JP2011030569A - 切り花の保存方法及び切り花の保水具 - Google Patents

切り花の保存方法及び切り花の保水具 Download PDF

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Abstract

【課題】 保持部材内に水を入れずに、長時間切り花を鮮度維持させると共に、切り花を加工してから輸送、販売までの作業効率を向上する。
【解決手段】 切り花1の保水具12は、切り花1の切り口1aを覆う一方が開口した保水袋22と、この保水袋22内に挿入され保水袋22の開口を通じて切り花1の少なくとも切り口1aが差し込まれる繊維状又は綿状のバージンパルプから成る保水材24と、この保水材に吸収される栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26とから成る。バージンパルプは、セルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和されている。栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26は、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分である。保水具12の保水袋22の開口を切り花1の茎部を圧縮しない程度に結束する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切り花を保存して販売等するための切り花の保存方法、保水具の改良に関し、特に、販売時等における切り花の取扱い(オペレーション)や運搬、装置の保守等の管理が容易でありながら、切り花の鮮度を維持して切り花を適切に保存することに関するものである。
切り花は、例えばスーパーマーケット等の切り花以外の商品も取扱う一般店においては、桶等の保持部材内に常温の水を入れ、この水に切り花の切り口を漬けて保存、延命することにより販売されていることが殆どである。しかし、切り花は、従来よりその切り口を冷却することにより鮮度が維持されることが良く知られている。このため、花屋等の専門店では、桶等の保持部材内に水を入れ、この水の中に切り花の切り口を浸し、切り花全体をこの保持部材と共に冷蔵庫等に入れて冷却して保存管理することが行われていた。また、他の一般的な手段として、一部では、桶等の保持部材内に水を入れ、この保持部材内の水を冷却して切り花を保存管理することも行われていた(特許文献1〜5参照)。
(水を用いない冷却)
しかし、このように桶等の保持部材に水を入れて、この水に切り口を漬けて切り花を保存すると、この水が入った桶等の保持部材から切り花を取り出した場合に、切り花に付着した水滴が滴り落ちて店舗等の床やカウンター等を汚す問題があった。また、特にスーパーマーケット等の顧客自らが商品である切り花を桶等の保持部材から取り出す一般店においては、顧客が切り花を保持部材内から取り出した後再び戻す際に適正に保持部材内に挿入しないことが度々発生し、その結果、切り花が水枯れし、萎れの原因となることがあった。
また、切り花の切り口から樹液等の有機物が桶等の保持部材内の水に流出すると、この有機物を栄養素としてバクテリア等の雑菌が繁殖し、切り花の保存のための水が腐敗して却って切り花が萎れる原因となるため、水を適宜交換したり、桶等の保持部材内を洗浄する必要が生じる等、その保守等の管理に非常に手間がかかり、特に冬場では非常にきつい労働となっていた。特に、水を使用すると、たとえ1本の切り花から雑菌が流出して繁殖した場合であっても、その汚染が水全体に広がり、いわば水を媒体としてその汚染が他の切り花にも伝搬し、全ての切り花が汚染されるおそれがあった。
のみならず、同時に、この保持部材内の水の交換や保持部材の洗浄等の時期を判断することは、ある程度切り花に関する専門的な知識を備えていないと、必ずしも適切に行うことができず、その結果、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の一般店において切り花を適切に保存して販売することは必ずしも容易ではない問題も生じていた。
なお、バクテリア等の雑菌の繁殖を抑えるための手段として、上記の従来技術の中には、この冷却水を循環させることを提案しているものもあるが(特許文献2、6、7参照)、冷却水を循環させるための装置が、いきおい高価で大型となる傾向があるため、スーパーマーケット等の一般量販店等には普及しにくいと共に、内部の洗浄が困難な循環パイプが却って冷却水を汚染させる原因となる問題があった。また、循環パイプに濾過器を取り付けることも考えられるが、この濾過器にゴミ等の不純物が付着して溜まると、却ってバクテリア等の雑菌の繁殖源となると同時に、濾過器が目詰まりを起こして故障し易く冷却効果も低減するため、月に数度の割合で大掛かりなメンテナンスを行う必要があり、場合によっては却って多大な手間を要する問題があった。
これらの点を考慮して、栄養剤等を含浸させた寒天やゲル等の水分担持体を主剤とする保水材により切り花の切り口を覆って、冷却水を使用せずに切り花を延命、保存する技術も多数提案されている。
しかし、寒天を主剤とする保水材は(特許文献8、9参照)、寒天水溶液を加熱又は煮沸する工程が必要であるため、取扱いが面倒であると共に、寒天はアルカリ性の状態でゲル化しているため、酸性であることが多い栄養剤や殺菌剤等を混入すると、中和されてゲル化が弱くなり流動しやすくなるため、切り花を横置きすると水分が流れ出すおそれがある。一方、この流動化を避けるために、栄養剤等を混入しないと、寒天を栄養素として雑菌が繁殖する問題が生ずるため、保水材としては必ずしも適切ではない。
また、ジェランガムを主剤としたゲル状組成物では(特許文献10、11参照)、90℃以上の高温下で加熱、攪拌して溶解させた後、50℃前後に急速に冷却して計量し、保水袋等に充填する必要があるため、面倒であると同時に大掛かりな設備と技術を要すると共に、廃棄後焼却すると有害成分を含む黒煙が生じ廃棄処理が容易ではない問題があった。
加えて、これらの寒天やジェランガムは、離水量が一定量に限定されるため、水分が切り花に充分に行き渡らないおそれがあり、特に低温ではその傾向が顕著となる問題が生ずる。この他、高分子吸収体を用いた保水材も提案されているが(特許文献12参照)、吸水性には優れるものの、離水性が低いのみならず、その高吸収性から一定時間経過後は、逆に切り花の含有水分まで吸収してしまい、却って切り花を枯れさせる原因となるおそれがあった。
この場合、保水材としてパルプや吸水性繊維を用いることによりこれらの欠点を回避することが考えられるが(特許文献13、14参照)、繊維の絡合体や複合体(複合多孔質体)となっていると、切り花の切り口を円滑に差し込むことができないため、必要以上の力で切り口を差し込む必要が生じ、その結果、これらの絡合体等の保水材が吸収している水分を保水材から押し出すおそれがあり、また、切り口が正しく差し込まれていなかった場合には、切り口と保水材が遊離して、保水材が給水することができなくなり、切り花の萎れの原因となるおそれがある。
一方、パルプ等を紛状又は粒状にすることにより切り口の差し込みを円滑に行うことは可能となるが、パルプ等を粉砕する手間が必要となると共に保水性が低下し、また、自己保型性がないため運搬等の取扱いが面倒となる欠点がある。更には、粉状のパルプが切り花の切り口の導管を塞ぎ、切り花の吸水作用を阻害するおそれがある。加えて、保水材としてパルプ等を用いる場合であっても、この保水材の主剤となるパルプと、栄養剤等を含んだ水分との成分の相性によっては、充分な延命効果を期待できないおそれもある。
このように、従来は、保持部材内の冷却水による保存、又は、保水材による保存のいずれも必ずしも充分な保存効果や保守の容易性を期待することができないのが実情であった。一方、これらと異なり、水や水分ではなく、冷気により切り花を冷却する空冷による保存とすることも考えられるが(特許文献15〜17参照)、やはり水冷に比べて切り花を効率的に冷却することが必ずしも容易ではなく、また、これらは主に、鉢等の土に植えられた栽培用の植物を対象としたものであり、切り花にそのまま適用することはできず、特に、切り花の場合には、単に冷却するだけではなく、何らかの方法で切り花に水分を供給しないと、切り花の鮮度を維持することは殆ど困難である。
(流通過程における問題)
更に、切り花については、以上のような店頭での販売時における保存の問題のみならず、産地や市場から加工場を経て販売店に納入され販売されるまでのトータル的な流通過程における運搬、加工等の取扱いについても、幾つかの問題が生じていた。
即ち、切り花は、上記のように、主に冷却手段等を備えた他の装置等に依存して保存され、切り花自体に適切な保存のための手段が施されていなかったため、一般的には、産地にて刈り取られた後市場へ搬入されるまでの過程においては、新聞紙等により包装されて特に延命のための水分補給をすることなく、まとめて段ボール箱に詰められた状態で搬送され、その後、花屋等の専門店が仕入れる場合には、そのままの状態で花屋まで運送されていた。また、花屋等の専門店ではなく、切り花以外の商品も取扱うスーパーマーケット等の一般店に仕入れる場合には、段ボール箱に詰められた状態で市場から加工場に搬送され、加工場にて販売に適した状態に包装する等の加工が行われた後、加工場から販売店までは水桶等の保持部材に切り口を浸し、場合によっては更に水桶ごと切り花を段ボールで覆って運搬、延命が行われていた。
そのため、この段ボール等の大きな廃棄品が生じ、また、輸送に際し大きなスペースや高いコストが必要であり、必ずしも輸送効率が良くなかった。また、良質の切り花の場合には、産地から市場、更に販売店までの各過程及び、その間の運搬において、その都度、水が入れられた桶等の保持部材に切り口を浸すことにより、延命しつつ運搬することも行われていたが、産地にて刈り取られた後は、その処理過程毎に水桶等を用意する必要があると共に水桶内に切り花の切り口を挿入する作業が必要となり、各取扱い過程における延命作業が面倒であった。また、輸送に際しても、切り花が挿入された水桶等は、重ねて積載したり、横置きにして運搬することができないため、輸送効率が悪く、輸送コストが高騰する問題も生じていた。更に、横置きできず、また、水桶から漏水するおそれ等があったため、運送時に際しても、取扱いが面倒である問題があった。
また、従来は、切り花の花弁部を、特に外部と遮断することなく運搬、延命が行われていたため、この切り花から花粉が浮遊したり、虫が出るおそれがあったため、衛生上、食品等と共に輸送することができず、切り花以外の商品も取扱うスーパーマーケットやコンビニエンスストア等へ納品する際にも、別途切り花専用の運搬が必要となり、流通過程における取扱いの手間やコスト上の問題が生じ、これらの一般店での切り花の販売の普及にとって障害となっていた。この問題を避けるためには、切り花を段ボール箱に詰めて輸送することが必要となり、面倒である共に必ずしも切り花に良い影響を与えない問題が生ずる。
更に、このように、水桶にて複数本の切り花、あるいは、複数束の切り花をまとめて輸送し、かつ、他の商品と共に輸送することができなかったことから、例えば、特に遠隔地等から少量の注文があった場合にも、少量の切り花のためだけに特別に配送する必要があるため、現実的には効率を考慮すると対応しきれず、コストを掛けて輸送するとそれが販売価格に跳ね返る問題もあった。また、このように、複数の切り花等をまとめて輸送すると、上述したように、1つの切り花等を原因に繁殖した雑菌等が水を媒介として全ての切り花を汚染するおそれがあった。加えて、上記の従来技術のように、最終的な流通過程である販売店においてのみ、保存装置等により保存しても、切り花の延命効果が低減すると共に、販売店における保存や販売のための特別な包装作業等が必要となり面倒となる。
この点については、上記の通り、吸水ポリマー、寒天、その他ゼリー等を用いたすでに市販されている保水具もあるが、試験の結果、産地から市場まで等の1〜2日には効果あるが、3〜5日間陳列しなければならない店頭販売での使用については、充分な延命効果を期待することができなかった。また、これらの保水材を使用した保水具では、上記のように、冷却すると離水量が低下するため、保存装置等において切り花と共に冷却すると、切り花が要求する水量を充分に供給できないこともあり、結果として、切り花が水不足で萎れることもあり、また、一般に高額でコスト面の負担が大きくなる問題があった。
同様に、切り花の包装する包装用袋についても種々提案されているが、あくまで水を使用することを前提としていたり(特許文献18参照)、また、単に、切り花の取り出し易さ等のみを考慮し(特許文献19〜21参照)、必ずしも輸送中における他の商品等との干渉を回避すると同時に切り花の延命に役立つこと等は充分にできなかった。
特開平8−196139号公報 特開平9−140525号公報 特開平11−150854号公報 特許第2584365号公報 実用新案登録第3016911号公報 特開平10−150854号公報 実開平5−39245号公報 特開平5−32283号公報 特開平11−35402号公報 特許第2509083号公報 特許第2579128号公報 特開平6−315317号公報 特開平5−65359号公報 特開平11−165767号公報 特開昭59−95819号公報 特開平5−23054号公報 特開平1052346号公報 特開平6−122489号公報 実開平6−18214号公報 特開平10−218200号公報 特開平11−91846号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、切り花の保存、運搬等の取扱いや保守が容易でありながら、長時間にわたって効果的に切り花の鮮度を維持して適切に保存することができる切り花の保存方法及び切り花の保水具を提供することにある。
(1.切り花の保存方法)
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、一方が開口した保水袋とこの保水袋内に挿入され保水袋の開口を通じて切り花の少なくとも切り口が差し込まれる繊維状又は綿状のバージンパルプから成る保水材とこの保水材に吸収される栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分とから成る保水具により切り花の切り口を覆うことを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、バージンパルプをセルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和することを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分は、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分であることを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、保水具の保水袋の開口を切り花の茎部を圧縮しない程度に結束することを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、保水具及び切り花の全体を、相互に高さが異なる前身頃部分と後身頃部分とから成りこの前身頃部分と後身頃部分との高さ差分により形成される密閉部を有し、この密閉部は密閉部が設けられていない他方側の身頃部分の上端部より折り返されて他方側の身頃部分に密着し、密閉部が設けられた側の身頃部分の密閉部の折り返し部分にはミシン目状の切り取り部が形成されている切り花用包装袋により密封して覆うことを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、切り花の全体を、相互に高さが異なる前身頃部分と後身頃部分とから成り、この前身頃部分と前記後身頃部分との高さ差分により形成される密閉部を有し、この密閉部は密閉部が設けられていない他方側の身頃部分の上端部より折り返されて他方側の身頃部分に密着し、密閉部が設けられた側の身頃部分の密閉部の折り返し部分にはミシン目状の切り取り部が形成されている保水袋により密封して覆い、この保水具の保水袋の開口を保水材の直上において切り花の茎部を圧縮しない程度に結束することを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第5又は第6のいずれかの解決手段において、密閉部は、2cmから5cmの高さを有することを特徴とする切り花の保存方法を提供するものである。
(2.切り花の保水具)
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、切り花の切り口を覆う切り花の保水具であって、切り花の切り口を覆う一方が開口した保水袋と、この保水袋内に挿入され保水袋の開口を通じて切り花の少なくとも切り口が差し込まれる繊維状又は綿状のバージンパルプから成る保水材と、この保水材に吸収される栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分とから成ることを特徴とする切り花の保水具を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第7の解決手段において、バージンパルプは、セルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和されていることを特徴とする切り花の保水具を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第7又は第8のいずれかの解決手段において、栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分は、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分であることを特徴とする切り花の保水具を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、切り花の切り口を栄養剤等の含む水分を含有したバージンパルプから成る保水材を有する保水具で覆っているため、保持部材内に水を入れることなく切り花の鮮度を長期間維持することができ、その結果、切り花を保持部材から取り出す際に水滴が滴り落ちて店舗の床、レジ、カウンター等を汚すことがなく、また、例えば、コンビニエンスストア等の顧客が商品である切り花を取り扱う一般店において顧客が保持部材内に切り花を適正に戻さなかった場合にも、切り花を適切に延命することができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、保持部材内に水を入れることなく、切り花を適切に保存することができるため、雑菌の繁殖を抑えるために、水を交換したり、保持部材を毎日洗浄する等の必要がなくなるので、管理が非常に簡易になると同時に、切り花に関する専門的知識や切り花販売専属の人員を要することなく鮮度を維持しつつ切り花を適切に販売することができるので、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の切り花以外の商品も取り扱う一般量販店においても、切り花を商品として取扱うことができ、切り花の販路が拡大する実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、水を用いない結果、保持部材内の水が腐食するということがないと同時に、切り花は、各々が保水具により切り口を覆われて取扱い、保存されているため、水を媒介として他の切り花まで汚染することもない実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、特に、保水材により切り花に水分を補給しているため、切り花の延命効果を充分に高めることができる実益がある。この場合、特に、上記のように、保水材として、寒天やゲル状組成物等と異なり繊維中に水分を吸収するだけであるバージンパルプを使用しているため、充分な給水をすることができ、また、加工等の取扱いが容易で、更には、天然素材であるため使用後に焼却等しても有害なガス等を発生することがないため廃棄処理も容易であると共に、コストパフォーマンスが高い実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、保水材として、繊維中に水分を含むだけであって、かつ、通常は中性であるバージンパルプを使用しているため、酸性であることが多い栄養剤等を吸収させても、物性変化を起こさないので、吸収した水分が流れ出ることがなく横置き等の輸送にも耐えることができると共に、切り花の延命効果が低減することがなく、むしろ、天然繊維のミネラル分との相乗効果により切り花の鮮度を充分に保持することができる実益がある。
特に、上記のように、繊維状又は綿状のバージンパルプを使用しているため、切り花の切り口を円滑に挿入することができ、不必要に力を加えて切り口を挿入する労力を軽減することができると同時に挿入の際の圧力によって無駄に水分を押し出すことがなく、また、加工や保水袋への充填等の取扱いも容易となる実益がある。
本発明によれば、上記のように、バージンパルプをセルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理しているため、植物繊維一般に含まれるリグニンや植物ゴム、ペクチン等のへミセルロース(多糖類)、微細な不純物等が除去されて、セルロース純度が高いバージンパルプとすることができるので、切り花の切り口の導管が保水材であるバージンパルプ内の微細な不純物等より目詰まりすることが殆どなく、給水性に優れる保水材とすることができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、栄養剤及び殺菌剤を含んだ水分として、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分を使用しているため、バージンパルプとの相性が良く、切り花の鮮度を充分に長期間にわたって維持することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、保水袋の開口を結束しているため、保水具により切り口を覆われた切り花を横置きにしても、保水袋内に入れられたバージンパルプから成る保水材に吸収された水分が保水袋から流出することがなく、切り花の店頭における陳列の際の取扱いが容易となる実益がある。
本発明によれば、上記のように、密閉部を有すると共に、この密閉部を切り取ることができるミシン目状の切り取り部を有する花包装用袋により加工場等において切り花を包装するため、少なくとも店舗までの輸送時においては、切り花を密閉して切り花から生ずる花粉や虫等が外部へ漏洩することを防止することができ、食品等の商品と共に衛生的に輸送することができるため、切り花以外の商品も取り扱うコンビニエンスストア等への納入も容易に行うことができ、これらの一般店における切り花の販売普及を促進させることができると同時に、販売のための陳列や引き渡しの際に、切り取り部を手で切り取るだけで切り花を露出させることができるため、販売店における販売員の作業が容易となる実益がある。
この場合、更に、上記のように、ミシン目状の切り取り部は、一方の身頃部分のみに形成されているため、両身頃部分(袋の全周)にミシン目が成型されている場合に比べ、少ない力で容易に切り取ることができ、また、切り花用包装袋により保水具ごと切り花を包装するため、程よい湿気が保水具から上部に行き渡り、切り花の鮮度を充分に維持することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、保水具の保水袋を花包装用袋としても利用することができるため、切り花の包装のための部品点数が削減される、包装のための処理工程数が減り包装作業が簡易となると共に包装のためのコストを低減させることができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、密閉部を有しない他方の身頃部分の上端から折り返される密閉部を全面的に吸着面としているため、切り花を充分に密閉することができるので、店頭販売までの輸送時等において、切り花を他の商品等から確実に遮断することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、折り返される密閉部の高さを2cmから5cmの高さとしているため、密閉部を折り返して密閉する場合の作業が、密閉部の高さがあまりに大きい場合に比べ容易となり、また、販売店舗において切り取り部を切り取る作業も容易となる実益がある。
本発明によれば、上記のように、例えば加工場等において、バージンパルプから成る保水材等から成る保水具により切り花の切り口を覆っているため、販売店への輸送、店頭での陳列までのトータル的な流通過程において、一貫した保存、包装形態を維持することができるので、延命のための作業が容易となり、特に、コンビニエンスストア等の一般店においても、改めて販売のために延命のための包装作業等をする必要がないと共に、切り花の収穫後比較的早期から延命処置を施すことができるため、高い鮮度を維持することができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、輸送に際しても、切り花を横置きしても水漏れ等が生じないため、取扱いが容易となると共に輸送効率及び輸送コストが改善され、また、切り花自体に延命のための充分な手段が施されているため、一束ずつの取扱いも可能となり、遠隔地からの少量の注文等にも適切に対応することができ、また、例えば外国からの切り花の輸入の際における輸送形態としても適用することができる実益がある。
特に、本発明によれば、花包装用袋との併用により、他の商品と混載で、切り花1つでも輸することができるので、従来は販売のために輸送することが必ずしも容易ではなかった遠隔地の一般店等への輸送、当該一般店での販売等が可能となり、更には、販売後においても、自宅等への持ち帰りまでの間にも保水具により水枯れ、花枯れすることがなく切り花の鮮度を維持することができるのみならず、各家庭において、この保水具により切り口を覆ったまま水の入った花瓶に切り花を生けるだけで、充分に日持ちさせることができる実益がある。
本発明の保水具の概略断面図である。 図2は、本発明に用いられる切り花用包装袋を示し、同図(A)は切り花用包装袋の概略断面図、同図(B)は切り花用包装袋により切り花を包装した状態の概略側面図である。 本発明に用いられる保水具の保水袋により切り花を包装した状態の概略側面図である。 本発明の保水具により保存された状態で切り花を輸送する状態を示す概略図である。
(保水具)
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1及び図2は本発明の切り花の保水具12を示し、この切り花の保水具12は、図1に示すように、切り花1の切り口1aを覆う一方が開口した保水袋22と、この保水袋22内に挿入され保水袋22の開口を通じて切り花1の少なくとも切り口1aが差し込まれる保水材24と、この保水材24に吸収される栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26とから成っている。
保水材24は、本発明においては、繊維状又は綿状のバージンパルプから成っている。このバージンパルプは寒天やゲル状組成物等と異なり繊維中に水分を吸収するだけであるため、充分な給水をすることができると共に、特に低温でも離水量が低減しないため、空冷により冷却しても、切り花1に適切に給水することができ、また、加工等の取扱いが容易で、更には、天然素材であるため使用後に焼却等しても有害なガス等を発生することがないため廃棄処理も容易であると共に、コストパフォーマンスが高い。
また、このバージンパルプは、繊維中に水分を含むだけであって、かつ、通常は中性であるため、酸性であることが多い栄養剤等を吸収させても、物性変化を起こさないため、吸収した水分が流れ出ることがなく横置き等の輸送にも耐えることができると共に、切り花1の延命効果が低減することがなく、むしろ、天然繊維のミネラル分との相乗効果により切り花1の鮮度を充分に保持することができる。
この保水材24であるバージンパルプとしては、粉状、粒状や固形状ではなく、木材を機械力により約5mm程度又はそれ以下の長さに離解して得られる繊維状のバージンパルプを使用することができる。このバージンパルプは、木材の自然な状態で天然繊維が一方向に揃ったパルプ塊の乾式パルプであり、一般に不織布を製造する前の素材として用いられているものである。このように、繊維状のバージンパルプを使用すると、複合体等のパルプと異なり、切り花1の切り口1aを円滑に挿入することができ、不必要に力を加えて切り口1aを挿入する労力を軽減することができると同時に挿入の際の圧力によって無駄に水分26を押し出すことがなく、また、粉状、粒状のパルプ等と異なり加工や保水袋22への充填等の取扱いも容易となる。この意味で、この繊維状のパルプをまとめた綿状のバージンパルプも保水材24として使用することができる。
また、このバージンパルプは、木材から機械的に離解させた後、セルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理された後中和することが望ましい。具体的には、機械的に繊維状に離解されたバージンパルプを水酸化ナトリウム溶液等に浸しヘミセルロース等の不要な多糖類等を抽出して除去することにより行うが、この場合、紙の製造のため等に用いる通常のアルカリ処理、即ち、ヘミセルロース等の残留割合が20%程度となるアルカリ処理よりも強めアルカリ処理とし、セルロース純度を充分に高めた後、再度中和して中性とする。これにより、切り花1の切り口1aの導管が保水材24であるバージンパルプ内の微細な不純物等より目詰まりすることが殆どなく、給水性に優れる保水材とすることができる。
また、栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26としては、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分を用いることが望ましい。このブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分26は、後に述べる実施例に示すように、上記の保水材24であるバージンパルプとの相性が良く、後述する実施例に示すとおり、切り花1の鮮度を充分に長期間にわたって維持することができる。
この場合、上記の栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26が吸収された保水材24の保水袋22への挿入は、上記の保水材24を栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水の中に浸し、栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26を保水材24に充分に吸収させた後、この保水材24を充填機等により、保水袋22内に充填することにより行うこともできるし、また、保水材24を保水袋22の中に挿入した後、又は同時に栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水も保水袋22内に注入して、保水袋22内に装填することもできる。
なお、この保水袋22は、プラスチック製フィルム等の可撓性フィルムから形成することができ、保水材24に吸収された水分を外部へ漏らさず、かつ、焼却しても有害成分の発生が少ない材質のもの、例えば、焼却によるダイオキシンの発生が少ないフェロキを混入したLDPE(低密度ポリエチレン樹脂)等から成る形成された袋を用いることが望ましい。これにより、保水袋22をそのまま廃棄、焼却しても環境に与える悪影響を抑制することができ、また、保水材24も天然のバージンパルプから成っているため、枯れた切り花1を保水具12を付けた状態でそのまま廃棄することができ、廃棄処分等の切り花1の取扱いが容易となる。また、この保水袋22の底部から約10cm位を有色にすることにより、内部に挿入されている保水材24を外部から隠蔽して装飾することもできる。
また、この保水具12の保水袋22の開口は、図1乃至図3に示すように、切り花1の茎部を圧縮しない程度に結束される。これにより、この保水具12により切り口1aを覆われた切り花1を横置きにしても、保水袋22内に入れられたバージンパルプから成る保水材24に吸収された水分26が保水袋22から流出することがなく、切り花1の店頭における陳列の際等の取扱いが容易となる。この場合、この保水袋22を結束する部材として、リボン等を使用することにより、贈答品用等に装飾することもできる。
(切り花用包装袋)
また、本発明の保存装置10は、図2に示すように、水具12及び切り花1の全体を覆う切り花用包装袋28も備え、保水具12により切り口1aが覆われた切り花1は、図2に示すように、この切り花用包装袋28により密封されて輸送、保存される。この切り花用包装袋28は、包装された内部の切り花1が見えるように透明で可撓性を有するプラスチックフィルム等から形成することが好ましい。
この切り花用包装袋28は、特に、図2(A)に示すように、前身頃部分28Aと後身頃部分28Bとから成っており、これらの前身頃部分28Aと後身頃部分28Bとは、相互に異なる高さに形成されている(図示の実施の形態では、後身頃部分28Bの方が高い。)。そして、この高さ差分により、図2(A)に示すように、高い方の身頃部分(後身頃部分28B)の上方部分に他方の身頃部分(前身頃部分28A)より突出する部分が生じ、この突出する部分により密閉部28aが形成される。
この密閉部28aは、図2(B)に示すように、密閉部28が設けられていない他方側の身頃部分(図示の実施の形態では前身頃部分28A)の上端部より折り返されて他方側の身頃部分(前身頃部分28A)に密着して切り花用包装袋28を密封する。従って、例えば、加工場等において切り花1を包装した切り花用包装袋28を、この密閉部28aにより密封することにより、少なくとも加工場から店舗までの輸送時においては、切り花1を密閉して切り花1から生ずる花粉や虫等が外部へ漏洩することを防止することができ、食品等の商品と共に衛生的に輸送することができるため、切り花1以外の商品も取り扱うコンビニエンスストア等への納入も容易に行うことができ、これらの一般店における切り花1の販売普及を促進させることができる。
この場合、密閉部28aは、折り返した場合に密閉部28aが設けられていない側の身頃部分(前身頃部分28A)に当接する部分が全面的に吸着面とされている。具体的には、密閉部28aに剥離紙を有する両面テープ等を取り付けることにより対応することができる。これにより、切り花1を充分に密閉することができるため、店頭販売までの輸送時等において、切り花1を他の商品等から確実に遮断することができる。
また、このように、切り花用包装袋28により保水具12ごと切り花1を包装すると、程よい湿気が保水具12から上部に行き渡り、切り花1の鮮度を充分に維持することができる。一方で、切り花1を密閉すると、エチレンガスが発生し切り花1に悪影響を与えることもあるが、本発明においては、常時低温にて管理して保存するため、エチレンガスの発生を抑制することができ、また、切り花用包装袋28を、例えば、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)を加工したフィルム等の酸素等の気体は透過するが水蒸気等の水分は透過しない性質を有する材質から形成すると、エチレンガスの充満を抑制することができると同時に、切り花用包装袋28内に新鮮な空気が導入され切り花1の鮮度を適切に維持することができると共に、切り花用包装袋28内に結露等が発生するのを防止することができ、望ましい。
また、この切り花用包装袋28は、図2に示すように、密閉部28aが設けられた側の身頃部分(後身頃部分28B)の密閉部28aの折り返し部分にミシン目状の切り取り部28bが形成されている。このため、販売のための陳列や引き渡しの際に、この切り取り部28bを手で切り取るだけで切り花1を露出させることができるため、販売店における販売員の作業が容易となる。また、この場合、ミシン目状の切り取り部28は、一方の身頃部分のみに形成されているため、両身頃部分(袋の全周)にミシン目が形成されている場合に比べ、少ない力で容易に切り取ることができる。
また、密閉部28aは、好ましくは、2cmから5cm、望ましくは、3cm程度の高さとする。これにより、密閉部28aを折り返して密閉する場合の作業が、密閉部28aの高さがあまりに大きい場合に比べ容易となり、また、販売店舗において切り取り部28bを切り取る作業も容易となる。
また、図2に示す実施の形態では、保水具12の保水袋22とは別に切り花用包装袋28を設けたが、図3に示すように、保水具12の保水袋22を、切り花1の切り口1aのみならず花弁部1bを含んだ全体を覆う長さに形成し、この保水袋22に切り花用包装袋28としての機能を兼任させることもできる。このように、保水具12の保水袋22を切り花包装用袋28としても利用すると、切り花1の包装のための部品点数が削減されるため、包装のための処理工程数が減り包装作業が簡易となると共に包装のためのコストを低減させることができる。なお、図2及び図3に示す形態では、後身頃部分28Bに密閉部28aを形成したが、切り花用包装袋28や保水袋22においては前後は相対的なものであり、密閉部28aはどちらか一方の身頃部分に形成されていればよく、図示とは異なり前身頃部分28Aに密閉部28aが形成されていると把握することもできる。なお、切り花用包装袋28は、必ずしも図示の実施の形態には限定されず、図示の吸着面を有する密閉部28aとは異なり、他に例えば、加工場において、切り花用包装袋28の上部を機械により加熱融着させて密封し、両身頃にミシン目状の切り取り部を形成することもできる。
(保存方法)
次に、本発明の保水具12を用いた保存方法について詳細に説明する。産地にて刈り取られた後、市場へ搬入された切り花1を販売店へ輸送して納入するに際し、まず、市場から加工場に輸送し、この加工場において、保水具12により、切り花1の切り口1aを覆う。具体的には、加工場において、栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分26を吸収したバージンパルプから成る保水材24が挿入された保水袋22に、1本毎又は販売に適した単位の複数本の切り花1の切り口1aを挿入して、この切り口1aを保水材24に差し込む。次いで、保水袋22の開口を、図1に示すように、リボン等により切り花1の切り口1aを圧縮しない程度に結束する。
更に、この保水具12により切り口1aを覆われた切り花1を、切り花用包装袋28により包装し、上端の密閉部28aを折り返して密閉する。この状態で、加工場から販売店まで輸送する。この場合、保水具12により切り花1は延命処理が施されているため、輸送する際の冷却には、水が入った桶等を使用する必要がない。また、保水材から水分26が漏れ出すことがないため、図4に示すように、切り花1を横置きにして輸送することもでき、輸送の手間の簡略化及び輸送効率の向上を達成することができる。
なお、この延命処理を施す加工場としては、切り花1の処理を専門に行う加工場とすることもできるが、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等への商品卸センター等の切り花1以外の商品等も取扱う流通センターにおいて延命処理を施すこともできる。従って、切り花1の納入先としても、切り花1以外の商品等も取扱うコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の一般量販店とすることができる。
この場合、コンビニエンスストア等には、この加工場となる商品卸センター等からは切り花1以外の食品等の商品も輸送されるが、本発明においては、切り花用包装袋28により切り花1が密閉されているため、花粉や虫等が外部へ放出されることがなく、従って、他の食品等の商品に特に衛生上影響を与えることがないので、切り花1特有の輸送をすることなく、これらの食品等の商品と共に冷却しながら輸送することができる。また、この結果、販売店における補充や遠隔等からの少量の注文にも充分適切に応えることができる。一方、この保水具12を施す処理は、必ずしも上記の加工場に限定されるものではなく、産地や市場等において行うこともでき、このように刈り取りから比較的早い時期において切り花1に本発明の方法を実施ればする程、切り花1の鮮度を高く維持することができる。
この場合、販売店においては、切り花1の保存装置への装着及び陳列をする際に、切り花用包装袋28の密閉部28aを切り取り部28bにより切り取って、切り花1の花弁部1bを露出させて保持部材14である桶30内に挿入し陳列することができる。また、店舗内の屋内等で販売のために陳列する場合においては、密閉部により密封したまま陳列することにより、店舗内に花粉等が飛散するのを防止することができ、顧客への切り花1の引き渡し時において、切り取り部28bを切り取って切り花1の花弁部1bを露出させることもできる。
更に、店頭における切り花1の顧客への引き渡し時において、販売員又は顧客が、リボン掛け50に係止された型付け済みのリボンを包装等から取り出して針金等の取り付け部材を切り花1に巻き付けて装飾することもできる。また、引き渡し後顧客が自宅等へ持ち帰るまでの間にも、保水具12による延命効果が働くため、充分に切り花1の鮮度を維持することができ、また、持ち帰り後各家庭等において、保水具12により切り口1aが覆われた切り花3を、切り花用包装袋28から取り出して、そのまま水の入った花瓶に活けるだけでも、花瓶内の水による冷却効果により保水具12の延命効果が発揮されて、一般に行われている切り口1aを露出した状態で活ける場合に比べて長期間にわたって切り花1の鮮度を維持することができる。
次に、本発明の保水具12による保存方法、特に、上記のセルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和された繊維状のバージンパルプから成る保水材24と、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分26との組合せによる切り花1の延命効果を確認するため、本発明者は、次のような比較実験を行った。
具体的には、A)バラ(赤)、B)バラ(赤とオレンジ)、C)バラ(オレンジ)、D)ミニバラ(黄色)、E)SPカーネーション、F)デルフィニウムの各切り花1を、店頭における切り花1の通常の販売期間であると予測される7日間にわたって保存し、また、その後、この保存されていた切り花1の切り口1aを、顧客が持ち帰り後水の入った花瓶等により切り花1を活ける期間であると予測される6日間にわたって、本発明の保水具12により覆った状態で常温水に浸して保存した。
この場合において、(1)本発明の実施例として、セルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和された繊維状のバージンパルプから成る保水材24に、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分26を吸収させた保水具12、また、(2)比較例1として、ゲル状組成物から成る保水材に、本発明に用いられるブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分26とは異なる成分の糖類、有機酸塩、防腐剤を含有した延命剤を吸収させた保水具、更に(3)比較例2として、吸水ポリマーから成る保水材に、同じく本発明に用いられるブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分26とは異なる成分の多糖類、防腐剤、PH調整剤を含有する精製水から成る延命剤を吸収させた保水具の3つの実験例を設定し、それぞれについて、切り花1の状態を確認したところ、その結果は、次の表1に示すとおりであった。なお、この表1においては、上から順に、本発明の実施例、比較例1、比較例2の結果を示す。
Figure 2011030569
この表1から解るように、比較例1や比較例2では、3日目、4日目頃から切り花1の劣化が始まり、共に6日目には殆どの切り花1が完全に萎れたのに対して、本発明の実施例では、6日目が経過した後は勿論、屋内に移して常温水にて保存した後も、11日目(屋内に移行後4日目)まで殆どの切り花1が良好な状態を保っていた。このことから、本発明の保水具12による切り花1の鮮度を維持する効果が向上し、長期間にわたって鮮度を維持することができ、長期にわたる店頭販売においては勿論、各家庭等において活けた後においても、充分に切り花1を延命できることが立証された。
本発明は、切り花を保存して販売等することに適用することができる。
1 切り花
1a 切り花の切り口
1b 切り花の花弁部
12 保水具
22 保水袋
24 保水材
26 栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分
28 切り花用包装袋
28A 切り花用包装袋の前身頃部分
28B 切り花用包装袋の後身頃部分
28a 切り花用包装袋の密閉部
28b 切り花用包装袋の切り取り部
50 リボン掛け

Claims (10)

  1. 一方が開口した保水袋と前記保水袋内に挿入され前記保水袋の開口を通じて前記切り花の少なくとも切り口が差し込まれる繊維状又は綿状のバージンパルプから成る保水材と前記保水材に吸収される栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分とから成る保水具により前記切り花の切り口を覆うことを特徴とする切り花の保存方法。
  2. 請求項1に記載の切り花の保存方法において、前記バージンパルプをセルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和することを特徴とする切り花の保存方法。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の切り花の保存方法において、前記栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分は、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分であることを特徴とする切り花の保存方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の切り花の保存方法において、前記保水具の保水袋の開口を前記切り花の茎部を圧縮しない程度に結束することを特徴とする切り花の保存方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の切り花の保存方法にいて、前記保水具及び前記切り花の全体を、相互に高さが異なる前身頃部分と後身頃部分とから成り前記前身頃部分と前記後身頃部分との高さ差分により形成される密閉部を有し、前記密閉部は前記密閉部が設けられていない他方側の身頃部分の上端部より折り返されて前記他方側の身頃部分に密着し、前記密閉部が設けられた側の身頃部分の前記密閉部の折り返し部分にはミシン目状の切り取り部が形成されている切り花用包装袋により密封して覆うことを特徴とする切り花の保存方法。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の切り花の保存方法において、前記切り花の全体を、相互に高さが異なる前身頃部分と後身頃部分とから成り、前記前身頃部分と前記後身頃部分との高さ差分により形成される密閉部を有し、前記密閉部は前記密閉部が設けられていない他方側の身頃部分の上端部より折り返されて前記他方側の身頃部分に密着し、前記密閉部が設けられた側の身頃部分の前記密閉部の折り返し部分にはミシン目状の切り取り部が形成されている前記保水袋により密封して覆い、前記保水具の保水袋の開口を前記保水材の直上において前記切り花の茎部を圧縮しない程度に結束することを特徴とする切り花の保存方法。
  7. 請求項5又は請求項6のいずれかに記載の切り花の保存方法において、前記密閉部は、2cmから5cmの高さを有することを特徴とする切り花の保存方法。
  8. 切り花の切り口を覆う切り花の保水具であって、切り花の切り口を覆う一方が開口した保水袋と、前記保水袋内に挿入され前記保水袋の開口を通じて前記切り花の少なくとも切り口が差し込まれる繊維状又は綿状のバージンパルプから成る保水材と、前記保水材に吸収される栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分とから成ることを特徴とする切り花の保水具。
  9. 請求項8に記載の切り花の保水具において、前記バージンパルプは、セルロース含有量が80%以上となるようにアルカリ処理した後中和されていることを特徴とする切り花の保水具。
  10. 請求項8又は請求項9のいずれかに記載の切り花の保水具において、前記栄養剤及び殺菌剤とを含んだ水分は、ブドウ糖、硝酸マグネシウム、防腐剤を主成分とする水分であることを特徴とする切り花の保水具。
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