Mbps)の光ビーコンに格納されたデータを夫々分離し、光ビーコンに格納された情報を抽出可能に構成されている。
データ解析部11は、抽出された情報を解析し、後述する各判定部に出力する。データ解析部11は、受信した情報Dを解析し、以下の4種類のデータに分類している。
(1)移動体データ
(2)遅延時間データ
(3)位置データ
(4)交差点データ
移動体位置判定部12は、受信した移動体データに基づき移動体Bの現在位置、移動方向、移動速度を判定している。経過時間判定部13(劣化度演算手段)は、受信した遅延時間データと、情報Dを受信機5が受信してからの経過時間とを合計して総経過時間を判定している。環境判定部14は、受信した位置データと交差点データに基づき交差点位置と道路形状情報を判定している。支援システム判定部15は、受信した交差点データに基づいて支援システム情報、つまり、路側システムSの通信種別が光ビーコンかDSRCかについて判定している。
存在領域算出部16は、車両Vと移動体Bの接近度を算出するため、移動体Bが存在する可能性の有る領域を算出している。尚、本実施例における接近度の定義は、車両Vと移動体Bが存在する可能性のある領域との相対位置と定義している。
移動体Bは、路側センサ30によって撮像された時点から時間経過に伴って移動速度vが変化している。そして、光ビーコンによる路側システムSでは、規格上、情報を送信した後、移動体Bの移動速度vの更新情報は送信されない。そこで、存在領域算出部16は、移動体Bの移動速度vを次数式(1)に示す速度の確率分布関数p(v)を用いて、移動体Bが存在する領域を推定するよう構成されている。
移動体Bの移動速度vが一定の場合について、図7に基づき説明する。
図7(a)に示すように、路側センサ30が移動体Bを検出したとき(t=0)の移動体Bの移動速度は、受信した移動体データに格納されている移動速度v0と見做すことができる。次に、t=1のとき、図7(b)に示すように、関数p(v)は、頂点Tvに対して左右対称の正規分布形状になる。更に、t=2のとき、図7(c)に示すように、関数p(v)は、図7(b)と比べて頂点Tvが低くなると共に、裾領域が広がり、曖昧さが増している。つまり、関数p(v)は、経過時間tが増す程、曖昧さが増加するような所定の分散傾向を備えた正規分布の確率分布関数として表すことができる。そこで、存在領域算出部16では、関数p(v)を単位時間当たりの速度変化の平均値を零、分散σの正規分布関数とした次数式(2)のように設定している。
移動体Bの位置の確率分布関数p(l)は、関数p(v)を積分した次数式(3)で表すことができる。
図8(a)に示すように、路側センサ30が移動体Bを検出したとき(t=0)の移動体Bの移動位置は距離lと見做すことができる。次に、t=1のとき、図8(b)に示すように、関数p(l)は、頂点Tlに対して左右対称の正規分布形状になる。更に、t=2のとき、図8(c)に示すように、関数p(l)は、図8(b)と比べて頂点Tlが低くなると共に、裾領域が広がり、曖昧さが増している。つまり、関数p(l)は、関数p(v)と同様に、経過時間tが増す程、曖昧さが増加するような所定の分散傾向を備えた正規分布の確率分布関数に設定されている。
存在領域算出部16は、出会い頭自転車衝突防止を目的として、走行環境状態によって移動体Bの存在領域を変更している。環境判定部14は、受信した交差点データの道路形状情報(道路幅、道路の勾配)に基づいて、次数式(4)の分散値を加速側と減速側で異なる値を用いて関数p(v)を算出している。
自転車(移動体B)が交差点に向かって進行するとき、道路勾配が交差点に向かって上り坂、所謂登坂の場合、図9(a)に示すように、減速側の分散を大きくすると共に、加速側の分散を小さく設定している。そして、道路勾配が下り坂の場合、加速側の分散を大きくすると共に、減速側の分散を小さく設定している。尚、図において、速度vの正領域が加速側、負領域が減速側としている。
また、移動体Bの移動方向前方に歩行者が検出されたとき、移動体Bと歩行者の相対速度によって移動体Bの存在領域を変更している。移動体Bと歩行者の相対速度が所定速度よりも大きな場合、減速側の分散傾向を大きくすると共に、加速側の分散傾向を小さく設定している(図9(a)参照)。更に、移動体Bと歩行者の移動方向が逆向きの場合も、移動体Bが減速する可能性があるため、減速側の分散傾向を大きくすると共に、加速側の分散傾向を小さく設定している。尚、移動体Bの移動している道路幅、例えば、歩道幅が5m以上の場合、移動体Bが減速する可能性が小さいため、前述した存在領域の変更を制限している。
存在領域算出部16は、右折時衝突防止を目的として、走行環境状態によって移動体Bの存在領域を変更している。環境判定部14は、受信した交差点データの信号機の信号点灯状態(信号色)に基づいて、数(4)の速度変化の平均値を変更して関数p(l)を算出している。
対向する右折車両(移動体B)が右折待ちで停車している場合、移動体Bに対応した信号機が青色のとき、移動体Bは速度変化の平均値を零とした関数p(v)を算出している(図7(b)参照)。移動体Bに対応した信号機が赤色のとき、図9(b)に示すように、速度変化の平均値を減速側に移行させた分布形状になるように関数p(v)を算出し、移動体Bの存在領域を推定している。尚、図において、速度vの正領域が加速側、負領域が減速側としている。
以上の構成によって、存在領域算出部16は、移動体Bを検出した場合、移動体Bの存在領域を所定期間、例えば、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間推定するように構成されている。それ故、存在領域算出部16は、移動体Bを撮像した時点からの経過時間に起因した情報の曖昧さを移動体Bの存在領域の算出に反映することができる。つまり、情報Dの曖昧さを確率分布関数を用いて演算することによって、情報の劣化度を移動体Bの存在領域に反映させ、可視化するように構成している。
車両位置検出部18は、車速センサ2と、角速度センサ3と、GPS手段6からの出力を入力し、車両Vの現在の走行位置、進行方向及び進行速度を検出するように構成されている。
接近時間算出部17は、車両Vの位置情報と移動体Bの位置情報によって両者の接近時間、所謂接近度を演算するように構成されている。接近時間算出部17は、存在領域算出部16が算出した移動体Bの存在領域と車両位置検出部18の検出結果に基づいて、移動体Bが交差点Cに到達するまでの時間を算出するように構成されている。尚、移動体Bが交差点Cに到達するまでの時間に代えて、自車両Vが交差点Cに到達するまでの時間と移動体Bが交差点Cに到達するまでの時間の差を算出することも可能である。存在領域算出部16と接近時間算出部17が、本発明における接近度演算手段に相当している。
移動体表示用データ作成部19は、経過時間算出部13の算出結果と存在領域算出部16の算出結果と接近時間算出部17の算出結果とが入力され、情報の劣化度に応じて表示手段7の表示形態を変更する指令データを作成し、表示手段7に出力するように構成されている。
図10に示すように、表示手段7に表示された移動体Bは、解像度を表す表示単位yを複数組み合わせて構成した矢印表示Yによって表示されている。この矢印表示Yは、移動体Bの移動方向を指向している。算出された移動体Bの存在領域に応じて、これら表示単位yが識別可能に、例えば、色分けされて表示されている。尚、自車両Vは、モニタ上に三角形状にモデル化して表示されている。
図10(a)に示すように、移動体Bが検出されたとき(t=0)、移動体Bが位置lに存在するため(図8(a)参照)、位置lに応じた表示単位y1のみが他の表示単位yと識別して表示されている。
図10(b)に示すように、移動体Bの検出から時間が経過したとき(t=1)、移動体Bの存在領域に情報の劣化に伴う曖昧さが生じるため(図8(b)参照)、正規分布に応じた表示を行う。つまり、正規分布の頂点Tlに対応する表示単位y1と、表示単位y1の左右両側の表示単位y2の合計3つの表示単位が識別して表示されている。表示単位y1は表示単位y2に比べて彩度が高く表示されている。
図10(c)に示すように、移動体Bの検出から時間が更に経過したとき(t=2)、移動体Bの存在領域に情報の劣化に伴う曖昧さが増加するため(図8(c)参照)、正規分布に応じた表示を行う。つまり、正規分布の頂点Tlに対応する表示単位y1と、表示単位y1の左右両側の1対の表示単位y2と、これら表示単位y2の左右両側の1対の表示単位y3の合計5つの表示単位が識別して表示されている。表示単位y1は表示単位y2に比べて彩度が高く、表示単位y2は表示単位y3に比べて彩度が高く表示されている。
このようにして、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間について、存在領域の表示用データを作成している。
表示手段7は、移動体Bの存在領域を表示するにあたり、存在領域に応じた表示単位yの色相、彩度、大きさ等を変更して表示形態を変更可能に構成されている。例えば、色相により接近度を表示し、彩度により劣化度を表示することも可能である。つまり、接近度が高いとき、赤色、接近度が低いとき、黄色によって表示すると共に、劣化度が高いとき、純色、劣化度が低いとき、無彩色によって表示するように構成されている。
表示形態の変更周期は、路側センサ30からの情報送信周期や光ビーコン5の受信時期と分離して独立作動可能に構成されており、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間の存在領域が所定周期によってモニタに表示されるように構成されている。
システム誤解判定部20は、前回情報を受信した路側システムSがDSRCであり、今回情報を受信した路側システムSが光ビーコンの場合、乗員に対して警報を出力するように構成されている。DSRCの路側システムSは動的情報の通信速度に優れ、短周期の情報を車両Vに対して送信するため、乗員は受信情報に基づいて危険予知を行うことができる。一方、車両VがDSRCの路側システムSの通過後、光ビーコンの路側システムSを走行する場合、乗員が、前回同様、DSRCの路側システムSと誤解する可能性がある。 そこで、システム誤解判定部20は、前回情報を受信した路側システムSがDSRCであり且つ今回情報を受信した路側システムSが光ビーコンか否か判定するように構成されている。
システム表示用データ作成部21は、システム誤解判定部20において、前回情報を受信した路側システムSがDSRCであり且つ今回情報を受信した路側システムSが光ビーコンと判定された場合、表示手段7と音声手段8によって乗員に対して警報可能な指令データを作成し、表示手段7と音声手段8に出力するように構成されている。
音声手段8は、移動体Bの存在領域を報知するにあたり、存在領域に応じた音を発生可能に構成されている。例えば、周波数により接近度を表し、音量により劣化度を表すように構成されている。つまり、移動体Bの接近度が高いとき、高周波数、移動体Bの接近度が低いとき、低周波数によって報知すると共に、情報Dの劣化度が高いとき、大音量、情報の劣化度が低いとき、低音量によって報知することができる。
次に、運転支援装置1の受信処理について、図11のフローチャートに基づき説明する。尚、Si(i=11,12…)は各ステップを示す。
まず、S11にて、各センサからの入力情報を処理する。次に、光ビーコン受信機5が受信した情報の受信処理を行い(S12)、S13に移行する。
S13にて、光ビーコンの情報Dを受信したか否か判定を行う。S13の判定の結果、光ビーコンからの情報Dを受信した場合、移動体Bを検出したか否か判定を行う(S14)。S14の判定の結果、移動体Bを検出した場合、移動体位置の算出処理を行う(S15)。移動体位置は、移動体データと式(3)によって算出している。
次に、移動体Bの表示用データを作成する(S16)。表示用データは、移動体Bの存在領域に応じて表示単位yの色相、彩度、大きさ等を変更するように表示形態を変更している。尚、表示単位yを2色表示可能にすることで、移動体表示用データ作成処理について、省略することも可能である。
S16における移動体表示用データ作成処理について、図12のフローチャートに基づき説明する。
まず、S31にて、移動体Bが交差点Cに到達するまでの時間を算出する。このとき、移動体Bの存在領域が劣化度(曖昧さ)を含む場合、存在領域の境界部が交差点Cに到達するまでの時間を算出している。
次に、移動体Bを検出してからの経過時間を算出する(S32)。この経過時間は、路側センサ30が移動体Bを検出してから光ビーコン送信機39から送信するまでの時間を算出している。尚、光ビーコン受信機5が情報Dを受信してから表示手段7に表示するまでの時間を経過時間として使用することも可能であり、光ビーコン送信機39から車両Vへ送信するまでの時間と受信してからモニタ表示するまでの時間の合計時間を総経過時間として使用することも可能である。
次に、移動体Bの表示色を作成して(S33)、リターンする。移動体Bの接近度が高いとき、赤色、接近度が低いとき、黄色によって表示すると共に、情報の劣化度が高いとき、純色、劣化度が低いとき、無彩色によって表示している。
移動体表示用データ作成処理後、前回情報を受信した路側システムSがDSRCであり、今回情報を受信した路側システムSが光ビーコンの場合、乗員に対して警報を出力するため、システム誤解判別判定処理を行う(S17)。
S17におけるシステム誤解判別判定処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。まず、S41にて、現在走行している交差点Cの路側システムSの情報Dを受信し、コントロールユニット9のメモリに記憶する。S42にて、現在走行している交差点Cの路側システムSの情報Dが光ビーコンか否か判定する。S42の判定の結果、光ビーコンの場合、S43に移行し、前回走行した交差点の路側システムSの情報をメモリから読み出す。S44にて、前回受信した情報がDSRCで且つ今回受信した情報Dが光ビーコンか否か判定する。S44の判定の結果、Yesの場合、S45に移行し、誤解警報を出力してリターンする。
S42の判定の結果、現在走行している交差点のシステムの情報Dが光ビーコンではない場合、及びS44の判定の結果、Noの場合はリターンする。尚、誤解警報は、音声手段8によるワーニングでも良く、また、図10に示すように、モニタ上における“光ビーコン!”のような警報表示であっても良い。
システム誤解判別判定処理後、移動体Bの存在領域を表示手段7に表示する表示処理を行う(S18)。移動体Bの存在領域を表示するにあたり、存在領域に応じた表示単位yの色相、彩度、大きさ等を変更して表示している。移動体Bの存在領域は所定周期によってモニタに表示されている。S18の終了後、S11にリターンする。
S14の判定の結果、路側センサ30によって移動体Bを検出しない場合、表示手段7に表示されている移動体Bの表示を消去するよう移動体表示消去処理を行い(S19)、S16に移行する。
S13の判定の結果、光ビーコンからの情報Dを受信しない場合、S20に移行し、前回情報Dを受信してから情報Dの有効時間である所定時間、例えば、10sec以内か否か判定する。
S20の判定の結果、前回情報Dを受信してから10sec以内の場合、S21に移行し、前回受信した情報Dに移動体Bのデータが存在したか否か判定する。S21の判定の結果、前回受信した情報Dに移動体Bのデータが存在した場合、S22へ移行する。
S22にて、車両Vと移動体Bの相対速度算出、その他のデータ解析処理を行う。データ解析処理では、前回情報Dに基づいて道路幅、歩道幅、信号機の点灯状態等の解析を行う。
次に、移動体Bの速度推定処理を行う(S23)。S23では、移動体Bを撮像してからの経過時間に起因した情報の劣化度(曖昧さ)を移動体Bの存在領域の算出に反映するため、数(1)と数(4)に基づき移動体速度を推定している。
次に、数(3)に基づき移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間の存在領域を推定し、移動体Bの相対速度等に基づいて移動体Bの位置を推定している(S24)。S24の終了後、S16に移行する。
S20の判定の結果、前回情報Dを受信してから10secを超えた場合、及びS21の判定の結果、前回受信した情報Dに移動体Bのデータが存在しない場合、S19に移行して移動体表示消去処理を行う。
次に、運転支援装置1の作用、効果について説明する。
運転支援装置1は、路上の移動体を検出可能な路側ユニット31,32から自車両前方の移動体Bに関する情報Dを受信し、この移動体Bの情報を乗員へ報知することができる。路側ユニット31,32からの情報Dを受信可能な光ビーコン受信機5と、自車両位置を検出可能なGPS手段6と、接近時間算出部17を備えたため、自車両位置と移動体Bとの接近度を算出することができる。しかも、存在領域算出部16を備えたため、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間において、経過時間に起因する情報の劣化度を移動体Bの存在領域の算出に反映することができる。
経過時間判定部13を備えたため、受信した情報Dの劣化度を判定することができる。報知手段7を備えたため、乗員に対して移動体Bの位置情報を報知することができる。移動体表示用データ作成部19を備えたため、存在領域算出部16と接近時間算出部17とによって演算された接近度と、経過時間判定部13によって演算された劣化度に応じて報知手段7の報知形態を変更することができる。
つまり、車両Vと移動体Bの接近度と路側ユニット31,32の情報Dの劣化度とを乗員に対して識別可能に報知でき、劣化度に応じた接近度を報知することができる。従って、情報Dの更新周期が長い場合でも、演算された近接度と移動体の実際の位置との乖離を最小限にすることができ、乗員に対して受信情報Dの劣化度を認識させることができる。しかも、光ビーコンのように、情報を1回しか車両Vに送信しない路側ユニットであっても、乗員が車両Vと移動体Bとの位置関係を誤判断することを防止することができ、車両の安全性を確保することができる。
路側システムSは交差点Cに設置された路車間通信システムであり、移動体表示用データ作成部19は、路側システムSから受信する情報Dの劣化度に応じて報知音または報知表示色を変更するため、車両Vと移動体Bの接近度と情報Dの劣化度とを乗員に対して同時に認識させることができる。
システム表示用データ作成部21は、前回情報を受信した路側システムSがDSRCであり、今回情報を受信した路側システムSが光ビーコンの場合、乗員に対して注意を喚起でき、高機能の路側システムSから低機能の路側システムSへの変更を乗員に認識させることができる。
存在領域算出部16は、情報受信後の経過時間を加味した移動体Bの存在位置の確率分布を推定し、車両位置との接近度を演算するため、乗員が情報の劣化度を確率分布によって視認することができ、この確率分布によって移動体Bの接近度を認識することができる。
存在領域算出部16は、移動体Bの走行環境状態に基づいて確率分布の推定を行うため、移動体の接近度を精度よく演算することができる。
移動体表示用データ作成部19は、確率分布の広がりを識別可能な表示単位yの個数によって報知可能に構成されたため、視認性を高め、乗員による移動体Bの接近度の認識性を高めることができる。
次に、実施例2に係る運転支援装置1のシステム誤解判定処理について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
実施例2の受信処理においては、実施例2の受信処理におけるシステム誤解判定処理(S17)が実施例1と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
実施例2に係るシステム誤解判定処理は、乗員の誤解状態を乗員の行動に基づき直接検出し、誤解判定を乗員の特性に適合させた推定ロジックとして構成されている。
まず、S51にて、現在走行している交差点Cの路側システムSの情報Dを受信し、コントロールユニット9のメモリに記憶する。S52にて、現在走行している交差点Cのシステムの情報Dが光ビーコンか否か判定する。S52の判定の結果、光ビーコンの場合、S53に移行し、光ビーコン受信機5が情報Dを受信してからの経過時間が情報Dの有効時間、例えば、10secよりも長いか否かを判定する。
S53の判定の結果、情報Dを受信してからの経過時間が情報Dの有効時間10secよりも長い場合、S54に移行し、乗員視線検出処理を行う。乗員の視線検出は、室内カメラによって形成された視線センサ4が撮像した乗員の顔向きに基づいて視線方向を判定している。
次に、S55にて、乗員の視線が表示手段7のモニタ方向に所定時間、例えば、3sec以上向かっているか否かを判定している。ここで、乗員の顔向きが左方20度より大きく且つ40度未満の姿勢の場合、乗員の視線が表示手段7のモニタ方向に向かっていると判定している。また、視線の判定は、連続した継続時間によって判定している。従って、乗員の視線が表示手段7のモニタから外れた場合、経過時間はリセットされる。
S55の判定の結果、乗員の視線が表示手段7のモニタ方向に3sec以上向かっている場合、乗員がモニタ表示を注視しているため、S56に移行し、誤解警報を出力してリターンする。誤解警報は、図10に示すようなモニタ上の表示や音声手段8によるワーニング等乗員が認識できる警報であれば適宜選択可能である。
S52の判定の結果、光ビーコンではない場合、S53の判定の結果、情報Dを受信してからの経過時間が10sec以下の場合、また、S55の判定の結果、乗員のモニタ方向への視線が3sec未満の場合はリターンする。
次に、実施例2に係るシステム誤解判定処理の作用、効果について説明する。
光ビーコンに基づくモニタ表示を乗員の連続的なモニタ視認時間に基づいて行うため、不要な警報を行うことなく、乗員がモニタ表示に基づいて勘違いする可能性のある状況において、確実に通信システムの変更を乗員に認識させることができる。しかも、有効時間を超えた情報Dに基づくモニタ表示にのみ警報を行うため、煩雑な警報発生を防止することができる。
次に、実施例3に係る表示手段7の表示画面について、図15に基づいて説明する。
実施例3の表示画面においては、実施例3の表示画面における移動体Bの表示が実施例1と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
図15に示すように、表示手段7に表示された移動体Bは、解像度を表す表示単位xを複数組み合わせて構成された矢印表示Yによって表示されている。この矢印表示Yは、移動体Bの移動方向を指向している。算出された移動体Bの存在領域に応じて、これら表示単位yが識別可能に、例えば、色分けされて表示されている。尚、自車両Vは、モニタ上に三角形状にモデル化されている。
図15(a)に示すように、移動体Bが検出されたとき(t=0)、移動体Bが検出された位置に応じた表示単位x1のみが他の表示単位xと識別して表示されている。
図15(b)に示すように、移動体Bの検出から移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間に相当した所定時間が経過したとき、移動体Bの存在領域に情報の劣化に伴う曖昧さが生じるため、正規分布に応じた表示を行う。つまり、数(3)による正規分布の頂点に対応した表示単位xを中心として移動体Bの存在領域に対応した範囲を設定している。そして、この範囲に含まれる複数の表示単位xを、移動体Bの交差点到達時点における表示単位x2として、矢印表示Yを構成している。移動体Bの存在領域は表示単位x3で表示され、他の表示単位x2と識別して表示されている。
この構成によって、移動体Bの存在領域を1つの解像度、所謂表示単位x2で表示するため、存在領域の曖昧さを簡単に表示でき、乗員による移動体Bの存在領域の認識が容易にできる。しかも、存在領域を色相や彩度を用いることなく、処理を簡単にできる。
次に、実施例4に係る表示手段7の表示画面について、図16に基づいて説明する。
実施例4の表示画面においては、移動体Bの最初の表示画面が実施例3と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
移動体Bが検出されたとき(t=0)、移動体Bが検出された位置に応じた表示単位x1のみが他の表示単位xと識別して認識されている(図15(a)参照)。
移動体Bの検出から移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間に相当した所定時間が経過したとき、図15(b)に示すように、表示単位x2として、移動体Bの存在領域(表示単位x3)が予め演算されている。
ここで、移動体表示用データ作成部19は、t=0時点の表示画面の解像度を、移動体Bの交差点到達時点の表示画面の解像度(表示単位x2)に変更するよう構成されているため、図16に示すように、t=0時点の矢印表示Yが、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間に相当した所定時間が経過したときの解像度(表示単位x2)によって表示される。尚、移動体Bが検出された位置に応じた表示単位x4は、他の表示単位x2と識別して表示されている。
この構成によって、移動体Bの位置を表示時期に拘わらずに1つの解像度、所謂表示単位x2によって表示するため、存在領域の曖昧さを簡単に表示でき、乗員による移動体Bの存在領域の認識が容易となる。しかも、存在領域を色相や彩度を用いることなく、処理を簡単にできる。
次に、実施例5に係る表示手段7の表示画面について、図17に基づいて説明する。
実施例5の表示画面においては、実施例5の表示画面における移動体Bの表示が実施例1と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
図17に示すように、表示手段7に表示された移動体Bは、モニタによる地図上の円形表示Zによって表示されている。この円形表示Zは、移動体Bの移動方向を指向する矢印と共に表示されている。算出された移動体Bの存在領域に応じて、存在領域が拡大する程、円形表示Zの半径はz1,z2,z3のように増加して表示されている。また、移動体Bの大きさに応じて、円形表示Zの初期半径z1の大きさを変更するように構成している。
このように、地図上に移動体Bを二次元表示したため、乗員が目視確認した際、円形表示Zと実際の移動体Bとの関連付けを容易に行うことができる。また、存在領域が拡大する程、円形表示Zの半径をz1,z2,z3のように増加するため、移動体Bの存在確率分布を簡単に二次元表示することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1]前記実施例においては、移動体の存在領域を、移動体の検出の時点から移動体が交差点に到達するまでの期間推定し、これら推定した存在領域を表示した例について説明したが、移動体の検出の時点から移動体が車両に最も接近するまでの期間について移動体の存在領域を表示することも可能である。また、移動体の検出の時点から移動体が交差点を横断するまでの期間推定し、これら推定した存在領域を表示するものであっても良い。
2]前記実施例においては、路側システムが各情報を光ビーコンによって送信する例を説明したが、移動体を検出してから情報送信まで、または、情報受信から表示するまでに処理時間を必要とするものであれば良く、光ビーコンに限らずに各種通信媒体に適用可能である。
3]前記実施例においては、システム誤解判定処理において乗員の視線を検出し、モニタの継続した視認時間で誤解を判定した例を説明したが、累積視認時間で判定しても良く、また、モニタ表示の際、乗員の視線がモニタを視認しているか否かによって判定することも可能である。
4]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、路上に設置された路側通信機の情報に基づいて移動体の近接状態を報知可能な車両用運転支援装置において、受信した情報の劣化度に応じて乗員に対する報知形態を変更し、この劣化度に応じた移動体の接近度を報知することができる。
1 運転支援装置
S 路側システム
C 交差点
V 車両
B 移動体
D1,D2 情報

Claims (8)

  1. 路上の移動体を検出可能な路側通信機から自車両前方の移動体に関する情報を受信すると共にこの移動体の情報を乗員へ報知可能な車両用運転支援装置において、
    前記路側通信機からの情報を受信可能な車載通信手段と、
    自車両位置を検出可能な位置検出手段と、
    前記位置検出手段によって検出された自車両位置と前記移動体との接近度を演算する接近度演算手段と、
    受信した情報の劣化度を演算する劣化度演算手段と、
    乗員に対して前記移動体の位置情報を報知可能な報知手段と、
    前記接近度演算手段によって演算された接近度と前記劣化度演算手段によって演算された劣化度に応じて前記報知手段の報知形態を変更する報知形態変更手段を備えたことを特徴とする車両用運転支援装置。
  2. 前記路側通信機は、交差点に設置された通信システムであり、
    前記報知形態変更手段は、前記通信システムから受信する情報の劣化度に応じて報知音または報知表示色を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援装置。
  3. 前記通信システムは、情報更新周期が異なる複数種類の通信システムを含み、
    前記報知形態変更手段は、前記情報を送信した通信システムが前回情報を送信した通信システムと異なるとき、乗員へ通信システム変更を報知することを特徴とする請求項2に記載の車両用運転支援装置。
  4. 前記通信システムは、第1周期で情報を発信する第1通信システムと第1周期よりも周期の短い第2周期で情報信号を発信する第2通信システムから構成され、
    前記報知形態変更手段は、前記第2通信システムから前記情報受信後に第1通信システムから前記情報を受信したとき、乗員へ通信システム変更を報知することを特徴とする請求項3に記載の車両用運転支援装置。
  5. 前記報知手段は、前記移動体の位置情報を表示可能なモニタを備え、
    前記報知形態変更手段は、前記通信システム変更の報知を乗員の連続的なモニタ視認時間に基づいて行うことを特徴とする請求項3に記載の車両用運転支援装置。
  6. 前記接近度演算手段は、前記情報受信後の経過時間を加味した前記移動体の存在位置の確率分布を推定し、自車両位置との接近度を演算することを特徴とする請求項2に記載の車両用運転支援装置。
  7. 前記接近度演算手段は、前記移動体の走行環境状態に基づいて確率分布の推定を行うことを特徴とする請求項6に記載の車両用運転支援装置。
  8. 前記報知形態変更手段は、確率分布の広がりを報知可能に構成されたことを特徴とする請求項6に記載の車両用運転支援装置。
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