JP2011020491A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

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Abstract

【課題】プリテンショナー作動時におけるベルト張力の変動を抑制することによって、乗員に与える負荷を軽減し、高速衝突時の安全性向上を図ったシートベルト用リトラクターを提供する。
【解決手段】車両衝突時にガス圧によって駆動される駆動部材37、47が、スピンドル20をシートベルトの巻取り方向に回転させる第1及び第2のプリテンショナー13、15を備え、それぞれの駆動部材37、47の作動終端部に、ダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材38、48が配置されて、シートベルトの張力変動を抑制した状態でシートベルトをスピンドル20に巻き取る。
【選択図】図1

Description

本発明は、シートベルト用リトラクターに関し、特に、車両衝突時に作動するプリテンショナーを備えるシートベルト用リトラクターに関する。
従来、車両の急な加速、衝突又は減速に反応するセンサによって駆動されてシートベルトの引き出しを物理的にロックし、乗員を座席に安全に拘束するシートベルト装置が知られている。シートベルト装置に用いられるシートベルト用リトラクターでは、車両衝突時に点火制御される火薬の爆発で発生するガス圧によって、スピンドルを巻取り駆動するプリテンショナーが採用されているものがある。このようなシートベルト用リトラクターにおいては、火薬を増量することなく、シートベルトの引き締め力や引き締め量を増大させるため、スピンドルの片側に一対のプリテンショナーを配置し、車両衝突時に作動させてスピンドルを巻取り駆動するようにしたリトラクターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、車両衝突時の衝突力が大きく、乗員の慣性移動に伴って、予め設定した所定値以上の荷重がシートベルトに作用したとき、トーションバーがシートベルトを繰り出すように捩れ変形することでエネルギ吸収を行うフォースリミッタ機構を備え、プリテンショナーがトーションバーを介してスピンドルを巻取り駆動するものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このリトラクターによれば、プリテンショナーによる引き締め力は、トーションバーを介してスピンドルに伝達されるので、プリテンショナー駆動後に、フォースリミッタ機構の作動によるスピンドルの引き出し方向の回転は、プリテンショナーの動作に影響されることなく行なわれる。
実開平6−6131号公報 特開平10−1025号公報
ところで、特許文献1に記載の複数のプリテンショナーを有するシートベルト用リトラクターにおいては、複数のプリテンショナーを時間差をもって作動させて、シートベルトの引き締め量が増大するように制御することが記載されている。この場合、第1のプリテンショナーの作動終了後、第2のプリテンショナーの作動開始までの間にベルト張力が大幅に変動する傾向があり、乗員に大きな荷重変動が作用してしまう虞があった。
また、車両衝突時などに大きな荷重負荷をかけることなく、乗員をシートベルトで座席に安全に拘束するには、駆動部材がスピンドルに回転力を付与している途中から該駆動部材の運動エネルギの吸収を開始して駆動部材をソフトに停止させ、ベルト張力の変動を極力抑制することが望ましい。ここで、ソフトに停止とは、シートベルトに作用する張力がピーク後、リバウンドによる急速な張力低下を緩くすることである。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プリテンショナー作動時におけるベルト張力の変動を抑制することによって、乗員に与える負荷を軽減し、高速衝突時の安全性向上を図ったシートベルト用リトラクターを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)シートベルトが巻装されるスピンドルと、
その軸方向一端部が前記スピンドルの軸方向一端部と結合されて、前記スピンドルの中空部内に配置されるトーションバーと、
少なくとも衝突時にガス圧によって駆動される第1の駆動部材を備え、該第1の駆動部材の駆動により前記スピンドルと結合して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第1のプリテンショナーと、
少なくとも衝突時にガス圧によって駆動される第2の駆動部材を備え、該第2の駆動部材の駆動により前記トーションバーの軸方向他端部と結合し、前記トーションバーを介して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第2のプリテンショナーと、
を備えるシートベルト用リトラクターであって、
前記第1及び第2の駆動部材の少なくとも一方の作動終端部に配置され、前記第1及び第2の駆動部材の運動エネルギを吸収するダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材を備えることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
(2)前記第1及び第2のプリテンショナーは、ラックアンドピニオン機構を備え、
前記第1及び第2の駆動部材は、火薬の爆発により発生するガスの前記ガス圧によって直線駆動される前記ラックであることを特徴とする上記(1)に記載のシートベルト用リトラクター。
(3)前記第2のプリテンショナーは、前記第1のプリテンショナーの作動後に作動し、
前記第2のプリテンショナーに設けられたエネルギ吸収部材は、前記第1のプリテンショナーに設けられたエネルギ吸収部材よりも低いダイラタンシー特性を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のシートベルト用リトラクター。
(4)シートベルトが巻装されるスピンドルと、
その軸方向一端部が前記スピンドルの軸方向一端部と結合されて、前記スピンドルの中空部内に配置されるトーションバーと、
少なくとも衝突時にガス圧によって駆動される駆動部材を備え、該駆動部材の駆動により前記スピンドルと結合して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させるプリテンショナーと、
を備えるシートベルト用リトラクターであって、
前記駆動部材の作動終端部側に配置され、前記駆動部材の運動エネルギを吸収するエネルギ吸収部材を備え、
前記エネルギ吸収部材は、前記駆動部材が前記スピンドルに回転力を与えている間に前記駆動部材との接触を開始して、前記駆動部材の運動エネルギを吸収することを特徴とするシートベルト用リトラクター。
(5)前記エネルギ吸収部材は、ダイラタンシー特性を有することを特徴とする上記(4)に記載のシートベルト用リトラクター。
(6)前記エネルギ吸収部材は、弾性部材であることを特徴とする上記(4)に記載のシートベルト用リトラクター。
(7)前記プリテンショナーは、第1の駆動部材の駆動により前記スピンドルと結合して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第1のプリテンショナーと、第2の駆動部材の駆動により前記トーションバーの軸方向他端部と結合し、前記トーションバーを介して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第2のプリテンショナーと、を有し、
前記第1および第2のプリテンショナーの少なくとも一方の前記プリテンショナーは、前記エネルギ吸収部材を備えることを特徴とする上記(4)から(6)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクター。
本発明のシートベルト用リトラクターによれば、衝突時にガス圧によって駆動される駆動部材を備え、該駆動部材の駆動によりスピンドルをシートベルトの巻取り方向に回転させる第1及び第2のプリテンショナーを備えており、それぞれの駆動部材の作動終端部に、ダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材が配置されているので、シートベルトの張力変動が抑制された状態でシートベルトをスピンドルに巻き取ることができる。これによって、シートベルト巻取り時に乗員に及ぼす荷重変動が低減され、胸部への負担を軽減することができ、高速衝突時の安全性向上が図られる。
また、駆動部材は、プリテンショナーが備えるラックアンドピニオン機構のラックであるので、ラックの作動終端部に配置されたエネルギ吸収部材に、直線駆動されるラックを衝突させるだけで、エネルギ吸収部材の持つダイラタンシー特性によってラックの持つ運動エネルギを効率的に吸収して、ラックの速度を調節しながら停止させることができる。これによって、シートベルトの張力変動を抑制することができる。
また、後に作動する第2のプリテンショナーに設けられたエネルギ吸収部材は、第1のプリテンショナーに設けられたエネルギ吸収部材よりもダイラタンシー特性が低いので、できるだけ時間をかけて第2の駆動部材を停止させ、乗員に作用するシートベルトの負荷を穏やかにすることができる。
また、衝突時にガス圧によって駆動される駆動部材を備え、該駆動部材の駆動によりスピンドルをシートベルトの巻取り方向に回転させるプリテンショナーを備えており、駆動部材がスピンドルに回転力を与えている間に、駆動部材との接触を開始して駆動部材の運動エネルギを吸収するエネルギ吸収部材が、駆動部材の作動終端部に配置されているので、シートベルトの張力変動が抑制された状態でシートベルトをスピンドルに巻き取ることができる。これによって、シートベルト巻取り時に乗員に及ぼす荷重変動が低減される。
エネルギ吸収部材は、ダイラタンシー特性を有するので、エネルギ吸収部材の持つダイラタンシー特性によって駆動部材の持つ運動エネルギを効率的に吸収して、速度を調節しながらソフトに停止させることができる。これによって、シートベルトの張力変動を効果的に抑制することができる。
また、エネルギ吸収部材は、弾性部材であるので、弾性部材の持つ弾性によって駆動部材の持つ運動エネルギを効率的に吸収して、速度を調節しながらソフトに停止させることができる。これによって、シートベルトの張力変動を効果的に抑制することができる。
プリテンショナーは、第1のプリテンショナーと第2のプリテンショナーとを備えており、第1および第2のプリテンショナーの少なくとも一方のプリテンショナーは、エネルギ吸収部材を備えているので、該エネルギ吸収部材によって駆動部材の持つ運動エネルギを効率的に吸収して、速度を調節しながらソフトに停止させることができる。これによって、シートベルトの張力変動を効果的に抑制することができる。
本発明に係るシートベルト用リトラクターの分解斜視図である。 図1に示すシートベルト用リトラクターの縦断面図である。 図2に示すシートベルト用リトラクターの左側面図である。 図2に示すシートベルト用リトラクターの右側面図である。 第1のプリテンショナーの作動状態を順に示す作動図である。 第2のプリテンショナーの作動状態を順に示す作動図である。 エネルギ吸収部材のダイラタンシー特性を示す図である。 図1に示すシートベルト用リトラクターのシートベルトの張力変動を示すグラフである。 従来のシートベルト用リトラクターのシートベルトの張力変動を示すグラフである。 第2のプリテンショナーの変形例の作動状態を順に示す作動図である。
以下、本発明に係るシートベルト用リトラクターの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本実施形態ではラックアンドピニオンを用いたダブルプリテンショナー式シートベルト用リトラクターを例にとって説明する。
図1及び図2に示すように、本発明のシートベルト用リトラクター10は、車体(図示省略)に取り付けられるリトラクタフレーム11と、リトラクタフレーム11に回転自在に取り付けられ、シートベルト(図示せず)を巻き取るスピンドル組立体12と、スピンドル組立体12の軸方向一端部(図中左側)に配設された第1のプリテンショナー13、及びスピンドル組立体12をシートベルト巻取方向に常時付勢する巻取ばね装置14と、スピンドル組立体12の軸方向他端部(図中右側)に配設された第2のプリテンショナー15、及び車両緊急時にスピンドル組立体12を後述する第2プレート42に係合させてスピンドル組立体12の回転を阻止するロック機構部16と、を備えている。
リトラクタフレーム11は、車体に固定される背板11cの両側から左右の側板11a,11bが立ち上がり、略コ字状の断面を有するように金属板をプレス成形したものである。左右の側板11a,11bの対向位置には、スピンドル組立体12が回転自在に橋架される貫通孔11d,11eが設けられている。リトラクタフレーム11には、一対の側板11a,11bの自由端を連結するタイロッド17、及びタイプレート18が取り付けられている。
リトラクタフレーム11の側板11aの側方(図中左側方)には、第1のプリテンショナー13の構成部材の一部である第1ギヤケース31、第1プレート32、及び第1サブプレート33が取り付けられている。また、リトラクタフレーム11の側板11bの側方(図中右側方)には、第2のプリテンショナー15の構成部材の一部である第2ギヤケース41、第2プレート42、及び第2サブプレート43が取り付けられている。
スピンドル組立体12は、外周にシートベルト(図示せず)が巻装される略円筒状のスピンドル20と、スピンドル20の他端側(図中右側)に配置されるトレッドヘッド22、ロックドッグ23、オメガスプリング24、及び安全プレート25と、を備える。ロックドッグ23は、略扇形に形成されており、外周部に歯部23aを有すると共に、ロック機構部側の側部にピン(図示せず)が植設されている。
また、スピンドル20には、スピンドル20の軸中心に沿ってスピンドル20内に装着され、軸方向一端部(図中左端部)がスピンドル20にスプライン嵌合し、軸方向他端部(図中右端部)がトレッドヘッド22にスプライン嵌合してフォースリミッタ機構を構成するトーションバー21が配設されている。
スピンドル組立体12は、組立状態では、リトラクタフレーム11、第1及び第2ギヤケース31、41、第1及び第2プレート32、42に挿通され、後述するベアリングプレート61と、ベアリングブッシュ27に両端が支持されてスムーズに回転可能となっている。
図3も参照して、第1のプリテンショナー13は、第1ギヤケース31に固定された金属製の第1マニホールドケース34、第1ピニオン35、第1クラッチプレート36、駆動部材である第1ラック37、ダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材38、ホールドスプリング50、及びガスジェネレータ51A、を備える。
第1ピニオン35は、外周部に歯部35aを有し、その内周部に複数(本実施形態では、4つ)のカム溝35bを有する。第1クラッチプレート36は、円板形状をなす本体部36aと、本体部36aからスピンドル20に向けて突出する複数(本実施形態では、4つ)の動力伝達片36bと、本体部36aから動力伝達片36bと反対側に突出する複数の突起36cと、を有する。本体部36aは、突起36cが第1プレート32の穴に挿入されることで、回転不能に固定されている。
動力伝達片36bは、通常時に、第1ピニオン35のカム溝35bと、スピンドル20のセレーション軸部26との間に、セレーション軸部26に接触しないように収容されている。そして、第1ピニオン35が第1ラック37によって回転されると、第1ピニオン35の回転に伴って動力伝達片36bがカム溝35bの浅溝部分(半径方向中心側)に移動して、カム溝35bとセレーション軸部26との間に挟み込まれる。
そして、動力伝達片36bが破断して本体部36aから離間することで、第1ピニオン35及びスピンドル20と共に回転する。即ち、第1ピニオン35のカム溝35b、スピンドル20のセレーション軸部26、及び第1クラッチプレート36の動力伝達片36bによって、クラッチ機構が構成される。
なお、セレーション軸部26には、第1ピニオン35のカム溝35bによって動力伝達片36bが押し付けられたとき、滑ることなく回転トルクを伝達できるように、ローレットなどの高摩擦加工が施されているのが好ましい。
第1マニホールドケース34は、内部にL字状のガス流路52が形成されており、その基端部にガスジェネレータ51Aがキャップ53によって組み付けられている。
第1ラック37は、先端部側に第1ピニオン35の歯部35aと噛合可能な歯部37aを有すると共に、歯部37aと反対側の先端部側には、ノッチ部37bが形成されている。また、歯部37aは、第1のプリテンショナー13が作動した後、第1ピニオン35の歯部35aと係合しないように、歯数が設定されている。
第1ラック37の基端部37cは、ガス流路52の内径と同径の円板状に形成されており、基端部37cの外周に形成されたOリング溝37dにOリング54が嵌め込まれ、ガス流路52の気密が保持されている。また、基端部37cには、ガス流路52のガスジェネレータ51A側の空間と、第1ピニオン35側の空間を連通する排出口37eが形成されている。
第1ギヤケース31には、第1ピニオン35を収容可能な円形のピニオン室31aと、第1ラック37を収容可能な直方形のラック室31bとが互いに連続して、側面(図1中、左側)から掘り込み形成されており、その開放面には第1プレート32、及び第1サブプレート33が蓋状に取り付けられている。
ラック室31bの上端部には、エネルギ吸収部材38が装着されている。エネルギ吸収部材38は、ダイラタンシー特性を有する樹脂材料によって蛇腹状に形成されている。エネルギ吸収部材38は、後述するように第1ラック37が作動して第1ピニオン35と噛合し、第1ラック37と第1ピニオン35との噛合が解除される前、換言すれば、第1ラック37による回転力が第1ピニオン35に与えられている途中で、第1ラック37の先端部37fが接触するように配置されている。
ダイラタンシー(Dilatancy)とは、せん断速度の増大と共に粘度が増大する特性のことであり、衝突エネルギなどを効果的に吸収する材料として好適に使用される。即ち、ダイラタンシーは、図7に示すように、横軸がせん断速度勾配(速度の変化率)、縦軸がせん断応力、傾きが(見かけ)粘度を示す。このようなダイラタンシー特性を有する樹脂材料としては、例えば、官能基数が2のポリエステルポリオールと、低分子量で官能基数が2の鎖延長剤と、イソシアネートと、を反応させることによって得られる、ダイラタンシー性ポリウレタンが例示される。
ホールドスプリング50は、ばね性を有する薄板によって略V字型に形成された板ばねであり、その一端が第1ラック37の移動経路内に常時飛び出すように、ラック室31bの側方に設けられたばね室31cに収容されている。そして、第1ラック37が移動(図3中上方)したとき、ホールドスプリング50がノッチ部37bに係止して、第1ラック37の移動方向と反対方向(図3中下方)への移動を規制する。
ガスジェネレータ51Aは、制御回路(図示せず)に電気的に接続されており、車両衝突が検出されると点火され、火薬の爆発によって高圧のガスを発生させて第1ラック37をガス圧によって駆動する。
巻取ばね装置14は、巻取りばね(図示せず)、巻取りばねケース55、及びカバー56を備える。巻取りばねは、外周端部が巻取りばねケース55に固定されると共に、内周端部がスピンドル20のセレーション軸部26に固定されて巻取りばねケース55内に収容されている。これにより、巻取りばねは、スピンドル20を常時、巻取り方向に付勢している。
図4も参照して、第2のプリテンショナー15は、第1ギヤケース41に固定された金属製の第2マニホールドケース44、第2ピニオン45、第2クラッチプレート46、駆動部材である第2ラック47、ダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材48、ホールドスプリング50、及びガスジェネレータ51B、を備える。
第2ピニオン45は、外周部に歯部45aを有すると共に、その内周部に複数(本実施形態では、6つ)のカム溝45bを有し、トレッドヘッド22の外周側に同心に配設されている。
第2クラッチプレート46は、スピンドル20と第2ピニオン45との間に配置されており、円板形状をなす本体部46aと、本体部46aから第2ピニオン45に向けて突出する複数(本実施形態では、6つ)の動力伝達片46bと、本体部46aから動力伝達片46bと反対側に突出する複数の突起46cと、を有する。本体部46aは、突起46cが第1ギヤケース41の穴(図示せず)に挿入されることで、回転不能に固定されている。
動力伝達片46bは、通常時に、第2ピニオン45のカム溝45bと、トレッドヘッド22のセレーション軸部22aとの間に、セレーション軸部22aに接触しないように収容されている。そして、第2ピニオン45が第2ラック47によって回転されると、第2ピニオン45の回転に伴って動力伝達片46bがカム溝45bの浅溝部分(半径方向中心側)に移動して、カム溝45bとセレーション軸部22aとの間に挟み込まれる。
そして、動力伝達片46bが破断して本体部46aから離間することで、第2ピニオン45及びトレッドヘッド22と共に回転する。即ち、第2ピニオン45のカム溝45b、トレッドヘッド22のセレーション軸部22a、及び第2クラッチプレート46の動力伝達片46bによってクラッチ機構が構成される。トレッドヘッド22の回転は、軸方向他端部側がトレッドヘッド22にスプライン嵌合するトーションバー21を介してスピンドル20に伝達されて、スピンドル20が回転する。
第2マニホールドケース44は、内部にL字状のガス流路57が形成されており、その基端部にガスジェネレータ51Bがキャップ53によって組み付けられている。
第2ラック47は、先端部側に第2ピニオン45の歯部45aと噛合可能な歯部47aを有すると共に、歯部47aと反対側の先端部側に、ノッチ部47bが形成されている。また、歯部47aは、第2のプリテンショナー15が作動した後、第2ピニオン45の歯部45aと係合しないように、歯数が設定されている。
第2ラック47の基端部47cは、ガス流路57の内径と同径の円板状に形成されており、基端部47cの外周に形成されたOリング溝47dにOリング54が嵌め込まれて、ガス流路57の気密が保持されている。また、基端部47cには、ガス流路57のガスジェネレータ51B側の空間と、第2ピニオン45側の空間を連通する排出口47eが形成されている。
第2ギヤケース41には、第2ピニオン45を収容可能な円形のピニオン室41aと、第2ラック47を収容可能な直方形のラック室41bとが互いに連続して、側面(図1中、右側)から掘り込み形成されており、その開放面には第2プレート42、及び第2サブプレート43が蓋状に取り付けられている。第2プレート42には、ロックドッグ23の歯部23aと係合する係合内歯42aが形成されている。
ラック室41bの上端部には、エネルギ吸収部材48が装着されている。エネルギ吸収部材48は、ダイラタンシー特性を有する樹脂材料によって蛇腹状に形成されている。エネルギ吸収部材48は、後述するように第2ラック47が作動して第2ピニオン45と噛合し、第2ラック47による回転力が第2ピニオン45に与えられている途中で、第2ラック47の先端部47fが接触するように配置されている。
ホールドスプリング50は、ばね性を有する薄板によって略V字型に形成された板ばねであり、その一端が第2ラック47の移動経路内に常時飛び出すように、ラック室41bの側方に設けられたばね室41cに収容されている。そして、第2ラック47が移動(図4中上方)したとき、ホールドスプリング50がノッチ部47bに係止して、第2ラック47の移動方向と反対方向(図4中下方)への移動を規制する。
ガスジェネレータ51Bは、制御回路(図示せず)に電気的に接続されており、車両衝突が検出されると点火され、火薬の爆発によって高圧のガスを発生させて、第2ラック47をガス圧によって駆動する。なお、ガスジェネレータ51A、51Bの点火タイミングは、制御回路によって適宜制御され、所定の時間間隔で点火される。
ロック機構部16は、不図示の加速度センサと、トレッドヘッド22から側方に突出形成された軸部22b(図2参照)に嵌合配置されたイナーシャマス組立体62と、この軸部22bに嵌合してイナーシャマス組立体62を覆うと共に、スピンドル組立体12の軸方向他端部を回動自在に支持するベアリングプレート61と、全体を覆うカバー63と、を備える。
イナーシャマス組立体62は、ステアリングホィール64と、このステアリングホィール64内に組み込まれた、いずれも不図示の慣性体、WSレバー、及びスプリングから構成されている。ステアリングホィール64の側面には、図1の右側から見たとき、反時計方向に進むに従って次第に径方向外方に向かう溝カム64aが形成されている。溝カム64aには、ロックドッグ23のピンが嵌合する。また、ベアリングプレート61には、WSレバーと係合してステアリングホィール64(イナーシャマス組立体62)の回転を阻止する内歯61aが形成されている。
加速度センサは、いずれも不図示の球状のセンサウェイト、センサウェイトを収容するセンサケース、及びセンサケースに軸を介して回転可能に取り付けられるセンサレバーを備える。加速度センサは、車両衝突等で所定値より大きい水平方向の加速度が作用すると、センサウェイトの移動によってセンサレバーが回動し、ステアリングホィール64に係合させて回転を阻止する。
次に、本実施形態のシートベルト用リトラクター10の動作について、図5から図8を参照して説明する。なお、第1のプリテンショナー13が作動開始後に、第2のプリテンショナー15が作動開始する場合について説明する。
通常時は、第1のプリテンショナー13及び第2のプリテンショナー15の各構成部品は動作せず、スピンドル組立体12を支承する機能と、巻取りばね装置14によるばね力を付与する機能以外には機能しない。
ここで、乗員等によってシートベルトが引き出されると、スピンドル20が回転する。スピンドル20は、クラッチ機構によって第1ピニオン35、及び第2ピニオン45と切り離されているため、自由に回転することができる。このとき、巻き取りばねを巻き上げて反力を受ける。シートベルトの引き出しを止めて力を緩めると、巻き取りばねの反力によりスピンドル20が逆回転し、シートベルトはスピンドル20に巻き取られる。
急ブレーキ等の車両衝突と比べて低い衝撃等では、第1及び第2のプリテンショナー13、15が作動することはなく、ロック機構部16によってシートベルト用リトラクター10からのシートベルトの引き出しが阻止される。
具体的には、所定値より大きい水平方向の加速度が加速度センサによって検出されると、センサウェイトが移動してセンサレバーを回動させ、ステアリングホィール64に係合する。これにより、ステアリングホィール64の回転が阻止された状態でシートベルトがシートベルト用リトラクター10から引き出されると、ステアリングホィール64がスピンドル20に対して回転遅れを生じる。
ステアリングホィール64とスピンドル20との相対回転によって、ステアリングホィール64の溝カム64aに嵌合するピン23a、即ち、ロックドッグ23は、溝カム64aに案内されて径方向外方に移動し、ロックドッグ23の歯部23aが、第2プレート42の係合内歯42aに係合して、シートベルトの引き出し動作がロックされる。
図5(a)に示すように、車両衝突等によって一定の閾値を超えた衝撃が入ると、制御回路で衝撃信号が発生し、第1のプリテンショナー13のガスジェネレータ51Aに点火を起動させるための電流が流れ、ガスジェネレータ51Aが発火作動して高圧ガスを噴出する。
高圧ガスは、ガス流路52を通じて第1ラック37の基端部37cの下面に作用して、第1ラック37を図5(b)に示すように上方向へ移動させる。これにより、第1ラック37は、その歯部37aを第1ピニオン35の歯部35aに噛み合わせ、第1ピニオン35をスピンドル20の巻取り方向、即ち、図中、反時計回転方向に回転させる。
第1ピニオン35が回転すると、第1クラッチプレート36の動力伝達片36bは、第1ピニオン35の回転に伴ってカム溝35bの深溝部分から浅溝部分(径方向中心方向)に移動し、カム溝35bとセレーション軸部26との間に挟みこまれ、やがて破断して第1ピニオン35及びスピンドル20とともに回転する。これにより、スピンドル20は、第1ピニオン35に一体に結合されて、図5(b)に示すように、反時計回転方向に回転を始め、シートベルトが巻き取られて弛み吸収動作が開始される。
やがて、第1ラック37は、図5(c)に示すように、第1ラック37と第1ピニオン35との噛合が解除される前に、先端部37fが蛇腹状に形成されたエネルギ吸収部材38に当接し、更に図5(d)に示すように、エネルギ吸収部材38を圧縮しながら上方に移動して、スピンドル20を第1ピニオン35と共に回転させる。即ち、第1ラック37は、第1ラック37と第1ピニオン35との噛合が解除される前、(第1ラック37による回転力が第1ピニオン35に与えられている間)に、慣性エネルギの吸収作用が開始される。
エネルギ吸収部材38は、ダイラタンシー特性を有する樹脂材料で成形されているので、第1ラック37の移動速度が高速の当接初期においては粘度が高い弾性体として作用し、第1ラック37の慣性エネルギを効果的に吸収する。そして、第1ラック37の速度が低下するに伴って、次第に粘度が低くなって、第1ラック37の慣性エネルギをソフトに吸収する(図7参照)。
一方、ガスジェネレータ51Aから噴出したガスは、第1ラック37が移動(上方)してガスジェネレータ51A側のガス流路52の容積が拡大すること、ガスの温度が冷えること、僅かな隙間などからガスが漏れること、等によるガス圧低下によって第1ラック37への駆動力は次第に低下していく。また、排出口37eによってガス流路52内の残留ガスを確実に抜くことができる。
図5(e)に示すように、第1のプリテンショナー13において、第1ラック37は、第1ピニオン35への噛合いを終えた後に、第1ピニオン35から離脱するために、シートベルトの巻き取り動作が解除される。また、ガス圧により移動する第1ラック37は、そのノッチ部37bがホールドスプリング50に係止されるので、第1ラック37が戻る(下方移動)ことはなく、移動端で保持される。このため、第1のプリテンショナー13の作動完了後、第1ピニオン35には、第1ラック37による引き込み力は作用せず、後のフォースリミッタ機構の作動に及ぼす影響が排除される。
次いで、図6(a)に示すように、第1のプリテンショナー13が作動した後、制御回路から第2のプリテンショナー15のガスジェネレータ51Bに点火を起動させるための電流が流れ、ガスジェネレータ51Bが発火作動して高圧ガスを噴出する。
高圧ガスは、ガス流路57を通じて第2ラック47の基端部47cの下面に作用して、第2ラック47を図6(b)に示すように上方向へ移動させる。これにより、第2ラック47は、その歯部47aを第2ピニオン45の歯部45aに噛み合わせ、第2ピニオン45をスピンドル20の巻取り方向、即ち、図6において時計回転方向に回転させる。
第2ピニオン45が回転することにより、第2クラッチプレート46の動力伝達片46bは、カム溝45bの深溝部分から浅溝部分(径方向中心方向)に移動し、第2ピニオン45のカム溝45bとトレッドヘッド22のセレーション軸部22aとの間に挟みこまれ、やがて破断して第2ピニオン45及びトレッドヘッド22と共に回転する。トレッドヘッド22の回転は、トーションバー21を介してスピンドル20に伝達され、スピンドル20を巻取り方向に回転させてシートベルトの巻き取りが開始される。
やがて、第2ラック47は、図6(c)に示すように、第2ラック47と第2ピニオン45との噛合が解除される前に、先端部47fが蛇腹状に形成されたエネルギ吸収部材48に当接し、更に図6(d)に示すように、エネルギ吸収部材48を圧縮しながら上方に移動して、スピンドル20を第2ピニオン45と共に回転させる。即ち、第2ラック47による回転力が第2ピニオン45に与えられている間に、慣性エネルギの吸収作用が開始される。
また、ガスジェネレータ51Bから噴出したガスは、第1のプリテンショナー13と同様に、ガス圧低下によって第2ラック47への駆動力が低下すると共に、排出口47eによってガス流路57内の残留ガスを確実に抜くことができる。
本実施形態のシートベルト用リトラクター10においては、第1のプリテンショナー13の回動開始後に、第2のプリテンショナー15が作動を開始するようにしたので、シートベルトの引き込み始めは、第1ピニオン35の回転によって、ある程度大きな荷重で巻き取られ、その後の第2ピニオン45の回転によって、第1のプリテンショナー13による荷重を持続して巻き取る。これにより、シートベルトの弛みを除去して、乗員をシートに確実に拘束することができる。
図8及び図9は、ダイラタンシー特性を備えるエネルギ吸収部材の有無によって、シートベルトに作用する張力変動の状態を示すグラフである。エネルギ吸収部材を備えないシートベルト用リトラクターにおいては、図9に示すように、第1のプリテンショナー13の作動によってシートベルトの張力に第1のピークP1が発生した後、第1のプリテンショナー13の作動が終了すると張力が大きく低下する(P2)。そして、引き続く、第2のプリテンショナー15の作動によって再び張力が上昇して第2のピークP3が生じ、10ms程度の極めて短時間の間に、シートベルトの張力が大きく変動する。
一方、ダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材38、48を備える本実施形態のシートベルト用リトラクター10においては、エネルギ吸収部材38、48のダイラタンシー特性によるエネルギ吸収効果に加えて、蛇腹状のエネルギ吸収部材38、48を変形させることによるエネルギ吸収効果も加わり、図8に示すように、第1のピークP1と第2のピークP3間の張力低下が殆どなく、第1のプリテンショナー13の作動によって発生した張力は、シートベルト張力の変動が抑制された状態で、滑らかに第2のプリテンショナー15による張力へ引き継がれる。これにより、シートベルトの荷重変動によって乗員に及ぼすが影響が抑制されて、胸部への負担を軽減することができる。
なお、第1のプリテンショナー13に配置されるエネルギ吸収部材38のエネルギ吸収特性と、第2のプリテンショナー15に配置されるエネルギ吸収部材48のエネルギ吸収特性とは、異なることが好ましい。特に、できるだけ時間をかけてラックを停止させて、乗員に作用するシートベルトの負荷を穏やかにするためには、第1のプリテンショナー13に配置されるエネルギ吸収部材38のダイラタンシー特性(図7の実線)より、後に作動する第2のプリテンショナー15に配置されるエネルギ吸収部材48のダイラタンシー特性(図7の点線)を低く(柔らかく)設定することが望ましい。
また、車両衝突に伴う乗員の慣性移動により、シートベルトに引き出し方向の荷重がかかると、シートベルトが引き出されてスピンドル20がシートベルトの引き出し方向に回転を始める。このとき、ロック機構部16によってトレッドヘッド22の回転が拘束されているので、スピンドル20の回転によってフォースリミッタ機構を構成するトーションバー21が捩れる。このトーションバー21が塑性変形することによって、エネルギを吸収しながらシートベルトが繰り出されて、乗員の胸部への負担が軽減される。
従って、本実施形態のシートベルト用リトラクター10によれば、衝突時にガス圧によって駆動される第1及び第2のラック37,47が、スピンドル20をシートベルトの巻取り方向に回転させる第1及び第2のプリテンショナー13,15を備えており、それぞれのラック37,47の作動終端部に、ダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材38,48が配置されているので、シートベルトの張力変動が抑制された状態でシートベルトをスピンドル20に巻き取ることができる。これによって、シートベルト巻取り時に乗員に及ぼす荷重変動が低減され、胸部への負担を軽減することができ、高速衝突時の安全性向上が図られる。
更に、第1及び第2のラック37,47は、それぞれ第1及び第2ピニオン35、45との噛合が解除される前に、先端部37f,47fが蛇腹状に形成されたエネルギ吸収部材38,48に当接して慣性エネルギの吸収作用を開始するので、第1及び第2のラック37,47の速度を調節しながらソフトに停止させることができる。これによって、シートベルトの張力変動を効果的に抑制することができる。
また、第1及び第2のプリテンショナー13,15が備えるラックアンドピニオン機構のラック37,47の作動終端部に配置されたエネルギ吸収部材38,48に、直線駆動されるラック37,47を衝突させるだけで、エネルギ吸収部材38,48の持つダイラタンシー特性によってラック37,47の持つ運動エネルギを効率的に吸収して、ラック37,47の速度を調節しながら停止させることができる。これによって、シートベルトの張力変動を抑制することができる。
図10は、本実施形態の変形例に係る、エネルギ吸収部材の形状が異なる第2のプリテンショナーの作動状態を順に示す作動図である。この場合の第2プリテンショナーのエネルギ吸収部材68は、ダイラタンシー特性を有する樹脂材料によって略矩形に形成されており、ラック室41bの上端部に配置されている。
このエネルギ吸収部材68によれば、蛇腹状に形成されたエネルギ吸収部材48(図6参照)のようにエネルギ吸収部材48自身の変形によるエネルギ吸収効果は期待できないものの、エネルギ吸収部材68の持つダイラタンシー特性によって、第2ラック47の運動エネルギを効果的に吸収することができる。
その他の構成及び作用については、上記実施形態のシートベルト用リトラクター10と同様であるので説明を省略する。なお、この矩形状のエネルギ吸収部材68は、第1プリテンショナーのエネルギ吸収部材として適用可能である。
尚、本発明は、前述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。例えば、上記した実施形態では、ラックアンドピニオンを用いたダブルプリテンショナー式シートベルト用リトラクターを例に説明したが、これに限定されず、シングルテンショナー式シートベルト用リトラクターであっても同様に適用が可能であり、同様の効果を奏する。
また、ラックアンドピニオン方式に限定されず、衝突時にガス圧によって駆動される複数のボールによってスピンドルが回転駆動されるボール駆動タイプのプリテンショナーとすることもできる。この場合、エネルギ吸収部材は、ボールがスピンドルを駆動している途中から、該ボールの運動エネルギの吸収を開始するように、ボールの排出口などに配置される。更に、エネルギ吸収部材は、ダイラタンシー特性を有する樹脂材料に限定されず、一般的なコイルばね、板ばね、ゴムなどの弾性部材を用いることもできる。
10 シートベルト用リトラクター
13 第1のプリテンショナー
15 第2のプリテンショナー
20 スピンドル
21 トーションバー
37 第1ラック(第1の駆動部材)
38 エネルギ吸収部材
47 第2ラック(第2の駆動部材)
48 エネルギ吸収部材
68 エネルギ吸収部材

Claims (7)

  1. シートベルトが巻装されるスピンドルと、
    その軸方向一端部が前記スピンドルの軸方向一端部と結合されて、前記スピンドルの中空部内に配置されるトーションバーと、
    少なくとも衝突時にガス圧によって駆動される第1の駆動部材を備え、該第1の駆動部材の駆動により前記スピンドルと結合して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第1のプリテンショナーと、
    少なくとも衝突時にガス圧によって駆動される第2の駆動部材を備え、該第2の駆動部材の駆動により前記トーションバーの軸方向他端部と結合し、前記トーションバーを介して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第2のプリテンショナーと、
    を備えるシートベルト用リトラクターであって、
    前記第1及び第2の駆動部材の少なくとも一方の作動終端部に配置され、前記第1及び第2の駆動部材の運動エネルギを吸収するダイラタンシー特性を有するエネルギ吸収部材を備えることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
  2. 前記第1及び第2のプリテンショナーは、ラックアンドピニオン機構を備え、
    前記第1及び第2の駆動部材は、火薬の爆発により発生するガスの前記ガス圧によって直線駆動される前記ラックであることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクター。
  3. 前記第2のプリテンショナーは、前記第1のプリテンショナーの作動後に作動し、
    前記第2のプリテンショナーに設けられたエネルギ吸収部材は、前記第1のプリテンショナーに設けられたエネルギ吸収部材よりも低いダイラタンシー特性を有することを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクター。
  4. シートベルトが巻装されるスピンドルと、
    その軸方向一端部が前記スピンドルの軸方向一端部と結合されて、前記スピンドルの中空部内に配置されるトーションバーと、
    少なくとも衝突時にガス圧によって駆動される駆動部材を備え、該駆動部材の駆動により前記スピンドルと結合して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させるプリテンショナーと、
    を備えるシートベルト用リトラクターであって、
    前記駆動部材の作動終端部側に配置され、前記駆動部材の運動エネルギを吸収するエネルギ吸収部材を備え、
    前記エネルギ吸収部材は、前記駆動部材が前記スピンドルに回転力を与えている間に前記駆動部材との接触を開始して、前記駆動部材の運動エネルギを吸収することを特徴とするシートベルト用リトラクター。
  5. 前記エネルギ吸収部材は、ダイラタンシー特性を有することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト用リトラクター。
  6. 前記エネルギ吸収部材は、弾性部材であることを特徴とする請求項4に記載のシートベルト用リトラクター。
  7. 前記プリテンショナーは、第1の駆動部材の駆動により前記スピンドルと結合して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第1のプリテンショナーと、第2の駆動部材の駆動により前記トーションバーの軸方向他端部と結合し、前記トーションバーを介して前記スピンドルを前記シートベルトの巻取り方向に回転させる第2のプリテンショナーと、を有し、
    前記第1および第2のプリテンショナーの少なくとも一方の前記プリテンショナーは、前記エネルギ吸収部材を備えることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のシートベルト用リトラクター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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