JP2011032920A - 圧縮装置 - Google Patents

圧縮装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011032920A
JP2011032920A JP2009179180A JP2009179180A JP2011032920A JP 2011032920 A JP2011032920 A JP 2011032920A JP 2009179180 A JP2009179180 A JP 2009179180A JP 2009179180 A JP2009179180 A JP 2009179180A JP 2011032920 A JP2011032920 A JP 2011032920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal pressure
pump
seal member
compression
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009179180A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Takahashi
孝治 高橋
Taku Kawakami
拓 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Automotive Corp
Original Assignee
Nabtesco Automotive Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Automotive Corp filed Critical Nabtesco Automotive Corp
Priority to JP2009179180A priority Critical patent/JP2011032920A/ja
Priority to PCT/JP2010/063340 priority patent/WO2011013856A1/ja
Publication of JP2011032920A publication Critical patent/JP2011032920A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B39/00Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
    • F04B39/12Casings; Cylinders; Cylinder heads; Fluid connections
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/001Radial sealings for working fluid
    • F04C27/003Radial sealings for working fluid of resilient material
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/28Safety arrangements; Monitoring
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/30Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members
    • F04C18/34Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F04C18/08 or F04C18/22 and relative reciprocation between the co-operating members
    • F04C18/344Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F04C18/08 or F04C18/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member
    • F04C18/3441Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F04C18/08 or F04C18/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member the inner and outer member being in contact along one line or continuous surface substantially parallel to the axis of rotation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Compressor (AREA)

Abstract

【課題】安全弁が不要な簡単な構成で、ポンプ内を密閉するとともに、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際には、この内圧を外部に逃がすことができる圧縮装置を提供する。
【解決手段】ロータ、ベーン等の圧縮要素をケーシング内に備えた圧縮装置において、圧縮要素の吐出口から、ケーシングに形成された排気口に至るポンプ内に、ポンプ内の内圧をシールするシール部材60を備え、シール部材60に、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に内圧を外部に逃がすように弾性変形する可動部分62を設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、ケーシング内に圧縮要素を備えた圧縮装置に関する。
一般に、ケーシング内に圧縮要素を備えた圧縮装置(以下、真空ポンプとも言う。)が知られている。この種の真空ポンプでは、圧縮要素を電動モータで駆動することによって真空を得ることができる。真空ポンプは、例えば、自動車のエンジンルームに搭載されて、ブレーキ倍力装置を作動させるための真空を発生させるために使用されている(例えば、特許文献1参照)。
この真空ポンプは、その排気口が、例えば、着雪等によって塞がれてしまった場合には、吸気口から吸引されて圧縮された気体の出口がなくなるため、内圧が所定圧力を超えて上昇するおそれがある。そして、この排気口の閉塞状態が持続されると、例えば、吸気側圧力×ポンプ圧縮比に相当する内圧がかかるおそれがある。
このような、内圧の不当な上昇を防止するために、必要に応じて安全弁が設けられている。内圧が所定圧力を超えた場合には、安全弁が開放されて、圧力が外部に放出され、これにより、内圧が低下するようになっている。
特開2003−222090号公報
しかしながら、内圧の不当な上昇を防止すべく、安全弁を設けることは、その分、構成が複雑になり、また、部品点数が増加し、さらに、組み立て工数も増加するといった問題が発生する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の増加や組み立て工数の増加を伴わない簡単な構成でありながら、内圧の不当な上昇を有効に防止することができる圧縮装置を提供することを目的とする。
本発明は、シール部材を挟んで複数部材を接合したケーシング内に圧縮要素を備えた圧縮装置において、前記シール部材は、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に弾性変形して前記内圧を外部に逃がす可動部分を有することを特徴とする。
この構成によれば、シール部材は、内圧をシールすることができ、しかも、内圧が所定圧力を超えて上昇した際には、可動部分が弾性変形して内圧を外部に逃がすことができる。つまり、シール部材が安全弁としても作用するので、個別の安全弁を設ける必要がなく、部品点数の増加や組み立て工数の増加を伴わない簡単な構成でありながら、内圧が所定圧力を超えることを防止することができる。
前記シール部材は、環状のシール本体と、前記シール本体の周方向の全周囲に一体に形成されて相手部材に接離可能な前記可動部分とを有してもよい。
この構成によれば、シール本体の全周囲に一体に可動部分を形成したため、シール部材の組み付けに際し、方向性がなくなり、容易に組み付けできると共に、樹脂の金型で一体形成できるため、製造が容易になる。
前記シール部材は、環状のシール本体と、前記シール本体の周方向の全周囲に一体に形成されて相手部材に接離可能な前記可動部分とを有してもよい。
この構成によれば、シール部材は、例えば、通常、2部材のそれぞれの端面が接合される箇所に装着されるOリングと安全弁との作用を兼用させることができる。
前記シール部材は、圧縮要素を駆動する電動モータのリード線が貫通する貫通孔を有するものであってもよい。
この構成によれば、シール部材は、リード線が貫通する近傍を密閉するとともに、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、内圧を逃がすことができる。すなわち、この構成によれば、部材の全周にわたってではなく、シール部材が配設された部分的な箇所において、シールと安全弁との作用を兼用することができる。
前記ケーシングを構成する複数部材の接合面に、前記可動部分に対応して、内圧を逃がすための所定幅の溝部を備えてもよい。また、前記溝部は、前記ケーシングに設けた排気口から離れた位置に設けられてもよい。
上述の構成において、前記可動部分によって開閉される部位に、溝部を有するようにしたため、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、その内圧を溝部を介して確実に外部に排出することができる。
また、前記ケーシングに装着されて前記圧縮要素を駆動する電動モータのリード線が貫通する貫通孔を有するグロメットを備え、このグロメットは、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に弾性変形して前記内圧を外部に逃がす可動部分を有してもよい。
本発明によれば、シール部材は、内圧をシールするとともに、前記内圧が所定圧力まで上昇した際には、可動部分が弾性変形して内圧を外部に逃がすことができるので、個別に安全弁を設ける必要がなく、部品点数の増加や組み立て工数の増加を伴うことなく、内圧の不当な上昇を防止できる。また、グロメットが可動部分を有した場合でも、個別に安全弁を設ける必要がなく、部品点数の増加や組み立て工数の増加を伴うことなく、内圧の不当な上昇を防止できる。
第一の実施の形態に係る真空ポンプの側部部分断面図である。 図1の真空ポンプをその前側から見た図である。 シール部材の、下半部を断面で示す側面図である。 (A)は図1中の右側の下部に図示する収納溝、シール部材近傍の拡大図であり、(B)は(A)を右側から見た図であり、(C)は(A)を下側から見た図であり、(D)は(A)のシール部材の動作を説明する図である。 排気口の閉塞時におけるポンプ内の内圧の変化を示す図表である。 第二の実施の形態に係る真空ポンプの側部部分断面図である。 図6の真空ポンプをその前側から見た図である。 (A)は図6の下側に図示している収納溝、シール部材近傍の拡大図であり、(B)は(A)を左側から見た図であり、(C)は(A)を下側から見た図である。 シール部材の、下半部を断面で示す側面図である。 (A)は図6中の前後方向および上下方向の略中央に図示した透孔、シール部材近傍の拡大図であり、(B)は、(A)のB−B線矢視図である。 グロメット単体を説明する図であり、(C)はリード線の貫通方向に沿った一方向から見た図であり、(A)はリード線の貫通方向に沿った他方向から見た図であり、(B)は(C)のB−B線矢視図、(D)は(C)のD−D線矢視図、(E)は(C)のE−E線矢視図である。 グロメットの装着状態を説明する図であり、(B)はグロメットを外側から見た図、(A)は(B)のA−A線矢視図、(C)は(B)のC−C線矢視図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施の形態について説明する。
(第一の実施の形態)
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る真空ポンプ(圧縮装置)1の側部部分断面図である。図2は、図1の真空ポンプ1をその前側(同図中の右側)から見た図である。ただし、図2は、シリンダ室Sの構成を示すべく、ポンプカバー23,サイドプレート25等の部材を取り外した状態を図示している。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図2の上部にそれぞれ矢印で示す方向が、真空ポンプ1の上下前後左右を示すものとして説明する。また、前後方向については軸方向、左右方向については幅方向ともいう。
図1に示す真空ポンプ1は、回転式のベーン型真空ポンプであり、例えば、自動車等のブレーキ倍力装置(図示略)の負圧源として使用される。この場合、真空ポンプ1は、通常、エンジンルーム内に配置されて、真空タンク(図示略)を介してブレーキ倍力装置に配管接続される。このようにエンジンルームに配設された真空ポンプ1は、後述するように、その排気口23Cが着雪等によって塞がれてしまうおそれがある。本実施の形態では、このような場合にポンプ内の内圧(後述)が不当に上昇することを防止するようにしている。なお、自動車等に用いる真空ポンプ1の使用範囲は、例えば、−60kPa〜−80kPaである。
図1に示すように、真空ポンプ1は電動モータ10と、この電動モータ10に配置されたポンプ本体20と、このポンプ本体20に取り付けられた真空吸込ニップル30とを備えており、これら電動モータ10、ポンプ本体20、真空吸込ニップル30が一体に構成された状態で、取付部材40によって支持されている。
電動モータ10は、略円柱形状に形成されたケース11の一方の端部(前端)の略中心からポンプ本体20側(前側)に向かって延びる出力軸12を有している。出力軸12は、前後方向に延びる回転中心X1を基準として回転する。出力軸12の外周面12Aには、後述するポンプ本体20のロータ26の回り止めとなるキー13が埋め込まれている。電動モータ10は、電源(図示略)のオンにより、出力軸12が、図2中の矢印R1方向(時計回り)に回転し、これにより、ロータ26を、回転中心X1を中心として同方向(矢印R1方向)に回転させるようになっている。なお、キー13を設けず、ロータ26と出力軸12とをスプライン嵌合させてロータ26の空回りを防止することも可能である。
ポンプ本体20は、図1に示すように、電動モータ10の前側に取り付けられた取付ベース21と、この取付ベース21の前側に取り付けられたシリンダ本体22と、このシリンダ本体22を前側から覆うポンプカバー23とを備えている。なお、本実施の形態では、電動モータ10のケース11、取付ベース21、シリンダ本体22、ポンプカバー23が相俟って、全体として、真空ポンプ1のケーシングを構成している。
取付ベース21は、図2に示すように、前側から見た形状が上下方向に長い略矩形に形成されていて、この取付ベース21が電動モータ10の前面の略全体を覆っている。図2の例では、取付ベース21の左右幅は、電動モータ10のケース11の直径よりも少し小さいが、ケース11の直径より大きい構成とすることも勿論可能である。
図1に示すように、取付ベース21には、電動モータ10の出力軸12が前後方向に貫通する透孔21Aが穿設され、また、透孔21Aの上方には、上下方向を向いた流路21Bが形成されている。この流路21Bの上端には、上方に向かって開口する開口部21Cが設けられており、一方、流路21Bの下端には、前方に開口する流路21Dが設けられている。真空吸込ニップル30から供給された空気は、これらの流路21B,21Dを介して、後述するシリンダ本体22内に送られる。取付ベース21における流路21Bの後方には、図2に示すように、左右方向に貫通するボルト孔21Eが設けてある。取付ベース21、ひいては真空ポンプ1全体は、このボルト孔21Eを貫通する固定ボルト49等によって後述する取付部材40によって支持されている。
シリンダ本体22は、前後方向に延びる軸心X2を基準とした円筒状に形成されている。この軸心X2は、上述の電動モータ10の出力軸12の回転中心X1に対して平行で、かつ、図2に示すように、回転中心X1に対して右側斜め上方に偏心している。これにより、軸心X2を基準に形成されているシリンダ本体22の内周面22Aは、回転中心X1を中心とする後述のロータ26の外周面16Bに対して偏心している。シリンダ本体22の内周面22Aには、後端側上部に、上述の取付ベース21の流路21Dに連通するとともに、シリンダ本体22の内側に開口する吸入口22Bが設けられ、また、前端側下部に、後述するポンプカバー23の内側に連通するとともに、シリンダ本体22の内側に開口する吐出口22Cが設けられている。
シリンダ本体22の後端および前端には、サイドプレート24,25が配設されている。これらサイドプレート24,25は、その直径が、シリンダ本体22の内周面22Aの内径よりも大きく設定されていて、ガスケット24A,25Aを介して、シリンダ本体22の内側の空間の後端および前端をそれぞれ封鎖している。これにより、シリンダ本体22の内側は、上述の吸入口22Bおよび吐出口22Cを除いて、密閉されたシリンダ室Sが形成されている。
シリンダ本体22の内側のシリンダ室Sには、ロータ26が配設されている。ロータ26は、厚肉円筒形状に形成されていて、その内周面26Aには、上述のキー13が埋め込まれた出力軸12が嵌合されている。このキー13或いは上述したスプライン嵌合の構成により、ロータ26は出力軸12と一体となって回転する。ロータ26の前後方向の長さは、上述の2枚にサイドプレート24,25の相互に対向する内面間の距離と略等しく設定されている。また、ロータ26の外周面26Bの外径は、図2に示すように、外周面26Bが、シリンダ本体22の内周面22Aのうちの左斜め下方に位置する部分に接触するように設定されている。これにより、図2に示すように、ロータ26の外周面26Bと、シリンダ本体22の内周面22Aとの間には、三日月形状の空間が構成される。
ロータ26には、三日月形状の空間を区画する複数(本例では4枚)のベーン27が設けられている。ベーン27は、板状に形成されていて、その前後方向の長さは、ロータ26と同様、2枚のサイドプレート24,25の相互に対向する内面間の距離と略等しくなるように設定されている。これらベーン27は、ロータ26に設けられたガイド溝26Cから出入り自在に配設されている。各ベーン27は、ロータ26の回転に伴い、遠心力によってガイド溝26Cに沿って外側へ突出し、その先端をシリンダ本体22の内周面22Aに当接させる。これにより、上述の三日月形状の空間は、相互に隣接する2枚のベーン27と、ロータ26の外周面26Bと、シリンダ本体22の内周面22Aとによって囲繞される4つの圧縮室Pに区画される。これら圧縮室Pは、出力軸12の回転に伴うロータ26の矢印R1方向の回転に伴い、同方向に回転し、その容積が、吸入口22B近傍で大きく、一方、吐出口22Cで小さくなる。つまり、ロータ26,ベーン27の回転により、吸入口22Bから1つの圧縮室Pに吸入された空気は、ロータ26の回転に伴って回転しつつ圧縮されて、吐出口22Cから吐出される。
ポンプカバー23は、図1に示すように、シリンダ本体22の軸心X2と同心の軸心(以下、ポンプカバー23の軸心についても軸心X2という。)を有している。ポンプカバー23は、前側のサイドプレート25との間に空間を設けて取り付けられており、この空間が膨張室23Aとして機能する。この膨張室23Aには、サイレンサ(図示略)が配置されている。ポンプカバー23には、シリンダ本体22の吐出口22Cに対応する位置に、これと膨張室23Aとを連通させる連通孔23Bが設けてある。また、ポンプカバー23の前面には排気口23Cが設けてある。排気口23Cは、膨張室23Aに流入した空気を機外(真空ポンプ1の外部)に排出するためのものであり、この排気口23Cには、機外からポンプ内への空気の逆流を防止するためのチェックバルブ(図示略)が取り付けられている。
真空吸込ニップル30は、図1に示すように、取付ベース21の開口部21Cに嵌合されている。真空吸込ニップル30の内側には、流路30Aが形成されていて、その上端には開口部20Bを有し、下端は、上述の取付ベース21の流路21Bに連通されている。真空吸込ニップル30の開口部21C近傍における外周面には、外部(例えば、真空タンク(図示略))から負圧空気を供給するための管またはチューブを接続可能にするための突部30Cが形成されている。真空吸込ニップル30は、空気の流れに沿っての上流側に位置する真空タンクから管またはチューブを介して供給されてきた空気を、下流側のシリンダ本体22の圧縮室Pに送るものである。
図1に示す構成例において、取付部材40は、真空ポンプ1の下方を、前側から後側に延びるベース部41と、このベース部41の後端から電動モータ10の後面に沿って上方に延びる後支持部42と、図1,図2に示すように、ベース部41の左端および右端から上述の取付ベース21の左側および右側に沿ってそれぞれ上方の延びる左支持部43と右支持部44とを有している。
後支持部42は、真空ポンプ1の電動モータ10を支持している。電動モータ10のケース11の上部には、前後方向に延びるブラケット45が固定ピン46,46によって固定されている。ブラケット45の後端は、起立されていて、この起立部45Aが後支持部42の上部にダンパー47を介して、支持ピン48によって支持されている。このダンパー47により、真空ポンプ1の前後方向の振動が吸収されるようになっている。
一方、左支持部43および右支持部44は、真空ポンプ1の取付ベース21を支持している。左支持部43および右支持部44は、それぞれ上部における、取付ベース21のボルト孔21Eに対応する位置に透孔43A,44Aが穿設されている。これら透孔43A,44Aおよびボルト孔21Eには、一方の透孔43A側から固定ボルト49が左右方向に貫通されて、固定ボルト49の先端にナット55が締結されている。この際、取付ベース21と左支持部43および右支持部44との間には、ダンパー51,51が介装されていて、これにより、真空ポンプ1の左右方向の振動が吸収されるようになっている。
なお、上述した取付部材40の構成はあくまで一例であり、例えば、取付部材をベース部41に直接取り付ける構成とすることも可能である。また、ダンパー47、51、51は必要に応じて設けられるものであり、ダンパーを持たない構成としてもよい。
上述の構成の真空ポンプ1は、電動モータ10の電源をオンすることにより、出力軸12が図2中の矢印R1方向に回転し、これにより、ロータ26が同方向に回転し、上流側の真空タンクからの空気が、管またはチューブ、真空吸込ニップル30、吸入口22B等を介して、1つの圧縮室Pに吸入される。吸入された空気は、ロータ26の回転により圧縮室Pが縮小されるのに伴って圧縮され、その後、吐出口22Cから吐出されて膨張室23Aに導かれ、排気口23Cから外部に排出される。
本構成においては、上述の真空ポンプ1は、さらに、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際に内圧を外部に逃がすことが可能なシール部材60を備えている。なお、ここで、ポンプ内の内圧とは、シリンダ本体22の吐出口22Cからポンプカバー23の排気口23Cまでの間の圧力をいう。言い換えると、圧縮室Pで圧縮された後の空気が、外部に排出されるまでの圧力をいう。
図3は、シール部材60の、下半部を断面で示す側面図である。
本構成では、シール部材60は、図3に示すように、環状に形成されており、図1に示すように、シリンダ本体22とポンプカバー23との間に介装されている。
ここで、図4(A)は、図1中の右側の下部に図示する収納溝23E、シール部材60近傍の拡大図であり、(B)は(A)を右側から見た図であり、(C)は(A)を下側から見た図であり、(D)は(A)のシール部材60の動作を説明する図である。
図1,図4(A)に示すように、シール部材60は、2つの部材の、それぞれの端面の間に配置されている。詳しくは、図4(A)に示すように、シリンダ本体22の前端面22Dと、ポンプカバー23の後端面23Dとの間に介装されている。ポンプカバー23の後端面23Dには、軸心X2を基準とした環状の収納溝23Eが全周にわたって形成されている。収納溝23Eは、軸心X2を含む平面(図示略)で切った断面形状が略コ字形状に形成されており、底面23Fと内壁面23Gと外壁面23Hとを有していて、相手部材であるシリンダ本体22側が開口されている。収納溝23Eは、例えば、径方向寸法がa1,軸方向寸法がb1に形成されている。また、ポンプカバー23の後端面23Dには、ポンプ内の連通孔23B(以下適宜「ポンプ内」という。)と外部とを連通させる連通溝23Iが形成されている。連通溝23Iは、図4(B)に示すように、径方向に向けて形成されていて、内側端部がポンプ内に向けて開口し、また、外側端部が外部Oに向けて開口するとともに、中間部が収納溝23Eに交差している。つまり、中間部は、収納溝23Eの一部となっている。図4(A)に示すように、連通溝23Iは、軸方向寸法b2が、収納溝23Eの軸方向寸法b1よりも小さくb2(b2<b1)に設定されており、また、(B)に示すように、周方向寸法がc2に設定されている。
なお、図4(A)に示すように、連通溝23Iは、収納溝23Eによって内側部分23Jと外側部分23Kとに分割されている、と考えることもできる。この場合には、連通溝23Iは、その内側部分23Jがポンプ内と収納溝23Eとを連通させ、外側部分23Kが収納溝23Eと外部Oとを連通させていて、この結果、連通溝23Iは、収納溝23Eを介してポンプ内と外部Oとを連通させているといえる。このような場合には、連通溝23Iは、その内側部分23Jに対して外側部分23Kの配設位置や大きさの設計の自由度が向上する。例えば、内側部分23Jに対して、外側部分23Kを収納溝23Eの周方向に沿って任意の位置に設定することも可能であり、例えば、180度異なる位置に設定することも可能である。また、溝形状に代えて、図4(A)に便宜的に二点鎖線で示すように、ポンプカバー23の後端面23Dにではなく、収納溝23Eと外部Oとを連通する連通孔23Lとすることも可能である。さらに、この連通孔23Lの、収納溝23Eの周方向の位置や、数についても任意に設定することができる。
なお、連通孔23Lの、収納溝23Eへの開口部分は、後述するシール部材60によって塞がれないように開口するようにする。
シール部材60は、例えば、全体が弾性を有する合成樹脂によって、収納溝23Eに略倣った環状に形成されている。シール部材60の材料としては、望ましい弾性を容易に得られる点で、特に合成ゴムが好ましい。シール部材60は、軸心X2を含む平面で切った断面形状が図3,図4(A)に示すように形成されている。すなわち、シール部材60は、収納溝23Eに配設された装着状態(収納状態)において、図3に示すように、大別して、変形しないあるいはほとんど変形しないシール本体61と、このシール本体61と比較して変形しやすい可動部分(リップ部)62とを有している。シール本体61は、図4(A)において、収納溝23Eの内壁面23Gおよび底面23Fに接触する部分を含んで構成され、可動部分62は、このシール本体61から後方斜め外側(図4(A)では、左斜め下方)に延びるように分岐されている。
本実形態では、可動部分62は、シール本体61の側面61Sに設けられている。装着状態におけるシール部材60は、そのシール本体61の軸方向寸法b3が、収納溝23Eの軸方向寸法b1から連通溝23Iの軸方向寸法b2を引いた長さと略同じに設定されており、また、径方向寸法a3は、収納溝23Eの径方向寸法a1よりも小さくなるように設定されている。このシール本体61は、装着状態において、収納溝23Eの内壁面23Gおよび底面23Fに対して、適度な弾性力を持って密着され、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、図4(D)に示すように、当接部62Aをシリンダ本体22の前端面22Dから離間させて間隙dを形成する。ここで、適度な弾性力とは、ポンプ内の圧力が後述する所定圧力を超えて上昇した場合でも、これらの間から空気が漏洩しない程度の弾性力をいう。なお、本実施の形態においては、外部Oよりもポンプ内の方が圧力が高くなるので、シール部材60は、シール本体61の外周面61Gを収納溝23Eの外壁面23Hに当接させて、内周面61Iと収納溝23Eの内壁面23Gとの間に隙間が形成されるように装着してもよい。
可動部分62は、シール部材60の装着状態において、シール本体61から分岐されて連通溝23Iを前側から後側に向かって横断してその外周端側の一部をシリンダ本体22の前端面22Dに当接させている。この当接部62Aは、可動部分62の弾性変形によって当接状態を保持するようになっている。さらに、この当接状態は、ポンプ内の内圧が所定圧力に達するまで、具体的には外部の圧力(大気圧)よりも少し高い所定の閾値に達するまでは維持される。
ここで、所定圧力とは、各部品に影響を及ぼすであろう圧力以下の圧力であり、一定の安全度を保って設定される。各部品とは、例えばモータシャフトや、ベーン、パッキン類を含むポンプシール材や、ポンプケーシングの締結ねじ等を含む部品であり、モータシャフトへの横荷重過大のときには、ベアリングの破損に至るし、それ以外の部品のときも、各部品の破損に至る。
ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、図4(D)に示すように、当接部62Aをシリンダ本体22の前端面22Dから離間させて間隙dを形成する。これにより、連通溝23Iが開通されてポンプ内と外部Oとを連通させる。これにより、例えば、排気口23Cが着雪等に起因して閉塞された場合に、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇することを防止している。
図5は、排気口23Cの閉塞時におけるポンプ内の内圧の変化を示す。ここで、圧力(所定圧力)Pは、可動部分62を弾性変形させる内圧である。仮に、シール部材60が可動部分62を持たない場合、排気口23Cの閉塞時に、内圧が、破線で示すように、圧力P1を越えて、かつ、危険域を越えて圧力P2に至って、該圧力P2が略一定に保持される。これに対し、可動部分62を持つ場合、危険域に至る前の所定圧力Pで、可動部分62が図4(D)に示すように変位し、その後は、実線で示すように該圧力Pを略一定に保持する。
なお、連通溝23Iの軸方向寸法b2や幅方向寸法c2については、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇し、シール部材60の可動部分62がシリンダ本体22の前端面22Dから離間されて、ポンプ内の圧力がこの連通溝23Iを介して速やかに外部に排出される必要最小限度に設定すれば十分である。
上述の真空ポンプ1においては、収納溝23E、連通溝23Iをポンプカバー23側の後端面23Dに形成し、収納溝23Eにシール部材60を配設して、シール部材60の可動部分62を相手部材としてのシリンダ本体22の前端面22Dに当接させるようにした。本実施の形態の変形例として、この構成に代えて、シール部材をシリンダ本体22側に装着するようにしてもよい。すなわち、シリンダ本体22側に、上述のポンプカバー23の収納溝23E、連通溝23Iと同様の収納溝、連通溝(図示略)を設け、この収納溝にシール部材を装着し、このシール部材の可動部分を、相手部材としてのポンプカバー23の後端面23Dに当接させるようにしてもよい。この場合も同様の作用効果を奏することができる。
また、上述では、本実施の形態に係るシール部材60を、シリンダ本体22の前端面22Dとポンプカバー23の後端面23Dとの間に介装する場合を例に説明したが、本実施の形態は、これに限定されるものではなく、真空ポンプ1における圧縮室Pの吐出口22Cよりも下流側で、かつ排気口23Cよりも上流側において、2つの部材がそれぞれの端面を接合させた状態で連結されている場合には、これら2つの部材の端面の間に収納溝、連通溝等を設けてシール部材を取り付けることにより、上述と同様の効果を奏することができる。さらに、上記実施の形態では4枚のベーン27を有する場合を例示して説明したが、ベーンの数は任意であり、例えば3〜6枚とすることができる。
(第二の実施の形態)
図6は、本発明の第二の実施の形態に係る真空ポンプ2の側部部分断面図である。また、図7は、図6の真空ポンプ2をその前側(同図中の右側)から見た図である。ただし、図7は、シリンダ室Sの構成を示すべく、サイドプレート125等の部材を取り外した状態を図示している。なお、図6,図7中の矢印で示す前後上下左右は、真空ポンプ2の前後上下左右を示している。
本実施の形態では、相互に接合されてケーシングを構成する一方の部品の外周面と他方の部品の内周面との間にシール部材を介装した例を説明する。なお、真空ポンプ2の基本的な構成および作用等は、上述の真空ポンプ1と略同様であるので、異なる部分を主に説明する。本実施の形態では、電動モータ110のケース111、取付ベース121、シリンダ本体122が相俟って、真空ポンプ2のケーシングを構成している。
真空ポンプ2は、電動モータ110と、その前側に配置されたポンプ本体120と、真空吸込ニップル130とを備えている。本実施の形態では、上述の第一の実施の形態と異なり、ポンプ本体120の前面には、膨張室を有するポンプカバーは設けられていない。また、ポンプ本体120は、シリンダ本体122によって構成されていて、取付ベース121は、電動モータ110の一部を構成している。そして、排気口121Aは、取付ベース121の下部に設けられていて、いわゆるモータ内排気を実現している。
電動モータ110は、ケース111を備えていて、ケース内に収納されたロータ113からは、前方に向けて出力軸112が突出されている。シリンダ本体122における後部の上側には、真空吸込ニップル130からの空気を圧縮室Pに導く吸入口122Bが形成され、また、後部の下側には、圧縮室P内で圧縮された空気を電動モータ110内に導くための吐出口122Cが形成されている。また、取付ベース121の下部には、ポンプ内の空気を外部に排出するための排気口121Aが設けられている。さらに、排気口121Aには、ポンプ内が所定の設定圧力よりも上昇したときに排気口121Aを開放するバルブ121Bが配設されている。
シリンダ本体122には、出力軸112の回転中心X1に対して偏心した軸心X2を基準としてシリンダ室Sが形成されていて、このシリンダ室Sは、サイドプレート124,125によって前端側および後端側が閉鎖されている。シリンダ室S内には、出力軸112と一体回転するロータ126と、このロータ126に出入り自在に支持されるとともに、ロータ126の回転によって先端をシリンダ本体122の内周面122Aに摺擦させる4枚のベーン127が配設されている。
上述構成の真空ポンプ2は、電動モータ110の出力軸112が図7中の矢印R2方向に回転するのに伴って、ロータ126が同方向に回転する。これにより、真空タンク(図示略)から管またはパイプ、真空吸込ニップル130、吸入口122Bを介して圧縮室Pに吸い込まれた空気は、ロータ126の回転に伴って圧縮室Pが縮小されることで圧縮され、その後、吐出口122Cから吐出され、さらに、排気口121Aから排出される。
本実施の形態の真空ポンプ2では、圧縮室Pによって圧縮された空気は、膨張室として作用する電動モータ110のケース111内に導かれつつ、電動モータ110の一部を構成する取付ベース121の排気口121Aから排気される。なお、吐出口122Cから吐出された空気は、ケース111内に導かれて膨張することにより、騒音が低減される。
図8(A)は、図6の下側に図示している収納溝142C、シール部材160近傍の拡大図であり、(B)は(A)を左側から見た図であり、(C)は(A)を下側から見た図である。
電動モータ110のケース111は、後ケース141と前ケース142とによって構成されていて、両者は、図8(A)に示すように、後ケース141の内周面141Aに、前ケース142の外周面142Aが挿入されることで一体に構成されている。
後ケース141は、前端側に、外側に屈曲されたフランジ部141Bが形成されている。一方、前ケース142は、フランジ部142Bを有していて、後端側を後ケース141に挿入するとともに、このフランジ部142Bを後ケース141のフランジ部141Bに当接させることで、一体に構成されている。
シール部材160は、図9に示すように、環状に形成されており、後ケース141の内周面141Aと前ケース142の外周面142Aとの間に介装されている。前ケース142の外周面に142Aは、軸心X2を基準とした環状の収納溝142Cが形成されている。収納溝142Cは、断面が略コ字形に形成されており、底面142Dと前壁面142Eと後壁面142Fとを有していて、後ケース141の内周面141Aに向かって開口されている。また、外周面142Aには、この収納溝142Cを前後方向に貫通するように連通溝142Gが形成されている。この連通溝142Gは、フランジ部142Bの後面に、径方向に向けて形成された連通溝142Hと接続されている。すなわち、ポンプ内は、連通溝142G,142Hを介して、外部に連通されている。
シール部材160は、例えば、全体が弾性を有する合成樹脂によって、収納溝142Cに略倣った環状に形成されている。シール部材160の材料としては、望ましい弾性を容易に得られる点で、特に合成ゴムが好ましい。シール部材160は、軸心X2を含む平面で切った断面形状が図8(A)に示すように形成されている。すなわち、シール部材160は、収納溝142Cに配設された装着状態(収納状態)において、図8(A),図9に示すように、大別して、変形しないあるいはほとんど変形しないシール本体161と、このシール本体161と比較して変形しやすい可動部分(リップ部)162とを有している。シール本体161は、図8(A)において、収納溝142Cの後壁面142Fおよび底面142Dに接触する部分を含んで構成され、可動部分162は、このシール本体161から前側でかつ斜め外側に延びるように分岐されている。本実施の形態では、可動部分162は、シール本体161の外周面161Gに設けられており、可動部分162は、例えば図5に示す特性と略同様な特性を持って動作する。
装着状態において、このシール本体161は、収納溝142Cの後壁面142Fおよび底面142Dに対して、適度な弾性力を持って密着されている。ここで、適度な弾性力とは、ポンプ内の圧力が後述する所定圧力以下の状態では空気を漏洩させず、所定圧力を超えた場合に変形して空気を漏洩させる程度の弾性力をいう。
可動部分162は、シール部材160の装着状態において、シール本体161から分岐されて連通溝142Gを径方向内側から外側に向かって横断してその外周端側の一部を後ケース141の内周面141Aに当接させている。この当接部162Aは、可動部分162の弾性変形によって当接状態を保持するようになっている。さらに、この当接状態は、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇するまで、具体的には外部の圧力(大気圧)よりも少し高い所定の閾値に達するまでは維持される。本実施の形態では、例えば、着雪によって図6に示す排気口121Aが閉塞されたり、また、凍結によってバルブ121Bが作動しなくなったりした場合に、ポンプ内の内圧が不当に上昇するおそれがある。そこで、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、当接部162Aを後ケース141の内周面141Aから離間させる。これにより、連通溝142G,142Hを介して、ポンプ内と外部とが連通されて、ポンプ内の内圧が所定圧力以上になるのを防止している。
図6において、電動モータ110は、そのケース111、取付ベース121、シリンダ本体122によって構成される真空ポンプ2のケーシングによって密閉されている。このため、電動モータ110に電力を供給するために、リード線をケース111の外部からケース111を貫通させて内側に導く必要がある。そこで、前ケース142の一部に、例えば、図6に示すような略矩形の径方向に沿った係合溝142Iを形成し、この係合溝142Iにブロック状のシール部材170を圧着状態で係合させ、このシール部材170に、リード線L,Lを貫通させるようにしている。
図10(A)は、図6中の前後方向および上下方向の略中央に図示した係合溝142I、シール部材170近傍の拡大図であり、(B)は、(A)のB−B線矢視図である。
図10(A)に示すように、後ケース141と前ケース142との接合面(接合部)における前ケース142側には、前ケース142の内外を貫通するように略矩形の係合溝142Iが穿設されている。この係合溝142Iには、後ケース141のフランジ部141Bに対応する部分を除いた三方に係合溝142Jが形成されている。シール部材170は、全体が弾性を有する合成樹脂等によって形成されていて、ブロック状のシール本体171と、このシール本体171の側面171Aから外側に向かって斜めに延びる可動部分(リップ部)172とを有している。可動部分172は、略板状に形成されている。また、シール部材170は、可動部分172のない3つの側面に、係合溝142Jに係合可能な凸部173を有している。シール部材170を係合溝142Iに嵌め込み、さらに凸部173を係合溝142Jに係合させる。これにより、可動部分172は、その先端側の当接部172Aを後ケース141のフランジ部141Bに弾性的に当接させる。シール部材170には、ポンプ内と外部とを貫通する貫通孔170Aが穿設されていて、この貫通孔170Aにリード線L,Lが挿通されている。このリード線Lは、圧縮要素を駆動する電動モータ110に電力を供給するためのリード線である。
シール部材170は、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、可動部分172の当接部172Aが後ケース141のフランジ部141Bから離間して、ポンプ内と外部とを連通させて、ポンプ内の内圧を外部に逃がすようにしている。なお、このブロック状のシール部材170に対しては、連通溝は不要である。
この構成によれば、リード線L,Lが貫通するシール部材170に、可動部分172を設けて、係合溝142Iの一部を開閉可能にしたので、可動部分172のこれとは別な箇所に内圧を逃がすためのシール部材を設ける必要がない。可動部分172は、例えば図5に示す特性と略同様な特性を持って動作する。
次に、図11,図12を参照して、通常はポンプ内の内圧をシールするとともに、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇したときにポンプ内の内圧を外部に逃がすためのシール部材として、グロメット180を単独で使用する場合を説明する。
ここで、図11は、グロメット180単体を説明する図であり、(C)はリード線の貫通方向に沿った一方向から見た図であり、(A)はリード線の貫通方向に沿った他方向から見た図であり、(B)は(C)のB−B線矢視図、(D)は(E)のD−D線矢視図、(E)は(C)のE−E線矢視図である。また、図12は、グロメット180の装着状態を説明する図であり、(B)はグロメット180を外側から見た図、(A)は(B)のA−A線矢視図、(C)は(B)のC−C線矢視図である。
なお、グロメット180は、例えば、真空ポンプのケースに取り付けられる場合には、(B)中の左端側が内側、右端側が外側に配置されるので、以下の説明では、これら内側および外側を基準として説明する。
グロメット180は、例えば、全体が弾性を有する合成樹脂によって形成されていて、図11(E)に示すように、シール本体181と可動部分(リップ部)182と脚部183とを有している。シール本体181は、(C),(D)に示すように、外側部181A(図11(E)の二点鎖線T1よりも上側の部分)が、略直方体状に形成され、中間部181B(図11E)中の二点鎖線T1,T2間)が略円柱状に形成され、そして、内側部181C(図11(E)中の二点鎖線T2よりも下側)が外側部181Aよりも小さい略直方体状に形成されている。中間部181Bの内側端部における周方向に沿っての2箇所には、(A),(E)に示すように、切欠181Dが設けてある。これら切欠181Dは、後述する可動部分182の当接部182Aが、装着先190から離間されたときに、内側と外側とを連通させるためのものである。シール本体181には、内側と外側とを貫通する貫通孔181Eが2個、穿設されている。これら貫通孔181Eには、圧縮要素を駆動する電動モータに電力を供給するリード線L,Lが挿通される。
可動部分182は、円柱状に形成された中間部181Bの円弧状の外側端縁から、内側に向かって広がるように形成されている。可動部分182は、(C)に示すように、外側から見た形状が円弧状に形成されている。可動部分182の内側端部近傍における外周面側には、突起状の当接部182Aが形成されている。
この突起状の当接部182Aは、円弧状に形成されており、さらに、シール本体181の外側部181Aの外周面にも連続するように形成されている。つまり、当接部182Aは、全体が連結されて、円形に形成されている。この当接部182Aは、グロメット180が装着先190(図12参照)の所定の位置に装着された際に、全周にわたって装着先190に当接し、これにより、装着先190に内側と外側とを遮断している。つまり、内側の圧力が外側に逃げないようにしている。
脚部183,183は、(A)に示すように、シール本体181の内側部181Cの、相互に対向する短辺側から、(B)に示すように、内側に向かって延びるように形成されている。脚部183における、シール本体181の内側部181C近傍には、段状の係合部183Aが形成されている。係合部183Aは、グロメット180の装着時に装着先190に係合してグロメット180全体を位置決め固定するものである。
図12を参照して、上述構成のグロメット180の使用例を説明する。例えば、真空ポンプにおける、圧縮室によって圧縮された空気が吐出されてから、排気口から排出されるまでの間の部分(装着先190)に装着することができる。装着先190には、その内側と外側とを貫通する透孔191が穿設されていて、さらに、透孔191には、グロメット180の脚部183の係合部183Aが係合される係止部192が形成されている。
グロメット180の2つの貫通孔181Eにそれぞれリード線Lを挿通し、グロメット180を装着先190の透孔191に外側から嵌め込む。このとき、係止部192にグロメット180の脚部183の係合部183Aを係合させる。これにより、可動部分182が弾性変形して、その当接部182Aを全周にわたって透孔191に当接させる。これにより、装着先190の内部と外部との連通が阻止される。
装着先190の内側の内圧が所定圧力を超えて上昇すると、可動部分182の当接部182Aが透孔191から離間されて両者間に間隙が形成され、これにより、切欠181Dを介して、装着先190の内側と外側とが連通される。そしてこの連通によって、装着先190の内圧が外部Oに排出される。
このグロメット180は、例えば、それぞれの端面を接合させている2つの部材の端面の間や、それぞれの内周面と外周面とを接合させている2つの部材の間にシール部材を配設する場合と異なり、1つの部材(装着先190)に対して単独で配設することができるので、リード線Lの配設位置についての選択の自由度が高い。このように、グロメット180に、可動部分182を設けることにより、内圧が所定圧力を超えて上昇したときにこの内圧を外部Oに排出することができるので、個別に、内圧を排出するための安全弁等を設ける必要がない。なお、グロメット180を装着する装着先190とは、例えば、図6に示す後ケース141や前ケース142がこれに該当する。
上述の、環状に形成されたシール部材60,160については、可動部分62,162は、上述の形状に限定されるものではない。通常は、ポンプ内を密閉し、ポンプ内の内圧が所定圧力を超えて上昇した際に、容易に変形して、速やかに内圧を外部に排出し、排出後は、速やかにポンプ内を密閉できるものであれば、上述の形状以外のものを使用することも可能である。
なお、図6に示す真空ポンプ2では、2つのシール部材160,170に対し、それぞれ可動部分162,172を設けたが、ポンプ内の内圧を逃がすという観点からは、いずれかのシール部材に対し、可動部分を設ければ足りることは明白である。
また、第一,第二の実施の形態における連通溝23I,123Iの周方向に配設位置については、排気口23C、121Aが着雪等によって閉塞されやすい位置に配置されている場合には、これらから遠い位置に配設することが好ましい。ただし、連通溝23I,123Iにおける、外部への開口位置が、上方を向いている場合には、雨等が入りやすいおそれがあるので、開口位置は、周方向に沿っての、軸心X2よりも下方に位置することが好ましい。
また、以上の説明では、圧縮装置として、ベーン型の真空ポンプを用いているが、圧縮要素を備えるものであれば、例えば、スクロール型のものを用いてもよい。
1,2,3 真空ポンプ(圧縮装置)
10,110 電動モータ
22C,122C 吐出口
23C,121A 排気口
23I 連通溝
26,126 ロータ(圧縮要素)
27,127 ベーン(圧縮要素)
60,160,170 シール部材
61,161,171 シール本体
62,162,172 可動部分
142G,142H 連通溝
180 グロメット(シール部材)
181A 貫通孔
182 可動部分
L リード線
O 外部

Claims (6)

  1. シール部材を挟んで複数部材を接合したケーシング内に圧縮要素を備えた圧縮装置において、前記シール部材は、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に弾性変形して前記内圧を外部に逃がす可動部分を有することを特徴とする圧縮装置。
  2. 前記シール部材は、環状のシール本体と、前記シール本体の周方向の全周囲に一体に形成されて相手部材に接離可能な前記可動部分とを有したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮装置。
  3. 前記シール部材は、圧縮要素を駆動する電動モータのリード線が貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の圧縮装置。
  4. 前記ケーシングを構成する複数部材の接合面に、前記可動部分に対応して、内圧を逃がすための所定幅の溝部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧縮装置。
  5. 前記溝部は、前記ケーシングに設けた排気口から離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の圧縮装置。
  6. ケーシング内に圧縮要素を備えた圧縮装置において、前記ケーシングに装着されて前記圧縮要素を駆動する電動モータのリード線が貫通する貫通孔を有するグロメットを備え、このグロメットは、内圧が所定圧力を超えて上昇した際に弾性変形して前記内圧を外部に逃がす可動部分を有することを特徴とする圧縮装置。
JP2009179180A 2009-07-31 2009-07-31 圧縮装置 Pending JP2011032920A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009179180A JP2011032920A (ja) 2009-07-31 2009-07-31 圧縮装置
PCT/JP2010/063340 WO2011013856A1 (ja) 2009-07-31 2010-07-30 圧縮装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009179180A JP2011032920A (ja) 2009-07-31 2009-07-31 圧縮装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011032920A true JP2011032920A (ja) 2011-02-17

Family

ID=43529497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009179180A Pending JP2011032920A (ja) 2009-07-31 2009-07-31 圧縮装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2011032920A (ja)
WO (1) WO2011013856A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103649464A (zh) * 2011-07-08 2014-03-19 皮尔伯格泵技术有限责任公司 用在汽车领域中的真空泵

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3874430B2 (ja) * 1994-05-25 2007-01-31 株式会社荏原製作所 スクリュー流体機械
JP3342351B2 (ja) * 1997-06-27 2002-11-05 ダイハツ工業株式会社 内燃機関における吸気管のシリンダヘッドへの接続装置
JP2000009075A (ja) * 1998-06-19 2000-01-11 Zexel Corp 冷媒圧縮機
JP2003003920A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Denso Corp 内燃機関の吸気装置
JP2003314474A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Tokico Ltd スクロール式流体機械
JP2004360491A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Calsonic Compressor Seizo Kk リリーフバルブ及び気体圧縮機
JP4829521B2 (ja) * 2005-04-14 2011-12-07 サンデン株式会社 スクロール型流体機械

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103649464A (zh) * 2011-07-08 2014-03-19 皮尔伯格泵技术有限责任公司 用在汽车领域中的真空泵
JP2014521002A (ja) * 2011-07-08 2014-08-25 ピールブルグ パンプ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 自動車分野において使用するための真空ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011013856A1 (ja) 2011-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2485378T3 (es) Compresor giratorio de capacidad variable
JP3874300B2 (ja) ベーンポンプ
JP5726750B2 (ja) モータ−ポンプ組立体
KR101512870B1 (ko) 모터-펌프 조립체
ES2395652T3 (es) Compresor de espiral y deflector para el mismo
JP2014194211A (ja) 電動バキュームポンプ
RU2480627C1 (ru) Лопастной насос
JP2013538977A (ja) サイドチャンネルブロワ、特に内燃機関に用いられる二次空気ブロワ
JP5447149B2 (ja) ベーンポンプ
JP6135225B2 (ja) ポンプ
US20160153452A1 (en) Motor-driven compressor
WO2011013856A1 (ja) 圧縮装置
JP2007138842A (ja) 負圧発生装置
JP2011214519A (ja) 真空ポンプ
JP5632252B2 (ja) 負圧ポンプ
WO2013137053A1 (ja) 真空ポンプ
JP5554124B2 (ja) 圧縮装置
KR100858773B1 (ko) 압축기의 머플러 설치 구조
WO2016104652A1 (ja) 真空ポンプ
KR20170001492U (ko) 소음 저감이 가능한 차량용 진공펌프
KR20170001491U (ko) 밀폐성이 향상된 차량용 진공펌프
JP2007332919A (ja) スクロール圧縮機
JP2008082282A (ja) バキュームポンプ
JP2020153352A (ja) 液圧回転機
JP2013189911A (ja) 真空ポンプ