以下、添付図面を参照しながら、本発明の無線伝送システムに係る好適な実施の形態について説明する。なお、以下では、有線インタフェースの例として、HDMI(High Definition Multimedia Interface)・CEC(Consumer Electronics Control)を例示して説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、IEEE1394等の有線インタフェースを適用することもできる。
図1は、本発明の無線伝送システムを構成する中継機器の一例を示すブロック図で、図中、1は中継機器(以下、ブリッジ機器という)を示す。このブリッジ機器1は、有線(HDMI)機器と通信可能に接続するための有線接続部11と、ブリッジ機器1を制御する制御部12と、無線機器と通信可能に接続するための無線接続部13と、有線制御コマンドの一例であるCECメッセージを送受信するHDMI・CECドライバ14と、無線制御コマンドを送受信する無線機器制御ドライバ15と、CECメッセージと無線制御コマンドとを解析し相互に変換する機器制御マネージャ16と、HDMI機器の論理アドレスと物理アドレスとを対応付けて記憶するHDMI機器IDテーブル17と、無線機器に固有のIDと各無線機器が属するグループを識別するためのグループ識別IDとを対応付けて記憶する無線機器ID/グループ識別IDテーブル18とを備える。
なお、ブリッジ機器1は、後述の図4と図10の両方の構成に対応しており、図4の例の場合、有線機器から送信されるAVコンテンツを無線機器に送信するように、有線から無線への中継を行い、図10の例の場合、無線機器から送信されるAVコンテンツを有線機器に送信するように、無線から有線への中継を行う。
このブリッジ機器1は、有線接続部11にHDMI機器を有線接続し、無線接続部13に無線機器を無線接続し、これらHDMI機器と無線機器との間で制御コマンド(CECメッセージと無線制御コマンド)を相互に変換して通信可能とするものである。なお、ブリッジ機器1とHDMI機器とを接続するHDMIケーブルは、デジタル信号である映像・音声信号を差動方式で伝送するためのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ライン(デジタル信号ライン)と、機器間で共通の制御信号(CECメッセージ)を伝送する双方向バスであるCECラインとを含んでいる。またこの他、HDMIケーブルには、EDID(Extended Display Identification Data)の送信やHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system)認証等に利用されるDDC(Display Data Channel)ラインが含まれる。
ここで、CECメッセージは、HDMI規格のCECプロトコルに基づく機器制御信号である。そして、この機器制御信号を機器間でやり取りすることにより、HDMI機器間で各種の動作制御を実現する。CECの場合、HDMI接続された各機器の論理アドレス(機器の種別)と物理アドレス(機器の位置)が取得されるため、この論理アドレスを指定することで所望の機器にCECメッセージを送信することができる。
以下、CECにおける論理アドレスと物理アドレスについて簡単に説明する。
まず、論理アドレスは、HDMI CECにおける規格では、機器の種別に応じて複数個扱えることになっており、HDMIネットワーク内では唯一名となっている。この論理アドレスはHDMI機器の種類に応じて異なっている。例えば、論理アドレス“0”はテレビなどの表示機器、“4”はBDプレーヤなどの再生機器、“5”はスピーカやAVアンプなどのオーディオ機器を示す。
また、物理アドレスは、HDMIネットワーク内では唯一名となっているが、通常、表示機器には物理アドレス(0.0.0.0)が割り当てられる。また、HDMI機器がHDMIネットワークに追加されたり、切り離されたりすると自動的に調整される。物理アドレスは、表示機器を含む複数階層のアドレスを持ち、同一階層における唯一番号nから構成され、(n.n.n.n)形式で表現される。表示機器に直接接続されたHDMI機器の階層を第1階層とした場合、この第1階層の機器に接続されたHDMI機器が第2階層となり、表示機器から離れるに従って階層番号を増やしていく。そして、上記形式(n.n.n.n)の左端のnから右に行くに従って階層番号が増えるように表記される。
HDMI機器の場合、このような論理アドレスと物理アドレスを持つために、たとえ複数台のHDMI機器がHDMIネットワークに接続されていても、特定の1台を指定してCECメッセージを送信することが可能となる。
図1において、有線接続部11と無線接続部13とは制御部12に接続されており、HDMI・CECドライバ14,無線機器制御ドライバ15,機器制御マネージャ16,HDMI機器IDテーブル17,及び無線機器ID/グループ識別IDテーブル18は制御部12の制御下にあるものとする。HDMI・CECドライバ12で受信したCECメッセージまたは無線機器制御ドライバ15で受信した無線制御コマンドを機器制御マネージャ16が受け取る。
機器制御マネージャ16は、CECメッセージを無線制御コマンドに変換し、また、無線制御コマンドをCECメッセージに変換する。そして、機器制御マネージャ16は、変換後の無線制御コマンドに対して、無線機器ID/グループ識別IDテーブル18に基づいて宛先(機器ID,グループ識別ID)を指定し、また、変換後のCECメッセージに対して、HDMI機器IDテーブル17に基づいて宛先(論理アドレス)を指定する。
無線接続部13は、変換後の無線制御コマンドを機器制御マネージャ16で指定された宛先に無線送信する。有線接続部11は、変換後のCECメッセージを機器マネージャ16で指定された宛先に有線送信する。なお、無線接続部13及び有線接続部11は、宛先を指定しないブロードキャスト送信することも可能である。
HDMI機器IDテーブル17と無線機器ID/グループ識別IDテーブル18とは、それぞれの機器の電源がオンされ、有線接続、無線接続が有効になったときに自動的に所定のコマンドをやり取りして生成される。この電源オン後のシーケンス例については、後述の図6で説明する。
図2は、本発明の無線伝送システムを構成するソース機器の一例を示すブロック図である。図2(A)は有線(HDMI)ソース機器、図2(B)は無線ソース機器を示す。これらのソース機器は、AVコンテンツを出力可能な映像出力機器であって、本例のBD(Blu-ray Disc)プレーヤ、BDレコーダに限定されず、例えば、STBや、DVDレコーダ、DVDプレーヤなどであってもよい。
図2(A)において、HDMIソース機器2は、BD等の光ディスクを駆動するBD部21と、HDMIソース機器2を制御する制御部22と、有線(HDMI)機器と通信可能に接続するための有線接続部23と、CECメッセージを送受信するHDMI・CECドライバ24と、CECメッセージを解析する機器制御マネージャ25と、HDMI機器の論理アドレスと物理アドレスとを対応付けて記憶するHDMI機器IDテーブル26と、リモコン装置(図示せず)から操作信号を受信する受光部や本体操作部を含む操作部27と、を備える。
図2(B)において、無線ソース機器3は、BD等の光ディスクを駆動するBD部31と、無線ソース機器3を制御する制御部32と、無線機器と通信可能に接続するための無線接続部33と、無線制御コマンドを送受信する無線機器制御ドライバ34と、無線制御コマンドを解析する機器制御マネージャ35と、無線機器に固有のIDと各無線機器が属するグループを識別するためのグループ識別IDとを対応付けて記憶する無線機器ID/グループ識別IDテーブル36と、リモコン装置(図示せず)から操作信号を受信する受光部や本体操作部を含む操作部37と、を備える。
図3は、本発明の無線伝送システムを構成するシンク機器の一例を示すブロック図である。図3(A)は有線(HDMI)シンク機器、図3(B)は無線シンク機器を示す。これらのシンク機器は、ソース機器から送信されるAVコンテンツのうち、映像及び/又は音声を出力可能な表示機器であって、例えば、テレビやモニタなどである。また、シンク機器は、ソース機器から送信されるAVコンテンツのうち、音声を出力可能なオーディオ機器であってもよく、例えば、AVアンプやスピーカなどでもよい。
図3(A)において、HDMIシンク機器4は、有線(HDMI)機器と通信可能に接続するための有線接続部41と、HDMIシンク機器4を制御する制御部42と、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部43と、CECメッセージを送受信するHDMI・CECドライバ44と、CECメッセージを解析する機器制御マネージャ45と、HDMI機器の論理アドレスと物理アドレスとを対応付けて記憶するHDMI機器IDテーブル46と、リモコン装置(図示せず)から操作信号を受信する受光部や本体操作部を備えた操作部47と、を備える。
図3(B)において、無線シンク機器5は、無線機器と通信可能に接続するための無線接続部51と、無線シンク機器5を制御する制御部52と、LCDなどの表示部53と、無線制御コマンドを送受信する無線機器制御ドライバ54と、無線制御コマンドを解析する機器制御マネージャ55と、無線機器に固有のIDと各無線機器が属するグループを識別するためのグループ識別IDとを対応付けて記憶する無線機器ID/グループ識別IDテーブル56と、リモコン装置(図示せず)から操作信号を受信する受光部や本体操作部を含む操作部57と、を備える。
図2及び図3において、各機器は、それぞれ接続(有線接続または無線接続)する他の機器のID情報を、ブリッジ機器1と同様にテーブルで保持する。HDMI機器の場合はHDMI機器IDテーブル、無線機器の場合は無線機器ID/グループ識別IDテーブルにそれぞれ保持する。これらのテーブルに保持するID情報は、ブリッジ機器1と同様に、電源オンでそれぞれの接続が有効になったときに、自動的に所定の制御コマンドをやり取りして生成される。そして、各テーブルの内容は、接続先機器のテーブルと同じ内容となる。
本発明の主たる特徴部分は、無線AV伝送を行う際に、グループ単位で複数のシンク機器を連動して動作させ、制御コマンドの伝送量を必要最小限にすることである。このための構成として、無線伝送システムは、映像及び/又は音声を含むAVコンテンツを無線送信するコンテンツ送信装置と、無線送信されたAVコンテンツを受信する複数のシンク機器とを備え、複数のシンク機器の少なくとも1つが無線シンク機器で構成される。例えば、複数のシンク機器がテレビと複数のスピーカとで構成されている場合、コンテンツ再生装置からマルチキャスト送信されるAVコンテンツのうち、テレビはAVコンテンツから映像を抽出し、スピーカは音声を抽出することができるため、複数のシンク機器により映像及び音声を同時に再生することができる。
上記コンテンツ送信装置としては、大きく2つの形態があり、第1に、有線ソース機器2とブリッジ機器1とで構成される形態、第2に、無線ソース機器3のみで構成される形態とがある。第1の形態を代表例として説明すると、コンテンツ送信装置を構成するブリッジ機器1(図1)は、複数のシンク機器で構成されるグループを識別するためのグループ識別IDを記憶するグループ識別IDテーブルに相当する無線機器ID/グループ識別IDテーブル18と、複数のシンク機器を制御するための制御コマンドに、無線機器ID/グループ識別IDテーブル18から抽出されるグループ識別IDを付加するグループ識別ID付加部に相当する機器制御マネージャ16と、グループ識別IDが付加された制御コマンドを無線送信する無線送信部に相当する無線接続部13と、を備える。なお、このコンテンツ送信装置を無線ソース機器3(図2(B))とした第2の形態の場合でも同様である。
すなわち、無線AV伝送で接続される複数のシンク機器(例えば、テレビ装置と1つ以上のオーディオ機器など)をまとめたグループを形成する。このグループ単位で連動して動作させる必要がある場合に、グループ識別IDを付加した制御コマンドを無線送信する。無線シンク機器は、自身のグループ宛の制御コマンドであれば、この制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに応じた動作を行うように構成される。これにより、無線AV伝送を行う際に、グループ単位で複数のシンク機器を連動して動作させ、制御コマンドの伝送量を必要最小限にすることができ、また、各シンク機器での制御コマンドの到着タイミングにバラツキが発生しなくなるようにすることができる。
また、グループに属する無線シンク機器のいずれか1つを代表無線シンク機器としてもよい。この代表無線シンク機器は、代表無線シンク機器が属するグループを代表して、コンテンツ送信装置(ブリッジ機器1あるいは無線ソース機器3)、または、他のグループの代表無線シンク機器と無線通信を行うことができる。この代表機器を設けることで、例えば、グループ内の機器を連動動作させたり、ソース側へのレスポンスを一本化することができるといった効果が得られる。
ここで、無線伝送方式の制御コマンドとしては、例えば、特定の機器宛てに出される特定機器向けコマンド、相手機器を特定せず全てのグループ宛てに出されるブロードキャストコマンド、特定のグループ宛てに出されるグループ宛てコマンド、などがある。また、応答を必要とするコマンド(例えば、問い合わせコマンドなど)を受け取った機器は、応答(レスポンス)をコマンド送信元に返信する。
有線伝送方式の制御コマンド(HDMIではCECメッセージ)としては、例えば、特定の機器宛てに出される特定機器向けのコマンド、相手機器を特定せず全ての接続機器宛てに出されるブロードキャストコマンド、などがある。また、同様に、応答を必要とするコマンド(問い合わせコマンドなど)を受け取った機器は、レスポンスをコマンド送信元に返信する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、前述したように、コンテンツ送信装置を、HDMIソース機器2とブリッジ機器1とで構成し、複数のシンク機器を、全て無線シンク機器(テレビ装置と1つ以上のオーディオ機器)で構成したものである。この場合、ブリッジ機器1が全ての無線シンク機器と無線接続される。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る無線伝送システムの構成例を示す図である。本例では、HDMIソース機器2とブリッジ機器1とがHDMI接続され、ブリッジ機器1と複数の無線シンク機器が無線接続される。図中、5a,5bはテレビ、6a〜6cはオーディオを示す。これらのテレビ5a,5b、オーディオ6a〜6cは、無線シンク機器であり、テレビ5a,5bは図3(B)に示した装置構成を備える。また、オーディオ6a〜6cは、例えば、スピーカやAVアンプなどの音声出力機器であり、無線接続部、制御部、無線機器制御ドライバ、機器制御マネージャ、無線機器ID/グループ識別IDテーブル、及び音声出力部などで構成される。
本例の場合、HDMIソース機器2はHDMI機器IDテーブル7aを備え、テレビ5a,5b及びオーディオ6a〜6cは無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bを備え、ブリッジ機器1はHDMI機器IDテーブル7a及び無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bを備える。これらのテーブル7a,7bの生成方法については、後述の図6で説明するものとする。そして、テレビ5aとオーディオ6a,6bはグループAに分類され、テレビ5bとオーディオ6cはグループBに分類される。
第1の形態の場合、無線シンク機器であるテレビ5a,5b及びオーディオ6a〜6cは、コンテンツ送信装置(ブリッジ機器1)から無線送信された制御コマンドに自身のグループ識別IDが付加されている場合に、その制御コマンドを受信する。これにより、無線シンク機器は、受信した制御コマンドに基づいて、同じグループに属する他の無線シンク機器と共に連動して動作することができる。
また、無線シンク機器であるオーディオ6a〜6cは、図4に示す無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bを備えているため、同じグループに属する他の無線シンク機器(テレビ5a,5b)から無線送信された制御コマンドに自身のグループ識別IDが付加されている場合に、その制御コマンドを受信することが可能である。この場合も上記と同様に、無線シンク機器は、受信した制御コマンドに基づいて、同じグループに属する他の無線シンク機器と共に連動して動作することができる。
図5は、無線制御コマンドを送信するパケットの構成例を示す図で、図中、8は伝送パケットを示す。この伝送パケット8のフレームフォーマットは、フレーム識別情報81、受信グループ識別情報82、送信元アドレス83、順序番号情報84、無線制御コマンド85、及び誤り検出符号86、といったフィールドで構成される。
フレーム識別情報81は、データの種別を指定する情報である。例えば、無線LANの場合、制御の目的(データ通信、マネージメント、帯域予約、Acknowledgementなど)に従って、識別情報が区別される。受信グループ識別情報82は、受信するグループを指定する情報(グループ識別ID)である。無線シンク機器はこれに基づき自身のグループと合致する場合にこの伝送パケット8のそれ以降のフィールドを受信する。なお、特定の機器宛てに制御コマンドを送信する場合、宛先機器の機器IDを指定する必要があるため、この機器IDを指定するためのフィールドを別途設けるようにする。あるいは、機器ID用のフィールドを受信グループ識別情報82のフィールドと兼用してもよい。
送信元アドレス83は、送信元である無線ソース機器などのアドレスを示す。順序番号情報84は、再送処理がある通信の場合には重複を判定するために用いられ、また、再送処理が無い場合でも受信機(シンク機器)が番号飛びを検出するために用いられる。なお、この順序番号情報84はこのフレームフォーマットに含めなくてもよい。
無線制御コマンド85は、各シンク機器を制御するための各種の制御データである。なお、ネットワーク形成などの管理を行っている場合には通信制御データを含めるようにしてもよい。誤り検出符号86は、CRC(Cyclic Redundancy Check)など、送信データに誤りが無いか否かを判定するためのデータである。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る無線伝送システムにおける電源オン時のシーケンスの一例を示す図である。このシーケンス例は図4のシステム構成に対応しており、ブリッジ機器1が前述の図4に示すHDMI機器IDテーブル7a及び無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bを生成する場合を例示して説明する。図中、一重線は無線制御コマンド、二重線はCECメッセージ、破線は機器制御以外のコマンド、丸印はコマンド送信元、矢印はコマンド宛先を示す。また、図4のHDMIソース機器2、ブリッジ機器1、テレビ5a、オーディオ6a、オーディオ6b、テレビ5b、及びオーディオ6cが、それぞれ図6のHDMIソース機器、ブリッジ機器、テレビ1、オーディオ1、オーディオ2、テレビ2、及びオーディオ3に対応しているものとする。
また、図6において、「HDMI CEC論理アドレス」は、図4に示すHDMI機器IDテーブル7aの論理アドレスに対応しており、「無線上の機器制御アドレス」は、図4に示す無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bのグループ識別ID(Gr),機器ID(Dev)に対応しているものとする。
まず、HDMIソース機器及びブリッジ機器の電源がオンされると(S1)、ブリッジ機器は、HDMI接続において仮想的にテレビ1の役割を果たすために、テレビの物理アドレス(0.0.0.0)を機器情報としてHDMIソース機器に送信する(S2)。これにより、ブリッジ機器の物理アドレスが(0.0.0.0)、HDMIソース機器の物理アドレスが(1.0.0.0)として決定される。そして、HDMIソース機器は、自身が再生機器であることを宣言するために、再生機器の論理アドレス“4”をCECメッセージ<Polling Message>により送信する(S3)。これに対して、Ackが無ければ、そのまま確定する。なお、ブリッジ機器のグループ識別IDは“0”、機器IDは“0”としてデフォルト設定される。
次に、テレビ1の電源がオンされると(S4)、テレビ1は、ブリッジ機器を介してHDMIソース機器の存在を検知し(S5)、テレビ1の機器情報をブリッジ機器に送信する(S6)。そして、テレビ1は、アドレス割当を要求する無線制御コマンドをブリッジ機器に送信し(S7)、ブリッジ機器は、アドレスを通知するための無線制御コマンドをブロードキャスト送信する(S8)。これにより、テレビ1は、アドレスとしてグループ識別ID“1”と機器ID“1”を取得する。
次に、テレビ1は、グループとなるオーディオ機器にスタンバイ状態からの復帰要求(電源オン要求)を送信する(S9)。この場合、テレビ1は、予めオーディオ1,2のMAC(Media Access Control)アドレスを記憶しており、これらのオーディオ機器が同じグループであることを認識しているものとする。オーディオ1,2は、テレビ1からの復帰要求に応じて、電源をオンすると(S10)、それぞれの機器情報をブリッジ機器に送信する(S11)。
次に、オーディオ1は、アドレス割り当てを要求する無線制御コマンドをブリッジ機器に送信し(S12)、ブリッジ機器は、アドレスを通知するための無線制御コマンドをブロードキャスト送信する(S13)。これにより、オーディオ1は、アドレスとしてグループ識別ID“0”と機器ID“2”を取得する。このグループ識別ID“0”はデフォルトを示す。同様に、オーディオ2は、アドレス割り当てを要求する無線制御コマンドをブリッジ機器に送信し(S14)、ブリッジ機器は、アドレスを通知するための無線制御コマンドをブロードキャスト送信する(S15)。これにより、オーディオ2は、アドレスとしてグループ識別ID“0(デフォルト)”と機器ID“3”を取得する。
次に、ブリッジ機器は、無線側にオーディオ機器が存在するために、HDMIソース機器に、オーディオ機器の論理アドレス“5”をCECメッセージ<Polling Message>により送信する(S16)。これに対して、Ackが無ければ、そのまま確定する。
次に、テレビ1は、グループ識別ID“1”の設定を要求する無線制御コマンドをオーディオ1に送信し(S17)、オーディオ1は、この要求に応じてグループ識別ID“1”を設定すると、グループID設定通知をブロードキャスト送信する(S18)。同様に、テレビ1は、グループ識別ID“1”の設定を要求する無線制御コマンドをオーディオ2に送信し(S19)、オーディオ2は、この要求に応じてグループ識別ID“1”を設定すると、グループID設定通知をブロードキャスト送信する(S20)。
すなわち、ブリッジ機器が、テレビ1の電源がオンされたときに、テレビ1にグループ識別IDを割り当て(S8)、テレビ1が、オーディオ1,2に固有の機器識別情報(MACアドレスなど)に基づいてオーディオ1,2をグループ化し、グループ化したオーディオ1,2にグループ識別IDを割り当てる(S17,S19)。この処理により無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bが生成される。他のグループについても同様の処理によりテーブルが生成される。
このように、図6で説明したシーケンスにより、前述の図4に示した各テーブル7a,7bが生成される。
図7は、図4に示した各テーブルの値と図6のステップとを対応付けて説明するための図である。図7(A)に示すテーブル7aの場合、ブリッジ機器及びHDMIソース機器の物理アドレスと論理アドレスは、図6のステップ(1)で決定される。このステップ(1)はHDMI機器の電源がオンされ、HDMIネットワークを構成するステップであり、S1〜S3に相当する。また、ブリッジ機器(オーディオ用)の物理アドレスと論理アドレスは、図6のステップ(5)で決定される。このステップ(5)はHDMIソース機器側にオーディオ機器の接続を通知するステップであり、S16に相当する。
また、図7(B)に示すテーブル7bの場合、ブリッジ機器のグループ識別IDと機器IDは、図6のステップ(1)で決定される。また、テレビ1のグループ識別IDと機器IDは、図6のステップ(2)で決定される。このステップ(2)は無線機器のテレビ1の電源がオンされ、ブリッジ機器に接続するステップであり、S4〜S8に相当する。また、オーディオ1,2のグループ識別IDと機器IDは、図6のステップ(4),(6)で決定される。このステップ(4)はオーディオ1,2の電源がオンされ、ブリッジ機器に接続するステップであり、S10〜S15に相当する。また、ステップ(6)はオーディオ1,2にグループ識別IDを設定するステップであり、S17〜S20に相当する。なお、グループBのテレビ2及びオーディオ3については同様の方法でグループ識別ID及び機器IDを取得することができるため、ここでの説明は省略する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る無線伝送システムにおける通信手順の一例を示す図である。以下で説明する手順は、前述の図4に示した無線伝送システムにおいて、HDMI機器IDテーブル7a,無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bに基づいて実行される。手順(11)は、無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、テレビ1がオーディオ2に音量操作を行う例について示したものである。テレビ1は、音量を制御するための無線制御コマンド<User Control Pressed>[Volume Up]を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して送信する(S21)。機器ID“3”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて音量制御を行う。ここではレスポンスなしであるため、オーディオ2はレスポンスを返信しない。
手順(12)は、無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、テレビ1がオーディオ2に状態問い合わせを行う例について示したものである。テレビ1は、状態を問い合わせるための無線制御コマンド<Give Audio Status>を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して送信する(S22)。機器ID“3”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の状態を示す無線制御コマンド<Report Audio Status>[Mute ON]を、宛先として機器ID“1”(Dev1)を指定して返信する(S23)。ここではレスポンス有りであるため、オーディオ2はレスポンスを返信する。
手順(13)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、テレビ1が同じグループのオーディオ1,2にスタンバイ要求を行う例について示したものである。テレビ1は、スタンバイ要求するための無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“1”(Gr1)を指定して送信する(S24)。グループ識別ID“1”に対応するオーディオ1,2は、この無線制御コマンドに応じてスタンバイ状態に移行する。ここではレスポンスなしであるため、オーディオ1,2はレスポンスを返信しない。
手順(14)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、テレビ1が同じグループのオーディオ1,2に電源状態の問い合わせを行う例について示したものである。テレビ1は、電源状態を問い合わせるための無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先としてグループ識別ID“1”(Gr1)を指定して送信する(S25)。グループ識別ID“1”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として機器ID“1”(Dev1)を指定して返信する(S26)。同様に、グループ識別ID“1”に対応するオーディオ1は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先として機器ID“1”(Dev1)を指定して返信する(S27)。ここではレスポンス有りであるため、オーディオ1,2はレスポンスを返信する。
手順(15)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、ブリッジ機器がグループA(グループ識別ID“1”)のテレビ1,オーディオ1,2にスタンバイ要求を行う例について示したものである。ブリッジ機器は、スタンバイ要求するための無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“1”(Gr1)を指定して送信する(S28)。本例では、グループ外からの無線制御コマンドは、代表無線シンク機器であるテレビ1のみが受け取る。テレビ1は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“1”(Gr1)を指定して転送する(S29)。グループ識別ID“1”に対応するテレビ1、オーディオ1,2は、この無線制御コマンドに応じてスタンバイ状態に移行する。ここではレスポンスなしであるため、グループAに属するテレビ1、オーディオ1,2はレスポンスを返信しない。
手順(16)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、ブリッジ機器がグループA(グループ識別ID“1”)のテレビ1,オーディオ1,2に電源状態の問い合わせを行う例について示したものである。ブリッジ機器は、電源状態を問い合わせるための無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先としてグループ識別ID“1”(Gr1)を指定して送信する(S30)。本例では、グループ外からの無線制御コマンドは、代表無線シンク機器であるテレビ1のみが受け取る。テレビ1は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“2”(Dev2)を指定して転送する(S31)。機器ID“2”に対応するオーディオ1は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先に機器ID“1”(Dev1)を指定して返信する(S32)。
同様に、テレビ1は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して転送する(S33)。機器ID“3”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先に機器ID“1”(Dev1)を指定して返信する(S34)。そして、この識別ID“1”に対応するテレビ1は、オーディオ1,2から受信した複数のレスポンスを所定のルールに基づいて1つのレスポンスに一括し、これを機器ID“0”(Dev0)を指定して返信する(S35)。機器ID“0”に対応するブリッジ機器は、このレスポンスを受信する。
図8の手順(15)、(16)で説明したように、各グループに属する無線シンク機器のいずれか1つを代表無線シンク機器としてもよい。この代表無線シンク機器は、代表無線シンク機器が属するグループを代表して、コンテンツ送信装置(ブリッジ機器)または他のグループの代表無線シンク機器と無線通信を行う。また、代表無線シンク機器は、グループ内の他のシンク機器と無線通信を行うようにしてもよい。例えば、前述の図4に示したように、グループを全て無線シンク機器で構成した場合、代表無線シンク機器をテレビ1,2とする。また、後述の図10に示すように、グループにブリッジ機器を含み、このブリッジ機器にテレビ装置がHDMI接続されている場合、代表無線シンク機器をブリッジ機器とする。
上記の手順(16)では、ブリッジ機器から制御コマンドがブロードキャスト送信された場合に、代表無線シンク機器であるテレビ1は、この制御コマンドを受信し、制御コマンドに対して、テレビ1が属するグループ内の他のシンク機器(オーディオ1,2)の複数のレスポンスを所定のルールに基づいて1つのレスポンスに一括し、この応答をブリッジ機器に返信するようにしている。
このレスポンスの返信方法について大きく分けて2つのケースが考えられる。第1のケースは、ブリッジ機器が、HDMIソース機器からの問い合わせコマンドに対して、シンク機器(オーディオ1,2,3)のレスポンスを、各グループの代表無線シンク機器(テレビ1,2)から受信し、このレスポンスをHDMIソース機器へ返信するケースである。また、第2のケースは、代表無線シンク機器(テレビ1)が、グループ外から問い合わせコマンドを受信した場合に、グループ内の無線シンク機器(オーディオ1,2)へ問い合わせコマンドを送信し、各シンク機器からのレスポンスを受信し、このレスポンスをコマンド発行元に返信するケース(上記手順16に相当)である。また、第2のケースの場合、後述の第2の実施形態に示すように代表無線シンク機器がブリッジ機器であってもよく、この場合、グループ内のブリッジ機器に接続された有線機器へ問い合わせコマンドを送信する。
このとき、ブリッジ機器または代表無線シンク機器(テレビあるいはブリッジ機器)において、複数のレスポンスを1つにまとめる際のルールを定める必要がある。一例として以下のレスポンス返信ルールを定義することで、複数のシンク機器から異なるレスポンスを受け取っても、1つのシンク機器が接続されている場合と同様に1つのレスポンスを返信することができる。このため、複数接続(マルチキャスト接続)を意識することなく、機器制御が可能となる。
(レスポンス返信ルール)
1.オン/オフ状態の問い合わせの制御コマンド(例えば、電源状態、映像表示状態、音声再生状態の問い合わせ)の場合、接続されたシンク機器に1台以上「ON」の機器があれば、レスポンスとして「ON」を返信し、それ以外は「OFF」を返信する。
2.数値の問い合わせの制御コマンド(例えば、ボリュームの問い合わせ)の場合、接続されたシンク機器の数値の最大値をレスポンスとして返信する。
これまでの説明では、各無線シンク機器に、機器IDの他に、新たにグループ識別IDの属性を割り当てていたが、無線機器ID/グループ識別IDテーブルに記憶されるグループ識別IDを、代表無線シンク機器の機器IDとしてもよい。各グループのシンク機器は、自分のグループの代表無線シンク機器の機器IDを保持する。この場合、前述の図4に示した無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bの「グループ識別ID」の欄を、「グループ代表機器ID」とすればよい。例えば、テーブル7bにおいて、代表機器であるテレビ1の機器IDは“1”であるため、同じグループのオーディオ1,2もこの代表機器ID“1”を保持する。これにより、各シンク機器はグループ識別IDという別個の属性をもたなくてよい。
また、グループの代表でないシンク機器(オーディオ機器)は、グループの代表機器としか制御コマンドをやり取りしないため、無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bの全てを保持しなくてもよく、自身の機器ID、グループ識別ID、代表機器の機器IDのみを保持する形でも同様の動作が可能となる。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る無線伝送システムにおける通信手順の他の例を示す図である。以下で説明する手順は、前述の図4に示した無線伝送システムにおいて、HDMI機器IDテーブル7a,無線機器ID/グループ識別IDテーブル7bに基づいて実行される。
手順(17)は、HDMIソース機器からCECメッセージ(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、HDMIソース機器がグループA,Bの機器にスタンバイ要求を行う例について示したものである。HDMIソース機器は、スタンバイ要求するためのCECメッセージ<Standby>を、宛先として論理アドレス“0”(TV)を指定して送信する(S41)。この論理アドレスに対応するブリッジ機器は、このCECメッセージを無線制御コマンドに変換し、変換した無線制御コマンド<Standby>を、宛先を指定せずにブロードキャスト送信する(S42)。本例では、ブロードキャスト送信された無線制御コマンド<Standby>は、代表無線シンク機器であるテレビ1,2のみが受け取る。
テレビ1は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“1”(Gr1)を指定して転送する(S43)。同様に、テレビ2は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して転送する(S44)。グループ識別ID“1”に対応するテレビ1、オーディオ1,2と、グループ識別ID“2”に対応するテレビ2、オーディオ3とは、この無線制御コマンドに応じてスタンバイ状態に移行する。ここではレスポンスなしであるため、グループA,Bに属する機器はレスポンスを返さない。
手順(18)は、HDMIソース機器からCECメッセージ(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、HDMIソース機器がグループA,Bの機器に電源状態の問い合わせを行う例について示したものである。HDMIソース機器は、電源状態の問い合わせを行うためのCECメッセージ<Give Device Power Status>を、宛先として論理アドレス“0”(TV)を指定して送信する(S45)。この論理アドレスに対応するブリッジ機器は、このCECメッセージを無線制御コマンドに変換し、変換した無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先を指定せずにブロードキャスト送信する(S46)。本例では、ブロードキャスト送信された無線制御コマンド<Give Device Power Status>は、代表無線シンク機器であるテレビ1,2のみが受け取る。
テレビ1は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“2”(Dev2)を指定して転送する(S47)。この機器ID“2”に対応するオーディオ1は、レスポンスとして、無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として機器ID“1”(Dev1)を指定して送信する(S48)。同様に、テレビ1は、無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して転送する(S49)。この機器ID“3”に対応するオーディオ2は、レスポンスとして、無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として機器ID“1”(Dev1)を指定して送信する(S50)。この機器ID“1”に対応するテレビ1は、オーディオ1,2からのレスポンスを前述したレスポンス返信ルールに基づいて1つのレスポンスとし、この無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として機器ID“0”(Dev0)を指定して送信する(S51)。
また、テレビ2は、ブリッジ機器から受け取った無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“5”(Dev5)を指定して転送する(S52)。この機器ID“5”に対応するオーディオ3は、レスポンスとして、無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として機器ID“4”(Dev4)を指定して送信する(S53)。この機器ID“4”に対応するテレビ2は、オーディオ3からのレスポンスとして、無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として機器ID“0”(Dev0)を指定して送信する(S54)。
そして、機器ID“0”に対応するブリッジ機器は、テレビ1及びテレビ2からの2つのレスポンスをレスポンス返信ルールに基づいて1つのレスポンスとし、この無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]をCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Report Power Status>[ON]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して送信する(S55)。この論理アドレスに対応するHDMIソース機器は、ブリッジ機器からのレスポンスを受信する。
手順(19)は、無線シンク機器からHDMIソース機器へ無線制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、テレビ1からHDMIソース機器へリモコン信号を送信する例について示したものである。テレビ1は、リモコン信号の無線制御コマンド<User Control Pressed>[DOWN]を、宛先として機器ID“0”(Dev0)を指定して送信する(S56)。機器ID“0”に対応するブリッジ機器は、テレビ1からの無線制御コマンド<User Control Pressed>[DOWN]をCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<User Control Pressed>[DOWN]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して送信する(S57)。この論理アドレスに対応するHDMIソース機器は、ブリッジ機器からのCECメッセージを受信する。
手順(20)は、無線シンク機器からHDMIソース機器へ無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、テレビ1からHDMIソース機器へ再生要求を送信する例について示したものである。テレビ1は、再生要求信号の無線制御コマンド<Play>[FORWARD]を、宛先として機器ID“0”(Dev0)を指定して送信する(S58)。機器ID“0”に対応するブリッジ機器は、テレビ1からの無線制御コマンド<Play>[FORWARD]をCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Play>[FORWARD]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して送信する(S59)。
この論理アドレスに対応するHDMIソース機器は、ブリッジ機器からのCECメッセージに対して、レスポンスとして、CECメッセージ<Deck Status>[PLAY]を、宛先として論理アドレス“0”(TV)を指定して送信する(S60)。この論理アドレスに対応するブリッジ機器は、このCECメッセージを無線制御コマンドに変換し、変換した無線制御コマンド<Deck Status>[PLAY]を、宛先として機器ID“1”(Dev1)を指定して転送する(S61)。この機器ID“1”に対応するテレビ1はこのレスポンスを受信する。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る無線伝送システムの構成例を示す図である。ブリッジ機器1a,1bは図1に示した装置構成を備え、テレビ4a,4bは図3(A)に示した装置構成を備える。また、オーディオ6d,6eは、例えば、スピーカやAVアンプなどの音声出力機器であり、無線接続部、制御部、無線機器制御ドライバ、機器制御マネージャ、無線機器ID/グループ識別IDテーブル、及び音声出力部などで構成される。
本実施形態は、前述したように、コンテンツ送信装置を、無線ソース機器3で構成し、グループAは、無線シンク機器であるブリッジ機器1aと、このブリッジ機器1aにHDMI接続されるオーディオ6d,テレビ4aとで構成される。また、グループBは、無線シンク機器であるブリッジ機器1bと、このブリッジ機器1bにHDMI接続されるテレビ4bと、無線シンク機器であるオーディオ6eとで構成される。この場合、無線ソース機器3がブリッジ機器1a,1b、オーディオ6eと無線接続される。
本例のグループA,Bは共に無線シンク機器と有線シンク機器とを含む。グループAでは、ブリッジ機器1a,オーディオ6d,及びテレビ4aがHDMI接続され、ブリッジ機器1aを無線シンク機器、オーディオ6d及びテレビ4aを有線シンク機器とする。また、同様に、グループBでは、ブリッジ機器1bにテレビ4bがHDMI接続され、ブリッジ機器1b及びオーディオ6eを無線シンク機器、テレビ4bを有線シンク機器とする。なお、グループAにおけるオーディオ6dは、HDMI規格上では、ソース機器とシンク機器の両方の機能を備えたリピータ機器として規定されるものである。
また、無線ソース機器3は無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cを備え、ブリッジ機器1aは無線機器ID/グループ識別IDテーブル7c及びHDMI機器IDテーブル7eを備え、ブリッジ機器1bは無線機器ID/グループ識別IDテーブル7c及びHDMI機器IDテーブル7dを備え、オーディオ6eは無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cを備え、テレビ4a及びオーディオ6dはHDMI機器IDテーブル7eを備え、テレビ4bはHDMI機器IDテーブル7dを備える。これらのテーブル7c〜7eの生成方法については、後述の図11で説明するものとする。
この第2の形態の場合、無線シンク機器であるブリッジ機器1a,1b及びオーディオ6eは、コンテンツ送信装置(無線ソース機器3)から無線送信された制御コマンドに自身のグループ識別IDが付加されている場合に、その制御コマンドを受信する。ブリッジ機器にテレビやオーディオの有線シンク機器がHDMI接続されている場合には、ブリッジ機器がこの制御コマンドをCECメッセージとして各有線シンク機器に送信する。これにより、無線シンク機器1a,1b及びオーディオ6eが受信した制御コマンドに基づいて、同じグループに属するシンク機器を連動して動作させることができる。
また、無線シンク機器であるオーディオ6eは、図10に示す無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cを備えているため、同じグループに属する他の無線シンク機器(ブリッジ機器1b)から無線送信された制御コマンドに自身のグループ識別IDが付加されている場合に、その制御コマンドを受信することが可能である。また、ブリッジ機器1bは、上記の制御コマンドをCECメッセージとしてテレビ4bに送信するため、有線と無線の混在システムであっても、同じグループに属するシンク機器を連動して動作させることができる。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る無線伝送システムにおける電源オン時のシーケンスの一例を示す図である。このシーケンス例は図10のシステム構成に対応しており、ブリッジ機器1が図10に示すHDMI機器IDテーブル7d,7e及び無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cを生成する場合を例示して説明する。図10の無線ソース機器3、ブリッジ機器1a、オーディオ6d、テレビ4a、ブリッジ機器1b、テレビ4b、及びオーディオ6eが、それぞれ図11の無線ソース機器、ブリッジ機器1、オーディオ1、テレビ1、ブリッジ機器2、テレビ2、及びオーディオ2に対応しているものとする。
まず、ブリッジ機器1、オーディオ1、及びテレビ1の電源がオンされると(S71)、テレビ1は、HDMI接続において、物理アドレス(0.0.0.0)を機器情報としてブリッジ機器1に送信する(S72)。また、オーディオ1は、HDMI接続において、物理アドレス(1.0.0.0)を機器情報としてブリッジ機器1に送信する(S73)。これにより、ブリッジ機器1の物理アドレスが(1.1.0.0)、テレビ1の物理アドレスが(0.0.0.0)、オーディオ1の物理アドレスが(1.0.0.0)として決定される。そして、オーディオ1は、自身がオーディオ機器であることを宣言するために、オーディオ機器の論理アドレス“5”をCECメッセージ<Polling Message>により送信する(S74)。これに対して、Ackが無ければ、そのまま確定する。
次に、無線ソース機器の電源がオンされると(S75)、無線ソース機器のグループ識別IDが“0”、機器IDが“0”としてデフォルト設定される。ブリッジ機器1は、無線ソース機器の存在を検知し(S76)、ブリッジ機器1の機器情報を無線ソース機器に送信する(S77)。そして、ブリッジ機器1は、アドレス割当を要求する無線制御コマンドを無線ソース機器に送信し(S78)、無線ソース機器は、アドレスを通知するための無線制御コマンドをブロードキャスト送信する(S79)。これにより、ブリッジ機器1は、アドレスとしてグループ識別ID“1”と機器ID“1”を取得する。
次に、ブリッジ機器1は、HDMI接続されているオーディオ1,テレビ1に対して、無線ソース機器(再生機器)が無線接続されていることを宣言するために、再生機器の論理アドレス“4”をCECメッセージ<Polling Message>により送信する(S80)。これに対して、Ackが無ければ、そのまま確定する。
次に、ブリッジ機器2及びテレビ2の電源がオンされると(S81)、テレビ2は、ブリッジ機器2に機器情報を送信する(S82)。これにより、テレビ2の物理アドレスが(0.0.0.0)、ブリッジ機器2の物理アドレスが(1.0.0.0)として決定される。ブリッジ機器2は、無線ソース機器の存在を検知すると(S83)、自身の機器情報を無線ソース機器に送信し(S84)、アドレス割当要求を無線ソース機器に送信する(S85)。無線ソース機器は、このアドレス割当要求に対して、ブリッジ機器2のアドレスをブロードキャスト送信する(S86)。これにより、ブリッジ機器2は、アドレスとしてグループ識別ID“2”と機器ID“2”を取得する。
そして、ブリッジ機器2は、HDMI接続されているテレビ2に対して、無線ソース機器(再生機器)が無線接続されていることを宣言するために、再生機器の論理アドレス“4”をCECメッセージ<Polling Message>により送信する(S87)。これに対して、Ackが無ければ、そのまま確定する。
次に、ブリッジ機器2は、グループとなるオーディオ機器にスタンバイ状態からの復帰要求(電源オン要求)を送信する(S88)。この場合、ブリッジ機器2は、予めオーディオ2のMAC(Media Access Control)アドレスを記憶しており、このオーディオ機器が同じグループであることを認識しているものとする。オーディオ2は、ブリッジ機器2からの復帰要求に応じて、電源をオンすると(S89)、無線ソース機器の存在を検知する(S90)。そして、オーディオ2は、その機器情報を無線ソース機器に送信する(S91)。
次に、オーディオ2は、アドレス割り当てを要求する無線制御コマンドを無線ソース機器に送信し(S92)、無線ソース機器は、アドレスを通知するための無線制御コマンドをブロードキャスト送信する(S93)。これにより、オーディオ2は、アドレスとしてグループ識別ID“0(デフォルト)”と機器ID“3”を取得する。そして、ブリッジ機器2は、グループ識別ID“2”の設定を要求する無線制御コマンドをオーディオ2に送信し(S94)、オーディオ2は、この要求に応じてグループ識別ID“2”を設定すると、グループID設定通知をブロードキャスト送信する(S95)。
すなわち、無線ソース機器が、ブリッジ機器1,2の電源がオンされたときに、ブリッジ機器1,2にグループ識別IDを割り当て(S79,S86)、ブリッジ機器2が、オーディオ2に固有の機器識別情報(MACアドレスなど)に基づいてオーディオ2をグループ化し、グループ化したオーディオ2にグループ識別IDを割り当てる(S94)。この処理により無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cが生成される。なお、ブリッジ機器1,2にHDMI接続される有線シンク機器については、HDMI規格における所定の処理に基づいて論理アドレス及び物理アドレスが決定され、HDMI機器テーブル7d,7eが生成される。
このように、図11で説明したシーケンスにより、前述の図10に示した各テーブル7c〜7eが生成される。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る無線伝送システムにおける通信手順の一例を示す図である。以下で説明する手順は、前述の図10に示した無線伝送システムにおいて、HDMI機器IDテーブル7d,7e,無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cに基づいて実行される。なお、グループAでの通信手順は、HDMI接続の手順そのものであるため、ここでの説明は省略する。
手順(21)は、無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、ブリッジ機器2がオーディオ2に音量操作を行う例について示したものである。ブリッジ機器2は、音量を制御するための無線制御コマンド<User Control Pressed>[Volume Up]を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して送信する(S101)。機器ID“3”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて音量制御を行う。ここではレスポンスなしであるため、オーディオ2はレスポンスを返信しない。
手順(22)は、無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、ブリッジ機器2がオーディオ2に状態問い合わせを行う例について示したものである。ブリッジ機器2は、状態を問い合わせるための無線制御コマンド<Give Audio Status>を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して送信する(S102)。機器ID“3”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の状態を示す無線制御コマンド<Report Audio Status>[Mute ON]を、宛先に機器ID“2”(Dev2)を指定して返信する(S103)。ここではレスポンス有りであるため、オーディオ2はレスポンスを返信する。
手順(23)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、ブリッジ機器2が同じグループのテレビ2,オーディオ2にスタンバイ要求を行う例について示したものである。ブリッジ機器2は、スタンバイ要求するための無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して送信する(S104)。また、ブリッジ機器2は、HDMI接続されたテレビ2にCECメッセージ<Standby>を、宛先として論理アドレス“0”を指定して送信する(S105)。オーディオ2,テレビ2は、無線制御コマンド,CECメッセージに応じてスタンバイ状態に移行する。ここではレスポンスなしであるため、テレビ2,オーディオ2はレスポンスを返信しない。
手順(24)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、ブリッジ機器2が同じグループのテレビ2,オーディオ2に電源状態の問い合わせを行う例について示したものである。ブリッジ機器2は、電源状態を問い合わせるための無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して送信する(S106)。また、ブリッジ機器2は、HDMI接続されたテレビ2に対して、CECメッセージ<Give Device Power Status>を、宛先として論理アドレス“0”を指定して送信する(S107)。
グループ識別ID“2”に対応するオーディオ2は、上記無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先に機器ID“2”(Dev2)を指定して返信する(S108)。また、テレビ2は、上記CECメッセージに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して返信する(S109)。ここではレスポンス有りであるため、テレビ2,オーディオ2はレスポンスを返信する。
手順(25)は、グループ内の機器宛に制御コマンド(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、無線ソース機器がグループB(グループ識別ID“2”)のテレビ2,オーディオ2にスタンバイ要求を行う例について示したものである。無線ソース機器は、スタンバイ要求するための無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して送信する(S110)。本例では、グループ外からの無線制御コマンドは、代表無線シンク機器であるブリッジ機器2のみが受け取る。ブリッジ機器2は、無線ソース機器から受け取った無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して転送する(S111)。また、ブリッジ機器2は、HDMI接続されたテレビ2に対して、CECメッセージ<Standby>を、宛先として論理アドレス“0”を指定して送信する(S112)。オーディオ2,テレビ2は、無線制御コマンド,CECメッセージに応じてスタンバイ状態に移行する。ここではレスポンスなしであるため、グループBに属するテレビ2、オーディオ2はレスポンスを返信しない。
手順(26)は、グループ内の無線機器宛に無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、無線ソース機器がグループB(グループ識別ID“2”)のテレビ2,オーディオ2に電源状態の問い合わせを行う例について示したものである。無線ソース機器は、電源状態を問い合わせるための無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して送信する(S113)。本例では、グループ外からの無線制御コマンドは、代表無線シンク機器であるブリッジ機器2のみが受け取る。
ブリッジ機器2は、HDMI接続されたテレビ2に対して、CECメッセージ<Give Device Power Status>を、宛先として論理アドレス“0”を指定して送信する(S114)。テレビ2は、上記CECメッセージに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して返信する(S115)。また、ブリッジ機器2は、無線ソース機器から受け取った無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して転送する(S116)。機器ID“3”に対応するオーディオ2は、この無線制御コマンドに応じて、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先に機器ID“2”(Dev2)を指定して返信する(S117)。ここではレスポンス有りであるため、テレビ2,オーディオ2はレスポンスを返信する。
そして、このHDMI接続の論理アドレス“4”、無線接続の機器ID“2”に対応するブリッジ機器2は、テレビ2,オーディオ2から受信した複数のレスポンスを前述のレスポンス返信ルールに基づいて1つのレスポンスに一括し、これを機器ID“0”(Dev0)を指定して返信する(S118)。機器ID“0”に対応する無線ソース機器は、このレスポンスを受信する。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る無線伝送システムにおける通信手順の他の例を示す図である。以下で説明する手順は、前述の図10に示した無線伝送システムにおいて、HDMI機器IDテーブル7d,7e,無線機器ID/グループ識別IDテーブル7cに基づいて実行される。
手順(27)は、無線ソース機器から無線制御コマンド(レスポンスなし)をブロードキャスト送信する場合の手順であり、無線ソース機器がグループA,Bの機器にスタンバイ要求を行う例について示したものである。無線ソース機器は、スタンバイ要求するための無線制御コマンド<Standby>を、宛先を指定せずにブロードキャスト送信する(S121)。本例では、ブロードキャスト送信された無線制御コマンド<Standby>は、グループA,Bの代表無線シンク機器であるブリッジ機器1,2のみが受け取る。
グループAにおいて、ブリッジ機器1は、この無線制御コマンドをCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Standby>を、宛先を指定せずにブロードキャスト送信する(S122)。グループBにおいて、ブリッジ機器2は、この無線制御コマンド<Standby>を、宛先としてグループ識別ID“2”(Gr2)を指定して転送する(S123)。また、ブリッジ機器2は、この無線制御コマンドをCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Standby>を、宛先を指定せずにブロードキャスト送信する(S124)。
グループA,Bの各機器は、無線ソース機器からブロードキャスト送信された無線制御コマンドに応じてスタンバイ状態に移行する。この無線制御コマンドはレスポンスなしであるため、グループA,Bに属する機器はレスポンスを返さない。
手順(28)は、無線ソース機器から無線制御コマンド(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、無線ソース機器がグループA,Bの機器に電源状態の問い合わせを行う例について示したものである。無線ソース機器は、電源状態の問い合わせを行うための無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先を指定せずにブロードキャスト送信する(S125)。本例では、ブロードキャスト送信された無線制御コマンド<Give Device Power Status>は、グループA,Bの代表無線シンク機器であるブリッジ機器1,2のみが受け取る。
ブリッジ機器1は、この無線制御コマンドをCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Give Device Power Status>を、宛先として論理アドレス“0”を指定して送信する(S126)。この論理アドレスに対応するテレビ1は、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して返信する(S127)。同様に、ブリッジ機器1は、CECメッセージ<Give Device Power Status>を、宛先として論理アドレス“5”を指定して送信する(S128)。この論理アドレスに対応するオーディオ1は、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して返信する(S129)。
そして、上記論理アドレスに対応するブリッジ機器1は、テレビ1,オーディオ1から受信した複数のレスポンスを前述のレスポンス返信ルールに基づいて1つのレスポンスに一括し、これを機器ID“0”(Dev0)を指定して返信する(S130)。機器ID“0”に対応する無線ソース機器は、このレスポンスを受信する。
また、ブリッジ機器2は、無線ソース機器からの無線制御コマンドをCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Give Device Power Status>を、宛先として論理アドレス“0”を指定して送信する(S131)。この論理アドレスに対応するテレビ2は、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[ON]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して返信する(S132)。また、ブリッジ機器2は、無線制御コマンド<Give Device Power Status>を、宛先として機器ID“3”(Dev3)を指定して送信する(S133)。この機器ID“3”に対応するオーディオ2は、レスポンスとして、自身の電源状態を示す無線制御コマンド<Report Power Status>[OFF]を、宛先として機器ID“2”(Dev2)を指定して返信する(S134)。
そして、ブリッジ機器2は、テレビ2,オーディオ2から受信した複数のレスポンスを前述のレスポンス返信ルールに基づいて1つのレスポンスに一括し、これを機器ID“0”(Dev0)を指定して返信する(S135)。機器ID“0”に対応する無線ソース機器は、このレスポンスを受信する。なお、S130、S135において、前述のレスポンス返信ルールに基づいて、接続されたシンク機器に1台以上「ON」の機器があれば、レスポンスとして「ON」を返信し、それ以外は「OFF」が返信される。
手順(29)は、グループのHDMI機器から無線ソース機器へCECメッセージ(レスポンスなし)を送信する場合の手順であり、テレビ2から無線ソース機器へリモコン信号を送信する例について示したものである。テレビ2は、リモコン信号のCECメッセージ<User Control Pressed>[DOWN]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して送信する(S136)。この論理アドレスに対応するブリッジ機器2は、テレビ2からのCECメッセージ<User Control Pressed>[DOWN]を無線制御コマンドに変換し、変換した無線制御コマンド<User Control Pressed>[DOWN]を、宛先として機器ID“0”を指定して送信する(S137)。この機器ID“0”に対応する無線ソース機器は、ブリッジ機器2からの無線制御コマンドを受信する。
手順(30)は、グループのHDMI機器から無線ソース機器へCECメッセージ(レスポンス有り)を送信する場合の手順であり、テレビ2から無線ソース機器へ再生要求を送信する例について示したものである。テレビ2は、再生要求信号のCECメッセージ<Play>[FORWARD]を、宛先として論理アドレス“4”を指定して送信する(S138)。この論理アドレスに対応するブリッジ機器2は、テレビ2からのCECメッセージ<Play>[FORWARD]を無線制御コマンドに変換し、変換した無線制御コマンド<Play>[FORWARD]を、宛先として機器ID“0”を指定して送信する(S139)。
この機器ID“0”に対応する無線ソース機器は、ブリッジ機器2からの無線制御コマンドに対して、レスポンスとして、無線制御コマンド<Deck Status>[PLAY]を、宛先として機器ID“2”を指定して送信する(S140)。この機器ID“2”に対応するブリッジ機器2は、この無線制御コマンドをCECメッセージに変換し、変換したCECメッセージ<Deck Status>[PLAY]を、宛先として論理アドレス“0”を指定して転送する(S141)。この論理アドレスに対応するテレビ2はこのレスポンスを受信する。
このように本発明によれば、無線AV伝送において、複数のシンク機器をグループにして連動して動作させることができ、また、グループに対する制御コマンドの送信により、各々の機器に別個に制御コマンドを送る必要がなくなるため、制御コマンドの伝送量を減少させ、各機器での制御コマンドの到着タイミングを一致させることができる。
また、有線と無線の異なる伝送方式であっても、ブリッジ機器(中継機器)に、有線及び無線に対応したIDテーブルを備えることによって、互いの制御コマンドを変換することができる。例えば、HDMI機器からであっても、無線機器を違和感なく、動作させることができる。
また、複数のシンク機器(テレビ及び1つ以上のスピーカ)が接続されたシステムであっても、従来のシンク機器が1つの場合のシステムと同様に、各シンク機器の制御が可能となる。