以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、原子炉容器において管台作業を行う管台作業システムの概要を示す全体図である。また、図2は、管台作業システムのシステム構成を示すブロック図である。図1では、原子炉1の内部において、上部構造体である上蓋、及び、内部構造体である炉心構造物が取り外され、上部が開口した原子炉容器2を示している。図1に示すように、原子炉容器2には管台3として入口管台3A及び出口管台3Bが少なくとも一組設けられている。本実施形態では三組設けられており、各組の入口管台3Aから内部に冷却水を取り込むことが可能であるとともに、出口管台3Bから冷却水を排出することが可能となっている。
図1に示すように、本実施形態の管台作業システム10は、下端側が原子炉容器2に上部開口2aから挿入されるとともに、上方へと延出して設けられている有底円筒状の架台11と、原子炉容器2の上方に架設された作業床12と、原子炉容器2の外側となる作業床12上に設置され各構成を制御する制御装置13とを備える。図2に示すように、制御装置13は、各構成を電気的に制御する複数の制御盤14と、制御盤14から各構成の動作情報が入力されるとともに、各構成の動作を制御するための動作指令を制御盤14に出力する統括コンピュータ15とを備える。本実施形態においては、制御盤14としては、昇降装置44、収容庫43、アクセス窓開閉装置21及び隙間閉塞装置28を制御するための第一の制御盤14Aと、第二の移動ユニット42Bを制御するための第二の制御盤14Bと、第一の移動ユニット42A及び作業装置40の内、第一の作業ユニット160を制御するための第三の制御盤14Cと、切削ユニット81を制御するための第四の制御盤14Dと、管台閉塞装置41を制御するための第五の制御盤14Eと、除染ユニット84を制御するための第六の制御盤14Fとを備えている。なお、各制御盤14の制御対象たる各構成の詳細は後述する。また、制御盤14の構成としては、これに限るものではなく、さらに細分化しても良く、あるいは、一台の制御盤14で代表するものとしても良い。また、統括コンピュータ15についても、複数台が連携して処理を行うものとしても良い。
また、図1に示すように、架台11は、原子炉容器2の内部に配置されるプラットフォーム16と、プラットフォーム16と接続されて原子炉容器2の上方へと鉛直方向に沿って配設された略円筒状の接続管路17とを有する。プラットフォーム16は、原子炉容器2の内径よりも小さい外径を有する略円筒状の側壁16aと、側壁16aの下端を閉塞する底板16bと、側壁16aの上端から外周側に張り出して原子炉容器2の上縁に支持されたフランジ16cとを有する。そして、プラットフォーム16は、フランジ16cに形成された固定用孔16dを利用して原子炉容器2に固定されている。また、接続管路17は、下端がプラットフォーム16のフランジ16cに固定されており、プラットフォーム16の側壁16aと接続管路17によって架台11の側壁部11aが構成されており、また、プラットフォーム16の底板16bによって架台11の底部11bが構成されている。また、接続管路17は、上端において作業床12に原子炉容器2の上方となる位置で形成された連絡孔12aと連通している。このため、作業床12上では、連絡孔12aを介して架台11の内部にアクセスすることが可能となっている。なお、プラットフォーム16のフランジ16cと原子炉容器2の上端との間、また、プラットフォーム16のフランジ16cと接続管路17の下端との間は、それぞれシーリングされており、これにより図1に示すように、原子炉容器2の内部を管台3よりも水位が下側になるように排水しても、原子炉容器2の上方で接続管路17の周囲に満たされた冷却水が原子炉容器2の内部、及び架台11の内部に漏洩してしまうことがない。
ここで、架台11においてプラットフォーム16の側壁16aには、各管台3と連通するアクセス窓20が形成されているとともに、アクセス窓20を開閉可能なアクセス窓開閉装置21が設けられている。図2から図4に示すように、アクセス窓開閉装置21は、側壁16aの内周面において各アクセス窓20に設けられた略板状の蓋体22と、蓋体22を側壁16aの内周面との間で挟み込むとともに上下に移動可能に案内する一対のガイドレール23と、アクセス窓20の上方に設けられてガイドレール23に沿って蓋体22を上下に移動させる昇降手段である電動ウインチ24とを備える。電動ウインチ24の図示しない駆動モータは、第一の制御盤14Aと接続されており、第一の制御盤14Aによる制御によって駆動し、蓋体22を上下に移動させることが可能となっている。また、アクセス窓20の上部及び下部には、一対のガイドレール23間に掛け渡された一対の支持部材25が設けられている。
そして、図5に示すように、一対のガイドレール23及び一対の支持部材25の側壁16aと対向する面には、アクセス窓20を閉塞するように配置された蓋体22に向かって進退可能な水圧シリンダ26が設けられている。水圧シリンダ26は、図示しない配管によって作業床12上に設けられ、第一の制御盤14Aと接続されている作動水供給装置27(図2)と接続されている。このため、第一の制御盤14Aによる制御のもと作動水供給装置27によって水圧シリンダ26に作動水を供給して水圧を付与することにより、上下左右の4箇所で蓋体22を側壁16aに向かって押圧させることが可能である。また、図6に示すように、プラットフォーム16の側壁16aにおいてアクセス窓20の周囲には、Oリング22aが二重に配置されている。このため、水圧シリンダ26によって蓋体22を側壁16aに向かって押圧させることで、Oリング22aが弾性変形することになり、これによりプラットフォーム16の外側が水中環境であったとしても、アクセス窓20を介して内部に水が侵入してしまうのを防止することができる。なお、側壁16aの内部において二重のOリング22aの間には、リーク検知ポート22bが形成されており、図示しない液面センサにより該リーク検知ポート22b内への水の浸入の有無を検知することが可能となっている。この液面センサの検知結果は図示しない通信線によって第一の制御盤14Aを介して統括コンピュータ15に接続されており、これにより水の浸入が検知された場合には、直ちに作業中止にするなどの処置を行うことが可能となっている。
また、図7及び図8に示すように、各アクセス窓20の内周面には、アクセス窓20と管台3との間の隙間2bを閉塞する隙間閉塞装置28が設けられている。隙間閉塞装置28は、略環状の金属などの硬質の部材で形成され、アクセス窓20の内側に収容された状態から原子炉容器2の内面に向かって進退可能な保護リング29と、アクセス窓20の内周面から突出した鍔部20aと保護リング29との間に設けられ、略筒状で可撓性を有する材質で形成された伸縮部材30とを有する。保護リング29は、アクセス窓20と原子炉容器2との間の隙間2bを埋めるための本体部29aと、本体部29aの外周側に設けられ原子炉容器2の内周面に当接可能な当接部29bとで、断面略T形に形成されている。当接部29bにおいて原子炉容器2の内周面2cと対向する側には弾性変形可能なシール材29cが貼設されており、これにより原子炉容器2の内周面2cに密着させることが可能となっている。
また、伸縮部材30は、保護リング29がアクセス窓20の内部に収容された状態から原子炉容器2の内周面2cに当接するまで追従するのに十分な長さを有している。そして、伸縮部材30とアクセス窓20の内周面2cとの間には、周方向に間隔を有して複数の空気圧シリンダ28aが設けられている。空気圧シリンダ28aは、図示しない配管によって作業床12上に設けられて第一の制御盤14Aと接続されている圧縮空気供給装置31(図2)と接続されている。このため、第二の制御盤14Bによる制御のもと圧縮空気供給装置31によって空気圧シリンダ28aに圧縮空気を供給して空気圧を付与することにより、複数箇所で保護リング29を原子炉容器2の内周面2cに向かって進出させて押圧させることが可能である。なお、各隙間閉塞装置28の保護リング29において下端部には、回収ポート32が設けられている。回収ポート32は、保護リング29において原子炉容器2の内周面2c側となる位置に開口しており、プラットフォーム16の側壁16aの内部を通って作業床12上において後述する回収設備109と接続されており、これにより管台3の開口近傍に溜まった水などを吸引回収することが可能となっている。
また、図1に示すように、管台作業システム10は、各種管台作業を行うための作業装置40と、管台3の内部で管台3の閉塞を行う管台閉塞装置41と、架台11の内部に設けられて作業装置40や管台閉塞装置41を移動させる移動装置42と、各作業装置40を収容する収容庫43と、各機器を連絡孔12aを介して作業床12上から架台11の内部へ昇降させる昇降装置44と、作業床12上で各機器を移動させる門型クレーン45とを備える。門型クレーン45は、連絡孔12aを跨ぐようにして走行可能となっており、これにより連絡孔12a周辺のエリアと、連絡孔12aから離れたエリアとの間で資機材を移動させることが可能となっている。
また、昇降装置44は、作業床12上に走行可能に設けられた支持台44aと、支持台44a上で鉛直軸回りに回転可能に設けられたフレーム44bと、該フレーム44b及び架台11の内周面にそれぞれ略鉛直に配設された一対の第一のレール44c及び第二のレール44dと、第一のレール44c及び第二のレール44d上を上下に走行可能な本体部44eと、本体部44eに互いに近接離間可能に設けられ作業装置40及び収容庫43を把持するための一対の把持部44fとを有する。支持台44aには、第一の制御盤14Aと接続された図示しない走行駆動部及び回転駆動部が設けられている。そして、第一の制御盤14Aによる制御のもと、該走行駆動部により作業床12上で支持台44aを走行させることが可能であるとともに、該回転駆動部によってフレーム44b及び第一のレール44cを鉛直軸回りに回転移動させることが可能となっている。また、本体部44eには、第一の制御盤14Aと接続された図示しない昇降駆動部が設けられ、第一の制御盤14Aによる制御のもと、該昇降駆動部によって第一のレール44c上または第二のレール44d上を鉛直方向に走行することが可能となっている。また、本体部44eには、第一の制御盤14Aと接続された図示しない把持駆動部が設けられている。そして、第一の制御盤14Aによる制御のもと、該把持駆動部によって一対の把持部44fを近接させることで、作業装置40及び収容庫43を把持することが可能となっている。
また、図9に示すように、上記移動装置42としては、複数の軸回りに回転移動可能な第一の移動ユニット42Aと、作業装置40や管台閉塞装置41をスライド移動させることが可能な第二の移動ユニット42Bとを具備している。第一の移動ユニット42Aは、架台11の底部11b上に外周側に円弧状に形成されたガイドレール50と、ガイドレール50に沿って架台11の中心軸C11を中心として周方向に移動可能なユニット本体51とを有する。本実施形態では、ガイドレール50上には、管台3を構成する入口管台3A及び出口管台3Bの組数と対応させて三基のユニット本体51が設置されている。
ユニット本体51は、ガイドレール50に沿って移動可能な第一支持体52と、第一支持体52上に架台11の中心軸C11と略平行な第一回転軸R1回りに回転可能な第二支持体53と、第二支持体53上に設けられたマニュピレータ54と、マニュピレータ54の先端に設けられ、作業装置40を着脱可能な接続部55とを有する。第一支持体52には、自身をガイドレール50に沿って走行させる走行駆動部52aが設けられているとともに、第一支持体52に対して第一回転軸R1回りに第二支持体53を回転させる第一回転駆動部52bとが設けられている。また、第二支持体53は、第一支持体52に第一回転軸R1回りに回転可能に取り付けられた下部板53aと、下部板53a上で第一回転軸R1に直交するスライド方向L1にスライド移動可能に設けられた上部板53bと、上部板53bと下部板53aとの間に設けられ下部板53aに対して上部板53bをスライドさせる図示しないスライド駆動部とを有する。
また、マニュピレータ54は、複数の関節部54aを有する多関節構造で構成されており、これにより、スライド方向L1に平行な軸、及び、該軸に直交する二軸の三軸回りに自在に回転可能となっている。なお、図示しないが、各関節部54aにはその先端側の関節部54aを回転させる回転駆動部が設けられており、これによりマニュピレータ54の先端54bに設けられた接続部55、及び、接続部55に装着された作業装置40を任意の軸回りに回転移動させることが可能となっている。また、図示しないが、各駆動部には、各駆動部による移動状態を検出するためのエンコーダなどの位置センサが設けられており、該位置センサで検出された検出結果は、位置検出信号として、第三の制御盤14Cに入力されている。このため、第三の制御盤14Cは、統括コンピュータ15からの指令に基づいて、制御信号を各駆動部に出力して、各駆動部を駆動させて第一の移動ユニット42Aを動作させるとともに、各位置センサから入力された位置検出信号に基づいてフィードバック制御を行い、正確な位置制御を行うことが可能となっている。
ここで、図10に示すように、第一の移動ユニット42Aの接続部55と対応して、一部の作業装置40には被接続部が設けられていて、接続部55と被接続部とで互いに着脱可能とするツールチェンンジャが構成されている。接続部55と被接続部のそれぞれは、互いを剛結保持することが可能な接続部本体55a及び被接続部本体と、マニュピレータ54側と作業装置40側のそれぞれに配設された図示しない配線及びは配管とを互いに接続する配線・配管コネクタ55b及びコネクタ受部とを有する。マニュピレータ54に内蔵されている配線、配管としては、作業装置40と作業床12上の各装置とを電気的に接続する配線や、作業床12上の作動水供給装置や圧縮空気供給装置から作動水や圧縮空気を供給するため、あるいは回収設備109と接続されて作業装置40側から吸引を行うための各種配管がそれぞれ配設されている。このため、接続部55に接続された作業装置40には、当該作業装置40の作業内容に応じて、マニュピレータ54内に配設された配線、配管が選択的に接続されるようになっている。そして、作業装置40は、この配線・配管コネクタ55bにより、第三の制御盤14Cから電源供給を受け、必要な制御信号を受けて動作し、また、検出した結果を検出信号として第三の制御盤14Cに出力することが可能となっている。さらに、作動水供給装置や圧縮空気供給装置から供給される作動水や圧縮空気により動作し、あるいは、管台3の内部に送水、送気等することが可能であり、さらには回収設備109から作用する負圧により吸引することが可能となっている。詳細は、各作業装置40の説明で述べる。
また、図9に示すように、第二の移動ユニット42Bは、架台11の底部11b上で第一の移動ユニット42Aのガイドレール50の内周側に、架台11の中心軸C11回りに回転可能に設けられた基部56と、基部56上に架台11の中心軸C11に直交するスライド方向L2に沿ってスライド移動可能に設けられた複数段のスライド板57と、最上段のスライド板57上にスライド方向L2に沿ってスライド移動可能に設けられ上面に作業装置40を載置可能な支持板58と、支持板58の基端に突出して設けられて先端側に向かって進退可能な押付部材59とを有する。基部56には、図示しないが、自身を架台11の中心軸C11回りに回転させる回転駆動部が設けられているとともに、複数のスライド板57、支持板58及び押付部材59を順次スライド方向L2へスライド移動させるスライド駆動部が設けられており、これにより支持板58上に載置された作業装置40をスライド方向L2に移動させることが可能となっている。なお、第一の移動ユニット42Aと同様に、図示しないが、各駆動部には、各駆動部による移動状態を検出するための位置センサが設けられており、該位置センサで検出された検出結果は、位置検出信号として、第二の制御盤14Bに入力されている。このため、第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15からの指令に基づいて、制御信号を各駆動部に出力して、各駆動部を駆動させて第二の移動ユニット42Bを動作させるとともに、各位置センサから入力された位置検出信号に基づいてフィードバック制御を行い、正確な位置制御を行うことが可能となっている。
次に、管台閉塞装置41について説明する。図11に示すように、管台閉塞装置41は、管台3の内部を閉塞するシール本体部60と、シール本体部60に着脱可能に連結された案内部61とを有する。シール本体部60は、管台3の内径よりも小さい外径に設定された略円盤状のシールプラグ62と、シールプラグ62の外周面に嵌め込まれたインフラートシール63と、シールプラグ62に放射状に複数設けられ、径方向外周側に向かって進退可能な固定用ジャッキ64と、管台3の内面を走行させるためにキャスタ65とを有する。固定用ジャッキ64は、シールプラグ62の中心位置から径方向外周側に向かって配設されたガイド64aと、ガイド64aに沿って進退可能であり、管台3の内面に当接する当接部64bと、シールプラグ62の中心位置から径方向外周側に向かって伸縮可能でロッド先端に当接部64bが取り付けられた水圧シリンダ64cとを有する。このため、固定用ジャッキ64は、水圧シリンダ64cを伸張させることで、当接部64bをガイド64aに沿って径方向外周側に向かって進出させてシールプラグ62の外周側に位置する管台3の内面に当接させることができ、複数の固定用ジャッキ64によりシールプラグ62を管台3の内面に固定することができる。また、インフラートシール63は、シールプラグ62の外周面との間に空間を有しており、圧縮空気を供給することで外周側に膨張し、これにより管台3の内部に配置されたシールプラグ62と管台3の内面との間の隙間を封止することができる。
また、案内部61は、管台3の内部に挿入可能な略棒状の部材で、先端側を監視するための撮影手段66と、先端に設けられ、第一の移動ユニット42Aの接続部55と同様の構成の接続部67と、管台3の内面を走行させるためのキャスタ68とを有する。シール本体部60には、案内部61の接続部67と対応して被接続部69が設けられていて、接続部67と被接続部69とで互いに着脱可能とするツールチェンンジャが構成されている。接続部67と被接続部69とは、互いを剛結保持することが可能であるとともに、シールプラグ62と案内部61の内部とにそれぞれ配設された図示しない配線及び配管を接続する配線・配管コネクタとしても機能する。具体的には、シール本体部60及び案内部61の内部には、固定用ジャッキ64の水圧シリンダ64cに作動水を供給する配管、インフラートシール63に圧縮空気を供給する配管が接続部67と被接続部69とにより互いに接続可能に設けられている。また、案内部61の内部には、さらに撮影手段66を駆動させる制御信号及び撮影手段66から出力される撮影データを第五の制御盤14Eに送信するための通信線となる配線が配設されている。
このため、図2に示すように、第五の制御盤14Eによる制御のもと、第五の制御盤14Eと接続された作動水供給装置70を駆動させて、固定用ジャッキ64によってシールプラグ62を管台3の内面に固定することができるとともに、この状態で第五の制御盤14Eと接続された圧縮空気供給装置71を駆動させて、インフラートシール63を膨張させることでシールプラグ62と管台3の内面との隙間を封止することができる。そして、この状態で案内部61の先端に設けられた接続部67と、シール本体部60に設けられた被接続部69を離脱させることで、シール本体部60により管台3の内部を封じた状態とすることができる。
次に、作業装置40について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態では、作業装置40として、管台3の内面の検査を行う検査ユニット40Aと、管台3の内部で内面施工を行う施工ユニット40Bとを具備する。より具体的には、施工ユニット40Bとしては、管台3の内面の溶接を行う溶接ユニット80と、管台3の内面を切削する切削ユニット81と、管台3の内面の仕上げ加工を行う仕上げ加工ユニット82と、管台3の内部にある加工屑等を回収する回収ユニット83と、管台3の内面を洗浄する除染ユニット84とを具備する。また、検査ユニット40Aとしては、管台3の内面の溶接部5について、超音波探傷試験を行うためのUT検査ユニット85と、浸透探傷試験を行うためのPT検査ユニット86と、対象の寸法測定を行うための寸法計測ユニット87とを具備する。
図12に示すように、溶接ユニット80は、アーク放電させるための溶接トーチ90と、溶接トーチ90の先端側へ溶接材となるワイヤWを供給する溶接材供給手段91と、溶接トーチ90の先端側を照明する照明手段92と、溶接トーチ90の先端側を撮影する撮影手段93と、管台3に対する相対位置を検出する位置センサ94と、これらを支持する支持部材95と、支持部材95に取り付けられ、第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続される被接続部96とを有する。溶接材供給手段91は、溶接材であるワイヤWが巻回されたワイヤリール91aと、ワイヤリール91aに巻回されたワイヤWを繰り出させる送出部91bと、送出部91bによって送出されたワイヤWを溶接トーチ90の先端側に案内する案内部91cとを有する。送出部91bは、例えば、ワイヤリール91aから繰り出されたワイヤWを挟み込む一対のローラと、該ローラを回転させるローラ回転駆動部とを有する構成となっている。ローラ回転駆動部には図示しないがエンコーダが設けられており、検出される回転数からワイヤWの繰り出し長さを取得することが可能となっている。
また、被接続部96は、第一の移動ユニット42Aの接続部本体55aに剛結保持される被接続部本体96aと、配線・配管コネクタ55bと接続されるコネクタ受部96bとを有する。コネクタ受部96bでは、作業床12上に設置された溶接電源盤97及び溶接制御盤98から照明手段92、撮影手段93、溶接トーチ90及び溶接材供給手段91に電力の供給及び制御信号を送信するための配線、作業床12上の溶接冷却設備99から図示しない冷却配管に冷却水を供給するための配管などが接続可能となっている。このため、溶接ユニット80では、第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続された状態では、第三の制御盤14Cによる制御のもと、第一の移動ユニット42Aによって管台3に対する相対位置を位置調整され、当該位置において溶接トーチ90で管台3との間で放電を発生させて溶接材であるワイヤWを順次供給することで所望の位置に溶接を行うことが可能となっている。
また、図13に示すように、切削ユニット81は、管台3の内部に挿入可能な略円筒状の管体部100と、管体部100の外周面に設けられ、管台3の内面に対して管体部100を固定可能な固定手段101と、管体部100の先端に設けられ、管体部100に対して軸回りに回転可能なディスク102と、ディスク102の先端面に設けられ、管台3の内面の切削を行う切削手段103及び研削を行う研削手段104と、切削、研削時に管台3の内面に水を供給するための水供給手段である水供給配管105と、切削手段103の近傍に設けられて切削屑を回収する回収手段である吸引管106とを有する。
固定手段101は、管体部100の外周面に取り付けられたフレーム101aと、管体部100の軸方向に沿ってロッド101bを進退可能な水圧シリンダ101cと、ロッド101bの先端に管体部100の中心軸を含む面内で回転可能に取り付けられた一対のリンク部材101d、101eとを有する。一対のリンク部材101d、101eは、一方のリンク部材101dが外周側に配設され、他方のリンク部材101eが内周側に配設されていて、略くの字形として互いの基端となる中央部分でロッド101bの先端に回転可能に取り付けられている。そして、一方のリンク部材101dの先端には管台3の内面に当接する当接部101fが回転可能に取り付けられている。また、他方のリンク部材101eの先端は、フレーム101aに回転可能に取り付けられている。このため、水圧シリンダ101cのロッド101bを進退させることで、一対のリンク部材101d、101eの互いの先端を近接離間させることが可能であり、これにより一方のリンク部材101dの先端に取り付けられた当接部101fにより管台3の内面に当接し、押圧することが可能である。
本実施形態において、固定手段101は、管体部100の外周面に周方向に等間隔に四箇所で設けられているとともに、軸方向に二箇所ずつ設けられ、計八基設けられている。そして、これら八基の固定手段101により管体部100を管台3の内面に対して固定している。なお、図13においては、固定手段101の詳細を示すために、固定手段101が上下端に2つずつ配置されているように図示されているが、後述するように第二の移動ユニット42Bの支持板58で載置可能となるように、固定手段101は、左右に位置をずらして鉛直軸及び水平軸から45度ずつずらした方向で管台3の内面を押圧可能に設けられている。
また、管体部100の内部には、当該中心軸と同軸で回転駆動軸100aが配設され、先端にディスク102が取り付けられている。また、管体部100の内部には、図示しないが、回転駆動軸100aを軸回りに回転させるディスク回転駆動部が設けられている。また、ディスク102の先端面には、径方向に沿ってガイド部102aが設けられており、切削手段103及び研削手段104は、このガイド部102aに沿って径方向に位置調整可能に取り付けられている。切削手段103は、ガイド部102aに沿って移動可能に設けられたフレーム103aと、フレーム103aにディスク102の外周接線方向に沿う軸回りに回転可能に設けられた円盤部103bと、円盤部103bに放射状に複数取り付けられた刃ホルダ103cと、各刃ホルダ103cに取り付けられた切削刃103dとを有する。また、フレーム103aには、フレーム103aに対して円盤部103bを軸回りに回転させる交換駆動部103eが設けられており、該交換駆動部103eにより円盤部103bを回転させることで、径方向外周側に管台3の内面に向かって突出して切削可能な切削刃103dを選択することが可能となっている。また、図示しないディスク回転駆動部を駆動させて回転駆動軸100aを軸回りに回転させることで、ディスク102及びディスク102に取り付けられた切削手段103も回転駆動軸100a回りに回転することとなり、これにより管台3の内面を周方向に切削していくことが可能となっている。
また、研削手段104は、ガイド部102aに沿って移動可能に設けられたフレーム104aと、フレーム104aに管体部100の中心軸と平行な軸回りで回転可能に取り付けられた略円盤状のグラインダ104bとを有する。フレーム104aには、グラインダ104bを回転させる研削駆動部104cが取り付けられており、該研削駆動部104cによりグラインダ104bを回転させることで、管台3の内面を研削することが可能となっている。
ここで、図示しないが管体部100の基端からは各種配線、配管が作業床12まで延びている。そして、図示しないディスク回転駆動部、交換駆動部103e及び研削駆動部104cは、作業床12上の第四の制御盤14Dと配線により接続されている。また、ディスク回転駆動部、交換駆動部103e及び研削駆動部104cのそれぞれには、図示しないがエンコーダが取り付けられており、検出信号が第四の制御盤14Dに入力されている。このため、第四の制御盤14Dでは、各駆動部に制御信号を出力して駆動させるとともに、各駆動部に設けられたエンコーダからの入力を受けてフィードバック制御を行い、これにより切削時には図示しないディスク回転駆動部を駆動させて所定の回転数で回転駆動軸100aを回転させ、また、必要に応じて交換駆動部103eを駆動させて所定の切削刃103dを選択して外周側に突出させることが可能である。また、研削時には、研削駆動部104cを駆動させて所定の回転数でグラインダ104bを回転させるとともに、必要に応じて図示しないディスク回転駆動部を駆動させて回転駆動軸100aを回転させることでグラインダ104bによって研削する位置を位置調整することが可能となっている。
また、水供給管105は、作業床12上に設けられて第四の制御盤14Dと接続された水供給装置106と配管により接続されており、これにより第四の制御盤14Dによる制御のもと必要な量の水を供給することが可能となっている。また、吸引管106は、作業床12に設けられて負圧を発生させる吸引手段109aと、吸引手段109aで吸引された物質を回収する回収ボックス109bとを有する回収設備109に接続されている。このため、第四の制御盤14の制御のもと、回収設備109の吸引手段109aを駆動させることで、吸引管106から切削屑を吸引し、回収ボックス109b内に回収することができる。なお、図12に示すように、ディスク102の先端面には、切削手段103よる切削位置及び研削手段104による研削位置を撮影可能な切削用監視カメラ102b及び研削用監視カメラ102cが取り付けられており、作業床12上に設けられた図示しないモニタで切削状況及び研削状況を確認することが可能となっている。
また、図14に示すように、仕上げ加工ユニット82は、管台3の内面を研削するための第一の研削手段110及び第二の研削手段111の二つの研削手段と、各研削手段で研削する位置を照明する照明手段112と、同位置を撮影する各種撮影手段113と、研削屑を取り除くための送風を行う送気手段114と、管台3に対する相対位置を検出する位置センサ115と、これらを支持する支持板116と、支持板116に取り付けられ、第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続される被接続部117とを有する。第一の研削手段110は、超鋼合金からなるカッタ110aが取り付けられたホルダ110bと、該ホルダ110bを軸回りに回転させる第一研削駆動部110cとを有する。また、第二の研削手段111は、略円盤状のワイヤブラシ111aと、ワイヤブラシ111aを軸回りに回転させる第二研削駆動部111bとを有する。撮影手段113は、第一の研削手段110のカッタ110a及び第二の研削手段111のワイヤブラシ111aのそれぞれの状態を監視可能にそれぞれに対応して設けられているとともに、管台3の内面の仕上げ状態を監視可能にさらにもう一基設けられている。
また、被接続部117は、接続部本体55aと剛結される被接続部本体117aと、配線・配管コネクタ55bと接続される図示しないコネクタ受部とを有する。コネクタ55b受部では、照明手段112、撮影手段113、位置センサ115、第一の研削手段110及び第二の研削手段111に電力の供給及び制御信号を送信し、また、検出信号を出力するための各種電気系配線が接続可能となっている。さらに、コネクタ受部では、作業床12上で第三の制御盤14Cに接続された圧縮空気供給装置118から各送気手段114に圧縮空気を供給するための配管が接続可能となっている。このため、第三の制御盤14Cによる制御のもと、第一の研削手段110において第一研削駆動部110cを駆動させることでカッタ110aによって粗削りを実施することができるとともに、第二の研削手段111において第二研削駆動部111bを駆動させることでワイヤブラシ111aによって仕上げ削りを行うことが可能であり、また、送気手段114によって研削位置に発生する研削屑を取り除くことが可能となっている。
また、図15に示すように、回収ユニット83は、管台3の内部の対象物を吸引するバキューム120と、管台3に対する相対位置を検出する位置センサ121と、第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続される被接続部122とを有する。被接続部122は、接続部本体55aと剛結される被接続部本体122aと、配線・配管コネクタ55bと接続されるコネクタ受部122bとを有する。コネクタ受部122bでは、回収設備109と接続されている配管とバキューム120とを接続することが可能となっている。また、コネクタ受部122bでは、第三の制御盤104Cと接続され、位置センサ121から検出信号を送信するための配線と接続することが可能となっている。そして、第三の制御盤14Cの制御のもと、回収設備109の吸引手段109aを駆動させることで、回収ユニット83のバキューム120近傍に存在する物質を吸引し、回収ボックス109b内に回収することができる。
また、図2に示す除染ユニット84は、図示しないが、第二の移動ユニット42Bの支持板58に載置されて管台3の内部に移動可能な構成となっており、除染のためのブラスト材を吐出可能な吐出口を有している。また、除染ユニット84は、作業床12に設けられた第六の制御盤14F、洗浄水を供給する洗浄水供給装置125、及び、ブラスト材を圧縮空気とともに供給するブラスト設備126とそれぞれ接続されている。このため、第六の制御盤14Fによる制御のもと、ブラスト設備126が駆動されてブラスト材を供給させて除染ユニット84の吐出口から管台3の内面に吹き付け、さらに、水圧供給装置125から供給される洗浄水を吹き付けることで、内面に付着した放射能物質を除去することができる。
次に、検査ユニット40Aについてそれぞれ説明する。図16及び図17に示すようにUT検査ユニット85は、管台3の内面の溶接部5に超音波を発振し、検出することが可能な一対の探触子130と、超音波を生成するとともに検出した超音波を解析し欠陥を検出するユニット本体131と、一対の探触子130を管台3の内面に対して進退させて位置調整をする位置調整手段132と、管台3に対する相対位置を検出する位置センサ133と、探触子130による検査位置を照明する照明手段134及び撮影する撮影手段135と、これらを支持する支持板136と、支持板136に取り付けられて第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続される被接続部137とを有する。
被接続部137は、接続部本体55aと剛結される被接続部本体137aと、配線・配管コネクタ55bと接続される図示しないコネクタ受部とを有する。コネクタ受部では、照明手段134、撮影手段135、位置調整手段132及びユニット本体131に電力を供給し、制御信号を送信するため、また、検出信号を出力するための配線が接続可能となっている。このため、第三の制御盤14Cによる制御のもと、位置調整手段132を駆動させて探触子130と管台3の内面との距離を調整することができる。そして、ユニット本体131を駆動させて超音波を生成して探触子130から発振させるとともに検出した超音波を解析し欠陥を検出することができる。そして、第三の制御盤14Cでは、入力されるユニット本体131からの欠陥検出信号と、位置センサ133からの位置情報とに基づいて亀裂などの欠陥についての欠陥データを取得することができる。
また、図18及び図19に示すように、PT検査ユニット86は、管台3の内面に浸透液を吹き付ける浸透液吹付手段140と、管台3の内面の液体などを吸引可能なバキューム141と、管台3の内面に圧縮空気を吹付可能な送気手段142と、管台3に対する相対位置を検出する位置センサ143と、浸透液を吹き付けた管台3の内面を撮影する撮影手段144と、これらを支持する支持板145と、支持板145に取り付けられ、第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続される被接続部146とを有する。
被接続部146は、接続部本体55aと剛結される被接続部本体146aと、配線・配管コネクタ55bと接続される図示しないコネクタ受部とを有する。コネクタ受部では、浸透液吹付手段140、洗浄液吹付手段141、撮影手段144及び位置センサ143を駆動させる制御信号の送信や電力供給のため、及び、検出信号を出力するための配線、並びに、バキューム141で回収設備109の吸引手段109aよって吸引するため、及び、送気手段142から圧縮空気供給装置118の圧縮空気を送気させるための配管をそれぞれ接続可能となっている。このため、第三の制御盤14Cによる制御のもと、浸透液吹付手段140を駆動させて管台3の内面に浸透液を吹き付け、バキューム141で吸引して余分な浸透液を除去することで、管台3の内面の溶接部5において亀裂等の欠陥を可視化することができる。さらに、撮影手段144によって撮影した画像を取得し、二値化処理等必要な画像処理を行って亀裂などの欠陥を検出することが可能であるとともに、位置センサ143による位置検出信号と対応させることで検出された欠陥の位置情報を取得することができる。
また、図20に示すように、寸法計測ユニット87は、ガイドポスト150aが配設されたフレーム150と、ガイドポスト150aに沿って移動可能に設けられて管台3の内面を撮影する計測用画像取得部151と、計測用画像取得部151をガイドポスト150aに沿って走行させる走行駆動部152と、管台3に対する相対位置を検出する位置センサ153と、計測用画像取得部151で撮影する範囲全体を撮影する撮影手段154と、フレーム150に取り付けられ、第一の移動ユニット42Aの接続部55に接続される被接続部155とを有する。走行駆動部152は、例えば電気モータであり、図示しないがエンコーダが搭載されていて、これにより、ガイドポスト150a上の計測用画像取得部151の位置情報を取得することが可能となっている。被接続部155は、接続部本体55aと剛結される被接続部本体55aと、配線・配管コネクタ55bと接続される図示しないコネクタ受部とを有する。コネクタ受部では、計測用画像取得部151、走行駆動部152、位置センサ153及び撮影手段154を駆動させる制御信号の送信及び電力の供給を行うため、また、走行駆動部152の図示しないエンコーダ、撮影手段154、位置センサ153からの検出信号などを出力するための配線が接続可能となっている。
以上、各作業装置40の詳細について説明したが、これに限らず、その作業目的に応じて様々な構成を適用することが可能である。ここで、上記のとおり、作業装置40は、第一の移動ユニット42Aの接続部55に着脱可能に接続されて、接続部55を介して入力される制御信号、電源、作動水、圧縮空気等により駆動する第一の作業ユニット160と、第二の移動ユニット42Bの支持板58に載置可能であるとともに、管台3の内部にスライド移動された状態で該管台3の内面に対して固定することが可能な固定手段を有する第二の作業ユニット161とに分けられる。本実施形態では、溶接ユニット80、仕上げ加工ユニット82、回収ユニット83、UT検査ユニット85、PT検査ユニット86、寸法計測ユニット87が第一の作業ユニット160に該当し、切削ユニット81及び除染ユニット84が第二の作業ユニット161に該当する。
第二の作業ユニット161に該当する切削ユニット81及び除染ユニット84と、管台閉塞装置41とは、作業床12上において、予め平面的な位置情報が取得されている所定の配置位置に仮置きされている。そして、制御装置13の統括コンピュータ15は、管台3の内部での作業の進捗に応じて、上記配置位置に昇降装置44を移動させて選択的に把持し、架台11内部へと降下させることが可能である。
一方、第一の作業ユニット160に該当する各ユニットは、収容庫43に複数個ずつ収容されている。図20に示すように、収容庫43は、架台11の内部において、第一の移動ユニット42Aと、第二の移動ユニット42Bとの間に配置可能な脚部43aと、脚部43aによって支持された略円柱状の本体部43bとを有し、本体部43bには対象となる作業装置40を収容可能な収容凹部43cが周方向に複数箇所に設けられている。本実施形態では、管台3を構成する入口管台3A及び出口管台3Bの組数と対応させて周方向に三箇所、二段で、計六箇所設けられている。そして、各作業装置40は、作業床12上でその種類別に収容庫43に収容され保管されている。すなわち、図1に示すように、収容庫43は、当該収容庫43に収容される作業装置40の種類と対応して用意されており、例えば、溶接ユニット80は、一つの収容庫43に収容されている。また、作業床12上において、各収容庫43は、予め平面的な位置情報が取得されている所定の配置位置に仮置きされている。そして、制御装置13の統括コンピュータ15は、管台3の内部での作業の進捗に応じて、上記配置位置に昇降装置44を移動させて把持し、収容庫43に収容された状態のまま収容庫43ごと架台11の内部へと降下させる。
次に、この実施形態の管台作業システム10の作用、並びに、該管台作業システム10の制御装置13による制御の詳細について説明する。
図22は、管台作業システム10で実施する管台3と配管4との溶接部5(図1参照)の補修作業の手順を示すフロー図である。また、図23〜図49は、当該補修作業の各工程における説明図である。なお、図23〜図49では、各構成の動作の理解を容易とするため各構成を簡略化して表示している。図23に示すように、まず、予め架台11、作業床12が構築される。架台11は、例えば、作業床12が構築された後に、作業床12上で組立られ、クレーン等で吊り込んで原子炉容器2の内部に下端を挿入させることで構築される。また、作業床12上には、制御装置13、各作業装置40、隙間閉塞装置41、昇降装置44、門型クレーン45が設置されているとともに、互いを接続する配線・配管が設置されている。ここで、架台11のアクセス窓20は、アクセス窓開閉装置21の蓋体22によって閉塞された状態で、架台11の内部には予め移動装置42及び昇降装置44の第二のレール44dが設置されている。また、原子炉容器2の内部は、水位が管台3よりも下側となるまで、予め冷却水の排水が行われている。
そして、図22及び図24に示すように、制御装置13において統括コンピュータ15に作業開始の指令が入力されると、アクセス窓開放工程S1として、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aにアクセス窓開放指令を送信する。このため、第一の制御盤14Aは、アクセス窓開閉装置21の電動ウインチ24を駆動させて蓋体22を上昇させ、これによりアクセス窓20が開放される(ステップS1a)。次に、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに隙間閉塞指令を送信する。このため、図25に示すように、第一の制御盤14Aは、圧縮空気供給装置31を駆動させて、隙間閉塞装置28の空気圧シリンダ28aに圧縮空気を供給することで、空気圧シリンダ28aにより保護リング29を原子炉容器2の内面に向かって進出させてシール材29cを当接させることができる(ステップS1b)。これにより保護リング29と伸縮部材30とによって管台3とアクセス窓20の間の隙間2bを閉塞することができ、アクセス窓20から管台3にアクセスする際に、何らかのものを隙間2bから原子炉容器2内部に侵入させてしまうことを確実に防止することができる。
次に、図22に示すように、管台閉塞工程S2として、管台3の内部で原子炉容器2からみて作業位置よりも奥側の位置で管台3を閉塞する。すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに管台閉塞装置降下指令を送信する。このため、第一の制御盤14Aは、昇降装置44を駆動させて、予め所定の配置位置に仮置きされた管台閉塞装置41を架台11の内部へと降下させて第二の移動ユニット42Bの支持板58上に載置させる(図1参照)。昇降装置44によって支持板58上に管台閉塞装置41を載置させたら、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15に管台閉塞装置降下完了通知を送信する。そして、統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第二の制御盤14Bにプラグ挿入指令を送信する。これにより図26に示すように、第二の制御盤14Bは、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、いずれかの入口管台3Aまたは出口管台3Bを選択して、当該管台3に第二の移動ユニット42Bのスライド方向L1が一致するように回転させた後、スライド板57をスライドさせて、管台閉塞装置41を支持板58上から管台3内部へと移動可能な状態とする。そして、さらに第二の移動ユニット42Bの押付部材59を基端側から先端側へ移動させることで、押付部材59により管台閉塞装置41の案内部61が押し出されることになり、管台閉塞装置41のシール本体部60及び案内部61は管台3の内部へと自身のキャスタ65、68により走行していく。
そして、第二の制御盤14Bは、シール本体部60を所定の作業位置となる溶接部5よりも原子炉容器2から見て奥側となる位置まで挿入させたら、第二の移動ユニット42Bの押付部材59の移動を停止させ、統括コンピュータ15にプラグ挿入完了通知を送信する。そして、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第五の制御盤14Eにプラグ設置指令を送信する。このため、第五の制御盤14Eは、作動水供給装置70を駆動させて作動水を供給することで、管台閉塞装置41の固定用ジャッキ64によってシールプラグ62を管台3の内面に固定させる。さらに、第五の制御盤14Eは、圧縮空気供給装置71を駆動させて圧縮空気を供給することで、インフラートシール63を膨張させてシールプラグ62と管台3の内面との間の隙間を封止する。次に、第五の制御盤14Eは、案内部61の接続部67と、シール本体部60の被接続部69を離脱させた後、統括コンピュータ15にプラグ設置完了通知を送信する。そして、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに案内部後退指令を送信、第二の制御盤14Bは、再び第二の移動ユニット42Bを駆動させて、押付部材59、スライド板57及び支持板58を後退させる。これにより、案内部61はシールプラグ62から離間して後退し、シール本体部60のみが管台3の内部に留まることとなる。
次に、第二の移動ユニット42Bによって案内部61が架台11の内部の位置まで後退されたら、第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15に案内部後退完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて案内部引上指令を第一の制御盤14Aに送信し、第一の制御盤14Aは、昇降装置44を駆動させて架台11の内部の案内部61を作業床12まで上昇させて作業床12上の所定の配置位置に仮置きをし、統括コンピュータ15に案内部引上完了通知を送信する。
以上の工程を、各管台3について繰り返すことで、全ての管台3について、作業位置となる管台3と配管4との溶接部5よりも原子炉容器2側からみて奥側となる位置で内部を閉塞することができる。このため、後述するように管台3の内部において溶接部5で作業装置40によって作業する際に、管台3の奥側へ異物が侵入してしまうことを確実に防止することができる。ここで、統括コンピュータ15は、各管台3について管台閉塞工程実施の有無を管理しており、全ての管台3で管台閉塞工程を実施したら、すなわち、全ての管台3で対応する案内部引上完了通知を受信したら、図22に示すように除染工程S3に移行させる。
すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに除染ユニット降下指令を送信する。これにより、まず、第一の制御盤14Aが、昇降装置44を駆動させて、作業床12上の除染ユニット84を架台11の内部に降下させて、第二の移動ユニット42Bの支持板58上に載置し、除染ユニット降下完了通知を統括コンピュータ15に送信する(図1、図2参照)。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに除染ユニット挿入指令を送信する。これにより第二の制御盤14Bでは、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、除染ユニット84を所定の管台3の内部に挿入する。そして、除染ユニット84の挿入が完了したら、第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15に除染ユニット挿入完了通知を送信し、これを受けて統括コンピュータ15は、第六の制御盤14Fに除染開始指令を送信する。これにより第六の制御盤14Fでは、ブラスト設備126と水供給装置125を駆動させて、管台3の内部でブラスト材を噴射させることで、内面に付着した放射能物質を除去することができる。
そして、所定時間、あるいは、所定量ブラスト材を噴射するなど、所定条件を満たしたら、第六の制御盤14Fは、ブラスト設備126及び水供給装置125の駆動を停止させるとともに、統括コンピュータ15に除染完了通知を送信する。そして、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに除染ユニット後退指令を送信、第二の制御盤14Bは、再び第二の移動ユニット42Bを駆動させて、支持板58及びスライド板57を後退させる。そして、第二の制御盤14Bは、第二の移動ユニット42Bにより除染ユニット84を架台11の内部まで移動させたら、統括コンピュータ15に除染ユニット後退完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて、再び第二の制御盤14Bに除染ユニット挿入指令を送信し、これにより第二の制御盤14Bでは、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、除染ユニット84を次の管台3内部に挿入し、上記同様に除染作業を繰り返す。
統括コンピュータ15では、各管台3について除染工程S3実施の有無を管理しており、全ての管台3で除染工程S3を実施したら、すなわち、全ての管台3について除染ユニット後退完了通知を受信したら、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに除染ユニット引上指令を送信する。これにより、第一の制御盤14Aでは、昇降装置44を駆動させて、架台11の内部の除染ユニット84を把持して上昇させて、作業床12の所定の配置位置に配置させ、配置完了後除染ユニット引上完了通知を統括コンピュータ15に送信する。
そして、図22に示すように、統括コンピュータ15では、当該通知を受けて次の補修前超音波探傷検査工程S4に移行させる。すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに、UT検査ユニット降下指令を送信する。図27に示すように、第一の制御盤14Aでは、当該通知を受けて昇降装置44を駆動させてUT検査ユニット85が収容された収容庫43を架台11の内部へ降下させ、降下完了後にUT検査ユニット降下完了通知を統括コンピュータ15に送信する。
統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第三の制御盤14Cに超音波探傷検査実施指令を送信する。図28に示すように、第三の制御盤14Cでは、当該指令に基づいて、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、各マニュピレータ54の先端の接続部55に収容庫43に収容された各UT検査ユニット85を装着させる。ここで、本実施形態では、入口管台3A及び出口管台3Bの組数と対応させて三基のマニュピレータ54が設置されている。このため、まず、例えば全ての入口管台3Aで、各マニュピレータ54に装着したUT検査ユニット85によって超音波探傷試験を同時に実施する。
すなわち、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、各マニュピレータ54に装着されたUT検査ユニット85を各入口管台3Aと配管4との溶接部5まで挿入し、当該溶接部5に位置したら、UT検査ユニット85を駆動させる。まず、第三の制御盤14Cは、位置調整手段132を駆動させて一対の探触子130を管台3の内面と所定距離離間した位置に配置させる。次に、第三の制御盤14Cは、ユニット本体131を駆動させて、一対の探触子130から超音波を発振させるとともに、反射してくる超音波を検出し、ユニット本体131において解析する。さらに、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、管台3の内面の溶接部5全体を検査するように管台3の周方向及び軸方向にUT検査ユニット85を移動させる。これにより、UT検査ユニット85により各入口管台3Aの溶接部5全域において超音波探傷試験を実施することができる(ステップS4a)。そして、各UT検査ユニット85のユニット本体131で解析された結果は、管台3の内面の軸方向及び周方向の位置と対応させて補修前UT検査データとして第三の制御盤14Cを経て統括コンピュータ15に送信される。
次に、図29に示すように、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、UT検査ユニット85を入口管台3Aから後退させて、各出口管台3Bに挿入させ、同様に超音波探傷試験を実施し、その結果を補修前UT検査データとして第三の制御盤14Cを経て統括コンピュータ15に送信する。そして、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、UT検査ユニット85を収容庫43の各収容凹部43cに引き渡す。
全ての管台3において補修前UT検査データを受信したら、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14AにUT検査ユニット引上指令を送信し、図30に示すように、第一の制御盤14Aは、当該指令に基づいて昇降装置44を駆動させて、UT検査ユニット85が収容された収容庫43を架台11の内部から作業床12上に引上げ、所定の配置位置に配置させる。次に、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15にUT検査ユニット引上完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、入力された補修前超音波探傷検査データについて解析を行い、補修前UT検査データから、識別される欠陥部分を含む範囲を補修範囲として、当該範囲の位置及び大きさを表わす補修範囲データを生成する。なお、補修前UT検査データから欠陥部分が識別されない場合には欠陥がないものとして、全作業を終了する(ステップS4b)。
一方、欠陥部分が識別され、補修範囲データを生成したら、統括コンピュータ15は、図22に示すように、次の切削工程S5に移行させる。すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに切削ユニット降下指令を送信する。まず、図31に示すように、第一の制御盤14Aが、昇降装置44を駆動させて、作業床12上の切削ユニット81を架台11の内部に降下させて、第二の移動ユニット42Bの支持板58上に載置し、統括コンピュータ15に切削ユニット降下完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに切削ユニット挿入指令を送信する。これにより、図32及び図33に示すように、第二の制御盤14Bでは、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、切削ユニット81を所定の管台3の内部に挿入する。
そして、切削ユニット81の挿入が完了したら第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15に切削ユニット挿入完了通知を送信し、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第四の制御盤14Dに補修範囲切削指令を送信する。このため、図33に示すように、第四の制御盤14Dは、作動水供給装置106を駆動させ、切削ユニット81において固定手段101の水圧シリンダ26に作動水を供給することで当接部29bが管台3内面に当接し、管体部100が管台3の内面に固定される。そして、固定手段101による固定が完了すると、第四の制御盤14Dは、統括コンピュータ15に切削ユニット固定完了通知を送信する一方、図示しないディスク回転駆動部を駆動させてディスク102を回転させることで、切削刃103dによって補修範囲を切削することになる。
ここで、統括コンピュータ15は、第四の制御盤14Dから切削ユニット固定完了通知を受けて第二の制御盤14Bに移動ユニット後退指令を送信し、これにより第二の制御盤14Bは、第二の移動ユニット42Bを駆動させてスライド板57及び支持板58を後退させる。既に、切削ユニット81は自らの固定手段101により管台3の内面に固定されているので、第二の移動ユニット42Bのスライド板57、支持板58及び押付部材59のみが後退することとなる。そして、第二の制御盤14Bは、スライド板57、支持板58及び押付部材59を架台11の内部まで移動させたら、統括コンピュータ15に移動ユニット後退完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて、再び第一の制御盤14Aに切削ユニット挿入指令を送信する。これにより第一の制御盤14Aでは、昇降装置44を駆動させて、次の切削ユニット81を作業床12上から架台11の内部で第二の移動ユニット42Bの支持板58上に載置させることとなる。その後、再び統括コンピュータ15による制御のもと、第二の制御盤14B及び第四の制御盤14Dにより、他の入口管台3Aに切削ユニット81を挿入し、切削を開始させていく。このようにして、三つの入口管台3Aで同時に切削ユニット81による切削を行っていく。なお、第四の制御盤14Dは、所定の条件、例えば所定時間回転させたら切削刃103dが使用限界であると判定して、交換駆動部103eを駆動させ、別の切削刃103dを切削可能な位置に配置させる。
そして、所定の条件、例えば所定時間回転させて切削が完了したら、次に、研削手段104の研削駆動部104cを駆動させてグラインダ104bによって切削した範囲で研削を行う。そして、所定の条件、例えば所定時間回転させて研削が完了したら、第四の制御盤14Dは、統括コンピュータ15に切削完了通知を送信する。統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに切削ユニット受取指令を送信する。これにより第二の制御盤14Bは、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、対応する入口管台3Aへとスライド板57及び支持板58を挿入していく。支持板58が切削ユニット81の下に挿入されたら、第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15は支持板挿入完了通知を送信、統括コンピュータ15は、該通知を受けて第四の制御盤14Dに固定解除指令を送信する。そして、第四の制御盤14Dは、当該指令に基づいて、切削ユニット81の固定手段101による固定を解除し、統括コンピュータ15に固定解除通知を送信する。これにより、切削ユニット81が第二の移動ユニット42Bの支持板58に引き渡されることとなる。そして、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに切削ユニット入替指令を送信する。図34に示すように、第二の制御盤14Bは、当該指令に基づいて、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、切削ユニット81を入口管台3Aから引き上げて対応する出口管台3Bに挿入させる。
以降同様に統括コンピュータ15による制御のもと、第二の制御盤14B及び第四の制御盤14Dによって、切削ユニット81で出口管台3Bの内面において補修範囲を切削させる。そして、同様に第四の制御盤14Dから切削完了通知を受けたら、統括コンピュータ15による制御のもと、切削ユニット100の管台3に対する固定を解除し、架台11の内部へ後退させる。そして、第二の制御盤14Bは、第二の移動ユニット42Bによって架台11の内部まで切削ユニット81を後退させたら、統括コンピュータ15に切削ユニット後退完了通知を送信する。図35に示すように、統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第一の制御盤14Aに切削ユニット引上指令を送信し、第一の制御盤14Aでは当該通知を受けて昇降装置44を駆動させて切削ユニット81を引き上げ、統括コンピュータ15に切削ユニット引上完了通知を送信する。
そして、統括コンピュータ15は、全ての切削ユニット81と対応して切削ユニット引上完了通知を受信したら、図22に示すように、次工程の第一回収工程S6に移行させる。すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに回収ユニット降下指令を送信する。図36に示すように、第一の制御盤14Aは、該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて回収ユニット83が収容された収容庫43を架台11の内部に降下させ、降下完了後に統括コンピュータ15に回収ユニット降下完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第三の制御盤14Cに回収作業実施指令を送信する。図37に示すように、第三の制御盤14Cでは、当該指令に基づいて、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、各マニュピレータ54の接続部55に収容庫43に収容された各回収ユニット83を装着させる。そして、第三の制御盤14Cでは、回収設備109を駆動させて、装着した回収ユニット83によって管台3の内部の切削等で発生した屑を回収する。
そして、補修前超音波探傷検査工程S4と同様に、入口管台3Aにおいて回収作業を行った後に、出口管台3Bにおいても回収作業を行ったら、第三の制御盤14Cは、統括コンピュータ15に回収作業完了通知を送信し、統括コンピュータ15は当該通知を受けて、同様に収容庫43を引き上げた後に、図22に示すように、次工程の補修前浸透探傷検査工程S7に移行させる。すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14AにPT検査ユニット降下指令を送信する。図38に示すように、第一の制御盤14Aは、該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて、PT検査ユニット86が収容された収容庫43を架台11の内部に降下させ、降下完了後にPT検査ユニット降下完了通知を統括コンピュータ15に送信する。
統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第三の制御盤14Cに浸透探傷検査実施指令を送信する。図39に示すように、第三の制御盤14Cでは、当該指令を受けて、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、各マニュピレータ54に収容庫43に収容された各PT検査ユニット86を装着させる。そして、第三の制御盤14Cでは、装着したPT検査ユニット86によって、超音波探傷検査工程S4と同様に、入口管台3Aにおいて切削が完了している補修範囲で浸透探傷試験を行った後に、出口管台3Bにおいて切削が完了してる補修範囲でも浸透探傷検査を行う(ステップS7a)。そして、各管台3で浸透探傷試験を行い、PT検査ユニット86で取得された欠陥の位置情報が補修前PT検査データとして統括コンピュータ15に送信される。そして、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、PT検査ユニット86を収容庫43の各収容凹部43cに引き渡す。なお、欠陥が検出されない場合にも補修前PT検査データは送信される。そして、全ての管台3について補修前PT検査データを受信したら、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14AにPT検査ユニット引上指令を送信し、第一の制御盤14Aは、当該指令に基づいて昇降装置44を駆動させて、PT検査ユニット86が収容された収容庫43を架台11の内部から作業床12上に引上げ、所定の配置位置に配置させる。
次に、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15にPT検査ユニット引上完了通知を送信する。ここで、統括コンピュータ15は、受信した補修前PT検査データを参照して欠陥が検出されたか否かを判定し(ステップS7b)、欠陥が検出されなかった場合には、PT検査ユニット引上完了通知を受けて溶接工程S9に移行させる。一方、欠陥が検出された場合には、統括コンピュータ15は、PT検査ユニット引上完了通知を受けて欠陥寸法計測工程S8に移行させる。
すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに寸法計測ユニット降下指令を送信する。図40に示すように、第一の制御盤14Aは、該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて、寸法計測ユニット87が収容された収容庫43を架台11の内部に降下させ、降下完了後に統括コンピュータ15に寸法計測ユニット降下完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第三の制御盤14Cに寸法計測実施指令を送信する。図41に示すように、第三の制御盤14Cでは、当該指令を受けて、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、各マニュピレータ54に収容庫43に収容された各寸法計測ユニット87を装着させる。そして、第三の制御盤14Cでは、装着した寸法計測ユニット87によって、入口管台3Aにおいて補修前浸透探傷検査工程S7で検出された欠陥の寸法を測定し、欠陥寸法データとして第三の制御盤14Cを介して統括コンピュータ15に送信する。そして、入口管台3Aで全ての欠陥を計測したら、次に、出口管台3Bでも計測を行い、同様に欠陥寸法データとして第三の制御盤14Cを介して統括コンピュータ15に送信する。
そして、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、寸法計測ユニット87を収容庫43の各収容凹部43cに引き渡す。そして、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに寸法計測ユニット引上指令を送信し、第一の制御盤14Aは、当該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて、寸法計測ユニット87が収容された収容庫43を架台11の内部から作業床12上に引上げ、所定の配置位置に配置させる。そして、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15に寸法計測ユニット引上完了通知を送信する。一方、統括コンピュータ15は、補修前PT検査データに記録されている全ての欠陥について欠陥寸法データが取得されたら、当該欠陥寸法データの測定結果と予め設定された基準値とに基づいて、再切削が必要か否かの判定を行う。再切削が必要と判定された場合には、図22に示すように、統括コンピュータ15は、再度切削工程S5から同様の作業を行わせる。一方、再切削が不要であると判定された場合には、統括コンピュータ15は、次工程である溶接工程S9へ移行させる。
すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに溶接ユニット降下指令を送信する。図42に示すように、第一の制御盤14Aは、該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて溶接ユニット80が収容された収容庫43を架台11の内部に降下させ、降下完了後に統括コンピュータ15に溶接ユニット降下完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第三の制御盤14Cに溶接実施指令を送信する。第三の制御盤14Cでは、当該指令に基づいて、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、各マニュピレータ54に収容庫43に収容された各溶接ユニット80を装着させる。そして、図43に示すように、第三の制御盤14Cは、装着した溶接ユニット80によって、入口管台3Aにおいて切削工程S5で切削された範囲で溶接を行わせる。この際、第三の制御盤14Cでは、溶接ユニット80において送出部91のローラ回転駆動部に設けられたエンコーダから出力される回転数を監視しており、当該回転数に基づいてワイヤリール91aに巻回されたワイヤWがなくなったと判断したら、第一の移動ユニット42Aを駆動させて収容庫43の別の溶接ユニット80と交換した後に再び溶接作業を開始させる。
そして、各入口管台3Aにおいて切削した範囲の全てで溶接を完了したら、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、溶接ユニット80を出口管台3Bに挿入させ、出口管台3Bの切削した範囲について溶接を行う。そして、管台3全ての切削した範囲で溶接が完了したら、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、装着している溶接ユニット80を収容庫43に引き渡す。そして、第三の制御盤14Cは、統括コンピュータ15に溶接完了通知を送信し、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第一の制御盤14Aに溶接ユニット引上指令を送信する。そして、第一の制御盤14Aは、当該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて溶接ユニット80が収容された収容庫43を架台11の内部から作業床12まで引き上げ、所定の配置位置に配置させる。そして、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15に溶接ユニット引上完了通知を送信する。図22に示すように、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて、次工程の仕上げ加工工程S10に移行させる。
すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに仕上げ加工ユニット降下指令を送信し、図44に示すように、第一の制御盤14Aは、当該指令に基づいて昇降装置44を駆動させ、仕上げ加工ユニット82が収容された収容庫43を架台11の内部に降下させる。第一の制御盤14Aは、収容庫43が架台11の内部に降下されたら、統括コンピュータ15に仕上げ加工ユニット降下完了通知を送信する。統括コンピュータ15は当該通知を受けて、第三の制御盤14Cに仕上げ実施指令を送信する。図45に示すように、第三の制御盤14Cは、当該指令に基づいて第一の移動ユニット42Aを駆動させて、マニュピレータ54によって収容庫43に収容された仕上げ加工ユニット82を受け取り、入口管台3Aに挿入させる。
そして、溶接した範囲まで到達したら、まず、第一の研削手段110を駆動させてホルダ110bに取り付けられたカッタ110aにより溶接する範囲の粗削りを行う。そして、溶接した範囲全てについて仕上げ加工ユニット82の第一の研削手段110で研削を行ったら、次に第二の研削手段111を駆動させて、ワイヤブラシ111aによって仕上げ削り行う。そして、溶接した範囲全てについて仕上げ加工ユニット82の第二の研削手段111で研削を行ったら、第三の制御盤14Cは、仕上げ加工ユニット82を出口管台3Bに挿入させ、出口管台3Bの溶接した範囲について上記同様仕上げ加工を行う。そして、管台3全ての溶接した範囲で仕上げ加工が完了したら、第三の制御盤14Cは、第一の移動ユニット42Aを駆動させて、装着している仕上げ加工ユニット82を収容庫43に引き渡す。そして、第三の制御盤14Cは、仕上げ完了通知を統括コンピュータ15に送信し、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第一の制御盤14Aに仕上げ加工ユニット引上指令を送信する。そして、第一の制御盤14Aは、当該指令に基づいて、昇降装置44を駆動させて、仕上げ加工ユニット82が収容された収容庫43を架台11の内部から作業床12上まで引き上げ、所定の配置位置に配置させる。そして、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15に仕上げ加工ユニット引上完了通知を送信する。
そして、図22に示すように、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて、仕上げ加工工程S10で管台3の内部に発生した削り屑などを回収する第二回収工程S11に移行させ、当該第二の回収工程S11、溶接工程S9で溶接した範囲で浸透探傷試験を行う補修後浸透探傷検査工程S12、浸透探傷試験で検出した欠陥の寸法計測を行う補修後寸法計測工程S13、溶接工程で溶接した範囲で超音波探傷試験を行う補修後超音波探傷検査工程S14を順に実施させる。なお、第二の回収工程S11における制御の詳細及び回収作業の詳細は、第一の回収工程S6と同様である。また、補修後浸透探傷検査工程S12における浸透探傷試験(ステップS12a)での制御の詳細は、ステップS4aにおける制御と同様である。また、補修後超音波探傷検査工程S14における超音波探傷試験での制御の詳細(ステップS14a)は、補修前超音波浸透探傷検査工程S7のステップS7aにおける制御と同様である。このため、いずれの工程も説明を省略する。
なお、補修後浸透探傷検査工程S12において、ステップS12aで浸透探傷試験を行った結果から、統括コンピュータ15は欠陥の有無を判定し(ステップS12b)、欠陥がないと判定した場合には、統括コンピュータ15は、補修後超音波探傷検査工程S14に移行させる。また、補修後超音波探傷検査工程S14においては、ステップS14aで全ての管台3で超音波探傷試験を実施した後、第三の制御盤14Cは、超音波探傷検査完了通知を統括コンピュータ15に送信する。そして、統括コンピュータ15は、補修後浸透探傷検査工程S12で入力された浸透探傷検査データ及び欠陥寸法データと、補修後超音波探傷検査工程S14のステップS14aで入力された超音波探傷検査データとに基づいて、欠陥の有無を判定する(ステップS14b)。そして、欠陥が存在していると判定された場合には、統括コンピュータ15は、再度切削工程S5に移行させて、切削工程S5以降の工程を再度実施させる。一方、欠陥が存在していないと判定された場合には、統括コンピュータ15は、次工程である管台開放工程S15に移行させる。
すなわち、統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aに案内部降下指令を送信し、第一の制御盤14Aは、作業床12上に仮置きされている管台閉塞装置41の案内部61を架台11の内部に降下させ、第二の移動ユニット42Bの支持板58上に載置させる。昇降装置44によって案内部61を支持板58上に載置させたら、第一の制御盤14Aは、統括コンピュータ15に案内部降下完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて第二の制御盤14Bに案内部挿入指令を送信する。これにより図46に示すように、第二の制御盤14Bは、第二の移動ユニット42Bを駆動させて、いずれかの入口管台3Aまたは出口管台3Bを選択して、選択した管台3に第二の移動ユニット42Bのスライド方向L2が一致するように回転させた後、スライド板57をスライドさせて、案内部61を支持板58上から管台3の内部へと移動可能な状態とする。そして、図47に示すように、第二の移動ユニット42Bの押付部材59を移動させることで、管台閉塞装置41の案内部61が押し出されることになり、案内部61は、管台3の内部へと自身のキャスタ68により走行する。そして、第二の制御盤14Bの制御のもと、第二の移動ユニット42Bによって案内部61を管台3の内部に固定されているシール本体部60の位置まで走行させることで、案内部61先端の接続部67とシール本体部60の被接続部69とが接続された状態となる。そして、第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15に案内部挿入完了通知を送信する。
そして、統括コンピュータ15は、当該通知を受けて第五の制御盤14Eにプラグ固定解除指令を送信する。そして、第五の制御盤14Eは、作動水供給装置70を駆動させて固定用ジャッキ64によって管台3の内面に固定された状態を解除する。さらに、第五の制御盤14Eは、圧縮空気供給装置71を駆動させてインフラートシール63の内部の圧力を低下させることで、インフラートシール63を収縮させる。そして、第五の制御盤14Eは、統括コンピュータ15にプラグ固定解除完了通知を送信する。これにより統括コンピュータ15は、第二の制御盤14Bに管台閉塞装置後退指令を送信、第二の制御盤14Bは、再び第二の移動ユニット42Bを駆動させて、支持板58を後退させる。これにより、互いに接続された案内部61及びシールプラグ62からなる管台閉塞装置41が後退し架台11の内部に位置することとなる。
次に、第二の移動ユニット42Bによって管台閉塞装置41が架台11の内部の位置まで後退したら、第二の制御盤14Bは、統括コンピュータ15に管台閉塞装置41後退完了通知を送信する。統括コンピュータ15では、当該通知を受けて管台閉塞装置引上指令を第一の制御盤14Aに送信し、第一の制御盤14Aは、昇降装置44を駆動させて、架台11の内部の管台閉塞装置41を作業床12まで引き上げて、作業床12上の所定の配置位置に配置させ、配置完了後に統括コンピュータ15に管台閉塞装置引上完了通知を送信する。
以上の工程を、各管台3について繰り返すことで、全ての管台3について再び開放された状態となる。ここで、統括コンピュータ15は、各管台3について管台閉塞工程S15の実施の有無を管理しており、全ての管台3で管台開放工程S15を実施したら、すなわち、全ての管台3で対応する管台閉塞装置引上完了通知を受信したら、次工程であるアクセス窓閉塞工程S16に移行する。統括コンピュータ15は、第一の制御盤14Aにアクセス窓閉塞指令を送信する。このため、図48に示すように、第一の制御盤14Aは、アクセス窓開閉装置21の電動ウインチ24を駆動させて蓋体22を下降させる。次に、作動水供給装置27を駆動させて作動水を供給して水圧ジャッキ26を進出させることで、蓋体22と架台11との間に設けられたOリング22aが密着して、これによりアクセス窓20が閉塞される(ステップS16a)。次に、統括コンピュータ15は、隙間開放指令を第一の制御盤14Aに送信する。このため、図49に示すように、第一の制御盤14Aは、圧縮空気供給装置31を駆動させて、隙間閉塞装置28の空気圧シリンダ28aの空気圧を低下させることで、空気圧シリンダ28aにより保護リング29を原子炉容器2の内面2cから離間させてアクセス窓20の内部に収容させることとなる(ステップS16b)。
以上のように、本実施形態の管台作業システム10によれば、上記のとおり原子炉容器2の外側に設けられた制御装置13により、アクセス窓開閉装置21を駆動させてアクセス窓20を開放させた後に、各作業装置40を駆動させて管台3の内部で作業を行わせることで、作業員を架台11の内部に配置させることなく自動的に管台3の内部で溶接や各種検査などの作業を行うことができる。さらに、制御装置13により、作業完了後にアクセス窓開閉装置21を駆動させてアクセス窓20を閉塞させることにより、同様に作業員を架台11の内部に配置させることなく自動的に原子炉容器2の内部を再び水中環境に戻すことが可能な状態にすることができる。
また、原子炉容器2の上方の作業床12により、作業装置40などの必要な機器を原子炉容器2の外部に多数配置可能であるとともに、制御装置13による制御のもと、昇降装置44を駆動させることで、必要に応じて作業装置40を架台11内部に降下させて管台3の内部での各種作業を行わせることができる。このため、架台11の内部に配置する機器類を必要最小限にすることができ、狭いスペースの中で効率良く管台3の内部の作業を行うことができるとともに、昇降装置44の昇降で作業装置44を入れ替えることで、上記種類の複数種類の作業を順次行うこともできる。さらに、架台11の内部に移動装置42が設けられており、制御装置13による制御のもと昇降装置44との間で作業装置40を受け渡し可能であるとともに、装着した作業装置40を移動させることが可能であるので、作業装置40に移動機能を備えさせる必要がなく、作業装置40を、作業を行うのに最小限の機能を備えるものとして、小型化を図ることができる。このため、昇降装置44によって昇降させる作業装置40の軽量化を図ることができ、昇降装置44の小型化を図ることができるとともに、架台11及び管台3の内部における狭いスペースでの移動及び作業をより容易なものとすることができる。特に、移動装置42がいずれも原子炉容器2に挿入された状態の架台11の中心軸C11回りに回転可能に設けられていることで、原子炉容器2に放射状に複数設けられる管台3に対して位置合わせを正確かつ容易に行うことができる。
また、本実施形態では、移動装置42が、第一の移動ユニット42Aと第二の移動ユニット42Bからなる。そして、作業装置40が、溶接ユニット80などの第一の移動ユニット42Aの先端に着脱可能であり、第一の移動ユニット42Aに装着された状態で駆動可能な第一の作業ユニット160と、切削ユニット81などの第二の移動ユニット42Bの支持板58に載置可能であるとともに、管台3の内部にスライド移動された状態で管台3の内面に対して固定することが可能な固定手段を有する第二の作業ユニット161からなっている。このため、第一の移動ユニット42によって、第一の作業ユニット160の細かい位置調整を行いながら第一の作業ユニット160によって管台3の内部で作業を行うことができる。一方、第二の作業ユニット161では、自らを固定する固定手段によって管台3の内部で安定的な姿勢を保ちつつ作業を行うことができる。すなわち、第一の移動ユニット42Aと第一の作業ユニット160との組み合わせによって細かく移動しながら行う作業を好適に行うことができるとともに、第二の移動ユニット42Bと第二の作業ユニット161との組み合わせによって、管台3から反力や振動を受ける作業でも好適に行うことができる。
また、本実施形態では、第一の作業ユニット160を構成する溶接ユニット80などは、収容庫43に収容された状態で作業床12上に配置されている。このため、第一の作業ユニット160の場合、昇降装置44によって収容庫43に収容された状態のまま複数同時に昇降させることができることで、効率良く昇降させることが可能である。また、収容庫43を架台11の内部に降下させた状態で、収容庫43の収容された複数の第一の作業ユニット160から選択して作業を行わせることが可能となる。また、消耗材を利用して作業を行う場合では、消耗材が無くなった場合に、その都度昇降装置44を利用して入れ替えを行うことなく、収容庫43と第一の移動ユニット42Aとの間で第一の作業ユニット160の入れ替えを行えば良いので効率的である。また、上記において、収容庫43は、作業の種類に応じて複数個備え、各第一の作業ユニット160は、種類毎に収容庫43に収容されている。このため、昇降装置44を駆動させて、作業の種類に応じて選択的に収容庫43を昇降させることができ、同種類の作業を一つの収容庫43に収容された複数の第一の作業ユニット160によって同時に行うことができるとともに、収容庫43を入れ替えることで、複数の作業を順次行うことができてさらに効率的である。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。