JP2011018810A - 金属電解コンデンサ用吸収材及び金属電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】防爆弁の作動時に噴出する駆動用電解液の気化ガス等を迅速に吸収して固定化することで、駆動用電解液等の噴出物の漏洩を大幅に低減することができ、金属ケース内からの噴出物が十分に接触し得る金属電解コンデンサ用吸収材、及び当該金属電解コンデンサ用吸収材を用いてなる金属電解コンデンサを提供する。
【解決手段】駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子と、コンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケースと、コンデンサ素子より導出された一対のリード線3a,3bとを備え、アルミ電解コンデンサ10の電気的異常時に駆動用電解液を吸収する吸収材8であって、吸収材8が、駆動用電解液と分子化合物を形成し得る分子化合物形成物質を含む錠剤材料を打錠してなる錠剤状吸収材であり、錠剤状吸収材の硬度が40N以下である。
【選択図】図3
【解決手段】駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子と、コンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケースと、コンデンサ素子より導出された一対のリード線3a,3bとを備え、アルミ電解コンデンサ10の電気的異常時に駆動用電解液を吸収する吸収材8であって、吸収材8が、駆動用電解液と分子化合物を形成し得る分子化合物形成物質を含む錠剤材料を打錠してなる錠剤状吸収材であり、錠剤状吸収材の硬度が40N以下である。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子機器等に使用される金属製の電解コンデンサの駆動用電解液を吸収する吸収材及び当該吸収材を備える金属電解コンデンサに関し、特に金属電解コンデンサの異常時に駆動用電解液が気化して内圧が上昇し爆発することを防止することができる、金属電解コンデンサ用吸収材及び金属電解コンデンサに関する。
アルミ電解コンデンサは、過電圧や逆電圧が印加されたり、寿命故障等によって過大な電流が流れたりすると、温度上昇によりコンデンサ素子に含浸された駆動用電解液を構成する有機溶媒が気化し又は電解液が熱分解して気化ガスが発生したり、電解液が電気化学反応により分解して水素ガスや気化ガスが発生したりするため、アルミニウムよりなる金属ケースの内圧が上昇する。
このとき、ガスの逃げ道がないと、金属ケースの内圧が金属ケースによる封口力を上回ることで爆発に至るため、従来のアルミ電解コンデンサでは、通常、金属ケースの天板部に薄肉部よりなる防爆弁が設けられている。
このように、金属ケースの内圧が異常に上昇したときには、この防爆弁が開弁して前述した金属ケース内における駆動用電解液を構成する有機溶媒のガスや水素ガスが外部に流出するため、電解コンデンサは爆発することなく、安全に故障に至るのである。
しかしながら、上記構成によれば、駆動用電解液が外部に噴出するため、この電解コンデンサをセットした基板や他の電子部品に駆動用電解液が付着して、ショートやトラッキング等の電気的異常が引き起こされるという問題点がある。また、防爆弁から噴出する駆動用電解液の気化ガスや異臭は、使用者に発火によるものであるかの誤解を与える可能性もある。
上記問題点を解決するために、伸縮可能なキャップを取り付けた電解コンデンサが提案されている(特許文献1参照)。また、アルミ電解コンデンサの防爆弁の上方に駆動用電解液を吸収する性質及び通気性を有し、かつ難燃化処理を施した吸収材を配置することが提案されている(特許文献2参照)。さらに、アルミ電解コンデンサの防爆弁の上方に駆動用電解液をゲル化する性質を有する粒状のゲル化剤を配置することが提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された電解コンデンサは、単に伸縮可能なキャップを設け、駆動用電解液の気化ガスや水素ガス等の噴出物を収容する空間を形成したのみであるため、駆動用電解液の気化ガス等の噴出量によっては当該空間に十分な量のガスを収容しきれず、キャップ内の内圧が上昇して破損することがあるという問題がある。また、冷却後、駆動用電解液の気化ガス等が液体に戻ってしまうことで、キャップ内の駆動用電解液が外部に漏洩するおそれがあるという問題がある。
また、特許文献2及び3に記載された電解コンデンサの駆動用電解液の吸収材は、駆動用電解液の気化ガス等を吸収したりゲル化したりすることで固定化するものであるが、気化ガス等の吸収速度又はゲル化速度が十分に速くないため、噴出するガス量によってはガスの吸収又はゲル化が間に合わず漏洩する場合があり、また水素ガス等の吸収には適しないという問題点がある。
さらに、特許文献3に記載されたような粒状ゲル化剤を防爆弁の上方のキャップ内に充填する場合、金属電解コンデンサの製造時において粒状ゲル化剤がキャップからこぼれ落ちてしまう等、ハンドリング性が悪く、金属電解コンデンサのキャップ内への粒状ゲル化剤の充填量が一定しないという問題がある。また、金属電解コンデンサの製造効率が悪いという問題がある。
さらにまた、特許文献3に記載されたような粒状ゲル化剤が防爆弁の上方のキャップ内に充填されている場合に、当該キャップ内に粒状ゲル化剤が密に充填されずに空隙が存在すると、金属ケース内から噴出した駆動用電解液の気化ガス等がゲル化剤に十分に接触することなく当該空隙を通り抜け、キャップ外に流出してしまうという問題がある。
樹脂成形性の容器等に粒状ゲル化剤を密に充填し、当該容器をアルミ電解コンデンサの防爆弁の上方に取り付けることで、駆動用電解液の気化ガス等とゲル化剤とを十分に接触させることができ、また、粒状ゲル化剤の充填量を一定にすることができるとも考えられるが、アルミ電解コンデンサの製造コストがかかってしまうという問題がある。
上記課題に鑑み、本発明は、防爆弁の作動時に噴出する駆動用電解液の気化ガス等を迅速に吸収して固定化することで、駆動用電解液等の噴出物の漏洩を大幅に低減することができ、金属ケース内からの噴出物が十分に接触し得る金属電解コンデンサ用吸収材、及び当該金属電解コンデンサ用吸収材を用いてなる金属電解コンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケースと、前記コンデンサ素子より導出された一対のリード線とを備え、金属電解コンデンサの電気的異常時に駆動用電解液を吸収する吸収材であって、前記吸収材が、駆動用電解液と分子化合物を形成し得る分子化合物形成物質を含む錠剤材料を打錠してなる錠剤状吸収材であり、前記錠剤状吸収材の硬度が40N以下であることを特徴とする金属電解コンデンサ用吸収材を提供する(請求項1)。
金属電解コンデンサに過電圧や逆電圧が印加されたり、寿命や故障等によって過大な電流が流れたりすると、温度上昇によりコンデンサ素子に含浸された駆動用電解液を構成する有機溶媒が気化し又は電解液が熱分解して気化ガスが発生したり、電解液が電気化学反応により分解されて水素ガスや気化ガスが発生したりし、これにより金属ケースの内圧が上昇すると、金属ケースの天板部に設けられた防爆弁が作動し、この防爆弁より大量の駆動用電解液と大量の水素等のガスが噴出されることになるが、上記発明(請求項1)によれば、錠剤状吸収材の錠剤材料が駆動用電解液との分子化合物を形成し得る分子化合物形成物質を含み、この分子化合物を形成する反応は迅速であるので、噴出した駆動用電解液の気化ガスを素早く固定化することができる。
しかも、上記発明(請求項1)によれば、吸収材が錠剤状であることで、当該錠剤状吸収材を金属電解コンデンサの上方(例えば、金属電解コンデンサの金属ケースの天板部に形成された防爆弁の上方に設けたケーシング内等)に配置する際のハンドリング性が良好となるため、金属電解コンデンサの製造効率を向上させることができる。
さらに、金属電解コンデンサの金属ケースの天板部に形成された防爆弁の上方等に設けたケーシング内に、上記発明(請求項1)に係る錠剤状吸収材を配置する場合、ケーシングと錠剤状吸収材との間に隙間が形成されていると、駆動用電解液の気化ガス等が錠剤状吸収材(分子化合物形成物質)に十分に接触することなく当該隙間を通り抜けてケーシングの外部に流出してしまうおそれがあるために、錠剤状吸収材の外径をケーシングの内径よりもわずかに小さくする必要がある。この場合に、錠剤状吸収材がある程度の通気性を有していないとケーシングの内圧が過度に上昇してしまって破損するおそれがある。しかしながら、上記発明(請求項1)に係る錠剤状吸収材の硬度を40N以下とすることで錠剤状吸収材が所定の通気性を有するものとなるため、錠剤状吸収材の外径をケーシングの内径よりわずかに小さくして、ケーシング内に錠剤状吸収材を隙間なく収納したとしても、駆動用電解液の気化ガス等が錠剤状吸収材中を通過しながら、分子化合物を形成し得る物質に十分に接触することになり、ケーシングの内圧が過度に上昇して破損するおそれもない。したがって、金属ケースの天板部に設けられた防爆弁の上方等に吸収材を配置することにより、駆動用電解液の気化ガス等は迅速に吸収材に吸収・保持されることになり、駆動用電解液の気化ガス等が外部に流出するのを大幅に低減することができる。
上記発明(請求項1)においては、前記金属電解コンデンサが、前記金属ケースの天板部に形成された防爆弁の上方に取り付けられる有底筒状のケーシングをさらに備え、前記錠剤状吸収材の外径が、前記ケーシングの内径よりもわずかに小さいのが好ましい(請求項2)。
上記発明(請求項2)によれば、錠剤状吸収材をケーシング内に収納した際に錠剤状吸収材とケーシングの内壁との間に隙間がほとんど生じないため、駆動用電解液の気化ガス等と、分子化合物形成物質とを十分に接触させることができる。しかも、錠剤状吸収材が所定の通気性を有するため、ケーシングの内圧を過度に上昇させることなく駆動用電解液の気化ガス等を十分に吸収することができ、駆動用電解液の気化ガス等の外部への流出を大幅に低減することができる。
上記発明(請求項1,2)においては、前記分子化合物形成物質が、有機系、無機系、又は有機・無機複合系物質であるのが好ましい(請求項3)。特に、前記分子化合物形成物質が、無機系多孔質物質であるのが好ましい(請求項4)。
上記発明(請求項1〜4)においては、前記錠剤材料が、分子内に水分子を内包する水分子内包物質をさらに含むのが好ましい(請求項5)。気化した駆動用電解液は150℃以上の温度になるが、かかる発明(請求項5)によれば、錠剤材料として分子化合物形成物質とともに水分子内包物質を含むため、この水分子内包物質が、駆動用電解液の気化ガス等から気化熱を奪うことで噴出物温度を低下させ、液化させることができ、これにより噴出物量の容積を低減させることができる。
上記発明(請求項2〜5)においては、前記水分子内包物質が、水分子化合物であるのが好ましい(請求項6)。かかる発明(請求項6)によれば、水分子内包物質として水和物等の水分子化合物を用いることで、固体としての水分を、分子化合物形成物質とともに錠剤材料として用いることができ、容易に錠剤状吸収材を形成することができる。
また、本発明は、駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケースと、前記コンデンサ素子より導出された一対のリード線とを備え、前記金属ケースの天板部に防爆弁が形成され、電気的異常時に前記防爆弁が開成して駆動用電解液等を噴出する金属電解コンデンサにおいて、前記防爆弁の上方に、上記発明(請求項1〜6)に係る金属電解コンデンサ用吸収材を配置してなることを特徴とする金属電解コンデンサを提供する(請求項7)。
上記発明(請求項7)によれば、駆動用電解液の気化ガスを素早く固定化し、駆動用電解液等の噴出物の漏洩を大幅に低減することができる。また、上記発明(請求項7)に係る金属電解コンデンサは、回路基板に実装した際に汚れや発火等のない安全性の高い回路基板とすることができ、各種電気機器や電子機器用の回路基板として好適に用いることができる。
本発明によれば、防爆弁の作動時に噴出する駆動用電解液の気化ガス等を迅速に吸収して固定化することで、駆動用電解液等の噴出物の漏洩を大幅に低減することができ、金属ケース内からの噴出物が十分に接触し得る金属電解コンデンサ用吸収材、及び当該金属電解コンデンサ用吸収材を用いてなる金属電解コンデンサを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るアルミ電解コンデンサ用吸収材及び当該アルミ電解コンデンサ用吸収材を用いたアルミ電解コンデンサについて、図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図3及び図4に示すように、本実施形態に係るアルミ電解コンデンサ10は、アルミ電解コンデンサ本体1を備え、このコンデンサ本体1は、アルミニウムよりなる有底筒状の金属ケース2内にコンデンサ素子を内蔵してなる。
コンデンサ素子は、粗面化したアルミ箔よりなる陽極箔の表面に誘電体酸化皮膜を形成し、この陽極箔及び陰極箔をセパレータとともに巻回することにより構成されており、当該コンデンサ素子には、駆動用電解液が含浸されている。
また、このコンデンサ素子からは、一対のリード線3a,3bが導出されている。なお、本実施形態においては、金属ケース2の天板部2aには、略十字形状の薄肉部からなる防爆弁4が形成されているが、この防爆弁4は、略K字形状、略Y字形状、略X字形状、略T字形状、略V字形状等の様々な形状の薄肉部により形成されていてもよい。
このようなコンデンサ本体1に、上方からケーシングとして有底円筒形状のキャップ6が取り付けられている。このキャップ6としては、電気的異常時にコンデンサ本体1の内容物である駆動用電解液が噴出する温度で分解しないものであれば特に制限はなく、例えば、金属ケース2と同じアルミニウム合金等を用いることができる。
このキャップ6の天板部(有底部)6aには、複数個の小孔7,7・・・が形成され、かつキャップ6とコンデンサ本体1の天板部2aとの間の空間部Sには、錠剤状に成形されたアルミ電解コンデンサ用吸収材8が配置されている。
このキャップ6の大きさは、コンデンサ本体1に対してあまり大きすぎると、コンデンサ自体が大きくなりすぎて、規格及び設計上商品価値が低下してしまうため、できるだけ小さい方が好ましいが、後述するようにアルミ電解コンデンサ用吸収材8の大きさ(当該吸収材8を構成する、駆動用電解液や水素ガス等と分子化合物を形成し得る物質(分子化合物形成物質)及び分子内に水分子を内包する物質(水分子内包物質)の混合物の量やタップ密度等)に依存することになる。
本実施形態に係るアルミ電解コンデンサ用吸収材8は、駆動用電解液や水素ガス等と分子化合物形成物質と、水分子内包物質とからなるものであって、錠剤状に成形されたものである。
ここで、分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力等に代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水和物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物等が含まれる。このような分子化合物は、分子化合物形成物質とアルミ電解コンデンサからの噴出物との接触反応により形成することができ、噴出物を固体状の化合物に変化させることができる。
上述したような分子化合物としては、ホスト化合物とコンデンサ本体からの駆動用電解液等の噴出物との接触反応により、当該噴出物をゲスト化合物としてホスト化合物で包接してなる包接化合物が挙げられる。
駆動用電解液等の噴出物を包接した包接化合物を形成するホスト化合物としては、有機化合物、無機化合物及び有機・無機複合化合物よりなるものが知られており、また、有機化合物においては単分子系、多分子系、高分子系ホスト等が知られている。
単分子系ホストとしては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、シクロファン類、アザシクロファン類、カリックスアレン類、シクロトリベラトリレン類、スフェランド類、環状オリゴペプチド類等が挙げられる。
また、多分子系ホストとしては、尿素類、チオ尿素類、デオキシコール酸類、コール酸類、ペルヒドロトリフェニレン類、トリ−o−チモチド類、ビアンスリル類、スピロビフルオレン類、シクロフォスファゼン類、モノアルコール類、ジオール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、アセチレンアルコール類、フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキスフェノール類、ポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、ジフェニルメタノール類、カルボン酸アミド類、チオアミド類、ビキサンテン類、カルボン酸類、イミダゾール類、ヒドロキノン類等が挙げられる。
さらに、高分子系ホストとしては、キチン類、キトサン類、1,1,2,2−テトラキスフェニルエタンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類、α,α,α’,α’−テトラキスフェニルキシレンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類等が挙げられる。
さらにまた、その他、有機りん化合物、有機ケイ素化合物等も挙げられる。
無機系ホスト化合物としては、酸化チタン、グラファイト、アルミナ、遷移金属ジカルゴゲナイト、フッ化ランタン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、銀塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ゼオライト、酸化マグネシウム、シリカ、多孔質ガラス等が挙げられるが、特に多孔質になっている無機多孔質系素材が有効であり、シリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミナ、ゼオライト、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等の多孔質物質が好ましい。
さらに、有機金属化合物にもホスト化合物としての性質を示すものがあり、例えば、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機ガリウム化合物、有機テルル化合物、有機スズ化合物、有機ジルコニウム化合物、有機マグネシウム化合物等が挙げられる。また、有機カルボン酸の金属塩や有機金属錯体等を用いることも可能であるが、有機金属化合物であれば、特にこれらに限定されるものではない。
これらのホスト化合物は、分子化合物形成物質として1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的には、駆動用電解液の溶媒としては、エチレングリコール、メチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチルエーテル)、γ−ブチロラクトン、N−メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート等が用いられることから、分子化合物形成物質としては、1つの分子化合物形成物質が複数の溶媒を包接できる多様性のある分子化合物形成物質を用いるのが好ましく、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン等のシクロデキストリン類、カリックスアレン類、尿素、デオキシコール酸、コール酸、1,1,6,6−テトラフェニルヘキサ−2,4−ジイン−1,6−ジオール等のアセチレンアルコール類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類、ビス−β−ナフトール等のナフトール類、ジフェン酸ビス(ジシクロヘキシルアミド)等のカルボン酸アミド類、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン等のヒドロキノン類、キチン、キトサン、シリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミナ、ゼオライト、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、有機金属化合物等が好適である。
また、水分子内包物質としては、多孔質物質に水を含有させたもの;硫酸マグネシウム・7H2O、硫酸鉄(II)・7H2O、硫酸鉄(III)・nH2O、カリウムミョウバン・12H2O、ナトリウムミョウバン・12H2O、硫酸アルミニウム・16H2O、硫酸ニッケル・6H2O、硫酸マンガン・5H2O、リン酸マグネシウム・8H2O、リン酸鉄(II)・8H2O等の無機水和物、酢酸マグネシウム・4H2O、クエン酸マグネシウム・9H2O等の有機水和物等の水分子化合物;シクロデキストリン等のホスト化合物に水が包接された水包接化合物等を用いることができる。これらの中では、特に無機水和物及び有機水和物が好ましい。
本実施形態に係るアルミ電解コンデンサ用吸収材8は、上述した分子化合物形成物質及び水分子内包物質の混合物を含む錠剤材料を、例えば図2に示すような錠剤状に成形してなるものである。当該吸収材8が錠剤状に成形されていることで、キャップ6内に収納するだけでアルミ電解コンデンサ10を簡単に組み立てることができ、アルミ電解コンデンサ10の製造効率を向上させることができる。
アルミ電解コンデンサ用吸収材8における分子化合物形成物質及び水分子内包物質の混合割合は、分子化合物形成物質10〜500質量部に対して水分子内包物質10〜500質量部とすればよい。
なお、アルミ電解コンデンサ用吸収材8を錠剤状に成形するにあたり、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の硬度や通気性に影響を与えない限り、必要に応じて錠剤製造に通常用いられる添加材(結晶セルロース等の結合剤、賦形剤、滑沢剤等)等を錠剤材料として用いてもよい。滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを用いる場合、その混合割合を錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8全体量に対して1質量%以下にすることが、通気性に影響を与えることなく、生産の安定性を改善することができる点で好ましい。
錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8は、キャップ6内に隙間なく収納する必要があるため、その形状はキャップ6の形状に依存することになるが、一般にアルミ電解コンデンサ10(金属ケース2)の形状が平面視略円形状を有しており、アルミ電解コンデンサ本体1の上方から取り付けられるキャップ6の形状も平面視略円形状となることから、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の形状も平面視略円形状であるのが好ましい(図2参照)。
錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の外径は、キャップ6の内径よりもわずかに小さいのが好ましく、具体的には吸収材8の外径とキャップ6の内径との差が0.1mm程度であるのが好ましい。当該吸収材8の外径が、キャップ6の内径よりも大幅に小さいと、すなわち吸収材8の外径とキャップ6の内径との差が0.1mmを超えると、駆動用電解液等の噴出物(気化ガス等)が、キャップ6の内壁と吸収材8との間に形成された間隙を通り抜け、キャップ6の天板部(有底部)6aに形成された複数個の小孔7,7から外部に流出してしまうおそれがある。
錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8は、当該吸収材8を所定の容器(例えば、ガス不透過性樹脂製の容器等)の内壁との間に隙間が形成されないようにして収容し、その状態で吸収材8の一方側から他方側に向けて200mL/minで空気を通過させたときの圧力損失が60kPa未満、好ましくは20〜40kPaとなる程度の通気性を有するものであればよい。当該圧力損失が60kPa以上であると、アルミ電解コンデンサ用吸収材8と駆動用電解液等の噴出物とを十分に接触させるのが困難となるおそれがあり、また、当該アルミ電解コンデンサ用吸収材8がアルミ電解コンデンサ10のキャップ6内に隙間なく収納されていることで、当該キャップ6内の内圧が過度に上昇してしまいキャップ6が破損するおそれがある。
錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の硬度は、40N以下であり、15〜40Nであるのが好ましく、特に20〜30Nであるのが好ましい。硬度が40Nを超えると、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の通気性が良好でなく(上記圧力損失が60kPaを超えてしまい)、当該吸収材8を構成する分子化合物形成物質と駆動用電解液等の噴出物とが十分に接触できないおそれがあり、また、当該アルミ電解コンデンサ用吸収材8がアルミ電解コンデンサ10のキャップ6内に隙間なく収納されていることで、当該キャップ6内の内圧が過度に上昇してしまいキャップ6が破損するおそれがある。また、15N未満であると、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8が物流時に破損してしまうおそれがある。
このような錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8は、錠剤材料として分子化合物成形物質、水分子内包物質、及び所望により各種添加剤を混合し、当該混合物をそのまま又は当該混合物を造粒した粒状物を、錠剤製造において一般に用いられている打錠機(例えば、エキセントリック型打錠機、ロータリー型打錠機等)に導入することで製造することができる。
このような打錠機を用いて錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8を製造する場合、分子化合物形成物質及び水分子内包物質等の混合物の体積に対して、得られる錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の体積が0.65以上となる圧縮比にて打錠するのが好ましく、特に0.65〜0.70となる圧縮比にて打錠するのが好ましい。かかる圧縮比にて打錠することで、得られる錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8の硬度を40N以下、好ましくは15〜40Nにすることができる。なお、上記圧縮比(硬度)になるように打錠するためには、錠剤材料のタップ密度や打錠機への導入量にもよるが、打錠圧を100〜300kgf/cm2程度に設定して打錠すればよい。
上述した構成を有するアルミ電解コンデンサ10につき、その動作を説明する。アルミ電解コンデンサ本体1に過電圧や逆電圧が印加されると、コンデンサ本体1内のコンデンサ素子は発熱し、そして、この発熱により、駆動用電解液が気化するとともに、水素ガス等が発生し、金属ケース2の内圧を上昇させる。
この内圧の上昇により金属ケース2の天板部2aに形成した防爆弁4が作動して、この防爆弁4より駆動用電解液の気化ガス、水素ガス等が空間部S内に大量に噴出する。
このとき、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8が、キャップ6内に隙間なく収納されているため、駆動用電解液の気化ガス等が、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8とキャップ6内壁との間隙を通り抜けて外部に流出することがない。そして、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8が所定の通気性を有することで、噴出物によってキャップ6内の内圧が過度に上昇することなく、駆動用電解液の気化ガス等の大半は、アルミ電解コンデンサ用吸収材8中を通過しながら分子化合物形成物質と接触する。これにより、当該気化ガス等は分子化合物としてアルミ電解コンデンサ用吸収材8中に固定化される。
これとともに、駆動用電解液の気化ガス等は150℃以上の温度になるが、アルミ電解コンデンサ用吸収材8中の水分子内包物質が駆動用電解液の気化ガス等から気化熱を奪うことで噴出物温度を低下させて、液化させることができ、これにより噴出物量の容積を低減させることができる。
一方、駆動用電解液の気化ガス等の噴出量によってはキャップ6内の内圧が上昇することがあるが、本実施形態においては、キャップ6の天板部6aに複数個の小孔7,7・・・が形成されているため、キャップ6の内圧が過度に上昇したとしても、その分だけ駆動用電解液の気化ガス等が小孔7からわずかに噴出する構造となっている。これにより、駆動用電解液の気化ガス等の外部への流出を最小限に抑制することが可能となっている。
なお、小孔7,7・・・に圧力弁を設けて、キャップ6の内圧が所定の圧力より大きくなったら圧力弁が開成して、小孔7,7・・・が現われるような構成としてもよい。
上述した本実施形態におけるアルミ電解コンデンサ10は、駆動用電解液の気化ガス等の外部への流出を大幅に低減することができるため、回路基板に実装した際に、汚れや発火等のない安全性の高い回路基板とすることができる。また、上記回路基板は、各種電気機器や電子機器用の回路基板として好適に用いることができる。
上述したように、本実施形態に係るアルミ電解コンデンサ用吸収材8は、分子化合物形成物質の分子化合物を形成する反応が迅速であるため、駆動用電解液の気化ガスを素早く固定化することができる。しかも、吸収材8が錠剤状であることで、錠剤状のアルミ電解コンデンサ用吸収材8をアルミ電解コンデンサ10の上方に設けられたキャップ6内に配置する際のハンドリング性が良好となるため、アルミ電解コンデンサ10の製造効率を向上させることができる。さらに、アルミ電解コンデンサ10のキャップ6内に隙間なく吸収材8が配置されても、吸収材8が所定の通気性を有することで、駆動用電解液の気化ガス等が吸収材8中を通過しながら、分子化合物形成物質に十分に接触するため、キャップ6の内圧が過度に上昇して破損するおそれもない。したがって、駆動用電解液の気化ガス等が迅速に吸収材8に吸収・保持されることになり、駆動用電解液の気化ガス等が外部に流出するのを大幅に低減することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、キャップ6は、本実施形態のようにコンデンサ本体1の上部に載せて、テープ、接着剤、かしめ等で固定する以外に、コンデンサ本体1の根元まであるキャップ6を用意し、根元でかしめて固定化してもよい。
また、上記実施形態においては、アルミ電解コンデンサ用吸収材8が分子化合物形成物質と水分子内包物質とを含むものであるが、これに限定されることはなく、例えば、アルミ電解コンデンサ用吸収材8が分子化合物形成物質を含み、水分子内包物質を含まないものであってもよい。この場合において、アルミ電解コンデンサ用吸収材8における分子化合物形成物質の含有量は、コンデンサ本体1から噴出する駆動用電解液等の噴出量と分子化合物形成物質の吸収能とに基づいて決定すればよい。具体的には、コンデンサ本体1から噴出する駆動用電解液100質量部に対して、分子化合物形成物質を10〜500質量部とすればよい。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜3,比較例1〕
分子化合物形成物質として多孔質シリカ0.42gと、水分子内包物質として硫酸マグネシウム・7H2O0.51gとを体積比で8:2になるように混合し、さらに錠剤化のためのバインダーとして結晶セルロース0.10gと、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.01gとを添加し、得られた混合物を打錠機(菊水製作所社製)に導入し、錠剤状吸収材(実施例1〜3,比較例1)を製造した。なお、錠剤状吸収材を製造するにあたり、上記混合物のタップ密度等を考慮して打錠機への当該混合物の導入量を変動させることで、表1に示すように圧縮比を変化させた。
分子化合物形成物質として多孔質シリカ0.42gと、水分子内包物質として硫酸マグネシウム・7H2O0.51gとを体積比で8:2になるように混合し、さらに錠剤化のためのバインダーとして結晶セルロース0.10gと、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.01gとを添加し、得られた混合物を打錠機(菊水製作所社製)に導入し、錠剤状吸収材(実施例1〜3,比較例1)を製造した。なお、錠剤状吸収材を製造するにあたり、上記混合物のタップ密度等を考慮して打錠機への当該混合物の導入量を変動させることで、表1に示すように圧縮比を変化させた。
このようにして得られた錠剤状吸収材(実施例1〜3,比較例1)について、硬度及び通気性を測定した。なお、硬度は、木屋式デジタル硬度計KHT−20N(藤原製作所社製)を用いて測定した。また、通気性の測定は、内径20mmのガス不透過性樹脂製の容器内に、錠剤状吸収材を容器の内壁との間に隙間を形成しないように収納し、200mL/minで空気を通過させたときの圧力損失を、差圧測定装置(キーエンス社製)を用いて測定した。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
表1に示すように、圧縮比を0.65以上にすることで、錠剤状吸収材の硬度を40N以下に、通気性を60kPa以下にすることができることが判明した。
また、圧縮比を0.75以上にすると、通気性に問題はないものの硬度が低下してしまい、錠剤状吸収材の流通時に破損してしまうおそれがあることが判明した。
〔実施例4〜6〕
φ16mm×31.5mm、400V、33μFの規格の市販のアルミ電解コンデンサをコンデンサ本体1として、このコンデンサ本体1にコンデンサ本体1の金属ケース2の約1.4倍の高さのキャップ6をテープで固定装着してコンデンサとした。このキャップ6の内径と錠剤状吸収材の外径とが略同一になるように、上記実施例1〜3と同様にして錠剤状吸収材(実施例4〜6)を製造し、各錠剤状吸収材とキャップ6内壁との間に隙間が形成されないように、当該キャップ6内に各錠剤状吸収材を収納した。
φ16mm×31.5mm、400V、33μFの規格の市販のアルミ電解コンデンサをコンデンサ本体1として、このコンデンサ本体1にコンデンサ本体1の金属ケース2の約1.4倍の高さのキャップ6をテープで固定装着してコンデンサとした。このキャップ6の内径と錠剤状吸収材の外径とが略同一になるように、上記実施例1〜3と同様にして錠剤状吸収材(実施例4〜6)を製造し、各錠剤状吸収材とキャップ6内壁との間に隙間が形成されないように、当該キャップ6内に各錠剤状吸収材を収納した。
これらのコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔比較例2〕
実施例4において、比較例1と同様にして製造した錠剤状吸収材を充填した以外は、同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量は低減することができたが、コンデンサのキャップ6の根元から駆動用電解液が漏洩する現象が見られた。この原因は、錠剤状吸収材が硬くなりすぎ、通気性が悪くなったためであると考えられる。
実施例4において、比較例1と同様にして製造した錠剤状吸収材を充填した以外は、同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量は低減することができたが、コンデンサのキャップ6の根元から駆動用電解液が漏洩する現象が見られた。この原因は、錠剤状吸収材が硬くなりすぎ、通気性が悪くなったためであると考えられる。
〔実施例7〜9〕
実施例4〜6において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例4〜6において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔比較例3〕
比較例2において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量は低減することができたが、コンデンサのキャップ6の根元から駆動用電解液が漏洩する現象が見られた。この原因は、錠剤状吸収材が硬くなりすぎ、通気性が悪くなったためであると考えられる。
比較例2において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量は低減することができたが、コンデンサのキャップ6の根元から駆動用電解液が漏洩する現象が見られた。この原因は、錠剤状吸収材が硬くなりすぎ、通気性が悪くなったためであると考えられる。
〔実施例10〕
分子化合物形成物質として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.90gと、水分子内包物質として硫酸マグネシウム・7H2O0.51gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.90gと、水分子内包物質として硫酸マグネシウム・7H2O0.51gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例11〕
実施例10において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例10において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例12〕
分子化合物形成物質として多孔質ケイ酸カルシウム0.20gと、水分子内包物質としてカリウムミョウバン・12H2O0.51gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として多孔質ケイ酸カルシウム0.20gと、水分子内包物質としてカリウムミョウバン・12H2O0.51gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例13〕
実施例12において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例12において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例14〕
分子化合物形成物質として多孔質メタケイ酸アルミン酸マグネシウム0.84gと、水分子内包物質として硫酸アルミニウム・16H2O0.36gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として多孔質メタケイ酸アルミン酸マグネシウム0.84gと、水分子内包物質として硫酸アルミニウム・16H2O0.36gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例15〕
実施例14において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例14において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例16〕
分子化合物形成物質として多孔質アルミナ1.14gと、水分子内包物質として硫酸ニッケル・6H2O0.63gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として多孔質アルミナ1.14gと、水分子内包物質として硫酸ニッケル・6H2O0.63gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例17〕
実施例16において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例16において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例18〕
分子化合物形成物質として多孔質酸化マグネシウム0.54gと、水分子内包物質として硫酸マンガン・5H2O0.92gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として多孔質酸化マグネシウム0.54gと、水分子内包物質として硫酸マンガン・5H2O0.92gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例19〕
実施例18において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例18において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例20〕
分子化合物形成物質として多孔質ケイ酸マグネシウム0.90gと、水分子内包物質として硫酸鉄(II)・7H2O0.61gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として多孔質ケイ酸マグネシウム0.90gと、水分子内包物質として硫酸鉄(II)・7H2O0.61gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例21〕
実施例20において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例20において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例22〕
分子化合物形成物質として多孔質ケイ酸アルミニウム1.01gと、水分子内包物質として硫酸鉄(III)・nH2O0.81gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
分子化合物形成物質として多孔質ケイ酸アルミニウム1.01gと、水分子内包物質として硫酸鉄(III)・nH2O0.81gとを体積比で8:2になるようにして錠剤状吸収材を製造した以外は、実施例5と同様にしてコンデンサを作製し、このコンデンサに対し、電源装置から電気を100V、1Aで逆印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
〔実施例23〕
実施例22において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
実施例22において作製したコンデンサに対し、電源装置から600V、2Aの過電圧を印加したところ、駆動用電解液等の噴出量が極めて少量噴出する程度に低減されることが判明した。
1…アルミ電解コンデンサ本体
2…金属ケース
2a…天板部
4…防爆弁
6…キャップ
6a…天板部(有底部)
7…小孔
8…アルミ電解コンデンサ用吸収材
10…アルミ電解コンデンサ
2…金属ケース
2a…天板部
4…防爆弁
6…キャップ
6a…天板部(有底部)
7…小孔
8…アルミ電解コンデンサ用吸収材
10…アルミ電解コンデンサ
Claims (7)
- 駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケースと、前記コンデンサ素子より導出された一対のリード線とを備え、金属電解コンデンサの電気的異常時に駆動用電解液を吸収する吸収材であって、
前記吸収材が、駆動用電解液と分子化合物を形成し得る分子化合物形成物質を含む錠剤材料を打錠してなる錠剤状吸収材であり、前記錠剤状吸収材の硬度が40N以下であることを特徴とする金属電解コンデンサ用吸収材。 - 前記金属電解コンデンサが、前記金属ケースの天板部に形成された防爆弁の上方に取り付けられる有底筒状のケーシングをさらに備え、
前記錠剤状吸収材の外径が、前記ケーシングの内径よりもわずかに小さいことを特徴とする請求項1に記載の金属電解コンデンサ用吸収材。 - 前記分子化合物形成物質が、有機系、無機系、又は有機・無機複合系物質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属電解コンデンサ用吸収材。
- 前記分子化合物形成物質が、無機系多孔質物質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属電解コンデンサ用吸収材。
- 前記錠剤材料が、分子内に水分子を内包する水分子内包物質をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属電解コンデンサ用吸収材。
- 前記水分子内包物質が、水分子化合物であることを特徴とする請求項5に記載の金属電解コンデンサ用吸収材。
- 駆動用電解液を含浸させたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケースと、前記コンデンサ素子より導出された一対のリード線とを備え、前記金属ケースの天板部に防爆弁が形成され、電気的異常時に前記防爆弁が開成して駆動用電解液等を噴出する金属電解コンデンサであって、
前記防爆弁の上方に、請求項1〜6のいずれかに記載の金属電解コンデンサ用吸収材を配置してなることを特徴とする金属電解コンデンサ。
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JP2009163178A JP2011018810A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 金属電解コンデンサ用吸収材及び金属電解コンデンサ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2011122038A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2013-07-04 | 日本ケミコン株式会社 | 電解コンデンサ |
-
2009
- 2009-07-09 JP JP2009163178A patent/JP2011018810A/ja active Pending
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