JP2011028220A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナーを帯電させる手段と、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて前記帯電したトナーを担持するトナー担持体を有する現像装置において、前記トナー担持体は、絶縁性支持体と、前記絶縁性支持体上にトナーの搬送方向に配列され、前記電界を発生させる電極と、前記電極を被覆する表面層とを有し、かつ、前記トナーの軟化点が115℃以上130℃以下であることを特徴とする一成分現像用現像装置。
【選択図】図1
Description
一成分現像方式は細線再現性、画像濃度均一性等に優れた現像方法であり、高画質化を達成する手段として好ましいものである。このようなホッピング現像技術について、既に多くの提案(例えば、特許文献2の特開2007−133388号公報、特許文献3の特開2008−070674号公報、特許文献4の特開2004−198675号公報参照)を我々もしている。
近年はトナーの低温定着化による省エネルギー化を図るため、トナー自体の定着温度を下げ、使用可能時のトナー定着温度を低下させることが必須の技術的達成事項であると考えられる。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)によって解決される。
(1)「トナーを帯電させる手段と、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて前記帯電したトナーを担持するトナー担持体を有する現像装置において、前記トナー担持体は、絶縁性支持体と、前記絶縁性支持体上にトナーの搬送方向に配列され、前記電界を発生させる電極と、前記電極を被覆する表面層とを有し、かつ、前記トナーの軟化点が115℃以上130℃以下であることを特徴とする一成分現像用現像装置」;
(2)「前記表面層は、下記一般式(1)で示される構造単位を含む重合化合物を含有していることを特徴とする前記第(1)項に記載の現像装置
(3)「前記表面層の膜厚が3μm以上20μm以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項のいずれか1項に記載の現像装置」;
(4)「一成分現像方式であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか1項に記載の現像装置」;
(5)「トナーを帯電させる手段と、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて前記帯電したトナーを担持するトナー担持体を有する現像装置において、前記トナー担持体は、絶縁性支持体と、前記絶縁性支持体上にトナーの搬送方向に配列され、前記電界を発生させる電極と、前記電極を被覆する表面層とを有し、かつ、前記トナーの軟化点が115℃以上130℃以下であることを特徴とする画像形成装置」;
(6)「前記表面層は、一般式(1)で示される構造単位を含む重合化合物を含有していることを特徴とする前記第(5)項に記載の現像装置」;
(7)「前記表面層の膜厚が3μm以上20μm以下であることを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項のいずれか1項に記載の画像形成装置」;
(8)「一成分現像方式であることを特徴とする前記第(5)項乃至第(7)項のいずれか1項に記載の画像形成装置」。
すなわち、本発明によれば、トナーを帯電させる手段と、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて前記帯電したトナーを担持するトナー担持体を用いることにより、トナーはトナー担持体及び帯電部材との非常に弱い摺擦で帯電し、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて、トナー担持体との弱い衝突を繰り返すことに帯電を保つことができるため、従来の接触一成分現像方法のような強い摺擦によりトナーを劣化させることのない一成分現像方式の現像装置及び画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1において、(1)は矢印(A)方向に回転するドラム状の感光体、(2)は感光体(1)の表面を一様に帯電する帯電ローラ、(3)は画像情報に対応するレーザー光等を感光体(1)の表面に照射する露光装置、(4)は感光体(1)の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する現像装置、(5)は感光体(1)の表面に現像装置(3)で形成されたトナー像を転写用紙等の転写材(P)上に転写する転写ローラ、(6)は転写材(P)にトナー像を転写した後に感光体(1)の表面に残存するトナーを感光体(1)の表面から除去するクリーニング装置、(7)は、転写材(P)上に転写された未定着トナー像を加熱、加圧して転写材(P)上に定着させる定着装置である。
矢印(A)方向に回転する感光体(1)の表面を、帯電ローラ(2)によって所定の電圧を印加して一様に帯電させる。このように一様に帯電された感光体(1)の表面に所望の画像情報に対応するレーザー光を露光装置(3)から照射して感光体(1)の表面に静電潜像を形成する。続いてこのようにして形成された静電潜像に対して、現像装置(4)からトナーを供給して静電的に付着させて静電潜像をトナー像化させる。このようにして形成されたトナー像は、転写ローラ(5)によって感光体(1)の表面と転写材(P)を圧接させて矢印(B)方向に転写材(P)を搬送させながらバイアス電圧を印加して感光体(1)の表面から転写材(P)の表面に転写される。その後転写材(P)上に転写されたトナー像は、定着装置(7)の加熱ローラ(7a)及び加圧ローラ(7b)によって加熱加圧されて転写材(P)上に定着される。このようにして転写材(P)上にトナー像を転写した感光体(1)は、感光体(1)の表面に残存するトナーをクリーニング装置(6)で除去して感光体(1)の表面をクリーニングし、再び、帯電ローラ(2)によって一様に帯電される。以後、前述のように、露光装置(3)によって静電潜像が形成され、現像装置(4)で静電潜像がトナー像化され、転写ローラ(5)で転写材(P)上にトナー像が転写され、クリーニング装置(6)で感光体(1)の表面がクリーニングされる動作が繰り返される。
本発明の一実施形態である現像装置(4)は、図1に示すように、トナー(T)を収納する容器(8)内に、トナー(T)を感光体(1)に容器(8)の開口部(8a)から供給するトナー担持体である現像ローラ(9)が回転可能に取り付けられ、図示しない駆動手段によって矢印(C)方向に回転されるようになっている。そして、循環パドル(10)によってトナー(T)を攪拌しながら循環させてトナー(T)を帯電させると共にトナー(T)を現像ローラ(9)の表面に供給する。
現像ローラ(9)は、図2(a)(b)に示すように(なお、図2(a)は図2(b)の上面図におけるA−A’における断面図である。)、線状の複数の電極(90Aa)を有する第1の電極パターン(90A)と、線状の複数電極(90Bb)を有する第2の電極パターン(90B)とが、電極(90Aa)と電極(90Bb)とが交互に現像ローラの軸方向に平行に形成されている。なお、電極パターン(90A)、(90B)の形成は、図3の回転軸(9d)を有する円筒状に成形された支持体(93)の周面に蒸着での銅薄膜が形成されたものからフォトレジスト法によって所望の形状に加工することにより可能である、形成方法について特に限定はなく、フォトレジスト法を用いたパターニング以外に、例えばインクジェット装置等を用いた描画により形成しても構わない。また、支持体(93)の大きさについて特に限定はなく、発明の実施者が適宜選択したものを用いればよい。また、電極(90Aa)と電極(90Bb)各々の幅(d)、及び電極(90Aa)と電極(90Bb)との間の間隔(D)についても特に限定はなく、発明の実施者が適宜定めればよい。
さらに、この電極パターン(90A)、(90B)上にこれらの電極(90Aa)、(90Bb)を被覆して保護するための表面層(98)が形成されている。
続いて上下電極方式の現像ローラについて説明する。図5(a)、(b)(なお、図5(a)は図5(b)の上面図におけるA−A’における断面図である。)に示すように、導電性支持体(91A)上に絶縁層(95)を設けた支持体を用い、上記櫛歯電極方式の2つの電極(9bA)、(9bB)の一方の電極の機能を導電性支持体(91A)に担わせ、導電性支持体(91A)をA相、絶縁層(95)上に形成された複数の線状の電極(91Bb)を有する電極パターン(91B)をB相とし、導電性支持体(91A)と電極(91Bb)との間の電位差によりトナー粒子をホッピングさせトナークラウドを形成するものである。電極(91B)は表面層(98)で覆われている。なお、導電性支持体(91A)としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性の優れた材料からなる支持体を用いることができる。この他、ポリイミド、ポリカーボネート、ナイロン、フッ素系樹脂、ポリアセタール、フェノール、ポリスチレン等の合成樹脂から形成された支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金等の導電性の優れた材料からなる導電性膜を被覆したものを用いてもよい。また、導電性支持体(91A)の大きさについて特に限定はなく、発明の実施者が適宜選択したものを用いればよい。また、電極(91Bb)の幅(d)、及び電極(91Bb)間の間隔(D)についても特に限定はなく、発明の実施者が適宜定めればよい。
一般式(1)に含まれる構造の具体例を示すが、本発明に用いることのできる材料はこれらに限定されるものではない。
レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができるシリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。
表面層にはそのほか、可塑剤、酸化防止剤、などの添加剤を適量添加することもできる。表面層の形成にはテトラヒドロフラン等のポリカーボネート樹脂を可溶な1種類以上の溶媒を用いて、浸漬塗工法、スプレー塗工法等の慣用される塗工法によって形成することができる。
表面層(98)の厚さについて特に限定はないが、電極とトナーとの間にリークが生じず、且つ電界強度が弱くなりすぎないように膜厚は、3μm以上20μm以下であることが好ましい。表面層(98)をこのような膜厚とすることでホッピング電界強度の低下によるトナークラウドが不安定化が生じにくくなる。
本発明のトナーは、従来のトナーと同様に、バインダー樹脂(結着樹脂)、着色剤、離型剤および帯電制御剤から構成され得る。
トナー粒子は、バインダー樹脂の重量含有率が高く、バインダー樹脂の熱的特性がトナー粒子の粘弾性を決める上で寄与が大きい。
また、バインダー樹脂の軟化点が130℃を超えるトナーは、本発明のフレア現像方式の他、従来の一成分現像方式にも使用可能であるが、省エネルギーの効果が期待できない。
粉砕法は、少なくともバインダー樹脂、着色剤、離型剤よりなる混合物を、熱ロールミルで溶融混練した後、冷却固化せしめ、これを粉砕分級して得られるトナー粒子に、添加剤をヘンシェルミキサー等で混合付着させる方法であり、重合法は、モノマーを溶媒中で重合させる方法であり、プレポリマーを溶媒中で伸長反応させる伸長反応法によっても得ることもできる。
また、伸長反応法は、それ自体、低温定着性を向上できる方法であるが、後述する変性されていないポリエステルの分子量分布のピークを3,000〜8,000とすること、低融点ワックスを使用することと併せて、さらに低温定着性が実現される。
バインダー樹脂(結着樹脂)としてはいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂またはそれらの併用樹脂からなるものが好ましい。
多価ヒドロキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の2つのヒドロキシル基を含有する脂環式化合物、ビスフェノールA等の2価フェノール化合物等を挙げることができる。
また、多価ヒドロキシ化合物には、ヒドロキシル基を3個以上含むものを包含される。
多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の2価カルボン酸の他、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の3価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの原料モノマーとしては、上記モノマー原料以外に、アミド成分を形成するモノマーとして、例えば、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、6−アミノカプロン酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸等が挙げられる。
本発明においては、非線状ポリマー樹脂(1)と線状ポリマー樹脂(2)のいずれかまたは両方を使用することができる。
非線状ポリマー樹脂(1)は耐オフセット性に優れ、線状ポリマー樹脂(2)は低温定着性に優れるので併用するのが好ましい。
本発明で言う非線状ポリマー樹脂とは実質的に架橋構造を有するポリマー樹脂を意味し、線状ポリマー樹脂とは架橋構造を実質的に有しないポリマー樹脂を意味する。
架橋構造を有するポリマーを得るためには、例えば反応部位が3個所以上あるモノマーを用いて重合反応することにより得ることができる。
また、非線状ポリマー(1)と線状ポリマー(2)樹脂以外に、縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーを含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を同時に並行反応して行なう、または(同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を)独立に反応を行なうことにより得られる樹脂で、(1)(2)と同種のポリマーユニットを少なくとも有する樹脂(3)(以下ハイブリット樹脂と呼ぶ)を含有せしめることにより、(1)と(2)の相溶性を高め、より低温定着性の効果を発現させることができる。
付加重合反応で得られるポリマー樹脂としては、ラジカル重合によるビニル系樹脂が代表的であるが、特に限定されるものではない。
付加重合系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、酢酸ビニル、ぎ酸ビニル等のビニルエステル類、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルエミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸およびそのエステル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のエチレン性モノカルボン酸置換体、マレイン酸ジメチル等のエチレン性ジカルボン酸およびその置換体、例えばビニルメチルケトン等のビニルケトン類が挙げられる。
付加重合系モノマーの架橋剤としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなど,一般の架橋剤を用いることができる。
これら架橋剤の使用量は、付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部を基準として、0.05〜15重量部より好ましくは0.1〜10重量部である。0.05重量部未満の場合は架橋剤の効果が充分得られない。15重量部超の場合、熱による溶融が困難となり、熱を用いて定着する際にトナーが定着不良となる。
また、付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させる際に重合開始剤を使用する。
例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、その他のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、または、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物重合開始剤が挙げられる。
これらは、重合体の分子量および分子量分布を調節する目的で二種類以上の重合開始剤を混合して使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部を基準として、0.05〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
両反応性モノマーの使用量は、付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部を基準として、1〜25重量部、好ましくは2〜10重量部である。1重量部より少ないと着色剤や帯電制御剤の分散が悪くかぶりなどの画像品質が悪化する。25重量部より多いと樹脂がゲル化してしまう不具合がある。
以上のようなハイブリット樹脂(3)は、同一反応容器内であれば、両反応(縮重合反応と付加重合反応)の進行および/または完了を同時に(並行反応)するほかに、それぞれの反応温度、時間を選択して、独立に反応の進行を完了することができる。
例えば、反応容器中にポリエステル樹脂の縮重合系原料モノマーの混合物中に、ビニル系樹脂の付加重合系原料モノマーおよび重合開始剤からなる混合物を滴下してあらかじめ混合し、まずラジカル反応によりビニル系樹脂からなる重合反応を完了させ、次に反応温度を上昇させることにより縮重合反応によりポリエステル樹脂からなる縮重合反応を完了させる方法がある。
この方法により、反応容器中で独立した2つの反応を進行させることにより、2種の樹脂を効果的に分散させることが可能である。
これら樹脂の配合量は、総ポリマー樹脂を100重量部としたときに、非線状ポリマー樹脂(1)は30〜70重量部、線状ポリマー樹脂(2)は30〜70重量部、ハイブリット樹脂(3)は5〜30重量部が好ましい。
伸長反応によるトナーは、少なくとも伸長反応し得るプレポリマー、着色剤、離型剤を油性溶媒中に溶解または分散させた油性混合液とし、この油性混合液を水系媒体中で微粒子ポリマーの存在下で分散、乳化せしめ、プレポリマーを伸長反応させ、得られた分散液の溶媒を除去することにより得ることができ、体積平均粒径は4.0〜7.0μmであることが好ましい。
プレポリマーとして使用できる樹脂は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂であり、伸長反応として利用できる反応はウレタン結合/ウレア結合反応,エポキシ反応、エステル化反応である。その内プレポリマーとして好適なのはポリエステル樹脂である。
ポリエステル樹脂は軟化温度が低く、ガラス転移点が高いことにより、低温定着性と保存安定性に優れている。更にポリエステル樹脂のエステル結合と紙との親和性が良好であるため、耐オフセット性にも優れ、その熱特性から低温定着性トナーとして好適である。
以下、併用する場合について述べる。
ウレア変性ポリエステル系樹脂は、下記で説明するイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)と、アミン類(B)とを反応させることにより得ることができる。
このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の縮重合物でかつ自らに活性水素(2)を有するポリエステルにポリイソシアネート(PIC)を反応させることによって製造される。
上記ポリエステルが自らに有する活性水素(2)としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ジオールとしては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオールとしては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオールと反応させてもよい。
ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネートの比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
ポリエステルプレポリマー(A)において、その1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。
伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、ポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
前記アミン類(B)は、活性水素と反応可能な変性ポリエステルに対する架橋剤や伸長剤として作用する。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。
重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐オフセット性が悪化する。
以下、非反応性ポリエステル樹脂の合成材料として用いられる各種モノマーについて説明する。
先ず、アルコール成分および酸成分としては、2価以上のものが好適に用いられる。
例えば、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
また、3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタンジトリオール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価の酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、およびその他の2価の有機酸が挙げられる。
また、3価の酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−カルボキシメチルプロパン、テトラ(カルボキシメチル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
これ以外の酸成分に相当する化合物としては、ハロゲン化合物を用いることができる。
ハロゲン化物としては多ハロゲン化合物を使用することができ、例えば、cis−1,2−ジクロロエテン、trans−1,2−ジクロロエテン、1,2−ジクロロプロペン、2,3−ジクロロプロペン、1,3−ジクロロプロペン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−クロロブロモベンゼン、ジクロロシクロヘキサン、ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、1,8−ジクロロオクタン、1,7−ジクロロオクタン、ジクロロメタン、4,4’−ジブロモビニルフェノール、1,2,4−トリブロモベンゼン等が挙げられる。
前記非反応性ポリエステル樹脂の合成成分として、上記に挙げた酸成分とアルコール成分のどちらか一方に、少なくとも芳香環を有するものを使用することが好ましい。
酸成分とアルコール成分の使用比は、カルボキシル基1モル当量に対して、アルコール基0.9〜1.5モル当量、好ましくは1.0〜1.3モル当量の範囲であることが好ましい。
なお、ここでいうカルボキシル基としては、上記に挙げた酸成分に相当する化合物であるハロゲン化物も含まれる。
その他の添加剤としては、アミン成分を用いてもよい。
具体的には例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が挙げられる。
又、他の縮合剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いて反応を行なってもよい。
これらの着色剤の使用量はバインダー樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
カルナウバワックスは、カルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであり、中でも微結晶のものが良く、酸価が5以下のものがバインダー樹脂中に均一分散が可能であり、遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものがさらに好ましい。
モンタンワックスは、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。
酸化ライスワックスは、米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスであり、その酸価は、10〜30が好ましい。
合成エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
また、これらの離型剤の使用量は、バインダー樹脂成分100重量部に対して1〜15重量部の範囲が一般的であるが、本発明においては好ましくは2重量部以上、10重量部以下がよい。
これは、表面への離型剤の露出量を適度にコントロールできフィルミングと耐オフセット性の両立が更に高まるためである。
離型剤の露出量は、例えば、添加量や混錬時のシェア(せん断力)のかけ方(混錬温度など)により調整可能である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージNX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
これらの流動性改良剤の使用量は、トナー重量に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
この範囲では、高精細かつ高解像の画像が得られ、離型剤成分が多く含まれる微粉によるフィルミングが防止できるためである。
電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した。
測定方法としては、前記電解液50〜100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行ない、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の30000個の粒度分布を測定し、2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布を算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径を求めることができる。
本発明において用いたGPC(Gel Permeation Chromatography)による分子量は次のようにして測定できる。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製したトナーのTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。
試料の分子量測定に当っては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
クロロホルム不溶分は、以下のように測定できる。
トナー約1.0gを秤量し、これにクロロホルム約50gを加えて十分に溶解させた溶液を、まず遠心分離でわけ、JIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。
ろ紙残渣が不溶分であり、用いたトナーとろ紙残渣の比(重量%)で表す。
以下、トナーの製造例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、部数は全て重量部である。
(樹脂の製造)
付加重合反応モノマーとしてスチレン20mol、ブチルメタクリレート5mol、重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド0.4molを滴下ロートに入れ、付加重合、縮重合両反応性モノマーとしてフマル酸10mol、縮重合反応モノマーとして無水トリメリット酸4mol、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド6mol、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド4mol、エステル化触媒としてジブチルスズオキシド60molをステンレス攪拌棒、流下式コンデンサー、窒素ガス導入管および温度計を装備したフラスコに入れ、窒素雰囲気下にて135℃で攪拌しつつ、滴下ロートより付加重合系原料をあらかじめ混合したものを5時間かけて滴下した。
終了後135℃に保ったまま6時間熟成した後、220℃に昇温して反応させ、反応終了後、容器から抜き出し、冷却後粉砕しハイブリッド樹脂を得た。
なお、所望のポリマーの重合度は、ASTM E28−67に準拠した軟化点より追跡を行ない、所望の軟化点に達したときに反応を終了することよって得られる。
なお、ここで用いたバインダー樹脂の軟化温度の測定は高化式フローテスター(島津製作所製)を用いてJIS K72101に記載された方法に準拠して行なった。1cm3の資料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより20kg/cm2の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー降下量−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
酸価および水酸基価はJIS K0070に記載された方法に準拠して測定を行なった。
・非線状ポリエステル樹脂 40部
(フマル酸(10)、トリメリット酸(4)、ビスフェノールA−2,2−プロピレンオキサイド(6)、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド(4)からなるポリエステル樹脂。ただし、括弧内はモル数である。該ポリエステル樹脂の酸価は16.3mgKOH/g、水酸基価35.1mgKOH/g、軟化点45.1℃、ガラス転移点61.5℃、分子量分布Mp:4000、半値幅:10000である)
・線状ポリエステル樹脂 50部
(テレフタル酸(8)、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド(6)、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド(4)からなるポリエステル樹脂。ただし、括弧内はモル数である。該ポリエステル樹脂の酸価は2.1mgKOH/g、水酸基価34mgKOH/g、軟化点100.8℃、ガラス転移点60.3℃、分子量分布Mp:6000、半値幅:22000である)
・低分子量ポリエチレン(粒径600μm、円形度0.85) 5部
・カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
・3−5ジtertブチルサリチル酸Zn(II)錯体 5部
・ハイブリッド樹脂(上記) 10部
これらの混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで130℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後得られた混練物をハンマーミルにて200〜400μmに粗粉砕した後、ジェット気流を用いて衝突版に粗粉砕物を直接衝突させ微粉砕する微粉砕装置と前記微粉砕装置で得られた微粉砕粉を分級室内に旋回流を形成し、粉砕物を遠心分離して分級する風力分級装置を一体に有するIDS−2型粉砕分級装置(日本ニューマチック工業製)にて粉砕分級をおこないトナー母体粒子を得た。
なお、所望の粒径分布には、被粉砕物の供給量、粉砕用高圧空気の圧力および流量、ならびに粉砕用衝突部材の形状、分級装置内ではエアーが吸引される際のエアーの流入位置や流入方向、排気ブロワー圧等を変更することによって調節することができ、コールターカウンターで測定することにより確認できる。
トナーAのバインダー樹脂の軟化点は130℃であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸と無水フタル酸から得られた変性されていないポリエステル(a)と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸とイソホロンジイソシアネートから得られたイソシアネート基含有プレポリマー(b)(Mw:35000)を得た。
また、イソホロンジアミンとメチルエチルケトンからケチミン化合物(c)を得た。
ビーカー中に前記プレポリマー(b)20部、前記変性されていないポリエステル(a)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。
次いで、離型剤であるライスワックス(融点61℃)10部、カーボンブラック4部を入れ、40℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで5分攪拌した後、ビーズミルで30分間20℃において分散処理した。これをトナー材料油性分散液(d)とする。
ビーカー中にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ水系媒体(e)を得た。水分散液(e)を、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、トナー材料油性分散液(d)およびケチミン化合物(c)2.7部を加え、攪拌を続けながらウレアー反応させた。
反応後の分散液(粘度:3500mPa・s)を減圧下、50℃以下の温度で1.0時間以内で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体粒子(f)を得た。
次に、得られたトナー母体粒子(f)100部、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行ない、合計の処理時間を10分間とした。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、前出のQ型ミキサーにより混合処理しトナーBを得た。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行なった。
トナーBの軟化点は115℃であった。
下記材料を混合し、絶縁性支持体形成用塗布液とした。
アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業製「ベッコライト M−6401−50」) 30重量部、メラミン樹脂(大日本インキ化学工業製「スーパーベッカミンG821−60」) 20重量部、2−ブタノン 60重量部
下記材料を混合し、表面層形成用塗布液とした。
テトラヒドロフラン70重量部とシクロヘキサノン20重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製、パンライトTS−2050)を、10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、表面層用塗工液を作製した。
この場合、奇数番目電極群(9bA)と偶数番目電極群(9bB)の交流バイアスは逆位相である。また、実施例では、軟化点が120℃の重合法により製造されたブラックトナーを使用した。
[表面層塗布液B]
実施例1の絶縁性支持体用塗布液を表面層形成用塗布液Bとした。
使用する表面層塗布液Aを表面層塗布液Bに変更した以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
使用するトナーAをトナーBに変更した以外は比較例1と同様にして評価を行なった。
[表面層塗布液C]
シリコーン樹脂(RSR213(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)をスプレー塗工した。
使用する表面層塗布液Aを表面層塗布液Cに変更した以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
使用するトナーAをトナーBに変更した以外は比較例3と同様にして評価を行なった。
[表面層塗布液D]
下記材料を混合し、表面層形成用塗布液とした。
非結晶性ポリエステル樹脂(バイロン20SS(東洋紡社製の接着性良好な熱可塑性樹脂)89重量部、メラミン樹脂(サイメル325(三井サイテック社製))143重量部をメチルエチルケトン238重量部に溶解し、表面層用塗工液を作製した。
使用する表面層塗布液Aを表面層塗布液Dに変更した以外は実施例1と同様にして評価を行なった。
使用するトナーAをトナーBに変更した以外は比較例5と同様にして評価を行なった。
層厚規制部材と現像剤担持体とでトナー粒子を摩擦し、トナー粒子に電荷を与える従来型の接触一成分現像装置に、比較例5と同様の現像ローラを組み込んで実施例1と同様の評価を行なった。
使用するトナーAをトナーBに変更した以外は比較例7と同様にして評価を行なった。
実施例1、2では出力画像に問題が生じることはなかった。一方、比較例1〜6ではトナーの飛翔に異常が生じ、出力画像にも異常が生じた。また、比較例7、8では機械的ストレスによりトナー劣化が加速され、出力画像に異常が生じた。
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 定着装置
7a 加熱ローラ
7b 加圧ローラ
8 容器
8a 開口部
9 現像ローラ
9a 支持体
9b 電極パターン
9bA 電極
9bB 電極
9c 表面層
9d 回転軸
9bA1 端部
9bB1 端部
10 循環パドル
11 トナー規制部材
12 トナー供給口
13A 端子
13B 端子
14 交番電圧
90A 電極パターン
90Aa 電極
90B 電極パターン
90Bb 電極
91A 導電性支持体
91B 電極
91Bb 電極
93 支持体
95 絶縁層
98 表面層
A 回転方向
B 搬送方向
C 回転方向
D 間隔
T トナー
d 幅
59 交番電圧
Claims (8)
- トナーを帯電させる手段と、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて前記帯電したトナーを担持するトナー担持体を有する現像装置において、前記トナー担持体は、絶縁性支持体と、前記絶縁性支持体上にトナーの搬送方向に配列され、前記電界を発生させる電極と、前記電極を被覆する表面層とを有し、かつ、前記トナーの軟化点が115℃以上130℃以下であることを特徴とする一成分現像用現像装置。
- 前記表面層は、下記一般式(1)で示される構造単位を含む重合化合物を含有していることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記表面層の膜厚が3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の現像装置。
- 一成分現像方式であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。
- トナーを帯電させる手段と、帯電したトナーを電界によりホッピングさせて前記帯電したトナーを担持するトナー担持体を有する現像装置において、前記トナー担持体は、絶縁性支持体と、前記絶縁性支持体上にトナーの搬送方向に配列され、前記電界を発生させる電極と、前記電極を被覆する表面層とを有し、かつ、前記トナーの軟化点が115℃以上130℃以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記表面層は、一般式(1)で示される構造単位を含む重合化合物を含有していることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
- 前記表面層の膜厚が3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 一成分現像方式であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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