JP2011018215A - 避難支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 住居火災発生時に、予め定めた避難経路へと住民を速やかに誘導して、逃げ遅れに原因する被災を防止するのみならず、高齢者や身体障害者など行動能力が制約された住人の避難行動及び救助活動を支援する。また、このような避難支援装置を、住宅内に容易に搬入及び設置できるようにする。
【解決手段】 建物内の避難経路に沿って設置される筐体11に、貯水タンク12と、貯水タンクに貯留した水を放水ノズル13に圧送するポンプ装置14と、避難経路への誘導及び避難方向を示すサインを点灯させる誘導指示装置とを一体的に設ける。火災発生時には、制御装置15を介してポンプ装置及び誘導指示装置を作動させると共に、避難経路に向けて放水を行う。
【選択図】 図2

Description

この発明は、主に住居火災発生時の避難行動を支援するための装置に関する。
総務省消防庁が発行する平成20年版消防白書(http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h20/index.htmlを参照。以下、単に「消防白書」という。)によれば、平成19年に発生した火災件数のうち建物火災が占める割合は74.9%であり、そのうちの56.9%が住居火災である。わが国の住居の多くは木造であることから、建物火災に占める火災割合も43.5%と大きく、さらに建物火災による死者数のうち90.3%もが住居火災の被害者であることが著しい特徴となっている。また、経過別死者発生状況としては、住居火災において逃げ遅れによる死者数は56.6%にも達し、次いで着衣着火による死者数が8.5%となっている。
逃げ遅れを原因とする死者数は、長年にわたり住居火災での死者の多数を占めてきていることから、平成16年の消防法改正により、平成18年6月以降に新築される住宅には自動火災警報器の取り付けが義務付けられ、既存住宅についても自治体ごとに平成21年以降から順次その取り付けが義務付けられることとなっている。自動火災警報器の設置が有効であることは、米国の事例からも知ることができ、即ち、米国において自動火災警報器の普及率が10%程度の1975年には火災による死者数は6000名を超えていたが、普及率が96%に達した2005年には死者数は3000名程度にまで減少している。(消防白書「特集4(2)住宅用火災警報器の義務化」、第4図参照。)
しかしながら、その反面、自動火災警報器の普及によっても、住居火災での死者数を半減できる程度にとどまっており、これは高齢者や身障者など行動能力が限られる者の避難には、単に火災警報を発しただけでは不十分であることを示している。実際に、消防白書によれば、火災による総死者数のうち、13.4%が病気叉は身体不自由による逃げ遅れを原因としており、年齢別では56.9%が65歳以上、24.6%が81歳以上である。
これらのデータから、建物火災での死傷者をより低減するためには、住居火災において、逃げ遅れの防止を図るのみならず、安全な場所への避難誘導を確実に行うこと、高齢者など行動能力が限られる者を救護するための手段を設けることが必要であることがわかる。
これに対して、従来の住居火災対策に関わる先行技術としては、例えば特許文献1に示されるような初期消火用スプリンクラーが提案されている。これは、一般家庭での火災発生時に、住人に代わって自動的に初期消火を行わせることを目的としたもので、タンクに貯留した消火用水を、電動ポンプによりスプリンクラーに圧送して天井部分から放水するようにしたものである。
また、比較的大規模な建物において災害発生時の避難誘導を補助するためのシステムとしては、特許文献2〜4に示されるようなものが知られている。特許文献2と3のものは、それぞれビル内の火災発生状況に基づいてコンピュータにより最適な避難誘導経路を割り出すようにしたシステム、特許文献4のものは、建物等の延焼情報に基づいて、地下街や建物内に設けられている照明装置を使用して、中にいる人を安全な区域に誘導するようにしたシステムである。
特開2008−068048号公報 特開2007−004452号公報 特開平08−124064号公報 特開平06−325264号公報
特許文献1のものは、住居の天井部分にスプリンクラーを設置するための配管工事が必要であることから、既設の住居には容易に適用することができない。また、消火目的とすれば大流量の放水が必要であるが、特許文献1のもののようにタンクに貯留できる程度の水量では短時間で放水が終了してしまうので、消火の効果は疑問である。
特許文献2〜4のものは、何れも大規模なビル等の建物を対象とし、構造的にも複雑であるので一般住居に適用するには高価にすぎる。また、特許文献1のものと同様に、既設の住居に適用するには大規模なリフォームが必要であり、現実的ではない。
また、従来の防災設備は、前記各特許文献のものを含めて、何れも主として防火または避難支援の機能にのみ着目したものであって、高齢者など行動能力が制約される者を住居火災から守るという観点のものはない。
請求項1の発明は、
貯水タンクと、
放水ノズルと、
前記貯水タンクに貯留した水を前記放水ノズルに圧送するポンプ装置と、
避難経路への誘導音声を発すると共に、避難経路及び避難方向を示すサインを点灯させる誘導指示装置と、
火災の発生を検知し、火災発生時に、前記ポンプ装置及び誘導指示装置を作動させる制御装置と、
建物内の避難経路に沿って設置され、前記貯水タンク、ポンプ装置、誘導指示装置、制御装置が一体的に装備される筐体とを備え、
前記放水ノズルは、前記避難経路に向けて放水をするようにその位置及び/又は向きが設定されていること
を特徴とする避難支援装置である。
請求項2の発明は、
貯水タンクと、
放水ノズルと、
前記貯水タンクに貯留した水を前記放水ノズルに圧送するポンプ装置と、
避難経路への誘導音声を発する誘導指示装置と、
火災の発生を検知し、火災発生時に、前記ポンプ装置及び誘導指示装置を作動させる制御装置と、
建物内の避難経路に沿って設置され、前記貯水タンク、ポンプ装置、誘導指示装置、制御装置が一体的に装備される筐体とを備え、
前記放水ノズルは、前記避難経路に向けて放水をするようにその位置及び/又は向きが設定されていること
を特徴とする避難支援装置である。
請求項3の発明は、前記放水ノズルとして、噴霧ノズルを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の避難支援装置である。
請求項4の発明は、
前記貯水タンクに、排水コックを備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の避難支援装置である。
この発明によれば、火災発生時に音声さらにはサインの点灯により避難経路への誘導指示を行い、住居内に居る者に対し予め定めた避難経路へと速やかに誘導することができる。これにより、逃げ遅れに原因する被害をより確実に回避することができる。
避難経路付近にはノズルからの放水が集中的になされるので、避難経路への延焼を抑えられるだけでなく、放水の気化潜熱に基づき、避難経路付近の雰囲気温度を低下させることができ、これにより避難行動の際の火傷や着衣着火等の被害を受けるおそれをも軽減することができる。
また、高齢者や身体障害者など、行動能力が制約される者であっても、避難経路付近にまで到達さえしていれば、前述した放水の効果により火傷等による被災を免れることが可能である。ことに、この発明では、避難経路付近に集中して放水する構成であるので、限られた貯水量であっても、消火を主目的とする放水の場合に比較して長時間にわたる放水が可能であり、従って被災者が避難経路付近で身動きがとれなくなったとしても、外部からの消防隊等の救助者による救助活動を期待することができる。また、外部からの救助の際に、救助者は誘導指示の音声やサインに基づいて速やかに避難経路を確認することができるので、複雑な構造の家屋においても、効率よく迅速な救助活動を行うことができる。
避難経路の雰囲気温度をより低下させるには噴霧ノズルを介して霧状の水噴射を行うことが好ましく、こうすることにより、高温ガスの吸込みによる呼吸障害の発生をより確実に防止して救命効果を高めることができる。
このようにして、この発明によれば、住居火災時の逃げ遅れに原因する被災を防止できるだけでなく、高齢者など行動能力が制約された者であっても被災から効果的に守ることが可能である。
また、この発明は貯水タンク、ポンプ装置、制御装置などの必要機器類を筐体に一体化してあるので、既設の住居に容易に搬入及び設置することができる。特に、その住居における火災発生時の避難経路として最適な箇所を選択して設置することができるので、増築等により構造が複雑化した住居等においても、上述したような防災機能を効果的に発揮させることができる。
さらに、この発明では貯水タンクを備えた装置全体が住居内において強固な構造物を構成するので、火災時のみならず、震災時においても家屋の倒壊から居住者を保護し、なおかつ被災者が住居内に閉じ込められた場合にあっても、貯水タンクの水を非常用水として利用することができる。貯水タンク内の水を非常用水として利用するためには、貯水タンクに排水コックを設けておくことが好ましい。
この発明の第1の実施形態の外観斜視図。 前記第1の実施形態の内部構造を示す正面図。 前記第1の実施形態における誘導指示装置の一例を示す正面図。 前記第1の実施形態における誘導指示装置の他の例を示す正面図。 前記第1の実施形態における制御装置の一例を示す回路構成図。 前記第1の実施形態における放水領域の一例を示す側面図。 前記第1の実施形態における放水領域の一例を示す平面図。 前記第1の実施形態における放水領域の他の例を示す平面図。 この発明の第2の実施形態の概略構成を示す側面図。
次に、図面に基づいてこの発明の実施形態につき説明する。図1又は図2において、10はこの実施形態における避難支援装置、11はその筐体、12は貯水タンク、13は放水ノズル、14は前記貯水タンク12に貯留した水を前記放水ノズル13に圧送する電動のポンプ装置、15は避難経路への誘導音声を発すると共に、避難経路及び避難方向を示すサインを点灯させる誘導指示装置、16は、火災の発生を検知し、火災発生時に、前記ポンプ装置14及び誘導指示装置15を作動させる制御装置である。この実施形態では、前記貯水タンク12、放水ノズル13、ポンプ装置14、誘導指示装置15、制御装置16は、前記筐体11に一体的に装備してある。
筐体11は、図2に示したように、型材を直方体状に組んで構成したフレーム21と、各側面の開放部分を閉塞する態様で、溶接又はネジ止めなどによりフレーム21に取り付ける外装パネルとからなる。これらフレーム21及び外装パネルは、例えば鋼鉄、アルミ、ステンレス、耐熱性樹脂などの不燃性の材料から形成してある。前記外装パネルとして、図1には前面パネル22F、左側面パネル22L、上面パネル22Tを示している。
この筐体11の寸法は任意であるが、家具類と同等の寸法とすることで、住居内に設置する際の納まりがよくなる。具体的には、例えば幅は300〜1200mm、高さは900〜2300mm、奥行きは250〜600mmの範囲内で設定する。この実施形態では、幅1000mm、高さ1500mm、奥行き250mmを想定している。
前記ポンプ装置14及び制御装置16は、筐体11の下部に位置するようにフレーム21の底面部に取り付けてある。また、貯水タンク12はこれらの上方に位置するように、中間フレーム部21Mの上に溶接又はネジ止め等により取り付けてある。
前記貯水タンク12は、内部に貯留した放水用の水で錆を生じることがないように、ステンレス等の不銹性金属材料や、防錆処理鋼板、耐熱性樹脂材料などで形成する。この貯水タンク12の寸法は、筐体11に収容した状態で、下方にポンプ装置14や制御装置16を設ける空間を確保するとともに、放水ノズル13を設けた一方側(この場合、向かって右側)にホースを取り回すための若干の空間を確保できる範囲内で、できるだけ大きな容量が得られるように設定している。具体的には、この実施形態の貯水タンク12は、幅800mm、高さ1000mm、奥行き200mmとし、容量は約160リットルとしてある。
前記貯水タンク12の上面には、給水口12aと、この給水口12aを開閉する給水キャップ12bとを備えると共に、前述したタンク側方の空間に面するように、タンク下端部付近に排水コック17を備える。また、貯水タンク12の底部には出水口12cを備え、この出水口12cは、ホース18aを介して、前記ポンプ装置14の吸込口14aに接続している。
前面パネル22Fの中間高さ部分には、前記誘導指示装置15の取付部を備えると共に、その下方部分には前記ポンプ装置14や制御装置16を点検するための点検蓋23Fが開閉又は着脱可能に設けてある。また、左側面パネル22Lには、中間高さよりもやや下方の、前記排水コック17の位置に対応する部分に、排水コック17を介して貯水タンク12内の水を手動操作で排出するときに使用する排水蓋23Lを、さらに、上面パネル22Tには、前記給水口12aの上方部分に位置するように、この給水口12aを介して給水操作をするときに使用する給水蓋23Tを、それぞれ開閉又は着脱可能に設けてある。
前記放水ノズル13は、上面パネル22Tの向かって右側端かつ前面付近のコーナー部分に設けた支持筒部24を介して、筐体11に対して、回転かつ上下移動可能に支持してある。詳細には、放水ノズル13は、前記支持筒部24内に回転かつ上下移動可能に支持した中空円筒状の首部13aと、この首部13aの上端部に取り付けた放水ヘッド部13bとからなる。前記首部13aの下端部は、ホース18bを介して、前記ポンプ装置14の吐出口14bに接続している。この放水ノズル13は、前述したように支持筒部24に対して回転かつ上下移動可能に支持してあるが、この回転又は上下の支持位置は、例えば止めネジ(図示せず)を介して任意に調節及び固定できるように図る。ただし、放水ノズル13の構造はこれに限られるものではなく、例えば放水ヘッドの部分をフレキシブルチューブを介して筐体11に支持することで、その向きや角度を調節できるようにしてもよい。あるいは、放水ノズル13の向きが、放水時に電動や水圧により可変となるようなものとしてもよい。
図3と図4に、それぞれ前記誘導指示装置15の構成例を示す。図において、15aは前記筐体11の前面パネル22Fに取り付けられる横長形状のパネル部、15bは前記パネル部15aの背面側から点灯して避難方向を示すための、LED照明などからなるサインである。図3のものでは三角形状のサイン15bを4個配設すると共に、一端部に警告及び誘導の音声を発するためのスピーカ19を取り付けてある。ただし、このスピーカ19は必ずしもパネル部15aに設ける必要はなく、筐体11の任意の位置に設けることができる。図4のものでは、サイン15bとして矢印形状のものを3個配設すると共に、パネル部15aの下縁部に、避難経路の床面部分を照射するランプ20を設けている。この誘導指示装置15のサイン15b、スピーカ19及びランプ20は、次に説明する制御装置16からの指令により作動する。なお、サイン15bとしては、前述したような点灯式のものではなく、印刷やペイントによる方向指示表示でもよい。
図5に、制御装置16の回路構成例を示す。図において31は制御装置16の回路部、32は火災検知器、33は電源、34は電源スイッチ、35は試験スイッチである。前記回路部31と火災検知器32が制御装置16としての主要部をなす。13〜15は、それぞれ前述した放水ノズル、電動のポンプ装置、誘導指示装置(スピーカ19、サイン15b)である。放水ノズル13は、この場合、放水時に制御装置16からの指令に基づき、電動で放水方向を変化させるものを想定している。
前記回路部31は、入出力回路、記憶回路、中央演算処理装置を主要素とするマイクロコンピュータから構成してある。これに代えて、リレー回路を主要部とする電気回路として構成することもできる。
前記火災検知器32は、火災の発生を検知して前記回路部31へと火災発生信号を出力するものである。これには、住宅用の火災自動警報器と同様の機能のもの、即ち火災発生時の煙や熱から火災発生を直接的に検知するものを適用することができるが、これに限られず、火災の発生を間接的に検知するものとすることもできる。例えば、住居に既に自動火災警報器が設置してあるときには、その作動時の警報音を検知して作動するように構成することができる。又は、住居に住宅用自動火災報知設備が設置してあるときには、その感知器からの信号を有線又は無線を介して検出して火災検知を行うものとすることもできる。さらには、住宅セキュリティ会社等により火災の発生を遠隔監視するシステムを利用している場合には、そのオンラインで発せられる火災発生情報を火災検知信号として利用することも可能である。
前記電源33としては、家庭用の交流電源を利用することが可能であるが、停電対策として蓄電池を用いるようにしてもよい。ただし、蓄電池を用いる場合であっても、交流電源を電源とする自動充電装置を備えて、蓄電池が常に十分な充電状態を維持するように図ることが望ましい。
前記電源スイッチ34は、前記回路部31への電力の供給を開閉するスイッチである。前記試験スイッチ35は、誘導指示装置15又はポンプ装置14を試験的に作動させるためのものであり、これは試験のためのみならず、避難訓練のためにも利用することができる。
この制御装置16は、電源スイッチ34がオンの状態で、火災検知器32からの火災検知信号が入力すると、回路部31が放水ノズル13及びポンプ装置14の電動機に駆動電流を供給する一方、誘導指示装置15のスピーカ19に警報音及び避難誘導音声を出力させると共に、サイン15b及びランプ20を点灯させる。なお、前記避難誘導音声は、回路部31に予め記憶させておいた任意の音声を出力させるようにする。このときの音声の例としては、例えば「火災が発生しました。すぐにこちらから避難してください。」「火災発生です。こちらが避難経路です。」のように、火災発生を警告すると共に、避難経路への誘導を行うようにするものが望ましい。また、この音声に先立ち、ブザーやサイレンの音を大音量で出力するようにしてもよく、これにより就寝時等の逃げ遅れをより確実に防止することができる。
この制御装置16の作用に基づき、火災発生時には誘導指示装置15からの音声による警告及び誘導により、住人は速やかに火災を覚知し、避難経路へと誘導される。これと同時に、ポンプ装置14が駆動され、貯水タンク12内の水がホース18a及び18bを介して放水ノズル13へと圧送され、その放水ヘッド13bを介して避難経路に向けて放水される。
次に、この避難支援装置10の設置及び放水領域について説明する。この避難支援装置10の設置箇所は、建物の避難経路となる部分である。避難経路は、一般の住居では、多くの場合に廊下部分となる。これは、タバコの火の不始末や暖房装置からの出火が居室にて多く発生し、コンロからの出火がキッチンで多く発生するのに対して、廊下や玄関から出火することは稀であり、したがって、出火場所となりがちな居室やキッチンと脱出口となる玄関とを連絡する廊下部分が通常は避難経路となるからである。また、二階建ての建物においては、1階の階段上り口は多くは玄関付近に位置していて比較的安全性が高いので、2階の階段降り口付近を避難経路として確保することが考えられる。このようにして、建物の構造に応じて避難経路を決定して、その避難経路に沿って避難支援装置10を設置する。
この発明に係る避難支援装置10は、貯水タンク12、ポンプ装置14、制御装置16などの必要機器類を筐体11に一体化してあるので、住居内の避難経路として設定した場所に容易に搬入し、設置することができる。むろん、この避難支援装置10を設置するために住居を改築する必要はなく、家具と同様の要領で設置すればよい。設置後は、市販の家具転倒防止器具等を使用して、筐体11の転倒防止を図ることが望ましい。
図6と図7は、このようにして設定した避難経路に面して避難支援装置10を設置した場合における、放水領域の一例を示したものである。図6は避難経路を側面から見た図、図7は上方から見た図であり、図中のPとWは、それぞれ避難経路としての住居の廊下部分と壁面部分を示している。これは、直線状の避難経路に沿って、その壁面部分Wと対向するように避難支援装置10を設置した例であり、その放水ノズル13からの放水は、図示したように避難経路である廊下部分Pに向けて行われる。図7の符号Aで示した二点鎖線内の領域は平面上の放水領域を示している。図示したように、この場合の放水領域Aは、避難支援装置10前面の避難経路である廊下部分Pに沿って、平面上は略楕円状なるように設定してある。このような放水領域の設定は、放水ノズル13のヘッドの向き等を調節することで実現することができる。放水ノズル13に首振り動作をさせることで、放水領域Aを上下方向や廊下部分Pに沿った長手方向に拡大するようにしてもよい。
図8は放水領域の設定に関する他の例であり、これは避難経路が廊下の曲がり角部分である場合を想定して、その曲がり角部分の内側に避難支援装置10を設置すると共に、放水ノズル13を2方向ノズルとして、図示したように曲がり角を挟んだ2方向に、それぞれ二点鎖線で示したように、放水領域A1とA2とを設定するようにしたものである。この場合も、放水ノズル13を可動式として、A1とA2の間で放水領域が交互に移動するような構成とすることができる。
図9は、避難支援装置10の放水ノズルとして、避難経路に面したやや低位置の部分に、貯水タンク12内の水を霧状に噴射する噴霧ノズル36を備えた実施形態を示している。図中の符号Mで示した破線の領域は、前記噴霧ノズル36を介しての噴霧領域を示している。この噴霧ノズル36は、前述した放水ノズル13と併設してもよく、あるいは放水ノズル13に放水と噴霧とを行う兼用ノズルとしての機能を持たせるようにしてもよい。このようにして、噴霧ノズル36により霧状の水滴を避難経路に噴射することにより、避難経路付近の雰囲気温度を気化潜熱に基づいてより効率よく低下させることが可能である。
次に、前述のようにして、住居内に予め設定した避難経路に沿って、避難支援装置10を設置した場合の作用効果につき説明する。前述したように、火災発生時には誘導指示装置15での音声による誘導指示及びサインの点灯に基づき、住居内の住人に対して、避難経路への誘導指示がなされ、避難経路及び住居出口へと速やかに誘導することができる。これにより、逃げ遅れに原因する被害をより確実に回避することができる。
避難経路付近には放水ノズル13からの放水が集中的になされるので、避難経路への延焼を抑えられるだけでなく、放水の気化潜熱に基づき、避難経路付近の雰囲気温度を低下させることができ、これにより住人が避難行動する際の火傷や着衣着火等の被害を受けるおそれをも軽減することができる。また、高齢者や身体障害者など、行動能力が制約される者であっても、避難経路付近にまで到達さえしていれば、前述した放水の効果により火傷等による被災を免れることが可能である。
特に、この避難支援装置10では、避難経路付近に集中して放水を行う構成であるので、貯水タンク12による限られた貯水量であっても、消火を主目的とする放水の場合に比較して長時間にわたる放水が可能であり、従って被災者が避難経路付近で身動きがとれなくなったとしても、外部からの消防隊等の救助者による救助活動を期待することができる。より具体的には、前記消防白書によれば、消防機関が火災を覚知し、消防隊が出動して放水を行った件数割合は50.2%であり、そのうち火災覚知から放水を開始するまでの時間は、5分以内が15.2%、10分以内が69.4%、15分以内が91.3%となっている(「建物火災の放水開始時間別焼損状況」及び1-1-17表を参照)。消防隊が火災現場に到着するまでの時間は、放水を開始するよりも数分間は早いことを考慮すると、高齢者など行動能力の劣る被災者が建物内に残されたとしても、10〜15分間程度耐えられれば、消防隊員による救助活動をほぼ確実に期待できると推測される。このことから、放水時間は10〜15分間程度を確保することが望ましいと言える。これに対して、この実施形態では、毎分10リッターの放水量に設定したとすれば、前記貯水タンク12の容量から、15分間以上の放水ができるので、救助活動までの所要時間を十分に確保することが可能である。
一方、外部からの救助の際に、救助者は誘導指示装置15の音声やサインに基づいて速やかに避難経路を確認することができるので、複雑な構造の家屋においても、効率よく迅速な救助活動を行うことができる。
また、噴霧ノズル36を介して避難経路に霧状の水滴を噴射するようにした場合には、避難経路付近の雰囲気温度をより低下させることができるので、高温ガスの吸込みによる呼吸障害の発生などをより確実に防止して救命効果を高めることができる。
このようにして、この避難支援装置10によれば、住居火災時の逃げ遅れに原因する被災を防止できるだけでなく、高齢者など行動能力が制約された者であっても被災から守ることが可能である。
他方、この発明に係る避難支援装置10は、貯水タンク12、ポンプ装置14、制御装置16などの必要機器類を筐体11に一体化してあるので、既設の住居に容易に搬入及び設置することができる。特に、その住居における火災発生時の避難経路として最適な箇所を選択して設置することができるので、増築等により構造が複雑化した介護施設等の住居においても、上述したような防災機能を効果的に発揮させることができる。
さらに、貯水タンク12を備えた筐体11自体が住居内において強固な構造物を構成するので、火災時のみならず、震災時においても家屋の倒壊から居住者を保護し、なおかつ被災者が住居内に閉じ込められた場合にあっても、貯水タンク12内の水を非常用水として利用することが可能である。
なお、前述した実施形態はこの発明の具体的な構成例を示したものであるに過ぎず、この発明の技術的範囲が実施形態の内容に限定されるものではないことは言うまでもない。
10 避難支援装置
11 避難支援装置の筐体
12 貯水タンク
12a 給水口
12b 給水キャップ
12c 出水口
13 放水ノズル
13a 首部
13b 放水ヘッド部
14 ポンプ装置
14a 吸込口
14b 吐出口
15 誘導指示装置
15a パネル部
15b サイン
16 制御装置
17 排水コック
18a 吸込側のホース
18b 吐出側のホース
19 スピーカ
20 ランプ
21 フレーム
21M 中間フレーム部
22F 外装パネル(前面パネル)
22L 外装パネル(左側面パネル)
22T 外装パネル(上面パネル)
23F 点検蓋
23L 排水蓋
23T 給水蓋
24 放水ノズルの支持筒部
31 制御装置の回路部
32 火災検知器
33 電源
34 電源スイッチ
35 試験スイッチ
36 噴霧ノズル
P 避難経路の廊下部分
W 避難経路の壁面部分
A,A1,A2 放水領域
M 噴霧

Claims (4)

  1. 貯水タンクと、
    放水ノズルと、
    前記貯水タンクに貯留した水を前記放水ノズルに圧送するポンプ装置と、
    避難経路への誘導音声を発すると共に、避難経路及び避難方向を示すサインを点灯させる誘導指示装置と、
    火災の発生を検知し、火災発生時に、前記ポンプ装置及び誘導指示装置を作動させる制御装置と、
    建物内の避難経路に沿って設置され、前記貯水タンク、ポンプ装置、誘導指示装置、制御装置が一体的に装備される筐体とを備え、
    前記放水ノズルは、前記避難経路に向けて放水をするようにその位置及び/又は向きが設定されていること
    を特徴とする避難支援装置。
  2. 貯水タンクと、
    放水ノズルと、
    前記貯水タンクに貯留した水を前記放水ノズルに圧送するポンプ装置と、
    避難経路への誘導音声を発する誘導指示装置と、
    火災の発生を検知し、火災発生時に、前記ポンプ装置及び誘導指示装置を作動させる制御装置と、
    建物内の避難経路に沿って設置され、前記貯水タンク、ポンプ装置、誘導指示装置、制御装置が一体的に装備される筐体とを備え、
    前記放水ノズルは、前記避難経路に向けて放水をするようにその位置及び/又は向きが設定されていること
    を特徴とする避難支援装置。
  3. 前記放水ノズルとして、噴霧ノズルを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の避難支援装置。
  4. 前記貯水タンクに、排水コックを備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の避難支援装置。
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