JP2011032982A - 電動ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングの軽量化を図ると共に、ハウジングからの放熱効果を高められる電動ポンプを提供する。
【解決手段】電動ポンプは、ステータロータを回転させることによって吸入室から吸入されたオイルを吐出室から外部へ吐出するオイルポンプと、通電することによって駆動軸8を回転駆動させ、該駆動軸を介してステータロータに回転力を伝達する電動モータと、前記オイルポンプと電動モータを内部に収容するハウジング1と、を備えている。前記ハウジングにおけるオイルポンプと電動モータとの間の隔壁部1eの外周部に、内周側に窪んだ第1〜第3凹部39a〜39cを形成すると共に、該各凹部の外周面に放熱フィンとしても機能する第1補強リブ40〜41をそれぞれ突設した。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体ポンプを電動モータによって駆動する電動ポンプに関するものである。
例えば車両の自動変速機のクラッチの作動油あるいはハイブリット車の電動モータの冷却油などの供給源として使用される小型の従来の電動ポンプとしては、特許文献1に記載されたものがある。
この電動ポンプは、ハウジングの内部にトロコイド型のオイルポンプと該オイルポンプを回転駆動させる電動モータであるブラシレスDCモータが一体的に収容配置されている。
前記ハウジングは、前記オイルポンプ側と電動モータ側で複数に分割形成されており、ブラシレスDCモータ側の上端部の収容空間に基板などのドライバ部が一体的に取り付けられている。これによって、デッドスペースの有効利用を図り、ハウジング全体を小型化できるようになっている。
特許第4042050号公報
しかし、前記従来の電動ポンプにあっては、ハウジングの周壁、特に前記ブラシレスDCモータとオイルポンプとの間の隔壁が比較的肉厚に形成されていることから、全体の重量が大きくなってしまう、といった技術的課題がある。
本発明は、前記従来における電動ポンプの技術的課題に鑑みて案出されたもので、ハウジングのポンプ構成体と電動モータの間の外周部に、内周側に窪んだ凹部などを形成することによって軽量化した電動ポンプを提供することを目的している。
請求項1に記載の発明は、とりわけ、ハウジングにおける液体ポンプと電動モータとの間の外周部に、内周側に窪んだ凹部を形成すると共に、該凹部に複数の線形凸部を設けたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、ハウジングにおける液体ポンプと電動モータとの間に、周方向に複数配置された凹部を設けたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、金属製ハウジングにおける液体ポンプと電動モータとの間の外周部に、窪んだ部分を設けると共に、該窪み部の外周面に複数の放熱フィンを設けたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、金属製ハウジングにおける液体ポンプと電動モータとの間の外周部に、窪んだ部分を形成すると共に、該窪み部の外周面に複数の補強リブを設けたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、窪んだ凹部によってハウジングの軽量化が図れると共に、複数の線形凸部によって補強されることにより、ハウジングの強度の向上が図れる。
請求項2に記載の発明によれば、凹部によりハウジングの軽量化が図れる。
請求項3に記載の発明によれば、窪み部によってハウジングの軽量化が図れると共に、放熱フィンによって電動モータなどから発生した熱を吸収放熱して効果的に冷却することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、ハウジングの軽量化が図れると共に、補強リブによってハウジングの強度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態の電動ポンプを示す縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線断面図である。 第2実施形態の電動ポンプを示す図1のC−C線断面図である。
以下、本発明に係る電動ポンプを、例えば自動変速機(トランスミッション)のクラッチの作動油の供給源として適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
この電動ポンプは、図1に示すように、車両のエンジンルーム内に配置固定されたハウジング1と、該ハウジング1内にそれぞれ収容された液体ポンプであるオイルポンプ2と、該オイルポンプ2を回転駆動する電動モータ3と、該電動モータ3を作動させるドライバ部4と、から主として構成されている。
前記ハウジング1は、アルミニウム合金材によってほぼ円筒状に形成され、図1中の内部下端側に前記オイルポンプ2のポンプ構成体を収容するポンプ収容室1aが形成されていると共に、内部上端側に前記電動モータ3のモータ構成体を収容するモータ収容室1bが形成されている。また、前記ハウジング1のモータ収容室1bの上端側に、前記ドライバ部4が配置固定されている。また、このハウジング1は、後述するように、3つに分割可能な型成形によって一体に鋳造されるようになっている。
前記オイルポンプ2は、図2にも示すように、トロコイド式のポンプであって、前記ポンプ収容室1aの下部(ハウジング1の下面)がシール部材5を介してボルト6によって固定された同じくアルミニウム合金材のポンプカバー7によって閉塞されている。前記モータ収容室1a内に収容されたポンプ構成体は、ハウジング1の内部中央軸方向に沿って配置された駆動軸8と、該駆動軸8の下端部に固定されたインナーロータ9と、該インナーロータ9の外歯aに内歯10aが噛み合いながら回転するアウターロータ10と、を備えている。
前記駆動軸8は、ハウジング1の内部軸心方向に沿って延設され、前記電動モータ3のモータ軸にもなっている。
前記インナーロータ9は、円筒状の凸部9bがポンプ収容室1aと偏心する軸受部1cに回転自在に支持されている。一方、前記アウターロータ10は、外周面がポンプ収容室1aの内周面に回転自在に支持されている。また、前記インナーロータ9の外歯9aの歯数は、アウターロータ10の内歯の歯数より1枚少なくなっており、回転に伴って前記外歯9aと内歯10aとの間に回転に伴って容積が変化する複数のポンプ室11が形成されるようになっている。
前記ポンプ収容室1aの底面とポンプカバー7の内端面には、前記ポンプ室11の容積増加に沿った形状の吸入部である吸入室12が形成されていると共に、ポンプ室11の容積減少に沿った形状の吐出部である吐出室13が形成されている。前記ポンプカバー7の外端面側には、前記吸入室12に作動油を導入する吸入穴12aと、前記吐出室13から作動油が吐出される吐出穴13aが形成され、この吐出穴13aから図外の吐出通路を介して前記トランスミッションに作動油が供給されるようになっている。
また、前記ポンプ収容室1aとモータ収容室1bとの間には、図1に示すように、前記軸受部1cと同軸上のシール室とベアリング収容室が形成されており、前記シール室には、前記ポンプ収容室1aとモータ収容室1bとの間を液密的にシールするオイルシール14が設けられている一方、前記ベアリング収容室には、前記駆動軸9を回転自在に支持する上下一対のボールベアリング15a、15bが収容配置されている。
前記シール収容室と吸入室12は、低圧通路16によって連通されて、前記オイルシール14に過度な油圧が作用しないようになっている。
前記一対のボールベアリング15a、15bは、これらのインナーレースが前記駆動軸8の外周面に圧入固定されていると共に、一端部がハウジング1にボルト17によって固定されたプレート状のリテーナ18によって上端部が軸方向から下方押しつけられている。これによって、下側のボールベアリング15bのアウターレースがハウジング1の段差部1dにポンプ側へ押し付けることによって全体の軸方向の位置決めがなされている。
前記電動モータ3は、図3にも示すように、ブラシレスDCモータであって、前記駆動軸8の外周面に固定されたロータ19と、該ロータ19の外周側に配置されたステータ20と、から主として構成されている。
前記ロータ19は、複数の磁性体の積層板により形成された円筒状のロータコア19aと、該ロータコア19aの外周面に接着固定された円筒状のマグネット19bとによって構成され、前記ロータコア19aが、中央孔の内周面と駆動軸8の外周面を介して駆動軸8に圧入固定されている。
前記ステータ20は、磁性体の積層板によって円筒状に形成されたステータコア20aと、該ステータコア20aの外周に被膜された絶縁体を介して固定されたインシュレータスロット20bと、該インシュレータスロット20bに巻回されたコイル20cと、から構成されている。
また、ステータ20は、前記ステータコア20aの外周部軸方向に形成されたボルト挿通孔に挿通した一対のボルト21によってハウジング1に全体が固定されていると共に、かかる固定位置で、軸方向長さのほぼ等しい前記ステータコア20aの内周面と前記マグネット19bの外周面が所定幅の円筒状エアギャップCを介して対峙している。
前記ドライバ部4は、合成樹脂材のコネクタモールド22と、電子部品を備えた基板23と、該基板23などを保護するアルミニウム合金材のヒートシンク24と、から主として構成されている。
前記コネクタモールド22は、上端面に基板23をボルト25によって固定した基板搭載部22aと、基板23の電子回路に接続されたコネクタ端子26が内部にモールドされたコネクタ部22bと、から構成されている。このコネクタモールド22は、全体が前記一対のボルト21によってステータ20と一緒にハウジング1に共締め固定されていると共に、基板搭載部22の下面とハウジング1の上端面との間に介装されたシールリング27によってモータ収容室1bが液密的にシールされている。
前記コネクタ部22bには、前記ドライバ部4と電動モータ3との内部を連通する通気孔28が穿設されている。この通気孔28は、前記コネクタ部22bと液密的に嵌合する図外の車両用コネクタ及びハーネス内部に空気を通流させて、内部の温度変化による圧力変化を抑制するようになっている。なお、前記コネクタ部22bは、下向きに形成されて、内部に水などが浸入しにくいようになっている。
前記基板23は、図外の電子コントローラから前記コネクタ端子26に通電された電流を、ターミナル29を介して前記コイル20cに通電して前記駆動軸8を回転駆動するようになっている。
前記ヒートシンク24は、複数のボルト30によってシールリング31を介して前記コネクタモールド22の上面に液密的に固定されていると共に、外面に外部との露出面積を大きくするための複数の突起24aが設けられている。
また、このヒートシンク24の内面と前記基板23との間には、基板23の発熱部を覆う冷却用シート32が介装されており、この冷却用シート32によって前記発熱部の熱を、ヒートシンク24を介して外部に放熱することによって基板23を冷却するようになっている。
前記駆動軸8の上端と基板23との間には、駆動軸8の回転数を検出するセンサ50が設けられている。このセンサ50は、駆動軸8の上端部に保持部51を介して固定された被検出用のターゲット突部52と、前記基板23の下部に突設されて、前記ターゲット突部52をセンシングする検出部53と、から構成されて、この検出部53で検出された回転情報信号を図外の電子コントローラに出力するようになっている。
前記ハウジング1の前記ポンプ収容室1aとモータ収容室1bとの間の隔壁部1e内には、図1及び図4に示すように、前記吐出室13から吐出された余剰油を吸入室12に流入させるためのリリーフ弁33が配置されている。
このリリーフ弁33は、前記隔壁部1eの内部に形成された弁孔34と、該弁孔34の内部に摺動自在に設けられた円柱状の弁体35と、前記弁孔34の開口端を閉塞するプラグ36と、該プラグ36の内端面と弁体35の後端面との間に弾装され、前記弁体35を弁孔34の先端部方向へ付勢するコイルスプリング37と、から構成されている。
前記弁孔34の先端側には、該弁孔34と同軸上の小径なリリーフ通路38が穿設されており、このリリーフ通路38が、前記弁孔34を介して前記吐出室13と吸入室12を連通させるように開口形成されている。
前記弁体35は、有蓋円筒状に形成されて、摺動位置に応じて先端部35aが前記リリーフ通路38を開閉し、前記コイルスプリング37のばね力によってリリーフ通路38を閉止する方向に付勢されている。
前記プラグ36は、円筒状の先端部36aの外周に形成された雄ねじ部を介して前記弁孔34の開口端に形成された雌ねじ部に螺着すると共に、頭部と一体のフランジ部と弁孔34の開口縁との間にシールワッシャ54が介装されている。
前記コイルスプリング37は、そのばね力が前記リリーフ通路38内の吐出圧が所定値以上になった場合に圧縮変形して弁体35を後退移動させて吐出室13と吸入室12とを連通させるように設定されている。これによって、吐出された余剰油を吸入室12に流入させて吐出流量を調整するようになっている。
そして、前記ハウジング1のオイルポンプ2と電動モータ3との間の前記隔壁部1eの外周部には、内周側に窪んだ凹部39(窪み部)が形成されていると共に、該凹部39の外周面に、線形凸部である複数の第1〜第3補強リブ40、41、42がハウジング1と一体に突設されている。
すなわち、前記凹部39は、図1及び図4に示すように、前記隔壁部1eの周囲を深い溝状に形成されて、特に前記弁孔34の近傍は部分的にかつ比較的浅く形成されているが、前記弁孔34の軸方向の両側の第1、第2凹部39a、39bと軸直角方向に位置する第3凹部39cは深溝状に切欠形成されている。なお、前記ハウジング1は、図4中、凹部39a側が車両前方位置、凹部39b側が車両後方位置になるように配置されている。
前記補強リブ40〜42は、プレート状に形成されて、前記各凹部39a〜39cの外周面からほぼ垂直方向に沿って突設されており、前記第1凹部39a側と第2凹部39b側の第1、第2補強リブ40,41は、前記弁孔34の軸方向、つまり、車体前後方向に沿って延出している一方、第3凹部39c側の第3補強リブ42は、車両前後方向に対して直角方向に沿って延出している。これら補強リブ40〜42の延出長さLは、それぞれの円弧状先端縁が前記ハウジング1の外周縁までの長さ、つまりハウジング1の外径とほぼ同一に設定されている。
また、前記第1補強リブ40は、3つ形成されているのに対して第2補強リブ41は2つ、第3補強リブ42は4つ形成されている。
さらに、前記各補強リブ40〜41は、その肉厚が比較的薄肉のほぼ同一の厚さに設定されて、これらの表面積が大きくなって効果的な放熱性を得る放熱フィンとしても機能するようになっている。
なお、前記ハウジング1を成形する鋳造成形型は、前記リリーフ弁33の軸線方向両側と軸直角方向へ3分割するものが用いられ、これによって、前記各成形型の離型方向が前記各補強リブ40、41、42の延長方向となる。
以上のように、本実施形態の電動ポンプによれば、前記ハウジング1の隔壁部1eの周囲に深溝状の凹部39(39a〜39c)を形成したため、ハウジング1の十分な軽量化が図れる。
また、前記各補強リブ40〜41によってハウジング1の強度が十分に高くなるため、前記凹部39によって隔壁部1eの断面積が小さくなっても、ハウジング1全体の強度を高く維持することができる。特に、前記各補強リブ40〜41を前記駆動軸9の放射方向に延設したその特異な配置構成によって駆動軸9の回転に伴う振動などを効果的に抑制することができる。
さらに、前記各補強リブ40〜41は、前記ハウジング1の隔壁部1e、つまり前記オイルポンプ2側と電動モータ3側とを結合した部位に設けられていることから、ハウジング1の強度をさらに高めることができる。
前述のように凹部39によって隔壁部1の断面積が小さくなることから、オイルポンプ2から電動モータ3への伝熱面積を減少させることができるため、オイルポンプ2が受熱した作動油の熱を前記電動モータ3への伝熱を十分に抑制することができる。
しかも、前記作動油の熱の他に、前記電動モータ3のコイル20などで発生した熱は、ハウジング1から前記各補強リブ40〜41に伝達されて、ここから効果的に放熱されるためモータ性能の低下を抑制できる。
すなわち、前記電動モータ3は、各ステータ20を熱伝達性の低い合成樹脂材のコネクタモールド22に覆われていることから、コイル20cなどの発熱によって電動モータ3の内部に熱が篭もってしまい、該内部温度が上昇し、コイル20cの抵抗値が上昇したり、前記マグネット19bの磁気特性が低下してモータ性能が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、前記補強リブ40〜41を表面積の広い放熱フィンとして機能させたため、電動モータ3内部の高い放熱効果によってコイル20c等の温度上昇を抑制できる。この結果、モータ性能の低下を抑制できると共に、消費電力を抑制することができる。
特に、前記第1補強リブ40が、車両の走行方向に向いて突出して、走行風を先端側から直接受けるため、放熱効果が一層高くなり、また、第2補強リブ41も車両の走行方向とは反対方向に向いて突出していることから、この構造からも放熱性が良好になる。
また、本実施形態では、前記電動モータ3をブラシレスDCモータによって構成されており、このモータはブラシ付きモータよりも発熱が比較的多くなることから、前記各補強リブ40〜41による冷却効果がより有効になる。
なお、前記ハウジング1及び各補強リブ40〜41は、アルミニウム合金材によって形成されていることから内部からの吸熱性が高い。
また、前記弁孔34の軸線方向と第1、第2補強リブ40,41の延出方向が同一方向であるから、ハウジング1の型成形時における型抜き方向が同一になるので、前記リリーフ弁33の弁孔34と第1,第2補強リブ40,41を一緒に成形することが可能になる。
〔第2実施形態〕
図5は第2実施形態を示し、前記補強リブの構造を変更したものである。
すなわち、弁孔34と軸直角に設けられた第3補強リブを廃止して、弁孔34の軸方向に沿って同一方向に延設された第1補強リブ40と第2補強リブ41のみとし、車体前方向の第1補強リブ40を6つ設けると共に、車体後方向の第2補強リブ41を3つ設けたものである。
また、前記第1補強リブ40の肉厚は、第1実施形態のものとほぼ同一であるが、第2補強リブ41の肉厚は、第1補強リブ40のものよりも厚く形成されている。他の構成は第1実施形態と同様である。
したがって、この実施形態によれば、走行風を直接受ける第1補強リブ40の数を多くしたことから、ハウジング1で吸収した熱をさらに効果的に放熱することができると共に、第2補強リブ41の数も多くしたことからも放熱効果はさらに高くなる。
また、第2補強リブ41の肉厚を厚くしたことによって、たとえ第3補強リブを廃止してもハウジング1の高い強度を維持することができる。
さらに、前述のように、各補強リブ40,41は、弁孔34の軸方向に沿って突設されていることから、ハウジング1の成形型を第1補強リブ40側と第2補強リブ41側の2分割型とすることができる。
このため、ハウジング1の型成形時に、2つの成形型を弁孔34の軸線や各補強リブ40,41の延出方向に沿って左右に離型させることができるので、その成形作業が容易である。また、2つの成形型だけとなるので鋳造装置のコストの低減化が図れる。
以下、前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
(a)
請求項1に記載の電動ポンプにおいて、
前記線形凸部は、前記駆動軸の軸線方向に延びていることを特徴とする電動ポンプ。
線形凸部によってハウジングの強度が向上すると共に、特にその特異な配置構成によって駆動軸の回転に伴う振動などを効果的に抑制することができる。
(b)
(a)に記載した電動ポンプにおいて、
前記線形凸部は、前記ハウジングの前記ポンプ構成体側と電動モータ側とを結合した部位に設けられていることを特徴とする電動ポンプ。
この発明によれば、線形凸部の特異な配置によってハウジングの強度をさらに高めることができる。
(c)
(a)に記載の電動ポンプにおいて、
前記ハウジングを型成形によって成形すると共に、
前記凹部の近傍に前記ポンプ構成体から吐出された余剰流体を低圧部に流出させるリリーフ弁が配置され、
該リリーフ弁は、前記ハウジングに直線的に設けられた弁孔と、該弁孔内を摺動する弁体と、を備え、
少なくとも前記弁孔の軸線方向に設けられた前記線形凸部を、前記弁孔の軸線方向に沿って延出するように形成したことを特徴とする電動ポンプ。
この発明によれば、前記弁孔の軸線方向と線形凸部の延出方向が同一方向であるから、ハウジングの型成形時における型抜き方向が同一になるので、前記リリーフ弁の弁孔と線形凸部を一緒に成形することが可能になる。
(d)
(c)に記載の電動ポンプにおいて、
前記線形凸部の全てを、前記弁孔の軸線に沿って延出配置されていることを特徴とする電動ポンプ。
前記ハウジングの型成形時における離型性が良好になる。
(e)
(d)に記載の電動ポンプにおいて、
前記線形凸部は、前記弁孔の軸線方向の両側に配置されていることを特徴とする電動ポンプ。
両側にあることから放熱性が向上する。
(f)
(e)に記載の電動ポンプにおいて、
前記ハウジングは、2分割の成形型によって成形されていることを特徴とする電動ポンプ。
ハウジングの型成形時に、2つの成形型を弁孔の軸線や線形凸部の延出方向に沿って左右に離型させることができるので、その成形作業が容易である。
(g)
請求項1に記載の電動ポンプにおいて、
前記ハウジングをアルミニウム合金材によって形成したことを特徴とする電動ポンプ。
アルミニウム合金材によって形成したことにより、電動モータなどからの吸熱性が良好になる。
(h)
請求項1に記載の電動ポンプにおいて、
前記ハウジングは、車両のエンジンルーム内に取り付けられていると共に、少なくとも一部の前記線形凸部は車両走行方向に延出していることを特徴とする電動ポンプ。
車両走行時に、かかる走行風を線形凸部が直接的に受けることから、放熱効果が大きくなる。
(i)
(h)に記載の電動ポンプにおいて、
前記線形凸部は、車両走行方向の前後位置にそれぞれ設けられ、車両走行方向の前側に設けられた線形凸部は、車両走行方向の後側に設けられた線形凸部よりも数多く形成されていることを特徴とする電動ポンプ。
前側の線形凸部の方が数多く設けられていることから、放熱効果が一層向上する。
(j)
請求項1に記載の電動ポンプにおいて、
前記電動モータは、ブラシレスモータによって構成されていると共に、前記ハウジングの内周に、コイルが巻回されたステータが固定されていることを特徴とする電動ポンプ。
ブラシレスモータは、ブラシ付きモータよりも発熱が比較的多くなることから、前記線形凸部による冷却効果がより有効になる。
本発明は、トランスミッション用の電動ポンプに限定されるものではなく、他の用途の電動ポンプにも適用することが可能である。
1…ハウジング
1a…ポンプ収容室
1b…モータ収容室
1e…隔壁部
2…オイルポンプ
3…電動モータ
4…ドライバ部
8…駆動軸
9…インナーロータ
10…アウターロータ
12吸入室(吸入部)
13…吐出室(吐出部)
33…リリーフ弁
34…弁孔
39a〜39c…第1〜第3凹部(窪み部)
40〜42…第1〜第3補強リブ(線形凸部)

Claims (4)

  1. ロータを回転させることによって吸入部から吸入された流体を吐出部から外部へ吐出する液体ポンプと、
    通電することによって駆動軸を回転駆動させ、該駆動軸を介して前記ロータに回転力を伝達する電動モータと、
    前記液体ポンプと前記電動モータを内部に収容するハウジングと、を備え、
    前記ハウジングにおける前記液体ポンプと電動モータとの間の外周部に、内周側に窪んだ凹部を形成すると共に、該凹部に複数の線形凸部を設けたことを特徴とする電動ポンプ。
  2. 回転力が伝達されることにより吸入部から吸入された流体を吐出部から吐出する液体ポンプと、
    通電することによって駆動軸を回転駆動させ、該駆動軸を介して前記ロータに回転力を伝達する電動モータと、
    前記液体ポンプと前記電動モータを内部に収容するハウジングと、を備え、
    前記ハウジングにおける前記液体ポンプと電動モータとの間に、周方向に複数配置された凹部を設けたことを特徴とする電動ポンプ。
  3. 回転力が伝達されることにより吸入部から吸入された流体を吐出部から吐出する液体ポンプと、
    通電することによって駆動軸を回転駆動させ、該駆動軸を介して前記ロータに回転力を伝達する電動モータと、
    前記液体ポンプと前記電動モータを内部に収容する金属製のハウジングと、を備え、
    前記ハウジングの前記液体ポンプと電動モータとの間の外周部に、窪んだ部分を形成すると共に、該窪み部の外周面に複数の放熱フィンを設けたことを特徴とする電動ポンプ。
  4. 回転力が伝達されることにより吸入部から吸入された流体を吐出部から吐出する液体ポンプと、
    通電することによって駆動軸を回転駆動させ、該駆動軸を介して前記ロータに回転力を伝達する電動モータと、
    前記液体ポンプと前記電動モータを内部に収容する金属製のハウジングと、を備え、
    前記ハウジングの前記液体ポンプと電動モータとの間の外周部に、窪んだ部分を形成すると共に、該窪み部の外周面に複数の補強リブを設けたことを特徴とする電動ポンプ。
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