JP2011022597A - 赤外線感光性平版印刷版用マット剤及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業性及び画像形成特性の両者に優れ、合紙の使用を省略することも可能な感光性平版印刷版を提供すること。
【解決手段】感光性平版印刷版の表面に付着させて使用される赤外線感受性の感光性平版印刷版用粒子状マット剤であって、赤外線吸収染料を含むことを特徴とするマット剤。
【選択図】なし
【解決手段】感光性平版印刷版の表面に付着させて使用される赤外線感受性の感光性平版印刷版用粒子状マット剤であって、赤外線吸収染料を含むことを特徴とするマット剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、赤外線感光性平版印刷版、特に、CTPシステムに使用される赤外線感光性平版印刷版用の粒子状マット剤に関する。
近年、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル信号に対応した光照射により感光層に画像を直接書き込む方法が開発されており、当該方法を平版印刷版原版に利用し、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、直接、感光性平版印刷版に画像を形成するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)システムが注目されている。光照射の光源として、近赤外または赤外領域に最大強度を有する高出力レーザーを用いるCTPシステムは、短時間の露光で高解像度の画像が得られること、そのシステムに用いる感光性平版印刷版が明室での取り扱いが可能であること、などの利点を有している。特に、波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになってきている。
CTPシステム用ポジ型感光性平版印刷版材料としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂に、光熱変換物質と、キノンジアジド化合物とを添加したものが知られている。このようなポジ型平版印刷版の画像部では、キノンジアジド化合物が、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働く一方で、非画像部では、キノンジアジド化合物が熱により分解して溶解阻止能を発現しなくなり、アルカリ可溶性樹脂がアルカリ現像液により除去されて画像を形成する。
一方、CTPシステム用ネガ型感光性平版印刷版としては、光又は熱により酸を発生させる物質を感光層に導入することにより、露光時に発生した酸を触媒として、露光後の加熱処理による縮合架橋反応を生起させ、露光部の感光層を硬化させて画像を形成するものが知られている。さらに、光又は熱によりラジカルを発生させる物質を感光層に導入し、露光時に発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起させ、露光部の感光層を硬化させて画像を形成するものも知られている。
ところで、感光性平版印刷版の感光層表面を保護するために、通常は、合紙と称される紙によって感光層表面を被覆した上で、感光性平版印刷版を保管・搬送することが行われている。
しかし、上記したようなCTPシステム用の感光性平版印刷版においては、感光層表面が柔らかく、また水分などで当該表面が軟化しやすいために、積層枚数を増やすと、感光層表面と合紙との間でブロッキング現象が生じ、合紙の剥離が困難となることがある。
CTPシステムでは、感光性平版印刷版を露光装置に自動的に供給するにあたり、ゴムローラーを用いて合紙を感光層表面から除去したり、或いは、吸盤等で合紙を吸引して感光層表面から剥離する機構を備えるものがあるが、感光層表面と合紙との間でブロッキング現象が生じると、合紙の一部が感光層表面に付着し、また、感光層表面の一部が破損するおそれがある。
そこで、特開2000−235255号公報に記載されるように、感光性平版印刷版の表面にマット剤を付着させ、感光層表面に凹凸を形成することが行われている。これにより、感光層表面と合紙との接触面積が減少して過度の密着を回避することができ、作業性が向上する。また、感光性平版印刷版同士を直接接触させて保管・搬送することも可能であり、これにより、合紙の使用を省略することもできる。
しかし、使用されるマット剤の種類によっては、感光性平版印刷版の非画像部において現像時に感光層が速やかに除去されず、支持体表面に残存し、そこにインクが付着して非画像部の汚れの原因となったり、あるいは、画像部においてボイド又は欠けが現れる、といった問題点があった。このため、作業性及び画像形成特性の両者に優れる感光性平版印刷版が望まれていた。
本発明は、作業性及び画像形成特性の両者に優れ、合紙の使用を省略することも可能な感光性平版印刷版を提供することを目的とする。
本発明の目的は、感光性平版印刷版の表面に付着させて使用される赤外線感光性平版印刷版用粒子状マット剤であって、赤外線吸収染料を含むことを特徴とするマット剤により達成される。
また、本発明は、赤外性吸収染料を含む粒子状マット剤を赤外線感光性平版印刷版の表面に付着させることを特徴とする、赤外線感光性平版印刷版の表面処理方法、並びに、赤外線吸収染料を含む粒子状マット剤が表面に付着された赤外線感光性平版印刷版にも関する。
本発明のマット剤はアルカリ可溶性樹脂又は水分散性樹脂を含んでもよい。
本発明によれば、合紙の除去・感光性平版印刷版のピックアップ等の作業性及び画像形成特性の両者に優れた感光性平版印刷版を提供することができ、また、必要に応じて合紙の使用を省略することもできる。
本発明は、マット剤として赤外線吸収染料を含むものを使用することを主要な特徴とする。以下、本発明について詳細に説明する。
<マット剤>
本発明で使用されるマット剤は赤外線吸収染料を含む。赤外線吸収染料としては最大吸収波長が近赤外線から赤外線領域にある物質、具体的には最大吸収波長が760nm〜1200nmの領域にある限り特に制限されるものではなく、種々の染料が挙げられる。
本発明で使用されるマット剤は赤外線吸収染料を含む。赤外線吸収染料としては最大吸収波長が近赤外線から赤外線領域にある物質、具体的には最大吸収波長が760nm〜1200nmの領域にある限り特に制限されるものではなく、種々の染料が挙げられる。
本発明で使用される染料としては、公知慣用のものが使用でき、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編、昭和45年刊)、「色材工学ハンドブック」(色材協会編、朝倉書店、1989年刊)、「工業用色素の技術と市場」(シーエムシー、1983年刊)、「化学便覧応用化学編」(日本化学会編、丸善書店、1986年刊)に記載されているものが挙げられる。より具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の染料が挙げられる。
また、近赤外線または赤外線を効率よく吸収する染料としては、例えば、シアニン染料、メチン染料、ナフトキノン染料、スクワリリウム色素、アリールベンゾ(チオ)ピリジニウム塩、トリメチンチアピリリウム塩、ピリリウム系化合物、ペンタメチンチオピリリウム塩、赤外吸収染料等が挙げられる。
これらの中でも、下記式(1):
D+A-- (1)
(式中、D+は近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素を示し、A-はアニオンを示す)で表される近赤外線吸収性陽イオン染料が好ましい。
D+A-- (1)
(式中、D+は近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素を示し、A-はアニオンを示す)で表される近赤外線吸収性陽イオン染料が好ましい。
近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素D+としては、近赤外線領域に吸収を持つシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アミニウム系色素、ジインモニウム系色素等が挙げられる。近赤外線領域に吸収を持つ陽イオン色素の具体例としては、下記式(2):
アニオンとしては、ハロゲン陰イオン、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SbF6 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、C6H5SO3 -、CH3C6H4SO3 -、HOC6H4SO3 -、ClC6H4SO3 -、および下記式(3):
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルカリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式基、または飽和もしくは不飽和複素環式基を示し、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つは炭素数1〜8個のアルキル基である)で表されるホウ素陰イオンなどが挙げられる。ホウ素陰イオンとしては、トリフェニルn−ブチルホウ素陰イオン、トリナフチルn−ブチルホウ素陰イオンが好ましい。
染料の含有量は、マット剤に対して、0.001〜30質量%の範囲が好ましく、0.01〜10質量%の範囲が特に好ましい。染料の含有量が0.001質量%未満では、赤外線の吸収が不十分であり、染料の含有量が30質量%を超えると、赤外線の吸収が実質的に飽和に達して添加の効果が上がらない傾向にあるので好ましくない。
本発明のマット剤は粒子状物(微粉末又は微粒子)であり、赤外線吸収染料とその他の成分から構成される。赤外線吸収染料以外のマット剤の構成成分は特に限定されるものではなく、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロリド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリエスチレン及びポリスチレン誘導体並びにこれらの重合体を形成する単量体を用いた共重合体、ポリビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、二酸化ケイ素、珪藻土、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ガラス、アルミナ、デキストリン、澱粉、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、多糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
マット剤はアルカリ性現像液に可溶であるか、或いは、水分散性であることが好ましく、現像液可溶性マット剤の構成成分として各種のアルカリ可溶性樹脂又は水分散性樹脂を好適に使用することができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリスチレン誘導体、及びフェノール樹脂等が好ましく、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂等のアルカリ可溶性樹脂が特に好ましい。
水分散性樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル、酸無水物、アクリルアミド、アクリロニトリル又はスチレンを必須単量体の1つとする共重合体等が好ましく適用される。特に、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、硫酸アニオン、ホスホン酸アニオン、リン酸アニオン等のアニオン性基を有する、親水化された、スチレン(コ)ポリマー、(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマー、ビニルエステル(コ)ポリマー、ビニルエーテル(コ)ポリマー、ビニルケトン(コ)ポリマー、並びに、スルホンアミド基(−SO2NHR:Rは水素原子、またはアルキル基)及び/又は活性イミノ基(−SO2NH−又は−CONXCO−:Xは水素原子、水酸基、またはスルファモイル基を表す)を有する(コ)ポリマーが好ましい。
マット剤の形状は、球形、紡錘形、板状、または、その他の任意の形状でよく、また、マット剤は、マット剤同士の凝集防止を目的としてその表面が改質されていてもよい、マット剤の平均粒径は0.01〜200μmが好ましく、0.1〜150μmがより好ましく、1〜100μmが更に好ましい。
マット剤には、必要に応じて、感度を高めるための環状酸無水物、着色材(染料、顔料)、界面活性剤、脱泡剤、酸発生剤等の各種添加剤を加えることができる。
環状酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。これらの環状酸無水物は、マット剤の1〜15質量%を占めることができる。
着色材としては、例えば、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB等の塩基性油溶性染料等が挙げられる。市販品としては、例えば、「ビクトリアピュアブルーBOH」〔保土谷化学工業(株)製〕、「オイルブルー#603」〔オリエント化学工業(株)製〕、「VPB−Naps(ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩)」〔保土谷化学工業(株)製〕、「D11」〔PCAS社製〕等の染料、並びに、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンレッド、メタニルイエロー等の顔料が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、FC430(3M社製)等のフッ素系界面活性剤、DC190(ダウコーニング社製)等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
脱泡剤としては、例えば、Defoamer T(日光ケミカルズ社製)等のシリコーン化合物の水性エマルジョン、或いは、他の界面活性剤等が挙げられる。
酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、その中でも特に、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレノニウム塩、ジアゾニウム塩、アルソニウム塩等が挙げられる。特に有用なオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、フェニルメチル−o−シアノベンジルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−メトキシ−(4−フェニルアミノ)−フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、3−ジアゾ−4−メトキシジフェニルアミントリフルオトメタンスルホネート等が挙げられる。
マット剤は、上記の各成分を1−メトキシ−2−プロパノール、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)等のエーテル系溶媒、並びに他の有機溶媒、または、水、或いは、有機溶媒同士または有機溶媒と水との混合物に均一に溶解乃至分散させたものを乾燥して得ることができる。必要に応じて乾燥物を、粉砕乃至分級、或いは、造粒してよいが製造効率の面では噴霧乾燥により粒状物を直接得ることが好ましい。
感光性平版印刷版の表面にマット剤を付着させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、粉体状のマット剤を当該表面に散布する;マット剤の分散液を当該表面に直接塗布し、乾燥させる;マット剤の分散液又は溶液をスプレーし(吹き付ける)、乾燥させる等の方法を挙げることができる。
感光性平版印刷版表面に粉体状マット剤を散布する場合は、粉体塗布法、流動浸漬法、静電粉体吹き付け法、静電流動浸漬法等の方法により、マット剤を感光層上に均一に分散或いは散布することが好ましい。散布後、適宜加熱処理(融着処理)を行うことにより感光層表面にマット剤を融着させることができる。融着処理は、熱風又は赤外線ヒーター等の熱源を用いて50〜130℃に加温された炉内に入れるか、加熱ロールを介してマット剤を融解させることにより実施できる。このとき、マット剤は一部が一体化しつつ溶融し、溶融物は感光層上に球状帽子型となって固着するので、ブロッキング防止効果を発揮することができる。
マット剤の分散液を感光性平版印刷版に直接塗布し、乾燥時に表面に融着させる場合には、感光性平版印刷版の感光層を溶解しない有機溶媒、水、またはこれらの混合物にマット剤を超音波等を用いて分散して得られた分散液を感光層上に塗布して乾燥することにより達成される。なお、マット剤の製造に用いられるマット剤の構成成分の均一な分散液を感光層上に直接塗布・乾燥してもよい。
マット剤の分散液又は溶液を感光性平版印刷版にスプレーし、乾燥させる場合には、マット剤の分散液又は溶液を感光性平版印刷版の感光層表面にスプレーし、乾燥して表面に融着させることが好ましい。スプレーの方法としては、エアースプレー法、エアーレススプレー、静電エアースプレー、静電霧化静電塗布法等の公知の方法が採用可能である。なお、マット剤の製造に用いられるマット剤の構成成分の均一な分散液又は溶液を感光層上に直接スプレー・乾燥してもよい。
感光性平版印刷版の表面のマット剤の付着量についても特に制限されるものではないが、0.001〜3g/m2とするのが好ましく、0.01〜2g/m2とするのがより好ましい。
<感光性平版印刷版>
本発明の対象となる感光性平版印刷版は赤外線に感受性を有する限り、すなわち最大吸収波長が760nm〜1200nmの領域にある限り制限は無く、公知の種々の感光層を有するものを採用することができるが、以下に例示する、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、フォトポリマータイプ、無処理タイプが好適である。以下、これらの好適な感光性平版印刷版について説明する。
本発明の対象となる感光性平版印刷版は赤外線に感受性を有する限り、すなわち最大吸収波長が760nm〜1200nmの領域にある限り制限は無く、公知の種々の感光層を有するものを採用することができるが、以下に例示する、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、フォトポリマータイプ、無処理タイプが好適である。以下、これらの好適な感光性平版印刷版について説明する。
(サーマルポジタイプ)
サーマルポジタイプの感光層は、好ましくは、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。アルカリ可溶性高分子化合物としては、高分子中に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、及びこれらの混合物を包含し、特に下記(1)や(2)のような酸性基を有するものが、アルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい:
(1)フェノール性ヒドロキシ基(−Ar−OH:Arはアリーレン基)、
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R:Rは水素原子、またはアルキル基)。
サーマルポジタイプの感光層は、好ましくは、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。アルカリ可溶性高分子化合物としては、高分子中に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、及びこれらの混合物を包含し、特に下記(1)や(2)のような酸性基を有するものが、アルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい:
(1)フェノール性ヒドロキシ基(−Ar−OH:Arはアリーレン基)、
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R:Rは水素原子、またはアルキル基)。
とりわけ、赤外線レーザー等による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有することが好ましく、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−及びm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂;ピロガロールアセトン樹脂が好ましく挙げられる。さらに詳しくは特開2001−305722号公報の[0023]〜[0042]で示されている高分子や、WO02/053627号公報記載の変性フェノール樹脂が好ましく用いられる。
前記光熱変換物質としては、露光エネルギーを熱に変換して感光層の露光部領域の相互作用解除を効率よく行うことを可能とする。記録感度の観点から、波長700〜1200nmの赤外域に光吸収域がある顔料又は染料が好ましい。染料としては。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)等の染料を用いることができる。中でも、シアニン染料が好ましく、特開2001−305722号公報の一般式(I)で示されたシアニン染料を挙げることができる。サーマルポジタイプの組成物中には、前記従来型ポジタイプで記述した物と同様の感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や塗布性を良化するための界面活性剤を加えることが好ましく、詳しくは特開2001−305722号公報の[0053]〜[0059]で示されている化合物が好ましい。
サーマルポジタイプの感光層は単層でもよいし、特開平11−218914号公報に記載されているような2層構造として設けてもよい。
(サーマルネガタイプ)
サーマルネガタイプの感光層は、好ましくは、赤外線レーザー照射部が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層である。このようなサーマルネガタイプの感光層の一つとして、重合型の層(以下、「重合層」という)が好適に挙げられる。重合層は、(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤(ラジカル重合開始剤)と、発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含有する。
サーマルネガタイプの感光層は、好ましくは、赤外線レーザー照射部が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層である。このようなサーマルネガタイプの感光層の一つとして、重合型の層(以下、「重合層」という)が好適に挙げられる。重合層は、(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤(ラジカル重合開始剤)と、発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含有する。
重合層においては、赤外線吸収剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この際発生した熱により、オニウム塩等のラジカル重合開始剤が分解し、ラジカルが発生する。ラジカル重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物から選ばれ、発生したラジカルにより連鎖的に重合反応が生起し、硬化する。
(A)赤外線吸収剤としては、例えば、前述したサーマルポジタイプの感光層に含有される前記光熱変換物質が挙げられるが、特にシアニン色素の具体例としては特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。
(B)ラジカル発生剤としては、オニウム塩が挙げられ、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。
(C)ラジカル重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。
(D)バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーを用いることが好ましくい、水又は弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。特にこれらの中で、ベンジル基又はアリル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度及び現像性のバランスに優れており、好適である。
(C)ラジカル重合性化合物及び(D)バインダーポリマーに関しては同公報[0036]〜[0060]に詳しく記載された物が使用できる。その他の添加物としては、同公報[0061]〜[0068]で示されている添加剤(例えば塗布性を良化するための界面活性剤)を加えることも好ましい。
また、重合型のほかに、サーマルネガタイプの感光層の一つとして、酸架橋型の層(以下、「酸架橋層」という)が好適に挙げられる。酸架橋層は、(E)光又は熱により酸を発生する化合物(以下「酸発生剤」という。)と、(F)発生した酸により架橋する化合物(以下「架橋剤」という。)とを含有し、更に、酸の存在下で架橋剤と反応しうる(G)アルカリ可溶性高分子化合物を含有する。また、赤外線レーザのエネルギーを効率よく使用するため、酸架橋層には(A)赤外線吸収剤が配合される。
(E)酸発生剤としては、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の、熱分解して酸を発生しうる任意の化合物(例えば、3−ジアゾ−4−メトキシジフェニルアミントリフルオロメタンスルホネート)が挙げられる。
(F)架橋剤としては、(i)ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物、(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基又はN−アシルオキシメチル基を有する化合物、又は(iii)エポキシ化合物が挙げられる。
(G)アルカリ可溶性高分子化合物としては、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー等が挙げられる。
(フォトポリマータイプ)
フォトポリマータイプの感光層は光重合型感光性組成物(以下「光重合性組成物」という)から形成され、当該光重合性組成物は付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物(以下、単に「エチレン性不飽和結合含有化合物」という)と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを必須成分として含有し、必要に応じて、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を含有する。
フォトポリマータイプの感光層は光重合型感光性組成物(以下「光重合性組成物」という)から形成され、当該光重合性組成物は付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物(以下、単に「エチレン性不飽和結合含有化合物」という)と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを必須成分として含有し、必要に応じて、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を含有する。
前記エチレン性不飽和結合含有化合物は、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた場合に、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋し硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物である。エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができ、例えば、モノマー、プレポリマー(即ち、2量体、3量体及びオリゴマー)、これらの混合物、これらの共重合体等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。またウレタン系付加重合性化合物も好適である。
前記光重合開始剤としては、使用する赤外光源の波長により、種々の光重合開始剤又は2種以上の光重合開始剤の併用系(光開始系)を適宜選択して用いることができ、例えば、特開2001−22079号公報[0021]〜[0023]で示されている開始系が好ましい。
前記高分子結合剤としては、光重合性組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、感光層をアルカリ現像液に溶解させる必要があるため、アルカリ水に可溶性又は膨潤性である有機高分子重合体が使用される。上記高分子としては特開2001−22079号公報で示されている物が有用である。その他光重合性組成物には、同公報[0079]〜[0088]で示されている添加剤(例えば塗布性を良化するための界面活性剤)を加えることも好ましい。
また、上記感光層の上に、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性保護層を設けることが好ましい。酸素遮断性保護層に含有される重合体としては、ポリビニルアルコールその共重合体が挙げられる。
(無処理タイプ)
無処理タイプの感光層は、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、及び、スルホン酸発生ポリマー含有型等のタイプがあり、本発明は特に印刷機上で現像する無処理タイプのものに適している。
無処理タイプの感光層は、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、及び、スルホン酸発生ポリマー含有型等のタイプがあり、本発明は特に印刷機上で現像する無処理タイプのものに適している。
−熱可塑性微粒子ポリマー型−
熱可塑性微粒子ポリマー型は、(H)疎水性熱溶融性樹脂微粒子が(J)親水性高分子マトリックス中に分散され、赤外線露光部の熱により疎水性のポリマーが溶融し、互いに融着してポリマーによる疎水性領域、即ち、画像部を形成する。(H)疎水性熱溶融性樹脂微粒子(以下「微粒子ポリマー」という)は、微粒子ポリマー同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散するものがより好ましい。
熱可塑性微粒子ポリマー型は、(H)疎水性熱溶融性樹脂微粒子が(J)親水性高分子マトリックス中に分散され、赤外線露光部の熱により疎水性のポリマーが溶融し、互いに融着してポリマーによる疎水性領域、即ち、画像部を形成する。(H)疎水性熱溶融性樹脂微粒子(以下「微粒子ポリマー」という)は、微粒子ポリマー同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散するものがより好ましい。
微粒子ポリマーとしては、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号、同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーを好適なものとして挙げることができる。具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール等のモノマーのホモポリマー若しくはコポリマー又はそれらの混合物を挙げることができる。中でも、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルを用いるのが好ましい。
親水性表面を有する微粒子ポリマーは、微粒子を構成するポリマー自体が親水性であるもの、ポリマーの主鎖又は側鎖に、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、硫酸アニオン、ホスホン酸アニオン、リン酸アニオン等のアニオン性基等の親水性基を導入して親水性を付与したもの等のポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性ポリマー、親水性オリゴマー又は親水性低分子化合物を、微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものを包含する。さらに微粒子ポリマーとして、反応性官能基を有する微粒子ポリマーがより好ましい。上記したような微粒子ポリマーは、(J)親水性高分子マトリックス中に分散させることで、機上現像する場合には機上現像性が良好となり、更に感光層自体の皮膜強度も向上する。
−マイクロカプセル型−
マイクロカプセル型としては、特開2000−118160号公報に示されたタイプや、特開2001−277740号公報に示されたような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好ましくあげられる。
マイクロカプセル型としては、特開2000−118160号公報に示されたタイプや、特開2001−277740号公報に示されたような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好ましくあげられる。
−スルホン酸発生ポリマー含有型−
スルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基又はsec−若しくはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマー等を挙げることができる。
スルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基又はsec−若しくはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマー等を挙げることができる。
無処理タイプの感光層に親水性樹脂を含有させることにより、機上現像性が良好となるばかりか、感光層自体の皮膜強度も向上する。また、親水性樹脂を架橋硬化させて、現像処理不要の平版印刷版原版を得ることができる。
親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するものや、親水性のゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。親水性樹脂の具体的としては、フォトポリマータイプの感光層に用いられる(J)親水性高分子マトリックスとして用いられる親水性樹脂として列挙したものが挙げられる。無処理タイプの感光層においては、親水性樹脂の中でも、ゾルゲル変換系結着樹脂を用いるのが好ましい。
無処理タイプの感光層には、光熱変換物質を添加することが必要である。光熱変換物質は、波長700nm以上の光を吸収する物質であればよく、前記したサーマルポジタイプに用いられた赤外線を吸収する染料と同様の染料が特に好ましい。
本発明の対象となる感光性平版印刷版の感光層は、基板又は当該基板上に任意に設けられる下地層上に、感光層の成分を含む溶液を塗布することにより形成することができる。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を、また、水溶性の感光層を用いる場合には、水、或いはアルコール類等の水性溶媒を挙げることができるがこれに限定されるものではなく、画像形成層の物性にあわせて適宜選択すればよい。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光層の皮膜特性は低下する。支持体上に塗布された感光性組成物の乾燥は、通常、常温で行われる。短時間で乾燥させるために、30〜150℃で10秒〜10分間、温風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて乾燥を行ってもよい。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、ロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、グラビアオフセットコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティング、スプレーコーティング等の方法が用いられる。
<その他の層>
感光性平版印刷版には、感光層の他、目的に応じて、下地層、オーバーコート層、バックコート層などの他の層を適宜設けることもできる。バックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
感光性平版印刷版には、感光層の他、目的に応じて、下地層、オーバーコート層、バックコート層などの他の層を適宜設けることもできる。バックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
<支持体>
支持体は、感光性平版印刷版への使用に必要な強度、耐久性、可撓性などの特性を有するものであれば、任意のものを使用することができる。
支持体は、感光性平版印刷版への使用に必要な強度、耐久性、可撓性などの特性を有するものであれば、任意のものを使用することができる。
支持体としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ステンレス、鉄等の金属板;ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエチレン等のプラスチックフィルム;合成樹脂を溶融塗布あるいは合成樹脂溶液を塗布した紙、プラスチックフィルムに金属層を真空蒸着、ラミネート等の技術により設けた複合材料;その他印刷版の支持体として使用されている材料が挙げられる。これらのうち、特にアルミニウムおよびアルミニウムが被覆された複合支持体の使用が好ましい。
アルミニウム支持体の表面は、保水性を高め、感光層との密着性を向上させる目的で表面処理されていることが望ましい。そのような表面処理としては、例えば、ブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学的エッチング、液体ホーニング、サンドブラスト等の粗面化処理、およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、特に電解エッチングの使用を含む粗面化処理が好ましい。
電解エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、アルカリまたはそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を含む水性溶液が用いられる。これらの中でも、特に、塩酸、硝酸、またはそれらの塩を含む電解液が好ましい。
さらに、粗面化処理の施されたアルミニウム支持体は、必要に応じて酸またはアルカリの水溶液にてデスマット処理される。このようにして得られたアルミニウム支持体は、陽極酸化処理されることが望ましい。特に、硫酸またはリン酸を含む浴で処理する陽極酸化処理が望ましい。
また、粗面化処理(砂目立て処理)および陽極酸化処理後、親水化処理が施されたアルミニウム支持体も好ましい。親水化処理としては、熱水、および無機塩または有機塩を含む熱水溶液へのアルミニウム支持体の浸漬、または水蒸気浴等による封孔処理、ケイ酸塩処理(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、フッ化ジルコニウム酸カリウム処理、ホスホモリブデート処理、アルキルチタネート処理、ポリアクリル酸処理、ポリビニルスルホン酸処理、ポリビニルホスホン酸処理、フィチン酸処理、親水性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、スルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗りによる親水化処理、酸性染料による着色処理、シリケート電着等の処理を行うことができる。
以上のようにして、本発明の対象となる感光性平版印刷版を作製することができる。
<露光・現像>
本発明のマット化剤による処理を受けた感光性平版印刷版は、それぞれの感光層の特性に応じて、画像様露光を受ける。具体的な露光手段としては、例えば、赤外線レーザー、紫外線レーザー、紫外線ランプ、可視光線などによる光照射、γ 線などの電子線照射、サーマルヘッド、ヒートロール、非接触式ヒータや熱風等を用いた加熱ゾーンの利用などによる熱的なエネルギー付与などが適用可能である。特に、本発明が対象とする感光性平版印刷版は、コンピュータ等からのデジタル画像情報を基に、レーザーを使用して直接版上に画像書き込みができる、いわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版として使用できる。その他、デジタル画像書き込み手段としてのGLV(Grafting Light Valve)やDMD(Digital Mirror Device)などの技術を用いた方法により、画像書き込みを行うこともできる。
感光性平版印刷版の露光用レーザーの光源としては、近赤外から赤外領域に最大強度を有する高出力レーザーが最も好ましく用いられる。このような近赤外から赤外領域に最大強度を有する高出力レーザーとしては、760nm〜3000nm、特に760nm〜11200nmの近赤外から赤外領域に最大強度を有する各種レーザー、例えば、半導体レーザー、YAGレーザー等が挙げられる。また、必要に応じ感光層にレーザーで画像書き込みを行った後、ヒートオーブンなどにより加熱処理を行ってから現像処理をしてもよい。
感光性平版印刷版は、例えば、感光層にレーザー光を用いて画像を書き込んだ後、これを現像処理して非画像部が湿式法により除去されることによって、画線部が形成された平版印刷版となる。現像処理に使用される現像液としては、水、または水性アルカリ現像液を使用できる。
ここで、水性アルカリ現像液とは、通常は、pH12以上のアルカリ性水溶液が使用される。
現像液に用いられるアルカリ化剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第二又は第三リン酸のナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機のアルカリ化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン等の有機のアルカリ化合物が挙げられる。
現像液中のアルカリ化剤の含有量は、0.005〜10質量%の範囲が好ましく、0.05〜5質量%の範囲が特に好ましい。現像液中のアルカリ化剤の含有量が0.005質量%より少ない場合、現像が不良となる傾向にあり、また、10質量%より多い場合、現像時に画像部を浸食する等の悪影響を及ぼす傾向にあるので好ましくない。
現像液には有機溶剤を添加することもできる。現像液に添加することができる有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチル、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビトール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロロベンゼン、などが挙げられる。現像液に有機溶媒を添加する場合の有機溶媒の添加量は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
さらにまた、上記現像液中には必要に応じて、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩;アルカリ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化合物、メチルレゾルシン等のヒドロキシ芳香族化合物;ポリリン酸塩、アミノポリカルボン酸類等の硬水軟化剤;イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種界面活性剤や各種消泡剤を添加することができる。更に、着色剤、可塑剤、キレート剤、安定向上剤等を含有していてもよい。
現像液としては、実用上は、市販されているネガ型PS版用またはポジ型PS版用の現像液を用いることができる。具体的には、市販されている濃縮型のネガ型PS版用、あるいはポジ型PS版用の現像液を1〜1000倍に希釈したものを、本発明における現像液として使用することができる。
また、無処理タイプの感光性平版印刷版の場合には、感光層の特性に応じて水で現像可能なことから、感光層にレーザー光を用いて画像を書き込んだ後、通常の強アルカリ性現像液による現像処理をすることなくそのまま印刷機に装着し、印刷機上で平版印刷版に湿し水を供給して、この湿し水で現像処理することも可能である。
現像液の温度は、5〜90℃の範囲が好ましく、10〜50℃の範囲が特に好ましい。浸漬時間は1秒〜5分の範囲が好ましい。必要に応じて、現像中に軽く表面を擦ることもできる。
現像を終えた平版印刷版は、水洗および/または水系の不感脂化剤による処理が施される。水系の不感脂化剤としては、例えば、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロースの如き水溶性天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の如き水溶性合成高分子、などの水溶液が挙げられる。必要に応じて、これらの水系の不感脂化剤に、酸や界面活性剤等が加えられる。不感脂化剤による処理が施された後、平版印刷版は乾燥され、印刷刷版として印刷に使用される。
また、現像後、加熱処理を行うことで、強固な画像を得ることができる。加熱処理は、通常70℃〜300℃の範囲が好ましく、好適な加熱時間は、加熱温度との兼ね合いで決まるが、10秒〜30分程度である。
このように、本発明のマット剤による処理を受けた平版印刷版原版は、デジタル信号に基づいた走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものは水または水性現像液で現像でき、あるいは現像処理することなくそのまま印刷機に装着して印刷が可能である。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
[実施例1]
マット剤により処理されたサーマルポジ型CTP版を以下のように調製した。
マット剤により処理されたサーマルポジ型CTP版を以下のように調製した。
電気的に粗面化されたアルミニウム基板上に、12番手のロッドバーを用いて表1の組成を有する被覆溶液を塗布し、100℃で2分乾燥した。乾燥被覆重量は2.0g/2であった。
上記のように製造された感光性平版印刷版の表面に、表2に示す2種類の組成の溶液A及びBを、ガラススプレー装置を用いて、それぞれ散布し、乾燥した。感光性平版印刷版表面に付着したマット剤の粒径は平均100μmであった。
次に、溶液A及びBそれぞれで表面処理された感光性平版印刷版A及びB、並びに、表面未処理の感光性平版印刷版Cをトレンドセッター3244(9w/150rpm:クレオ社製)により100%、50%及び0%ドットで露光し、PK910現像機(コダックポリクロームグラフィックス株式会社製)を用いてPD1現像原液(コダックポリクロームグラフィックス株式会社製)を水で8倍に希釈した現像液で30℃で25秒間現像した。
一方、図1に示すように、感光性平版印刷版の表面にフィルムを載置した状態で当該フィルム側から吸引器により吸引した場合に感光性平版印刷版が当該フィルムと一緒に吸引器により保持される時間を測定することにより、感光性平版印刷版A、B及びCの吸引落下特性を評価した。結果を表3に示す。
本発明の感光性平版印刷版Aは良好な感度及び吸引落下特性を有する。一方、感光性平版印刷版Bは良好な吸引落下特性を有するものの、非画像部にスポットが現れ(0%ドット及び50%ドット)、実用的でない。また、感光性平版印刷版Cは良好な感度を有するが、吸引落下特性に乏しく、したがって、合紙とのブロッキング傾向が高い。
[実施例2]
マット剤により処理されたプレヒート+サーマルネガ型CTP版を以下のように調製した。
マット剤により処理されたプレヒート+サーマルネガ型CTP版を以下のように調製した。
電解研磨され、陽極酸化され、且つ、親水化処理されたアルミニウム基板上に、表4に示す組成の被覆溶液を8番のロッドバーを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥した。乾燥被覆重量は1.5g/m2であった。
上記のように製造された感光性平版印刷版の表面に、表5に示す2種類の組成の溶液D及びEを、ガラススプレー装置を用いて、それぞれ散布し、乾燥した。感光性平版印刷版表面に付着したマット剤の粒径は平均100μmであった。
次に、溶液D及びEのそれぞれで表面処理された感光性平版印刷版D及びE、並びに、表面未処理の感光性平版印刷版Fをトレンドセッター3244(8w/150rpm:クレオ社製)により、100%、50%及び0%ドットで露光し、ウィンスコンシンオーブンで2.5フィート/分(0.76m/秒)の速度でプレヒートし、PK910現像機(コダックポリクロームグラフィックス株式会社製)を用いてPD1R1現像原液(コダックポリクロームグラフィックス株式会社製)を水で5倍に希釈した現像液で30℃で25秒間現像した。
一方、実施例1と同様に、感光性平版印刷版D、E及びFの吸引落下特性を評価した。結果を表6に示す。
本発明の感光性平版印刷版Dは良好な感度及び吸引落下特性を有する。一方、感光性平版印刷版Eは良好な吸引落下特性を有するものの、画像部にボイド(100%ドット)並びにドットの欠け(50%ドット)が現れ、実用的でない。また、感光性平版印刷版Fは良好な感度を有するが、吸引落下特性に乏しく、したがって、合紙とのブロッキング傾向が高い。
[実施例3]
マット剤により処理された赤外レーザーフォトモードネガ型CTP版を以下のように調製した。
マット剤により処理された赤外レーザーフォトモードネガ型CTP版を以下のように調製した。
電解研磨され、陽極酸化され、且つ、親水化処理されたアルミニウム基板上に、表4に示す組成の被覆溶液を12番のロッドバーを用いて塗布し、110℃で30秒乾燥した。乾燥被覆重量は2.0g/m2であった。
上記のように製造された感光性平版印刷版の表面に、表8に示す2種類の組成の溶液G及びHを、ガラススプレー装置を用いて、それぞれ散布し、乾燥した。感光性平版印刷版表面に付着したマット剤の粒径は平均100μmであった。
※Watersol ACD-1123;N,N−ジメチルアクリルアミド/EMA/MAAm=60/20/20(重量比)
※メタニルイエロー;カラーインデックスNo.13065(CAS.No.[587−98−4]
※IR染料S0306
※脱泡剤;16%ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョン(日光ケミカルズ株式会社)
※メタニルイエロー;カラーインデックスNo.13065(CAS.No.[587−98−4]
※IR染料S0306
次に、溶液G及びHのそれぞれで表面処理された感光性平版印刷版D及びE、並びに、表面未処理の感光性平版印刷版Iをトレンドセッター3244(10w/150rpm:クレオ社製)により、100%、50%及び0%ドットで露光し、PK910現像機(コダックポリクロームグラフィックス株式会社製)を用いて、PD1現像原液、NBL及び水をPD1/NBL/水=14/40/140の割合で混合した現像液で、30℃で、10、15及び20秒間現像した。
一方、実施例1と同様に、感光性平版印刷版G、H及びIの吸引落下特性を評価した。結果を表9に示す。
本発明の感光性平版印刷版Gは良好な感度及び吸引落下特性を有する。一方、感光性平版印刷版Hは10秒間現像した場合に非画像部にスポット(50%及び100%ドット)が現れ、15秒間現像した場合に許容可能なグレードとなる。したがって、感光性平版印刷版Hの現像ラチチュードは感光性平版印刷版Gのそれよりも狭い。感光性平版印刷版Fは良好な感度を有するが、吸引落下特性に乏しく、したがって、合紙とのブロッキング傾向が高い。
[実施例4]
マット剤により処理されたサーマルネガ型CTP版を以下のように調製した。
マット剤により処理されたサーマルネガ型CTP版を以下のように調製した。
電解研磨され、陽極酸化され、且つ、親水化処理されたアルミニウム基板上に、表10に示す組成の被覆溶液が12番のロッドバーを用いて塗布し、80℃で60秒乾燥した。乾燥被覆重量は2.0g/m2であった。
※水分散性樹脂
無水マレイン酸/スチレン/アクリロニトリル=15/55/30(重量比)コポリマー
無水マレイン酸/スチレン/アクリロニトリル=15/55/30(重量比)コポリマー
上記のように製造された感光性平版印刷版の表面に、表11に示す2種類の組成の溶液J及びKを、ガラススプレー装置を用いて、それぞれ散布し、乾燥した。感光性平版印刷版表面に付着したマット剤の粒径は平均100μmであった。
次に、溶液J及びKのそれぞれで表面処理された感光性平版印刷版J及びK、並びに、表面未処理の感光性平版印刷版Lをトレンドセッター3244(10w/150rpm:クレオ社製)により、100%、50%及び0%ドットで露光し、PK910現像機(コダックポリクロームグラフィックス株式会社製)を用いて、F18現像液で、30℃で、15、20及び25秒間現像した。
一方、実施例1と同様に、感光性平版印刷版J、K及びLの吸引落下特性を評価した。結果を表12に示す。
本発明の感光性平版印刷版Jは良好な感度及び吸引落下特性を有する。一方、感光性平版印刷版Kは15秒間現像した場合に非画像部にスポット(50%及び0%ドット)が現れ、25秒間現像した場合に画像部にボイドが現れる。したがって、感光性平版印刷版Kの現像ラチチュードは感光性平版印刷版Jのそれよりも狭い。感光性平版印刷版Lは良好な感度を有するが、吸引落下特性に乏しく、したがって合紙とのブロッキング傾向が高い。
[実施例5]
以下の3種の感光性平版印刷版が調製された。
(1)比較例L
実施例4で製造された印刷版Lと同一
(2)比較例M
被覆溶液に0.5重量%のポリマービーズ(ポリエステルビーズ:平均粒径6ミクロン、Paul West社製)を添加した以外は実施例4の感光性平版印刷版Lと同一。乾燥被覆重量は2.0g/2であった。
(3)感光性平版印刷版N
感光性平版印刷版L上に溶液Jを静電スプレーガンにて噴霧したもの。スプレーガンの使用条件は以下のとおりである。
以下の3種の感光性平版印刷版が調製された。
(1)比較例L
実施例4で製造された印刷版Lと同一
(2)比較例M
被覆溶液に0.5重量%のポリマービーズ(ポリエステルビーズ:平均粒径6ミクロン、Paul West社製)を添加した以外は実施例4の感光性平版印刷版Lと同一。乾燥被覆重量は2.0g/2であった。
(3)感光性平版印刷版N
感光性平版印刷版L上に溶液Jを静電スプレーガンにて噴霧したもの。スプレーガンの使用条件は以下のとおりである。
印刷版L、M及びNについて、吸引保持特性、並びに、真空吸引システムを用いた自家製自動ピックアップ装置を用いて作業性を試験した。結果を表14に示す。
◎:ピックアップに問題なし
△:通常又は遅いスピードでのピックアップに問題なし。但し、高速では問題が生じるおそれあり
×:許容不可
△:通常又は遅いスピードでのピックアップに問題なし。但し、高速では問題が生じるおそれあり
×:許容不可
比較例Lは合紙があればピックアップ、吸引、保持等の操作が問題なく行えたが、合紙がない場合はこれらの操作は困難であった。比較例M及び感光性平版印刷版Nは合紙が無くともピックアップ、吸引、保持等の操作を行うことができたが、総合的な作業性の点では、比較例Mよりも本発明の感光性平版印刷版Nの方が優れていた。
Claims (6)
- 赤外線感光性平版印刷版の表面に付着させて使用される感光性平版印刷版用粒子状マット剤であって、赤外線吸収染料を含むことを特徴とするマット剤。
- 前記マット剤がアルカリ可溶性樹脂又は水分散性樹脂を含むことを特徴とする、請求項1記載のマット剤。
- 赤外線吸収染料を含む粒子状マット剤を赤外線感光性平版印刷版の表面に付着させることを特徴とする、感光性平版印刷版の表面処理方法。
- 前記マット剤がアルカリ可溶性樹脂又は水分散性樹脂を含むことを特徴とする、請求項3記載の方法。
- 赤外線吸収染料を含む粒子状マット剤が表面に付着された赤外線感光性平版印刷版。
- 前記マット剤がアルカリ可溶性樹脂又は水分散性樹脂を含むことを特徴とする、請求項5記載の赤外線感光性平版印刷版。
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