JP2011032606A - 多重織物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多重織物を、平織組織からなる表布11および裏布12と、前記表裏布間にあって、平織組織からなる対向一対の基布13aをパイル経糸により結合した立体中布13と、から構成し、表裏布11、12と立体中布13とは、所定ピッチで結合部14により結合する。立体中布13により、嵩高になっているため、保温性、柔軟性、通気性、および吸湿性に優れ、かつガーゼ様の表裏布11、12のため涼やかな風合いを有する。
【選択図】図1
Description
より詳しくは、ガーゼ様の風合いを持つ表裏布の間に立体構造を有する嵩高の中布を備えた多重織物およびその製造方法に関する。
ところが、昨今の地球温暖化や住環境の変化に伴って、年間を通じて用いるのに好適な織物が市場で求められつつある。
また、製造工程においては、一度の筬打ちに一本の緯糸しか打ち込めないため、多重にすればするほど緯糸の打ち込み回数が増し、生産効率が悪い問題もある。
ここで、前記表布と立体中布および前記裏布と立体中布とは、ガーゼ経糸を地緯糸に所定ピッチで交絡させることまたは地経糸をガーゼ緯糸に所定ピッチで交絡させてなる結合部により結合されるものとする。
さらに前記パイル経糸の配列を、隣接するパイル経糸同士で対称形とするのが好ましい。
また、多重織物の表裏面は平織組織からなるガーゼ様の表裏布のため、単に平織組織を積層する場合に比べても涼やかな風合いは劣らない。
ここで、表布11および裏布12と、立体中布13とは、一方向に所定ピッチで並列する複数の結合部14により結合されている。
図2(a)のように、奇数筬目における緯糸の配置は、地緯糸○1本に対しガーゼ緯糸●2本の組の繰返し配列を織物X、織物Yについて全く同じとし、かつ緯糸1から18までを1リピート長さとしている。
すなわち、緯糸の2、5、8、11・・・3n−1(nは自然数、以下同じ)番目は地緯糸○となり、それ以外の3n−2、3n番目はガーゼ緯糸●となっている。
なお、ここで織物X、Yは上下に並列した状態で織成されるため、筬打の際に一度に緯糸を2本ごと打ち込むことができ、生産効率が高いものとなっている。
一方織物Yにおいて、地経糸V1 は1つ置きの地緯糸○、すなわち2、8、14・・・6n−4番目の地緯糸に内側から外側を経て内側に回り込むように交絡しており、ガーゼ緯糸●には交絡していない。
次にパイル経糸P1は織物Yの緯糸10〜18に対して、10では内側、11では外側、12から16では内側、17では外側、18では内側に通された後、織物Xへと架け渡されている。
織物Xの緯糸19〜27におけるパイル経糸P1の配列は上記緯糸1〜9におけるものとまったく同じであり、織物Yの緯糸28〜36におけるパイル経糸P1の配列は上記緯糸10〜18におけるものとまったく同じである。
以下、織物Xの緯糸9n+1〜9n+9におけるパイル経糸P1の配列は、緯糸1〜9におけるものと、織物Yの緯糸9n+10〜9n+18におけるパイル経糸P1の配列は、緯糸10〜18におけるものと、それぞれ一致する。
すなわち、緯糸の2、5、8、11・・・3n−1(nは自然数、以下同じ)番目は地緯糸○となり、それ以外3n−2、3n番目はガーゼ緯糸●となっている。
一方織物Yにおいて、地経糸V2 は1つ置きの地緯糸○、すなわち5、11、17・・・6n−1番目の地緯糸に内側から外側を経て内側に回り込むように交絡しており、かつ地経糸V2はガーゼ緯糸●の18に交絡している。
次にパイル経糸P2は織物Xの緯糸10〜18に対して、10では内側、11では外側、12から16では内側、17では外側、18では内側に通された後、織物Yへと架け渡されている。
織物Yの緯糸19〜27におけるパイル経糸P2の配列は上記緯糸1〜9におけるものとまったく同じであり、織物Xの緯糸28〜36におけるパイル経糸P2の配列は上記緯糸10〜18におけるものとまったく同じである。
以下、織物Yの緯糸9n+1〜9n+9におけるパイル経糸P2の配列は、緯糸1〜9におけるものと、また織物Xの緯糸9n+10〜9n+18におけるパイル経糸P2の配列は、緯糸10〜18におけるものと、それぞれ一致する。
また、地緯糸○と地経糸V1、V2からなる平織組織は基布13aとなり、この基布13aと基布間を結合するパイル経糸P1、P2とで立体構造で嵩の高い立体中布13となる。また、地経糸V1、V2がガーゼ緯糸●の18に交絡した部分が図1の結合部14を構成する。
図4(a)のように、奇数筬目における緯糸の配置は、地緯糸○1本に対しガーゼ緯糸●2本の組の繰返し配列を織物X、織物Yについて全く同じとし、かつ緯糸1から18までを1リピート長さとしている。
すなわち、緯糸の2、5、8、11・・・3n−1番目は地緯糸○となり、それ以外3n−2、3n番目はガーゼ緯糸●となっている。
一方織物Yにおいて、地経糸V1 は1つ置きの地緯糸○、すなわち2、8、14・・・6n−4番目の地緯糸に内側から外側を経て内側に回り込むように交絡している。
一方織物Yにおいて、ガーゼ経糸W1は、3、6、9、12・・・3n番目のガーゼ緯糸●にそれぞれ外側から内側を経て外側へ廻り込むように交絡しており、地緯糸○には交絡していない。
次にパイル経糸P1は織物Yの緯糸10〜18に対して、10では内側、11では外側、12から16では内側、17では外側、18では内側に通された後、織物Xへと架け渡されている。
織物Xの緯糸19〜27におけるパイル経糸P1の配列は上記緯糸1〜9におけるものとまったく同じであり、織物Yの緯糸28〜36におけるパイル経糸P1の配列は上記緯糸10〜18におけるものとまったく同じである。
以下、織物Xの緯糸9n+1〜9n+9におけるパイル経糸P1の配列は、緯糸1〜9におけるものと、また織物Yの緯糸9n+10〜9n+18におけるパイル経糸P1の配列は、緯糸10〜18におけるものと、それぞれ一致する。
すなわち、緯糸の2、5、8、11・・・3n−1(nは自然数、以下同じ)番目は地緯糸○となり、それ以外3n−2、3n番目はガーゼ緯糸●となっている。
一方織物Yにおいて、地経糸V2 は1つ置きの地緯糸○、すなわち5、11、17・・・6n−1番目の地緯糸に内側から外側を経て内側に回り込むように交絡している。
一方織物Yにおいて、ガーゼ経糸W2は、1、4、7、10・・・3n−2番目のガーゼ緯糸●に、外側から内側を経て外側へ廻り込むように交絡しており、かつ17番目の地緯糸○にも交絡している。
次にパイル経糸P2は織物Xの緯糸10〜18に対して、10では内側、11では外側、12から16では内側、17では外側、18では内側に通された後、織物Yへと渡されている。
織物Yの緯糸19〜27におけるパイル経糸P2の配列は上記緯糸1〜9におけるものとまったく同じであり、織物Xの緯糸28〜36におけるパイル経糸P2の配列は上記緯糸10〜18におけるものとまったく同じである。
以下、織物Yの緯糸9n+1〜9n+9におけるパイル経糸P2の配列は、緯糸1〜9におけるものと、織物Xの緯糸9n+10〜9n+18におけるパイル経糸P2の配列は、緯糸10〜18におけるものと、それぞれ一致する。
また、地緯糸○と地経糸V1、V2からなる平織組織は基布13aとなり、この基布と基布間を結合するパイル経糸P1、P2とで立体構造で嵩の高い立体中布13となる。また、ガーゼ経糸W1、W2が、17番目の地緯糸○に交絡した部分が図1の結合部14を構成する。
また、表布11および裏布12と基布13aとを結合する結合部14の位置、間隔等は上記実施形態に限定されず、任意に設定可能である。
また、糸の材質も特に限定されないが、ポリエステル、綿が例示できる。このような糸には、適宜抗菌加工、防カビ加工などを施すことができる。
11 表布
12 裏布
13 立体中布
13a 基布
14 結合部
X、Y 織物
V1、V2 地経糸
W1、W2 ガーゼ経糸
P1、P2 パイル経糸
○ 地緯糸
● ガーゼ緯糸
Claims (5)
- ガーゼ緯糸●とガーゼ経糸W1、W2の平織組織からなる表布11および裏布12と、
前記表裏布11,12間にあって、地緯糸○と地経糸V1、V2の平織組織からなる対向一対の基布13a間に、パイル経糸P1、P2を所定の配列で架け渡して前記地緯糸○に交絡させてなる立体中布13と、を備え、
前記表布11と立体中布13および前記裏布12と立体中布13とは、ガーゼ経糸W1、W2を地緯糸○に所定ピッチで交絡させてなる並列する結合部14により結合された多重織物。 - ガーゼ緯糸●とガーゼ経糸W1、W2の平織組織からなる表布11および裏布12と、
前記表裏布11,12間にあって、地緯糸○と地経糸V1、V2の平織組織からなる対向一対の基布13a間に、パイル経糸P1、P2を所定の配列で架け渡して前記地緯糸○に交絡させてなる立体中布13と、を備え、
前記表布11と立体中布13および前記裏布12と立体中布13とは、地経糸V1、V2をガーゼ緯糸●に所定ピッチで交絡させてなる並列する結合部14によりにより結合された多重織物。 - 前記パイル経糸P1、P2の配列を、隣接するパイル経糸P1、P2同士で対称形とした請求項1または2に記載の多重織物。
- 緯糸として、地緯糸○およびガーゼ緯糸●を、経糸として、地経糸V1、V2、ガーゼ経糸W1、W2およびパイル経糸P1、P2を、それぞれ準備し、
地緯糸○が1本、ガーゼ緯糸●が2本からなる組を繰り返し配列したものを上下一対に配置し、
地経糸V1、V2を1本おきの地緯糸○の内側から外側を経て内側にまわり込むように通して地緯糸○に交絡させ、かつ所定ピッチでガーゼ緯糸●にも交絡させ、
ガーゼ経糸W1、W2を地緯糸○とガーゼ緯糸●の間を内側から外側に向けて通し、かつガーゼ緯糸●同士の間を外側から内側に向けて通してガーゼ緯糸●に交絡させ、
パイル経糸P1、P2を上下の地緯糸○間に架け渡し、地緯糸○の内側から外側を経て内側にまわり込むように通して地緯糸○に交絡させる多重織物10の製造方法。 - 緯糸として、地緯糸○およびガーゼ緯糸●を、経糸として、地経糸V1、V2、ガーゼ経糸W1、W2およびパイル経糸P1、P2を、それぞれ準備し、
地緯糸○が1本、ガーゼ緯糸●が2本からなる組を繰り返し配列したものを上下一対に配置し、
地経糸V1、V2を1本おきの地緯糸○の内側から外側を経て内側にまわり込むように通して地緯糸○に交絡させ、
ガーゼ経糸W1、W2を地緯糸○とガーゼ緯糸●の間を内側から外側に向けて通し、かつガーゼ緯糸●同士の間を外側から内側に向けて通してガーゼ緯糸●に交絡させ、かつ所定ピッチで地緯糸○にも交絡させ、
パイル経糸P1、P2を上下の地緯糸○間に架け渡し、地緯糸○の内側から外側を経て内側にまわり込むように通して地緯糸○に交絡させる多重織物10の製造方法。
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