JP2011022227A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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恭太 肥塚
善之 ▲高▼野
Yoshiyuki Takano
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紀行 神谷
Tsutomu Suzuki
励 鈴木
Hiroya Abe
紘也 阿部
Takashi Innami
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Abstract

【課題】現像剤へのストレスを軽減するとともに、現像剤の滞留を防止できる現像装置を提供する。そして、前記現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、前記プロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置4は、搬送マグネットローラ125と搬送スリーブ126とで構成された搬送ローラ116を有する。搬送スリーブ126は、現像ローラ16と回収スクリュ19との間で且つその一部が回収スクリュ19の上方におおいかかるように配置されている。そして、搬送マグネットローラ125には、現像ローラ16の剤切れ領域で剥離された現像剤を、搬送スリーブ126の外周面に担持して回収スクリュ19の上方まで搬送したのち搬送スリーブ126の外周面から剥離させる、複数の磁極が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる二成分現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、現像剤担持体から剥離された現像剤を現像剤回収室へ搬送する搬送ローラを有する現像装置、前記現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、前記プロセスカートリッジを有する画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置には、トナーと磁性キャリアとを含んだ所謂二成分現像剤(以下「現像剤」という)を用いて画像を形成する種々の現像装置が用いられる。この種の現像装置は、現像剤を静電潜像担持体としての感光体ドラムと対向する領域(即ち、現像ローラと感光体ドラムとの間で現像可能電界が確保されている領域、現像領域という)に搬送し、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラを備えている。
現像剤は、現像剤供給室から上記現像ローラの外周面に汲み上げられて現像領域まで搬送される。そして、現像領域で現像に用いられた現像剤(使用済み現像剤)は、現像ローラに設けられた剤切れ領域において現像ローラから剥離され、現像剤回収室に集められて、新しいトナーとともに攪拌されたのち、現像剤供給室に送られて、再度現像に用いられる。つまり、現像剤は、現像装置内を循環移動される。
このような現像装置として、従来、2軸搬送型の現像装置が開示されている(図18に示す)。この現像装置300は、現像ローラ310の下方に配置された、現像剤供給室及び現像剤回収室を兼ねる供給回収搬送路321と、この供給回収搬送路321内に現像ローラ310と平行に相対して設けられ、供給回収搬送路321内の現像剤を現像ローラ310に供給しつつ一方向に搬送し且つ現像ローラ310から剥離された現像剤を回収する供給回収スクリュ322と、供給回収搬送路321と仕切板325を挟んで水平に配置され、両端部が供給回収搬送路321と連通された攪拌搬送路323と、この攪拌搬送路323内に供給回収スクリュ322と平行に設けられ、攪拌搬送路323内の現像剤を前記一方向とは反対の他方向に搬送する攪拌搬送スクリュ324と、を備えている。しかしながら、このような構成の2軸搬送型の現像装置300は、使用済みの現像剤が現像ローラ310から供給回収搬送路321内に落下するので、回収された直後の使用済み現像剤が、新しいトナーと攪拌されることなく、直ぐに現像ローラ310に供給されてしまうことがあり、画像品質が低下して、良好な画像が得られないという問題があった。
このような問題を解決する技術として、特許文献1〜3に、一方向循環方式の現像装置が開示されている。これらの一方向循環方式の現像装置によれば、使用済みの現像剤が、回収直後に再度現像に使用されてしまうことなく、新しいトナーと攪拌されたのちに現像ローラに供給されるので、上記のような問題を解決することができた。また、特に、特許文献3の現像装置400によれば、図19に示すように、現像剤供給室401の上方に現像剤回収室403が設けられているので、現像剤循環移動動作において、現像剤をスクリュによって上方に持ち上げることが無くなり、そのため、現像剤へのストレスを軽減することができ、さらに、現像ローラ541から現像剤を剥ぎ取るとともに、回収スクリュ546に向かって搬送する剥ぎ取りローラ545を備えているので、この剥ぎ取りローラ545によって、使用済み現像剤が、現像ローラ541と、現像剤供給室401及び現像剤回収室403を仕切る第2隔壁405と、の隙間から現像剤供給室401に落下することを防止でき、そのため、画像品質の低下をより一層防いで、さらに良好な画像を得ることができた。
しかしながら、特許文献3の現像装置においては、剥ぎ取りローラ545と回収スクリュ546とが水平方向に間隔をあけて配置されているので、剥ぎ取りローラ545によって、搬送された使用済みの現像剤が、第2隔壁405上における剥ぎ取りローラ545と回収スクリュ546との間の箇所に滞留して、現像剤の循環が滞ってしまうことがあり、そのため、上記問題を十分に改善するものではなかった。また、現像剤が、剥ぎ取りローラ545と第2隔壁405(即ち、ケース)との間を通されるので、これら間に挟まれることにより、現像剤にストレスが生じて現像剤の劣化を早めてしまい、経時による画像品質の低下が生じるという問題があった。
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、現像剤へのストレスを軽減するとともに、現像剤の滞留を防止できる現像装置を提供することを目的としている。そして、本発明は、前記現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、前記プロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、(a)現像剤を外周面に担持して前記外周面上に設けられた剤切れ領域まで搬送する現像ローラと、(b)前記現像ローラより下方に設けられた現像剤供給室と、(c)前記現像剤供給室内に前記現像ローラと平行に設けられた、前記現像剤を前記現像ローラに供給する、供給スクリュと、(d)前記現像剤供給室より上方に設けられた現像剤回収室と、(e)前記現像剤回収室内に前記現像ローラと平行に設けられた、前記現像ローラの剤切れ領域で剥離された前記現像剤を回収する、回収スクリュと、を有する現像装置において、磁界発生部材と、前記磁界発生部材を内包するとともに前記現像ローラと平行に且つ回転可能に設けられた円筒状の中空体と、で構成された搬送ローラを有し、前記中空体が、前記現像ローラと前記回収スクリュとの間で且つその一部が前記回収スクリュの上方におおいかかるように配置され、そして、前記磁界発生部材には、前記現像ローラの剤切れ領域で剥離された前記現像剤を、前記中空体の外周面に担持して前記回収スクリュの上方まで搬送したのち前記中空体の外周面から剥離させる、複数の磁極が設けられていることを特徴とする現像装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記現像ローラの剤切れ領域の上流側端部が、前記現像ローラの軸を通る水平線よりも上方に配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記中空体の外周面には、粗面化処理が施されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記中空体の外周面には、平面視で円形又は楕円形状とした凹みが、規則的に又は不規則的に多数設けられていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4に記載された発明において、前記現像剤が、トナーと磁性粒子とを有するとともに、該磁性粒子の平均粒径が、20μm以上でかつ50μm以下であることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記磁性粒子が、磁性体で構成される芯材とその表面を被覆した樹脂コート膜とを有し、そして、該樹脂コート膜が、アクリル系樹脂とメラミン樹脂とを架橋させて得た樹脂成分及び帯電調整剤を含有していることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、上記目的を達成するために、現像装置、静電潜像担持体、及び、帯電手段を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置が、請求項1〜6に記載の現像装置で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項8に記載された発明は、上記目的を達成するために、プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写手段、及び、定着手段を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項7に記載のプロセスカートリッジで構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、(a)現像剤を外周面に担持して前記外周面上に設けられた剤切れ領域まで搬送する現像ローラと、(b)前記現像ローラより下方に設けられた現像剤供給室と、(c)前記現像剤供給室内に前記現像ローラと平行に設けられた、前記現像剤を前記現像ローラに供給する、供給スクリュと、(d)前記現像剤供給室より上方に設けられた現像剤回収室と、(e)前記現像剤回収室内に前記現像ローラと平行に設けられた、前記現像ローラの剤切れ領域で剥離された前記現像剤を回収する、回収スクリュと、を有する現像装置において、磁界発生部材と、前記磁界発生部材を内包するとともに前記現像ローラと平行に且つ回転可能に設けられた円筒状の中空体と、で構成された搬送ローラを有し、前記中空体が、前記現像ローラと前記回収スクリュとの間で且つその一部が前記回収スクリュの上方におおいかかるように配置され、そして、前記磁界発生部材には、前記現像ローラの剤切れ領域で剥離された前記現像剤を、前記中空体の外周面に担持して前記回収スクリュの上方まで搬送したのち前記中空体の外周面から剥離させる、複数の磁極が設けられているので、現像ローラから剥離された現像剤を、搬送ローラによって回収スクリュの上方まで搬送したのち該回収スクリュ上に落下させることができ、即ち、現像剤を、ケース上を伝わせることなく、搬送ローラを経由して現像ローラから回収スクリュまで直接搬送することができ、そのため、ケース上での現像剤の滞留を防止できるとともに、現像剤が搬送ローラとケースとの間に挟まれることを回避して、現像剤へのストレスを軽減することができる。したがって、画像品質の低下を防止して、良好な画像を得ることができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記現像ローラの剤切れ領域の上流側端部が、前記現像ローラの軸を通る水平線よりも上方に配置されているので、剤切れ領域まで搬送された現像剤を、現像ローラの外周面から落下する前に搬送ローラの磁界発生部材によって中空体の外周面に担持でき、そのため、使用済みの現像剤が搬送ローラに吸着される前に、現像ローラの外周面から落下してしまうことをさらに防止して、より確実に現像ローラから搬送ローラに受け渡すことができ、画像品質の低下をより防ぐことができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記中空体の外周面には、粗面化処理が施されているので、中空体の外周面上での現像剤のスリップを防いで現像剤を確実に搬送できる。
請求項4に記載された発明によれば、前記中空体の外周面には、平面視で円形又は楕円形状とした凹みが、規則的に又は不規則的に多数設けられているので、中空体の外周面上での現像剤のスリップを防いで現像剤を確実に搬送できるとともに、上記凹みは経時使用によっても形状変化(摩耗)が少なく、そのため、経時による現像剤搬送性能の低下を防止することができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記現像剤が、トナーと磁性粒子とを有するとともに、該磁性粒子の平均粒径が、20μm以上でかつ50μm以下であるので、粒状性に優れた画像を経時的に安定して提供することができる。
請求項6に記載された発明によれば、前記磁性粒子が、磁性体で構成される芯材とその表面を被覆した樹脂コート膜とを有し、そして、該樹脂コート膜が、アクリル系樹脂とメラミン樹脂とを架橋させて得た樹脂成分及び帯電調整剤を含有しているので、磁性粒子表面における耐摩耗性を向上させることができ、そのため、粒状性に優れた画像を一層経時的に安定して提供することができる。
請求項7に記載された発明によれば、現像装置、静電潜像担持体、及び、帯電手段を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置が、請求項1〜6に記載の現像装置で構成されているので、画像品質の低下を防ぐことができるプロセスカートリッジを提供できる。
請求項8に記載された発明によれば、プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写手段、及び、定着手段を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項7に記載のプロセスカートリッジで構成されているので、画像品質の低下を防ぐことができる画像形成装置を提供できる。
本発明の現像装置及びプロセスカートリッジの一実施形態を示す断面図である。 図1の現像装置の一部分解斜視図である。 図1の現像装置が備える現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界の強さ(法線方向の磁束密度)を模式的に示す図である。 磁束密度の半値幅及び半値中央角度を説明する図である。 図1の現像装置で用いられる現像剤に含まれる磁性キャリアの断面図である。 図1の現像装置における現像剤の循環を説明する図である。 図1の現像装置が備える現像ローラ、搬送ローラ、及び、回収スクリュでの現像剤の受渡しを説明する図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を説明する構成図である。 本発明の現像装置の実施例1の構成を示す模式図である。 本発明の現像装置の実施例2の構成を示す模式図である。 本発明の現像装置の実施例3の構成を示す模式図である。 本発明の現像装置の実施例4の構成を示す模式図である。 本発明の現像装置の実施例5の構成を示す模式図である。 本発明の現像装置の実施例6、7の構成を示す模式図である。 図9、図10の現像装置における磁気波形を模式的に示す図である。 図11、図12の現像装置における磁気波形を模式的に示す図である。 図13、図14の現像装置における磁気波形を模式的に示す図である。 従来の2軸搬送型の現像装置を示す断面図である。 従来の一方向循環方式の現像装置を示す断面図である。
(現像装置の一実施形態)
以下、本発明に係る現像装置の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
現像装置4は、各図に示すように、ケース28と、現像剤供給室41と、現像剤回収室42と、供給スクリュ18と、回収スクリュ19と、現像ローラ16と、搬送ローラ116と、現像ドクタ17と、図示しないトナー濃度検知手段と、を備えている。
ケース28は、金属又は合成樹脂などからなり、図1に示すように、中空箱形で、上下に二分割可能に形成されている。ケース28の内側には、現像剤供給室41と現像剤回収室42とが一体に形成されているとともに、上述した現像装置4が備える各構成部材が収容されている。
現像剤供給室41は、断面略U字の樋状に形成されており、ケース28の内側下部に設けられている。現像剤供給室41の内部には、現像剤(図示なし)とともに供給スクリュ18が収容されている。
現像剤回収室42は、現像剤供給室41と同様に断面略U字の樋状に形成されており、現像剤供給室41の斜め上方に平行に設けられている。現像剤回収室42の長手方向の一端部42aの上方には、現像剤回収室42に新しいトナー(ニュートナー)を供給するためのトナー供給口23が、ケース28の上壁を貫通して設けられている。トナー供給口23には、後述するトナーホッパ11が取り付けられる。現像剤回収室42の長手方向の一端部42aには、現像剤供給室41の一端部41aと連通する図示しない一端側連通孔が設けられている。現像剤回収室42の他端部42bには、現像剤供給室41の他端部41bと連通する図示しない他端側連通孔が設けられている。現像剤回収室42の内部には、現像剤(図示なし)とともに回収スクリュ19が収容されている。現像剤供給室41と現像剤回収室42との間には、それぞれを仕切る仕切壁44がケース28と一体に設けられている。この仕切壁44は、その先端44aが僅かな隙間をあけて現像ローラ16と相対するように設けられている。
供給スクリュ18は、芯金と該芯金の周囲に設けられた螺旋状のブレードとを備えている。供給スクリュ18は、現像剤供給室41内に後述する現像ローラ16と平行に相対して設けられている。供給スクリュ18は、ブレードが僅かな間隔をあけて現像剤供給室41の内面下部の曲面に沿うように、その外径が定められている。供給スクリュ18は、軸心を中心として現像剤供給室41内で回転することにより、現像剤供給室41内の現像剤を、現像ローラ16に供給しつつその長手方向の他端部41bから一端部41aに向けて搬送する。また、供給スクリュ18は、現像剤供給室41の一端部41aまで搬送された現像剤を、上述した一端側連通孔を通じて、現像剤回収室42の一端部42aへ送り出す。なお、現像剤供給室41内の現像剤は、供給スクリュ18によって大半が現像ローラ16に供給されるので、実際に一端側連通孔を通じて一端部41aに送り出される現像剤は少量である。そのため、供給スクリュ18によって現像剤を下方から上方に押し上げる際に生じる現像剤へのストレスはほとんど無い。
回収スクリュ19は、供給スクリュ18と同様に芯金と該芯金の周囲に設けられた螺旋状のブレードとを備えている。回収スクリュ19は、現像剤回収室42内に供給スクリュ18と平行に設けられている。回収スクリュ19は、ブレードが僅かな間隔をあけて現像剤回収室42の内面下部の曲面に沿うように、その外径が定められている。回収スクリュ19は、軸心を中心として現像剤回収室42内で回転することにより、現像剤回収室42内の現像剤を、トナー供給口23から供給された新しいトナーと攪拌しつつその長手方向の一端部42aから他端部42bに向けて搬送する。また、回収スクリュ19は、現像剤回収室42の他端部42bまで搬送された現像剤を、上述した他端側連通孔を通じて、現像剤供給室41の他端部41bへ送り出す。
現像ローラ16は、供給スクリュ18によって現像剤供給室41から供給された現像剤を、その外周面上に担持して該現像ローラ16と後述する感光体1との間に形成される現像領域G(図3)に向けて担持搬送する。現像ローラ16は、図1、図2に示すように、現像マグネットローラ25と、現像スリーブ26と、を備えている。
現像マグネットローラ25は、硬質の金属等で形成された軸部としての芯金29と、前記芯金29を軸心として磁性粉を高分子化合物と混合したプラスチックマグネット又はゴムマグネットなどからなる円柱状の本体部30と、で構成されている。芯金29は、現像装置4のケース28に設けられた軸受部27などに回転しないように固定されている。また、芯金29と本体部30も互いに固定されている。
現像マグネットローラ25の本体部30は、磁性粉として、例えば、Srフェライト又はBaフェライトなどを用いることができ、高分子化合物として、例えば、6PAもしくは12PA等のポリアミド(PA)系材料、エチレン・エチル共重合体(EEA)又はエチレン・ビニル共重合体(EVA)等のエチレン系化合物、塩素化ポリエチレン(CPA)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料を用いることができる。本実施形態では、現像マグネットローラ25は、芯金29を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、芯金29の代わりに本体部30の両端面から同軸に突出する一対の軸部を設けるなどしてもよい。芯金29の一端部には、その外周面の一部を弦に沿って切り欠いた位置決め面29aが設けられている。現像マグネットローラ25は、位置決め面29aが上方を向き且つ水平になるようにして、現像装置4内に配設される。
現像マグネットローラ25は、その軸方向に沿い本体部30の全長に亘ってN極又はS極に形成された複数の固定磁極(図示なし)を備えている。これら複数の固定磁極は、現像スリーブ26(即ち、現像ローラ16)の外周面26a上に磁気力を生じて、現像剤を外周面26aに吸着する。複数の固定磁極は、着磁ヨークを備えた着磁治具を用い、前記着磁ヨークを現像マグネットローラ25の本体部30の外周面30aに近接又は当接することにより、現像マグネットローラ25の本体部30の外周面30a上に直接形成される。また、特に強力な磁力が必要な場合、現像マグネットローラ25の本体部30の外周面30aに軸方向に沿う凹溝を全長に亘って設け、該凹溝に、高磁力を有する長尺の希土類マグネットブロックを嵌め込むことにより、固定磁極を設けるなどしてもよい。
現像マグネットローラ25には、5つの固定磁極(P1〜P3、P5、P6)が設けられている。これら複数の固定磁極の数及び配置は、現像装置4の構成に応じて、適宜定められる。
図3に現像マグネットローラ25の各固定磁極によって、現像ローラ16の外周面26aに生じる磁界の法線方向の磁束密度の大きさを模式的に示す。図中、実線B1は、現像ローラ16の外周面26a上の磁束密度であり、実線B1が外周面26aから離れるほど法線方向の磁束密度が大きいことを示している。また、実線B1におけるP1〜P3、P5、P6の符号が付された部分は、現像マグネットローラ25が備える図示しない複数の固定磁極(P1〜P3、P5、P6)のそれぞれによって生じる磁束密度を示している。
上記複数の固定磁極のうち、少なくとも一つの固定磁極は、現像装置4が備える供給スクリュ18と相対するように配置される。本実施形態において、この供給スクリュ18と相対して配置される2つの固定磁極は、汲み上げ磁極(P5、P6)をなしており、供給スクリュ18によって現像剤供給室41から供給された現像剤を、現像ローラ16の外周面26aに吸着する。また、他の1つの固定磁極は、後述する感光体1と相対するようにして配置され、上記現像領域G中に磁界を生じさせる現像磁極(P1)をなしている。また、これら他にも、現像剤を搬送する搬送磁極(P2、P3)が設けられている。
また、現像マグネットローラ25の本体部30には、同一極性(S極とS極、又は、N極とN極)の固定磁極が間隔をあけて隣接して配置されている(P3とP5)。このように固定磁極を配置することで、これら隣接して配置された固定磁極の間の磁気力が弱められるので、現像ローラ16の外周面26aに生じる磁気力が弱まり、現像剤を現像ローラ16の外周面26aから落下(剥離)させるための剤切れ領域Lが形成される。
この剤切れ領域Lは、現像マグネットローラ25の本体部30の外周面30aに軸方向に沿って延在しているとともに、本体部30の全長に亘って設けられている。また、剤切れ領域Lは、本体部30の軸を挟んで上述の現像主極と略対向する位置(現像主極と約180°反対の位置)に設けられている。
剤切れ領域Lの上流側端部は、本体部30の軸を通る水平線Hより上方に配置されることが望ましい。このように剤切れ領域Lを配置することで、剤切れ領域Lまで搬送された現像剤を、現像ローラ16の外周面26aから落下する前に後述する搬送ローラ116の外周面126aに受け渡すことができ、そのため、使用済みの現像剤が、仕切壁44上に落下してしまうこと、若しくは、仕切壁44の先端44aと現像ローラ16との間から、現像剤供給室41に落下してしまうこと、を防止して、画像品質の低下をより防ぐことができる。
現像スリーブ26は、非磁性体からなり、現像マグネットローラ25を内包(収容)するとともに、軸心回りに回転自在に設けられている。現像スリーブ26は、その内周面が現像マグネットローラ25の各固定磁極に順に相対するように回転される。これにより、現像剤が、現像マグネットローラ25の汲み上げ磁極によって現像スリーブ26の外周面26aに吸着され、そして、現像磁極及び搬送磁極を経由して剤切れ領域Lまで搬送されたのち、外周面26aから落下される。現像スリーブ26は、図1、図3において反時計回りに回転される。
現像スリーブ26は、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などの非磁性金属からなる。アルミニウムは、加工性、軽さの面で優れている。アルミニウムを用いる場合には、A6063、A5056及びA3003を用いるのが好ましい。SUSを用いる場合には、SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが好ましい。
現像スリーブ26は、現像剤を担持するため、その外周面26aに粗面化加工(即ち、粗面化処理)が施されている。この粗面化加工としては、規則的にV字溝を形成するV字溝加工、砂などの研磨剤を吹き付けるサンドブラスト、又は、回転磁場によって、現像スリーブ26の外周面26aに沿って自転しながら回転される複数の線条材を衝突させて、平面視楕円形状の凹みをランダム(不規則)に形成するSWB(Smooth & Wavy Blast)と呼ばれる粗面化加工がある。また、平面視円形状又は平面視楕円形状の凹みを互いに重ならないように間隔をあけて規則的に配置したDA(Dent Arrangement)と呼ばれる粗面化加工もある。粗面化加工として、SWB又はDAが好ましい。
SWBの場合には、外周面26aに形成される凹みは、平面視楕円形状の長手方向(長径方向)が現像スリーブ26の軸方向に沿う凹みが、平面視楕円形状の長手方向が現像スリーブ26の周方向に沿う凹みより多く(概ね、80%以上)形成されており、さらに、凹みの長手方向の長さ(長径)は、0.05mm〜0.3mmに形成され、凹みの短手方向の長さ(短径)は、0.02mm〜0.1mmに形成されていることが好ましい。なお、SWBを行う装置(表面処理装置)については、本出願人より出願された特開2007−86091号公報などを参照されたい。
また、DAの場合には、外周面26aに形成される凹みは、平面視楕円形状に形成されており、その長手方向(長径方向)が現像スリーブ26の軸方向に沿って、重ならないように間隔をあけて複数並べられて、規則的に配置されているとともに、現像スリーブ26の周方向に互いに隣り合うもの同士は、当該凹みの長さの約半分程度位置ずれして配置されている。また、凹みは、その幅方向(短径方向)の断面形状がV字状に形成され、その長手方向の断面形状が円弧状の曲面に形成されている。さらに、凹みの長手方向の長さ(長径)は、1.0mm以上でかつ2.3mm以下となっており、幅方向の幅(短径)は、0.3mm以上でかつ0.7mm以下となっているとともに、その深さは、0.05mm以上でかつ0.15mm以下となっていることが好ましい。
現像ローラ16は、供給スクリュ18の斜め上方で且つ回収スクリュ19と略水平となる位置に、回収スクリュ19と間隔をあけて相対するように設けられている。現像ローラ16と回収スクリュ19との間隔は、後述する搬送ローラ116の外径より小さくされている。現像ローラ16は、その外周面26aの一部が、ケース28の側壁上部に設けられた開口28aから露出されるとともに感光体1に相対するように配置される。
搬送ローラ116は、現像ローラ16の剤切れ領域Lから落下した(剥離された)現像剤を、その外周面126a上に担持して回収スクリュ19まで搬送する。搬送ローラ116は、図1、図2に示すように、磁界発生部材としての搬送マグネットローラ125と、中空体としての搬送スリーブ126と、を備えている。
搬送マグネットローラ125は、現像ローラ16が備える現像マグネットローラ25と同様の材料を用いて同様に構成されている。即ち、搬送マグネットローラ125は、硬質の金属等で形成された軸部としての芯金129と、前記芯金129を軸心として磁性粉を高分子化合物と混合したプラスチックマグネット又はゴムマグネットなどからなる円筒状の本体部130と、で構成されている。勿論、搬送マグネットローラ125は、現像マグネットローラ25とは異なる材料及び構成であってもよい。本体部130は、磁性粉として、例えば、Srフェライト又はBaフェライトなどを用いることができ、高分子化合物として、例えば、6PAもしくは12PA等のポリアミド(PA)系材料、エチレン・エチル共重合体(EEA)又はエチレン・ビニル共重合体(EVA)等のエチレン系化合物、塩素化ポリエチレン(CPE)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料を用いることができる。芯金129は、現像装置4のケース28に設けられた軸受部127などに回転しないように固定されている。また、芯金129と本体部130も互いに固定されている。搬送マグネットローラ125は、芯金129を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、芯金129の代わりに円柱状の本体部130の両端面から同軸に突出する一対の軸部を設けた軸一体型の搬送マグネットローラなどとしてもよい。芯金129の一端部には、その外周面の一部を弦に沿って切り欠いた位置決め面129aが設けられている。搬送マグネットローラ125は、位置決め面129aが上方を向き且つ水平になるようにして、現像装置4内に配設される。
搬送マグネットローラ125は、その軸方向に沿い本体部130の全長に亘ってN極又はS極に形成された図示しない複数の固定磁極(請求項中の複数の磁極に相当)を備えている。これら複数の固定磁極は、搬送スリーブ126(即ち、搬送ローラ116)の外周面126a上に磁気力を生じて、現像剤を外周面126aに吸着する。複数の固定磁極は、着磁ヨークを備えた着磁治具を用い、前記着磁ヨークを搬送マグネットローラ125の本体部130の外周面130aに近接又は当接することにより、搬送マグネットローラ125の本体部130の外周面130a上に直接形成される。または、本体部130の外周面に軸方向に沿う直線状の凹溝を全長に亘って設けて、該凹溝内に高磁力を有する長尺の希土類マグネットブロックを配設することにより、固定磁極を設けてもよい。希土類マグネットブロックを用いることで、固定磁極の磁力(即ち、磁束密度)を高めることができる。しかし、希土類マグネットブロックが高価であるので、本体部130の磁力が不足する場合に用いるのがよい。希土類マグネットブロックについては、本出願人より出願された特開2008−216912号公報などを参照されたい。
搬送マグネットローラ125には、3つの固定磁極(Q1〜Q3)が設けられている。これら複数の固定磁極の数及び配置は、現像装置4の構成に応じて、適宜定められる。
図3に搬送マグネットローラ125の各固定磁極によって、搬送ローラ116の外周面126aに生じる磁界の法線方向の磁束密度の大きさを模式的に示す。図中、点線B2は、搬送ローラ116の外周面126a上の磁束密度であり、点線B2が外周面126aから離れるほど法線方向の磁束密度が大きいことを示している。また、点線B2におけるQ1〜Q3の符号が付された部分は、搬送マグネットローラ125が備える図示しない複数の固定磁極(Q1〜Q3)のそれぞれによって生じる磁束密度を示している。
ここで、上述した現像マグネットローラ25及び搬送マグネットローラ125が備える固定磁極の特定に用いられるパラメータである磁束密度の半値幅、及び、磁束密度の半値中央角度、について、図4を参照して説明する。図4は、磁束密度の半値幅及び半値中央角度を説明する概略図である。図4において、実線Bが現像スリーブ26の外周面26aから離れるほど法線方向の磁束密度が大きいことを示している。磁束密度の半値幅W(以下、「半値幅」ともいう)とは、図4に概略を示すように、現像マグネットローラ25の各磁極によって現像スリーブ26の外周面26aに生じる磁界において、その磁界の法線方向の磁束密度の最大値の半分以上の値の磁束密度が生じている箇所の周方向の大きさを示している。半値幅Wは、現像ローラ16の軸心Oにおける周方向の角度[°]で示される。また、現像ローラ16の外周面26aにおける磁束密度の半値幅Wの位置は、半値中央角度Kで示される。この半値中央角度Kとは、半値幅Wの周方向の中心位置Qと基準となる位置とがなす、現像ローラ16の軸心Oにおける周方向の角度[°]である。現像ローラ16においては、現像マグネットローラ25の芯金29の位置決め面29aと平行となる位置(角度)を、上記基準となる位置としている。また、上述した半値幅及び半値中央角度は、搬送ローラ116が備える搬送マグネットローラ125においても同様である。搬送ローラ116においては、搬送マグネットローラ125の芯金129の位置決め面129aと平行となる位置(角度)を、上記基準となる位置としている。
搬送マグネットローラ125が備える3つの固定磁極は、本体部130の外周面130aに互いに並設されており、中央に位置する固定磁極(Q1)の半値中央角度と、その両側に位置する2つの固定磁極(Q2、Q3)の半値中央角度と、がなす角度が、それぞれ略直角になるようにして配置されている。即ち、中央に位置する固定磁極(Q1)の半値中央角度を90°とすると、その両側に位置する2つの固定磁極の半値中央角度は、それぞれ概ね180°(Q2)、0°(Q3)となる。
3つの固定磁極のうち、中央に位置する固定磁極(Q1)と、その両側に位置する固定磁極(Q2、Q3)と、は互いに異なる極性にされている。これにより、3つの固定磁極が並設された箇所(Q2−Q1−Q3間)には磁気力が生じるとともに、両側に位置する固定磁極(Q2、Q3)の間で、中央に位置する固定磁極(Q1)と軸心を挟んで対向する箇所(Q2−Q3間)は、同一極性の固定磁極(Q2、Q3)が間隔をあけて配置されているので、磁気力が弱められている。これにより、この磁気力が弱められた箇所に相対する搬送スリーブ126(即ち、搬送ローラ116)の外周面126aに生じる磁気力が弱まり、現像剤を搬送ローラ116の外周面126aから落下(剥離)させるための剤切れ領域Mが形成される。この剤切れ領域Mは、本体部130の外周面130aに軸方向に沿って延在しているとともに、本体部130の全長に亘って設けられている。
3つの固定磁極のうち、両側に位置する固定磁極(Q2、Q3)のどちらか一方の固定磁極(本実施形態においては固定磁極(Q3))は、現像ローラ16の剤切れ領域Lに近接して配置されている。これにより、現像ローラ16の剤切れ領域Lで落下した現像剤を、搬送ローラ116の外周面126aに吸着することができる。また、搬送ローラ116の剤切れ領域Mの上流側端部は、回収スクリュ19の上方におおいかかるように配置されている。これにより、剤切れ領域Mまで搬送された現像剤を、回収スクリュ19上に落下させることができ、そのため、現像剤を、現像ローラ16から回収スクリュ19まで、搬送ローラ116を経由して直接搬送することができる。即ち、搬送マグネットローラ125には、現像ローラ16の剤切れ領域Lで剥離された現像剤を、搬送スリーブ126の外周面126aに担持して回収スクリュ19の上方まで搬送したのち搬送スリーブ126の外周面126aから剥離させる、複数の固定磁極(Q1〜Q3)が設けられている。これにより、仕切壁44上などにおける現像剤の滞留を防止して、画像品質の低下を防ぐことができる。
搬送スリーブ126は、非磁性体からなり、搬送マグネットローラ125を内包(収容)するとともに、軸心回りに回転自在に設けられている。搬送スリーブ126は、その内周面が搬送マグネットローラ125の各固定磁極に順に相対するように回転される。これにより、現像剤が、搬送マグネットローラ125の一方の端に位置する固定磁極(Q3)によって搬送スリーブ126の外周面126aに吸着され、そして、中央に位置する固定磁極(Q1)及び他方の端に位置する固定磁極(Q2)を経由して剤切れ領域Mまで搬送されたのち、外周面126aから落下される。搬送スリーブ126は、図1、図3において反時計回りに回転される。搬送スリーブ126の回転方向は、搬送ローラ116及び現像装置4等の構成に応じて適宜定められる。
搬送スリーブ126は、現像ローラ16が備える現像スリーブ26と同様の材料を用いて同様に構成されている。即ち、搬送スリーブ126は、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などの非磁性金属からなる。アルミニウムは、加工性、軽さの面で優れている。アルミニウムを用いる場合には、A6063、A5056及びA3003を用いるのが好ましい。SUSを用いる場合には、SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが好ましい。
搬送スリーブ126は、現像剤を担持するため、その外周面126aに、上述したV字溝加工、サンドブラスト、SWB、又は、DA等の粗面化加工が施されている。粗面化加工としては、SWB又はDAが好ましい。SWB及びDAの詳細については、上記現像スリーブ26と同様である。
搬送ローラ116は、現像ローラ16と回収スクリュ19との間で且つ現像ローラ16及び回収スクリュ19より若干上方に、それぞれに近接して配置されている。また、現像ローラ16と回収スクリュ19との間隔が、搬送ローラ116の外径より小さくされている。これにより、搬送ローラ116は、その一部が回収スクリュ19の上方におおいかかるようにして配置されている。即ち、搬送スリーブ126が、現像ローラ16と回収スクリュ19との間で且つその一部が回収スクリュ19の上方におおいかかるように配置されている。また、搬送ローラ116と仕切壁44との間に現像剤をきつく挟み込んでしまわない程度に、搬送ローラ116と仕切壁44との間には広めの間隔が設けられている。本実施形態において、搬送ローラ116は、その搬送スリーブ126の全長が現像ローラ16と同一又は若干長く、且つ、その搬送スリーブ126の外径が現像ローラ16より小さく形成されている。勿論、搬送ローラ116の形状は、本発明の目的に反しない限り、現像装置4の構成などに応じて任意に定めてよい。また、搬送ローラ116と、現像ローラ16と、回収スクリュ19と、のそれぞれの位置関係も、本発明の目的に反しない限り、現像装置4の構成に応じて適宜定められる。
上述した、供給スクリュ18と、回収スクリュ19と、現像ローラ16と、搬送ローラ116と、のそれぞれの全長は、略同一で且つ画像領域の幅より長くなるように形成されている。
現像ドクタ17は、図1に示すように、現像ドクタ母体171と、磁性部材からなる現像ドクタ補助172と、で構成されている。現像ドクタ母体171をケース28に固定することにより、現像ローラ16に対して所定の間隔を開けて対向する構成となっている。現像ドクタ母体171は現像ローラ16の外周面26a上の現像剤量をある一定量に規制する役割をもち、かつ現像剤を規制する際に現像剤圧をこの現像ドクタ母体171にて受けることになるので、非磁性部材である程度の厚さ(約1.5〜2mm)と先端部0.05mm程度の真直性を要求されるのが一般的である。
現像ドクタ補助172は、現像領域に搬送されるトナーの帯電を補う役割をもち、通常現像ドクタ母体171よりかなり薄い板金(0.2mm程度)にて構成されている。これら部品の位置関係は、トナー帯電性を長手方向にて均一にする必要があるので、精度良く維持されなければならず、そのため、スポット溶接やカシメ等により一体化し現像ローラ16上からの距離が一定になるようにしている。また、図示の例では現像ローラ16の中心(軸心)に対し現像ドクタが下方にある。ケース28の前後の側板の内側には、現像ローラ16の両端部からの現像剤飛散を抑えるための図示しない磁性板が取り付けられている。
図示しないトナー濃度検知手段は、現像剤供給室41内の現像剤の濃度を測定するためのセンサであり、トナー濃度検知手段が測定した現像剤の濃度に応じて、トナー収容部からトナー供給口23を介して、現像剤回収室42に適宜トナーが補給される。
このような現像装置4の現像剤として、トナーと、磁性粒子としての磁性キャリアと、を含む二成分現像剤が用いられる。トナーは乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、トナーは、種々の染料又は顔料を混入・分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られてもよい。トナーの平均粒径は、3μm〜7μmにされている。
磁性キャリア135は、図5に示すように、芯材136と、該芯材136の外表面を被覆した樹脂コート膜137と、樹脂コート膜137に分散されたアルミナ粒子(大粒子)138と、を備えている。芯材136は、磁性材料としてのフェライトで構成されているとともに、球形に形成されている。樹脂コート膜137は、芯材136の外表面全体を被覆している。樹脂コート膜137は、アクリルなどの熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分、及び、帯電調整剤、を含有している。この樹脂コート膜137は、弾力性と強い接着力を有している。アルミナ粒子138は、外径が樹脂コート膜137の厚みより大きく形成されている。アルミナ粒子138は、樹脂コート膜137の強い接着力で保持されている。アルミナ粒子138は、樹脂コート膜137より磁性キャリア135の外周側に突出している。磁性キャリア135の平均粒径は、20μm〜50μmにされている。現像装置4は、このような現像剤を用いているので、経時的に安定し且つ粒状度に優れた画像を現像することができる。また、上記は磁性キャリアの一例を示すものであり、本発明の目的に反しない限り、その構成や材料は任意である。
次に、上述した現像装置4における本発明に係る動作(作用)である現像剤の循環動作について、図6、図7を参照して説明する。図中の矢印F1〜F7は現像剤の循環移動(流れ)を模式的に示している。
まず、現像装置4は、図示しない制御装置から現像動作が要求されると、供給スクリュ18、回収スクリュ19、現像ローラ16及び搬送ローラ116を所定の方向に向けて回転させる。
現像剤供給室41内の現像剤は、図6に示すように、供給スクリュ18によって、現像ローラ16に供給されつつ(矢印F1)他端部41bから一端部41aに向けて搬送される(矢印F2)。また、一端部41aに到達した現像剤は、供給スクリュ18によって、図示しない一端側連通孔を通じて現像剤回収室42へ送り出される(矢印F3)。
現像ローラ16に供給された現像剤は、図7に示すように、現像ローラ16の外周面26aに担持されて、現像領域Gを経由して剤切れ領域Lまで搬送される。そして、現像剤(即ち、使用済み現像剤)は、剤切れ領域Lにおいて外周面26aから剥離されるのと同時に、搬送ローラ116の磁気力により外周面126aに吸着される(即ち、現像剤の受渡し。矢印F4)。このとき、現像ローラ16の剤切れ領域Lと搬送ローラ116の固定磁極とが近接して配置されているので、図7に示すように、使用済み現像剤が各ローラの間から仕切壁44上に(さらには、仕切壁44の先端44aと現像ローラ16との隙間から現像剤供給室41に)落下することなく、各ローラ間での受渡しが行われる。
搬送ローラ116に吸着された使用済み現像剤は、搬送ローラ116の外周面126aに担持されて、剤切れ領域Mまで搬送される。そして、使用済み現像剤は、図7に示すように、剤切れ領域Mにおいて外周面126aから剥離されて、回収スクリュ19上に落下する(即ち、落下、回収。矢印F5)。
回収スクリュ19上に落下した使用済み現像剤、及び、一端側連通孔を通じて現像剤回収室42に送り出された現像剤、は、図6に示すように、現像剤回収室42内において回収スクリュ19によって、トナー供給口23から供給された新しいトナーと攪拌されつつ一端部42aから他端部42bに向けて搬送される(矢印F6)。そして、他端部42bに到達した現像剤は、回収スクリュ19によって、図示しない他端側連通孔を通じて現像剤供給室41へ送り出される(矢印F7)。そして、現像剤供給室41に送り出された現像剤は、再度供給スクリュ18によって、現像ローラ16に供給されつつ一端部41aに向けて搬送される。このようにして、現像装置4における現像剤の循環動作が行われる。
以上より、本発明によれば、(a)現像剤を外周面26aに担持して前記外周面26a上に設けられた剤切れ領域Lまで搬送する現像ローラ16と、(b)前記現像ローラ16より下方に設けられた現像剤供給室41と、(c)前記現像剤供給室41内に前記現像ローラ16と平行に設けられた、前記現像剤を前記現像ローラ16に供給する、供給スクリュ18と、(d)前記現像剤供給室41より上方に設けられた現像剤回収室42と、(e)前記現像剤回収室42内に前記現像ローラ16と平行に設けられた、前記現像ローラ16の剤切れ領域Lで剥離された前記現像剤を回収する、回収スクリュ19と、を有する現像装置4において、搬送マグネットローラ125と、前記搬送マグネットローラ125を内包するとともに前記現像ローラ16と平行に且つ回転可能に設けられた円筒状の搬送スリーブ126と、で構成された搬送ローラ116を有し、前記搬送スリーブ126が、前記現像ローラ16と前記回収スクリュ19との間で且つその一部が前記回収スクリュ19の上方におおいかかるように配置され、そして、前記搬送マグネットローラ125には、前記現像ローラ16の剤切れ領域Lで剥離された前記現像剤を、前記搬送スリーブ126の外周面126aに担持して前記回収スクリュ19の上方まで搬送したのち前記搬送スリーブ126の外周面126aから剥離させる、複数の固定磁極Q1〜Q3が設けられているので、現像ローラ16から剥離された現像剤を、搬送ローラ116によって回収スクリュ19の上方まで搬送したのち該回収スクリュ19上に落下させることができ、即ち、現像剤を、ケース28の仕切壁44上を伝わせることなく、搬送ローラ116を経由して現像ローラ16から回収スクリュ19まで直接搬送することができ、そのため、仕切壁44上での現像剤の滞留を防止できるとともに、現像剤が搬送ローラ116と仕切壁44との間に挟まれることを回避して、現像剤へのストレスを軽減することができる。したがって、画像品質の低下を防止して、良好な画像を得ることができる。
また、前記現像ローラ16の剤切れ領域Lの上流側端部が、前記現像ローラ16の軸を通る水平線Hよりも上方に配置されているので、剤切れ領域Lまで搬送された現像剤を、現像ローラ16の外周面26aから落下する前に搬送ローラ116の搬送マグネットローラ125によって搬送スリーブ126の外周面126aに担持でき、そのため、使用済みの現像剤が仕切壁44や現像剤供給室41に落下してしまうことをさらに防止して、使用済み現像剤をより確実に現像ローラ16から搬送ローラ16に受け渡すことができ、画像品質の低下をより防ぐことができる。
また、搬送スリーブ126の外周面126aには、粗面化処理が施されているので、搬送スリーブ126の外周面126a上での現像剤のスリップを防いで現像剤を確実に搬送できる。
また、搬送スリーブ126の外周面126aには、平面視で円形又は楕円形状とした凹みが、規則的に又は不規則的に多数設けられているので、搬送スリーブ126の外周面126a上での現像剤のスリップを防いで現像剤を確実に搬送できるとともに、上記凹みは経時使用によっても形状変化(摩耗)が少なく、そのため、経時による現像剤搬送性能の低下を防止することができる。
また、前記現像剤が、トナーと磁性キャリアとを有するとともに、該磁性キャリアの平均粒径が、20μm以上でかつ50μm以下であるので、粒状性に優れた画像を経時的に安定して提供することができる。
また、前記磁性キャリア135が、磁性体で構成される芯材136とその表面を被覆した樹脂コート膜137とを有し、そして、該樹脂コート膜137が、アクリル系樹脂とメラミン樹脂とを架橋させて得た樹脂成分及び帯電調整剤を含有しているので、磁性キャリア135表面における耐摩耗性を向上させることができ、そのため、粒状性に優れた画像を一層経時的に安定して提供することができる。
上述した本実施形態において、現像装置4は、2軸スクリュ構成なので、3軸スクリュ構成に比べて、現像剤のスクリュ間受け渡し回数が少なくなり、そのぶん現像剤へのストレスを軽減できる。
(プロセスカートリッジの一実施形態)
次に、本発明に係るプロセスカートリッジの一実施形態について、図1を参照して説明する。
プロセスカートリッジ60は、図示しないカートリッジケースと、静電潜像担持体としての感光体1と、帯電手段としての帯電ローラ2と、クリーニング手段としての感光体クリーニングブレード9と、上述した現像装置4と、を備えている。図示しないカートリッジケースは、後述する画像形成装置としてのカラー複写機50に着脱自在で、且つ、感光体1と、帯電ローラ2と、感光体クリーニングブレード9と、現像装置4と、を収容している。即ち、プロセスカートリッジ60は、少なくとも、現像装置4と、感光体1(静電潜像担持体)と、帯電ローラ2(帯電手段)と、を有している。
帯電ローラ2は、感光体1の外周面を一様に帯電する。感光体1は、現像装置4の現像ローラ16とわずかな間隔をあけて配されている。感光体1と現像ローラ16との前記間隔には、現像領域が形成されている。感光体1は、軸心を中心として回転自在な円柱状又は円筒状に形成されている。感光体1は、後述するレーザ書き込みユニット3により、外周面上に静電潜像が形成される。感光体1は、外周面上に形成され且つ担持する静電潜像に、現像装置4によって供給される現像剤(トナー)が吸着して現像し、こうして得られたトナー像を後述する中間転写ベルト5に転写する。感光体クリーニングブレード9は、中間転写ベルト5にトナー像を転写したあとに、感光体1の外周面に残留した転写残トナーを除去する。
以上より、本発明によれば、プロセスカートリッジ60が備える現像装置が、上述した本発明に係る現像装置4で構成されているので、画像品質の低下を防ぐプロセスカートリッジを提供できる。
(画像形成装置の一実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるカラー複写機について、図8を参照して説明する。図8は、本発明に係るカラー複写機の概略構成図である。
カラー複写機50は、並設された複数の感光体(潜像担持体)にそれぞれ個別にプロセスカートリッジ60及び現像装置4を備え、各感光体上にそれぞれイエロー(a)、マゼンダ(b)、シアン(c)、黒(d)の単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次中間転写ベルトに転写して転写紙に合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものである。なお、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色に対応するユニットやその構成部材などを、以下、符号の末尾に各々a、b、c、dを付けて示す。
このカラー複写機50は、上記各色に対応したプロセスカートリッジ60と、中間転写ベルト5と、を備えており、この中間転写ベルト5の展張部に対向するように、各プロセスカートリッジ60a〜60dが備える複数の感光体1a〜1dが配設されている。帯電手段である帯電ローラ2a〜2dによって均一に帯電された感光体1a〜1dに対し光書き込み手段としてのレーザ書き込みユニット3による書き込みがされて(書込位置3a〜3d)光学的に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置4a〜4dで現像され、感光体1a〜1d上にトナーからなる可視像(トナー像)が形成される。
各感光体1a〜1dに形成されたトナー像は中間転写ベルト転写手段としての一次転写ローラ12a〜12dによって中間転写ベルト5に順次重ね合わせて転写される。中間転写ベルト5のトナー像は、レジストローラ対6を経て搬送された記録媒体としての転写紙に、紙転写手段としての紙転写ベルト7によって転写される。転写紙に転写されたトナー像は紙転写ベルト7により定着手段8に搬送され転写紙上に熱により定着される。トナー像が定着された転写紙は図示しない排紙トレイなどの上に排出される。
感光体1a〜1d上の中間転写ベルト5に転写されなかった未転写トナーは感光体クリーニングブレード9a〜9dによって各感光体上から掻き落とされる。感光体1a〜1dは、各感光体上の残留電荷が図示しない除電手段により除電され、次の作像動作に備える。
感光体クリーニングブレード9a〜9dによって掻き落とされた未転写トナーは回収トナー搬送経路14a〜14dを通って廃トナー収容容器15に収容される。また中間転写ベルト5上の未転写トナーやプロセスコントロール用のパターン像は中間転写クリーニングブレード13によって中間転写ベルト5上から掻き落とされ、同じく回収トナー搬送経路14eを通って廃トナー収容容器15に収容される。
上記現像装置4a〜4dへはニュートナー(未使用トナー)が補給される。トナーカートリッジ(トナーボトル)に充填されたニュートナーがトナー補給装置10a〜10dによりカラー複写機50本体の後側(図8奥側)のトナー収容部としてのトナーホッパ11a〜11dへ補給される。各現像装置4内のトナー濃度検知手段により各現像装置4内のトナー濃度が低いと判断された場合、各トナーホッパ内のトナー補給スクリュ(図示せず)を回転させ、適量のトナーをトナーホッパ内から、トナー供給口23を通じてそれぞれの現像装置4へ供給する。トナーボトルのトナー残量検知はトナーホッパ内にトナー有り無しセンサ(図示せず)を用いて行う。具体的には、このセンサがトナー無しを検知した場合にトナー補給装置10a〜10dにトナーの供給を要求する。そして所定時間要求してもトナー有りを検知しなかった場合にトナー無しと判断する。上記から明らかなように、カラー複写機50は、少なくとも、プロセスカートリッジ60、レーザ書き込みユニット3(光書き込み手段)、中間転写ベルト5(転写手段)、一次転写ローラ12(転写手段)、紙転写ベルト7(転写手段)、及び、定着手段8、を備えている。
以上より、本発明によれば、カラー複写機50が備えるプロセスカートリッジが、上述した本発明に係るプロセスカートリッジ60で構成されているので、画像品質の低下を防ぐことができるカラー複写機50を提供することができる。
(実施例)
本発明者らは、現像ローラ及び搬送ローラの構成が異なる現像装置を複数作製し(実施例1〜7、比較例1、2)、それぞれの現像装置において、現像トルク試験、初期画像試験、及び、通紙後画像試験を実施した。
(実施例1)
異方性Srフェライト92.75wt%とEEA樹脂7.25wt%とからなる磁石コンパウンドを磁場中において押出成形して直径16mmのマグネットチューブを成形して、全長が309mmの現像マグネットローラの本体部を得た。そして、この現像マグネットローラの本体部にφ7mmの芯金を挿入及び固定したのち、ヨーク着磁法によって、供給スクリュと現像ドクタとの間に位置する固定磁極が1つのみとなるように、5つの固定磁極P1〜P3、P5、P6を設けて、現像マグネットローラを得た。
そして、この現像マグネットローラと、外径がφ18mm、内径がφ16.5mm、全長が329mmのアルミニウムA6063からなるアルミ管に、粗面化加工(粗面化処理)として外周面に上述したSWBを施した現像スリーブと、を互いに組み付けて、現像ローラを得た。
現像マグネットローラの複数の固定磁極P1〜P3、P5、P6は、現像ローラの外周面に生じる磁界(法線方向の磁束密度)が、
(1)P1(S極):最大磁束密度99mT、半値中央角度354°、半値幅43°
(2)P2(N極):最大磁束密度88mT、半値中央角度59° 、半値幅47°
(3)P3(S極):最大磁束密度55mT、半値中央角度120°、半値幅38°
(4)P5(S極):最大磁束密度45mT、半値中央角度213°、半値幅32°
(5)P6(N極):最大磁束密度85mT、半値中央角度281°、半値幅52°
(6)P3とP4の間:最大磁束密度6mT
となるように設けている。なお、このような現像ローラを説明の便宜上、「タイプ1」と呼ぶ。
次に、異方性Srフェライト92.5wt%及びPA12(12ナイロン)7.5wt%を含むコンパウンド(戸田工業製)を、所定の一方向に0.6Tの磁場を印加しながら、樹脂温度300℃で円筒状に射出成形した後、0.1Tの磁場を射出時とは逆方向に印加して脱磁して、外径がφ10mm、全長が326mmで、外周面に軸方向に沿う直線状の凹溝を全長に亘って設けた軸一体型の搬送マグネットローラの本体部を得た。そして、着磁治具を用いて該凹溝を間に挟む2つの固定磁極Q2、Q3を設けた。また、異方性Ne−Fe−B磁性粉(愛知製鋼製マグファインMF−P13)950gと、熱可塑性樹脂微粒子(ポリエステル樹脂100重量部に対して、4級アンモニウム塩(帯電制御剤)1.5重量部、スチレンアクリル樹脂(低軟化点物質)1.5重量部、カーボンブラック2.0重量部が内添され、シリカ(H2000)1.5重量部が外添されている)50gと、ガラス繊維のチョップドストランドECS03−350(セントラル硝子製)を100g、とをターブラーミキサーで混練した後、金型内に充填し、100Aの配向電流をプレス方向と直行する方向に流しながら、400kNのプレス圧力で磁場中圧縮成形して長尺の希土類マグネットブロックとした。次に、この金型及び希土類マグネットブロックを3500Vのパルス電圧で脱磁した後、希土類マグネットブロックを脱型し、これを100℃×60分で焼成した。続いて、この長尺希土類磁石成形体に着磁するとともに、該凹溝にこの希土類マグネットブロックを挿入及び固定して固定磁極Q1として、搬送マグネットローラを得た。
そして、この搬送マグネットローラと、外径がφ12mm、内径がφ10.5mm、全長が326mmのアルミニウムA6063からなるアルミ管に、粗面化加工として外周面に上記現像スリーブと同様のSWBを施した搬送スリーブと、を互いに組み付けて、搬送ローラを得た。
搬送マグネットローラの複数の固定磁極Q1〜Q3は、搬送ローラの外周面に生じる磁界(法線方向の磁束密度)が、
(1)Q1(S極):最大磁束密度94mT、半値中央角度0° 、半値幅48°
(2)Q2(N極):最大磁束密度58mT、半値中央角度84° 、半値幅35°
(3)Q3(N極):最大磁束密度35mT、半値中央角度282°、半値幅33°
(4)Q2とQ3の間:最大磁束密度2mT
となるように設けている。
そして、平均粒径35μmの磁性キャリアを含む現像剤とともに、外径がφ20mm、全長が333mmの供給スクリュ及び回収スクリュが、現像剤供給室及び現像剤回収室に予め収容された現像装置のケースに、上記現像ローラを、各固定磁極における半値中央角度のオフセット角度が0°で、現像スリーブの回転方向が反時計回り(図9)として取り付け、上記搬送ローラを、各固定磁極における半値中央角度のオフセット角度が100°で、搬送スリーブの回転方向が反時計回り(図9)として取り付け、このとき、回収スクリュの軸心と現像ローラの軸心との水平距離が25mm、垂直距離が5mm、回収スクリュの軸心と搬送ローラの軸心との水平距離が15mm、垂直距離が10mm、となるように、それぞれを配置した現像装置を得た。図9にこの現像装置の要部を示し、図15に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。また、図9には、半値中央角度及び半値幅で特定される各固定磁極(P1〜P3、P5、P6、Q1〜Q3)を網掛けで示している(以下、図10においても同様)。
(実施例2)
実施例1の構成において、搬送マグネットローラの複数の固定磁極Q1〜Q3の極性を反転(即ち、Q1:N極、Q2:S極、Q3:S極、に変更)させた以外は、実施例1と同一の構成の現像装置を得た。図10にこの現像装置の要部を示し、図15に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。
(実施例3)
実施例1の構成において、現像マグネットローラの5つの固定磁極P1〜P3、P5、P6に代えて、以下に示す5つの固定磁極P1〜P4、P6を設けるとともに、搬送ローラの各固定磁極における半値中央角度のオフセット角度を70°に変更して取り付けた以外は、実施例1と同一の構成の現像装置を得た。図11にこの現像装置の要部を示し、図16に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。また、図11には、半値中央角度及び半値幅で特定される各固定磁極(P1〜P4、P6、Q1〜Q3)を網掛けで示している(以下、図12〜図14においても同様)。
(1)P1(S極):磁束密度107mT、半値中央角度352°、半値幅38°
(2)P2(N極):磁束密度71mT 、半値中央角度45° 、半値幅37°
(3)P3(S極):磁束密度73mT 、半値中央角度100°、半値幅36°
(4)P4(N極):磁束密度44mT 、半値中央角度145°、半値幅29°
(5)P6(N極):磁束密度64mT 、半値中央角度274°、半値幅47°
(6)P4とP6の間:磁束密度2mT
なお、このような現像ローラを説明の便宜上、「タイプ2」と呼ぶ。
(実施例4)
実施例3の構成において、搬送マグネットローラの固定磁極Q1〜Q3の極性を反転(即ち、Q1:N極、Q2:S極、Q3:S極、に変更)させた以外は、実施例3と同一の構成の現像装置を得た。図12にこの現像装置の要部を示し、図16に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。
(実施例5)
実施例3の構成において、搬送ローラの各固定磁極における半値中央角度のオフセット角度を285°に変更するとともに、搬送スリーブの回転方向を時計回りにして取り付けた以外は、実施例3と同一の構成の現像装置を得た。図13にこの現像装置の要部を示し、図17に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。
(実施例6)
実施例5の構成において、搬送マグネットローラの固定磁極Q1〜Q3の極性を反転(即ち、Q1:N極、Q2:S極、Q3:S極、に変更)させた以外は、実施例5と同一の構成の現像装置を得た。図14にこの現像装置の要部を示し、図17に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。
(実施例7)
実施例6の構成において、搬送スリーブの粗面化加工として、SWBに代えて上述したDAを施している以外は、実施例6と同一の構成の現像装置を得た。図14にこの現像装置の要部を示し、図17に現像ローラ及び搬送ローラが生じる磁界を模式的に示す。
(比較例1)
実施例1の構成において、搬送ローラを備えていないこと以外は、実施例1と同一の構成の現像装置を得た。
(比較例2)
実施例3の構成において、搬送ローラを備えていないこと以外は、実施例3と同一の構成の現像装置を得た。
表1に、上述したタイプ1の現像ローラにおける各固定磁極の磁束密度、半値中央角度及び半値幅を示す。表2に、上述したタイプ2の現像ローラにおける各固定磁極の磁束密度、半値中央角度及び半値幅を示す。表3に、上述した搬送ローラにおける各固定磁極の磁束密度、半値中央角度及び半値幅を示す。(但し、半値中央角度のオフセット角度が0°のときの値を示している)。
Figure 2011022227
Figure 2011022227
Figure 2011022227
表4に、実施例1〜7、比較例1、2における現像ローラ及び搬送ローラの組み合わせをまとめた表を示す。
Figure 2011022227
(現像トルク試験)
実施例1〜7、比較例1、2の現像装置のそれぞれにおいて、現像動作時における現像ローラのトルク(即ち、現像剤汲み上げトルク)を計測し、以下の評価基準に基づいて、計測結果を評価した。
◎・・・0.10N・m以下
○・・・0.10N・mより大きく且つ0.18N・m以下
×・・・0.18N・mより大きい
評価結果を表5に示す。
(初期画像試験)
実施例1〜7、比較例1、2の現像装置のそれぞれをカラー複写機に組み込み、現像装置の最初の動作においてベタ画像を100枚印刷して、この100枚の中から最も画像品質の悪い1枚を抽出して、目視により以下の評価基準に基づいて、画像品質を評価した。
○・・・画像品質良好
△・・・画像品質に若干の問題あり
×・・・画像品質不良
評価結果を表5に示す。
(通紙後画像試験)
実施例1〜7、比較例1、2の現像装置のそれぞれをカラー複写機に組み込み、ベタ画像を10000枚印刷後に、さらにベタ画像を100枚印刷して、この100枚の中から最も画像品質の悪い1枚を抽出して、目視により以下の評価基準に基づいて、画像品質を評価した。
○・・・画像品質良好
△・・・画像品質に若干の問題あり
×・・・画像品質不良
評価結果を表5に示す。
Figure 2011022227
表5の評価結果より、現像ローラにおける現像トルクは、現像ローラの種類がタイプ1、タイプ2ともに規格内(0.18N・m以下)であり、特に、タイプ2の方が評価結果が良好であった。これは、タイプ1の現像ローラが2極汲み上げ式であるのに対し、タイプ2の現像ローラは、1極汲み上げ式であるので、吸着する現像剤量によってこの差が生じたものである。
また、初期画像試験においては、実施例1〜7が良好な結果であったのに対し、比較例1、2は画像品質に若干の問題がある結果となった。これは、各実施例は搬送ローラを備えているので、使用済み現像剤を、現像ローラから回収スクリュに直接搬送することができるので、現像装置内での現像剤の循環動作がスムースに行われるのに対し、比較例1、2では、使用済み現像剤が、仕切壁上に滞留したり、仕切壁の先端と現像ローラとの隙間から現像剤供給室に落下したり、するためである。
また、通紙後画像試験においては、実施例1〜7が良好な結果であったのに対し、比較例1、2は画像品質不良との結果となった。これは、通紙後は現像剤が劣化するので、比較例1、2においては、現像初期に見られた現象が顕著に現れ、つまり、仕切壁上への現像剤の滞留がより顕著になり、そのため、仕切壁の先端と現象ローラとの隙間から落下する使用済み現像剤の量が増加してしまうためである。
このように、実機を用いた試験結果からも、本発明の効果を確認することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 感光体(静電潜像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザ書き込みユニット(光書き込み手段)
4 現像装置
5 中間転写ベルト(転写手段)
7 紙転写ベルト(転写手段)
8 定着手段
12 一次転写ローラ(転写手段)
16 現像ローラ
18 供給スクリュ
19 回収スクリュ
25 現像マグネットローラ
26 現像スリーブ
26a 現像スリーブ(即ち、現像ローラ)の外周面
28 ケース
41 現像剤供給室
42 現像剤回収室
44 仕切壁
50 カラー複写機(画像形成装置)
60 プロセスカートリッジ
116 搬送ローラ
125 搬送マグネットローラ(磁界発生部材)
126 搬送スリーブ(中空体)
126a 搬送スリーブ(即ち、搬送ローラ)の外周面
135 磁性キャリア(磁性体)
L 現像ローラの剤切れ領域
M 搬送ローラの剤切れ領域
P1〜P6 現像ローラの固定磁極
Q1〜Q3 搬送ローラの固定磁極(複数の磁極)
特開平11−167260号公報 特許第3127594号 特開2003−263025号公報

Claims (8)

  1. (a)現像剤を外周面に担持して前記外周面上に設けられた剤切れ領域まで搬送する現像ローラと、(b)前記現像ローラより下方に設けられた現像剤供給室と、(c)前記現像剤供給室内に前記現像ローラと平行に設けられた、前記現像剤を前記現像ローラに供給する、供給スクリュと、(d)前記現像剤供給室より上方に設けられた現像剤回収室と、(e)前記現像剤回収室内に前記現像ローラと平行に設けられた、前記現像ローラの剤切れ領域で剥離された前記現像剤を回収する、回収スクリュと、を有する現像装置において、
    磁界発生部材と、前記磁界発生部材を内包するとともに前記現像ローラと平行に且つ回転可能に設けられた円筒状の中空体と、で構成された搬送ローラを有し、
    前記中空体が、前記現像ローラと前記回収スクリュとの間で且つその一部が前記回収スクリュの上方におおいかかるように配置され、そして、
    前記磁界発生部材には、前記現像ローラの剤切れ領域で剥離された前記現像剤を、前記中空体の外周面に担持して前記回収スクリュの上方まで搬送したのち前記中空体の外周面から剥離させる、複数の磁極が設けられている
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像ローラの剤切れ領域の上流側端部が、前記現像ローラの軸を通る水平線よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記中空体の外周面には、粗面化処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記中空体の外周面には、平面視で円形又は楕円形状とした凹みが、規則的に又は不規則的に多数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤が、トナーと磁性粒子とを有するとともに、該磁性粒子の平均粒径が、20μm以上でかつ50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の現像装置。
  6. 前記磁性粒子が、磁性体で構成される芯材とその表面を被覆した樹脂コート膜とを有し、そして、該樹脂コート膜が、アクリル系樹脂とメラミン樹脂とを架橋させて得た樹脂成分及び帯電調整剤を含有していることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 現像装置、静電潜像担持体、及び、帯電手段を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置が、請求項1〜6に記載の現像装置で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写手段、及び、定着手段を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項7に記載のプロセスカートリッジで構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017191217A (ja) * 2016-04-14 2017-10-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置

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