JP2011032370A - 鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法 - Google Patents
鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011032370A JP2011032370A JP2009180046A JP2009180046A JP2011032370A JP 2011032370 A JP2011032370 A JP 2011032370A JP 2009180046 A JP2009180046 A JP 2009180046A JP 2009180046 A JP2009180046 A JP 2009180046A JP 2011032370 A JP2011032370 A JP 2011032370A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iron ore
- coal
- containing coke
- solvent extract
- solvent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coke Industry (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の鉄鉱石含有コークスは、褐炭と、鉄鉱石と、石炭の溶剤抽出物とを含む混合物を乾留して得られることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明で炭材として用いる褐炭は、上記の通り、炭素含有率(d.a.f.)が78%未満の石炭であり、例えば、ビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等が挙げられる。また、本出願人が既に開示している改質褐炭(特開平7−233383号公報)を用いてもよい。かかる改質褐炭は含水量が少なく輸送コストが抑えられるとともに、褐炭表面が油膜で被覆されているため自然発火し難く取り扱い性にも優れている。これらの褐炭は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。炭材として褐炭を用いることにより、鉄鉱石含有コークスの製造コストを下げることができる。また、軟化溶融し難いため、シャフト炉を用いて乾留しても、炭材が変形、癒着して炉を閉塞し難い。
本発明の鉄鉱石含有コークスは、製造コストを下げる観点から、炭材として褐炭のみを用いて製造することが好ましいが、他の炭材を併用してもよい。他の炭材としては、炭素含有率(d.a.f.)が78%以上91%以下の瀝青炭が挙げられる。これらの炭材は、比較的安価に入手できる。また、鉄鉱石含有コークスを製造する際の乾留過程で適度に軟化溶融する炭材を選べば、強度がより十分な鉄鉱石含有コークスを製造することができる。
本発明で用いる鉄鉱石の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、赤鉄鉱(ヘマタイト;Fe2O3)、磁鉄鉱(マグネタイト;Fe3O4)、褐鉄鉱(Fe2O3・nH2O)等が挙げられる。またオキシ水酸化鉄(FeOOH)を用いてもよい。この場合、予め脱水して酸化鉄にして使用することが好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる石炭の溶剤抽出物は、褐炭由来のコークスと鉄鉱石との接着性を向上するのに適している。このため、この溶剤抽出物を用いて製造される本発明の鉄鉱石含有コークスは、炭材として軟化溶融し難い褐炭を用いても、十分な強度を有することができる。石炭の溶剤抽出物が、褐炭由来のコークスと鉄鉱石との接着性向上に適している理由は明らかではないが、溶剤抽出物が実質的に灰分を含まず、また適度な軟化開始温度、流動性、及び揮発分量を有しているからであると考えられる。
抽出工程では、石炭と溶剤とを接触させて、石炭に含まれる溶剤可溶成分を溶剤中に溶出させて抽出する。
固液分離工程では、上記抽出工程で石炭から可溶成分を抽出した後、未溶解石炭(溶剤に可溶な成分が抽出されて残った石炭)を分離し、液体分を回収する。この液体分は、石炭から抽出した可溶成分と、抽出に用いた溶剤で構成されている。
溶剤除去工程では、上記固液分離工程で得られた液体分から溶剤を分離する。これにより、灰分の濃度が少ない溶剤抽出物を得ることができる。なお、灰分とは、溶剤抽出物を815℃で灰化したときの残留無機物(ケイ酸、アルミナ、酸化鉄、石灰、マグネシア、アルカリ金属など)をいう。本発明では、得られる鉄鉱石含有コークスの性能に影響しない範囲で溶剤抽出物中に灰分が数%程度含まれていてもよいが、かかる灰分の含有率は5000ppm以下(より好ましくは2000ppm以下)(質量基準、以下同じ)であることが好ましい。
本発明では、上記溶剤除去工程を経て得られた溶剤抽出物を用いて鉄鉱石含有コークスを製造してもよいが、この溶剤抽出物をさらに加熱してもよい。これにより、溶剤抽出物の軟化開始温度や流動性を調整することができる。また、併せて、揮発分量を調整することもできる。
本発明の鉄鉱石含有コークスは、上記褐炭等の炭材と、鉄鉱石と、石炭の溶剤抽出物とを混合、成形して成形物を得る工程と、前記成形物を乾留する工程を経て製造することができる。以下、本発明の鉄鉱石含有コークスの製造方法について詳細に説明する。
本発明では、先ず炭材と、鉄鉱石と、石炭の溶剤抽出物とを混合する。均一な混合物を得るためである。
成形工程では、上記混合物を成形して、所定の強度を持つ成形物にする。本発明の鉄鉱石含有コークスを、縦型シャフト炉を用いて乾留して製造する場合には、シャフト炉の頂部から上記混合物を投入するため、炭材と鉄鉱石が分離し難いこと(所定の強度を有すること)が求められるからである。
乾留工程によって、成形物を鉄鉱石含有コークスにする。乾留は、その温度を600〜1100℃(より好ましくは700〜1000℃)程度とし、炭材の酸化劣化を防止するために、例えば窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、乾留工程での滞留時間は1〜24時間程度が好ましい。
成形物、及び鉄鉱石含有コークスの強度は、ISO 4700に準じて測定した圧壊荷重で評価した。具体的には、双ロールに接していた成形面の中央部に荷重を加えて圧壊強度を測定した。
軟化開始温度、及びギーセラー最高流動度(logMF)は、JIS M8801に規定されたギーセラープラストメータ法によって測定した。
<石炭の溶剤抽出物の製造>
前述した方法(抽出工程、固液分離工程、溶剤除去工程)に従って、石炭の溶剤抽出物を製造した。このとき、原料石炭としては一般炭を用い、溶剤としてはアントラセン油を用いた。得られた溶剤抽出物の軟化開始温度は160℃、ギーセラー最高流動度(logMF)は4.7以上(測定上限以上)であった。
表1に示す組成の石炭と、表2に示す組成の鉄鉱石と、上記調整後溶剤抽出物とを、表3に示す割合でよく混合し、容量5mlのアーモンド型ポケットを有するダブルロール型の成形機を用いて、300℃に加熱しながら成形して、成形体を得た。
得られた成形体を、窒素雰囲気中、3℃/分の速度で850℃まで昇温した後、この温度で10分間保持して乾留して、鉄鉱石含有コークスを得た。
得られた成形体、及び鉄鉱石含有コークスの外観、及び強度を測定した。その結果を表3に示した。
Claims (9)
- 褐炭と、鉄鉱石と、石炭の溶剤抽出物とを含む混合物を乾留して得られることを特徴とする鉄鉱石含有コークス。
- 前記褐炭100質量部に対する前記溶剤抽出物の配合量が10〜100質量部である請求項1に記載の鉄鉱石含有コークス。
- 前記混合物が、さらに瀝青炭を含む請求項1または2に記載の鉄鉱石含有コークス。
- 前記溶剤抽出物のギーセラー最高流動度(logMF)が2以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の鉄鉱石含有コークス。
- 少なくとも褐炭と、鉄鉱石と、石炭の溶剤抽出物とを混合、成形して成形物を得る工程と、
前記成形物を乾留する工程と
を含むことを特徴とする鉄鉱石含有コークスの製造方法。 - 前記褐炭100質量部に対する前記溶剤抽出物の配合量が10〜100質量部である請求項5に記載の鉄鉱石含有コークスの製造方法。
- 前記成形を得る工程を、さらに瀝青炭を混合して行う請求項5または6に記載の鉄鉱石含有コークスの製造方法。
- 前記溶剤抽出物のギーセラー最高流動度(logMF)が2以下である請求項5から7のいずれか一項に記載の鉄鉱石含有コークスの製造方法。
- 前記乾留する工程を、シャフト炉を用いて行う請求項5から8のいずれか一項に記載の鉄鉱石含有コークスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009180046A JP5390977B2 (ja) | 2009-07-31 | 2009-07-31 | 鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009180046A JP5390977B2 (ja) | 2009-07-31 | 2009-07-31 | 鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011032370A true JP2011032370A (ja) | 2011-02-17 |
JP5390977B2 JP5390977B2 (ja) | 2014-01-15 |
Family
ID=43761768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009180046A Active JP5390977B2 (ja) | 2009-07-31 | 2009-07-31 | 鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5390977B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011032371A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Kobe Steel Ltd | 鉄鉱石含有コークスの製造方法 |
JP2014185264A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Kobe Steel Ltd | 無灰炭の軟化溶融性の調整方法、および無灰炭の製造方法 |
CN114507536A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-05-17 | 武汉钢铁有限公司 | 提高焦炭抗碎强度的配煤方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6481889A (en) * | 1987-09-24 | 1989-03-28 | Sumitomo Metal Ind | Production of molded ferrocoke |
JP2007126505A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Jfe Steel Kk | フェロコークスの製造方法 |
JP2008056778A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Jfe Steel Kk | フェロコークス原料成型物およびフェロコークスの製造方法 |
JP2009215421A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Kobe Steel Ltd | コークスの製造方法 |
-
2009
- 2009-07-31 JP JP2009180046A patent/JP5390977B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6481889A (en) * | 1987-09-24 | 1989-03-28 | Sumitomo Metal Ind | Production of molded ferrocoke |
JP2007126505A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Jfe Steel Kk | フェロコークスの製造方法 |
JP2008056778A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Jfe Steel Kk | フェロコークス原料成型物およびフェロコークスの製造方法 |
JP2009215421A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Kobe Steel Ltd | コークスの製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011032371A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Kobe Steel Ltd | 鉄鉱石含有コークスの製造方法 |
JP2014185264A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Kobe Steel Ltd | 無灰炭の軟化溶融性の調整方法、および無灰炭の製造方法 |
CN114507536A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-05-17 | 武汉钢铁有限公司 | 提高焦炭抗碎强度的配煤方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5390977B2 (ja) | 2014-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5334433B2 (ja) | 無灰炭の製造方法 | |
JP5280072B2 (ja) | コークスの製造方法 | |
EP2243845B1 (en) | Method for producing reduced metal using upgraded coal | |
JP2008115369A (ja) | 無灰炭の製造方法 | |
AU2013226908B2 (en) | Coal blend briquette and process for producing same, and coke and process for producing same | |
JP2008174592A (ja) | コークスの製造方法、及び銑鉄の製造方法 | |
JP5530292B2 (ja) | 製鉄用コークスの製造方法 | |
WO2015178386A1 (ja) | 炭素材料の製造方法及び炭素材料 | |
JP5336971B2 (ja) | 鉄鉱石含有コークスの製造方法 | |
JP5466106B2 (ja) | 鉄鉱石含有コークスの製造方法 | |
JP2014218583A (ja) | 非・微粘結炭からの高強度・高反応性コークス製造方法 | |
JP5390977B2 (ja) | 鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法 | |
US20200262704A1 (en) | Thermal fracture and microcarbon separation of coal particles | |
JP2007246674A (ja) | コークスの製造方法、及び、銑鉄の製造方法 | |
JP5879222B2 (ja) | 副生炭成形物の製造方法 | |
JP5559628B2 (ja) | 製鉄用コークスの製造方法 | |
JP6014012B2 (ja) | コークスの製造方法、およびコークス | |
JP6210662B2 (ja) | 低品位炭の改質方法、コークス及び焼結鉱の製造方法並びに高炉の操業方法 | |
JP5438423B2 (ja) | 鉄鉱石含有コークスの製造方法 | |
JP5491795B2 (ja) | 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス | |
JP2018131549A (ja) | コークス製造方法 | |
JP5776654B2 (ja) | 改質対象物の改質方法、コークス及び焼結鉱の製造方法並びに高炉の操業方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110901 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130920 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131011 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5390977 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |