JP2011024315A - 波力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い発電効率を安定して得ることができる波力発電装置を提供する。
【解決手段】水面に浮かぶ浮体構造体4、浮体構造体4に取り付けられた変換素子5、および水面に生じた波による浮体構造体4の揺動に合わせて変換素子5が共振するようにする調節機構9を備えた波力発電装置1。変換素子5は、前記共振に応じて変形し、この変形により生じた歪みを電力に変換可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば海洋上に設置されて波力により発電を行なう波力発電装置に関する。
波力発電装置において、波浪のエネルギーを変換する方式としては、水の位置エネルギーに変換する方式、空気エネルギーに変換する方式、および機械的エネルギーに変換する方式がある(特許文献1、2を参照)。
水の位置エネルギーを利用する方式としては、波によって高い位置に貯留された水の位置エネルギーを利用してタービンを駆動する方式などがある。この方式を採用した波力発電装置は、通常、海岸に設けられる。
空気エネルギーを利用する方式としては、空気室内の水位の変化による気圧の変動によってタービンを駆動する方式などがある。この方式を採用した波力発電装置は、海洋上に設けられた浮体構造体に設置されるものが多い。
機械的エネルギーを利用する方式としては、波を受けて動作する受圧板や浮体の運動エネルギーを油圧に変換する方式などがある。この方式を採用した波力発電装置は、通常、海岸に設けられる。
特開平10−285957号公報 特開平6−336716号公報
しかしながら、水の位置エネルギーを利用する方式の波力発電装置では、発電効率が潮位に依存するため、発電効率が不安定であるという問題があった。
また、空気エネルギーを利用する方式の波力発電装置では、短周期の波に対しては比較的高い発電効率が得られるが、長周期の波に対しては発電効率が低くなるという問題があった。これは、長周期の波の場合には装置全体が波とともに上下するため、空気室内における水位の変化が起こりにくいことが原因の1つであると考えられる。
また、機械的エネルギーを利用する方式の波力発電装置においても、十分な発電効率を得るのは難しかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高い発電効率を安定して得ることができる波力発電装置を提供することを目的とする。
本発明の波力発電装置は、水面に浮かぶ浮体構造体、前記浮体構造体に取り付けられた変換素子、および前記水面に生じた波による前記浮体構造体の揺動に合わせて前記変換素子が共振するようにする調節機構を備え、前記変換素子が、前記共振に応じて変形し、この変形により生じた歪みを電力に変換可能であることを特徴とする。
本発明の波力発電装置は、前記変換素子が、弾性的に曲げ変形可能な板状体であり、前記浮体構造体の揺動を起振力として弾性的な曲げ変形により振動可能であり、前記調節機構が、前記変換素子の一部の変形を規制することによって、前記変換素子が変形可能な範囲を前記共振が起きるように規定可能である構成を採用できる。
前記調節機構は、前記変換素子に対し着脱可能とされていることが好ましい。
本発明では、前記浮体構造体が、曲げ変形可能な板状の基体部と、前記基体部に設けられた浮き部とを備え、前記基体部が、前記水面に生じた波に応じて曲げ変形可能である構成を採用できる。
前記浮き部は複数設けられ、独立に動作可能であることが好ましい。
前記変換素子は、圧電作用により前記歪みに応じて電力を発生する圧電素子を用いることが好ましい。
本発明によれば、調節機構の使用によって変換素子の機械的特性(固有周期など)を調節できるため、変換素子の機械的特性を、波の特性(周期など)に応じて、共振が起きるように設定できる。
従って、波の特性(周期など)によらず、変換素子に十分な振動を生じさせ、高い発電効率を安定して得ることができる。
本発明の波力発電装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置において、変換素子に調節部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置において、変換素子に調節部材を取り付けた状態の要部を示す正面図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置の要部を模式的に示す正面図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置の動作を模式的に示す正面図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置の動作を模式的に示す正面図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置の動作を模式的に示す正面図である。 図1に示す実施形態の波力発電装置の動作を模式的に示す正面図である。 比較的長い調節部材を取り付けたときの変換素子の動作を示す正面図である。 比較的短い調節部材を取り付けたときの変換素子の動作を示す正面図である。 調節部材を取り付けないときの変換素子の動作を示す正面図である。 変形可能な範囲を長くした変換素子の動作を示す正面図である。 変形可能な範囲を短くした変換素子の動作を示す正面図である。 本発明の波力発電装置の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 試験結果を示すグラフである。
図1〜図4は、本発明の波力発電装置の一実施形態を示すもので、この波力発電装置1は、基体部2に複数の浮き部3を設けた浮体構造体4、基体部2に取り付けられた変換素子5、および変換素子5に装着された調節部材9(調節機構)を備えている。
図1〜図4に示すように、基体部2は、金属、樹脂など、任意の材料からなる板状体であってよい。基体部2は、水面6の形状に即して曲げ変形が可能となる機械的特性(剛性等)を有するものが好ましい。
図1に示すように、基体部2の平面形状は、特に限定されないが、矩形状、多角形状などとすることができる。図示例の基体部2は矩形状とされている。
図4に示すように、浮き部3は、基体部2を水面6と同じかまたはこれより高い位置に支持する程度の浮力が得られるものであればよく、例えば空気が封入された気密容器や、見かけ比重が水より小さい樹脂材料からなるものを使用できる。
浮き部3の形状は、特に限定されないが、円筒形、角筒形、球形などが可能である。図示例の浮き部3は円筒形とされ、浮き部3の軸方向の一端部に設けられた連結具7を介して基体部2の下面に接続されている。浮き部3は、軸方向が基体部2に対しほぼ垂直となるように設けられている。
図示例では、浮き部3は、基体部2の下面(一方の面)に設けられている。
各浮き部3は、独立に動作可能であることが好ましい。独立動作可能とすることによって、水面6に生じた隆起により一部の浮き部3のみが上昇および下降することができ、基体部2に十分な変形を与え、変換素子5の動きを大きくできる。
基体部2に対する浮き部3の平面配置は特に限定されないが、図示例では、互いに平行な複数列をなすように配列されている(図1参照)。浮き部3は互いに間隔をおいて設けることが好ましい。
変換素子5は、水面6に生じた波より起きる浮体構造体4の動きに応じて変形し、この変形により生じた歪みを電力に変換可能であるものが用いられる。
変換素子5は、加えられた歪みに応じて、圧電作用により電力を発生する圧電物質を含む材料からなる板状体の使用が好ましい。
圧電物質としては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)、BaTiO(チタン酸バリウム)などがある。これらの中でも特に、電力変換効率が高いPVDFが好ましい。
変換素子5は、弾性的に曲げ変形可能な長板状に形成され、その基端部5aが基体部2の上面側に固定されている。
変換素子5は、曲げ変形が可能となるように基体部2に取り付けられている。図示例では、変換素子5は基体部2の上面に、基体部2に対してほぼ垂直に立設されている(図3参照)。平面視したときの変換素子5の向きは基体部2の長手方向に対しほぼ垂直とするのが好ましい(図1参照)。
図2および図3に示すように、変換素子5は、基端部5aが固定され、先端部5bがフリー状態とされているものが好適である。先端部5bがフリー状態とされることにより、水面に生じた波による浮体構造体4の揺動に合わせて変換素子5を共振させ易くできる。
図2において符号8は、変換素子5の基端部5aが固定される台部であり、基体部2の上面に設けられている。
変換素子5は、浮体構造体4の動きを起振力として、弾性的な曲げ変形により振動可能であるものが好適である。
変換素子5は、曲げ変形により生じた前記歪みに応じて、圧電作用により電力を発生する。発生した電力は出力電極(図示略)より出力される。
変換素子5は、水面6に生じる波の特性(周期、大きさ等)に応じた特性(固有周期など)を有するものを選択すると、振動の振幅を大きくすることができ、発電効率を高めることができる。固有周期は、変換素子5の長さ、剛性、重心位置などにより定められる。また、変換素子5の固有周期は、変換素子5の基体部2に対する連結方式の選択によって調整することもできる。
図2および図3に示すように、調節部材9は、水面6に生じた波による浮体構造体4の揺動に合わせて変換素子5を共振させるための調節機構となるものであって、変換素子5が挿通する挿通部9aを有する略スリーブ状に形成され、変換素子5に着脱自在に取り付けることができる。
調節部材9は、変換素子5の長さ方向に移動自在とし、長さ方向の任意の位置において変換素子5に固定できるように構成することもできる。
調節部材9は、例えば樹脂や金属からなり、挿通部9aに挿通された部分の変換素子5の曲げ変形を規制することができる程度の剛性を有する。
図示例の調節部材9は、変換素子5の一方および他方の面に沿う面板9b、9bと、これらの側縁に設けられた側板9c、9cとからなる断面矩形の筒状体である。
調節部材9は、変換素子5の基端部5aを含む部分に設置され、この部分の曲げ変形を規制する。
調節部材9の取り付けによって、変換素子5が曲げ変形可能な範囲は、調節部材9より先端部5b側の範囲5cとなるため、変換素子5の固有周期などの機械的特性は、調節部材9の長さに応じた値となる。
長さが異なる複数の調節部材9を用意しておき、目的に応じて最適なものを選択すれば、変換素子5の機械的特性(固有周期など)を、波の特性(周期など)に合わせて設定できる。
調節部材9を、変換素子5の長さ方向に移動できるように構成する場合には、調節部材9の位置調整によって変換素子5の機械的特性を任意に設定できる。
また、調節部材9と変換素子5との長さ方向の相対位置の調整によって、振動中心と重心の相対位置を調整することもできる。
なお、調節部材9の形状は、変換素子5の一部の変形を規制できるものであれば他の形状であってもよく、例えば図2に示す調節部材9から側板9cを省いた構成としてもよい。また、調節部材9の取り付け位置も図示例に限定されず、基端部5aを含まない位置に取り付けてもよい。
図示例は調節部材9の長さで変換素子5の変形可能な範囲を調整しているが、変換素子5の長さで変形可能な範囲5cを調整してもよい。例えば、変換素子5を調整部材9内でスライドさせて変形可能な範囲5c(変換素子の長さ)を調整することもできる。
さらに、調節部材9による上記規制範囲を自動的に調節できるようにすることも可能である。例えば、浮体構造体4に波の特性(浮体構造体4の揺動)を検出する手段を設け、検出された前記揺動に合わせて変換素子5が共振するように前記規制範囲を自動的に調節することができる。図示例においては、調整部材9の長さを、検出された前記揺動に合わせて自動的に調整することができる。
次に、波力発電装置1の動作について説明する。
図4に示すように、波力発電装置1は、浮体構造体4を水面6に浮かべた状態として使用する。例えば、海洋上で使用することができる。
浮き部3に生じる浮力によって、基体部2は水面6と同じまたはこれより高い位置に支持される。
この図に示す通常状態では、変換素子5に傾きおよび変形は生じていない。
図5に示すように、水面6に波が生じると、基体部2は水面6の波の形状に応じて変位し揺動する。
具体的には、水面6の隆起した領域6aにある浮き部3(符号3Aで示す)は上昇し、この浮き部3Aに相当する部分の基体部2を上方に持ち上げて曲げ変形させる。
この基体部2の変位によって変換素子5は傾き、この傾斜方向に曲げ変形が生じる。図5に示す状態では変換素子5は右に傾き、これに伴って右方向の曲げ変形が生じている。
図6に示すように、水面6の波の進行に従って、変換素子5が設けられた部分の基体部2の傾きが変化し、変換素子5の傾きは小さくなる。この際、変換素子5は、その弾性復元力により曲げ変形が小さくなる。
図7に示すように、水面6の波がさらに進行すると、変換素子5が設けられた部分の基体部2の傾きにより変換素子5は左に傾き、左方向の曲げ変形が生じる。
波がさらに進行すると、変換素子5は傾きが小さくなるとともに、弾性復元力により曲げ変形も小さくなり、通常状態(図4参照)に戻る。
変換素子5は、上記過程を繰り返すことで振動する。
図8は、一連の動作における変換素子5の姿勢の変化を示すものであり、この図に示すように、変換素子5は、先端部5bが左右に往復動するようにして振動する。
変換素子5の振動は、水面6に生じた波により起きる基体部2の揺動を起振力として左右に弾性的に曲げ変形することにより起きている。
この振動過程では、基体部2の傾きにより変換素子5は右方向に曲げ変形した後、その弾性復元力によって、先端部5bが左に向かって移動し、曲げ変形がなくなった後も慣性によりさらに左方向に移動し、変換素子5はこの方向に曲げ変形する。
さらに、変換素子5の弾性復元力によって、先端部5bは右方向に向かって移動し、曲げ変形がなくなった後も慣性によりさらに右方向に移動し、変換素子5はこの方向に曲げ変形する。この一連の動作が繰り返されることで振動が起こる。
変換素子5が曲げ変形する際には、変換素子5には歪みが与えられるため、この歪みに応じて電力を発生する。発生した電力は出力電極(図示略)より出力される。
変換素子5は、以下に説明するように、適切な調節部材9の使用によって、浮体構造体4の揺動に合わせて共振させることができる。
すなわち、図9に示すように、比較的長い第1の調節部材9Aを使用すると、変換素子5は、第1の調節部材9Aより先端側の比較的短い範囲5cのみが曲げ変形可能となることから、固有周期は短くなる。このため、水面6に生じる波の周期が比較的短い場合に共振が起こりやすくなる。
図10に示すように、第1の調節部材9Aに代えて、第1の調節部材9Aより短い第2の調節部材9Bを取り付けると、変換素子5の変形可能な範囲5cは長くなり、固有周期は比較的長くなる。このため、水面6に生じる波の周期が比較的長い場合に共振が起こりやすくなる。
変換素子5の固有周期は、調節部材9の位置の調整によって設定することもできる。また、変換素子5を略スリーブ状の調節部材9内にスライドさせて、変形可能な範囲5c(変換素子の長さ)を調整することもできる。
すなわち、図12に示すように、調節部材9Cを変換素子5の基端部5aに近い位置に設置すると、変換素子5の変形可能な範囲5cは長くなり、固有周期は比較的長くなる。このため、水面6に生じる波の周期が比較的長い場合に共振が起こりやすくなる。
図13に示すように、変換素子5を調節部材9内にスライドさせて台部8方向にずらせると、変換素子5の変形可能な範囲5cは短くなり、固有周期は短くなる。このため、水面6に生じる波の周期が比較的短い場合に共振が起こりやすくなる。
このように、波力発電装置1では、調節部材9の長さや位置の調整によって、または変換素子5の変形可能な範囲5c(長さ)の調整によって、変換素子5の固有周期などの機械的特性を調節できるため、変換素子5の機械的特性を、波の特性や基体部2の振動特性・状況(周期など)に応じて、共振が起きるように設定できる。
例えば、変換素子5の固有周期を波の周期や浮体の揺れの周期の変化に応じてその周期に近い値に設定することで、共振を起こさせ、変換素子5の振動の振幅を大きくすることができる。
従って、波の特性(周期など)によらず、変換素子5に十分な振動を生じさせ、高い発電効率を安定して得ることができる。
図11に示すように、調節部材9を取り付けない場合(調整部材9の長さが0の場合)には、変換素子5は全長にわたって変形可能となるため、固有周期はさらに長くなる。波の周期が長い場合には、この図に示す構成も可能である。
波力発電装置1では、水面6に浮かぶ浮体構造体4を有するので、水面6の動きが直接的に浮体構造体4に伝えられる。このため、水面6に生じる波の周期が長くても、変換素子5に十分な変形を生じさせ、高い発電効率を安定的に得ることができる。
また、浮体構造体4は水面に浮かべた状態で設置できるため、発電効率が潮位に依存せず、安定的な発電が可能である。
波力発電装置1では、変換素子5が浮体構造体4に直接取り付けられているため、浮体構造体4の動きが直接的に変換素子5に伝えられる。このため、発電効率を高めることができる。
また、浮体構造体4の動きを起振力として変換素子5を振動させて発電させるため、高い発電効率を得ることができる。
本発明によれば、波のエネルギーを利用して発電が可能であるので、COの排出はなく、環境保全の点で好適である。
本発明の波力発電装置は、既存の船舶に適用することもでき、船舶における省エネルギー化に貢献できる。
また、災害などにより一時的な電力供給を必要としている都市部近傍海域などにおける時限的な設置も考えられる。
本発明の波力発電装置は、時限的な洋上設置が可能であるため、恒久的に設置される着底型施設(防波堤との合併型施設など)とは異なり、周辺海洋環境への影響を最小限に抑えることができる。
図1に示す例では、浮体構造体4は、板状の基体部2の上面に変換素子5が設けられているが、基体部2は板状体に限らず、他の形状であってもよい。また、変換素子5の取り付け位置や延在方向についても特に限定されない。
図14に示す例では、基体部12は、底板12aと、その側縁から立設する側板12bと、その上縁に設けられた天板12cとを有する箱状に形成され、変換素子5は底板12aの上面、側板12bの内側面、天板12cの下面にそれぞれ設けられている。これらの変換素子5は、それぞれが取り付けられている底板12a、側板12b、天板12cに対し垂直とされている。このように、変換素子5の向きは任意であり、機械的特性に合わせて効率的な振動が生じる方向を選択できる。例えば、変換素子5の長さが大きい場合には、側板12bの内側面に設ける態様よりも、天板12cの下面に設ける態様が好ましいことがある。
図1に示す例では、浮体構造体4は独立に動作可能な複数の浮き部3を有するが、浮き部3の数は1であってもよい。また、浮き部3は、水面に生じた波により受けた力を基体部2に伝え、変換素子5を変形させ得るものであればその形状は限定されず、例えば基体部2に沿うマット状に形成しても良い。
また、浮体構造体4は、基体部2に浮き部3を設けた構成に限られず、十分な浮力をもつものであれば一体に形成されたものであってもよく、例えばマット状の一体成形品であってもよい。この場合でも、浮体構造体4は、水面に生じた波により受けた力を変換素子5に伝え、変換素子5を変形させ得る。
図1に示す波力発電装置1を作製した。
(試験1)
浮体構造体4は、ポリ塩化ビニル製の矩形板状の基体部2(長さ1200m、幅240mm、厚さ1mm)の下面に、空気を封入した容器からなる複数の浮き部3を設けたものとした。
浮き部3は、60mm間隔で配置された20個からなる列を互いに平行に4列に配置した。
基体部2の上面には、PVDFを含む材料からなる長板状の変換素子5を、基体部2に垂直に取り付けた。
変換素子5の長さは148mm、厚さは0.2mmとした。
変換素子5には、基端部5aを含む位置に樹脂製の調節部材9を取り付けた。調節部材9としては長さ25mmのものを用いた。
この波力発電装置1を試験水槽(長さ4000mm、幅2000mm、水深70mm)内に貯留した水に浮かべた。
試験水槽の一端部に設けた造波装置(図示略)を用いて水槽内の水に波を生じさせた。波の周期は0.25〜0.55秒とした。波の高さは0.001〜0.005mとした。
変換素子5で得られた発電効率を図15に示す。横軸は波の周期(秒)を示し、縦軸は発電効率(%)を示す。試験は同条件で3回行い、平均値を算出した。
発電効率は、造波装置において波を生じさせるのに要したエネルギーに対する発電エネルギーEpの比率とした。発電エネルギーEpは、式(1)に、変換素子5で得られた電圧Vの計測値(V)を代入して算出した。
Ep=1/2(Q/C)(J)=1/2CV(J)・・・(1)
(Epは変換素子5にたまる電荷エネルギー(J)、Qは発生電荷(C)、Cは静電容量(F)、Vは電圧(V)、Q=CV、C=11×10−9(F)とした。)
図15に示す結果より、波の周期が長い場合でも高い発電効率が得られたことが確認された。
この例では、調節部材9によって、変換素子5の固有周期が前記波の周期に近い値となったために変換素子5に共振が生じ、振動の振幅が大きくなった結果、高い発電効率が得られたと考えられる。
(試験2)
調節部材9として長さ135mmのものを用いること以外は試験1に使用したものと同じ構成の波力発電装置1を用い、試験1に準じて発電効率を算出した。
結果を図15に併せて示す。
図15に示す結果より、波の周期が長い場合には、発電効率が低下したことが確認された。
この例では、変換素子5の固有周期が、共振が起こりやすくなる範囲を外れ、振動の振幅が小さくなった結果、発電効率が低くなったと考えられる。
1・・・波力発電装置、2、12・・・基体部、3・・・浮き部、4・・・浮体構造体、5・・・変換素子、6・・・水面、7・・・連結部、8・・・台部、9・・・調節部材(調節機構)。

Claims (6)

  1. 水面に浮かぶ浮体構造体、前記浮体構造体に取り付けられた変換素子、および前記水面に生じた波による前記浮体構造体の揺動に合わせて前記変換素子が共振するようにする調節機構を備え、
    前記変換素子は、前記共振に応じて変形し、この変形により生じた歪みを電力に変換可能であることを特徴とする波力発電装置。
  2. 前記変換素子は、弾性的に曲げ変形可能な板状体であり、前記浮体構造体の揺動を起振力として弾性的な曲げ変形により振動可能であり、
    前記調節機構は、前記変換素子の一部の変形を規制することによって、前記変換素子が変形可能な範囲を前記共振が起きるように規定可能であることを特徴とする請求項1に記載の波力発電装置。
  3. 前記調節機構は、前記変換素子に対し着脱可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の波力発電装置。
  4. 前記浮体構造体が、曲げ変形可能な板状の基体部と、前記基体部に設けられた浮き部とを備え、
    前記基体部は、前記水面に生じた波に応じて曲げ変形可能であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の波力発電装置。
  5. 前記浮き部は複数設けられ、独立に動作可能であることを特徴とする請求項4に記載の波力発電装置。
  6. 前記変換素子は、圧電作用により前記歪みに応じて電力を発生する圧電素子であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の波力発電装置。
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