JP2011034333A - 車両用運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転支援装置は、路上の移動体を検出可能な路側ユニットから自車両前方の移動体に関する情報を受信し、この移動体の情報を乗員へ報知するように構成されている。存在領域算出部16は、移動体を検出した場合、移動体が交差点に到達するまでの期間推定するように構成され、移動体を撮像した時点からの経過時間に起因した情報の曖昧さを移動体の存在領域の算出に反映している。
【選択図】図6
Description
請求項3の発明によれば、乗員に対する注意を喚起でき、通信システムの変更を乗員に認識させることができる。
請求項5の発明によれば、乗員への通信システム変更の報知を、連続的なモニタ視認時間に基づいて行うため、不要な報知を行うことなく、乗員がモニタ表示に基づいて勘違いする可能性のある状況で確実に通信システム変更を乗員に認識させることができる。
請求項7の発明によれば、移動体の接近度を精度よく演算することができる。
請求項8の発明によれば、視認性を高め、乗員による移動体の接近度の認識性を高めることができる。
図1に示すように、路側システムSは、交差点Cにおいて自車両走行車線を横断する可能性のある移動体B、例えば、自転車、二輪車、歩行者等を検出可能な路側センサ30と、交差点手前において車両Vへ光ビーコンを送信可能な第1路側ユニット31と、第1路側ユニット31よりも交差点Cに接近して配置された第2路側ユニット32等を備えている。尚、光ビーコンは、所定周波数帯域(アップリンク64kbps、ダウンリンク1.024Mbps)の近赤外線光を使用している。
第2路側ユニット32は、交差点の停止位置から所定距離L2、例えば、5m手前に設置されている。第2路側ユニット32は、車両Vが送信エリアA1よりも交差点に近い送信エリアA2を通過した場合、車両Vに対して交差点側の移動体B、例えば、近接する自転車や歩行者の情報を送信するように構成されている。
図2に示すように、第2路側ユニット32は、画像記憶部33と、遅延時間算出部34と、位置判定部35と、移動速度判定部36と、記憶部37と、送信データ作成部38と、光ビーコン送信機39等から構成されている。光ビーコン送信機39は、近赤外線光によって第2路側ユニット32によって作成された情報を車両Vへ送信可能に構成されている。
(1)交差点位置情報(緯度・経度)
(2)道路形状情報
(3)路側ユニット位置情報(緯度・経度)
(4)支援システム情報
道路形状情報は、移動体Bが移動している道路幅(例えば、歩行者や自転車では、歩道幅)、道路の勾配等の情報を含むように構成されている。支援システム情報は、路側ユニット32が設置された交差点Cの路側システムSが使用する通信種別、つまり、送信される情報が光ビーコンかDSRCかについての識別データが格納されている。
図3に示すように、第1路側ユニット31から送信される情報D1は、位置データと交差点データから構成されている。位置データは、路側ユニット位置情報(緯度・経度)等から形成されている。交差点データは、交差点位置情報(緯度・経度)、道路形状情報、支援システム情報等から形成されている。尚、移動体Bの移動方向側に信号機が存在する場合、交差点データは信号機の信号点灯状態(信号色)を格納するように形成されている。
S1にて、路側ユニット32は路側センサ30から移動体Bを含む周囲の撮像画像を入力する。移動体Bを含む周囲の画像情報は画像記憶部33に一旦記憶され(S2)、移動体検出処理によって移動体Bを検出し、移動体Bを識別している(S3)。
移動体Bの情報及び交差点の各種固有情報から送信用情報を作成し(S6)、光ビーコンによって情報を車両Vへ送信する(S7)。車両Vが送信エリアA1を通過したとき、第1路側ユニット31から、位置データと交差点データを含む情報D1が車両Vへ送信され、車両Vが送信エリアA2を通過したとき、第2路側ユニット32から、移動体データと遅延時間データを含む情報D2が車両Vへ送信される。
図5に示すように、車両用運転支援装置1は、車両Vの走行速度を検出可能な車速センサ2と、車両Vに作用する角速度を検出可能な角速度センサ3と、乗員の視線方向を検出可能な視線センサ4と、光ビーコンを受信可能な光ビーコン受信機5と、GPS手段6(Global Positioning System)と、インスツルメントパネルに配置された表示手段7と、スピーカやブザー等を含む音声手段8と、車両用運転支援装置1のコントロールユニット9と、5.8GHz帯DSRC信号を受信可能なDSRC受信機(図示略)等を備えている。尚、音声手段8は、スピーカ6とブザー7のうち少なくとも1つを残して省略可能である。
(1)移動体データ
(2)遅延時間データ
(3)位置データ
(4)交差点データ
移動体Bは、路側センサ30によって撮像された時点から時間経過に伴って移動速度vが変化している。そして、光ビーコンによる路側システムSでは、規格上、情報を送信した後、移動体Bの移動速度vの更新情報は送信されない。そこで、存在領域算出部16は、移動体Bの移動速度vを次数式(1)に示す速度の確率分布関数p(v)を用いて、移動体Bが存在する領域を推定するよう構成されている。
図7(a)に示すように、路側センサ30が移動体Bを検出したとき(t=0)の移動体Bの移動速度は、受信した移動体データに格納されている移動速度v0と見做すことができる。次に、t=1のとき、図7(b)に示すように、関数p(v)は、頂点Tvに対して左右対称の正規分布形状になる。更に、t=2のとき、図7(c)に示すように、関数p(v)は、図7(b)と比べて頂点Tvが低くなると共に、裾領域が広がり、曖昧さが増している。つまり、関数p(v)は、経過時間tが増す程、曖昧さが増加するような所定の分散傾向を備えた正規分布の確率分布関数として表すことができる。そこで、存在領域算出部16では、関数p(v)を単位時間当たりの速度変化の平均値を零、分散σ2の正規分布関数とした次数式(2)のように設定している。
図10(b)に示すように、移動体Bの検出から時間が経過したとき(t=1)、移動体Bの存在領域に情報の劣化に伴う曖昧さが生じるため(図8(b)参照)、正規分布に応じた表示を行う。つまり、正規分布の頂点Tlに対応する表示単位y1と、表示単位y1の左右両側の表示単位y2の合計3つの表示単位が識別して表示されている。表示単位y1は表示単位y2に比べて彩度が高く表示されている。
このようにして、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間について、存在領域の表示用データを作成している。
表示形態の変更周期は、路側センサ30からの情報送信周期や光ビーコン5の受信時期と分離して独立作動可能に構成されており、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間の存在領域が所定周期によってモニタに表示されるように構成されている。
まず、S11にて、各センサからの入力情報を処理する。次に、光ビーコン受信機5が受信した情報の受信処理を行い(S12)、S13に移行する。
まず、S31にて、移動体Bが交差点Cに到達するまでの時間を算出する。このとき、移動体Bの存在領域が劣化度(曖昧さ)を含む場合、存在領域の境界部が交差点Cに到達するまでの時間を算出している。
S13の判定の結果、光ビーコンからの情報Dを受信しない場合、S20に移行し、前回情報Dを受信してから情報Dの有効時間である所定時間、例えば、10sec以内か否か判定する。
S22にて、車両Vと移動体Bの相対速度算出、その他のデータ解析処理を行う。データ解析処理では、前回情報Dに基づいて道路幅、歩道幅、信号機の点灯状態等の解析を行う。
次に、数(3)に基づき移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間の存在領域を推定し、移動体Bの相対速度等に基づいて移動体Bの位置を推定している(S24)。S24の終了後、S16に移行する。
運転支援装置1は、路上の移動体を検出可能な路側ユニット31,32から自車両前方の移動体Bに関する情報Dを受信し、この移動体Bの情報を乗員へ報知することができる。路側ユニット31,32からの情報Dを受信可能な光ビーコン受信機5と、自車両位置を検出可能なGPS手段6と、接近時間算出部17を備えたため、自車両位置と移動体Bとの接近度を算出することができる。しかも、存在領域算出部16を備えたため、移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間において、経過時間に起因する情報の劣化度を移動体Bの存在領域の算出に反映することができる。
システム表示用データ作成部21は、前回情報を受信した路側システムSがDSRCであり、今回情報を受信した路側システムSが光ビーコンの場合、乗員に対して注意を喚起でき、高機能の路側システムSから低機能の路側システムSへの変更を乗員に認識させることができる。
存在領域算出部16は、移動体Bの走行環境状態に基づいて確率分布の推定を行うため、移動体の接近度を精度よく演算することができる。
移動体表示用データ作成部19は、確率分布の広がりを識別可能な表示単位yの個数によって報知可能に構成されたため、視認性を高め、乗員による移動体Bの接近度の認識性を高めることができる。
実施例2の受信処理においては、実施例2の受信処理におけるシステム誤解判定処理(S17)が実施例1と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
まず、S51にて、現在走行している交差点Cの路側システムSの情報Dを受信し、コントロールユニット9のメモリに記憶する。S52にて、現在走行している交差点Cのシステムの情報Dが光ビーコンか否か判定する。S52の判定の結果、光ビーコンの場合、S53に移行し、光ビーコン受信機5が情報Dを受信してからの経過時間が情報Dの有効時間、例えば、10secよりも長いか否かを判定する。
光ビーコンに基づくモニタ表示を乗員の連続的なモニタ視認時間に基づいて行うため、不要な警報を行うことなく、乗員がモニタ表示に基づいて勘違いする可能性のある状況において、確実に通信システムの変更を乗員に認識させることができる。しかも、有効時間を超えた情報Dに基づくモニタ表示にのみ警報を行うため、煩雑な警報発生を防止することができる。
実施例3の表示画面においては、実施例3の表示画面における移動体Bの表示が実施例1と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
図15(b)に示すように、移動体Bの検出から移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間に相当した所定時間が経過したとき、移動体Bの存在領域に情報の劣化に伴う曖昧さが生じるため、正規分布に応じた表示を行う。つまり、数(3)による正規分布の頂点に対応した表示単位xを中心として移動体Bの存在領域に対応した範囲を設定している。そして、この範囲に含まれる複数の表示単位xを、移動体Bの交差点到達時点における表示単位x2として、矢印表示Yを構成している。移動体Bの存在領域は表示単位x3で表示され、他の表示単位x2と識別して表示されている。
実施例4の表示画面においては、移動体Bの最初の表示画面が実施例3と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
移動体Bの検出から移動体Bが交差点Cに到達するまでの期間に相当した所定時間が経過したとき、図15(b)に示すように、表示単位x2として、移動体Bの存在領域(表示単位x3)が予め演算されている。
実施例5の表示画面においては、実施例5の表示画面における移動体Bの表示が実施例1と異なるのみであるので、その異なる構成についてのみ説明する。
1]前記実施例においては、移動体の存在領域を、移動体の検出の時点から移動体が交差点に到達するまでの期間推定し、これら推定した存在領域を表示した例について説明したが、移動体の検出の時点から移動体が車両に最も接近するまでの期間について移動体の存在領域を表示することも可能である。また、移動体の検出の時点から移動体が交差点を横断するまでの期間推定し、これら推定した存在領域を表示するものであっても良い。
S 路側システム
C 交差点
V 車両
B 移動体
D1,D2 情報
Claims (8)
- 路上の移動体を検出可能な路側通信機から自車両前方の移動体に関する情報を受信すると共にこの移動体の情報を乗員へ報知可能な車両用運転支援装置において、
前記路側通信機からの情報を受信可能な車載通信手段と、
自車両位置を検出可能な位置検出手段と、
前記位置検出手段によって検出された自車両位置と前記移動体との接近度を演算する接近度演算手段と、
受信した情報の劣化度を演算する劣化度演算手段と、
乗員に対して前記移動体の位置情報を報知可能な報知手段と、
前記接近度演算手段によって演算された接近度と前記劣化度演算手段によって演算された劣化度に応じて前記報知手段の報知形態を変更する報知形態変更手段を備えたことを特徴とする車両用運転支援装置。 - 前記路側通信機は、交差点に設置された通信システムであり、
前記報知形態変更手段は、前記通信システムから受信する情報の劣化度に応じて報知音または報知表示色を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援装置。 - 前記通信システムは、情報更新周期が異なる複数種類の通信システムを含み、
前記報知形態変更手段は、前記情報を送信した通信システムが前回情報を送信した通信システムと異なるとき、乗員へ通信システム変更を報知することを特徴とする請求項2に記載の車両用運転支援装置。 - 前記通信システムは、第1周期で情報を発信する第1通信システムと第1周期よりも周期の短い第2周期で情報信号を発信する第2通信システムから構成され、
前記報知形態変更手段は、前記第2通信システムから前記情報受信後に第1通信システムから前記情報を受信したとき、乗員へ通信システム変更を報知することを特徴とする請求項3に記載の車両用運転支援装置。 - 前記報知手段は、前記移動体の位置情報を表示可能なモニタを備え、
前記報知形態変更手段は、前記通信システム変更の報知を乗員の連続的なモニタ視認時間に基づいて行うことを特徴とする請求項3に記載の車両用運転支援装置。 - 前記接近度演算手段は、前記情報受信後の経過時間を加味した前記移動体の存在位置の確率分布を推定し、自車両位置との接近度を演算することを特徴とする請求項2に記載の車両用運転支援装置。
- 前記接近度演算手段は、前記移動体の走行環境状態に基づいて確率分布の推定を行うことを特徴とする請求項6に記載の車両用運転支援装置。
- 前記報知形態変更手段は、確率分布の広がりを報知可能に構成されたことを特徴とする請求項6に記載の車両用運転支援装置。
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