JP2011029418A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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勝治 木下
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Abstract

【課題】 抵抗変化型素子を用いた不揮発性半導体記憶装置の低消費電力化と高速化を促進する。
【解決手段】 金属酸化物を含む記録層と2つの電極を有する抵抗変化型素子で、抵抗変化型素子の構造を非対称とし、抵抗変化型素子への電圧の印加により流れる電流の方向毎に、高抵抗化させるためのしきい電流を異ならせる。高抵抗化させるためのしきい電流が小さい方向に電流を流すことでデータの書き換えを行い、高抵抗化させるためのしきい電流が大きい方向に電流を流すことで抵抗値判定によるデータの読出しを行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は半導体集積回路装置及びその製造方法に関し、特に電気的書き換えが可能な不揮発性半導体記憶装置の低消費電力書換えと高速読み出しを両立して実現する技術に関する。
近年、NiO、TiOなどの金属酸化物を用いたReRAMが盛んに研究されている(非特許文献1)。ReRAMは、記録材料となる金属酸化物の層を金属電極で挟んだ抵抗変化型素子の高抵抗状態と低抵抗状態の2状態あるいは3つ以上の抵抗状態を用いて情報を記憶する。データの書き換えのための、低抵抗状態から高抵抗状態へ抵抗状態を変化させる高抵抗化動作と、高抵抗状態から低抵抗状態へ抵抗状態を変化させる低抵抗化動作は、2電極間に電圧を印加して充分に大きな電流を流すことで行われる。ReRAMには、高抵抗化動作と低抵抗化動作とを同一方向の電流掃印または電圧印加によって生じさせることができるノンポーラ型と、高抵抗化動作と低抵抗化動作を逆方向の電流掃印または電圧印加で行うバイポーラ型の2種類がある(非特許文献1)。
図1に従来のノンポーラ型の抵抗変化型素子の電流‐電圧特性、図2にバイポーラ型の抵抗変化型素子の電流‐電圧特性を示す。低抵抗状態(LRS)から高抵抗状態(HRS)への高抵抗化、HRSからLRSへの低抵抗化にはしきい電圧、しきい電流があり、それより低い電圧、電流では抵抗値の変化は起こらない。しきい電圧、しきい電流以上の電圧、電流の印加によって、高抵抗化動作、低抵抗化動作が行われる。
ノンポーラ型の抵抗変化型素子は、NiOなどの金属酸化物の記録層を白金などの金属電極で挟んだ構造で構成される。作製直後の抵抗変化型素子は、高抵抗状態であり、しきい電圧よりも高い電圧を印加することで、低抵抗状態に変化する。この動作を初期化、あるいはフォーミングと呼ぶ。フォーミングの際には、電圧印加により金属電極と金属酸化物の間で生じる電界が一定のしきい値を越えると、高電界による電気化学反応で金属酸化膜中に導電性のフィラメントが生じる。これが電極間でつながることで低抵抗状態が実現する。次に、高抵抗化動作の際には、フィラメントに流れる電流によるジュール熱で、ヒューズのようにフィラメントが破壊されることで高抵抗状態に変化する。フォーミングを行った後、高抵抗化した素子では金属的フィラメントが部分的に残っているために、次の低抵抗化動作はフォーミングの際よりも低い電圧で行うことができる。フォーミングを行った後の高抵抗化動作と低抵抗化動作とによる書き込み動作は複数回繰り返し行うことができる。
図1は、2つの白金電極がNiOを介して対向した構造のメモリ素子の直流書換え特性を示した図である。一方の電極を0Vに固定し、他方の電極の電位を変化させたときの電流変化を示している。電流が小さい高抵抗状態で電圧を大きくしていくと電圧Vsetで電流が急激に上昇し、低抵抗状態に変化する。低抵抗化した後の電流がVset付近で電圧によらず一定値をとっているのは、低抵抗化後の電流値を測定系側で制限しているからである。この制限により、低抵抗化後に流れる電流による、フィラメントの破壊が防がれ、低抵抗化動作が実現される。
一方、電流が大きい低抵抗状態で電圧を印加していくと、Vresetで電流が急激に減少し高抵抗状態に変化する。従って、Vset未満でVreset以上の電圧を抵抗変化型素子に印加することで、高抵抗化動作が実現される。2つの白金電極が、NiOを介して対向する対称構造の素子では、正負両方の電圧印加に対してほぼ同程度の電圧、電流の大きさで低抵抗化、高抵抗化が生じる。
抵抗変化型素子の抵抗値を判定し情報を読出す場合には、抵抗変化型素子に大きさがVreset以下の電圧が印加される。低抵抗状態にある抵抗変化型素子が高抵抗状態に変化することで、保存されている情報が破壊されるのを防ぐためである。したがって、抵抗値判定の際に低抵抗状態の素子に流せる電流IREADLはIreset以下である。高抵抗状態と低抵抗状態を判別する際には判定電流Icと素子電流の大小を比較することで行なうが、Icの大きさは大きい方が感度良く高速に高抵抗状態と低抵抗状態を判別することができる。Icは、IREADL以下、かつ高抵抗状態の素子に流れる電流IREADH以上である必要があるので、
IREADH< Icの大きさ < IREADL< Iresetの大きさ ・・・(1)
の関係を満たすように設定される。
バイポーラ型では、データの書き込みの際、高抵抗化動作と低抵抗化動作とで逆方向の電圧印加、電流掃印が行われる。酸化銅CuOxを窒化チタンTiN上部電極と銅Cu下部電極で挟んだ抵抗変化型素子を有するバイポーラ型のReRAMは図2に示したような特性を示す。バイポーラ型の場合、図2に示したように、VsetとVresetは符号が逆である。VsetとVresetの大きさは異なる場合が多い。また、図2に示したように、IsetとIresetは符号が逆である。IsetとIresetは大きさが異なる場合が多い。バイポーラ型でVsetとVresetとで符号が反対なのは、ノンポーラ型とは記録の原理が異なるからである。バイポーラ型では、電極から溶出するイオンの移動により、抵抗変化型素子の抵抗値が変化する現象を利用する。
バイポーラ型素子で、抵抗変化型素子の抵抗値を判定し情報を読出す場合には、図2の正電圧方向に抵抗変化型素子に電圧を印加する場合には、大きさがVset未満の電圧が印加される。Vset未満とするのは、高抵抗状態にある抵抗変化型素子が低抵抗状態に変化することで、保存されている情報が破壊されるのを防ぐためである。図2の負電圧方向に抵抗変化型素子に電圧を印加する場合には、大きさがVreset未満の電圧が印加される。Vreset未満とするのは、低抵抗状態にある抵抗変化型素子が高抵抗状態に変化することで、保存されている情報が破壊されるのを防ぐためである。したがって、抵抗値判定の際に低抵抗状態の素子に流れる電流は正電圧方向の電圧の印加の場合Iset未満、負電圧方向の電圧の印加の場合、大きさがIresetの大きさ未満である。ノンポーラ型の場合と同様に、高抵抗状態と低抵抗状態を判別する際には判定電流Icと素子電流の大小を比較することで行われる。Icは、書き換え動作時に流れる電流未満となるので、図2の負電圧方向で読み出す場合は式(1)、正電圧方向で読み出しを行う場合は、
IREADHの大きさ<Icの大きさ<IREADLの大きさ<Isetの大きさ ・・・(2)
の関係を満たすように設定される。
ReRAMは、集積化する際にはダイオードやトランジスタといった選択素子が個々の抵抗変化型素子に付加された構造で用いられる。選択素子付きの抵抗変化型素子をクロスポイント型アレイに配置することで、高密度のメモリアレイを形成することが可能である。ダイオードやトランジスタは、メモリアレイの中から個々のメモリを選択して書き換えや読み出しを行うために用いられる。
Ext. Abs. Int. Conf. on Solid State Devices and Materials, 2006, pp. 286‐287.
ReRAMは、メモリ構造を微細化することで大容量化が可能である。また、ReRAMのデータの書き換えに必要な電流は、メモリ構造の寸法とともに減少するため、微細化するほど省電力化にも有利である。
しかしながら、上述のように、読出し時に抵抗値判定のために流れる電流は、ノンポーラ型ではIresetよりも小さくなり、バイポーラ型ではIset、Iresetのうちの大きさが大きい方よりも小さくなる。従って、書き換え電流が小さくなると、書き換え電流よりもさらに読出し電流が小さくなる。読み出しの際に流れる電流が小さいと、電流値の判定に時間がかかる、すなわち読み出し動作が遅くなるという問題が生じる。
本発明の目的は、抵抗変化型素子を用いたメモリセルの低電流書き換え動作と、高速読み出し動作を両立させる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本発明は、第1電極と、第1電極に接続されている金属酸化物を含む記録層と、記録層に接続されている第2電極とを有する抵抗変化型素子を備え、抵抗変化型素子の抵抗値の変化を用いてデータを記憶する半導体記憶装置において、前記抵抗変化型素子は、前記抵抗変化型素子への電圧の印加により流れる電流の方向毎に、高抵抗化が生じる互いに異なるしきい電流を有するようにする。データの書き換え時には、前記方向のうち低いしきい電流を有する方向に電流が流れるように抵抗変化型素子に電圧を印加して抵抗変化型素子の高抵抗化動作と低抵抗化動作とを行うことができ、小さい電流でデータの書き換えが可能となり、データの読み出し時には、前記しきい電流のうち高いしきい電流を有する方向に電流が流れるように前記記録層に電圧を印加することができ、大きい電流でデータの読み出しが可能となり、上述の課題を解決できる。
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
抵抗変化型素子の書換え動作の低電力化と読み出し動作の高速化を両立させることで、大容量、高性能かつ高信頼な不揮発性半導体記憶装置を提供できる。
従来のノンポーラ型抵抗変化型素子の直流電圧印加による書換え特性を示した図である。 バイポーラ型抵抗変化型素子の直流電圧印加による書換え特性を示した図である。 本発明の実施例1に用いるメモリセルと電源、セレクタの構成を示した図である。 本発明の実施例1、2、3、4、5に用いる抵抗変化型素子の一例を示した図である。(a)は2つの電極の電位が等しい場合である。(b)は電極M2に0V、電極M1に正電圧を印加した場合である。(c)は電極M1に0V、電極M2に正電圧を印加した場合である。 本発明の実施例1に用いる抵抗変化型素子の特性を示した図である。 本発明の実施例1の効果を示した図である。 本発明の実施例2の一例を示したトランジスタと抵抗変化型素子を備えたメモリセル構造である。 本発明の実施例2の装置構成を示した図である。 本発明の実施例2のメモリアレイ構成を示した図である。 図9のメモリアレイの、読出し動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 図9のメモリアレイの、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 図9のメモリアレイの、低抵抗化動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 図9のメモリアレイの、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 図7のメモリアレイの、高抵抗化動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 図7のメモリアレイの、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 本発明の実施例3で用いるダイオードと抵抗変化型素子からなるメモリセル構造の一例である。 実施例3のメモリセルからなるアレイ構成を示した回路図である。 実施例3の、読出し動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 実施例3の、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 実施例3で用いる読出し電圧VREADの範囲を示した図である。 実施例3の、低抵抗化動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 実施例3の、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 実施例3の、高抵抗化動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 実施例3の、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 本発明の実施例4で用いるダイオードと抵抗変化型素子からなるメモリセル構造の一例である。 実施例4のメモリセルからなるアレイ構成を示した回路図である。 実施例4の、読出し動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 実施例4の、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 実施例4で用いる読出し電圧VREADの範囲を示した図である。 実施例4の、低抵抗化動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 実施例4の、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 実施例4の、高抵抗化動作の電圧印加シーケンスを説明した回路図である。 実施例4の、電源セレクタ、配線セレクタの接続を説明した図である。 本発明の実施例5の一例を示した回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例の半導体記憶装置の構成を図3に示す。本実施例の半導体記憶装置は、接地電位に比べて正の電圧を出力する第1電源301と、第1電源301よりも出力電圧が高い、接地電位に比べて正の電圧を出力する第2電源302と、第2電源302よりも出力電圧の絶対値が高い、接地電位に比べて負の電圧を出力する第3電源303と、抵抗変化型素子304と、抵抗変化型素子304と第1電源301、第2電源302、第3電源303との接続を切り替える配線セレクタ305とを備える。抵抗変化型素子304は、直列に接続されている第1電極M1と記録層M0と第2電極M2とを備える。第1電極M1、第2電極M2はそれぞれ金属を用いて形成され、記録層M0は金属酸化物を含む。本実施例の抵抗変化型素子はノンポーラ型である。記録層M0に含まれる金属酸化物としては、酸化ニッケルや酸化チタンを用いることができる。本実施例では、以下酸化ニッケルを用いた場合について記載するが、酸化チタンと置き換えても以下に説明する効果を得ることができる。
本実施例の半導体記憶装置に用いる抵抗変化型素子304には、(i)2つの電極M1およびM2を互いに仕事関数が異なる材料で形成する、(ii)記録層M0に含まれる金属酸化物のキャリア濃度が2つの電極近傍で異なるように組成を変える、(iii)2つの電極M1およびM2とで、それぞれが記録層M0と接触する面積を異ならせる、のうちの1つ、または2つ、または全てを適用したものを用いる。
(i)のように2つの電極M1、M2の間で仕事関数が異なる場合、抵抗変化型素子304には、図4に示すようなバンド構造が生じる。図4の(a)(b)(c)に示したバンド図の横軸は、第1電極M1、記録層M0、第2電極M2の位置を示し、縦軸は価電子帯(VB)と伝導帯(CB)のエネルギーレベルを示す。本実施例では、記録層M0は金属酸化物として酸化ニッケル(NiO)を含むものとし、左側の電極M1は仕事関数が小さいNi(5.2eV)、右側の電極M2は仕事関数が大きいPt(5.61eV)にする。NiO中には少数ながらキャリアが存在し、それぞれの電極界面ではNiOとNi、NiOとPtのフェルミレベルが一致するようにキャリアが移動する。その結果、図4(a)に示したように、Ni、Pt電極に外部から電位を与えなくても、NiOの伝導帯は曲がりNiO/Ni界面、Pt/NiO界面には電界が生じる。生じる電界の強さは仕事関数がより大きい電極M2側、すなわちPt側で強くなる。
M2側、すなわちPt側に負電圧を印加する場合、印加電圧の大きさを増大させていくと、ショットキー接合の逆方向の電圧が印加されるPt/NiO界面に選択的に電圧が印加されるようになる。図4(b)が、M2側に負電圧、すなわち、M1側に正電圧を印加した場合のバンド図である。NiO/Ni界面はショットキー接合の順バイアス方向なのでPt/NiO界面ほどは電圧が印加されない。その結果、高抵抗状態の場合には、Pt/NiO界面でNiOの還元反応による導電フィラメント形成が生じ低抵抗化が生じ、逆に低抵抗状態の場合には導電フィラメントが消失し高抵抗化が生じる。
逆にM1側、すなわちNi側に負電圧を印加する場合、印加電圧の大きさを増大させていくと、ショットキー接合の逆方向の電圧が印加されるNiO/Ni界面に選択的に電圧が印加されるようになる。図4(c)が、M1側に負電圧、すなわち、M2側に正電圧を印加した場合のバンド図である。Ni/Pt界面はショットキー接合の順バイアス方向なのでNiO/Ni界面ほどは電圧が印加されない。その結果、高抵抗状態の場合には、NiO/Ni界面でNiOの還元反応による導電フィラメント形成が生じ低抵抗化が生じ、逆に低抵抗状態の場合には導電フィラメントが消失し高抵抗化が生じる。
前述したNiとPtの仕事関数の違いにより、Pt側に負電圧を印加する場合にPt/NiO界面に印加される電圧は、Ni側に同じ大きさの負電圧を印加する場合にNiO/Ni界面に印加される電圧よりも大きい。
そのため、界面での電界が強い電極M2すなわちPt側に負電圧を印加した場合の方が、電極M1すなわちNi側に負電圧を印加した場合に比べて、低抵抗化電圧、低抵抗化電流、高抵抗化電圧、高抵抗化電流が小さくなる。これらの結果、書換え特性は、図5のように非対称な特性となる。図5の横軸は、M1電位から見たM2の電位を示し、縦軸はM2からM1への電流の方向を正としている。
図5に示した本実施例の半導体記憶装置の電流電圧特性には、その非対称性のために、電流の掃引方向に対して、高抵抗化動作に必要な異なる電流Vreset1、Vreset2と、低抵抗化動作に必要な異なる電流Vset1、Vset2とを有することになる。Vreset1、Vreset2、Vset1、Vset2の大小関係は、それぞれ、
Vset2の大きさ < Vset1の大きさ ・・・(3)
Vreset2の大きさ < Vreset1の大きさ ・・・(4)
Iset2の大きさ < Iset1の大きさ ・・・(5)
Ireset2の大きさ < Ireset1の大きさ ・・・(6)
である。
また、(ii)のように金属酸化物のキャリア濃度が2つの電極近傍で異なるように組成を変える場合では、仮に、2つの電極材料の仕事関数が同じでありバリア高さΦB1、ΦB2が同じであったとしても、各電極界面に印加される電圧は(i)の場合と同様に異なる。M1界面でMOのキャリア濃度が低く、M2界面でMOのキャリア濃度が高くなるようにMOを成膜して素子を作製すると、図4でΦB1とΦB2が等しくなるが、M1、M2電極に外部から電位を与えなくても、NiOの伝導帯は曲がりNiO/M1、M2/NiO界面には電界が生じる。生じる電界の強さはキャリア濃度がより大きいM2側で強くなる。そのため、M2側に負電圧を印加する場合にM2/NiO界面に印加される電圧は、M1側に同じ大きさの負電圧を印加する場合にNiO/M1界面に印加される電圧よりも大きい。界面での電界が強いM2側に負電圧を印加した場合の方が、低抵抗化電圧、低抵抗化電流、高抵抗化電圧、高抵抗化電流が大きくなる。これらの結果、(i)の場合と同様に、書換え特性は図5のように非対称な特性となる。
記録層M0中のキャリア濃度は、記録層M0中のニッケルの割合を増加させ、酸素欠損を増加させることで、増大させることが出来る。従って、電極M2の近傍の記録層M0中のニッケル濃度を、電極M1の近傍の記録層M0中のニッケル濃度よりも高くすることで、上述のキャリア濃度の分布が実現できる。金属酸化物、ここではNiOを含む記録層M0を作製する際に、ニッケル層の製膜と酸化を複数回繰り返して行い、回数毎に酸化の条件を変えることで、ニッケルと酸素の記録層M0中の割合を変調することで記録層M0中のニッケル濃度を調整できる。
(ii)によって、使用できる電極材料や記録層の材料に制限があったとしても、非対称性の大きい書き換え特性が得られる。また、(i)や後述の(iii)と組み合わせることで、さらに大きい電流−電圧特性の非対称性が得られる。
また、(iii)の、2つの電極が金属酸化物と接触する面積を変える場合では、仮に、2つの電極材料の仕事関数が同じでありバリア高さΦB1、ΦB2が同じであり、かつM1界面とM2界面でのMOのキャリア濃度が同じであったとしても、電極M2と記録層M0との接触面積を電極M1と記録層M0との接触面積よりも小さくすると、(i)の場合と同様に、書換え特性は図5のように非対称な特性となる。電極M2と記録層M0との接触面積を小さくすることで、電極M2側に負電圧を印加して電流を流すとより小さな電流値でM2/NiO界面に流れる電流密度を大きくすることができ、セット動作、リセット動作に十分な電流密度にすることができるからである。
(iii)によって、使用できる電極材料や記録層の材料に制限があったとしても、非対称性の大きい書き換え特性が得られる。また、(i)や(ii)と組み合わせることで、さらに大きい電流−電圧特性の非対称性が得られる。
以下の説明では、高抵抗化電流が大きい極性の電流電圧方向を方向M2−M1、高抵抗化電流が小さい極性の電流電圧方向を方向M1−M2として記述する。ここでは、方向M2−M1は電極M2から電極M1へ電流が流れる状況を表し、方向M1−M2は電極M1から電極M2へ電流が流れる状況を表す。方向M2−M1へ電流を流すには、電極M2の電位が電極M1よりも高くなるように抵抗変化型素子304に電圧を印加する。方向M1−M2へ電流を流すには、電極M1の電位が電極M2の電位よりも高くなるように抵抗変化型素子304に電圧を印加する。また、以下、高抵抗化動作をリセット動作、低抵抗化動作をセット動作と呼ぶ。図5の正電圧が方向M2−M1、負電圧が方向M1−M2に対応する。
図5から分かるように、リセット動作、セット動作は、方向M2−M1、方向M1−M2の両方で可能である。低抵抗状態にある抵抗変化型素子にVreset1よりも高くVset1よりも低い電圧を方向M2−M1に印加すると、抵抗変化型素子は高抵抗化する。また高抵抗状態にある抵抗変化型素子に、Vsetよりも高い電圧を方向M2−M1に印加すると抵抗変化型素子は低抵抗化する。同様に、低抵抗状態にある抵抗変化型素子にVreset2よりも高くVset2より低い電圧を方向M1−M2に印加すると、抵抗変化型素子は高抵抗化する。また高抵抗状態にある抵抗変化型素子にVset2よりも高い電圧を方向M1−M2に印加すると抵抗変化型素子は低抵抗化する。
本実施例では、図5に示した非対称の特性を有する抵抗変化型素子を用いて、リセット動作、セット動作は、電極M2に対して電極M1に高い電圧を印加して、方向M2−M1に対して、高抵抗化電圧、高抵抗化電流、低抵抗化電圧、低抵抗化電流が小さい方向である方向M1−M2に電流を流すことで行い、従来並みかそれ以下の低消費電力での書換えを実現する。一方、読出し時には、電極M2に対して電極M1に低い電圧を印加し、方向M2−M1の方向に電流を流すことで抵抗値判定を行う。これにより、Icの上限値がIreset1の大きさまで取りえるために、書き換え時に流れる電流未満に制限されることはなく、高速な読出しが実現できる。
印加電圧、電流の、方向M2−M1と方向M1−M2の切り替えは、配線セレクタ305で、第1電極M1と、第1電源301、第2電源302、第3電源303との接続を切り替えて行う。
リセット動作時には、第1電極M1と第1電源301とが接続され、第1電源301の出力により、リセット電圧が抵抗変化型素子に印加される。第1電源301の出力電圧は、接地電位よりも高く、大きさをVreset2以上で、かつVset2未満にする。第2電極M2の第1電極M1に対する電位で示した図5からわかるように、Vreset2以上でVset2よりも低い電位になるので、低抵抗状態LRSの抵抗変化型素子は高抵抗状態HRSに変化する。すなわち、抵抗変化型素子の抵抗値は上昇する。なお、高抵抗状態HRSの抵抗変化型素子は高抵抗状態HRSのままである。以上のように、リセット動作が実現される。第1電源301の出力電圧は、パルス状にすることができて、1マイクロ秒以下にできる。従って、高速にリセット動作させることが可能である。
セット動作時には、第1電極M1と第2電源302とが接続され、第2電源302の出力により、セット電圧が抵抗変化型素子に印加される。第2電源302の出力は接地電位よりも高く、大きさをVset2以上にする。第2電極M2の第1電極M1に対する電位で示した図5からわかるように、Vset2よりも高い電位になるので、高抵抗状態HRSの抵抗変化型素子は低抵抗状態LRSに変化する。すなわち、抵抗変化型素子の抵抗値は下降する。第1電源302の電圧は、パルス状にすることができて、1マイクロ秒以下にできる。低抵抗状態LRSの状態の抵抗変化型素子については、パルス電圧の立ち上がり時に電圧がVreset2を越えた瞬間にいったん高抵抗状態HRSに変化するが、電圧の大きさがVset2を越えた瞬間に低抵抗状態LRSに戻る。
読み出し時には、第1電極M1と第3電源303とが接続される。第3電源303の出力電圧は、接地電位よりも低く、絶対値がVreset1の大きさよりも小さい。また、前述のように、第3電源303の出力電圧の絶対値は、第2電源302の出力電圧の絶対値よりも大きくする。第2電極M2の第1電極M1に対する電位で示した図5からわかるように、Vreset1よりも小さい電位が印加されることになるので、高抵抗状態HRSの抵抗変化型素子と低抵抗状態LRSの抵抗変化型素子はどちらも抵抗値を変化させない。低抵抗状態LRSの抵抗変化型素子では、印加する電圧値に応じて、Ireset1より小さい電流が流れ、高抵抗状態HRSの抵抗変化型素子ではほとんど電流が流れない。判定電流Icは高抵抗状態の読み出し電流値よりも大きく、低抵抗状態の読み出し電流値よりも小さくする。第3電源303の出力電圧の絶対値を、第2電源302の出力電圧の絶対値よりも大きくしているので、第1電源301、第2電源302を用いて書き換えを行う際に流れる電流の大きさを越えてIcを大きくとれるため、短時間で電流の大小を判定でき、高速な読み出しが可能である。
本発明の実施例1の効果を図6に示す。素子寸法の減少とともに書換えに必要な電流は減少するが、従来技術では式(1)を満たす必要があるために読み出し判定電流Icは書換え電流よりも小さくする必要があり、読み出し速度が微細化により低下した。
これに対し、本実施例1の半導体記憶装置は、従来と同程度の書換え電流を維持したまま、または書き換え電流を低減し、読み出し時に低抵抗状態に流せる電流値をIreset1まで増加させることができる。これにより、判定電流Icの上限もIreset1にまで増加でき、Ic低下による読出し速度低下を防止することができる。
本実施例2では、実施例1で用いたノンポーラ型抵抗変化型素子で、トランジスタと組み合わせることでメモリアレイを形成し動作させる。
メモリアレイ中の特定の素子を選択して読出し動作、書換え動作を行えるようにするために、各々の抵抗変化型素子と選択トランジスタを図7のように接続し、1つのトランジスタと1つの抵抗変化型素子で1つのメモリ素子を形成するようにする。抵抗変化型素子の上部電極7に0V、下部電極8に正電圧を印加する方向が図5の方向M1−M2、下部電極8に0V、上部電極7に正電圧を印加する方向が図5の方向M2−M1となるように抵抗変化型素子を作製する。たとえば、
Vset1の大きさ= 1.5V ・・・(7)
Vreset1の大きさ= 1.0V ・・・(8)
Vset2の大きさ= 1.0V ・・・(9)
Vreset2の大きさ= 0.5V ・・・(10)
のようにすることが可能である。
図7のメモリセルは、シリコン基板上1に形成したP型ウェル101、トランジスタのゲート絶縁膜21、トランジスタのゲート22とソース/ドレインN型拡散層23、ソース線111、ソース線111とN型拡散層23をつなぐ電極プラグ112、抵抗変化型素子の上部電極7と下部電極8、抵抗変化型素子の記録膜6、下部電極8とN型拡散層23をつなぐ電極プラグ113、上部電極と接続されるビット線3から形成される。
メモリセルの書換え動作の際には、ウェル101、ビット線3に0Vを印加する。また、ゲート22に正電圧を印加してトランジスタをオン状態にする。ソース線111に正電圧を印加すると、抵抗変化型素子に方向M1−M2の方向に電圧が印加される。抵抗変化型素子の高抵抗化電流が小さい極性での書換えが実現できる。
読出し動作の際には、ウェル101、ソース線111に0Vを印加する。ビット線3に正電圧を印加しトランジスタのゲート2に正電圧を印加してトランジスタをオン状態にすると、メモリ素子に方向M2−M1の方向に電圧が印加される。これにより、高抵抗化電流が大きい方向M2−M1の極性での読み出しが実現できる。ビット線に接続されたセンスアンプにはSMCに流れる電流IREADが、Icより大きいか小さいかを判定し、高抵抗状態と低抵抗状態を判別し読出しを行う。
このような動作を実現するための装置構成を図8と図9に示す。本実施例2の半導体記憶装置は、図8に示すような外部からのデータの入力、外部へのデータの出力を行うI/O 1001、情報を記憶するメモリセルアレイ1002、メモリセルアレイへの情報の書込みやメモリセルからの情報の読出しの際にメモリセルアレイに印加する電圧を発生させる少なくとも2種類の電源1003、1004、1005、1006、複数の電源が発生した電圧からメモリセルアレイに印加する電圧を選択する電圧セレクタ1007、メモリセルアレイの複数の配線から電圧を印加する配線を選択する配線セレクタ1008、読出し動作の際にメモリセルアレイの情報を読み出す読み取り部1010、外部からの入力に応じて電源1003、1004、1005、1006、電圧セレクタ1007、配線セレクタ1008、読み取部1010の動作を制御する制御部1009を備える。
図9は、図7のメモリセルを複数備えるアレイ構成を示した回路図である。図7のソース線111はUSS、SSを介して複数メモリセルどうしが接続され、図7のビット線もSBL、USBL介して複数メモリセルどうしが接続され、図7のゲート22はSWL、USWLを介して複数メモリセルどうしが接続される。
VSET、VRESET、VON,VREAD、0Vを発生する電源回路と電源電圧を伝達する配線Mn(n=1,2,3,4,5)、電源回路と配線Mnの接続の仕方を選択する電源セレクタ、配線Mnとビット線、ワード線の接続の仕方を選択する配線セレクタ(スイッチ)が有り、メモリアレイの各ビット線、ワード線に適切な電圧を印加してセット動作、リセット動作、読み出し動作を行う。VREADに対して、VSETおよびVRESETは異なる極性とする。
図9に示すメモリアレイ中から1つのメモリセルSMCを選択して読出しを行なうには、選択セルが接続されているワード線(SWL:選択ワード線)、選択セルが接続されていないワード線(USWL:非選択ワード線)、選択セルが接続されているビット線(SBL:選択ビット線)、選択セルが接続されていないビット線(USBL:非選択ビット線)、選択セルが接続されているソース線(SS:選択ソース線)、選択セルが接続されていないソース線(USS:選択ソース線)に、例えばそれぞれ、VON、0V、VREAD、0V、0V、0Vの電圧を印加する。ゲートに印加される電圧VONは電圧を印加されたトランジスタがオン状態になるように選ぶ。ゲート電圧が0Vではトランジスタがオフ状態になるようにトランジスタを設計する。これらの印加電圧を実現するためには、電源セレクタ2でM4とVREADを接続し、SWLが接続されている配線セレクタでSWLとM2を接続し、USWLが接続されている配線セレクタでUSWLとM3を接続し、SBLが接続されている配線セレクタでSBLとM4を接続し、USBLが接続されている配線セレクタでUSBLとM5を接続し、SSが接続されている配線セレクタでSSとM3を接続し、USSが接続されている配線セレクタでSSとM3を接続すれば良い。
SWL、USBL、SSに接続されたセル、例えばCell Cではトランジスタはオン状態になるが、SSとUSBLがともに0Vで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。USWL、SBL、USSに接続されたセル、例えばCell Bではトランジスタがオフ状態になるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、USBL、USSに接続されたセル、例えばCell Dではトランジスタがオフ状態になり、SSとUSBLがともに0Vで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。SWL、SBL、SSに接続されたCell A、つまり選択メモリセルSMCだけに図5、図7の方向M2−M1の方向に電流が流れる。読み出し時のSWLの電位VONは例えば2Vとして、トランジスタのオン抵抗を十分小さくする。SBLの電位VREADはSMCの抵抗変化型素子への印加電圧がVreset1の大きさを超えない範囲で大きくする。こうすることで、Ireset1の大きさを超えない範囲のなるべく大きな読み出し電流IREADLを低抵抗状態時のSMCに流すことができる。
IREADHの大きさ<Ic<IREADLの大きさ<Ireset1の大きさ ・・・(11)
の関係が成り立つ範囲でIcを大きくする。抵抗変化型素子の大きなIreset1を活かした大きなIcを用いて読み取り部1010のセンスアンプ(Sense Amp.)で高速に抵抗値を読みだすことができる。
なお、実際の読み出し動作の際には、図10(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t4〜t5の間に読み出しを行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図10(b)のようにすることで図10(a)の電圧印加は実現できる。
低抵抗化動作には、図9で、SWL、USWL、SBL、USBL、SS、USSに例えばそれぞれ、VON、0V、0V、VSET、VSET、0Vの電圧を印加する。VSETは式(9)のVset2を越える電圧を用いることができる。たとえば、VON=2.5V、VSET=1.2Vのようにできる。
これを実現するためには、電源セレクタ1でM1とVSETを接続し、電源セレクタ2でM4とVSETを接続し、SWLが接続されている配線セレクタでSWLとM2を接続し、USWLが接続されている配線セレクタでUSWLとM3を接続し、SBLが接続されている配線セレクタでSBLとM5を接続し、USBLが接続されている配線セレクタでUSBLとM4を接続し、SSが接続されている配線セレクタでSSとM1を接続し、USSが接続されている配線セレクタでSSとM3を接続すれば良い。
SWL、USBL、SSに接続されたセル、例えばCell Cではトランジスタはオン状態になるが、SSとUSBLがともにVSETで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。USWL、SBL、USSに接続されたセル、例えばCell Bではトランジスタがオフ状態になるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、USBL、USSに接続されたセル、例えばCell Dではトランジスタがオフ状態になり、SSとUSBLがともにVSETで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。結局、SWL、SBL、SSに接続されたCell A、つまり選択メモリセルSMCだけに図5、図7の方向M1−M2の方向にセット電圧が印加され電流が流れ、低抵抗化動作を行うことができる。
なお、実際の低抵抗化動作の際には、図11(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t4〜t5の間に低抵抗化動作を行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図11(b)のようにすることで図11(a)の電圧印加は実現できる。
高抵抗化動作には、図9で、SWL、USWL、SBL、USBL、SS、USSに例えばそれぞれ、VON、0V、0V、VRESET、VRESET、0Vの電圧を印加する。たとえば、VON=3V、VRESET=0.7Vとできる。
これを実現するためには、電源セレクタ1でM1とVRESETを接続し、電源セレクタ2でM4とVRESETを接続し、SWLが接続されている配線セレクタでSWLとM2を接続し、USWLが接続されている配線セレクタでUSWLとM3を接続し、SBLが接続されている配線セレクタでSBLとM5を接続し、USBLが接続されている配線セレクタでUSBLとM4を接続し、SSが接続されている配線セレクタでSSとM1を接続し、USSが接続されている配線セレクタでSSとM3を接続すれば良い。
SWL、USBL、SSに接続されたセル、例えばCell Cではトランジスタはオン状態になるが、SSとUSBLがともにVRESETで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。USWL、SBL、USSに接続されたセル、例えばCell Bではトランジスタがオフ状態になるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、USBL、USSに接続されたセル、例えばCell Dではトランジスタがオフ状態になり、SSとUSBLがともにVRESETで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。結局、SWL、SBL、SSに接続されたCell A、つまり選択メモリセルSMCだけに図5、図7の方向M1−M2の方向にリセット電圧が印加され電流が流れ、高抵抗化動作を行うことができる。
なお、実際の低抵抗化動作の際には、図12(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t4〜t5の間に低抵抗化動作を行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図12(b)のようにすることで図12(a)の電圧印加は実現できる。
本発明の実施例2でも実施例1と同様に、従来並みの書換え電流を維持したままでIcを増加させることができる。その結果メモリアレイの読み出し速度を向上することができる。
本実施例3では、実施例1で用いたノンポーラ型抵抗変化型素子で、ダイオードと組み合わせることでメモリアレイを形成し動作させた。メモリアレイ中の特定の素子を選択して読出し動作、書換え動作を行えるようにするために、各々の抵抗変化型素子と選択ダイオードを図13のように接続し、1つのダイオードと1つの抵抗変化型素子で1つのメモリ素子を形成するようにした。ダイオードを選択素子に用いたメモリアレイは、トランジスタを用いたメモリアレイと比べて微細化に適している。
電極7が仕事関数が小さい金属M1、電極8が仕事関数が大きい金属M2、6が金属酸化物MOとすると、抵抗変化型素子の上部電極7に0V、下部電極8に正電圧を印加する方向が図5の方向M2−M1の方向、下部電極8に0V、上部電極7に正電圧を印加する方向が図5の方向M1−M2の方向となるように抵抗変化型素子を作製できる。
抵抗変化型素子は、たとえば、Vset1、Vreset1、Vset2、Vreset2を、式(7)(8)(9)(10)のようにすることが可能である。
図13のメモリセルアレイは、金属配線からなるワード線2、ワード線2と接するP型シリコン4、不純物が低濃度のシリコンでダイオードの電界緩和層として機能する11、N型シリコン5、Tiシリサイドなどのバリアメタル10、抵抗変化型素子の下部電極8、抵抗変化型素子6、抵抗変化型素子の上部電極7、ビット線となる金属配線3からなる。
P型シリコン4、不純物が低濃度のシリコン11、N型シリコン5からなるダイオードは整流性を持ち、方向M2−M1が順バイアス方向、方向M1−M2が逆バイアス方向と一致している。なおこれらのシリコン部分は、例えばポリシリコンとすることもできる。ダイオードに順方向電圧を印加した際に十分大きな電流が流れる電圧の大きさVdthはたとえば1.5V、ダイオードの逆バイアス方向の耐圧Vjbはたとえば3Vになるように作製することが可能である。
図14はメモリアレイ構成を示した回路図である。VSET、VRESET、VREAD、VSET0、VRESET0、0Vを発生する電源回路と電源電圧を伝達する配線Mn(n=1,2,3,4)、電源回路と配線Mnの接続の仕方を選択する電源セレクタ、配線Mnとビット線、ワード線の接続の仕方を選択する配線セレクタが有り、メモリアレイの各ビット線、ワード線に適切な電圧を印加してセット動作、リセット動作、読み出し動作を行う。
図14に示すメモリアレイ中から1つのメモリセルSMCを選択して読出しを行なうには、図14で、SWL、USWL、SBL、USBLに、それぞれ、VREAD、0V、0V、VREADの電圧を印加する。
これを実現するためには、図14の電源セレクタ1でM1とVREADを接続し、電源セレクタ2でM3とVREADを接続し、電源セレクタ3でM4と0Vを接続し、SWLが接続されている配線セレクタでSWLとM1を接続し、USWLが接続されている配線セレクタでUSWLとM2を接続し、SBLが接続されている配線セレクタでSBLとM4を接続し、USBLが接続されている配線セレクタでUSBLとM3を接続すれば良い。
SWL、USBLに接続されたセル、例えばCell CではSWLとUSBLがともにVREADで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。USWL、SBLに接続されたセル、例えばCell BではUSWL、SBLがともに0Vで等電位であるためメモリセルに電流は流れない。USWL、USBLに接続されたセル、例えばCell Dではダイオードの逆バイアス方向にVREADの電圧が印加される。VREADがダイオードの耐圧Vjbよりも低ければメモリセルに電流は流れない。結局、SWL、SBLに接続されたCell A、つまり選択メモリセルSMCだけに図5、図13の方向M2−M1の方向に電流が流れる。読み出し時のSWL,USBL電位VREADは低抵抗状態のセルが高抵抗化しないこと、つまり抵抗変化型素子への印加電圧がVreset1の大きさを超えない
VREAD < Vreset1の大きさ+Vdth ・・・(12)
の範囲で大きくすることが可能である。CellDなどのUSWL、USBLに接続されたセルのダイオードへの逆方向電圧が耐圧を超えない条件
VREAD < Vjb ・・・(13)
は満たさなくてはならない。
こうすることで、Ireset1の大きさを超えない範囲のなるべく大きな読み出し電流IREADを低抵抗状態時のSMCに流すことができる。
IREADHの大きさ<Ic<IREADLの大きさ<Ireset1の大きさ ・・・(14)
の関係が成り立つ範囲でIcを大きくする。抵抗変化型素子の大きなIreset1を活かした大きなIcを用いることができるので、Sense Amp.で高速に抵抗値を読みだすことができる。
なお、実際の読み出し動作の際には、図15(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t4〜t5の間に読み出しを行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図15(b)のようにすることで図15(a)の電圧印加は実現できる。
読出し動作のVREADと、Vjb、Vdth、Vreset1の関係を従来動作のVREAD、VRESETの関係と比較して示したのが図16である。式(12)(13)の範囲でなるべく大きいVREADで読出しを行うが、Vjb < Vreset1の大きさ+VdthだとVjbに制限されて、VREADを上げられなくなるので、Vjbは十分大きくなるようにダイオードのデバイス設計をすることが必要である。
低抵抗化動作には、図14で、SWL、USWL、SBL、USBLに例えばそれぞれ、0V、VSET0、VSET、VSET0の電圧を印加する。たとえば、VSET0=2.2V、VSET=4.4Vとできる。SWL、USBLに接続されたセル、例えばCell Cではダイオードの逆バイアス方向に2.2Vの電圧が印加される。耐圧3Vよりも低い電圧がダイオードの逆バイアス方向に印加されるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、SBLに接続されたセル、例えばCell Bではダイオードの逆バイアス方向に2.2Vの電圧が印加される。耐圧3Vよりも低い電圧がダイオードの逆バイアス方向に印加されるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、USBLに接続されたセル、例えばCell DではUSWL、USBLがともに2.2Vで等電位であるためにメモリセルに電流は流れない。SWL、SBLに接続されたCellA、つまり選択メモリセルSMCでは、ダイオードの耐圧3Vを越える4.4Vの電圧が印加されるので方向M1−M2の方向に電流が流れる。SMCのダイオードに3V、抵抗変化型素子にはVset2の大きさ=1.0Vを越える1.4Vが印加されるので低抵抗化動作を行うことができる。図17(a)のように途中、時刻t1からt2でSBL、USBLを同時に立上げその後時刻t3からt4でUSWLを立ち上げ、t5からt6でSBLを低抵抗化に必要なVSETに立ち上げている。こうすることで、低抵抗化動作の途中で過渡的な電流による非選択セルへの誤書換えを防止できる。VSET0、VSETは抵抗変化型素子のVset2、ダイオードのVjbと、下記の式(15)(16)(17)の関係があれば良い。
VSET0 < Vjb ・・・(15)
0 <VSET−VSET0 < Vjb ・・・(16)
Vjb+Vset2の大きさ < VSET ・・・(17)
なお、実際の低抵抗化動作の際には、図17(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t6〜t7の間に低抵抗化動作を行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図17(b)のようにすることで図17(a)の電圧印加は実現できる。
高抵抗化動作には、図14で、SWL、USWL、SBL、USBLに例えばそれぞれ、0V、VRESET0、VRESET、VRESET0を印加する。たとえば、VRESET0=1.8V、VRESET=3.6Vとできる。SWL、USBLに接続されたセル、例えばCell Cではダイオードの逆バイアス方向に1.8Vの電圧が印加される。耐圧3Vよりも低い電圧がダイオードの逆バイアス方向に印加されるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、SBLに接続されたセル、例えばCell Bではダイオードの逆バイアス方向に1.8Vの電圧が印加される。耐圧3 Vよりも低い電圧がダイオードの逆バイアス方向に印加されるのでメモリセルに電流は流れない。USWL、USBLに接続されたセル、例えばCell DではUSWL、USBLがともに1.8Vで等電位であるためにメモリセルに電流は流れない。SWL、SBLに接続されたCell A、つまり選択メモリセルSMCでは、ダイオードの耐圧3 Vを越える3.6Vの電圧が印加されるので方向M1−M2の方向に電流が流れる。抵抗変化型素子にはVreset2の大きさ = 0.5Vを越える0.6Vが印加されるので高抵抗化動作を行うことができる。図18(a)のように低抵抗化動作の場合と同様に、途中、時刻t1からt2でSBL、USBLを同時に立上げその後時刻t3からt4でUSWLを立ち上げ、t5からt6でSBLを高抵抗化に必要なVRESETに立ち上げている。こうすることで、高抵抗化動作の途中で過渡的な電流による非選択セルへの誤書換えを防止できる。VRESET0、VRESETは抵抗変化型素子のVreset2、ダイオードのVjbと、下記の式(18)、(19)、(20)の関係があれば良い。
VRESET0 < Vjb ・・・(18)
0 <VRESET−VRESET0 < Vjb ・・・(19)
Vjb+Vreset2の大きさ < VRESET ・・・(20)
なお、実際の高抵抗化動作の際には、図18(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t6〜t7の間に高抵抗化動作を行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図18(b)のようにすることで図18(a)の電圧印加は実現できる。
図17、図18では、SWL、USWL、SBL、USBLに電圧パルスを印加することで低抵抗化動作、高抵抗化動作を行ったが、SBLに対してそれぞれIset2、Ireset2の電流パルスを印加することもできる。
また、実際のデバイスでは、Vreset2、Vset2などにある程度のばらつきがあるので、低抵抗化では式(15)(16)(17)、高抵抗化では式(18)(19)(20)を満たす範囲で、それぞれVSET、VRESETを印加するたびに図15のシーケンスで読出しを行い、低抵抗化動作、高抵抗化動作が完了するまで繰り返すことを行う。
本発明の実施例3でも実施例2と同様に、従来並みの書換え電流を維持したままでIcを増加させることができる。その結果メモリアレイの読み出し速度を向上することができる。
実施例3では高抵抗化動作と低抵抗化動作をSMCのダイオードの耐圧以上の逆方向電圧印加で行ない読み出しをSMCのダイオードの順方向電圧印加によって行ったが、本実施例4のように読み出し動作をSMCのダイオードの耐圧以上の逆方向電圧印加で行ない高抵抗化動作と低抵抗化動作をSMCのダイオードの順方向電圧印加によって行うこともできる。
実施例1、2の方法で用いたノンポーラ型抵抗変化型素子で、ダイオードと組み合わせることでメモリアレイを形成した。メモリアレイ中の特定の素子を選択して読出し動作、書換え動作を行えるようにするために、各々の抵抗変化型素子と選択ダイオードを図19のように接続し、1つのダイオードと1つの抵抗変化型素子で1つのメモリ素子を形成するようにした。また、その他の方法であっても、図5のような特性をもつノンポーラ型抵抗変化型素子であれば、低抵抗化動作、高抵抗化動作、読出し動作を行うことができ、効果を得ることができる。
電極7が仕事関数が大きい金属M2、電極8が仕事関数が小さい金属M1、6が金属酸化物MOとすると、抵抗変化型素子の上部電極7に0V、下部電極8に正電圧を印加する方向が図5の方向M1−M2の方向、下部電極8に0V、上部電極7に正電圧を印加する方向が図5の方向M2−M1の方向となるように抵抗変化型素子を作製できる。実施例4の場合と逆であることに注意する必要がある。
抵抗変化型素子は、たとえば、Vset1、Vreset1、Vset2、Vreset2を、式(7)、(8)、(9)、(10)のようにすることが可能である。
図19のメモリセルアレイは、金属配線からなるワード線2、ワード線2と接するP型シリコン4、不純物が低濃度のシリコンでダイオードの電界緩和層として機能する11、N型シリコン5、Tiシリサイドなどのバリアメタル10、抵抗変化型素子の下部電極8、抵抗変化型素子6、抵抗変化型素子の上部電極7、ビット線となる金属配線3を備える。P型シリコン4、不純物が低濃度のシリコン11、N型シリコン5からなるダイオードは整流性を持ち、方向M2−M1が逆バイアス方向、方向M1−M2が順バイアス方向と一致している。なおこれらのシリコン部分は、例えばポリシリコンとすることもできる。
ダイオードに順方向電圧を印加した際に十分大きな電流が流れる電圧の大きさVdthはたとえば1.5V、ダイオードの逆バイアス方向の耐圧Vjbはたとえば3Vになるように作製することが可能である。
図20はメモリアレイ構成を示した回路図である。VSET、VRESET、VREAD、VREAD0、0Vを発生する電源回路と電源電圧を伝達する配線Mn(n=1,2,3,4)、電源回路と配線Mnの接続の仕方を選択する電源セレクタ、配線Mnとビット線、ワード線の接続の仕方を選択する配線セレクタが有り、メモリアレイの各ビット線、ワード線に適切な電圧を印加してセット動作、リセット動作、読み出し動作を行う。
図20に示すメモリアレイ中から1つのメモリセルSMCを選択して読出しを行なうには、SWL、USWL、SBL、USBLに、例えばそれぞれ、0V、VREAD0、VREAD、VREAD0の電圧を印加する。たとえばVREAD0はVREADと符号が同じで半分の大きさにすることができる。
これを実現するためには、図20の電源セレクタ1でM1とVREAD0を接続し、電源セレクタ2でM3とVREADを接続し、電源セレクタ3でM4とVREAD0を接続し、SWLが接続されている配線セレクタでSWLとM1を接続し、USWLが接続されている配線セレクタでUSWLとM2を接続し、SBLが接続されている配線セレクタでSBLとM3を接続し、USBLが接続されている配線セレクタでUSBLとM4を接続すれば良い。
SWL、USBLに接続されたセル、例えばCell Cではダイオードの逆方向に0.5×VREADが印加されるが、耐圧Vjb以下であればメモリセルに電流は流れない。USWL、SBLに接続されたセル、例えばCell BではUSWL、SBLがともにダイオードの逆方向に0.5×VREADが印加されるが、耐圧Vjb以下であればメモリセルに電流は流れない。USWL、USBLに接続されたセル、例えばCell DではUSWL、USBLの電位がともに0.5×VREADで等電位なので電流が流れない。SWL、SBLに接続されたCell A、つまりSMCでは、ダイオードの耐圧3Vを越える電圧が印加できれば方向M2−M1の方向に電流が流れる。SMCへの印加電圧VREADは低抵抗状態のセルが高抵抗化しないこと、つまり抵抗変化型素子への印加電圧がVreset1の大きさを超えず、かつ非選択セルのダイオードへの逆方向電圧が耐圧を超えない
VREAD > Vjb ・・・(21)
VREAD < Vjb + Vreset1の大きさ ・・・(22)
の範囲で大きくすることが可能である。
Cell CなどのSWL、USBLに接続されたセル、Cell BなどのUSWL、SBLに接続されたセルのダイオードへの逆方向電圧が耐圧を超えない条件、
0.5 ×VREAD < Vjb ・・・(23)
式(21)、(22)、(23)の範囲でなるべく大きなVREADを用いることで、ISET1を超えない範囲のなるべく大きなIcを用いてSense Amp.で高速に抵抗値を読みだすことができる。
図21(a)に示すように、途中、時刻t1からt2でSBL、USBLを同時に立上げその後時刻t3からt4でUSWLを立ち上げ、t5からt6でSBLを読出しに必要なVSETSBLに立ち上げている。こうすることで、読出し動作の途中で過渡的な電流が非選択セルへ流れることによる誤読出しを防止できる。
読出し動作のVREADと、Vjb、Vdth、Vreset1の関係を従来動作のVREAD、VRESETの関係と比較して示したのが図22である。式(21)、(22)、(23)の範囲でなるべく大きいVREADで読出しを行う。
なお、実際の読み出し動作の際には、図21(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t6〜t7の間に読み出しを行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図21(b)のようにすることで図21(a)の電圧印加は実現できる。
低抵抗化動作には、図20で、SWL、USWL、SBL、USBLに例えばそれぞれ、VSET、0V、0V、VSETの電圧を印加する。
たとえば、VSET=2.7Vとできる。SWL、USBLに接続されたセル、例えばCell CではSWL、USBLがともに2.7Vで等電位なので電流は流れない。USWL、SBLに接続されたセル、例えばCell Bでは、USWL、SBLがともに0Vで等電位なので電流は流れない。
USWL、USBLに接続されたセル、例えばCell Dではメモリセルのダイオードに2.7Vの逆方向電圧が印加されるが、耐圧3V以下なので電流は流れない。SWL、SBLに接続されたCell A、つまりSMCでは、ダイオードの順方向に2.7Vが印加されるので方向M1−M2の方向に電流が流れる。ダイオードにはVdth=1.5Vが印加され、抵抗変化型素子にはVset2の大きさ=1.0Vを越える1.2Vが印加されるので低抵抗化動作を行うことができる。
VSETは抵抗変化型素子のVset2、ダイオードのVjb、Vdthと、下記の式(24)、(25)の関係があれば良い。
VSET < Vjb ・・・(24)
Vdth+Vset2の大きさ < VSET ・・・(25)
なお、実際の低抵抗化動作の際には、図23(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t4〜t5の間に低抵抗化動作を行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図23(b)のようにすることで図23(a)の電圧印加は実現できる。
高抵抗化動作には、図20で、SWL、USWL、SBL、USBLに例えばそれぞれ、VRESET、0V、0V、VRESETの電圧を印加する。たとえば、VRESET=2.2Vとできる。SWL、USBLに接続されたセル、例えばCell CではSWL、USBLがともに2.2Vで等電位なので電流は流れない。USWL、SBLに接続されたセル、例えばCell Bでは、USWL、SBLがともに0Vで等電位なので電流は流れない。
USWL、USBLに接続されたセル、例えばCell Dではメモリセルのダイオードに2.2Vの逆方向電圧が印加されるが、耐圧3V以下なので電流は流れない。SWL、SBLに接続されたCell A、つまりSMCでは、ダイオードの順方向に2.2Vが印加されるので方向M1−M2の方向に電流が流れる。ダイオードにはVdth=1.5Vが印加され、抵抗変化型素子にはVreset2の大きさ=0.5Vを越える0.7Vが印加されるので高抵抗化動作を行うことができる。
VRESETは抵抗変化型素子のVreset2、ダイオードのVjb、Vdthと、下記の式(26)、(27)の関係があれば良い。
VRESET < Vjb ・・・(26)
Vdth+Vreset2の大きさ < VRESET ・・・(27)
なお、実際の高抵抗化動作の際には、図24(a)のように印加電圧を時間変化させ、時刻t4〜t5の間に高抵抗化動作を行う。各時刻での電源セレクタ、配線セレクタの接続先を図24(b)のようにすることで図24(a)の電圧印加は実現できる。
また、実際のデバイスでは、Vreset2、Vset2などにある程度のばらつきがあるので、低抵抗化では式(24)、(25)、高抵抗化では式(26)、(27)を満たす範囲で、それぞれVSET、VRESETを印加するたびに図21のシーケンスで読出しを行い、低抵抗化動作、高抵抗化動作が完了するまで繰り返すことを行う。
本発明の実施例4でも実施例3と同様に、従来並みの書換え電流を維持したままでIcを増加させることができる。その結果メモリアレイの読み出し速度を向上することができる。
実施例3では、低抵抗化動作、高抵抗化動作時に、ダイオードの耐圧以上の電圧を印加して動作させている。しかし、ダイオードに接合耐圧以上の電圧を印加すると急激に電流が流れる。
高抵抗化動作の場合には、メモリセルへの印加電圧がVreset2の大きさ+Vjbになると、抵抗変化型素子の抵抗は高抵抗化する。抵抗変化型素子に印加される電圧は、高抵抗化前はVreset2だったのが高抵抗化後ではVreset2の大きさより大きな値に変化する 。これに伴い、ダイオードへの印加電圧は、高抵抗化前はVjbだったのが、Vjbより小さな値に変化する。ダイオードへの印加電圧がVjbより小さくなるので自動的に、高抵抗化後にはメモリセルに流れる電流が非常に小さくなる。ただし、メモリセルへの印加電圧がVset2の大きさ+Vjbを越えると再び低抵抗化動作が生じてしまうので高抵抗化動作時のメモリセル印加電圧は、Vreset2の大きさ+Vjb以上でかつVset2の大きさ+Vjbより小さくしなくてはならない。
低抵抗化動作の場合には、メモリセルへの印加電圧がVset2の大きさ+Vjbになると、抵抗変化型素子の抵抗は低抵抗化する。抵抗変化型素子に印加される電圧は、低抵抗化前はVset2の大きさだったのが高抵抗化後ではVset2の大きさより小さな値に変化する 。これに伴い、ダイオードへの印加電圧は、高抵抗化前はVjbだったのが、Vjbより大きな値に変化する。ダイオードへの印加電圧がVjbより大きくなるので、低抵抗化後にはメモリセルに流れる電流は激増し、ジュール熱による発熱により、ダイオードやメモリ素子が破壊される場合がある。
低抵抗化動作時の過渡的な高電流を防止するために、図25のようにワード線、ビット線とメモリアレイ外部の電源との間にワード線選択トランジスタSTTWL,ビット線選択トランジスタSTTBLを設置した。
電源回路、電源セレクタ、配線セレクタは図示しないが、実施例3すなわち図14と同じ構成であり、SWL、USWLと配線セレクタとがSTTWL,SBL,USBLと配線セレクタとがSTTBLを介して接続されていることが実施例3と本実施例5が異なる点である。
高抵抗化動作、低抵抗化動作、読出し動作でのSWL、USWL、SBL、USBL電位は実施例3と同様である。
低抵抗化動作時にSWL−SBL間に印加される電圧VSETは、STTWL、SMCのダイオード、SMCの抵抗変化型素子、STTBLの直列構造に印加される。STTWL、STTBLの飽和電流をたとえばIreset2の2倍の大きさ程度になるようにSTTWL、STTBL電圧を設定すると、低抵抗化動作時にSMCのダイオードがVjb以上の電圧印加で低抵抗化し、SMCの抵抗変化型素子が低抵抗化してもSTTWL、STTBLで電流が制限されるので発熱によるダイオードやメモリ素子が破壊を避けることができる。
高抵抗化動作、読出し動作の際には、STTWL、STTBLの飽和電流がIreset2の大きさと比較して十分に大きくし、かつSTTWL、STTBLでの電圧降下が十分小さくなるように、STTWL、STTBLへの印加電圧を大きくする。
本発明の実施例5でも実施例3と同様に、従来並みの書換え電流を維持したままでIcを増加させることができる。その結果メモリアレイの読み出し速度を向上することができる。
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラ等の小型携帯情報機器用記憶装置などに用いて好適なものである。
1・・・半導体基板(シリコン基板)、
2・・・ワード線、または選択トランジスタのゲート
3・・・ビット線
4・・・p型シリコン
5・・・n型シリコン
6・・・金属酸化物などの記憶材料
7・・・抵抗変化型素子の上部電極
8・・・抵抗変化型素子の下部電極
10・・・n型シリコン界面のバリアメタル、またはシリサイド
11・・・不純物が低濃度のシリコン、ダイオードの電界緩和層
21・・・ゲート絶縁膜
22・・・ゲート電極
23・・・拡散層
101・・・チャネル
111・・・ソース線
112、113・・・電極
HRS・・・高抵抗状態
LRS・・・低抵抗状態
M1・・・仕事関数が小さい金属
M2・・・仕事関数が大きい金属
MO・・・金属酸化物
VB・・・価電子帯
CB・・・伝導帯
ΦB1、ΦB2・・・バリア高さ
EF・・・フェルミ準位
V1・・・第1電源
V2・・・第2電源
SWL・・・選択ワード線
USWL・・・非選択ワード線
SBL・・・選択ビット線
USBL・・・非選択ビット線
SS・・・選択ソース線
USS・・・非選択ソース線
SMC・・・選択メモリセル
CellA・・・選択ワード線、選択ビット線に接続されたメモリセル
CellB・・・非選択ワード線、選択ビット線に接続されたメモリセル
CellC・・・選択ワード線、非選択ビット線に接続されたメモリセル
CellD・・・非選択ワード線、非選択ビット線に接続されたメモリセル
Sense Amp.・・・センスアンプ
Vset、Vset1、Vset2・・・抵抗変化型素子の低抵抗化電圧
Vreset、Vreset1、Vreset2・・・抵抗変化型素子の高抵抗化電圧
Iset、Iset1、Iset2・・・抵抗変化型素子の低抵抗化電流
Ireset,Ireset1、Ireset2・・・抵抗変化型素子の高抵抗化電流
Vjb・・・ダイオードの逆バイアス耐圧 (降伏電圧)
VREAD・・・読み出し時のメモリセル印加電圧
VSET・・・低抵抗化動作時のメモリセル印加電圧
VRESET・・・高抵抗化動作時のメモリセル印加電圧
VSET0、VRESET0、VREAD0・・・電源電圧
IREAD・・・読み出し時センスアンプ電流
IREADL・・・低抵抗状態の抵抗変化型素子に流れる電流
IREADH・・・高抵抗状態の抵抗変化型素子に流れる電流
Ic・・・読出し動作の際に高抵抗状態と低抵抗状態を区別する電流レベル
Icf・・・大容量フラッシュメモリの高閾値状態と低閾値状態を区別する電流レベル
VON・・・選択素子トランジスタのチャネルをオン状態にするゲート電圧
方向M2−M1・・・抵抗変化型素子の電圧印加、電流を流す方向で高抵抗化電流が大きい方向
方向M1−M2・・・抵抗変化型素子の電圧印加、電流を流す方向で高抵抗化電流が小さい方向
STTWL・・・ワード線と外部電源を接続するトランジスタ
STTBL・・・ビット線と外部電源を接続するトランジスタ
t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11、t12、t13・・・時刻

Claims (15)

  1. 第1電源と、
    前記第1電源と極性が同じで、かつ前記第1電源よりも出力電圧が高い第2電源と、
    前記第1電源と極性が反対で、かつ前記第2電源の出力電圧の絶対値よりも出力電圧が高い第3電源と、
    抵抗変化型素子とを有し、
    前記抵抗変化型素子は、
    第1電極と、
    前記第1電極に接続されている、金属酸化物を含む記録層と、
    前記記録層に接続されている第2電極とを有し、
    前記第2電極の仕事関数が、前記第1電極の仕事関数よりも大きく、
    前記第1電極から前記第2電極の方向に電流が流れるように前記抵抗変化型素子に前記第1電源の出力電圧を印加することで、前記抵抗変化型素子の抵抗値を上昇させ、前記第1電極から前記第2電極の方向に電流が流れるように前記抵抗変化型素子に前記第2電源の出力電圧を印加することで、前記抵抗変化型素子の抵抗値を下降させることでデータを書き換え、
    前記第2電極から前記第1電極の方向に電流が流れるように前記抵抗変化型素子に前記第3電源の出力電圧を印加することでデータの読み出しを行うことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 請求項1に記載の半導体記憶装置において、
    前記金属酸化物は酸化ニッケルであることを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 請求項1に記載の半導体記憶装置において、
    前記金属酸化物は酸化チタンであることを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 請求項2に記載の半導体記憶装置において、
    前記第1電極はニッケルを含み、
    前記第2電極は白金を含むことを特徴とする半導体記憶装置。
  5. 請求項1に記載の半導体記憶装置において、
    前記記録層の前記第2電極近傍の前記金属酸化物のキャリア濃度が、前記第1電極近傍の前記金属酸化物のキャリア濃度よりも高いことを特徴とする半導体記憶装置。
  6. 請求項1に記載の半導体記憶装置において、
    前記第2電極と前記記録層との接触面積が、前記第1電極と前記記録層との接触面積よりも小さいことを特徴とする半導体記憶装置。
  7. 第1電極と、
    前記第1電極に接続されている、金属酸化物を含む記録層と、
    前記記録層に接続されている第2電極とを有し、
    前記記録層の前記第2電極近傍の前記金属酸化物のキャリア濃度が、前記第1電極近傍の前記金属酸化物のキャリア濃度よりも高いことを特徴とする半導体記憶装置。
  8. 請求項7に記載の半導体記憶装置において、
    前記金属酸化物は酸化ニッケルであることを特徴とする半導体記憶装置。
  9. 請求項7に記載の半導体記憶装置において、
    前記金属酸化物は酸化チタンであることを特徴とする半導体記憶装置。
  10. 請求項8に記載の半導体記憶装置において、
    前記第1電極はニッケルを含み、
    前記第2電極は白金を含むことを特徴とする半導体記憶装置。
  11. 請求項7に記載の半導体記憶装置において、
    前記第2電極と前記記録層との接触面積が、前記第1電極と前記記録層との接触面積よりも小さいことを特徴とする半導体記憶装置。
  12. 第1電極と、
    前記第1電極に接続されている、金属酸化物を含む記録層と、
    前記記録層に接続されている第2電極とを有し、
    前記第2電極と前記記録層との接触面積が、前記第1電極と前記記録層との接触面積よりも小さいことを特徴とする半導体記憶装置。
  13. 請求項12に記載の半導体記憶装置において、
    前記金属酸化物は酸化ニッケルであることを特徴とする半導体記憶装置。
  14. 請求項12に記載の半導体記憶装置において、
    前記金属酸化物は酸化チタンであることを特徴とする半導体記憶装置。
  15. 請求項13に記載の半導体記憶装置において、
    前記第1電極はニッケルを含み、
    前記第2電極は白金を含むことを特徴とする半導体記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101934013B1 (ko) * 2012-03-27 2018-12-31 에스케이하이닉스 주식회사 가변 저항 메모리 장치

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