実施の形態1
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は情報処理装置に対する操作入力例を示す説明図である。入力された情報を処理する情報処理装置1は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、ゲーム機、音楽再生プレーヤ、テレビジョン装置、カーナビゲーション装置、電子辞書、デジタルカメラ、または、各種機器を制御するコンピュータ等である。以下では一例として情報処理装置1が携帯電話機1であるものとして説明する。ユーザは携帯電話機1に対し情報を入力する。携帯電話機1は操作入力を受け付ける入力部13を有する。
入力部13は、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式または赤外線方式を用いたタッチパネルが用いられる。また入力部13はタッチパッド、マウスまたはジョイスティック等を用いても良い。その他、入力部13は図示しないペン型入力装置を用いても良い。この場合、電子ペン入力装置を用いた電磁誘導方式、紙等に印刷された特殊なパターンをペン先に設けたカメラで読み取りペン先位置を特定する方式、加速度センサまたはジャイロセンサによりペン先の動きを計測する方式等を用いる。本実施の形態においては、液晶ディスプレイ上に積層される静電容量方式を用いたタッチパネルを一例として説明する。以下では、入力部13をタッチパネル13という。
タッチパネル13の下側には液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等の表示部14が設けられている。以下概要を説明する。図1Aは基準点を決定した際のイメージを示す説明図である。ユーザはタッチパネル13の任意の位置を、所定時間以内の間押す操作を行う。この所定時間は例えば0.5秒とすれば良く、短時間の押し操作を行う。以下ではこの短時間の押し操作をタッチ操作という。タッチ操作により基準点20が決定される。
図1Bは入力領域のイメージを示す説明図である。基準点20が決定された場合、基準点20を中心とした複数の分割された入力領域及び各入力領域に対する文字が設定される。ここで「あ行」で示される入力領域をタッチ操作した場合、「あ行」の第1文字「あ」が出力される。図1Cは複数回タッチ操作した場合の変化を示す説明図である。同一入力領域を繰り返しタッチ操作した場合、「あ行」内にて第1文字「あ」、第2文字「い」、第3文字「う」、・・・の順で「あ行」に関連づけられる文字が順次表示部14へ出力される。以下詳細な説明を行う。
図2は携帯電話機1のハードウェア群を示すブロック図である。携帯電話機1は制御部11、記憶部12、タッチパネル13、表示部14、マイク110、スピーカ19、時計部18、通信部16、及び、操作ボタン131等を含む。CPU(Central Processing Unit)及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む制御部11は、バス17を介して携帯電話機1のハードウェア各部と接続されている。記憶部12はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリまたはハードディスク等であり、制御プログラム12P、位置情報ファイル122、文字ファイル123及び描画ファイル124等を記憶している。制御部11は各ハードウェアを制御すると共に、記憶部12に記憶された制御プログラム12Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。
表示部14は例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等である。表示部14は制御部11の指示に従い出力された表示情報を表示する。タッチパネル13は操作入力された情報を制御部11へ出力する。操作ボタン131は例えばプッシュボタンまたはトラックボール等の入力デバイスであり、操作入力された情報を制御部11へ出力する。なお、操作ボタン131は必ずしも設ける必要はない。スピーカ19は音声データまたはマイク110から入力された音声に係る音声信号を増幅して出力する。
マイク110は外部から入力された音声信号を電気信号へ変換する。変換後の電気信号は図示しないA/D変換器によりデジタルデータへ変換されて制御部11へ出力される。時計部18は時刻を制御部11へ出力する。通信部16は高周波送受信部及びアンテナ等を備え、音声データまたは文字データ等の各種データの送受信を行う。
記憶部12内の描画ファイル124は、表示部14に表示されるアイコンまたは文字等の各種描画データを、JPEG(Joint Photographic Experts Group)またはGIF(Graphics Interchange Format)等の形式で記憶している。図3は表示イメージを示す説明図である。制御部11は制御プログラム12Pを起動する。制御部11はタッチパネル13から操作入力を受け付ける初期状態へ移行する。図3Aは初期状態の表示イメージを示す説明図である。制御部11は初期状態であることを示す初期状態アイコン31を描画ファイル124から読み出し、表示部14に表示する。なお、初期状態アイコン31を含む各種描画データは、ユーザの利便性を向上させるために表示するものであり、必ずしも表示する必要はない。
制御部11は初期状態において、タッチパネル13を通じて任意の位置にてタッチ操作を受け付けた場合、当該位置を基準点20として決定する。この場合、制御部11は、白抜き丸印で示す基準点アイコン(以下、基準点と同じく20で表記する)を描画ファイル124から読み出し、表示部14へ表示する。制御部11は初期状態アイコン31を消去する。制御部11は描画ファイル124から、基準点20が決定されたことを示す基準点決定アイコン32を読み出し、表示部14へ表示する。以下では基準点20が決定された状態を基準点決定状態という。なお、基準点決定アイコン32は必ずしも表示部14に表示する必要はない。
基準点アイコン20は操作ボタン131またはタッチパネル13から表示、または、非表示を切り替えることができるようにしても良い。以下では操作ボタン131から切り替えの入力を受け付けるものとして説明する。制御部11は操作ボタン131から基準点20を目視することができる基準点アイコン20の表示、または、非表示の設定情報を受け付ける。制御部11は表示または非表示の設定情報を受け付けた場合、基準点アイコン20に対応付けて設定情報を記憶部12に記憶する。
図3Bに示す如く、以下ではタッチパネル13の平面視左上を原点とし原点から右方向に増加する方向をX軸正方向、原点から下方向に増加する方向をY軸正方向として説明する。制御部11は基準点20の座標値を位置情報ファイル122に記憶する。図4は位置情報ファイル122のレコードレイアウトを示す説明図である。位置情報ファイル122は決定時刻フィールド、基準点座標値フィールド及び入力領域座標値フィールド等を含む。決定時刻フィールドには基準点20を決定した時刻を記憶している。制御部11は初期状態において、タッチパネル13からタッチ操作を受け付け、基準点を決定した際に、時計部18から出力される時刻を記憶する。基準点座標値フィールドには、決定した基準点20の座標値が記憶される。なお、入力領域座標値フィールドについては後述する。また実施形態で述べる各種ファイルのデータレイアウトはあくまで一例であり、これに限るものではない。データ間の関連づけが行われていれば、設計に応じて他のデータレイアウトを採用しても良い。
図5は表示イメージを示す説明図である。制御部11は基準点20を中心に複数の分割された入力領域を設定する。さらに制御部11は各入力領域に対し文字を設定する。本実施の形態においては基準点20と同心円状に、「な行」の文字及び環状(点線で示す)の第5入力領域25を設定する。制御部11は第5入力領域25を囲む環状の領域を、放射状に切断した第1入力領域21乃至第4入力領域24、並びに、第6入力領域26乃至第9入力領域29(以下、場合により入力領域2で代表する)を時計回りに設定する。第1入力領域21には「あ行」が割り当てられ、第2入力領域22には「か行」が割り当てられ、第3入力領域23には「さ行」が割り当てられ、第4入力領域24には「た行」が割り当てられる。
また、第6入力領域26には「は行」が割り当てられ、第7入力領域27には「ま行」が割り当てられ、第8入力領域28には「や/わ行」が割り当てられ、第9入力領域29には「ら行」が割り当てられる。なお、本実施の形態においては、一般の携帯電話機1の操作ボタンに割り当てられる文字と同様の配置となるよう、放射状に複数の分割した入力領域2を設定したが、この形状に限るものではない。例えば、基準点20を中心に矩形状、円状、または三角形状等の複数の入力領域2を設定しても良い。また各入力領域2同士が接触している必要もない。また各入力領域2に対して割り当てた文字もあくまで一例でありこれに限るものではない。
図4に示す位置座標ファイル122の入力領域座標値フィールドには、第1入力領域21乃至第9入力領域29を規定する座標値を、決定時刻及び基準点座標値に対応付けて記憶している。制御部11は基準点20の座標値が決定した場合、予め各入力領域2に付与された座標値と、基準点20の座標値とに基づき、各入力領域2が規定する座標値を位置情報ファイル122に記憶する。図5の点線で示す各入力領域2を示す枠線(以下、入力領域と同じく2で表記する)及び「あ行」等の設定される文字は、設定に応じて表示部14に表示、または非表示とすればよい。ユーザは操作ボタン131から入力領域2の枠線2及び設定される文字の表示または非表示の選択を入力する。制御部11は表示または非表示の選択を受け付け、選択された情報を記憶部12に記憶する。
図6は文字ファイル123のレコードレイアウトを示す説明図である。文字ファイル123は入力座標領域フィールド、グループ名フィールド、及び、第1文字乃至第6文字フィールド等を含む。入力座標領域フィールドには第1入力領域21乃至第9入力領域29が記憶されている。グループ名フィールドには、各入力領域2に対応付けて、複数の文字を特定するためのグループ名が記憶されている。例えば第3入力領域23はグループ名「さ行」が記憶されている。第1文字乃至第6文字フィールドには、各入力領域2及びグループ名に対応付けて、グループ内の文字及び各文字の出力順序が記憶されている。例えばグループ名「さ行」の場合、第1文字は「さ」であり、第2文字は「し」であり、第3文字は「す」であり、第4文字は「せ」であり、第5文字は「そ」となる。
図5Aに示す如く、制御部11は基準点20及び各入力領域2への割り当てが完了した場合、タッチパネル13からのタッチ操作を受け付ける。制御部11はタッチ操作を受け付けた座標値を取得する。制御部11は、位置情報ファイル122から取得した座標値に対応する入力領域2を抽出する。制御部11は文字ファイル123を参照し、抽出した入力領域2の第1文字を読み出す。制御部11は読み出した文字を表示部14へ出力する。図5Aの例では、表示ボックス33に第1文字である「あ」が表示される。
図5Bは文字の変更イメージを示す説明図である。制御部11はタッチパネル13から同一の入力領域2に対するタッチ操作を連続して受け付けたか否かを判断する。本例では制御部11は、第1入力領域21へのタッチ操作を連続して受け付けたことを示している。制御部11は、同一入力領域2への連続したタッチ操作を受け付けた場合、文字ファイル123を参照し、タッチ操作の回数に応じた文字を出力する。例えば、さらに2回タッチ操作した場合、第1文字「あ」は、第2文字「い」へ変更された後、第3文字「う」へ変更される。制御部11は変更後の文字「う」を表示ボックス33へ出力する。
図7は文字の選択イメージを示す説明図である。制御部11は表示部14の入力領域2以外の領域210(以下、周辺領域210という)に対するタッチ操作をタッチパネル13から受け付けた場合、表示ボックス33に出力された文字を選択する。なお、図3等においては、紙面の都合上周辺領域210の図示を省略している。例えば、文字「う」が表示ボックス33に出力されている際に、入力領域2の右上の周辺領域210がタッチ操作された場合、出力中の「う」の文字が選択される。制御部11はタッチ操作された座標値を基準点20とし、当該基準点20の座標値を位置情報ファイル122に記憶する。
制御部11は描画ファイル124から基準点20の基準点アイコン20及び基準点決定アイコン32を表示部14へ出力する。制御部11は上述したように、時計部18からの出力を参照し、時刻を決定時刻フィールドに記憶し、また入力領域座標値フィールドに各入力領域2が規定する座標値を記憶する。制御部11は、以前の基準点20を中心とする入力領域2を表示部14から消去する。
図8は文字の選択イメージを示す説明図である。制御部11は描画ファイル124から新たに設定された基準点20を中心とする各入力領域2の枠線2及び設定される文字を表示部14へ出力する。制御部11は基準点20を中心に各入力領域2及び各入力領域2に対する文字を設定する。ユーザは引き続き文字を出力すべくタッチ操作を行う。図8の例では、第3入力領域23に対するタッチ操作が連続的に2回行われ、「し」の文字が表示ボックス33に表示されている。例えばユーザは操作ボタン131を操作することにより、表示ボックス33に表示された文字「うし」を入力する。制御部11は操作ボタン131の操作入力を受け付けた場合、記憶部12に、表示ボックス33に表示された文字を入力する文字として記憶する。これにより文字の出力、選択及び入力処理が終了する。
以上のハードウェアにおいて、各ソフトウェア処理を、フローチャートを用いて説明する。図9乃至図11は文字の選択処理手順を示すフローチャートである。制御部11は制御プログラム12Pを起動する(ステップS91)。制御部11は描画ファイル124から初期状態アイコン31を読み出す。制御部11は表示部14の所定領域に、読み出した初期状態アイコン31を表示する(ステップS92)。制御部11はタッチパネル13を介したタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS93)。制御部11はタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS93でNO)、タッチ操作を受け付けるまで待機する。
制御部11はタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS93でYES)、受け付けた座標値を基準点20として決定する(ステップS94)。制御部11は描画ファイル124から基準点決定アイコン32を読み出す。制御部11は表示部14の所定領域に読み出した基準点決定アイコン32を表示する(ステップS95)。制御部11は表示した初期状態アイコン31を表示部14から消去する(ステップS951)。
制御部11は基準点20の座標値を位置情報ファイル122に記憶する(ステップS96)。制御部11は時計部18から出力される時刻を参照し、基準点を決定した時刻を位置情報ファイル122に記憶する(ステップS97)。制御部11は基準点20を中心に複数に分割される各入力領域2及び各入力領域2に対する文字を設定する(ステップS98)。具体的には、制御部11は基準点20の座標値に基づき、第1入力領域21乃至第9入力領域29が規定する座標値を位置情報ファイル122に記憶する。これにより、各入力領域2の座標値が設定される。さらに、制御部11は各入力領域2に対応するグループ名及び当該グループ名に属する第1乃至第6文字を、文字ファイル123にて関連づけることで、各入力領域2に対する文字を設定する。
制御部11は、記憶部12に基準点アイコン20の表示設定が記憶されているか否かを判断する(ステップS99)。制御部11は表示設定が記憶されていると判断した場合(ステップS99でYES)、基準点アイコン20を描画ファイル124から読み出し、表示部14へ表示する(ステップS101)。なお、制御部11は、ステップS96で記憶した座標値に基準点アイコン20を表示する。制御部11は基準点アイコン20の表示設定が記憶されていないと判断した場合(ステップS99でNO)、ステップS101の処理をスキップする。
制御部11は、記憶部12に入力領域2の枠線2、及び、「さ行」等の設定される文字(以下、設定文字という)の表示設定が記憶されているか否かを判断する(ステップS102)。制御部11は表示設定が記憶されていると判断した場合(ステップS102でYES)、入力領域2の枠線2、及び、各入力領域2の枠線2内に対応する設定文字を、表示部14へ表示する(ステップS103)。なお、制御部11は、ステップS96で記憶した基準点20の座標値を中心に、予め記憶された枠線2及び設定文字を表示する。制御部11は枠線2及び設定文字の表示設定が記憶されていないと判断した場合(ステップS102でNO)、ステップS103の処理をスキップする。
制御部11は、ステップS98で設定した第1入力領域21乃至第9入力領域29で形成される入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を、タッチパネル13から受け付けたか否かを判断する(ステップS104)。制御部11は入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断しない場合(ステップS104でNO)、処理をステップS94へ戻す。具体的には制御部11は、周辺領域210に対応する座標値に対するタッチ操作を受け付けた場合、受け付けた座標値を新たな基準点20と決定する。
制御部11は入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS104でYES)、受け付けた座標値に対応する一の入力領域を決定する(ステップS105)。具体的には制御部11は入力された座標値に対応する入力領域2を、位置情報ファイル122を参照して決定する。制御部11は決定した一の入力領域2に対応する第1文字を、文字ファイル123を参照して出力する(ステップS106)。制御部11は表示ボックス33にステップS106で出力された文字を表示する(ステップS107)。
制御部11は続いて入力領域2内の座標値に対応するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS108)。制御部11は入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS108でNO)、ステップS106で出力した文字を選択する(ステップS109)。具体的には、制御部11は周辺領域210の座標値に対するタッチ操作を受け付けた場合、ステップS106で出力した文字を選択する。制御部11は選択された文字(以下、選択文字という)を記憶部12に記憶する(ステップS110)。
ユーザは、選択文字の入力を確定する場合、操作ボタン131を操作する。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS111)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS111でYES)、表示ボックス33内の選択文字を入力すべき文字(以下、入力文字という)として記憶部12に記憶する(ステップS112)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS111でNO)、処理をステップS94へ戻す。この場合、ステップS108において、タッチ操作のあった周辺領域210に係る座標値が新たな基準点20となる。
制御部11は入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS108でYES)、ステップS113へ処理を移行する。制御部11はステップS105で決定した一の入力領域2に対するタッチ操作回数に応じた文字を文字ファイル123から出力する(ステップS113)。制御部11は表示ボックス33にステップS113で出力した文字を逐次表示する(ステップS114)。このように一の入力領域2に対する連続したタッチ操作により、同一グループ内で第1文字、第2文字、第3文字、・・の順で文字が表示される。
制御部11は周辺領域210内の座標値に対応するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS115)。制御部11は周辺領域210内の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS115でYES)、ステップS113で出力した文字を選択する(ステップS116)。制御部11は選択文字を記憶部12に記憶する(ステップS117)。
制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS118)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS118でYES)、表示ボックス33内の選択文字を入力文字として記憶部12に記憶する(ステップS119)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS118でNO)、処理をステップS94へ戻す。この場合、ステップS115において、タッチ操作のあった周辺領域210に係る座標値が新たな基準点20となる。以上の処理を繰り返し実行することにより、「う」、「し」の如く、複数の選択文字が順次記憶部12に記憶されることになる。
制御部11は周辺領域210内の座標値に対するタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS115でNO)、ステップS1110へ処理を移行する。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1110)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS1110でNO)、処理をステップS113へ移行させる。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS1110でYES)、ステップS110及びS117にて記憶部12に記憶した選択文字を入力文字として記憶部12に記憶する(ステップS1111)。以上のとおり、基準点20の位置をユーザの意思により決定でき、また基準点20を基準に入力領域2を決定することから、ブラインドタッチ操作を容易に実行することが可能となる。
実施の形態2
実施の形態2は他の操作入力形態に関する。図8に示す如く、第3入力領域23を2回連続してタッチ操作した場合、「さ」行の「さ」に代えて「し」の文字が出力される。表示ボックス33には「うし」の文字が表示される。制御部11は一定時間(例えば、5秒)を経過した場合、「し」の文字を選択する。実施の形態1に示す如く、文字の選択は周辺領域210をタッチ操作するほか、上述した如く文字の出力後、一定時間放置することにより制御部11が自動的に選択する。さらに、入力領域2を形成する座標値内であって、一の入力領域2以外の他の入力領域2の座標値がタッチ操作された場合も、出力中の文字を選択するようにしても良い。
図12は文字の選択イメージを示す説明図である。第3入力領域23を2回連続してタッチ操作した場合、「さ」行の「さ」に代えて「し」の文字が出力される。表示ボックス33には「うし」の文字が表示される。制御部11は一定時間内に、第3入力領域23以外の他の入力領域2、すなわち第1入力領域21、第2入力領域22、第4入力領域24乃至第9入力領域29の座標値に対するタッチ操作があったか否かを判断する。ここで例えば、第6入力領域26に対するタッチ操作があった場合、制御部11は出力した「し」の文字を選択する。制御部11は位置情報ファイル122及び文字ファイル123を参照し、第6入力領域26の第1文字「は」を出力する。表示ボックス33には「うしは」の文字が表示される。
図13乃至図16は文字の選択処理手順を示すフローチャートである。制御部11は制御プログラム12Pを起動する(ステップS131)。制御部11は描画ファイル124から初期状態アイコン31を読み出す。制御部11は表示部14の所定領域に、読み出した初期状態アイコン31を表示する(ステップS132)。制御部11はタッチパネル13を介したタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS133)。制御部11はタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS133でNO)、タッチ操作を受け付けるまで待機する。
制御部11はタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS133でYES)、受け付けた座標値を基準点20として決定する(ステップS134)。制御部11は描画ファイル124から基準点決定アイコン32を読み出す。制御部11は表示部14の所定領域に読み出した基準点決定アイコン32を表示する(ステップS135)。制御部11は表示した初期状態アイコン31を表示部14から消去する(ステップS136)。
制御部11は基準点20の座標値を位置情報ファイル122に記憶する(ステップS137)。制御部11は時計部18から出力される時刻を参照し、基準点を決定した時刻を位置情報ファイル122に記憶する(ステップS138)。制御部11は基準点20を中心に複数に分割される各入力領域2及び各入力領域2に対する文字を設定する(ステップS139)。制御部11は、記憶部12に基準点アイコン20の表示設定が記憶されているか否かを判断する(ステップS141)。制御部11は表示設定が記憶されていると判断した場合(ステップS141でYES)、基準点アイコン20を描画ファイル124から読み出し、表示部14へ表示する(ステップS142)。制御部11は基準点アイコン20の表示設定が記憶されていないと判断した場合(ステップS141でNO)、ステップS142の処理をスキップする。
制御部11は、記憶部12に入力領域2の枠線2、及び、「さ行」等の設定される文字(以下、設定文字という)の表示設定が記憶されているか否かを判断する(ステップS143)。制御部11は表示設定が記憶されていると判断した場合(ステップS143でYES)、入力領域2の枠線2、及び、各入力領域2の枠線2内に対応する設定文字を、表示部14へ表示する(ステップS144)。制御部11は枠線2及び設定文字の表示設定が記憶されていないと判断した場合(ステップS143でNO)、ステップS144の処理をスキップする。
制御部11は、ステップS139で設定した第1入力領域21乃至第9入力領域29で形成される入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を、タッチパネル13から受け付けたか否かを判断する(ステップS145)。制御部11は入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断しない場合(ステップS145でNO)、処理をステップS134へ戻す。具体的には制御部11は、周辺領域210に対応する座標値に対するタッチ操作を受け付けた場合、受け付けた座標値を新たな基準点20と決定する。
制御部11は入力領域2内の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS145でYES)、受け付けた座標値に対応する一の入力領域を決定する(ステップS146)。具体的には制御部11は入力された座標値に対応する入力領域2を、位置情報ファイル122を参照して決定する。制御部11は決定した一の入力領域2に対応する第1文字を、文字ファイル123を参照して出力する(ステップS147)。制御部11は表示ボックス33にステップS147で出力された文字を表示する(ステップS148)。
制御部11は記憶部12に記憶した所定時間を読み出す。この所定時間は例えば5秒であり、タッチパネル13または操作ボタン131を介して適宜の時間を入力することが可能である。制御部11はステップS147またはS148の処理後所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS149)。制御部11は所定時間を経過したと判断した場合(ステップS149でYES)、ステップS147で出力した文字を選択する(ステップS151)。具体的には、制御部11は周辺領域210の座標値に対するタッチ操作を受け付けた場合、ステップS147で出力した文字を選択する。制御部11は選択文字を記憶部12に記憶する(ステップS152)。
ユーザは、選択文字の入力を確定する場合、操作ボタン131を操作する。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS153)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS153でYES)、表示ボックス33内の選択文字を入力文字として記憶部12に記憶する(ステップS154)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS153でNO)、処理をステップS132またはS145へ戻す。ステップS132に処理を戻す場合、制御部11は初期状態に移行する。この場合、ユーザは新たに基準点20をタッチ操作することにより決定する。ステップS145へ処理を戻す場合、基準点20は同一のまま入力領域2の決定処理を行う。本実施形態においてはステップS145へ処理を戻す例を挙げて説明する。
制御部11は所定時間を経過していないと判断した場合(ステップS149でNO)、ステップS155へ移行する。制御部11は一の入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS155)。制御部11は一の入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けた場合(ステップS155でYES)、文字ファイル123を参照し、ステップS155において出力中の文字の次の文字を出力する(ステップS156)。例えば、第3文字である「す」が出力されており、再度同一入力領域2にタッチ操作を受け付けた場合、第4文字である「せ」が出力される。同様に、第5文字である「そ」が出力されており、再度同一入力領域2にタッチ操作を受け付けた場合、第1文字である「さ」が出力される。
制御部11はステップS156の後、処理をステップS148へ戻す。制御部11は一の入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS155でNO)、他の入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS157)。制御部11は他の入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS157でYES)、ステップS155の段階において出力中の文字を選択する(ステップS158)。制御部11は選択文字を記憶部12に記憶する(ステップS159)。
制御部11はステップS157で受け付けた他の入力領域2の座標値に対応する第1文字を、位置情報ファイル122及び文字ファイル123を参照し、図12の如く表示する(ステップS161)。制御部11は処理をステップS148へ戻す。以上を繰り返すことにより、文字の出力、選択及び入力処理が進む。制御部11は他の入力領域2の座標値に対するタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS157でNO)、処理をステップS162へ移行させる。
制御部11は周辺領域210内の座標値に対応するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS162)。制御部11は周辺領域210内の座標値に対応するタッチ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS162でYES)、ステップS155の段階において出力中の文字を選択する(ステップS163)。制御部11は選択文字を記憶部12に記憶する(ステップS164)。制御部11はステップS162にて受け付けた周辺領域210の座標値を基準点として決定する(ステップS165)。
制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS166)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS166でYES)、表示ボックス33内の選択文字を入力文字として記憶部12に記憶する(ステップS167)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS166でNO)、処理をステップS135へ戻す。
制御部11は周辺領域210内の座標値に対応するタッチ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS162でNO)、ステップS168へ処理を移行する。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS168)。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS168でNO)、処理をステップS149へ移行させる。制御部11は操作ボタン131の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS168でYES)、ステップS152、S159及びS164にて記憶部12に記憶した選択文字を入力文字として記憶部12に記憶する(ステップS169)。これにより、基準点20を自由に決定させつつ、決定した基準点20にて連続して文字を入力することが可能となる。
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態3
実施の形態3はさらにドラッグ操作を受け付ける形態に関する。基準点20が決定した後に、制御部11はタッチパネル13からドラッグ操作を受け付けた場合、初期状態へ移行する。なおドラッグ操作は、タッチパネル13から座標値を入力した状態のまま、指をスライドさせることによって、所定距離以上座標値を所定時間内に連続的に入力する操作をいう。
図17はドラッグ操作に伴う初期化処理の手順を示すフローチャートである。制御部11は実施の形態1または2で述べた如く、基準点20を決定する(ステップS171)。制御部11は基準点20が決定された後は、実施の形態1または2で述べた処理と並行して以下の処理を行う。制御部11はタッチパネル13からドラッグ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS172)。制御部11はドラッグ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS172でNO)、ドラッグ操作を受け付けるまで待機する。制御部11はドラッグ操作を受け付けた場合(ステップS172でYES)、ステップS171で決定した基準点を消去する(ステップS173)。
制御部11は表示部14に基準点アイコン20、枠線2及び枠線内に文字が表示されている場合、これらを消去する。制御部11は初期状態へ移行する(ステップS174)。制御部11は初期状態アイコン31を描画ファイル124から読み出し、表示部14へ表示する(ステップS175)。これにより、基準点の位置が好ましくない場合、ユーザは任意の位置を再度基準点として決定することが可能となる。
以上述べた形態の他、ドラッグ操作の終了した座標位置を新たな基準点20としても良い。図18は基準点20決定処理の手順を示すフローチャートである。制御部11は実施の形態1または2で述べた如く、基準点20を決定する(ステップS181)。制御部11は基準点20が決定された後は、実施の形態1または2で述べた処理と並行して以下の処理を行う。制御部11はタッチパネル13からドラッグ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS182)。制御部11はドラッグ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS182でNO)、ドラッグ操作を受け付けるまで待機する。制御部11はドラッグ操作を受け付けた場合(ステップS182でYES)、ドラッグ操作の終了位置に係る座標値を基準点20として決定する(ステップS183)。
この場合、ステップS181で決定した基準点20は消去される。制御部11は表示部14の所定領域に描画ファイル124から読み出した基準点決定アイコン32を表示する(ステップS184)。制御部11は新たな基準点20の座標値を位置情報ファイル122に記憶する(ステップS185)。以降の処理はステップS97またはS138以降と同様であるので詳細な説明は省略する。これにより、ユーザは携帯電話機1の持ち方、使用状態等に応じて、好ましい位置を基準点として決定することが可能となる。
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態4
実施の形態4は関連文字を出力する形態に関する。図19は関連文字の表示イメージを示す説明図である。上述した如く、制御部11は文字を出力している状態で、タッチパネル13からドラッグ操作を受け付けた場合、出力中の文字に関連する文字を出力する。図19は、「か」の文字が出力されている際に、白抜き右矢印で示すドラッグ操作を受け付けた例を示す。「か」に関連する文字として濁音「が」が出力される。関連文字は、出力文字の濁音、半濁音及び拗音の仮名等が含まれる。ドラッグ操作の方向は任意の方向でも良いが、本実施の形態においては平面視右方向へのドラッグ操作を受け付けた場合に関連文字を出力する例を挙げて説明する。またドラッグ操作の開始位置は任意の座標値とすればよい。
図20は実施の形態4に係る文字ファイル123のレコードレイアウトを示す説明図である。新たに右方向ドラッグ操作と、第1入力領域21乃至第9入力領域29とに関連づけて関連文字が記憶されている。第1入力領域21には「ぁ」等の拗音の仮名が記憶されている。例えば制御部11は、第3文字「う」が出力されている状態で、右方向のドラッグ操作を受け付けた場合、文字ファイル123を参照し、対応する「ぅ」を読み出して出力する。なお、「ぅ」を出力している状態で、再度右方向のドラッグ操作を受け付けた場合、制御部11は対応する「う」を出力する。
第6入力領域26の「は行」は濁音及び半濁音の双方が存在するため、第1文字フィールドには「ば」及び「ぱ」の文字、第2文字フィールドには、「び」及び「ぴ」の文字が記憶されている。制御部11は第6入力領域26の「ひ」を出力している際に、右方向のドラッグ操作を受け付けた場合「び」を文字ファイル123から読み出して出力する。制御部11は第6入力領域26の「び」を出力している際に、右方向のドラッグ操作をさらに受け付けた場合「ぴ」を文字ファイル123から読み出して出力する。制御部11は第6入力領域26の「ぴ」を出力している際に、右方向のドラッグ操作を受け付けた場合「ひ」を文字ファイル123から読み出して出力する。
図21は関連文字の出力処理を示すフローチャートである。制御部11は上述した実施の形態で述べた如く、文字を出力する(ステップS211)。制御部11は右方向のドラッグ操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS212)。制御部11はドラッグ操作を受け付けていないと判断した場合(ステップS212でNO)、ドラッグ操作を受け付けるまで待機する。制御部11はドラッグ操作を受け付けたと判断した場合(ステップS212でYES)、出力文字の入力領域2、及び、出力文字の情報に基づき、文字ファイル123から出力文字の関連文字を検索する(ステップS213)。なお出力文字の情報は、第1文字〜第6文字のいずれかを示す情報である。
制御部11は検索の結果関連文字が存在するか否かを判断する(ステップS214)。制御部11は関連文字が存在すると判断した場合(ステップS214でYES)、関連文字を文字ファイル123から読み出し、出力する(ステップS215)。この場合、表示ボックス33には、関連文字が表示される。制御部11は関連文字が存在しないと判断した場合(ステップS214でNO)、ステップS214の処理をスキップし処理を終える。例えば、第9入力領域29の「ら行」は濁音、半濁音及び拗音の仮名が存在しないため、検索しても関連文字は存在しない。これにより、ブラインドタッチにより様々な文字の入力が可能となる。
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態5
実施の形態5は文字の入力及び変換処理に関する。図22は実施の形態5に係る携帯電話機1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部12には文法ファイル125及び変換候補データベース(以下、DBという)126が用意されている。変換候補DB126は、ひらがな入力された文字に対応する漢字またはカタカナを含む変換候補が記憶されている。変換候補DB126はひらがなに対応付けて品詞、活用、並びに、漢字またはカタカナが記憶されている。文法ファイル125はひらがなを漢字またはカタカナへ変換する際の文法が記憶されている。制御部11は文法ファイル125及び変換候補DB126を参照し、選択された文字の変換処理を行う。
図23は入力処理のイメージを示す説明図である。制御部11は表示ボックス33に示す如く、文字が選択されている場合に、白抜き上矢印で示す方向へドラッグ操作された場合、選択文字を入力ボックス34へ入力する。図23の例では、表示ボックス33には、「うしは」とひらがなの文字が選択されている。ここで、上方向のドラッグ操作を受け付けた場合、既に入力された文字「・・昨日見た」に加えて「うしは」が入力される。制御部11は入力文字「・・昨日見たうしは」を記憶部12に記憶し、入力ボックス34に表示する。
図24は変換処理のイメージを示す説明図である。ユーザは表示ボックス33に表示された選択文字を変換する場合、白抜き下矢印で示す下方向のドラッグ操作を行う。なお、本実施の形態では上方向のドラッグ操作を入力処理、下方向のドラッグ操作を変換処理としたが、一例であり、これらの方向に限定するものではない。制御部11は文字が選択されている場合に、タッチパネル13から下方向のドラッグ操作を受け付けた場合、文法ファイル125及び変換候補DB126を参照し、変換候補を変換ボックス35内に表示する。ユーザは変換を希望する変換候補をタッチ操作する。図24の例は、変換候補「牛」、「ウシ」、「うし」、・・の内、漢字の「牛」が操作された状態を示す。制御部11はタッチパネル13から変換候補に対応する座標値に対するタッチ操作を受け付けた場合、座標値に対応する変換候補を入力する。
制御部11は、入力文字を記憶部12に記憶し、また、入力文字を入力ボックス34へ表示する。図24の例では既に入力された文字「・・昨日見た」に変換された文字「牛」及び「は」が入力されている。なお、制御部11は選択文字だけではなく、出力文字を変換しても良い。
図25及び図26は入力処理及び変換処理の手順を示すフローチャートである。制御部11は上述した実施形態で述べた如く、表示ボックス33内に選択または出力された文字を表示する(ステップS241)。制御部11はタッチパネル13から下方向のドラッグ操作の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS242)。制御部11は下方向のドラッグ操作の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS242でYES)、選択または出力された文字を入力する(ステップS243)。制御部11は入力文字を記憶部12に記憶する(ステップS244)。制御部11は入力ボックス34にステップS243で入力された文字を表示する(ステップS245)。
制御部11は表示ボックス33内に表示されている文字を消去する(ステップS246)。制御部11は下方向のドラッグ操作の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS242でNO)、タッチパネル13から上方向のドラッグ操作の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS247)。制御部11は上方向のドラッグ操作の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS247でNO)、処理を終了する。なお、右方向のドラッグ操作の入力を受け付けた場合、実施の形態4で述べた関連文字の出力処理を行っても良い。また左方向のドラッグ操作の入力を受け付けた場合、実施の形態3で述べた初期状態への移行処理等、他の処理を実行させても良い。
制御部11は上方向のドラッグ操作の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS247でYES)、文法ファイル125及び変換候補DB126を参照し、表示ボックス33に表示された文字に対する変換候補を検索する(ステップS248)。制御部11は変換候補を、図24の如く、変換ボックス35へ表示する(ステップS249)。制御部11はタッチパネル13を介して複数の変換候補から一の変換候補の入力を受け付ける(ステップS251)。
制御部11は入力を受け付けた変換候補を含む変換後の文字を入力する(ステップS252)。制御部11は入力文字を記憶部12に記憶する(ステップS253)。制御部11は入力ボックス34にステップS252で入力された文字を表示する(ステップS254)。制御部11は表示ボックス33内に表示された文字を消去する(ステップS255)。これにより、ブラインドタッチにより多様な文字を入力することが可能となる。
本実施の形態5は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態6
実施の形態6は基準点20の位置を調整する形態に関する。図27は調整処理のイメージを示す説明図である。図27Aは調整処理前のイメージを示す説明図である。タッチパネル13の入力可能な領域は、矩形状の一点鎖線で囲まれる第1領域211と、第1領域211を囲む枠領域212とに分別される。X軸の座標値は例えば0から512までとする。またY軸の座標値は例えば0から1024までとする。枠領域212はX軸及びY軸の予め定めた座標値により決定される。例えば、タッチパネル13のX軸の座標値0から座標値50まで、X軸の座標値462から512まで、Y軸の座標値0から座標値50まで、Y軸の座標値974から1024までが枠領域212となる。
図27Bは調整処理後のイメージを示す説明図である。基準点20が隅に存在する場合、基準点20を中心に展開される入力領域2への入力が困難となる。そこで制御部11はタッチパネル13によるタッチ操作により基準点20の入力を受け付け、当該受け付けた座標値が枠領域212に存在する場合、第1領域211へ基準点を強制的に移動させる。これにより、基準点20が隅に存在することに起因して、入力領域2を選択できなくなるという問題を解消することができる。この場合、制御部11は基準点アイコン20を表示部14に表示する。また制御部11は調整したことを示す音声を記憶部12から読み出し、スピーカ19から出力しても良い。
図28及び図29は調整処理の手順を示すフローチャートである。制御部11は、上述したステップS93、S104、S108、S115、S133、S145またはS162等により基準点20の決定処理に際し、以下の処理を行う。以下では、タッチパネル13のX軸の第1座標値から第2座標値までを第1X領域、X軸の第3座標値から第4座標値までを第2X領域、Y軸の第1座標値から第2座標値までを第1Y領域、Y軸の第3座標値から第4座標値までを第2Y領域という。なお、これら枠領域212を規定するX軸の第1座標値乃至第4座標値、並びに、Y軸の第1座標値乃至第4座標値は予め記憶部12に記憶されている。
制御部11はタッチ操作による座標値の入力を受け付ける(ステップS271)。制御部11は入力された座標値が枠領域212の範囲内であるか否かを判断する(ステップS272)。なお、枠領域212の範囲は記憶部12に予め記憶されており、タッチパネル13または操作ボタン131によりその範囲を適宜設定することが可能である。制御部11は入力された座標値が枠領域212の範囲内でないと判断した場合(ステップS272でNO)、変更の必要がないことから、入力座標値を基準点として決定し(ステップS273)、処理を終了する。
制御部11は座標値が枠領域212の範囲内であると判断した場合(ステップS272でYES)、X軸座標値が第1X領域に属するか否かを判断する(ステップS274)。制御部11は第1X領域に属すると判断した場合(ステップS274でYES)、X軸正方向へX軸座標値を調整する(ステップS274)。この調整量はX軸に関し第1領域211に属することのできる値であればよい。例えば、X軸座標値を100加算すればよい。制御部11はX軸座標値が第1X領域に属しないと判断した場合(ステップS274でNO)、X軸座標値が第2X領域に属するか否かを判断する(ステップS276)。
制御部11はX軸座標値が第2X領域に属すると判断した場合(ステップS276でYES)、X軸負方向へX軸座標値を調整する(ステップS277)。この調整量はX軸に関し第1領域211に属することのできる値であればよい。例えば、X軸座標値を100減算すればよい。制御部11はX軸座標値が第2X領域に属しないと判断した場合(ステップS276でNO)、または、ステップS277の処理後、Y軸座標値は第1Y領域に属するか否かを判断する(ステップS278)。
制御部11は第1Y領域に属すると判断した場合(ステップS278でYES)、Y軸正方向へY軸座標値を調整する(ステップS279)。この調整量はY軸に関し第1領域211に属することのできる値であればよい。例えば、Y軸座標値を100加算すればよい。制御部11はY軸座標値が第1Y領域に属しないと判断した場合(ステップS278でNO)、Y軸座標値が第2Y領域に属するか否かを判断する(ステップS281)。
制御部11はY軸座標値が第2Y領域に属すると判断した場合(ステップS281でYES)、Y軸負方向へY軸座標値を調整する(ステップS282)。この調整量はY軸に関し第1領域211に属することのできる値であればよい。例えば、Y軸座標値を100減算すればよい。制御部11はY軸座標値が第2Y領域に属しないと判断した場合(ステップS281でNO)、または、ステップS282の処理後、処理をステップS283へ移行する。制御部11はステップS275、S277、S279またはS282にて調整後の座標値を基準点20として決定する(ステップS283)。
なお、ユーザの利便性を考慮して以下に述べる処理を実行しても良い。制御部11は基準点アイコン20を描画ファイル124から読み出す(ステップS284)。制御部11は読み出した基準点アイコン20を、ステップS283で決定した調整後の座標値上に表示する(ステップS285)。制御部11は記憶部12から、例えばビープ音、または、「基準点の位置が調整されました。」等の音声データを読み出す(ステップS286)。制御部11は読み出した音声データをスピーカ19から出力する(ステップS287)。これにより、基準点20を任意の位置に選択させた場合でも、調整処理により入力領域2へのタッチ操作を円滑に行うことが可能となる。さらに、基準点20の調整を音声または画像にてユーザに通知することとしたので、ユーザが入力処理を誤る事態を未然に防止することが可能となる。
本実施の形態6は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至5と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態7
実施の形態7は他の言語の入力形態に関する。上述した実施の形態は英語、韓国語、及び中国語等の他の言語にも同様に適用が可能である。図30は実施の形態7に係る入力領域2を示す説明図である。制御部11は基準点を中心に複数の分割された入力領域2を設定する。また制御部11は、文字ファイル123を参照し、各入力領域2にアルファベット文字を設定する。図31は実施の形態7に係る文字ファイル123のレコードレイアウトを示す説明図である。第1入力領域21乃至第9入力領域29別に、グループ名、及び、各グループに属する文字が記憶されている。なお割り当て例は一例である。第1入力領域21のグループ名「@」に対してはアットマーク、カンマ、スラッシュまたはピリオド等の記号が記憶されている。第2入力領域22のグループ名「A」に対しては大文字のA、B,Cと、小文字のa、b、cとが記憶されている。
制御部11は図30に示す如く、第1入力領域21にグループ名「@」の文字群を設定し、第2入力領域22にグループ名「A」の文字群を設定し、第3入力領域23にグループ名「D」の文字群を設定する。他の入力領域2についても同様に文字群を設定する。制御部11は上述した処理により、タッチ操作を受け付け、文字の出力を行う。韓国語の場合は、アルファベットと同様にハングル文字を各入力領域2に設定すればよい。中国語の場合、アルファベットと同様にピンインの出力を行う。その後、実施の形態5で述べた如く、漢字へ変換すればよい。これにより、多様な言語の入力が可能となる。
本実施の形態7は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至6と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態8
図32は実施の形態8に係る携帯電話機1のハードウェア群を示すブロック図である。実施の形態1乃至7に係る携帯電話機1を動作させるためのプログラムは、本実施の形態8のように、メモリーカード等の可搬型記録媒体1Aを読み取らせて記憶部12に記憶しても良い。また、当該プログラムは、インターネット等の通信網を介して接続される他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードすることも可能である。以下に、その内容を説明する。
図32に示す携帯電話機1は、上述した処理を実行させるプログラムを、可搬型記録媒体1Aから読み取る。または携帯電話機1は上述した処理を実行させるプログラムを、通信網を介して他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードする。当該プログラムは、制御プログラム12Pとしてインストールされ、ロードして実行される。これにより、上述した携帯電話機1として機能する。
本実施の形態8は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至7と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
以上の実施の形態1乃至8を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
入力部から入力された情報を処理するコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記入力部から操作入力を受け付けた位置を基準点として決定する決定ステップと、
前記基準点を含む領域及び当該基準点を含む領域の周辺に複数の分割された領域を入力領域として設定すると共に、各入力領域に対する文字を設定する設定ステップと、
一の入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記一の入力領域に対して設定された文字を出力する第1出力ステップと
を実行させるプログラム。
(付記2)
前記一の入力領域に対する操作入力をさらに受け付けた場合に、前記文字に関連づけられる文字を出力する第2出力ステップ
を実行させる付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記第1出力ステップにより文字を出力し、かつ、前記設定ステップにより設定した入力領域以外の領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記文字を選択する選択ステップ
を実行させる付記1または2に記載のプログラム。
(付記4)
前記第2出力ステップにより文字を出力し、かつ、前記設定ステップにより設定した入力領域以外の領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記文字を選択する第2選択ステップ
を実行させる付記2または3に記載のプログラム。
(付記5)
前記決定ステップにより基準点を決定した後に、前記設定ステップで設定した入力領域以外の領域に対する操作入力を受け付けた場合に、該操作入力を受け付けた位置を新たな基準点として決定する新決定ステップ
を実行させる付記1乃至4のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記6)
前記第1出力ステップにより文字を出力した後の一定時間内に操作入力を受け付けたか否かを判断する判断ステップと、
該判断ステップにより、操作入力を受け付けていないと判断した場合に、前記文字を選択するステップ
を実行させる付記1乃至5のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記7)
前記第2出力ステップにより文字を出力した後の一定時間内に操作入力を受け付けたか否かを判断する第2判断ステップと、
該第2判断ステップにより、操作入力を受け付けていないと判断した場合に、前記文字を選択するステップと
を実行させる付記1乃至6のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記8)
前記第1出力ステップにより一の入力領域に対する文字を出力した後に、前記設定ステップにより設定した入力領域であって、かつ、前記一の入力領域以外の入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記文字を選択する新選択ステップ
を実行させる付記1乃至7のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記9)
前記第2出力ステップにより一の入力領域に対する文字を出力した後に、前記設定ステップにより設定した入力領域であって、かつ、前記一の入力領域以外の入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記文字を選択する第2新選択ステップ
を実行させる付記1乃至8のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記10)
前記第1出力ステップは、
前記新選択ステップにおいて受け付けた入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記入力領域に対して設定された文字を出力する
付記8に記載のプログラム。
(付記11)
前記第1出力ステップは、
前記第2新選択ステップにおいて受け付けた入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記入力領域に対して設定された文字を出力する
付記9に記載のプログラム。
(付記12)
前記第2出力ステップは、
前記第1出力ステップにより一の入力領域に対して設定された文字を出力した後に、該一の入力領域に対する操作入力をさらに受け付けた場合に、前記文字及び操作入力を受け付けた回数に対応付けて記憶部に記憶された文字を読み出すステップと、
読み出した文字を出力するステップと
を含む付記2に記載のプログラム。
(付記13)
前記決定ステップにより基準点を決定した場合に、情報を表示する表示部へ前記基準点を表示する表示ステップ
を実行させる付記1乃至12のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記14)
前記決定ステップにより基準点を決定した後に、ドラッグ操作を受け付けた場合、決定した基準点を消去する消去ステップ
を実行させる付記1乃至13のいずれか一つに記載のプログラム。
(付記15)
前記第1出力ステップまたは前記第2出力ステップにより文字を出力した後に、ドラッグ操作を受け付けた場合、前記文字に関連する文字を出力するステップ
を実行させる付記2に記載のプログラム。
(付記16)
前記選択ステップまたは第2選択ステップにより文字が選択された後に、ドラッグ操作を受け付けた場合、選択ステップまたは第2選択ステップにより選択された文字を、入力する文字として記憶部に記憶するステップ
を実行させる付記4に記載のプログラム。
(付記17)
前記選択ステップまたは第2選択ステップにより文字が選択された後に、ドラッグ操作を受け付けた場合、選択ステップまたは第2選択ステップにより選択された文字に対応する変換候補を記憶部から読み出して出力するステップ
を実行させる付記4に記載のプログラム。
(付記18)
前記決定ステップにより決定した基準点の位置が、所定の領域に存在する場合、前記基準点の位置を調整するステップ
を実行させる付記1に記載のプログラム。
(付記19)
前記設定ステップにより複数の入力領域及び各入力領域に対する文字を設定した場合、情報を表示する表示部へ、各入力領域を識別するための線及び各入力領域に対応する文字を表示するステップ
を実行させる付記1に記載のプログラム。
(付記20)
入力部から入力された情報を処理する情報処理装置であって、
前記入力部から操作入力を受け付けた位置を基準点として決定する決定部と、
前記基準点を含む領域及び当該基準点を含む領域の周辺に複数の分割された領域を入力領域として設定すると共に、各入力領域に対する文字を設定する設定部と、
一の入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記一の入力領域に対して設定された文字を出力する第1出力部と
を備える情報処理装置。
(付記21)
制御部を有するコンピュータの入力部から入力された情報を処理する情報処理方法であって、
前記制御部が前記入力部から操作入力を受け付けた位置を基準点として決定する決定ステップと、
前記基準点を含む領域及び当該基準点を含む領域の周辺に複数の分割された領域を入力領域及び各入力領域に対する文字を前記制御部が設定する設定ステップと、
一の入力領域に対する操作入力を受け付けた場合に、前記一の入力領域に対して設定された文字を前記制御部が出力する第1出力ステップと
を含む情報処理方法。