JP2011033665A - レンズ - Google Patents

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博史 亀田
Hideyuki Imai
秀行 今井
Takashi Nakayama
尚 中山
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Abstract

【課題】半導体レーザーからの光を反射させる構成における部品点数を少なくでき、位置合わせが容易であると共に、光軸に対する傾きがあっても確実に元の位置に光を戻すことのできるレンズを提供する。
【解決手段】光が入出射する凸状のレンズ面11を有し、レンズ面11は発散光を平行光とするコリメートレンズであり、レンズ面11と対向する側には、レンズ面11から入射した光を反射させる反射部12が形成され、反射部12はレンズ面11の中心軸上に頂部12aを有する円錐形状または4以上の偶数正多角錐形状からなると共に、先端角度が90°に形成されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射する光を平行光として反射させ再び元の方向に戻すレンズに関し、特に光の入射角度が変化しても元の方向に光を戻すことのできるレンズに関する。
半導体レーザーにおいては、励起された光が活性層の両側に出射される。このため、光が一方向に出射するように、出射方向と反対方向に出射した光については、ミラー等の反射部により反射させて活性層に戻すことが行われる。これによって、所定方向に出射される光を増幅する効果が得られる。このように、ミラー等の反射部により、励起された光を半導体レーザーに戻す技術としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
特開2002−76479号公報
半導体レーザーから出射される光は発散光であり、これを高効率に反射させるためには、半導体レーザーの活性層に対向するようにコリメートレンズを配置し、このコリメートレンズによって発散光を平行光とした上で、ミラー等の反射部で反射させ、反射した平行光が再びコリメートレンズを透過して元の位置に集光される構成とするのが一般的である。このように構成した場合、レンズと反射部及び半導体レーザーが別部品であるため、これらを高精度に位置決めする必要があり、特に光軸に対する傾きが生じると、元の位置に光を戻すことができないので、効率が低下するという問題があった。
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、半導体レーザーからの光を反射させる構成における部品点数を少なくでき、位置合わせが容易であると共に、光軸に対する傾きがあっても確実に元の位置に光を戻すことのできるレンズを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るレンズは、光が入出射する凸状のレンズ面を有するレンズにおいて、
前記レンズ面は発散光を平行光とするコリメートレンズであり、前記レンズ面と対向する側には、前記レンズ面から入射した光を反射させる反射部が形成され、該反射部は前記レンズ面の中心軸上に頂部を有する円錐形状または4以上の偶数正多角錐形状からなると共に、先端角度が90°に形成されてなることを特徴として構成されている。
また、本発明に係るレンズは、レンズ厚tは屈折率をn、前記レンズ面の焦点距離をfとすると、0.8<t/(f×n)<1.2の範囲であることを特徴として構成されている。
本発明に係るレンズによれば、レンズ面は発散光を平行光とするコリメートレンズであり、レンズ面と対向する側には、レンズ面から入射した光を反射させる反射部が形成され、反射部はレンズ面の中心軸上に頂部を有する円錐形状または4以上の偶数正多角錐形状からなると共に、先端角度が90°に形成されてなることにより、レンズ面側からの光に角度のずれがあっても、光を同じ方向に反射させることができ、発光源とレンズに面ずれを生じても確実に光を同じ位置に戻すことができるので、機器の組立を容易にすることができる。また、レンズにレンズ面と反射部が一体的に形成されているので、部品点数も少なくすることができ、それに伴い位置決めも容易にすることができる。
また、本発明に係るレンズによれば、レンズ厚tは屈折率をn、レンズ面の焦点距離をfとすると、0.8<t/(f×n)<1.2の範囲であることにより、光学系を共焦点系として反射部での反射を高効率になすことができる。
本実施形態におけるレンズを用いた光学系の概要図である。 レンズの斜視図である。 レンズの正面図と平面図及び底面図である。 レンズの左右側面図と背面図及び断面図である。 レンズが光軸に対して傾斜した場合における光学系の概要図である。 鏡筒付のレンズの正面図及び平面図である。 鏡筒付のレンズの底面図と左右側面図である。 鏡筒付のレンズの背面図と断面図である。 鏡筒付のレンズの斜視図である。
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態におけるレンズを用いた光学系の概要図を示している。この図に示すように、本実施形態の光学系は、半導体レーザー2が配置され、その出射方向と反対側に対向するように、レンズ1が配置されて構成されている。
半導体レーザー2は、複数の層が積層状に形成されてなる一般的な構成を有しており、複数層のうち活性層の両端からそれぞれ励起された光が出射される。光が出射される活性層の両端のうち、一方側からは最終的に光が外部に出射されるのに対し、他方側から出射された光は、レンズ1によって反射され、活性層の同位置に戻される。これにより、光を増幅させる効果を得ることができる。
レンズ1は、半導体レーザー2の光軸方向に沿って所定のレンズ厚tを有するレンズ本体10からなり、半導体レーザー2と対向する面には、レンズ面11が形成されている。レンズ面11は、半導体レーザー2からの発散光を平行光にすると共に、反射した光を半導体レーザー2の端面に集光するコリメートレンズとして機能するように形成されている。
図2には、レンズ1の斜視図を示している。この図に示すように、レンズ1を構成するレンズ本体10は、略円筒状をなすように形成されており、一方の端面に凸状のレンズ面11が形成されている。レンズ面11は、非球面レンズからなるが、球面レンズであってもよい。また、レンズ面11の焦点距離はfであり、レンズ1は屈折率nのガラスまたは樹脂材からなる透明な材質によって形成される。
図3〜4には、レンズ1の六面図及び断面図を示している。図3(a)はレンズ1の正面図、図3(b)はレンズ1の平面図、図3(c)はレンズ1の底面図、図4(a)はレンズ1の右側面図、図4(b)はレンズ1の左側面図、図4(c)はレンズ1の背面図、図4(d)は図3(a)におけるA−A断面図である。これらの図に示されているように、レンズ1のレンズ面11と反対側には、円錐形状の反射部12が形成されている。
反射部12の円錐形状は、頂部12aがレンズ面11の中心軸上に配置され、また先端角度が90°となるレトロリフレクト面として形成されている。なお、ここでの先端角度は、錐形状の中心線を含む断面と周面とがなす2本の稜線が、先端部で交わる角度のことである。反射部12の周面には、多層膜フィルター12bが形成されており、レンズ面11からの光を全反射するように構成されている。多層膜フィルター12bの材質としては、MgF、SiO2、Al23、Ti23、Zr23などの一般的な材料を用いることができる。
図1に示すように、レンズ1においてレンズ面11で平行とされた光は、反射部12の周面で反射すると、該反射位置と対向する周面位置に向かって進み、該周面位置で再度反射してレンズ面11側に向かう。この光学系は、レンズ面11がコリメートレンズであって、反射部12がレトロリフレクト面からなるため、物点と像点が同じ位置となる。すなわち、半導体レーザー2の所定位置から出射されレンズ面11から入射した光は、反射部12で2回反射しレンズ面11から再び出射されて、半導体レーザー2における出射位置と同位置に集光される。
また、レンズ1が光軸に対して傾斜した場合であっても、反射部12がレトロリフレクト面であるため、光を同じ位置に戻すことができる。図5には、レンズ1が光軸に対して傾斜した場合における、光学系の概要図を示している。この図に示すように、レンズ面11に対して傾斜状に入射した光は、レンズ1内で平行光となり、この平行光は反射部12で2回反射することにより、同じ角度で元の方向に戻り、レンズ面11に対して再び同じ入射角度で入射するため、レンズ面11による集光位置は、半導体レーザー2の出射位置と同位置となる。
このように、コリメートレンズからなるレンズ面11に対向するように、レンズ面の中心軸上に頂部を有する円錐形状からなると共に、先端角度が90°の反射部12が形成されていることにより、レンズ面11側からの光に角度のずれがあっても、光を同じ方向に反射させることができる。このため、半導体レーザー2とレンズ1に面ずれを生じても確実に光を同じ位置に戻すことができるので、機器の組立を容易にすることができる。また、レンズ1にレンズ面11と反射部12が一体的に形成されているので、部品点数も少なくすることができ、それに伴い位置決めも容易にすることができる。
図1の光学系において、レンズ面11と半導体レーザー2との距離WDは、レンズ面11の焦点距離fとなるように設定される。レンズ1は、レンズ面11から反射部12までの所定のレンズ厚tを有しており、このレンズ厚tは、レンズ面11の焦点距離fとレンズ1の屈折率nにより、好ましくはt=f×nと表されるように形成される。なお、凸状からなるレンズ面11におけるレンズ厚tの基準は、図1に示すようにレンズ主点となるレンズ面11の頂点部であり、反射部12におけるレンズ厚tの基準は、図1に示すように頂部12aの位置である。
レンズ厚tをこのようにすることで、図1の光学系が共焦点系となり、レンズ面11と半導体レーザー2との距離WDに若干の誤差が生じても、効率よく結合をなすことができる。特に、上記条件を満たすことで、反射部12による反射位置がビームウエスト位置となるため、理論的には波面半径が無限大となり、反射部12におけるロスを極小化することができる。
また、少なくともこれらの関係が0.8<t/(f×n)<1.2となるように設定することで、上記条件に近い状態とすることができ、ロスを少なくすることができる。
また、レンズ1は鏡筒付のものであってもよい。図6〜9には、鏡筒付のレンズ1の六面図と断面図及び斜視図を示している。図6(a)はレンズ1の正面図、図6(b)はレンズ1の平面図、図7(a)はレンズ1の底面図、図7(b)はレンズ1の右側面図、図7(c)はレンズ1の左側面図、図8(a)はレンズ1の背面図、図8(b)は図6(a)におけるA−A断面図、図9(a)はレンズ1の正面側から見た斜視図、図9(b)はレンズ1の背面側から見た斜視図である。
図6〜9において、レンズ1を構成するレンズ本体10は、図2及び図3のものと同形状に形成される。そして、レンズ本体10の周面を取り囲むように、中空円筒状の金属材からなる鏡筒20が設けられる。鏡筒20が設けられることにより、機器内においてレンズ1を取り付けやすくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では、反射部12を円錐形状としたが、正四角錐、正六角錐・・・等の4以上の偶数正多角錐形状であれば、同様にレトロリフレクト面を構成することができるので、これらの形状を採用することもできる。
1 レンズ
2 半導体レーザー
10 レンズ本体
11 レンズ面
12 反射部
12a 頂部
12b 多層膜フィルター
20 鏡筒

Claims (2)

  1. 光が入出射する凸状のレンズ面を有するレンズにおいて、
    前記レンズ面は発散光を平行光とするコリメートレンズであり、前記レンズ面と対向する側には、前記レンズ面から入射した光を反射させる反射部が形成され、該反射部は前記レンズ面の中心軸上に頂部を有する円錐形状または4以上の偶数正多角錐形状からなると共に、先端角度が90°に形成されてなることを特徴とするレンズ。
  2. レンズ厚tは屈折率をn、前記レンズ面の焦点距離をfとすると、0.8<t/(f×n)<1.2の範囲であることを特徴とする請求項1記載のレンズ。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5897008A (ja) * 1981-12-04 1983-06-09 Hitachi Ltd 半導体レ−ザとコリメ−タレンズの位置決め方法
JPS623210A (ja) * 1985-06-28 1987-01-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光スタ−カツプラ
JPH04296641A (ja) * 1991-03-26 1992-10-21 Hochiki Corp 光線式感知器

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