JP2011024054A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力画像信号値が線領域の長さに対して微小な値である場合に、線領域の色再現性が悪化することを抑制する。
【解決手段】まず、入力画像信号に対して一般的な色分解を施して複数色の色材に応じた出力画像信号に変換する(S100)。そして、出力画像信号における処理単位領域から線領域を抽出し(S200)、該線領域を色材のドットによって再現する際に必要となる理想ドット数を、該線領域の面積に基づいて予測する(S300)。そして、線領域における各色のドット数の総計である総ドット数が理想ドット数に近づくように、出力画像信号を変更する(S401〜S404)。
【選択図】図4

Description

本発明は、入力画像信号に基づき画像形成用の2値画像信号を生成する画像処理装置および画像処理方法に関する。
カラープリンタや複写機、ファクシミリ装置等、所定の記録媒体上に画像を形成する画像形成装置においては、処理対象である入力画像信号に基いて、出力装置で使用される色材に応じた出力色信号を生成する。例えば、カラー印刷の際には、入力画像信号R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)に基き、出力色信号C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)を生成する4色印刷が行われる。
RGB色信号をCMYK色信号に変換する際には、RGB信号とCMYK信号とを対応付けたルックアップテーブル(以下、LUTと称する)が用いられることが多い。LUTは、発色の鮮やかさや、画像のざらつき感といった画質要因に基いて設計される。例えば、Kは濃度が高く、低濃度領域において視覚的に目立ちやすいため、中高濃度領域のみに使用されるように設定される。なお、CMY信号をKに置換する処理は、一般にUCR(Under Color Remove)と呼ばれており、置換の割合はUCR率と呼ばれている。
また、画像に含まれる領域の特徴に応じて、色変換方法を切りかえる技術があり、特に線領域の再現性に着目した色変換方法として、以下のような技術が提案されている。まず、入力画像信号のエッジ強度を評価し、エッジ強度に応じてUCR率を変化させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、出力した細線評価用チャートを評価して細線評価値を登録し、その上で、線領域においては色変換時に色再現性と細線評価値の両方を考慮した色変換を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参)。
特開2002−158872号公報 特開2006−262238号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法では、エッジ強度の強い領域でK信号が大きくなるという傾向を持たせることが可能となるだけであり、理論的に適切な信号値については全く考慮されていない。従って、出力画像信号値が線領域の面積に対して微小な値である場合に、以下のような線領域の色再現性が悪化するという問題に対応することはできなかった。ここで、出力画像信号値が(C,M,Y,K)=(32/255,64/255,128/255,1/255)である場合を例として、線領域の色再現性が悪化する問題について説明する。線領域の画素数Lが255である場合には、CMYKの各色材はそれぞれ、32、64、128、1ドットだけ印字される。また、画素数が半分、すなわちL=128である場合には、ドット数も半分になる。この時、CMYの各色材はそれぞれ、16、32、64ドットとなるが、Kについては0.5ドットを打つことはできないため、0ドットでは不足し、1ドットでは多すぎてしまい、いずれにしても線領域の色再現に問題が発生してしまう。
また、上記特許文献2に記載された方法では、高精度な細線評価を行うために多量のチャートを出力・評価する必要があった。この方法では、評価は主観的に行われるため、印刷モード毎に評価を行う必要があり、評価者の負荷が大きい。また、出力装置の色数が5色以上になった場合には、さらに膨大な数のチャートを評価しなければならないという問題がある。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、細線の再現性を向上させる画像処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
すなわち、入力画像信号を色分解して複数色の色材に応じた出力画像信号に変換する変換手段と、前記出力画像信号における処理単位領域について、線を示す線領域を抽出する線領域抽出手段と、前記線領域を前記色材のドットによって再現する際に必要となる理想ドット数を、該線領域の面積に基づいて予測する理想ドット数予測手段と、前記線領域における前記色材の各色のドット数の総計である総ドット数が前記理想ドット数に近づくように、前記出力画像信号を変更するドット数変更手段と、を有することを特徴とする。
上記構成からなる本発明によれば、細線の再現性を向上させることができる。
第1実施形態に係る画像処理装置としてのコンピュータ装置におけるハードウェア及びソフトウェアの構成を示すブロック図、 本実施形態であるインクジェット記録システムにおける、画像データ変換処理の流れを示すブロック図、 本実施形態におけるの色分解処理の概要を示すフローチャート、 本実施形態における色分解処理の詳細を示すフローチャート、 本実施形態における理想ドット数算出処理を示すフローチャート、 本実施形態における最小値変更処理を示すフローチャート、 本実施形態における総ドット数調整処理を示すフローチャート、である。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るホスト機器として機能するパーソナルコンピュータ(以下、PC)の主にハードウェアおよびソフトウェアの構成を示すブロック図である。このPCは、後述するプリンタ104で記録する画像データを生成する。
図1において、ホストコンピュータであるPC100は、オペレーティングシステム(OS)102によって、アプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーション)101、プリンタドライバ103、モニタドライバ105の各ソフトウェアを動作させる。アプリケーション101は、ワープロ、表計算、インターネットブラウザなどに関する処理を行う。モニタドライバ105は、モニタ106に表示する画像データを作成するなどの処理を実行する。プリンタドライバ103は、アプリケーション101からOS102へ発行される各種描画命令(イメージ描画命令、テキスト描画命令、グラフィック描画命令など)を描画処理して、プリンタ104で用いる2値の画像データを生成する。詳しくは、図2を用いて後述する画像処理を実行することにより、プリンタ104で用いる複数のインク色それぞれの2値の画像データを生成する。
ホストコンピュータ100は、以上のソフトウェアを動作させるためのハードウェアとして、CPU108、ハードディスク107、RAM109、ROM110等を備える。即ちCPU108は、HD107やROM110に格納されている上記のソフトウェアに従ってその処理を実行し、RAM109はその処理実行の際にワークエリアとして用いられる。
本実施形態の画像記録装置としてのプリンタ104は、インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体に対して走査し、その間にインクを吐出して記録を行う所謂シリアル方式のプリンタである。記録ヘッドは、C、M、Y、Kそれぞれのインクに対応して用意され、これらがキャリッジに装着されることにより、記録用紙等の記録媒体に対して走査することができる。それぞれの記録ヘッドは、吐出口の配列密度が1200dpiであり、それぞれの吐出口から3ピコリットルのインク滴を吐出する。また、それぞれの記録ヘッドの吐出口の数は768個である。
プリンタ104はマルチパス記録を実行可能な記録装置である。そのため、後述するマスクパターンを所定のメモリに格納しておき、記録の際は走査およびインク色ごとに定められたマスクパターンを用いて、2値の分割画像データを生成する。
図2は、図1に示した構成において、プリンタ104で記録を行う際のPC100およびプリンタ104における主なデータ処理過程を示すブロック図である。本実施形態のプリンタ104は、上述したようにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクによって記録を行うインクジェットプリンタであり、そのためにこれら4色のインクを吐出する記録ヘッドJ008を備える。
PC100では、ユーザはアプリケーション101を介して、プリンタ104で記録する画像データを作成することができる。そして、記録を行う際にはアプリケーション101で作成された画像データがプリンタドライバ103に渡される。
プリンタドライバ103では、図2に示す色補正処理J001、色分解処理J002、γ補正処理J003、2値化処理J004、および印刷データ作成処理J005、をそれぞれ実行する。
色補正処理J001では、アプリケーション101による画面を表示する表示機器が持つ色域を、プリンタ104の色域に変換する色域変換を行う。具体的には、R、G、B夫々が8ビットで表現された画像データを、3次元LUTを用いて、プリンタ104の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。
次いで、色分解処理J002では、プリンタ104用に変換された色域を再現する色をインク色に分解する。具体的には、色補正処理J001にて得られた8ビットデータR、G、Bが表す色を再現するためのインクの組み合わせに対応した8ビットデータC、M、Y、Kを求める処理を行う。本実施形態においてはこの色分解処理J002において細線再現性の向上を可能としたことを特徴とし、その詳細については後述する。
次にγ補正処理J003では、色分解で得られたCMYKのデータ夫々について、γ補正を行う。具体的には、色分解で得られた8ビットCMYK夫々がプリンタ104の階調特性に線形に対応付けられるような変換を行う。
次に2値化処理J004では、γ補正がなされた8ビットデータCMYK夫々を、1ビットCMYKに変換する階調変換処理を行う。
そして最後に、印刷データ作成処理J005では、2値化されたCMYKの画像データに、印刷制御データなどを付して印刷データを作成する。ここで、2値のCMYK画像データは、ドットの記録を示すドット記録データと、ドットの非記録を表すドット非記録データを含む。また、印刷制御データは、記録媒体情報、記録品位情報、および給紙方法のようなその他制御情報から構成されている。以上のようにして生成された印刷データは、プリンタ104へ供給される。
一方、プリンタ104では、入力された印刷データに含まれる2値の画像データに対し、マスクデータ変換処理J006を行う。マスクデータ変換処理J006では、予めプリンタ104の所定のメモリに格納されているマスクパターンを用いて、入力された2値の画像データに対し論理積を計算する。これにより、マルチパス記録における夫々の走査で用いられる2値の分割画像データが生成されるとともに、実際にインクが吐出されるタイミングが決定される。なお、2値の分割画像データには、ドット記録データとドット非記録データが含まれる。
次にヘッド駆動回路J007では、2値の分割画像データに基づき所定のタイミングでインクを吐出する。CMYK各インクを記録するための記録ヘッドおよびインクタンクが搭載されたヘッドによる1回の主走査を終了すると、記録媒体が副走査方向(主走査方向に垂直な方向)に所定量だけ搬送される。以上の主走査と副走査を交互に繰り返すことにより、マルチパス記録による画像が順次形成されていく。
●色分解処理J002
以下、上述した本実施形態の記録システムにおける色分解処理J002について、詳細に説明する。
図3は、本実施形態における色分解処理の概要を示すフローチャートである。まず通常色変換処理(S100)で、RGBの入力画像信号をCMYK画像信号に変換する。線領域抽出処理(S200)では、入力画像に含まれる線領域を判定・抽出する。線再現記録ドット数予測処理(S300)では、線領域抽出処理(S200)で抽出された線領域における理想ドット数Nを予測する。そして記録ドット数変更処理(S400)では、実際の記録ドット数を理想ドット数Nに近づける処理を行う。
ここで図4に、図3に示した色分解処理について更に詳細なフローチャートを示す。まず図3でも示したように、入力画像信号を色分解して複数色の色材に応じた出力画像信号に変換する(RGB→CMYK)、通常の色変換処理を行う(S100)。ここで通常の色変換処理とは、例えば、色域を大きくしながら粒状感を抑えるように設計された、一般的に用いられる色変換LUTに基づく色変換処理である。
次に、線領域抽出処理(S200)を行うが、具体的には、処理単位領域に含まれる線領域を抽出して線の面積L(画素数)を取得する。このとき、処理単位領域が線領域を含まない場合には、そのまま色分解処理を終了する。ここで、線領域を含むか否かの判定方法としては、各画素における周辺画素との差分に基く手法や周波数解析を行う手法等、周知の手法を用いることができ、特定の手法に限定されない。なお、抽出すべき線領域の太さとしては、1画素幅による細線を抽出対象とすることはもちろんであるが、複数画素による幅を有する線についても、抽出対象とする幅の上限を適宜決定すれば良い。
処理単位領域が線領域を含む場合には、該線領域を描画するための理想ドット数Nを予測する(S300)。なお、本実施形態における理想ドット数Nとは、ドットの集合で表される線が途切れなく見える最小限のドット数を示し、その予測処理の詳細については後述する。
以上のように理想ドット数Nを取得した後は、プリンタ104において処理単位領域に含まれる線領域を形成する記録ドット数を理想ドット数Nに近づける、記録ドット数変更処理(S400)を行う。図4では特にこの記録ドット数変更処理について、S401〜S404として詳細に示している。
まずS401において、処理単位領域に含まれる線領域における現在の総ドット数、すなわち、線領域における各色材のドット数の総計である総ドット数S(S=c+m+y+k)が、理想ドット数Nに十分近い値であるかを判定する。ここでc,m,y,kは、処理単位領域に含まれる線領域において、そのCMYK信号値から算出される各色材のドット数であり、言い換えれば、線領域を構成する各色材のドット数である。なお、総ドット数Sが必ずしもNと完全に等しくなる必要はなく、多少の増減は許容される。そこで、所定の許容ドット数範囲δを設定し、総ドット数SがN±δの範囲内であれば許容するようにしても良いが、例えば0.9N〜1.1Nのように予め許容範囲を定めても良く、その方法は限定されない。
現在の総ドット数Sが理想ドット数Nに十分近い値であると判定された場合には、S402において、該線領域における出力画像信号値C,M,Y,Kの全色について、「ε以上または0」なる制約を満たすか否かを判定する。この時、出力画像信号値C,M,Y,Kの全てが該制約を満たすならば、各色の出力画像信号値を変更せずに、色分解処理を終了する。ここでεは、S200において取得された線の面積Lによって算出される、ドットとして再現可能な最小出力信号値である。ただし、この「最小出力信号値」とは、0を除く最小値であることに注意されたい。
ここで、本実施形態において出力画像信号値に「ε以上または0」なる制約を設ける理由を説明する。例として、出力画像信号値が(C,M,Y,K)=(32/255,64/255,128/255,1/255)である場合について考える。S301において、線領域の面積(画素数)Lが256であれば、各色材はそれぞれ、32、64、128、1ドットだけ印字される。一方、線領域の面積(画素数)が半分、すなわちL=128である場合には、ドット数も半分になる。この時、C,M,Yはそれぞれ16、32、64ドットとなるが、Kについては0.5ドットを打つことはできないため、0ドットでは不足し、1ドットでは多すぎてしまい、いずれにしても線領域の色再現に問題が発生してしまう。そこで本実施形態では、各色の出力画像信号がε以上または0になるように制約を設けることにより、上記例のような出力画像信号値の場合にも、CMYを減らしてKを増加するか、CMYを増やしてKを0とすることで、線領域の色再現を保証する。
以上の説明より明らかなように、Lが小さい場合、特に、255画素以下である場合においては、Lに応じたεが必要となる。設定の一例としては、ドット数に「n個以上または0個」という制約条件を設けるために、ε=256n/Lと設定することができる。
S402において、各出力画像信号値C,M,Y,Kの少なくとも1つが「ε以上または0」なる制約を満たさない場合にはS403に進み、該制約を満たさない出力画像信号値がε以上または0になるように、その最小値を変更する。以下、この処理を最小値変更処理と称し、その詳細については後述する。
また、S401で線領域における現在の総ドット数Sが理想ドット数Nに十分近い値ではないと判定された場合にはS404に進み、総ドット数Sを理想ドット数Nに近づけるための総ドット数調整処理を行う。すなわち、S>NであればC,M,Yを減少してKを増加させ、S<NであればC,M,Yを増加してKを減少させるように制御する。この総ドット数調整処理の詳細については後述する。
総ドット数調整の後はS402に進み、調整後の出力画像信号値C,M,Y,Kの全てが「ε以上または0」なる制約を満たすか否かを判定し、満たさないのであればS403の最小値変更処理を行う。なお、詳細は後述するが、S403では最小値変更の可否が判定され、不可と判定された場合には変更を行わないが、S404で総ドット調整が行われた後にS403で最小値変更不可と判定された場合には、出力画像信号値を総ドット調整前の値まで戻す。
なお、図4に示した色分解処理は処理単位領域ごとに行われ、入力画像の全領域についての処理が終了するまで繰り返される。
●理想ドット数予測処理
以下、上記S300における理想ドット数Nの予測処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。説明する。本実施形態で色分解がなされた出力画像信号は最終的にプリンタ104に送られて、記録媒体上に該出力画像信号に応じたドットが記録されることによって、観察対象となる可視像が形成される。本実施形態における理想ドット数予測処理では、プリンタ104で用いられる色材の特性、記録媒体の特性、および形成された可視像に対する観察距離に基づいて、理想ドット数Nを予測する。
まず、S200で取得した、線領域における線の面積としての画素数L(pixel)を得る(S301)。次に、色材および記録媒体の種類に基づき、ドットゲイン情報を取得する(S302)。ここで、色材の種類とは、例えば色の異なるインクやトナーの種別である。また、同じ色であるが、希釈率やインク滴体積が異なるものも含まれる。また記録媒体の種類とは、例えば光沢紙や普通紙といった異なる種類の記録媒体である。これらの種類に応じて、既知のドットサイズ情報を取得することができる。例えば、出力装置が有する各インク種類について、代表的ないくつかの記録媒体におけるドットサイズ情報を取得しておけば、実用上十分である。なお、ドットサイズ情報には、記録媒体内部の光の反射により色材が記録媒体上に存在する範囲よりも大きく分布しているように見える、オプティカルドットゲインと呼ばれる現象の影響も加味することが好適である。
次に、観察距離に応じたVTF(Visual Transfer Function)を取得する(S303)。ここでVTFとは、観察対象の周波数特性に対する視覚特性であり、画像の見えを評価する上で重要な周知の関数である。VTFは観察距離によって異なるため、例えば、標準的な観察距離を定めて算出することができる。また、記録媒体のサイズに基いて観察距離を推定することもできる。
次に、取得したドットゲイン情報とVTFから、最終的な見えのドット径Rを算出する(S304)。ここで見えドット径Rとは、プリンタ104で記録媒体上に形成され、観察されるドット径である。
そして、線領域の画素数Lと見えドット径Rにより、理想ドット数Nを、N=L/Rとして算出する(S305)。これにより理想ドット数Nが、ドットの集合で表される線領域が、線として途切れなく見える最小限のドット数として算出される。例えば、総ドット数Sが理想ドット数N未満であれば線の途切れが観察され、理想ドット数Nを超えた場合には不必要な滲みが観察されてしまう。
なお、本実施形態における理想ドット数予測処理は上記の例に限らない。例えば、プリンタ104で用いられる色材の特性、記録媒体の特性、およびプリンタ104自身の特性、さらに、形成された可視像に対する観察距離や視覚特性情報等のうち、少なくとも1つに基づいて理想ドット数を予測することが可能である。
●最小値変更処理
以下、上記S403における、出力画像信号の最小値がε以上または0になるように変更する最小値変更処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、説明を簡単にするため、以下ではシアンの出力画像信号Cが「ε以上または0」という制約を満たしていない場合について説明するが、他色の出力画像信号についても同様に適用可能である。
まず、Cを0とした場合のM,Y,Kに対する等色係数β,γ,ωを取得する(S4031)。ここで等色係数β,γ,ωは、CMYK=(C,M,Y,K)の時のL*a*b*値と、CMYK=(0,M-βC,Y-γC,K+ωC)の時のL*a*b*値が等しく、β+γ−ω=−1を満たす係数である。なおL*a*b*値とは、デバイス非依存の独立した色空間として定義されているCIE−L*a*b*色空間における色信号である。等色係数β,γ,ωは、出力画像信号の組み合わせについて測色し、最もよく近似する値を選択して取得することができる。この時用いる測色データは、通常の色変換LUTを作成する際に用いたものを適用しても良く、新たにデータを追加しても良い。より高精度な色変換のためには、Yule-Nielsen Spectral Cellular Neugebauerモデル等の、既知の発色推定手法を用いることが好ましい。
次に、出力画像信号をCMYK=(0,M-βC,Y-γC,K+ωC)に変更した結果、各色の出力画像信号値が出力可能であるか否かを判定する(S4032)。具体的には、Cの信号値を0にし、M−βCおよびY−γCがε以上、かつ、K+ωCが255以下である場合に、変更後の出力画像信号は出力可能であると判定される。ただし、負の信号値や、「ε以上または0」なる制約を満たさない信号値、設定された上限値以上の信号値、等は出力不可能な信号値であると判定される。なお、本実施形態では上限値を255と設定しているが、上限値は任意の値でも良く、または上限値を設けなくても良い。
S4032において、出力画像信号を変更した結果が出力可能であると判定された場合には、以下に示す変更処理を行う(S4033)。ここでは、CMYK=(C,M,Y,K)の出力画像信号を、CMYK=(0,M-βC,Y-γC,K+ωC)に変更することによって、出力画像信号が変更前後で等色を示す。この処理により、再現されるL*a*b*値および総ドット数を変えずに、「ε以上または0」なる制約を満たす出力画像信号が得られる。
一方、S4032における変更結果が出力不可能であると判定された場合には、等色係数β',γ',ω'を取得する(S4034)。ここで等色係数β',γ',ω'は、CMYK=(C,M,Y,K)の時のL*a*b*値と、CMYK=(ε,M+β'(ε-C),Y+γ'(ε-C),K-ω'(ε-C))の時のL*a*b*値が等しく、β'+γ'−ω'=−1を満たす係数である。なお、等色係数β',γ',ω'は、上述した等色係数β,γ,ωと同様の方法によって取得可能である。
次に、出力画像信号をCMYK=(ε,M+β'(ε-C),Y+γ'(ε-C),K-ω'(ε-C))に変更した結果、各色の出力画像信号値が出力可能であるか否かを判定する(S4035)。具体的には、Cの信号値をεにし、M+β'(ε−C)およびY+γ'(ε−C)が255以下、かつ、K−ω'(ε−C)がε以上である場合に、変更後の出力画像信号は出力可能であると判定される。
S4035において、出力画像信号を変更した結果が出力可能であると判定された場合には、以下に示す変更処理を行う(S4036)。すなわち、CMYK=(C,M,Y,K)の出力画像信号を、CMYK=(ε,m+β'(ε-C),Y+γ'(ε-C),K-ω'(ε-C))に変更する。この処理により、再現されるL*a*b*値および総ドット数を変えずに、「ε以上または0」なる制約を満たす出力画像信号が得られる。
一方、S4035における変更結果が出力不可能であると判定された場合には、最小値変更処理を終了する。尚この時、出力画像信号値がS404において調整されたものであれば、調整前の出力画像信号値に戻す。
●総ドット数調整処理
以下、上記S404における、総ドット数Sを理想ドット数Nに近づける総ドット数調整処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、総ドット数Sと理想ドット数Nとの差分d、すなわちd=S−N=c+m+y+k−Nを取得する(S4041)。次に、等色係数α",β",γ",ω"を取得する(S4042)。ここで等色係数α",β",γ",ω"は、CMYK=(C,M,Y,K)の時のL*a*b*値と、CMYK=(C-α"d,M-β"d,Y-γ"d,K+ω"d)の時のL*a*b*値が等しく、α"+β"+γ"−ω"=1を満たす係数である。なお、等色係数α",β",γ",ω"は、上述した等色係数β,γ,ωと同様の方法によって取得可能である。
次に、各出力画像信号の変更処理を行う(S4043)。ここでは、CMYK=(C,M,Y,K)を、CMYK=(C-α"d,M-β"d,Y-γ"d,K+ω"d)に変更する。すなわち、総ドット数Sと理想ドット数Nとの差分dに基づき、出力画像信号が変更前後で等色を示すように、各色の値を変更する。この変更処理によれば、差分dが正、すなわちS>Nの場合にはCMYが減少してKが増加し、逆に差分dが負、すなわちS<Nの場合にはCMYが増加してKが減少するように、それぞれ制御される。この処理により、再現されるL*a*b*値を変えずに、総ドット数をNに十分近づけることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、色材や記録媒体の特性や観察距離といった要素に基き、理論的な限界を考慮した好ましい細線再現、すなわち途切れ、滲みを抑制した好ましい細線再現を、主観評価を行うことなく簡易に実現することができる。
なお、上記実施形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、上記実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
一例としては、上記実施形態では、通常の色変換処理としてLUTを用いる手法について説明したが、行列演算による色変換手法を用いて実現しても同様の効果を得ることができる。また、入力画像信号をRGB色信号として説明したが、αチャンネルや分光情報、図形情報などが付加された入力画像信号であってもよい。また、出力画像信号をCMYK色信号として説明したが、淡シアン(Lc)、淡マゼンタ(Lm)、グレイ(Gy)などの淡色材や、レッド(R)、グリーン(G)などの特色色材を用いても良い。その場合には、CMYとKとの間に成立する置換可能関係が、CとLc、MとLm、KとGy、RとMYなどの間にも成立するため、上記実施形態と同様の色変換処理を適用することが可能である。無論、このような置換可能な組み合わせが多いほど色変換の自由度が高くなるため、より本発明の効果が得られる。また、線周辺の色材料を低減するなどの既存の鮮鋭化手法と組み合わせて適用してもよい。また、発色特性を表すための色空間としてCIE−L*a*b*色空間を採用したが、他にもL*u*v*色空間などの既知の色空間を使用することができる。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (11)

  1. 入力画像信号を色分解して複数色の色材に応じた出力画像信号に変換する変換手段と、
    前記出力画像信号における処理単位領域について、線を示す線領域を抽出する線領域抽出手段と、
    前記線領域を前記色材のドットによって再現する際に必要となる理想ドット数を、該線領域の面積に基づいて予測する理想ドット数予測手段と、
    前記線領域における前記色材の各色のドット数の総計である総ドット数が前記理想ドット数に近づくように、前記出力画像信号を変更するドット数変更手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記理想ドット数は、前記線領域を前記色材のドットによって再現するのに必要となる最小限のドット数であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. さらに、前記出力画像信号を、記録媒体上に前記色材によるドットを記録することによって観察対象となる可視像を形成する画像記録装置へ出力する出力手段を有し、
    前記理想ドット数予測手段は、前記色材の特性、前記記録媒体の特性および前記可視像に対する観察距離、の少なくとも1つに基づいて、前記理想ドット数を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記理想ドット数予測手段は、
    前記色材の種類および前記記録媒体の種類に基づくドットゲイン情報を取得し、
    前記観察距離に基づく視覚特性情報を取得し、
    前記ドットゲイン情報および前記視覚特性情報に基づいて、前記画像記録装置で記録されたドットが観察されるドット径である見えドット径を算出し、
    前記見えドット径および前記線領域の面積に基づいて、前記理想ドット数を算出することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記ドット数変更手段は、前記総ドット数と前記理想ドット数との差分に基づき、前記出力画像信号が変更前後で等色を示すように各色の値を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記ドット数変更手段は、前記総ドット数が前記理想ドット数に対して予め定められた許容ドット数の範囲内でない場合に、前記出力画像信号を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. さらに、前記総ドット数が前記許容ドット数の範囲内である場合に、前記色材の全色について、その最小値が0または予め定められた値以上となるように前記出力画像信号を変更する最小値変更手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記予め定められた値は、前記線領域の面積に基づいて算出される、ドットとして再現可能な最小の出力画像信号値であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記最小値変更手段は、前記出力画像信号が変更前後で等色を示すように、該出力画像信号を変更することを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理装置。
  10. 入力画像信号を色分解して複数色の色材に応じた出力画像信号に変換する変換ステップと、
    前記出力画像信号における処理単位領域について、線を示す線領域を抽出する線領域抽出ステップと、
    前記線領域を前記色材のドットによって再現する際に必要となる理想ドット数を、該線領域の面積に基づいて予測する理想ドット数予測ステップと、
    前記線領域における前記色材の各色のドット数の総計である総ドット数が前記理想ドット数に近づくように、前記出力画像信号を変更するドット数変更ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  11. コンピュータで実行されることにより、該コンピュータを請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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